JP3720977B2 - 化学発光試薬及びその製造方法 - Google Patents
化学発光試薬及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3720977B2 JP3720977B2 JP10205898A JP10205898A JP3720977B2 JP 3720977 B2 JP3720977 B2 JP 3720977B2 JP 10205898 A JP10205898 A JP 10205898A JP 10205898 A JP10205898 A JP 10205898A JP 3720977 B2 JP3720977 B2 JP 3720977B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- disubstituted
- chemiluminescent reagent
- bisacridinium
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された化学発光が可能な化学発光試薬として、化学発光分析による種々の物質の検出及び定量等に用いられる新規化学発光試薬及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学発光試薬として、古くから用いられているルシゲニン(N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート)は、アルカリ性水溶液中で微光を呈し、過酸化水素を加えると強く発光することが知られており、種々の微量分析に利用されている。しかしながら、ルシゲニンは過酸化水素とアルカリの存在により定量的に発光するので、過酸化水素の定量には利用することができるが、この反応による発光を制御して発光量で酵素活性を測定する化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)等には利用し難いと云う問題点がある。この問題点を解決する手段として、標識酵素にグルコースオキシダーゼを用いて、グルコースの酸化反応により生成する過酸化水素をアルカリ存在下においてルシゲニンに作用させることにより、測定対象物質の濃度に依存した化学発光量を測定する方法等が開発されている。
【0003】
しかしながら、グルコースオキシダーゼを標識酵素とする化学発光分析法は、試薬の調製及び発光系の操作が煩雑であり、ペルオキシダーゼを標識酵素に用いる化学発光分析法用の安価な化学発光試薬の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、過酸化水素を基質とするペルオキシダーゼを用いることができる新規な化学発光試薬及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、従来の化学発光試薬の開発状況に鑑み、上記課題を達成するために鋭意検討を行なった結果、ルシゲニン等のN,N’−ジ置換−9,9’−ビスジアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することにより得られる化学発光試薬が、特定アルカリ性pH条件下において、過酸化水素とは反応せず、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下において、ペルオキシダーゼの量に依存して化学発光することを見い出し、これらの知見に基づいて本発明に到達したものである。
【0006】
従って、本発明の第一は、
N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することにより得られる反応生成物を含有することを特徴とする化学発光試薬に関するものである。
【0007】
また、本発明の第二は、
N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物存在下において還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することを特徴とする化学発光試薬の製造方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0009】
本発明の化学発光試薬は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において還元する際に、紫外線を照射することにより得られる反応生成物を含有するものである。
【0010】
また、本発明の化学発光試薬の製造方法は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において、好ましくは、有機溶媒中で還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することからなるものである。
【0011】
本発明の化学発光試薬に用いられるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、次の一般式(1)
【0012】
【化3】
で表すことができる。
【0013】
前記一般式(1)において、R1 及びR2 は、各々、アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも異なるものでもよい。アルキル、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜14を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としてはハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0014】
また、一般式(I)において、R3 、R4 、R5 及びR6 は、各々、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20、好ましくは、1〜10のものを挙げることができる。例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
【0015】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の具体例としては、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジエチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N−ジフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジ−m−クロロフェニル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)等を挙げることができる。特に、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)が好適である。
【0016】
前記一般式(I)において、Xn-はn価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオンとしては、特に限定されるものではなく、硝酸イオン(NO3 -)、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン等)、(メタ)リン酸イオン(PO3 -)等を挙げることができる。これらの陰イオンのなかで、特に硝酸イオンが好ましい。
【0017】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、次の一般式(2)
【0018】
【化4】
で表すことができる。一般式(2)において、R1は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基であり、アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アミノ基等で置換されていてもよい。R2は、メチル基又はエチル基であり、R3は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基であり、アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、アミノ基等で置換されていてもよい。また、R1及びR3は互いに結合して、各々が結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体例を例示すると、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
【0019】
前記のN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、本発明の化学発光試薬の製造には必須であり、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類と複合体を形成した後、アクリジニウム塩構造の還元反応に伴い、より発光収率の高い化合物へと変化するものと考えられ、本発明の化学発光試薬の製造反応に反応成分として関与し、反応生成物の水溶性の付与等に寄与しているものと考えられる。
【0020】
また、本発明の化学発光試薬の製造に用いられる蟻酸は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対して0〜5000当量、好ましくは、0.5〜1000当量、特に好ましくは1〜500当量の割合で添加され、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の還元反応を促進し、化学発光試薬の反応収率を著しく高める作用を有する。
【0021】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられる還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化リチウムボロン、水素化ナトリウムボロン等が挙げられるが、水素化リチウムアルミニウムが特に好ましく用いられる。
【0022】
還元処理において用いられる有機溶媒としては、反応試薬に対して不活性であり、かつ、溶解性を有するものであれが、特に限定されるものではなく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン類等の環状エーテル類等が好ましく用いられる。
【0023】
本発明の化学発光試薬の製造に用いられる紫外線の光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、殺菌灯等を非限定的に用いることができるが、高圧水銀灯が好ましく用いられる。この紫外線照射により得られる化学発光試薬は、紫外線を照射せずに製造した化学発光試薬に較べて同濃度で使用した場合に、非常に高い発光強度を示すことが認められることから、化学発光性化合物の生成反応を促進する作用を有するものと考えられる。
【0024】
反応温度は、用いられる還元剤及び反応溶媒の種類によって異なるが、一般的に、−10〜+150℃、好ましくは0〜120℃、特に好ましくは20〜90℃の範囲の温度である。反応時間は1分〜一昼夜、好ましくは10分〜12時間、特に好ましくは30分〜5時間の範囲の時間を採用することができる。
【0025】
本発明の化学発光試薬は、塩基性条件下において過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在で反応して発光するが、この反応は過酸化水素の検出及びペルオキシダーゼの定量等に利用することが可能であり、ペルオキシダーゼを標識物質として用いることにより、更に、種々の物質の定量に用いることが可能になる。
【0026】
本発明の化学発光試薬は、pH7.5〜13の塩基性条件下において、過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光はフェノール性化合物等の発光増強剤によって増強することが認められる。このようなフェノール性化合物としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェニリン等が非限定的に挙げられる。
【0027】
本発明の新規化学発光試薬を用いて化学発光分析を行なう場合には、10-8〜1M、好ましくは10-6〜10-2Mの範囲の濃度で用いられ、その使用量は10〜500μl、好ましくは50〜300μlの範囲でよい。また、発光増強剤の使用量は、化学発光試薬の0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲で用い、その濃度は10-6〜1M、好ましくは10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが好ましい。また、化学発光反応に用いる過酸化水素の量は化学発光試薬に対して充分に過剰な量で用いることが必要であり、その使用量は化学発光試薬に対して3〜1万倍モル、好ましくは10〜1000倍モルの範囲で用いるのが望ましい。
【0028】
また、ペルオキシダーゼを標識物質として抗体、核酸等を標識して種々の物質を定量する場合には、特に限定されるものではないが、ペルオキシダーゼとして、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。化学発光反応に用いる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を任意に用いることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが望ましい。また、反応時に界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例等により限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド150μlを加えて溶解させた後、攪拌下に1,4−ジオキサン1ml中へ加えてルシゲニンを1,4−ジオキサン中に微分散させた。次に、これに蟻酸20μlを加えてよく攪拌してから、水素化リチウムアルミニウム粉末5mgを添加して、1KWの高圧水銀灯の照射下に、25℃で30分間攪拌して還元反応させた後、反応混合液を氷冷下に脱イオン水1ml中へ少量ずづ注入して過剰量の水素化リチウムアルミニウムを分解させた。次に、生成した水酸化アルミニウム等の沈殿を濾別してから、濾液のpHを1N塩酸で7.0に調整することにより新規化学発光試薬を得た。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) で100倍に希釈した後、その20μlずつを複数の化学発光測定用ウェルに充填した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlを含む混合液に添加し、次にこれに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを添加して、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表1に示すような発光強度が得られ、ペルオキシダーゼ活性を濃度依存性良く測定できることが認められた。
【0031】
【表1】
【0032】
[実施例2]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド150μlを加えて溶解させた後、攪拌下に1,4−ジオキサン1ml中へ加えてルシゲニンを1,4−ジオキサン中に微分散させた。次に、これに蟻酸20μlを加えてよく攪拌してから、水素化リチウムアルミニウム粉末5mgを添加して、1KWの高圧水銀灯の照射下に、25℃で30分間攪拌して還元反応させた後、反応混合液を氷冷下に脱イオン水1ml中へ少量ずづ注入して過剰量の水素化リチウムアルミニウムを分解させた。次に、生成した水酸化アルミニウム等の沈殿を濾別してから、濾液のpHを1N塩酸で7.0に調整することにより新規化学発光試薬を得た。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) で100倍に希釈した後、その20μlずつを複数の化学発光測定用ウェルに充填した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlの混合液に加え、次にこれに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表2に示すような発光強度が得られ、ペルオキシダーゼ活性を濃度依存性良く測定出来ることが認められた。
【0033】
【表2】
【0034】
[実施例3]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN−メチル−2−ピロリドン150μlを加えて溶解させた後、攪拌下に1ml中へ加えて、ルシゲニンを1,4−ジオキサン中に微分散させる。次に、これに蟻酸20μlを添加してよく攪拌してから、水素化リチウムアルミニウム粉末5mgを添加して、1KWの高圧水銀灯の照射下に、25℃で30分間攪拌して還元反応させた後、反応混合液を氷冷下に脱イオン水1ml中へ少量ずつ注入して過剰量の水素化リチウムアルミニウムを分解させた。次に、生成した水酸化アルミニウム等の沈殿を濾別してから、濾液のpHを1N塩酸で7.0に調整することにより新規化学発光試薬を得た。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) で100倍に希釈した後、その20μlずつを複数の化学発光測定用ウェルに充填した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlの混合液に加え、次にこれに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表2に示すような発光強度が得られ、ペルオキシダーゼ活性を濃度依存性良く測定出来ることが認められた。
【0035】
【表3】
【0036】
[比較例1]
ルシゲニン1mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルホルムアミド150μlを加えて溶解させた後、攪拌下に1,4−ジオキサン1ml中へ加えてルシゲニンを1,4−ジオキサン中に微分散させる。次に、これに蟻酸20μlを加えてよく攪拌してから、水素化リチウムアルミニウム粉末200μgを添加して、60℃で3時間攪拌して還元反応させた後、反応混合液を氷冷下に脱イオン水1ml中へ少量ずつ注入して過剰量の水素化リチウムアルミニウムを分解させた。次に、生成した水酸化アルミニウム等の沈殿を濾別してから、濾液のpHを1N塩酸で7.0に調整することにより化学発光試薬を得た。
[ペルオキシダーゼ活性の測定]
この化学発光試薬を0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) で100倍に希釈した後、その20μlずつを複数の化学発光測定用ウェルに充填した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液200μl及びp−ヨードフェノール10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液20μlの混合液に加え、次にこれに0.0034重量%過酸化水素水溶液50μlを加え、ルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間発光量を積算した結果、表4に示すような発光強度が得られ、この化学発光試薬濃度ではペルオキシダーゼ活性を正確に測定することは出来ないことが認められた。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
本発明により提供される新規化学発光試薬は、安価な製造原料を用いて比較的に短時間で容易に製造することができ、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼの濃度に依存して化学発光する性質を有することを利用して、ペルオキシダーゼ酵素を高感度で検出することができる。更に、ペルオキシダーゼを標識物質として抗原、抗体、核酸等を標識した酵素標識物を用いて、酵素免疫測定法により抗体、抗原等をウェスタンブロット法により蛋白質を、サザーン及びノーザンブロット法によりDNA及びRNAを、そして酵素標識核酸プローブを用いて核酸を各々、特異的に、且つ高感度で測定することができる。
Claims (10)
- N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することにより得られる反応生成物を含有することを特徴とする化学発光試薬。
- 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類がN,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレートである請求項1又は2に記載の化学発光試薬。
- 前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物がN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の化学発光試薬。
- 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において前記還元剤と接触処理させる際に、更に、蟻酸が添加されてなる請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の化学発光試薬。
- N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類を、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において還元剤と接触処理させる際に、紫外線を照射することを特徴とする化学発光試薬の製造方法。
- 前記還元剤との接触処理の際に、更に、蟻酸を添加することからなる請求項6〜7のいずれかの請求項に記載の化学発光試薬の製造方法。
- 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類1モルに対し、前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び前記蟻酸が各々当モル以上である請求項8に記載の化学発光試薬の製造方法。
- 前記還元剤が水素化リチウムアルミニウムであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかの請求項に記載の化学発光試薬の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10205898A JP3720977B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 化学発光試薬及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10205898A JP3720977B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 化学発光試薬及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11279549A JPH11279549A (ja) | 1999-10-12 |
JP3720977B2 true JP3720977B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=14317179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10205898A Expired - Fee Related JP3720977B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 化学発光試薬及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3720977B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100608464B1 (ko) | 2004-07-26 | 2006-08-02 | 네오뷰코오롱 주식회사 | 청색 발광 유기 화합물 및 이를 포함하는 유기 발광다이오드 |
KR101477039B1 (ko) * | 2011-02-25 | 2014-12-29 | 쇼와 덴코 가부시키가이샤 | 방습 절연 재료 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10205898A patent/JP3720977B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11279549A (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0755458B1 (en) | Electrogenerated chemiluminescence labels for analysis and/or referencing | |
EP1038939B1 (en) | Chemiluminescent reagents and chemiluminescence analysis methods with the use of the same | |
JP3720977B2 (ja) | 化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP3792885B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3792897B2 (ja) | 新規化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP4028647B2 (ja) | 新規化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP3720988B2 (ja) | 新規化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP3996283B2 (ja) | 新規化学発光試薬の製造方法 | |
JP3792898B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3958452B2 (ja) | 新規化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP3792908B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3779849B2 (ja) | 化学発光試薬の製造方法 | |
JP4286356B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP4028648B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP4212698B2 (ja) | 新規化学発光試薬 | |
JP3745113B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3792959B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3692265B2 (ja) | 化学発光試薬の製造方法 | |
JP5048889B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP4028644B2 (ja) | ペルオキシダーゼ活性の測定方法 | |
JP3827465B2 (ja) | 改良された化学発光試薬 | |
JP3839133B2 (ja) | 安定化された化学発光試薬 | |
JP3776229B2 (ja) | 化学発光試薬及びその製造方法 | |
JP3815905B2 (ja) | 酵素免疫測定法 | |
JP3792886B2 (ja) | 化学発光酵素免疫測定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050909 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |