JP3720988B2 - 新規化学発光試薬及びその製造方法 - Google Patents

新規化学発光試薬及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御された化学発光が可能な化学発光試薬として、化学発光分析による種々の物質の検出及び定量等に用いられる化学発光試薬及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、水素受容体の存在下においてペルオキシダーゼ酵素活性の測定に有用な化学発光試薬及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学発光試薬として、古くから用いられているルシゲニン(N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート)は、アルカリ性水溶液中で微光を呈し、水素受容体、例えば、過酸化水素を加えると強く発光することが知られており、種々の微量分析に利用されている。しかしながら、ルシゲニンは過酸化水素とアルカリ性化合物の存在下で定量的に発光するので、過酸化水素の定量には利用することができるが、この反応による発光を制御して発光量で酵素活性を測定する化学発光酵素免疫測定方法(CLEIA)等には利用し難いと云う問題点がある。この問題点を解決する手段として、標識酵素にグルコースオキシダーゼを用いて、グルコースの酸化反応により生成する過酸化水素をアルカリ存在下にルシゲニンに作用させることにより、測定対象物質の濃度に依存した化学発光を行なう方法等が行なわれている。
【0003】
しかしながら、グルコースオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAは、試薬の調製及び発光系の操作が煩雑である。また、安定性にも優れ、取り扱いが比較的に容易なペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬としてルミノールが用いられているが、発光促進剤を併用しても感度の点で必ずしも十分とは云えない。
従って、化学発光試薬の調製及び化学発光系の操作が容易で、かつ高感度測定が可能な、ペルオキシダーゼを標識酵素とするCLEIAに利用できる化学発光試薬の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記事情に鑑み、過酸化水素を基質とするペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光する新規な化学発光試薬及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討を行なった結果、ルシゲニン等のN,N’−ジ置換−9,9’−ビスジアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボンアミド化合物及びアミノアルコールの存在下において光照射することにより得られる化学発光性物質を含有する化学発光試薬が、特定アルカリ性pH条件下において、過酸化水素とは反応せず、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼのモル数に依存して化学発光することを見い出し、これらの知見に基づいて本発明の完成に到達したものである。
【0006】
即ち、本発明の第一は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びアミノアルコール化合物からなり、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加してなることを特徴とする化学発光試薬に関するものである。
【0007】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩が、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレートであることが好ましい。
また、前記アミノアルコール化合物が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群より選択されるものが好ましい。
さらに、前記光照射に用いる光源が可視光を発する光源であることが好ましい。
【0008】
本発明の第二は、N,N’−ジ置換ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加することを特徴とする化学発光試薬の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の化学発光試薬及びその製造方法に用いられるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、次の一般式(1)
【0010】
【化7】
Figure 0003720988
で表わされる。
【0011】
一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよい。アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基は、炭素数1〜14を有するものであり、好ましいアルキル基は炭素数1〜10のものである。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状アルキル基を挙げることができる。また、アリール基は、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、トリール基、キシリル基等を挙げることができ、さらにアルキル基で置換されたものでもよい。アリール基としては、特に、フェニル基が好ましい。ハロゲン化アリール基としてはハロゲン化フェニル基、ハロゲン化トリル基、ハロゲン化キシリル基等を挙げることができ、特に、クロロフェニル基が好ましい。
【0012】
一般式(1)において、R3 、R4 、R5 及びR6 は、各々、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでよい。これらの炭化水素基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のものを挙げることができる。例えば、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、アリーロキシ基を挙げることができ、アリール基、アリーロキシ基にはアルキル基が置換されたものでもよい。
【0013】
また、一般式(1)において、Xn-はn価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオンとしては、特に限定されるものではなく、硝酸イオン(NO3 -)、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン等)、(メタ)リン酸イオン(PO3 -)等を挙げることができる。これらの陰イオンのなかで、特に硝酸イオンが好ましい。
【0014】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の具体例としては、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジエチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソプロピル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジイソブチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N−ジフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジ−m−クロロフェニル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)等を挙げることができる。これらのなかで、特に、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)が好適である。
【0015】
本発明の化学発光試薬及びその製造方法に用いられるN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、次の一般式(2)
【0016】
【化8】
Figure 0003720988
前記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子、等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。R2 はメチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基は、アルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子、等からなる群より選択される基で置換されていてもよい。R1 及びR3 のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができる。また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0017】
N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
さらに、本発明の化学発光試薬及びその製造方法に用いられるアミノアルコール化合物は、次の一般式(3)
【0018】
【化9】
Figure 0003720988
で表される化合物である。
前記一般式(3)において、Rは炭素数1〜5の二価の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜3の整数である。
前記アミノアルコール化合物の具体的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を非限定的に挙げることができる。
【0019】
本発明の化学発光試薬は、前記の説明の如く、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びアミノアルコール化合物からなるものであり、アミノアルコール化合物は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類とN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の混合物に光照射前に添加してもよいが、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下における光照射によるN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の反応時及び/又は反応後に添加してもよい。特に、発光性能の安定性維持の観点からは光照射後、即ち反応後に添加することが好ましい。
【0020】
本発明におけるアミノアルコール化合物の添加は、発光反応時においてブランク値を低下させる効果及びペルオキシダーゼの高濃度領域における発光強度を上昇させる効果を有し、また、化学発光試薬の保存時において、その発光性能の低下を防ぐ保存安定性を改善する効果等を有し、化学発光試薬の感度や安定性等の性能の向上に寄与する処が大きい。
【0021】
本発明の化学発光試薬及びその製造方法に用いられる光照射用の光源としては、波長領域が約290〜800nmの範囲の紫外可視部が用いられ、特に、約400〜800nmの範囲の可視光が望ましい。これらの光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、殺菌灯、蛍光灯及び白熱電灯等を非限定的に用いることができる、白熱電灯が好ましく用いられる。該光照射により得られる化学発光試薬は、前記光源を用いずに自然光の下で製造した化学発光試薬に較べて、同じ原料ルシゲニン濃度で製造し同量で使用した場合に短時間で非常に高い発光強度を示すことと、この反応を光遮断下に実施した場合にはペルオキシダーゼ濃度依存性を有する化学発光試薬が得られないことから、化学発光性化合物の生成には光照射が重要な役割を担っていることが認められる。
【0022】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、pH8付近では過酸化水素ともペルオキシダーゼ存在下の過酸化水素とも顕著な発光反応は起こさないが、これはN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンが対イオン、特に硝酸イオンと安定な塩を形成しているためと考えられる。しかし、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物等の極性の高い化合物の存在下で光照射を行なうことにより、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの対アニオンからの電荷移動が促進され、イオン性の高い塩類からラジカル性を有する電荷移動錯体に変化し、この錯体がN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の配位又は溶媒和によって安定化され、この安定化されたビラジカル性化合物が過酸化水素の酵素分解により生成する活性酵素と反応して、励起状態のジオキセタン構造を経て発光するのでペルオキシダーゼ濃度に依存した発光強度が得られるものと考えられる。
【0023】
前記光照射による反応において、前記アミノアルコール化合物はN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの電荷移動に関与してその反応を促進し、発光反応時のブランク値を高める副生成物の生成を抑え、且つ生成するビラジカルを更に安定化する作用を有するものと考えられる。
【0024】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びアミノアルコール化合物の混合割合(モル比)は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対してN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を1〜1万倍モル、アミノアルコール化合物を1〜1万倍モルの量でそれぞれ用いることができ、さらに、同種及び/又は異種のN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び/又はその他の溶媒を反応溶媒として用いることもできる。
【0025】
前記光照射反応の反応温度は用いられる溶媒の有無及び種類によって異なるが、一般的に−10〜+150℃、好ましくは0〜120℃、特に好ましくは20〜90℃の範囲の温度である。反応時間は1分〜一昼夜、好ましくは10分〜15時間、特に好ましくは30分〜10時間の範囲の時間で行なうことができる。また、本発明の新規化学発光試薬は、塩基性条件下に過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在下で反応して発光するが、この反応は過酸化水素の検出及びペルオキシダーゼの定量等に利用することが可能であり、ペルオキシダーゼを標識物質として用いることにより、さらに、種々の物質の定量に用いることが可能になる。
【0026】
本発明の新規化学発光試薬は、pH7.5〜13の塩基性条件下において、過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光は、フェノール性化合物等の発光促進剤によって増強することが認められる。このようなフェノール性化合物としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−クマル酸、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェリン等が非限定的に挙げられる。
【0027】
本発明の新規化学発光試薬を用いて化学発光分析を行なう場合には、10-8〜1M、好ましくは10-6〜10-2Mの範囲の濃度で用いられ、その使用量は10〜500μl、好ましくは50〜300μlの範囲で用いるのが望ましい。
【0028】
また、発光促進剤の使用量は、化学発光試薬の0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲であり、その濃度は10-6〜1M、好ましくは10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが望ましい。
【0029】
また、化学発光反応に用いる過酸化水素の量は化学発光試薬に対して充分に過剰な量で用いることが必要であり、その使用量は化学発光試薬に対して3〜1万倍モル、好ましくは10〜1000倍モルの範囲で用いるのが望ましい。
【0030】
また、ペルオキシダーゼを標識物質として抗体、核酸等を標識して種々の物質を定量する場合には、特に限定されるものではないが、ペルオキシダーゼとして、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。
【0031】
化学発光反応に用いる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ほう酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を任意に用いることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが望ましい。また、反応時に界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることもできる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0033】
[実施例1]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射してから、トリエタノールアミン0.5mlを添加し混合することにより化学発光試薬を得た。
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表1に示すような発光強度が得られ、トリエタノールアミンを添加してない比較例1に較べて感度及び発光強度において大幅な改善が認められた。
【0034】
【表1】
Figure 0003720988
【0035】
[実施例2]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射してから、モノエタノールアミン0.1mlを添加し混合することにより化学発光試薬を得た。
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表2に示すような発光強度が得られ、モノエタノールアミンを添加してない比較例1に較べて感度及び発光強度において大幅な改善が認められた。
【0036】
【表2】
Figure 0003720988
【0037】
[実施例3]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射してから、トリイソプロパノールアミン0.1mlを添加し混合することにより化学発光試薬を得た。
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表3に示すような発光強度が得られ、トリイソプロパノールアミンを添加してない比較例1に較べて感度及び発光強度において大幅な改善が認められた。
【0038】
【表3】
Figure 0003720988
【0039】
[比較例1]
化学発光試薬の調製
ルシゲニン1.5mgを試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミド1mlを加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射することにより化学発光試薬を得た。
ペルオキシダーゼ活性の測定
この化学発光試薬50μlを採り、これを0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 2.95mlと混合した後、この溶液に10mMのp−ヨードフェノールの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlを添加し混合して化学発光試薬溶液を調製した。また、化学発光測定用マイクロプレートの複数のウェルに西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の種々の濃度水準の0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.4) 溶液100μlずつを充填し、これに溶液注入装置から前記化学発光試薬溶液及び0.0017重量%過酸化水素水溶液100μlを順次注入して発光反応させ、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で0〜5秒間積算した結果、表4に示すような発光強度が得られた。
【0040】
【表4】
Figure 0003720988
【0041】
【発明の効果】
本発明により提供される新規化学発光試薬は、安価な製造原料を用いて比較的に短時間で容易に製造することができ、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下に、ペルオキシダーゼの濃度に依存して化学発光する性質を利用して、ペルオキシダーゼ酵素を高感度で検出することができる。さらに、ペルオキシダーゼを標識物質として抗原、抗体、核酸等を標識した酵素標識物を用いて、酵素免疫測定法により抗体、抗原等を、ウェスタンブロット法により蛋白質を、サザーン及びノーザンブロット法によりDNA及びRNAを、そして酵素標識核酸プローブを用いて核酸を各々特異的に、且つ高感度で測定することができる。

Claims (13)

  1. N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加してなることを特徴とする化学発光試薬。
  2. 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類が、下記一般式(1)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。)
    で表わされる化合物である請求項1に記載の化学発光試薬。
  3. 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類が、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレートである請求項1又は2に記載の化学発光試薬。
  4. 前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物が、下記一般式(2)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表わされる化合物である請求項1ないし3のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  5. 前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1ないし4のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  6. 前記アミノアルコール化合物が、下記一般式(3)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(3)において、Rは炭素数1〜5の二価の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜3の整数である。)
    で表わされる化合物である請求項1ないし5のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  7. 前記アミノアルコール化合物が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項1ないし6のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  8. 前記光照射に用いる光源が可視光を発する光源である請求項1ないし7のいずれかの1項に記載の化学発光試薬。
  9. N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加することを特徴とする化学発光試薬の製造方法。
  10. 前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類が、下記一般式(1)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(1)において、R1 及びR2 はアルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよく、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。)
    で表わされる化合物である請求項9に記載の化学発光試薬の製造方法。
  11. 前記N,N−ジ置換−ジ置換カルボン酸アミド化合物が、下記一般式(2)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(2)において、R1 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、R2 はメチル基又はエチル基であり、R3 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。)
    で表わされる化合物である請求項9又は10に記載の化学発光試薬の製造方法。
  12. 前記アミノアルコール化合物が、下記一般式(3)
    Figure 0003720988
    (前記一般式(3)において、Rは炭素数1〜5の二価の脂肪族炭化水素基であり、mは1〜3の整数である。)
    で表わされる化合物である請求項9ないし11のいずれかの1項に記載の化学発光試薬の製造方法。
  13. 前記光照射に用いる光源が可視光を発する光源であることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかの1項に記載の化学発光試薬の製造方法。
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