JP3792897B2 - 新規化学発光試薬及びその製造方法 - Google Patents

新規化学発光試薬及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された化学発光が可能な化学発光試薬に関し、特に化学発光分析による種々の物質の検出及び定量等に用いられる化学発光試薬及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学発光試薬として、古くから用いられているルシゲニン(N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート)は、アルカリ性水溶液中で微光を呈し、過酸化水素を加えると強く発光することが知られており、種々の微量分析に利用されている。しかしながら、ルシゲニンは過酸化水素とアルカリの存在下で定量的に発光するので、過酸化水素の定量には利用することができるが、この反応による発光を制御して発光量で酵素活性を測定する化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)等には利用し難いと云う問題点がある。この問題点を解決する手段として、標識酵素にグルコースオキシダーゼを用いて、グルコースの酸化反応により生成する過酸化水素をアルカリ存在下にルシゲニンに作用させることにより、測定対象物質の濃度に依存した化学発光を行なう方法等が行なわれている。
【0003】
しかしながら、グルコースオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAは、試薬の調製及び発光系の操作が煩雑である。又、安定性にも優れ、取り扱いが比較的に容易なペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬としてルミノールが用いられているが、発光促進剤を併用しても感度の点で必ずしも充分とは云えない。
【0004】
従って、試薬の調製及び発光系の操作が容易で、かつ高感度測定が可能な、ペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、過酸化水素を基質とするペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光する新規な化学発光試薬及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、ルシゲニン等のN,N’−ジ置換−9,9’−ビスジアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射することにより得られる化学発光試薬が、特定アルカリ性pH条件下において、過酸化水素とは反応せず、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光することを見い出し、これらの知見に基づいて本発明に到達したものである。
【0007】
従って、本発明の第一は、
N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射下で反応させることにより得られる化学発光性物質を含有することを特徴とする化学発光試薬に関するものである。
【0008】
また、本発明の第二は、
N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射下で反応させることを特徴とする化学発光試薬の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の化学発光試薬の製造に用いられるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、次の一般式(1)
【0010】
【化5】
Figure 0003792897
で表すことができる。
【0011】
一般式(1)において、R1 及びR2 は、各々、アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも異なるものでもよい。アルキル、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜14を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としてはハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0012】
一般式(1)において、R3 、R4 、R5 及びR6 は、各々、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20、好ましくは、1〜10のものを挙げることができる。例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
【0013】
また、一般式(1)において、Xn-はn価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオンとしては、特に限定されるものではなく、硝酸イオン(NO3 -)、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン等)、(メタ)リン酸イオン(PO3 -)等を挙げることができる。これらの陰イオンのなかで、特に硝酸イオンが好ましい。
【0014】
N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の具体例としては、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジエチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N−ジフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジ−m−クロロフェニル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)等を挙げることができる。特に、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)が好適である。
本発明の化学発光試薬の製造に用いられるN,N’−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、次の一般式(2)
【0015】
【化6】
Figure 0003792897
で表すことができる。
【0016】
上記一般式(2)において、R1 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、水酸基及びアミノ基等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。R2 は、メチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基は、アルキル基、ハロゲン基、ニトロ基、水酸基及びアミノ基等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。又、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0017】
N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体例としては、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルプロピオンアミド、N,N’−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が非限定的に挙げることができる。
【0018】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられる光照射用の光線としては、波長領域が約290〜800nmの範囲の紫外可視部が用いられ、特に約400〜800nmの範囲の可視光が望ましい。これらの光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、殺菌灯、蛍光灯及び白熱電灯等を非限定的に用いることができるが、特に白熱電灯が好ましく用いられる。この光照射により得られる化学発光試薬は、光源を用いずに自然光の下で製造した化学発光試薬に較べて、同じ原料ルシゲニン濃度で製造し同量で使用した場合に短時間で非常に高い発光強度を示すことと、この反応を光遮蔽下に実施した場合にはペルオキシダーゼ濃度依存性を有する化学発光試薬が得られないことから、化学発光性化合物の生成には光照射が重要な役割を担っていることが認められる。N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、pH8付近では過酸化水素ともペルオキシダーゼ存在下の過酸化水素とも顕著な発光反応は起こさないが、これはN,N’−ジ置換−9,9’ビスアクリジニウムカチオンが対イオン、特に硝酸イオンと安定な塩を形成しているためと考えられる。しかし、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物等の極性の高い化合物の存在下で光照射を行なうことにより、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの対アニオンからの電化移動が促進され、イオン性の高い塩類からラジカル性を有する電化移動錯体に変化し、この錯体がN,N’−ジ置換カルボン酸アミド化合物の配位もしくは溶媒和によって安定化され、この安定化されたラジカル性化合物が過酸化水素の酵素分解により生成する活性酸素と反応して、励起状態のジオキセタン構造を経て発光するので、ペルオキシダーゼ濃度に依存した発光強度が得られるものと考えられる。
【0019】
本発明の化学発光試薬の製造において、上記光照射を行なう際に必要なN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対するN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物のモル比としては、過剰量が望ましいが、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対してN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を1〜1万倍モルの割合で用いることができ、更に、この場合において、同種及び/又は異種のN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び/又はその他の溶媒を反応溶媒として用いることもできる。
【0020】
反応温度は用いられる溶媒の有無及び種類によって異なるが、一般的に、−10〜+150℃、好ましくは0〜120℃、特に好ましくは20〜90℃の範囲の温度である。反応時間は1分〜一昼夜、好ましくは10分〜15時間、特に好ましくは30分〜10時間の範囲の時間で行なうことができる。
【0021】
本発明の化学発光試薬は、塩基性条件下において過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在で反応して発光するが、この反応は過酸化水素の検出及びペルオキシダーゼの定量等に利用することが可能であり、ペルオキシダーゼを標識物質として用いることにより、更に、種々の物質の定量に用いることが可能になる。
【0022】
本発明の新規化学発光試薬は、pH7.5〜13の塩基性条件下において、過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光はフェノール性化合物等の発光増強剤によって増強することが認められる。このようなフェノール性化合物としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェニリン等が非限定的に挙げられる。
【0023】
本発明の新規化学発光試薬を用いて化学発光分析を行なう場合には、10-8〜1M、好ましくは10-6〜10-2Mの範囲の濃度で用いられ、その使用量は10〜500μl、特に50〜300μlの範囲で用いるのが好ましい。また、発光増強剤の使用量は、化学発光試薬の0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲で用い、その濃度は10-6〜1M、特に10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが好ましい。また、化学発光反応に用いる過酸化水素の量は化学発光試薬に対して充分に過剰な量で用いることが必要であり、その使用量は化学発光試薬に対して3〜1万倍モル、特に10〜1000倍モルの範囲で用いるのが好ましい。
【0024】
また、ペルオキシダーゼを標識物質として抗体、核酸等を標識して種々の物質を定量する場合には、特に限定されるものではないが、ペルオキシダーゼとして、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。
【0025】
化学発光反応に用いられる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ほう酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を任意に用いることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが好ましい。また、反応時に界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
【0027】
[実施例1]
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製する。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表1に示すような発光強度が得られ、光照射せずに反応を行なった比較例1に較べて感度及び発光強度において大幅な改善が認められた。
【0028】
【表1】
Figure 0003792897
【0029】
[比較例1]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド2mlを加えて溶解させた後、室温で3時間静置してから純水2mlを加えて混合することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬溶液を直ちに20μl採り、複数の化学発光測定用ウェルに加え、次に、このウェルに各々西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の異なる複数の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlを加えた後、これに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表2に示すような発光強度が得られた。
【0030】
【表2】
Figure 0003792897
【0031】
[実施例2]
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを5時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製する。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表3に示すような発光強度が得られ、光照射せずに反応を行なった比較例2に較べて発光強度において改善が認められた。
【0032】
【表3】
Figure 0003792897
【0033】
[比較例2]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド2mlを加えて溶解させた後、室温で90分静置してから純水2mlを加えて混合することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬を直ちに20μlずつ複数の化学発光測定用ウェルに加え、次いで、このウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlを加えた後、これに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表4に示すような発光強度が得られた。
【0034】
【表4】
Figure 0003792897
【0035】
[実施例3]
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN−メチル−2−ピロリドン1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴注で250Wのコピーランプを3時間照射することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製する。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表5に示すような発光強度が得られ、光照射せずに反応を行なった比較例3に較べて発光強度において改善が認められた。
【0036】
【表5】
Figure 0003792897
【0037】
[比較例3]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN−メチル−2−ピロリドン2mlを加えて溶解させた後、室温において90分静置してから純水2mlを加えて混合することにより化学発光性物質を含有する化学発光試薬を得る。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬溶液を直ちに20μlずつ複数の化学発光測定用ウェルに加え、次いで、このウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlを加えた後、これに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表6に示すような発光強度が得られた。
【0038】
【表6】
Figure 0003792897
【0039】
【発明の効果】
本発明により提供される新規化学発光試薬は、安価な製造原料を用いて比較的に短時間で容易に製造することができ、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼの濃度に依存して化学発光する性質を利用して、ペルオキシダーゼ酵素を高感度で検出することができる。更に、ペルオキシダーゼを標識物質として抗原、抗体、核酸等を標識した酵素標識物を用いて、酵素免疫測定法により抗体、抗原等をウェスタンブロット法により蛋白質を、サザーン法及びノーザンブロット法によりDNA及びRNAを、そして酵素標識核酸プローブを用いて核酸を各々特異的に、且つ高感度で測定することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0003792897
    (上記一般式(1)において、R1 及びR2 は、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子であり、Xは硝酸イオン又はハロゲン化物イオンであり、nは1である。)
    で表されるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、
    下記一般式(2)
    Figure 0003792897
    (一般式(2)において、R1 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アクリル基又はフェニル基であり、R2 は、メチル基又はエチル基であり、R3 は、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているアミド基の炭素原子及び窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表されるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射下で反応させることにより得られる化学発光性物質を含有することを特徴とする化学発光試薬。
  2. 前記N,N'−ジ置換−9,9'−ビスアクリジニウム塩類が、N,N'−ジメチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジエチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジプロピル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジイソプロピル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジブチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジイソブチル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N−ジフェニル−9,9'−ビスアクリジニウム塩、N,N'−ジ−m−クロロフェニル−9,9'−ビスアクリジニウムジナイトレートからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1に記載の化学発光試薬。
  3. 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類がN,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレートである請求項1に記載の化学発光試薬。
  4. 前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物がN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1に記載の化学発光試薬。
  5. 前記光照射に用いる光源が可視光を発する光源である請求項1のいずれかの項に記載の化学発光試薬。
  6. 下記一般式(1)
    Figure 0003792897
    (上記一般式(1)において、R1 及びR2 は、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子であり、Xは硝酸イオン又はハロゲン化物イオンであり、nは1である。)
    で表されるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を
    下記一般式(2)
    Figure 0003792897
    (一般式(2)において、R1 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アクリル基又はフェニル基であり、R2 は、メチル基又はエチル基であり、R3 は、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているアミド基の炭素原子及び窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表されるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射下で反応させることを特徴とする化学発光試薬の製造方法。
  7. 前記光照射に用いる光源が可視光を発する光源である請求項6に記載の化学発光試薬の製造方法。
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