JP4027607B2 - ズームフラッシュ装置及びフラッシュ撮影システム - Google Patents

ズームフラッシュ装置及びフラッシュ撮影システム Download PDF

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    • G03B2215/0521Housing movable housing, e.g. bounce-light

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、予備発光時の測光結果に基づいて本発光量を適正に制御するフラッシュ撮影システムに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
フラッシュ撮影が可能なカメラでは、撮影前にフラッシュを予備発光させ、この予備発光時の測光結果に基づいて被写体の反射率等を求め、本発光量を適正に制御するものが知られている。このタイプにおいて従来は、予備発光におけるフラッシュの発光量を一定としているものが多い。
しかし、焦点距離に応じて画角を変更可能なズームフラッシュを使用した場合には、ズーミングによって予備発光の強度が変化するため、予備発光量を一定とすると、正確な測光結果を得ることができず、フラッシュ撮影において適正露出が得られないことがあった。この場合、予備発光時のガイドナンバーを用いて測光結果を補正すれば、補正後の測光結果に基づいて本発光量を適正に制御できるが、ガイドナンバーの異なるフラッシュを複数使用した場合には、各ガイドナンバーと撮影距離との関係が複雑となるため、適切に補正を行うことができない。また、カメラからのワイヤレス信号(光通信)によってズームフラッシュを発光させるワイヤレス制御で予備発光を行う場合には、予備発光時の測光結果から被写体の位置を特定するのは困難であるため、フラッシュ撮影において適正露出が得られなかった。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、ズームフラッシュを使用した撮影やガイドナンバーの異なるフラッシュを複数使用した撮影においても、適正露出を得ることができるフラッシュ撮影システムを提供することを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、本発光前に実施される予備発光時の被写体輝度に基づいて本発光量が制御される、照射角を変更可能なズームフラッシュにおいて、発光ユニットと、この発光ユニットを移動させて照射角を変更するズーム手段と、発光ユニットのズーム位置を検出する検出手段と、発光ユニットの各ズーム位置に応じて変化する最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」と、予め設定された基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を格納した記憶手段と、照射角及び最大ガイドナンバーにかかわらず予備発光時に所定距離の被写体に対する照度が一定となるように予備発光量を制御する予備発光制御手段と、予備発光の被写体輝度に基づいて本発光量を制御する本発光制御手段とを備え、予備発光制御手段は、検出手段が検出したズーム位置における最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を記憶手段から取り込んで、発光ユニットの発光レベル「Vfp」を、
Vfp=Va(Gnos/Gno(zoom)) 2
なる式により求める演算手段を有し、該求めた発光レベル「Vfp」に基づいて発光ユニットを予備発光させ、本発光制御手段は、所定距離の被写体の反射率が一定であることを条件とする予備発光時の被写体輝度と撮影距離の比例関係を利用し、適正露出となる本発光量で前記発光ユニットを本発光させること、を特徴としている。
また本発明は、カメラと、照射角を変更可能なズームフラッシュ装置とを備え、本発光前にズームフラッシュ装置を予備発光させ、該予備発光時の被写体輝度に基づきズームフラッシュ装置の本発光量を制御するフラッシュ撮影システムにおいて、ズームフラッシュ装置は、発光ユニットと;この発光ユニットを移動させて照射角を変更するズーム手段と;発光ユニットのズーム位置を検出する検出手段と;発光ユニットの各ズーム位置に応じて変化する最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、予め設定された基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を格納した記憶手段と;を備えたこと、カメラまたはズームフラッシュ装置には、ズームフラッシュ装置の照射角及び最大ガイドナンバーにかかわらず予備発光時に所定距離の被写体に対する照度が一定になるように該ズームフラッシュ装置の予備発光を制御する予備発光制御手段と、予備発光の被写体輝度に基づいて本発光量を制御する本発光制御手段とを備えたこと、予備発光制御手段は、検出手段が検出したズーム位置における最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を記憶手段から取り込んで、前記発光ユニットの発光レベル「Vfp」を、
Vfp=Va(Gnos/Gno(zoom)) 2
なる式により求める演算手段を有し、該求めた発光レベル「Vfp」に基づいて発光ユニットを予備発光させること、及び本発光制御手段は、所定距離の被写体の反射率が一定であることを条件とする予備発光時の被写体輝度と撮影距離の比例関係を利用し、適正露出となる本発光量で発光ユニットを本発光させること、を特徴としている。
上記構成によれば、予備発光時に所定距離の被写体に対する照度を同一にしているから、被写体の反射率を正確に判定することができ、異なる照射角のズームフラッシュを複数使用する撮影であっても、異なるガイドナンバーのフラッシュを複数使用する撮影であっても、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。本フラッシュ撮影システムは、カメラボディ10と、カメラボディ10に着脱可能な複数のフラッシュ装置50を備えている。フラッシュ装置50のうち、カメラボディ10に装着されて外部フラッシュとして機能するものは、カメラボディ10との間で直接実行する通信により発光制御される。一方、カメラボディ10に装着されずにスレーブフラッシュとして機能するものは、カメラボディ10の内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの微少発光より、ワイヤレスで発光制御される。本システムを構成するフラッシュ装置の数、及びいずれのフラッシュ装置をカメラに装着してまたは装着せずに使用するかは、各使用者が自由に設定することができる。
【0006】
以下では、図示した回路及び素子において、ロー(グランド)レベルの電圧は論理値“0”、ハイレベルの電圧は論理値“1”とする。
【0007】
図1は、本システムを構成するカメラの制御系を示すブロック図である。カメラボディ10は、カメラ全体の動作を統括的に制御する制御手段としてCPU13を備えている。CPU13は、制御用プログラム等を格納したROMと、制御用データを一時的に格納するRAM13aを内蔵している。CPU13には電池1の電圧が昇降圧ボルテージレギュレータ2を介して定電圧Vddとして供給される。この昇降圧ボルテージレギュレータ2の制御用端子であるDC/DCon端子はCPU13のポートP3に接続されていて、その昇圧動作はCPU13によって制御される。昇降圧ボルテージレギュレータ2の出力電圧Vddはコンデンサー3にも供給される。
【0008】
CPU13には、撮影に関する各種情報を表示する例えばLCDなどの表示素子5、各種書き換え可能なパラメータ、モード等を書き込むEEPROM6、カメラボディ10に装着される撮影レンズとの間で通信を行うためのレンズ通信インターフェース7、カメラボディ10に装着された外部フラッシュとの間で通信を行うためのフラッシュ通信インターフェース8がそれぞれポート群Pe、Pd、Pc、Pbを介して接続されている。
【0009】
フラッシュ通信インターフェース8にはフラッシュ接続端子4が接続されている。フラッシュ接続端子4にはC,R,Q,X,Gの5端子が設けられていて、X端子はフォーカルプレンシャッターの先幕走行完了に同期して“0”となるX接点端子、G端子はグランド端子、C端子は外部フラッシュへの制御信号を出力する制御端子、R端子はクロック信号を外部フラッシュへ出力するクロック端子、Qはカメラボディ10‐外部フラッシュ間の双方向データ通信用と外部フラッシュへのクエンチ信号出力用の兼用端子である。
【0010】
CPU13には、スイッチ類として、測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWR、メインスイッチSWM、情報設定スイッチ群9がそれぞれポートP2、P1、P0、ポート群Paを介して接続されている。
測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRはレリーズボタン(不図示)に連動するスイッチであって、レリーズボタンの半押しによって測光スイッチSWSがオンし、その全押しによってレリーズスイッチSWRがオンする。
メインスイッチSWMは、カメラの電源スイッチ(不図示)に連動し、電源スイッチがオン位置に操作されたときにオンする。
【0011】
情報設定スイッチ群9には、例えばテスト発光を設定するテストSWのほか、DXコード情報、撮影モード情報、WLintモード等を設定するスイッチを設けてある。
【0012】
ここでWLintモードとは、内蔵フラッシュの微少発光(ワイヤレス信号)によって、スレーブフラッシュをワイヤレス制御するためのモードである。このWLintモードには、ワイヤレス制御を実行しないWLoffモード、ワイヤレス信号でスレーブフラッシュを通常発光させるWLCモード、ワイヤレス信号でスレーブフラッシュをフラット発光させるWLFPモード、ワイヤレス信号でスレーブフラッシュを通常発光させるとともに、露光のために内蔵フラッシュを発光させるWLMモードがある。
【0013】
またCPU13には、キセノン管21を発光させるための内蔵フラッシュ回路14、フィルム給送モータ・チャージモータ・AFモータ等を駆動するモータ制御回路15、位相差方式により被写体の焦点状態を検出するAF回路16、撮影レンズの絞りを開閉する絞り制御回路17、シャッタ幕の走行を制御するシャッタ制御回路18がそれぞれポート群Pf、Pg、Ph、Pi、Pjを介して接続されている。本明細書において「内蔵フラッシュ」とは、キセノン管21、またはキセノン管21及び内蔵フラッシュ回路14を指すものとする。
【0014】
さらにCPU13には、測光回路19がポート群Pkを介して接続されていて、TTL測光回路20がポート群Pmを介して接続されている。
測光回路19は、分割受光素子22の出力を処理してCPU13に出力する回路である。分割受光素子22は、ファインダー光路内を通過する光を受光できるように、ペンタプリズム(不図示)周辺に配置されている。この分割受光素子22は、受光素子22_1〜22_9に9分割されていて、撮影画面を9つの測光領域に分割して各測光領域毎に測光することができる(図8(a)参照)。
TTL測光回路20は、TTL受光素子23の出力を処理してCPU13に出力する回路である。TTL受光素子23は、撮影レンズを通過してフィルム面にて反射された光を受光できる位置に配置されていて、露光中の被写体光を直接測光することができる。
【0015】
本実施形態では、撮影前に実行する予備発光を分割受光素子22で測光し、各受光素子22_1〜22_9の受光量に基づいてTTL補正量を算出する。そして、算出したTTL補正量に基づいて適正露出量を補正し、撮影時の本発光をTTL受光素子23で測光して適正露出を得るようにしている。なお、フラッシュ照射範囲を確認するために実行するテスト発光は、分割受光素子22にて測光される。
【0016】
以上はカメラボディ10の構成概要であるが、次に図2及び図3を参照し、測光回路19、TTL測光回路20について具体的に説明する。
【0017】
図2は測光回路19の一実施の形態を示す回路図である。
分割受光素子22の分割された各受光素子22_1〜22_9は、対応するオペアンプ100a〜100iの入力端子間に接続されている。オペアンプ100a〜100iの非反転入力端子には、基準電圧発生回路110で発生させた基準電圧Vsが印加されている。
受光素子22で受けた光は各受光素子22_1〜22_9毎に受光され、その受光量に対応する光電流が各受光素子22_1〜22_9から発生する。各受光素子22_1〜22_9の光電流は圧縮ダイオード101a〜101iにより対数変換されてセレクター102へ出力される。セレクター102では、CPU13のポート群Pk(Pk1、Pk2、Pk3、Pk4)の入力レベルに対応する受光素子22_1〜22_9、即ち受光素子22_1〜22_9の光電流(対数出力値)が一つ選択され、端子V1からオペアンプ105の非反転入力端子へ出力される。
【0018】
オペアンプ105には、反転入力端子とグランド間に定電流源103が接続され、反転入力端子と出力端子の間に圧縮ダイオード104が接続されている。このオペアンプ105の出力V2は、式;V2=Vs+(KT/q)(ln(Is/Ip))により求められる。但し、T:絶対温度、K:ボルツマン定数、q:電子の電荷、Is:定電流源103の電流値、Ip:セレクター102で選択された受光素子22_1〜22_9の光電流値とする。
【0019】
オペアンプ105の出力V2は、正係数温度抵抗器106を介してオペアンプ109の反転入力端子へ入力される。オペアンプ109は、非反転入力端子に基準電圧Vsが印加され、反転入力端子−グランド間に抵抗107、反転入力端子−出力端子間に抵抗108が接続されている。
ここで正係数温度抵抗器106、抵抗108、抵抗107の抵抗値を各々R1、R2、R3とすれば、オペアンプ109の出力V3は、式;V3=Vs(1+R2/R3)+(KT/q)(R2/R1)(ln(Is/Ip))により求められる。この式において、絶対温度Kは抵抗値R1の温度係数によって相殺される。そのため、オペアンプ109の出力V3はセレクター102で選択した受光素子22_1〜22_9の光電流の対数出力に比例した電圧となる。
この出力V3は、測光信号として、CPU13のA/D変換ポートPk5に入力されてA/D変換される。
【0020】
図3はTTL測光回路20の一実施の形態を示す回路図である。
TTL受光素子23が接続されたオペアンプ202の出力端子−反転入力端子間には、積分コンデンサー201とMOSFET(以下、「MOS_SW」という)200が並列接続されている。MOS_SW200は、ゲートがCPU13のポート群PmのポートPm3に接続されていて、CPU13によってオン/オフ制御される。即ち、ポートPm3の出力が“1”のとき、MOS_SW200はオンし、積分コンデンサー201が放電して蓄積電荷がはき出される。一方、ポートPm3の出力が“0”のとき、MOS_SW200はオフする。この状態で本発光が行われると、フィルム面に反射した光がTTL受光素子23で受光され、受光量に対応する光電流が積分コンデンサー201で積分され、その結果、オペアンプ202の出力電圧が上昇する。
【0021】
オペアンプ202の出力は、コンパレータ203によって、CPU13のポート群PmのD/A変換ポートPm1から出力された所定電圧T_ttl(x)と比較される。そして、オペアンプ202の出力が所定電圧T_ttl(x)以下であればコンパレータ203から“0”が出力され、逆にオペアンプ202の出力が所定電圧T_ttl(x)を超えていればコンパレータ203から“1”が出力される。
【0022】
コンパレータ203の出力は、抵抗204を介して、トランジスタ206と抵抗207で構成されるエミッタホロア回路に入力する。トランジスタ206はエミッタがフラッシュ接続端子4のQ端子に並列接続されていて、このエミッタ出力がクエンチ信号として機能する。つまり、トランジスタ206がローからハイに変化すると、Q端子が“0”から“1”に変化し、外部フラッシュの発光を停止させる。またシンクロ指定に順次が設定されている場合(後述する)には、トランジスタ206がハイからローに変化する結果、Q端子が“1”から“0”に変化すると、後発のフラッシュ発光が開始される。
なお、トランジスタ206のハイ/ローはポートPm2を介してCPU13が制御する。CPU13は、通常はポートPm2の出力によりトランジスタ206のハイ/ローを制御し、調光モード指定がTTLのときは、ポートPm2を入力モードとし、コンパレータ203の出力によってトランジスタ206のハイ/ローを制御する。
【0023】
図4は本システムを構成するフラッシュ装置の制御系を示すブロック図である。フラッシュ装置50は、照射角を変更できるズームフラッシュであり、カメラボディ10に装着可能である。フラッシュ装置50は、カメラボディ10に装着された場合にはカメラの外部フラッシュとして、カメラボディ10に装着しない場合にはスレーブフラッシュとして機能する。
【0024】
フラッシュ装置50は、装置全体の動作を統括的に制御する制御手段としてフラッシュCPU65を備えている。フラッシュCPU65には、電池51の電圧がショットキーダイオード52及びレギュレータ54を介して定電圧Vdd1として供給される。電池51の電圧はショットキーダイオード52を介してコンデンサー53にも供給される。
【0025】
フラッシュCPU65には、ズームモータ61を駆動するモータドライブ回路62、各種書き換え可能なパラメータ、モードを書き込むEEPROM60、装着されたカメラとの間で通信を実行するためのカメラ通信インターフェース59がそれぞれポート群Pb、Pc、Pdを介して接続されている。
【0026】
ズームモータ61は、発光ユニット55を移動させる駆動手段として機能する。発光ユニット55は、キセノン管82、リフレクタ55c、保護ガラス55bを一体化させて形成したものである。ズームモータ61により発光ユニット55を移動させると、発光ユニット55とフレネルレンズ55aの間隔が変化し、フラッシュの照射角が変化する。
【0027】
カメラ通信インターフェース59はカメラ接続端子56を備えている。カメラ接続端子56はC,R,Q,X,Gの5端子で構成される。C端子はカメラからの制御信号を入力する制御端子、R端子はカメラボディ10からのクロック信号を入力するクロック端子、Qはカメラボディ10‐フラッシュ間の双方向データ通信用とクエンチ信号入力用の兼用端子、X端子はカメラボディ10のX端子からの信号を入力する端子、G端子はグランド端子である。
カメラ接続端子56を介してフラッシュ装置50がカメラボディ10に接続されているとき、フラッシュCPU65は、C端子、R端子、Q端子を介してカメラボディ10のCPU13との間でデータ通信を実行する。
【0028】
カメラ接続端子56のC,R,Q端子は、それぞれフラッシュCPU65のポート群PdのPd1,Pd2,Pd3に接続される。X端子は、図33に示すように、ダイオード400を介してポートPd4に接続される。これはX端子電圧として高電圧を有するフラッシュ装置が並列に接続されてもフラッシュCPU65が破損しないようにするためである。
【0029】
フラッシュCPU65は、スイッチ類として、情報設定スイッチ群63、メインスイッチ64を備えている。
メインスイッチ64はスライドスイッチでOFF、WL(ワイヤレス)、ONの位置で停止する構成となっており、メインスイッチ64のWL端子、ON端子が各々ポートP1、P0に接続されている。
【0030】
情報設定スイッチ群63は、ポート群Paを介してフラッシュCPU65に接続されている。情報設定スイッチ群63には、調光モード要求設定スイッチ、シンクロ要求設定スイッチ、ワイヤレスモード設定スイッチ、システム切替スイッチ等が含まれている。
調光モード要求設定スイッチは、1回押される毎にTTL、外光オート、マニュアルを切り換えて調光モード要求を設定する。
シンクロ要求設定スイッチは、先幕、順次、フラット発光(FP)のいずれかをシンクロ要求として設定する。先幕はシャッタ先幕の走行完了時に発光するモードである。順次は、先幕のフラッシュが発光した後、クエンチ信号の立下り時に発光するモードである。FPは、ほぼ均一な光量で所定時間発光し続けるモードである。
【0031】
ワイヤレスモード設定スイッチは、コントローラモード、マスターモード、スレーブモードのいずれかを設定する。コントローラモードは、スレーブフラッシュをワイヤレス制御するモードである。マスターモードは、スレーブフラッシュをワイヤレス制御するとともに露光のための発光を行うモードである。スレーブモードは、カメラには装着されず、ワイヤレス信号を受信することによって発光するモードである。つまり、コントローラモードまたはマスターモードは、フラッシュ装置50がカメラボディ10に装着されて外部フラッシュとして機能するときに設定可能であり、スレーブモードはフラッシュ装置50がカメラボディ10に装着しないスレーブフラッシュとして機能するときに設定可能である。
このワイヤレスモード設定は、メインスイッチ64がWL位置にある場合のみ、有効である。
【0032】
システム切替スイッチは、フラッシュ装置50がスレーブフラッシュとして機能する場合に有効であり、旧システム対応モードまたは新システム対応モードのいずれかを設定するためのスイッチである。なお、スレーブフラッシュは、旧システム対応モードでは内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの単発の微少発光により発光し、新システム対応モードでは複数のワイヤレス信号を順次受信することによって本発光を開始する(詳細は後述する)。
【0033】
フラッシュCPU65には、ワイヤレス受光素子57の出力を処理するワイヤレス受光回路58、外光オート受光素子71の出力を処理する外光オート回路70、調光確認情報など各種情報を表示するLCD表示器72がそれぞれポート群Pe、Pf、Pgを介して接続されている。ワイヤレス受光素子57は、フラッシュ装置50がスレーブフラッシュとして機能する場合に、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの発光を受光するための素子である。外光オート受光素子71は調光モード指定が外光オートのとき、受光量を検出して発光制御するための素子である。
【0034】
またフラッシュCPU65には、電池51の電圧を昇圧する昇圧回路66がポートP2を介して接続されていて、充電検出回路69のRLS出力端子がA/D変換ポートPadを介して接続されている。昇圧回路66によって昇圧された電圧は、ダイオード67を介してメインコンデンサー79に供給されるとともに、ダイオード68を介して充電検出回路69へ供給される。充電検出回路69は、昇圧回路66が駆動しているときのみ、メインコンデンサー79の端子電圧Hvと同等の電圧Hv´を入力し、メインコンデンサー79の充電電圧を検出する。
【0035】
またフラッシュCPU65には、30V発生回路77、レベルシフト回路78、トリガー回路80がそれぞれポートP4、P5、P3を介して接続されている。30V発生回路77は、メインコンデンサー79の端子電圧HVを電源として30Vout端子から30Vの電圧を発生する回路である。30V発生回路77から出力された30Vの電圧はレベルシフト回路78に与えられる。
レベルシフト回路78は、ポートP5(IGBTctl信号)が“1”のとき、30V発生回路77から与えられた30Vの電圧をIGBT83のゲートIGBTgに印加し、IGBT83をオンする。一方、ポートP5が“0”のとき、上記の電圧印加を止めてIGBT83をオフする。
トリガー回路80は、キセノン管82のトリガー電極XeT端子に高圧の振動電圧を印加し、キセノン管82内のキセノンガスを励起状態とする。この励起状態において、IGBT83がオンしている場合はメインコンデンサー79の蓄積電荷がコイル81、キセノン管82、IGBT83を介して放電され、キセノン管82が発光する。
【0036】
さらにフラッシュCPU65には、コンパレータ75の非反転入力端子がD/A変換ポートPdaを介して接続され、コンデンサー73、抵抗74がそれぞれポートP6、P7に接続されている。コンデンサー73と抵抗74の接続点はコンパレータ75の反転入力端子に接続されている。コンパレータ75の反転入力端子には、さらに発光量検出受光素子85が接続されている。発光量検出受光素子85は、発光ユニット55の保護ガラス55bを介してキセノン管82の発光を直接受光できる位置に設けられていて、キセノン管82から発せられた光を受光するとその受光量に対応する光電流を出力する。
コンパレータ75は、D/A変換ポートPdaから入力した所定電圧FPlvlと発光量検出受光素子85の出力に対応する電圧PDflとを比較し、電圧PDflが所定の電圧FPlvl以下のときは“0”を、電圧PDflが所定の電圧FPlvlを超えているときは“1”を出力する。コンパレータ75の出力は抵抗76を介してレベルシフト回路78に与えられる。レベルシフト回路78は、ポートP5が入力モードに設定されているとき、コンパレータ75の出力をIGBTctl信号として入力し、IGBT83をオン/オフする。
【0037】
以上はフラッシュ装置50の制御系の概要構成であるが、次に図34を参照し、フラッシュCPU65のポート群Pdの構成について説明する。
【0038】
図34は、フラッシュCPU65のポート群Pdの各ポートPd1,Pd2,Pd3,Pd4の内部構成を示す一実施例である。
入出力端子Pdは、PchMOSFET402,403、NchMOSFET404の各ドレインに接続される。PchMOSFET402のソースはプルアップ抵抗401を介して定電圧ラインVdd1に、PchMOSFET403のソースは定電圧ラインVdd1に、NchMOSFET404のソースはグランドに各々接続される。またPchMOSFET402とNchMOSFET404のゲートは2入力NORゲート406の出力に、PchMOSFET403のゲートは2入力NANDゲート405の出力に各々接続される。2入力NORゲート406は、一方の入力がIN/OUT端子に接続され、他方の入力がPdOUT端子に接続される。2入力NANDゲート405は、一方の入力がIN/OUTを入力とするインバータ408の出力に接続され、他方の入力がPdOUT端子に接続される。入出力端子Pdはインバータ207を介してPdIN端子に接続される。
【0039】
上記構成において、ポートの入出力切り換え信号IN/OUT端子が“1”の状態においては、PdOUT端子の状態に拘わらず、2入力NORゲート406の出力は“0”となるから、NchMOSFET404はOFFの状態にある。また、2入力NANDゲート405の出力は“1”であり、PchMOSFET403もOFFの状態にある。よって、PdOUT端子からの出力信号が入出力端子Pdに出力されることはない。この場合、PchMOSFET402はONの状態にあるから、入出力端子Pdはプルアップ抵抗401でプルアップされ、入出力端子Pdの状態はインバータ407を介してPdIN端子からフラッシュCPU65内部に取り込まれる。
ポートの入出力切り換え信号IN/OUT端子が“0”の状態においては、Pdout端子が“0”であればNchMOSFET404はON、PchMOSFET403はOFFであるから、入出力端子Pdからは“0”が出力される。一方、Pdout端子が“1”であれば、NchMOSFET404はOFF、PchMOSFET403はONであるから、入出力端子Pdからは“1”が出力される。
即ちポート群Pdは、入出力切り換え信号IN/OUT端子が“1”のときは入力モードとして、“0”のときは出力モードとして、それぞれ機能する。
【0040】
以上の構成に基づき、先ずカメラボディ10の動作について、図10〜図19に示されるフローチャートを参照して説明する。
『カメラボディ10のメイン処理』
図10はカメラのメイン処理に関するフローチャートである。カメラボディ10に電池1が装填されると、CPU13はリセットされた後、メイン処理に入る。メイン処理に入ると先ず、各ポートを初期化し(S100)、EEPROM60とのシリアル通信を実行してEEPROM60の初期データを読み込み(S101)、メインスイッチSWMがオンしているか否かをチェックする(S102)。
メインスイッチSWMがオンしていないときは(S102;N)、メインスイッチオフ処理を実行し(S106)、表示素子5の表示を消灯する(S107)。メインスイッチオフ処理では、昇降圧ボルテージレギュレータ2の昇圧動作を停止させるほか、内蔵フラッシュ充電中であれば充電を停止する。そして、メインスイッチSWMの割り込みを許可し(S108)、スリープ状態へ移行する(S109)。このスリープ状態では、メインスイッチSWMの割り込みが許可されているため、メインスイッチSWMが再度オンすると割り込みが発生し、S100に戻ってメイン処理を開始する。
【0041】
メインスイッチSWMがオンしているときは(S102;Y)、情報設定スイッチ群9の各スイッチ状態に基づいて各種モード・機能等を設定し(S103)、設定した各モード・機能のほか、調光確認情報などの撮影に関する情報を表示素子5に表示させ(S104)、内蔵フラッシュ充電処理を実行する(S105)。内蔵フラッシュ充電処理では、メインスイッチSWMがオンしたとき、内蔵フラッシュが発光した直後、または内蔵フラッシュがポップアップしたとき等の所定条件を満たすか否かを判定し、所定条件を満たしたときに、内蔵フラッシュ回路14が備えたフラッシュ発光用のコンデンサーを充電する処理である。
【0042】
続いて、測光スイッチSWSまたはレリーズスイッチSWRがオンしているか否かをチェックし(S110)、測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRがいずれもオンしていなかったときはメインスイッチオン処理を実行する(S110;N、S116)。メインスイッチオン処理では、内蔵フラッシュ充電中でなければ昇降圧ボルテージレギュレータ2の昇圧動作を停止する等の処理を行う。そして125msのタイマーAをスタートさせ(S117)、タイマーAの割り込みを許可し(S118)、スリープ状態へ移行する(S119)。S119のスリープ状態では、タイマーAの割り込みが許可されているため、タイマーAがタイムアップしたら割り込みが発生し、S102から処理が続行される。したがって、メインスイッチSWMがオンしていて、測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRのいずれもがオフしている状態では上記S102〜S110、S116〜S119の処理が125msに1回実行される。
【0043】
S110で測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWRのいずれかがオンしているときは(S110;Y)、出力ポートP3を“0”にして昇降圧ボルテージレギュレータ2に昇圧を開始させ、電池1の電圧が降下しても昇降圧ボルテージレギュレータ2の出力電圧Vddを一定に保持し(S111)、レンズ通信インターフェース7を介して撮影レンズ(不図示)とレンズ通信を実行してレンズ情報を読み込む(S112)。S112で読み込むレンズ情報としては、開放F値情報Avmin、測光補正情報Avc、焦点距離情報f、距離情報Dv等がある。レンズ通信処理を実行したら、フラッシュ接続端子4を介してカメラボディ10に接続された外部フラッシュとの間で通信を行い、外部フラッシュへCF情報を出力する一方、外部フラッシュからFC情報を入力する(S113)。
【0044】
続いて、位相差方式のAF回路16から被写体像のビデオ信号を入力してデフォーカス量を演算し、モータ制御回路15を介してAFモータ(不図示)を駆動して撮影レンズの焦点調節レンズ群(不図示)を合焦位置まで移動させるAF処理を実行する(S114)。AF処理を実行したら、測光回路19から分割受光素子22の出力に対応する測光信号を入力し、入力した測光信号や撮影モード情報、レンズ情報、フラッシュ情報等に基づいて適正シャッタ速度及び絞りを算出するAE処理を実行する(S115)。このAE処理では、さらに、フラッシュ発光が必要か否かが判断される。
【0045】
AE処理を実行したら、レリーズスイッチSWRがオンしているか否かをチェックし(S120)、レリーズスイッチSWRがオンしていないときはS102へ戻る(S120;N)。レリーズスイッチSWRがオンしているときは、所定のレリーズ条件を満たしているか否かを判定するレリーズ条件判定処理を実行する(S120;Y、S121)。ここでレリーズ条件とは、例えばAFモードとして合焦優先モードが設定されている場合には合焦していること、撮影モードとして低輝度であって内蔵フラッシュの充電が完了していないときにレリーズ動作を禁止するモードが設定されている場合には、内蔵フラッシュの充電が完了していること、等である。
【0046】
レリーズ条件を満たしていないときはS102へ戻り(S122;N)、レリーズ条件を満たしている場合には、レリーズ前の最終的なフラッシュ通信処理を行い(S123)、PreNeedフラグにより予備発光が必要か否かを判定する(S124)。PreNeedフラグに“1”が設定されているときは予備発光処理を実行し(S124;Y、S125)、PreNeedフラグに“0”が設定されているときはS125をスキップする(S124;N)。
【0047】
そして、モータ制御回路15を介してミラーモータ(不図示)を駆動させてミラー(不図示)をアップさせ(S126)、絞り制御回路17を介して撮影レンズの絞りを設定された絞り値まで絞り込み(S127)、シャッタ制御回路18を介してシャッタ幕の走行を制御して露出させる(S128)。露出が終了したら、モータ制御回路15を介してミラーモータ(不図示)を駆動させてミラーをダウンさせるとともにフィルムモータ(不図示)を駆動させてフィルムを1コマ分巻き上げてS102へ戻る(S129)。
【0048】
『フラッシュ通信処理』
メイン処理のS113、S123で実行されるフラッシュ通信処理について、図11を参照して詳細に説明する。この処理に入ると先ず、外部フラッシュとの間でFC通信を実行し、FC情報を入力する(S150)(表1、表2参照)。なお、FC通信の初期データには規定コードが含まれている。この規定コードを正しく受信できないとき、CPU13はカメラボディ10に装着された外部フラッシュはないと判断する。この場合、後述するCF通信、モード4通信、モード3通信内の処理で通信を行わない構成となっている。
【0049】
FC通信処理を実行したら、入力したWLreqフラグに“1”がセットされているか否かをチェックする(S151)。WLreqフラグに“1”がセットされているとき、即ち外部フラッシュのメインスイッチ64がWL位置にあり、且つワイヤレスモード設定がコントローラかマスターであるときは(S151;Y)、外部フラッシュを使ってワイヤレス制御する/しないを識別するWLsetフラグに“1”(する)をセットし(S153)、内蔵フラッシュを使ってワイヤレス制御する/しないを識別するWLintフラグに“0”(しない)をセットしてS157へ進む(S156)。このようにS153でWLsetフラグに“1”がセットされたときは、必ずS156でWLintフラグに“0”がセットされるので、WLsetフラグとWLintフラグが同時に“1”となることはない。また内部フラッシュを使用したワイヤレス制御は、外部フラッシュを使用したワイヤレス制御がない場合にのみ有効である。
【0050】
WLreqフラグに“1”がセットされていないとき、即ちカメラボディ10に外部フラッシュが装着されていないか、または外部フラッシュのメインスイッチ64がWL位置にないときは(S151;N)、WLsetフラグに“0”をセットし(S152)、ワイヤレス制御をしないWLoffモードが設定されていないかどうか、及び内蔵フラッシュの充電が完了しているか否かをチェックする(S154)。WLoffモードが設定されておらず、且つ内蔵フラッシュの充電が完了していたときは、WLintフラグに“1”をセットする(S154;Y、S155)。WLoffモードが設定されているか、あるいは内蔵フラッシュの充電が完了していないときは、WLintフラグに“0”を設定してS157へ進む(S154;N、S156)。
【0051】
S157では、WLsetフラグ及びWLintフラグが“0”か否かをチェックする。WLsetフラグ及びWLintフラグがいずれも“0”のときは(S157;Y)、ワイヤレス制御を行わないので、S150で入力した充電完了信号Chargeフラグにより外部フラッシュの充電が完了しているか否かをチェックし(S158)、充電が完了していなければ調光モード指定にTTLを設定し、予備発光が必要か否かを識別するPreNeedフラグに“0”(不要)をセットしてS162へ進む(S158;N、S161)。
WLsetフラグまたはWLintフラグのいずれかが“0”でないとき(S157;N)、WLsetフラグ及びWLintフラグが両方とも“0”であっても外部フラッシュの充電が完了しているときは(S158;Y)、PreNeedフラグに“1”(必要)をセットし(S159)、シンクロ要求情報、充電完了信号、ワイヤレス制御するか否か等に基づき、表4−1、表4−2、表4−3からシンクロモード指定、予備発光モードPreM、調光モード指定を決定する(S160)(詳細は後述する)。なお、予備発光モードPreMには、全フラッシュ(内蔵フラッシュ除く)を同時に予備発光させる第1の予備発光モードと、全フラッシュ(内蔵フラッシュ除く)を規定の順番(先幕、順次)で予備発光させる第2の予備発光モードがある。予備発光モードPreMには、第1の予備発光モードが選択されたとき“0”が、第2の予備発光モードが選択されたとき“1”が設定される。
【0052】
各モード指定を決定したら、式;Tfp=1/2Tv+Tctnにより求めたフラット発光時間Tfp(ms)をセットし(S162)、式;Dvmax=Gv−Av+(Sv−5)より求めた最長調光距離Dvmaxをセットし(S163)、レンズ焦点距離情報にS112のレンズ通信処理で入力したレンズ焦点距離fをセットする(S164)。なお、Tctnはシャッタ先幕の走行時間である。またTv,Dv,Gv,Av,Svは、シャッタ速度,距離,ガイドナンバー,絞り,フィルム感度のアペックス表示量である。
【0053】
そして、以上の処理で設定したCF情報を外部フラッシュに転送するCF通信を実行する(S165)(表4参照)。CF通信を実行したら、発光モード指定に対応させてワイヤレス信号間隔(微少発光間隔)TW1MをRAM13aにセットする(S166−1〜S166−5)。先ず、シンクロ指定がFPか否かをチェックし(S166−1)、FPであればTW1Mに5.2msをセットする(S166−1;Y、S166−2)。シンクロ指定がFPでないときは、予備発光モードPreMをチェックする(S166−1;N、S166−3)。予備発光モードPreMが“1”であればTW1Mに4.2msをセットし(S166−3;Y、S166−4)、予備発光モードPreMが“1”でなければTW1Mに3.2msをセットする(S166−3;N、S166−5)。
そして、情報設定SW群9のテストSWがオフからオンに変化したか否かをチェックし(S167)、変化があったときはテスト発光処理を実行してリターンする(S167;Y、S168)。テストSWの変化がなかったときは、S168をスキップしてリターンする(S167;N)。
【0054】
表1に、外部フラッシュからカメラボディ10に送信されるFC情報の一例を示す。
【表1】
Figure 0004027607
【0055】
調光モード要求には、外部フラッシュで設定された調光モードに対応するデータがセットされる。ワイヤレス要求情報となるWLreqフラグには、外部フラッシュのワイヤレスモードがコントローラかマスターのときに“1”がセットされる。Gno情報にはフラッシュの画角に対応するガイドナンバーGnoのアペックス表示量Gvがセットされる。調光確認情報には、外部フラッシュが発光したときに、カメラから発光開始指令を入力してから発光停止指令を入力するまでの時間に応じて、「適正」、「近」、「遠」のいずれかがセットされる。バウンス情報となるBounceフラグには、外部フラッシュの発光部がバウンスあるいは回転されたときに“1”がセットされる。
【0056】
表2にシンクロ要求、充電完了信号のデータ内容の一例を示した。
【表2】
Figure 0004027607
【0057】
シンクロ要求は、3ビットのデータであり、外部フラッシュで設定されたシンクロ要求に対応するビットに“1”がセットされる。また、充電完了信号は4ビットのデータであり、充電が完了していればシンクロ要求に対応するビットに“0”がセットされる。この充電完了信号は“1”が優先されるように構成されている。そして、例えば複数の外部フラッシュが同じシンクロ要求でカメラボディ10に装着されている場合には、外部フラッシュが全て充電完了したときに初めて、シンクロ要求に対応する充電完了信号のビットに“0”がセットされる。充電完了信号のビット3は、ワイヤレス制御用として設けられていて、ワイヤレス制御可能なレベルまで充電が完了しているときに“0”がセットされる。なお、外部フラッシュのワイヤレスモードがコントローラのとき、充電完了信号はワイヤレス制御用に対応する位置にしかセットされない。これに対し、ワイヤレスモードがマスターのとき、充電完了信号はワイヤレス制御用のビットとシンクロ要求に対応するビットにセットされる。
【0058】
表3に、カメラボディ10から外部フラッシュへ送信されるCF情報の一例を示した。
【表3】
Figure 0004027607
【0059】
調光モード指定は、外部フラッシュから送信された調光モード要求よりも優先される。つまりフラッシュCPU65は、例えば調光モード要求がマニュアルであっても、調光モード指定がTTLであればTTLを設定する。但し、調光モード指定がNAの場合には、調光モード要求に対応するモードを設定する。シンクロ指定は、複数の外部フラッシュがカメラボディ10に装着された場合にカメラ(CPU13)が適切なモードを判断して通信するため、外部フラッシュのシンクロ要求よりも優先される。同様に、ワイヤレス指定もワイヤレス要求より優先される。
【0060】
フラッシュ通信処理のS160で実行されるシンクロ指定、予備発光モードPreM、調光モード指定の決定処理について説明する。これら各モードは、シンクロ要求、充電完了信号、ワイヤレス制御の有無を判断要素とし、表4−1、表4−2、表4−3に基づいて設定される。表4の各々において、「充完あり」の場合、シンクロ要求に示した○印は充電完了信号があったとき、×印は充電完了信号がなかったとき、−印は充電完了信号があってもなくてもよいことを表している。一方の「充完なし」の場合は、シンクロ要求に示した○、×、−の全てに対して充電完了信号がなく、○印に対するシンクロ要求があり、×印に対するシンクロ要求がなく、−印に対するシンクロ要求があってもなくてもよいことを表している。なお、シンクロ要求、充電完了信号は外部フラッシュからカメラボディ10へ送信される情報であり、一方のシンクロ指定、予備発光モードPreM、調光モード指定はカメラボディ10から外部フラッシュへ送信される情報である。
【0061】
【表4−1】
Figure 0004027607
【0062】
表4−1はワイヤレス制御を行わない場合を示している。以下では、ワイヤレス制御を行わない場合について説明する。
シンクロ指定は、ワイヤレス制御を行わない場合であって、シンクロ要求が先幕のフラッシュと順次のフラッシュとがカメラボディ10に装着され、且つ両方とも充電が完了している場合のみ、順次が設定される。これ以外の場合には通常、先幕が設定される。但し、シンクロ要求がFPである場合には、カメラのシャッタ速度がフラッシュ同調速度以上であればFPが設定され、フラッシュ同調速度未満であれば先幕が設定される。
【0063】
調光モード指定は基本的にTTLが設定される。これは、TTLが倍率と比較して、遠距離被写体、近距離被写体、高輝度被写体である場合に対しての特性に優れているためである。但し、シンクロ要求がFPである場合には、カメラのシャッタ速度がフラッシュ同調速度以上であれば倍率が設定され、フラッシュ同調速度未満であればTTLが設定される。
【0064】
予備発光モードPreMは、シンクロ指定に基づいて設定される。即ち、シンクロ指定が順次である場合にのみ、予備発光モードPreMに“1”が設定される。この予備発光モードPreMが“1”の場合は、シンクロ要求が先幕のフラッシュを1回目に発光させ、シンクロ要求が順次のフラッシュを2回目に発光させる第2の予備発光モードが選択されている場合である。予備発光モードPreMが“0”の場合には、全フラッシュ(内蔵フラッシュを除く)を同時に発光させる第1の予備発光モードが選択されている場合である。
【0065】
なお、充電完了信号がなかった場合には、フラッシュを発光させないため、シンクロ指定及び調光モード指定にはNAモードが設定され、予備発光モードPreMには“0”が設定される。また*1を付した項目では内蔵フラッシュでも同様の制御を行う。
【0066】
【表4−2】
Figure 0004027607
【表4−3】
Figure 0004027607
【0067】
表4−2は外部フラッシュを使ってワイヤレス制御する場合を示し、表4−3は内蔵フラッシュを使ってワイヤレス制御する場合を各ワイヤレスモード別に示したものである。この場合、シンクロ指定は基本的に先幕が設定されるが、シンクロ要求がFPである場合は、カメラのシャッタ速度がフラッシュ同調速度以上か否かに応じて先幕かまたはFPが前述の表4−1と同様に設定される。
【0068】
調光モード指定は、基本的に倍率が設定されるが、内蔵フラッシュが露光のために発光するWLMモードでワイヤレス制御が実行される場合には、内蔵フラッシュが予備発光できないためTTLが設定される。但し、調光モード指定はカメラボディ10に装着された外部フラッシュに対して有効であり、スレーブフラッシュはすべて倍率で制御される。
【0069】
予備発光モードPreMは、シンクロ指定に関わらず、内蔵フラッシュを露光のために発光させるか否かによって決定される。つまり、WLMモードでワイヤレス制御が実行される場合は予備発光モードPreMに“0”が設定され、WLMモード以外でワイヤレス制御が実行される場合には予備発光モードPreMに“1”が設定される。
【0070】
『予備発光処理』
次に、メイン処理のS125で実行される予備発光処理について、図12及び図13を参照して説明する。予備発光処理は、本発光量を設定するためにフラッシュを発光させる処理であって、レリーズスイッチSWRがオンすると、本発光(露出処理)の前に実行される。この処理に入ると先ず、WLsetフラグまたはWLintフラグに“1”がセットされているか否かをチェックする(S200)。WLsetフラグまたはWLintフラグのいずれかに“1”がセットされているときは、スレーブフラッシュをワイヤレス制御するので、予備発光強度PrePに1をセットし、予備発光時間PreTに1をセットし、S204へ進む(S200;Y、S203)。
【0071】
WLsetフラグ及びWLintフラグのいずれも“1”でなかったときは、スレーブフラッシュをワイヤレス制御しないので、S112で入力した距離情報Dvが3(2.8m)を超えているか否か、S115で求めた外光下における被写体輝度Bvが6を超えているか否かをチェックする(S201−1)。この距離情報Dv、被写体輝度Bvはアペックス値である。
距離情報Dvが3を超えているか、または被写体輝度Bvが6を超えているときは、予備発光強度PrePに1をセットする(S201−1;Y、S201−2)。遠距離の場合は一般的に反射光が強くないため、また、高輝度の場合は予備発光が外光に埋もれる可能性があるためである。
一方、距離情報Dvが3を超えておらず、且つ被写体輝度Bvが6を超えていないときは、予備発光強度PrePに1/2をセットする(S201−1;N、S201−3)。近距離の場合は一般的に反射光が強く、低輝度の場合は予備発光強度が弱くても予備発光が外光に埋もれる可能性が低いから、予備発光強度を弱くして外部フラッシュの消費電力を低減させるためである。
【0072】
続いて、距離情報Dvとレンズの開放F値Avminの和が8未満か否かをチェックし(S202−1)、8未満であれば予備発光時間PreTに1をセットし(S202−1;Y、S202−2)、8未満でなければ予備発光時間PreTに2をセットする(S202−1;N、S202−3)。
予備発光の受光量は、距離情報Dv及びレンズの開放F値Avminに比例するものであって、距離情報Dv、レンズの開放F値Avminが大きくなると受光量が小さくなるから、受光応答の遅れが生じる。したがって、距離情報Dvとレンズの開放F値Avminの和が8以上のときは、応答遅れがあっても予備発光を正しく測光できるように、予備発光時間PreTを2倍としている。
【0073】
そして発光モード指定に予備発光モードをセットし(S204)、外部フラッシュへ送信する(S205)。CF通信を実行したら、WLintフラグが“1”か否かをチェックする(S206)。WLintフラグが“1”でないときは、内蔵フラッシュを使ってワイヤレス制御しないため、モード4通信を実行して4パルスの信号を外部フラッシュに送信し、S213−1へ進む(S206;N、S207)。外部フラッシュは、カメラ接続端子56のC端子を介して4パルスの信号を入力すると、予備発光する。但し、WLsetフラグが“1”の場合に外部フラッシュは、スレーブフラッシュに予備発光指令信号であるワイヤレス信号を送信するため2回微少発光し、その後、スレーブフラッシュとほぼ同時に予備発光を開始する。
【0074】
図6(d)には予備発光波形を示してある。予備発光モードPreMが“0”である場合は、全フラッシュが同時に予備発光し、1回のみ予備発光が行われる(図6において左方)。予備発光モードPreMが“1”である場合は、各フラッシュが設定されたシンクロ要求で所定の順番で発光し、合計2回の予備発光が行われる。なお図6(d)において、時間Tintは上記2回の予備発光の間隔であり、本実施例では2.5msに設定されている。
【0075】
一方、WLintフラグが“1”のときは(S206;Y)、フラッシュ通信処理(図11)でRAM13aにセットしたワイヤレス信号間隔TW1Mからモード4通信処理に要する時間Tmode4を減算した値をタイマーBにセットしてタイマーBをスタートさせ(S208)、内蔵フラッシュ微少発光処理を実行し(S209)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機する(S210;N)。内蔵フラッシュ微少発光処理は、スレーブフラッシュにワイヤレス信号を送信するため、内蔵フラッシュを30μs微少発光させる処理である。タイマーBオーバーフローフラグはタイマーBがタイムアップすると“1”となるフラグである。
【0076】
タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったら(S210;Y)、モード4通信処理を実行して外部フラッシュに予備発光を開始させ(S211)、内蔵フラッシュ微少発光処理を再実行し、S213−1へ進む(S212)。
上記S209とS212の内蔵フラッシュの2回の微少発光(予備発光指令信号送信)は、RAM13aにメモリされている間隔TW1Mで実行される。したがって、タイマーBがタイムアップしてからS211のモード4通信を実行することにより、S212の微少発光とS211のモード4通信がほぼ同時に完了し、スレーブフラッシュの予備発光と外部フラッシュの予備発光が同期して行われる。
【0077】
図6(e)にはワイヤレス信号波形(発光、受光)及び予備発光波形を示してある。図中に示した間隔TW1は実際にワイヤレス受光素子56が受光する間隔(実測値)である。なお、上述した間隔TW1Mは、RAM13aにメモリしてあるメモリ値である。
【0078】
スレーブフラッシュは、微少発光(ワイヤレス信号)の間隔TW1によって発光指令を認識する。即ち、間隔TW1が3.2msのときは、予備発光モードPreM“0”で予備発光させる予備発光指令であるから、全フラッシュが同時に予備発光し、1回のみ予備発光が行われる。間隔TW1が4.2msのときは、予備発光モードPreM“1”で予備発光させる予備発光指令であるから、各スレーブフラッシュはシンクロ要求モードで予備発光し、合計で2回予備発光が行われる。つまり、シンクロ要求が先幕のフラッシュが先に予備発光し、その後、順次のフラッシュが予備発光する。また間隔TW1が5.2msのときは、シンクロ指定=FP及び予備発光モードPreM“1”で予備発光させる予備発光指令であり、間隔TW1が6.2msのときは、発光モード指定=テスト及び予備発光モードPreM“1”でテスト発光を行うテスト発光指令である。
【0079】
S213−1では、WLsetフラグが“1”か否かをチェックする。WLsetフラグが“1”であれば、外部フラッシュの微少発光(ワイヤレス信号送信)が終了するまで待つため、RAM13aにメモリしてあるワイヤレス信号間隔TW1Mだけ待機し(S213−1;Y、S213−2)、WLsetフラグが“1”でなければS213−2をスキップする(S213−1;N)。
【0080】
そして予備発光データ取得処理を実行する(S214)。予備発光データ取得処理は、詳細は後述するが、予備発光時の分割受光素子22の受光量に基づき、発光倍率Mv及びTTL補正量のアペックス表示量Fcを算出する処理である。予備発光データ取得処理を実行したら、シンクロ指定が順次か否かをチェックする(S215)。シンクロ指定が順次であるときは(S215;Y)、1回目の発光量と2回目の発光量の比が(1/3):(2/3)となるように、TTL補正量のアペックス表示量Fc1、Fc2に各々Fc1−1.58、Fc2−0.58の値を上書きメモリし、同様に発光倍率Mv1、Mv2に各々Mv1−1.58、Mv2−0.58の値を上書きメモリする(S216)。
シンクロ指定が順次でないときは(S215;N)、内蔵フラッシュ発光条件を満たしているか否かをチェックする(S215−1)。内蔵フラッシュ発光条件を満たしている場合は(S215−1;Y)、本発光時に内蔵フラッシュとスレーブフラッシュの光量比が(1/3):(2/3)になるように、TTL補正量のアペックス表示量Fc1に−1.58を上書きメモリし、発光倍率Mv1をMv1−0.58の値に上書きメモリする(S215−2)。
【0081】
続いて、発光モード指定を倍率に設定して外部フラッシュに送信する(S217、S218)。CF通信を実行したら、WLintフラグが“1”か否かをチェックする(S219)。WLintフラグが“1”のときは、ワイヤレス信号間隔TW1M、TW2Mを各々TW1M=2ms+(Mv1+5)×128/1000(ms)、TW2M=2ms+(Mv2+5)×128/1000(ms)から求め、RAM13aに上書きメモリする(S219;Y、S220)。
そして予備発光モードPreMが“0”であれば、RAM13aにメモリした間隔TW1Mで内蔵フラッシュを2回微少発光させて倍率信号としてのワイヤレス信号を送信し、リターンする(S221−1;Y、S221−2)。この倍率信号を受信するとスレーブフラッシュは、発光倍率Mvに発光倍率Mv1を設定する。一方、予備発光モードPreMが“1”であれば、最初の間隔をTW1M、後の間隔をTW2Mとして内蔵フラッシュを3回微少発光させて倍率信号としてのワイヤレス信号を送信し、リターンする(S221−1;N、S221−3)。この倍率信号には発光倍率Mv1、Mv2のデータが含まれており、スレーブフラッシュは設定されたシンクロ要求に応じて発光倍率Mvを設定する。つまり、シンクロ要求に先幕が設定されているスレーブフラッシュは発光倍率MvにMv1を設定し、シンクロ要求に順次が設定されているスレーブフラッシュは発光倍率MvにMv2を設定する。
【0082】
WLintフラグが“1”でないときは(S219;N)、WLsetフラグをチェックする(S222)。WLsetフラグが“1”でないときは、ワイヤレス制御を行わないので、そのままリターンする(S222;N)。WLsetフラグが“1”のときは、倍率信号としてのワイヤレス信号をスレーブフラッシュに送信するため、モード4通信を実行して外部フラッシュを微少発光させ、(S222;Y、S223)。
【0083】
『予備発光データ取得処理』
次に、予備発光処理のS214で実行される予備発光データ取得処理について、図14を参照して説明する。この処理に入ると先ず、変数mに1をセットし(S250)、プレA/D処理を実行する(S251)。プレA/D処理は、詳細は後述するが、分割受光素子22の各受光素子22_1〜22_9を切り換えながら各受光素子毎に該出力を複数回連続してA/D変換を行う処理を所定サイクル繰り返す処理である。
【0084】
プレA/D処理を実行したら、予備発光強度PrePに1/2がセットされているか否かをチェックし(S252)、予備発光強度PrePに1/2がセットされているときは、S251で求めたプレA/D変換データAd(m)(m=1〜9)に+1加算した値をプレA/D変換データAd(m)として上書きメモリする(S252;Y、S253)。S253の処理は、予備発光強度PreP=1/2で得られるA/D変換データAd(m)が予備発光強度PreP=1のときよりも1EV少ないのを補正するためである。予備発光強度PrePに1/2がセットされていないときはS253をスキップする(S252;N)。
【0085】
続いて、予備発光モードPreMが“1”か否かをチェックし(S254)、予備発光モードPreMが“1”でないときは1回しか予備発光を実行ないのでS259へ進む(S254;N)。予備発光モードPreMが“1”のときは(S254;Y)、2回目の予備発光による予備発光データを取得するため、変数mに11をセットしてプレA/D処理を実行し(S255、S256)、予備発光強度PrePに1/2がセットされていれば、プレA/D変換データAd(m)(m=11〜19)に+1加算した値をプレA/D変換データAd(m)として上書きメモリし(S257;Y、S258)、予備発光強度PrePに1/2がセットされなければS258をスキップする(S257;N)。
【0086】
続いて、予備発光なし(自然光)の状態におけるA/D変換データを得るため、変数mに21をセットし(S259)、プレA/D処理を実行する(S260)。そして、変数m=1〜9に対してそれぞれ式;Bvp(m)=ln(2Ad(m)―2Ad(m+20))/ln2を実行して各測光領域1〜9についての予備発光輝度Bvp(m)を演算し、メモリする(S261)。つまり、このS261では、1回目の予備発光と自然光による光電流から自然光による光電流を減算して1回目の予備発光のみによる光電流を算出し、算出した値を再度対数圧縮して、自然光を含まない予備発光のみによる1回目の予備発光輝度Bvp(m)を得ている。
【0087】
続いて、予備発光輝度Bvp(m)を用いて発光量演算処理を実行し(S262)、求めた発光倍率Mv、TTL補正量のアペックス表示量FcをそれぞれMv1、Fc1としてメモリする(S263)。そして予備発光モードPreMが“1”か否かをチェックし(S264)、予備発光モードPreMが“1”でないときはリターンする(S264;N)。予備発光モードPreMが“1”のときは(S264;Y)、変数m=1〜9に対してそれぞれ式;Bvp(m)=ln(2Ad(m+10)―2Ad(m+20))/ln2を実行して2回目の予備発光輝度Bvp(m)を演算し、メモリする(S265)。即ちS265では、2回目のプレA/D処理で求めたプレA/D変換データAd(11)〜Ad(19)に基づいて2回目の予備発光輝度Bvp(m)(m=1〜9)が求められる。そして、S265で求めた2回目の予備発光輝度Bvp(m)を用いて発光量演算処理を実行し(S266)、求めた発光倍率Mv、TTL補正量のアペックス表示量FcをそれぞれMv2、Fc2としてメモリしリターンする(S267)。
【0088】
『プレA/D処理』
次に、予備発光データ取得処理のS251、S256、S260で実行されるプレA/D処理について、図15を参照して説明する。この処理に入ると先ず、2.5msのタイマーAをスタートさせ(S300)、予備発光が安定するように50μs間待機する(S301)。そしてA/D変換回数Timeに予備発光時間PreTを12倍した値をセットし(S302)、変数n、kにそれぞれ0、1をセットし、ポート群PkのPk1〜Pk4を“0”にセットして出力する(S303)。ポート群Pk1〜Pk4は測光回路19のセレクター102に接続されている。Pk1〜Pk4の出力がすべて“0”の状態では、分割受光素子22の受光素子22_1がセレクター102によって選択され、受光素子22_1の光電流に対応する出力電圧がポートPk5に出力される(図2参照)。
【0089】
続いて、タイマーBオーバーフローフラグに“0”セットし(S304)、33μsのタイマーBをスタートさせ(S305)、変数nが8未満か否かをチェックする(S306)。変数nが8未満のときは、ポートPk5の入力電圧のA/D変換を連続して4回行い、そのA/D変換結果をアドレスA(m+n,k)、A(m+n,k+1)、A(m+n,k+2)、A(m+n,k+3)にメモリする(S309)。なお、S309の変数mの値は、予備発光データ取得処理のS250、S255、S259でセットされた値に対応する。
【0090】
A/D変換結果をメモリしたら、変数nに+1加算して(S310)、変数nに対応する4ビット信号をポートPk1〜Pk4に出力して分割受光素子22の受光素子22_(n+1)を選択し(S311)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機して(S312;N)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったらS304へ戻る(S312;Y)。S304へ戻ったら、S306で変数nが8未満でないと判断するまで、S304〜S306、S309〜S312の処理を繰り返す。これにより、分割受光素子22の受光素子22_1〜22_9が33μs周期で切り換えられ、各受光素子22_nの光電流に対応する出力電圧が4回連続してA/D変換され、メモリされる。
【0091】
そしてS306で変数nが8未満でないと判断したときは、変数kに+4加算するとともに変数nに0をセットし(S306;N、S307)、変数kがS302でセットしたA/D変換回数Time以上か否かをチェックする(S308)。変数kがA/D変換回数Time以上でないときは、S309へ進み、S309〜S312、S304〜S308の処理を繰り返す(S308;N)。即ち、変数kがA/D変換回数Time以上となるまでは、再度、分割受光素子22の各受光素子22_1〜22_9が33μs周期で切り換えられ、各受光素子22_n毎に4回連続してA/D変換される。ここで、予備発光時間PreTが1のときは、A/D変換回数Timeに12がセットされるため各受光素子22_nの4回連続するA/D変換が3サイクル実行され、各受光素子22_nのA/D変換データは12個得られる。なお、このA/D変換処理時間は約900μsとなり、上記A/D変換は予備発光時間PreT(1ms)の50μs前に終了する。また予備発光時間PreTが2のときは、各受光素子22_nの4回連続するA/D変換が6サイクル実行され、各受光素子22_nのA/D変換データは24個得られる。
【0092】
変数kがA/D変換回数Time以上になったときは(S308;Y)、上記A/D変換で得た分割受光素子22の変換データA(m+n、k)の中から各受光素子22_(n+1)(変数n;0〜8)毎に最高輝度に対応する最大値を求め、それぞれアドレスA(m+n)maxにメモリする(S313)。続いて、分割受光素子22の変換データA(m+n、k)のうち、S313で求めた最大値A(m+n)maxとの差が1EV以内である変換データの平均値を各受光素子22_(n+1)(変数n;0〜8)毎に求め、それぞれプレA/D変換データAd(m+n)(変数n;0〜8)にメモリする(S314)。ここで、最大値A(m+n)maxよりも1EV以上小さい変換データを除外するのは、距離情報Dvと開放F値Avminの和が所定値よりも大きい場合には、被写体からの反射光量が少なく、その結果、受光光量が少なくなって応答遅れを生じ、正確なA/D変換データでないおそれがあるからである。
【0093】
そして、タイマーAオーバフローフラグが“1”になるまで待機し(S315;N)、タイマーAオーバフローフラグが“1”になったらこの処理を抜けてリターンする(S315;Y)。これにより、プレA/D変換処理は正確に2.5msで終了される。
【0094】
図31に示す予備発光波形は図7に示すPDfl波形の一部を拡大したものであって、そのリップル周期は20μs〜40μs程度である。上述のプレA/D処理において、1回のA/D変換の処理時間は約4μsなので、4回連続してA/D変換した場合の処理時間は16μsである。この処理時間16μsは予備発光波形のリップル周期の1/2周期となっている。そのため、予備発光波形のピークからボトムまでを含む半周期間についてA/D変換が実行される可能性が高く、正確な値を得ることができる。したがって本実施形態では4回連続してA/D変換する構成としている。
【0095】
『発光量演算処理』
次に、予備発光データ取得処理のS262、S266で実行される発光量演算処理について図16を参照して説明する。この処理に入ると先ず、距離情報Dvがあるか否かをチェックする(S350)。この距離情報Dvは、レンズ通信可能な撮影レンズがカメラボディ10に装着されている場合に、S112のレンズ通信処理で入力される情報である。したがって、距離情報Dvがない場合にはレンズ通信の行えない旧撮影レンズがカメラボディ10に装着されていると判定する。なお、距離情報Dvはアペックス値である。
【0096】
距離情報Dvがある場合にはBounceフラグが“1”か否かをチェックし(S350;Y、S351)、Bounceフラグが“1”でないとき、即ち外部フラッシュの発光部がバウンスされていないときは、WLsetフラグ及びWLintフラグが“1”か否かをチェックする(S351;N、S352)。WLsetフラグ及びWLintフラグが両方とも“1”でないとき、即ちワイヤレス制御を実行しないときは、距離情報Dvが−1(0.7m)未満か否かをチェックする(S352;N、S353)。
【0097】
距離情報DvがあってBounceフラグが“1”でなく、且つワイヤレス制御を実行しない場合であって、さらに距離情報Dvが−1未満でないときは(S353;N)、基準反射率の被写体に予備発光した場合の基準予備発光輝度Bvpcを式;Bvpc=Ks−Avmin−Dvにより求める(S354)。ここで、Avminは撮影レンズの開放F値であり、Ksは式;Ks=Bvps+Dvsにより求められる定数である。なお、Dvsは基準の距離(アペックス値)であり、Bvpsは基準の距離Dvsにおいて基準反射率の被写体に予備発光強度PreP=1で予備発光した場合の被写体輝度であり、Bvps−Avminは、予備発光時の被写体輝度が上述のBvpsであるときに、受光素子22で測光される基準の予備発光輝度である。
【0098】
一方、距離情報Dvがないとき(S350;N)、Bounceフラグが“1”のとき(S351;Y)、WLsetフラグまたはWLintフラグのうち少なくともいずれかが“1”のとき(S352;Y)、距離情報Dvが−1未満のとき(S353;Y)のいずれかである場合は、距離情報Dvと予備発光の関係が一致しない条件(バウンスあり、ワイヤレス制御あり、フラッシュ装置の撮影範囲外となる近距離等)があるので、距離情報Dvを用いずに基準予備発光輝度Bvpcを算出する(S355、S356)。
即ち、分割受光素子22の各受光素子22_1〜22_9の予備発光輝度Bvp(m)(変数m;1〜9)の中から最大予備発光輝度Bvp(m)maxを抽出し、その最大予備発光輝度Bvp(m)maxとの輝度差が5EV以内となる分割受光素子22の受光素子ナンバーをレジスタXにメモリする(S355)。ここで、最大予備発光輝度Bvp(m)maxとの輝度差の境界を設定する輝度値5EVは、一般的なネガフィルムのラチチュードに相当する値である。この輝度値は、ポジフィルムの場合には3EVにするなど、使用するフィルムに応じて適宜設定可能である。また、最大予備発光輝度Bvp(m)maxとの輝度差が5EV以上ある受光素子が除外されるのは、その予備発光輝度部に対応する被写体が最大予備発光輝度Bvp(m)maxに対応する被写体よりもはるか遠距離にあると考えられ、フラッシュの影響が少ないと考えられるためである。
【0099】
そして、S355でレジスタXにメモリされた受光素子ナンバーに対応する予備発光輝度Bvp(x)の中から最小予備発光輝度Bvp(x)minを抽出し、基準予備発光輝度Bvpcを式;Bvpc=(Bvp(x)max+Bvp(x)min)/2により求める(S356)。なお、上記抽出した最大予備発光輝度Bvp(x)maxと最小予備発光輝度Bvp(x)minは、S355の処理によりフィルムのラチチュードに入る範囲となっている。またS356で最小予備発光輝度Bvp(x)minがない場合には、基準予備発光輝度Bvpc=最大予備発光輝度Bvp(x)maxとする。
【0100】
基準予備発光輝度Bvpcを算出したら、高反射率または基準距離よりもはるかに近距離の被写体、低反射率または基準距離よりもはるかに遠距離の被写体を除外するため、基準予備発光輝度Bvpcとの輝度差が±2EV以内となる分割受光素子22の受光素子ナンバーをCPU13内のYレジスタにメモリする(S357)。そしてYレジスタに受光素子ナンバーがメモリされていれば、Yレジスタにメモリされた受光素子に対応する予備発光輝度Bvp(y)の平均値を求め、これを演算予備発光輝度(平均予備発光輝度)Bvptypにメモリし(S358;N、S359)、Yレジスタに何もメモリされていないときは、演算予備発光輝度Bvptypに基準予備発光輝度Bvpcをメモリする(S358;Y、S360)。
【0101】
そして、Tv+Av+Avc−Sv−Bvptyp−Avminにより発光倍率Mvを算出する(S361)。ここで、Tvは適正シャッタ速度のアペックス表示量(但し、シャッタ速度Tvがフラッシュ同調速度Tvx未満のときはTv=Tvx)、Avは適正絞り値のアペックス表示量、Avcは測光補正アペックス情報、Svはフィルム感度のアペックス表示量である。
【0102】
発光倍率Mvを算出したら、TTL補正演算を実行する(S362〜S365)。TTL補正演算では先ず、2(Bvp(n)-Bvptyp)により比率データD(n)を算出する(S362)。この比率データD(n)は、分割受光素子22の測光領域n(n;1〜9)の予備発光輝度Bvp(n)が演算予備発光輝度Bvptypの何倍に相当するかを示している。次に、求めた各測距領域nの比率データD(n)を【式1】に代入し、分割受光素子22の各領域nの予備発光輝度Bvp(n)からTTL受光素子23が受光するであろうと推測される推測受光量(相対出力)Fを求める(S363)。続いて、Yレジスタにメモリされていない測光領域nの比率データD(n)を規定値1に設定し直し、全比率データD(n)を【式1】に代入して基準受光量Ftypを算出する(S364)。
そして推測受光量Fと基準受光量Ftypの比(F/Ftyp)をTTL補正量とし、Fc=ln(F/Ftyp)/ln2によりTTL補正量のアペックス表示量Fcを算出し、リターンする(S365)。
【式1】
F=36×D(5)+12×(D(2)+D(4)+D(6)+D(8))+4×(D(1)+D(3)+D(7)+D(9))
なお、本明細書中では、【式1】における各測距領域nのデータD(n)の係数を「重み付け係数」という。
【0103】
上述の重み付け係数は、TTL受光素子23の受光分布によって決定される。図8(b)にTTL受光素子23のフィルム面測光における中央横方向の受光分布を示した。図8(b)において縦軸はTTL受光素子23の受光量であり、横軸は図8(a)に示す分割受光素子22の測光領域4、5、6に対応する。なお、TTL受光素子23のフィルム面発光における中央縦方向の受光分布も中央横方向の受光分布と同様とする。つまり、図8(b)の横軸を、図8(a)に示す分割受光素子22の測光領域2、5、8に対応させると、図8(b)と同様になる。
【0104】
図8(c)は各受光素子22_1〜22_9の測光領域1〜9におけるTTL受光素子23の受光量を、TTL受光素子23の全受光量に対するパーセンテージ(%)で示す図である。本実施形態では、このパーセンテージを重み付け係数として設定してある。即ち、測光領域5を測光した受光素子22_5の出力に36%の感度を与え、測光領域2、4、6、8を測光した受光素子22_2、22_4、22_6、22_8の出力には12%の感度を与え、測光領域1、3、7、9を測光した受光素子22_1、22_3、22_7、22_9の出力に4%の感度を与えている。分割受光素子22の各受光素子22_1〜22_9の出力データからTTL受光素子23の相対出力を求める関数は、上記の【式1】で示される。
【0105】
以下では、上述した発光量演算処理について、具体例を挙げて説明する。
図9(a)は主要被写体が中央のみ(測光領域5、8)にあって周辺が遠い場合の例であり、各測光領域1〜9の予備発光輝度は(b)に示してある。この場合にTTL受光素子23のみで測光して露出制御すると、周辺からの反射が少ないため、主要被写体は露出オーバーとなってしまう。
図9(c)は主要被写体が大半(測光領域1、2、4、5、7、8)を占めていて、その周辺(測光領域3、6、9)に例えば金屏風のような反射率の高い被写体がある場合の例であり、各測光領域1〜9の予備発光輝度は(d)に示してある。この場合にTTL受光素子23のみで測光して露出制御すると、周辺からの反射が多いため、主要被写体は露出アンダーとなってしまう。
【0106】
この図9(a)(c)の被写体条件では、上述の発光量演算処理により表5に示す結果が得られる。但し、Ks=12,Avmin=4,Dv=4,Tv=7,Av=6,Avc=0,Sv=5として演算した場合である。
【表5】
Figure 0004027607
【0107】
この演算結果により、図9(a)の場合に主要被写体は0.70Evアンダーに補正され、図9(b)の場合に主要被写体は1.26Evオーバーに補正され、いずれの場合の主要被写体に対しても適正露出を得ることができる。
【0108】
『露出処理』
次に、メイン処理のS128で実行される露出処理について、図17及び図18を参照して説明する。この処理に入ると先ず、出力ポートPm2、Pm3をそれぞれ“0”、“1”にしてTTL測光回路20へ出力する(S400)。するとTTL測光回路20では、MOS_SW200がオンし、積分コンデンサー201の電荷は放電する。この状態ではトランジスタ206はオフしているから、Q端子は通信可能状態となっている。なおS400の処理は、S100のCPUポート初期化でも実施されている。
【0109】
続いて、タイマーBに露出時間1/2Tvをセットし(S401)、シンクロ指定がFPモードか否かをチェックする(S402)。以下では先ず、シンクロ指定がFP以外の場合について説明する。
シンクロ指定がFPでないときは、タイマーBをスタートさせてシャッタ先幕を走行させ、モード3通信を実行する(S402;N、S403、S404)。モード3通信は、フラッシュ接続端子4のC端子を介して外部フラッシュに3パルスの通常発光指令信号を出力する処理である。この通常発光指令信号を入力すると外部フラッシュは、本発光(通常発光)に備える。図6(a)、(b)にシンクロ指定が先幕の場合、順次の場合におけるタイミングチャートと発光波形をそれぞれ示す。
【0110】
モード3通信を実行したら、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機し(S405;N)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”となったらWLintフラグが“1”か否かをチェックする(S405;Y、S425)。WLintフラグが“1”でなければ、S426及びS427をスキップする(S425;N)。WLintフラグが“1”であれば、本発光指令信号としてのワイヤレス信号をスレーブフラッシュに送信するため、内蔵フラッシュを単発で微少発光させ、3ms待機する(S425;Y、S426、S427)。本発光指令信号を受信するとスレーブフラッシュは、設定された発光倍率Mvで通常発光を開始する。
【0111】
続いて、調光モード指定がTTLか否かをチェックする(S428)。本実施形態では、シンクロ指定がFP以外であって調光モード指定がTTLである場合に、内蔵フラッシュ発光条件(S430−1)を満たしていれば、内蔵フラッシュを露光のために発光させる構成となっている。ここで内蔵フラッシュ発光条件とは、内蔵フラッシュがポップアップしていること及び内蔵フラッシュの充電が完了していることである。
【0112】
調光モード指定がTTLでないときはX端子を“0”にする(S428;N、S436)。X端子が“0”になると、外部フラッシュの発光が開始される(図6(a)参照)。この場合の外部フラッシュの発光モードは、倍率発光、外光オート発光、マニュアル発光のうちのいずれかであり、既に通信された情報(ワイヤレス制御も含む)により決定されている。S436でX端子を“0”にしたら、1ms待機してからシャッタ後幕を走行させ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S437、S438、S439)。
【0113】
調光モード指定がTTLのときは、アペックス量xに対応したD/AデータテーブルT_ttl(x)から、アペックス量xがフィルム感度SvとTTL補正量のアペックス表示量Fc1の和であるときのD/AデータT_ttl(Sv−Fc1)を読出してポート群PmのD/AポートPm1に出力し、出力ポートPm3を“0”にし、ポートPm2を入力モードにセットし、X端子を“0”にして外部フラッシュを発光させる(S428;Y、S429、S430)。そして内蔵フラッシュ発光条件を満たしていれば、内蔵フラッシュ回路14を介してキセノン管21も発光させる(S430−1;Y、S430−2)。
【0114】
S429で出力ポートPm3が“0”になると、TTL測光回路20のMOS_SW200がオフし、フラッシュ発光前であれば、オペアンプ202の出力が“0”であるからコンパレータ203の出力も“0”となっている。そしてS430で外部フラッシュ、S430−2で内蔵フラッシュが発光すると、被写体で反射された光が撮影レンズを通過し、その後フィルム面で反射されてTTL受光素子23で受光され、その受光量に対応する光電流が発生して積分コンデンサー201で積分される。この結果、オペアンプ202の出力電圧が上昇する。そして、オペアンプ202の出力電圧がS429でセットしたポートPm1の出力電圧T_ttl(Sv−Fc1)に達すると、コンパレータ203の出力が“1”となってトランジスタ206の出力がハイとなり、Q端子が“1”になって外部フラッシュ及び内蔵フラッシュの発光が停止される。
【0115】
S431では、シンクロ指定が順次か否かをチェックする。シンクロ指定が順次である場合は、ワイヤレス制御がなく、カメラに複数の外部フラッシュが装着されていて且つそのシンクロ要求に先幕と順次が混在する場合である。シンクロ指定が順次の場合は、シンクロ要求が先幕のものが1回目に、順次のものが2回目に発光し、1回目の発光量と2回目の発光量の比が(1/3):(2/3)となるように制御される。なお内蔵フラッシュは、シンクロ要求が先幕の外部フラッシュと同時(1回目)に発光させる。図6(b)にシンクロ指定が順次である場合のタイミングチャート及び発光波形を示す。
【0116】
シンクロ指定が順次のときは(S431;Y)、3ms待機し(S432)、出力ポートPm2を“1”にし、その後出力ポートPm3を“1”にし、D/AデータテーブルT_ttl(x)からフィルム感度SvとTTL補正量のアペックス表示量Fc2の和に対応するD/AデータT_ttl(Sv−Fc2)を読み出してD/AポートPm1に出力する(S433)。そして、2回目のフラッシュ発光を実行させるため、Q端子を“1”の状態としたまま0.5ms待機し(S434)、出力ポートPm3を“0”にし、ポートPm2を入力モードにセットする(S435)。すると、Q端子が“0”になって2回目のフラッシュ発光が実行される。この発光によってTTL測光回路20のオペアンプ202の出力電圧がD/AポートPm1に達すると、Q端子が“1”になって外部及び内蔵フラッシュの発光は停止される。S435でポートPm2、Pm3をセットしたら、1ms待機し、シャッタ後幕をスタートさせ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S437、S438、S439)。
【0117】
シンクロ指定が順次でないときは、2回目の発光は行わずにS437へ進み、1ms待機してからシャッタ後幕を走行させ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S431;N、S437、S438、S439)。なお本実施形態においてワイヤレス制御する場合は、S431で必ずノーと判断され、S432〜S435をスキップしてS437へ進む。
【0118】
以上はシンクロ指定がFP以外の場合の処理であるが、シンクロ指定がFPのときはS402からS406へ進む。そして、2+(Tfp×64)/1000(ms)により本発光指令信号としてのワイヤレス信号の間隔TW1Mを求めてRAM13aに上書きメモリし(S406)、WLsetフラグが“1”か否かをチェックする(S407)。WLsetフラグが“1”のときは、発光モード指定をFPにセットし、外部フラッシュに送信する(S407;Y、S408、S409)。続いて、外部フラッシュに4パルスの信号を送信するモード4通信を行う(S410)。モード4通信が実行されると外部フラッシュは、S406で設定した間隔TW1Mで2回微少発光した後、スレーブフラッシュと同時にフラット発光を開始する。図6(c)に本発光時のフラット発光波形を示した。フラット発光間隔は、S406で設定したワイヤレス信号間隔TW1Mに対応している。
【0119】
そして、(TW1M+2ms−Tcop)msだけ待機してからタイマーBをスタートさせてシャッタ先幕を走行させ、タイマーBオーバフローフラグが“1”になったら、シャッタ後幕を走行させ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S411、S412、S424;Y、S438、S439)。なお、上記Tcopは先幕顔出し時間であり、S411で(TW1M+2ms−Tcop)ms待機するのは、シャッタ先幕顔出しの2ms前に、本発光指令信号の送信を完了させてフラット発光を開始させるためである。
【0120】
WLsetフラグが“1”でないときは、WLintフラグが“1”か否かをチェックする(S407;N、S413)。WLintフラグが“1”のときは、タイマーCに(TW1M−Tmode4)時間をセットしてタイマーCをスタートさせ、内蔵フラッシュを微少発光させ、タイマーCオーバーフローフラグが“1”になるまで待機する(S413;Y、S414、S415、S416;N)。ここで、Tmode4はモード4通信に要する時間である。タイマーCオーバーフローフラグが“1”になったら、外部フラッシュにフラット発光の開始を指示するためモード4通信を実行し、内蔵フラッシュを再度微少発光させて本発光指令信号としてのワイヤレス信号をスレーブフラッシュに送信する(S416;Y、S417、S418)。このS416〜S418により、モード4通信と本発光指令信号の送信とは同時に完了するから、外部フラッシュとスレーブフラッシュは同じタイミングでフラット発光を開始する。
【0121】
そしてタイマーCに(2ms−Tcop)msをセットし、タイマーCオーバーフローフラグを“0”にしてタイマーCをスタートさせ、タイマーCオーバーフローフラグが“1”になるまで待機する(S419、S420;N)。なお、S420でタイマーCがタイムアップするまで待機するのは、シャッタ先幕顔出しの2ms前に本発光指令信号の送信を完了させてフラット発光を実行させるためである。タイマーCオーバーフローフラグが“1”になったら、S401でセットしたタイマーBをスタートさせてシャッタ先幕を走行させ(S420;Y、S421)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったらシャッタ後幕を走行させ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S424;Y、S438、S439)。
【0122】
S413にてWLintフラグが“1”でないときは、ワイヤレス制御を実行しないから、モード4通信を実行して外部フラッシュにフラット発光を開始させ、(2ms−Tcop)ms待機し、S401でセットしたタイマーBをスタートさせてシャッタ先幕を走行させる(S413;N、S422、S423−1、S423−2)。S423−1で(2ms−Tcop)ms待機するのは、シャッタ先幕顔出しの2ms前に外部フラッシュのフラット発光を開始させるためである。そしてタイマーBオーバーフローフラグが“1”になったら、シャッタ後幕を走行させ、ポートPm2、Pm3を初期化してリターンする(S424;Y、S438、S439)。
【0123】
『テスト発光』
次に、S168で実行されるテスト発光処理について、図19を参照して詳細に説明する。テスト発光処理は、フラッシュ照射有効距離範囲を確認するためだけにフラッシュ装置50(外部フラッシュ、スレーブフラッシュ)を発光させる処理であり、テストSWがオフからオンに切り替わった場合に実行される。この処理に入ると先ず、予備発光強度PreP及び予備発光時間PreTに“1”をセットし、ワイヤレス信号の間隔TW1Mに6.2msをセットし、発光モード指定をテストに設定して外部フラッシュへ送信する(S450、451、S452)。CF通信を実行したら、WLintフラグが“1”か否かをチェックし(S453)、WLintフラグが“1”でなかったときは、外部フラッシュにテスト発光開始を指示するためモード4通信処理を実行し、S460−1へ進む(S453;N、S454)。
【0124】
一方、WLintフラグが“1”であったときは(S453;Y)、S450でセットした間隔TW1Mからモード4通信に要する時間Tmode4を減算した時間をタイマーBにセットしてタイマーBをスタートさせ、ワイヤレス信号送信のために内蔵フラッシュを微少発光させ、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機する(S455、S456、S457;N)。タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったら、モード4通信処理を実行し、ワイヤレス信号送信のために内蔵フラッシュを再度微少発光させ、外部フラッシュとスレーブフラッシュを同期させてテスト発光させ、S460−1へ進む(S457;Y、S458、S459)。
【0125】
S460−1ではWLsetフラグが“1”か否かをチェックする。WLsetフラグが“1”であれば、テスト発光指令信号としての外部フラッシュの微少発光が終了するのを待つため、RAM13aにメモリされている間隔TW1Mだけ待機し(S460−1;Y、S460−2)、WLsetフラグが“1”でないときはS460−2をスキップし(S460−1;N)、予備発光データ取得処理を実行する(S461)。そして予備発光データ取得処理で求めた発光倍率Mv1、Mv2を用いて、4−Mv1によりテスト倍率Lev1を算出するとともに、4−Mv2によりテスト倍率Lev2を算出し(S462)、算出したテスト倍率Lev1及びLev2を表示素子5に表示してリターンする(S463)。
【0126】
以上はカメラボディ10の動作説明であるが、次に、フラッシュ装置50の動作について、図20〜図29に示されるフローチャートを参照して説明する。
『フラッシュCPU65のメイン処理』
図20はフラッシュ装置50のメイン処理に関するフローチャートである。フラッシュ装置50に電池51が装填されると、フラッシュCPU65はリセットされた後、メイン処理に入る。
メイン処理に入ると先ず、全ての割り込みを禁止し、各入出力ポート、変換ポートなどを初期化する(S500)。次に、ポート群Pcを介してEEPROM6と通信を行い、EEPROM6の初期データを読み込む(S501)。続いて、125msのリロードタイマーをタイマーAとしてセットし、タイマーAをスタートさせる(S502)。そして、カメラ側からの通信割り込みを許可するとともに、ワイヤレス受光素子57が受光する微少発光(ワイヤレス信号)の間隔を測るPWCタイマー(カウンタ)割り込みを禁止し(S503)、メインコンデンサー79の最大電圧までの充電を要求するか否かを識別するF_CRequestフラグに“1”(要求)をセットし、スレーブフラッシュの設定が完了しているか否かを識別するF_WLsフラグに“0”をセットする(S504)。
【0127】
続いて、メインスイッチ64がオフか否かをポートP0、P1の入力レベルによってチェックする(S505)。メインスイッチ64がオフ位置にあるときは、入力ポートP0及びP1がいずれも“1”となっている。メインスイッチ64がオフしていたときは(S505;Y)、出力ポートP2を“1”にして昇圧回路66の昇圧動作を停止し(S516)、カメラ側からの通信割り込み及びPWC割り込みを禁止して(S517)、入力ポートP0、P1のオン割り込みを許可し(S518)、スリープ状態に移行する(S519)。このスリープ状態では入力ポートP0、P1のオン割り込みが許可されているため、メインスイッチ11がオフ以外(オンまたはWL)になると割り込みが発生し、S500に戻ってメイン処理を開始する。
【0128】
メインスイッチ64がオフ以外(オンかWL)のときは、メインコンデンサー79を充電する充電処理を実行する(S506)。充電処理では、出力ポートP2を“0”として昇圧回路66を昇圧動作させ、ダイオード67を介してメインコンデンサー79を充電する。メインコンデンサー79の充電が開始されると、充電検出回路69にはメインコンデンサー20の端子電圧Hvに等しい電圧Hv´が入力される。この入力電圧Hv´は充電検出回路69内の抵抗により分圧されてRLS端子に出力され、A/D変換ポートPadからフラッシュCPU65に入力される。本実施形態では、Hv´=330VのときRLS=3.3V、またHv´=270VのときRLS=2.7Vとなるように充電検出回路69内の抵抗比を設定してある。また本実施形態では、RLS端子の出力電圧レベルが2.7V以上となったらChargeフラグを“1”(充電完了)にセットし、RLS端子の出力電圧レベルが3.3V以上となったら充電を停止する。なお、最高電圧までの充電を要求するか否かを識別するF_CRequestフラグに“1”がセットされているときは、RLS端子の出力電圧レベルが3.3Vになるまで一度は必ず充電される。
【0129】
充電処理を実行したら、情報設定SW群63で設定されたスイッチ情報を入力する設定情報入力処理を実行し(S507)、通信情報処理を実行する(S508)。通信情報処理では、カメラから転送されるCF情報に基づいて各モードなどを再設定し、設定したFC通信情報をカメラに出力する。FC情報には、調光距離範囲を確認するための調光確認情報(「適正」、「近」、「遠」のいずれか)が含まれており(表1参照)、このS508にてカメラ側へ送信される。
続いて、通信情報処理で入力したワイヤレス指定に基づいてワイヤレスモードを設定するワイヤレスモード処理を実行し(S509)、S506〜S509で処理されたフラッシュに関する情報をLCD表示器72に表示させる(S510)。S510で表示される情報としては、調光モード、シンクロモード、ワイヤレスモード、充電完了情報、調光確認情報、フラッシュ光がカバーできる焦点距離、最長調光距離及び最短調光距離などがある。
【0130】
表示処理を実行したら、カメラ通信により入力したレンズ焦点距離情報に基づいて発光ユニット55の位置を移動させるズーム処理を実行し(S511−1)、旧フラッシュ処理を実行する(S511−2)。旧フラッシュ処理は、本フラッシュ装置50との通信機能を有さない旧カメラのために、カメラ接続端子56を介して充電完了信号と、フラッシュ装置50でセットされるF値に対応したパルス信号をカメラに送信するための処理である。
旧フラッシュ処理を実行したら、低速モードに移行し(S512)、タイマーAオーバーフラグが“1”になるまで待機する(S513;N)。タイマーAオーバーフラグには、タイマーAがタイムアップしたときに“1”がセットされる。そしてタイマーAオーバーフローフラグが“1”になったときは、高速モードへ移行し、タイマーAオーバーフラグを“0”にしてS505へ戻る(S513;Y、S514、S515)。つまり、タイマーAはタイムアップする毎に再スタートし、メインスイッチ64のオンまたはWL状態では、以上のS505〜S515の処理が125mS(ミリ秒)に1回実行される。
【0131】
『ワイヤレスモード処理』
次に、S509で実行されるワイヤレスモード処理について図21を参照して説明する。この処理に入ると先ず、メインスイッチ64がWL位置にあるか否かをポートP1の入力レベルによってチェックする(S550)。メインスイッチ64がWL位置にあるときは、入力ポートP1が“0”となっている。
【0132】
メインスイッチ64がWL位置にあるときは、WLreqフラグが“1”か否かをチェックする(S550;Y、S551)。WLreqフラグは、ワイヤレスモードがコントローラモードまたはマスターモードのときに“1”がセットされるから、WLreqフラグが“1”であれば外部フラッシュとして機能している場合、WLreqフラグが“1”でなければスレーブフラッシュとして機能している場合である。
【0133】
WLreqフラグが“1”でないときは(S551;N)、前回記憶した調光モード要求BLoと現在の調光モード要求とを比較する(S552)。前回と現在の調光モード要求が異なる場合には(S552−1;Y)、調光モードを更新するため、F_WLsフラグに“0”をセットする(S552−2)。前回と現在の調光モード要求が同じ場合には、S552−2をスキップする(S552−1;N)。そして、F_WLsフラグが“1”か否かをチェックし(S553)、F_WLsフラグが“1”のときは、ワイヤレスモード設定が完了しているので、リターンする(S553;Y)。F_WLsフラグが“1”でないときは(S553;N)、ワイヤレスモード設定を行うため、全通信割り込みを禁止し(S554)、カメラ接続端子56、カメラ通信インターフェース59、及びポート群Pdによる通信ポートを入力ポートに変更するとともに、X端子のオンによる発光を禁止する(S555)。
【0134】
続いて、レンズ焦点距離情報に初期値24mmをセットし、予備発光強度PreP及び予備発光時間PreTに1をセットし、現在の調光モード要求をBLoにメモリし、調光モード要求がTTLか否かをチェックする(S556、S557、S558)。調光モード要求がTTLの場合は、カメラ側から送信される予備発光指令信号、倍率信号、本発光指令信号を順次受信することにより、予備発光量に応じて本発光量を制御する第一の発光制御モードで発光制御される。
【0135】
調光モード要求がTTLであれば(S558;Y)、PWCタイマーをワイヤレス信号の立ち下がりエッジ間隔測定モードにセットし(S559)、PWCタイマーの割り込みを許可してPWCタイマーをスタートさせ(S560、S561)、ワイヤレス信号を受信可能な状態にする。そして、現在設定されているワイヤレスモードを示す変数WLmodeに1(ワイヤレススレーブを示す)をセットし、F_WLsに“1”をセットし、ワイヤレス信号の受信ステップを示す変数WLstepに0(予備発光指令信号の受信待ちを示す)をセットしてリターンする(S562)。
上記S559〜S562実行後は、図6(e)、(f)に示すWL受光波形の最初の立ち下がりエッジがワイヤレス受光素子57、ワイヤレス回路58を介してポートPeに与えられたとき、即ちワイヤレス受光素子57の受光量が所定値に達したときに、PWC割り込みが発生する。PWC割り込みが発生すると、PWC割り込み処理(図27、図28)が開始される。PWC割り込み処理では、詳細は後述するが、WL受光波形の立ち下がりエッジ間のデータに基づき、受信したワイヤレス信号が予備発光指令、倍率発光指令、本発光指令、テスト発光指令のいずれであるかを判別し、各指令に応じた処理を行う。
【0136】
調光モード要求がTTL以外のとき、即ち外光オートかマニュアルのときは、旧カメラ対応か否かをチェックする(S558;N、S563)。
旧カメラ対応のときは、内蔵または外部フラッシュの単発の微少発光に同期して発光開始されるようにするため、PWCタイマーをカウンターモードに設定し、PWCカウンタの割り込みを許可し、PWCカウンタ値を示すレジスタPWCRにFFFFをセットしてPWCカウンタをスタートさせ、WLmodeに2(旧カメラ対応を示す)をセットするとともにF_WLsフラグに“1”をセットしてリターンする(S563;Y、S564、S565、S566、S567)。この状態では、内蔵または外部フラッシュの微少発光をワイヤレス受光素子57が受光したとき(図6(e)(f)に示すWL受光波形の最初の立ち下がり)に、レジスタPWCRが+1インクリメントされてFFFFから0000に変化する。この変化によってPWC割り込みが発生してPWC割り込み処理(図27、図28)が開始され、スレーブフラッシュが発光する。
旧カメラ対応でないときは、ワイヤレス信号(予備発光指令信号、倍率信号、本発光指令信号)を順次受信することにより本発光制御するため、上述したS559以降の処理を実行する(S563;N)。
【0137】
S551のチェックでWLreqフラグが“1”であったときは、WLsetフラグが“1”か否かをチェックし(S551;Y、S568)、WLsetフラグが“1”のときは、WLmodeに3(スレーブフラッシュをワイヤレス制御するモード)をセットしてS571へ進む(S568;Y、S569)。
S550のチェックでメインスイッチ64がWL位置になかったとき、またはS568のチェックでWLsetフラグが“1”でなかったときは、WLmodeに4(ワイヤレス制御を実行しないモード)をセットして、S571へ進む(S550;NまたはS568;N、S570)。
続いてF_WLsフラグが“1”か否かをチェックし(S571)、F_WLsフラグが“1”でないときはそのままリターンする(S571;N)。F_WLsが“1”のときは、スレーブフラッシュの状態を解除するため、通信ポートを初期化してカメラ−フラッシュ間の通信割り込みを許可し、X端子による発光を許可し、PWCカウンタ及びタイマーの割り込みを禁止し、F_WLsフラグを“0”としてリターンする(S571;Y、S572、S573、S574、S575)。
【0138】
以上のワイヤレスモード処理では、フラッシュ装置50がスレーブフラッシュとして機能する場合には、メインスイッチ64がWL位置にあってWLreqフラグには“0”がセットされているから、S552へ進み、S552〜S567の処理が実行される。
一方、フラッシュ装置50がカメラボディ10に装着されて外部フラッシュとして機能する場合であって且つ外部フラッシュを使ってワイヤレス制御する場合には、メインスイッチ64がWL位置にあってWLreqフラグには“1”がセットされているから、S568へ進み、S568以降の処理が実行される。
またフラッシュ装置50が外部フラッシュとして機能する場合であって且つ外部フラッシュを使ってワイヤレス制御しない場合には、メインスイッチ64がWL位置にないから、S570へ進み、S570以降の処理が実行される。
【0139】
『通信割り込み処理』
メインスイッチ64がオン位置またはWL位置にある状態で実行される通信割り込み処理について、図5及び図6に示されるタイミングチャート、図22に示されるフローチャートを参照してより詳細に説明する。
この処理は、S503(図20)で通信割り込み(C端子の立下りと立上りで割り込みを許可する)が許可されているから、カメラ接続端子56のC端子が“0”から“1”あるいは“1”から“0”に変化すると(図5参照)、実行される。この処理に入ると先ず、再度の割り込みを禁止するため通信割り込みを禁止し(S600)、現在のCPU動作速度をメモリーM1にメモリして高速モードに移行し(S601)、C端子の入力波形をチェックする(S602)。フラッシュCPU65はC端子の入力波形によって通信内容を識別し、以下のように処理を進める。
【0140】
C端子の入力波形が1パルスであれば(S603;Y)、CF通信指令信号であるから、R端子に送られたクロック信号に同期したCF通信データをQ端子を介して取り込むCF通信を実行する(S604)(図5(b))。このCF通信データは表3のCF通信情報に対応している。CF通信を実行したら、入力したCF通信データに基づいてフラッシュのモード等を再設定するCF情報再処理を実行し、CPU動作速度をS601でメモリーM1に格納した速度に変更し、通信割り込みを許可してリターンする(S605、S617、S618)。
C端子の入力波形が2パルスであれば(S603;N、S606;Y)、FC通信指令信号であるから、FC通信データをR端子のクロック信号に同期させ、Q端子を介してカメラに送るFC通信を実行し、S617へ進む(S607)(図5(c))。このFC通信データは表1のFC通信情報に対応している。
【0141】
C端子の入力波形が3パルスであれば(S606;N、S608;Y)、通常発光指令信号であるから、調光モードがTTLまたは順次で発光する通常発光処理を実行し、S617へ進む(S609)(図6(a)(b))。
C端子の入力波形が4パルスであれば(S608;N、S610;Y)、特殊発光指令信号であるから、特殊発光処理を実行し、S617へ進む(S611)(図6(c)〜(f))。特殊発光処理では、詳細は後述するが、予備発光処理、テスト発光処理、FP発光処理、倍率発光処理のうち、発光モード指定に対応する処理を実行する。
【0142】
C端子の入力波形が立ち上がりだけであれば(S610;N、S612;Y)(図5(a))、カメラが動作中か否かを識別するF_COnフラグを“1”(動作中)とし、メインコンデンサー79の最高電圧までの充電を要求するF_CRequestフラグを“1”(要求)としてS617へ進む(S613、S614)。C端子の入力波形が立ち下がりであれば(S612;N、S615;Y)(図5(d))、カメラが動作していないので、カメラが動作中か否かを識別するF_COnフラグを“0”(非動作)としてS617へ進む(S616)。なお、F_COnフラグの“0”状態が所定時間(例えば5分)継続したときは、消費電力削減のため、フラッシュCPU65はスリープモードに移行する。
C端子の入力波形が上記のいずれでもないときは、S617へ進み、CPU動作速度をS601でメモリーM1に格納した速度に変更し、通信割り込みを許可してリターンする(S615;N、S617、S618)。
【0143】
『特殊発光処理』
次に、S611で実行される特殊発光処理について図6に示されるタイミングチャート、図23及び図24に示されるフローチャートを参照して詳細に説明する。この処理は、通信割り込み処理において4パルスの特殊発光指令信号を入力したときに実行される。この処理に入ると先ず、WLmodeに3(スレーブフラッシュをワイヤレス制御するモード)がセットされているか否かをチェックし(S650)、セットされているときは変数numに1をセットし(S650;Y、S651)、発光モード指定に対応するワイヤレス信号を送信する(S652〜S667)。
【0144】
即ち、発光モード指定が予備のときは(S652;Y)、シンクロ指定がFPであればワイヤレス信号の間隔TW1Mに5.2msをセットし、S661へ進む(S653−1;Y、S653−2)。またシンクロ指定がFPでなく且つ予備発光モードPreMが“1”であれば、ワイヤレス信号の間隔TW1Mに4.2msをセットし、S661へ進む(S653−1;N、S653−3;Y、S653−4)。シンクロ指定がFPでなく且つ予備発光モードPreMが“1”でもなければ、ワイヤレス信号の間隔TW1Mに3.2msをセットし(S653−3;N、S653−5)、S661へ進む。
【0145】
発光モード指定がテストのときは、ワイヤレス信号の間隔TW1Mに6.2msをセットしてS661へ進む(S654;Y、S655)。
発光モード指定がFPのときは、式;TW1M=2ms+(Tfp×64)/1000(ms)から算出した値をワイヤレス信号の間隔TW1Mにセットし、S661へ進む(S656;Y、S657)。ここでTfpはフラット発光時間である。発光モード指定がFPのときスレーブフラッシュには、ワイヤレス信号によってフラット発光時間が設定される。
発光モード指定が倍率のときは、式;TW1M=2ms+(Mv1+5)×128/1000(ms)から算出した値を1回目のワイヤレス信号の間隔TW1Mにセットし、式;TW2M=2ms+(Mv2+5)×128/1000(ms)から算出した値を2回目のワイヤレス信号の間隔TW2Mにセットし、予備発光モードPreMが“1”であれば変数numに2をセットし、S661へ進む(S658;Y、S659、S660)。
【0146】
以上の処理で設定した各ワイヤレス信号の間隔TW1Mと、発光モード指定との対応関係を表6に示す。
【表6】
Figure 0004027607
【0147】
なお、表6において*1を付した項目は、通常発光で本発光させる場合の本発光指令信号を示している。この本発光指令信号は、予備発光指令信号、倍率信号を送信した後、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの単発の微少発光によってスレーブフラッシュへ送信される。図6(e)(f)では、1回目(図において最も左方)の発光波形が本発光指令信号に該当する。
【0148】
そして、上記処理で設定した間隔TW1MをタイマーBにセットしてタイマーBをスタートさせ(S661)、微少発光処理を実行する(S662)。微少発光処理は、ワイヤレス信号送信のためにキセノン管82を微少発光させる処理であって、先ず、30Von信号(出力ポートP4)を“1”とし、IGBTctl信号(出力ポートP5)を“1”としてIGBT83をオンさせる。このIGBT83のオン状態でTRIGon信号(出力ポートP3)を“1”にしてキセノン管82の発光を開始させる。そしてIGBTctl信号を“1”にしてから30μs経過後にIGBTctl信号を“0”としてIGBT83をオフさせ、キセノン管83の発光を停止させる。S662では、図6(e)、(f)に示す1回目(図6において左方(1))の微少発光が行われる。
【0149】
そしてタイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機し(S663;N)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったら微少発光処理を再実行する(S663;Y、S664)。S664では、図6(e)、(f)に示す2回目(図6において右方(2))の微少発光が行われる。
続いて、変数numを1減算し、変数numが0か否かをチェックする(S665、S666)。変数numが0でないとき、即ち発光モードが倍率に設定されていて且つ予備発光モードPreM“1”のときは、3回目の微少発光を行うため、タイマーBにワイヤレス信号間隔TW2MをセットしてタイマーBをスタートさせ、S663へ戻る(S666;N、S667)。変数numが0のときは、ワイヤレス信号の送信が完了したので、S668へ進む(S666;Y)。
【0150】
そして、発光モード指定が上述のいずれにも該当しないとき(S658;N)、または変数numが0になったときは(S666;Y)、ワイヤレスモードにマスターがセットされているか否か及び発光モード指定が予備、FP、テストのいずれかに該当するか否かをチェックする(S668)。ワイヤレスモードがマスターであり、且つ発光モード指定が予備、FP、テストのいずれかに該当するときは、発光モード指定に基づいてフラット発光処理を実行する(S668;Y、S670)。これは、ワイヤレスモードがマスターであって、且つ複数のフラッシュを使用する場合を考慮したためである。フラット発光処理を実行したら、F_CRequestフラグに“1”をセットしてリターンする(S671)。
【0151】
S650でWLmodeが3でなかったときは、S670へ進み、CF通信ですでに受信した発光モード指定に基づいてフラット発光処理を実行し、F_CRequestフラグに“1”をセットしてリターンする(S650;N、S670、S671)。
【0152】
『フラット発光処理』
次に、S670で実行されるフラット発光処理について、図7に示されるタイミングチャート及び図25に示されるフローチャートを参照して詳細に説明する。本実施形態では、発光ユニット55のズーム位置(フラッシュ装置50の画角)に拘わらず、所定距離の被写体に対しては同一の照度で照明できるようにフラット発光(予備発光)させることに特徴がある。この所定距離の被写体に対する照度がズーム位置に拘わらず略一定となれば、反射率が一定であることを条件として被写体輝度データと撮影距離データの間に比例関係が成立する。したがって、予備発光時に主要被写体の輝度を測定すれば、主要被写体の位置を正確に判定することができ、その結果、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。
【0153】
この処理に入ると先ず、式;Vfp=Va×T_fire(zoom)を実行してフラット発光レベル(予備発光レベル)Vfpを算出する(S700)。
ここで、T_fire(zoom)は、式;T_fire(zoom)≒(Gnos/Gno(zoom))2により求められる値である。基準ガイドナンバーGnosは任意に設定可能な定数である。本実施例では基準ガイドナンバーGnosを36に設定しており、これは表7の機種Aのフラッシュをズーム位置85mmで最大発光させた場合の値であり、機種Bのフラッシュをズーム位置28mmで最大発光させた場合の値である。最大ガイドナンバーGnoは、ズーム位置に応じて変化する変数であり、各機種のフラッシュを各ズーム位置で最大発光させた場合の値である。基準発光レベルVaは、各フラッシュの発光量のばらつきを補正する調整定数であり、EEPROM60にメモリされている。この基準発光レベルVaは、上記基準ズーム位置85mmでフラット発光を行う場合に、基準のフラット発光出力が得られるように設定される。
【0154】
表7にズーム位置(焦点距離)、ガイドナンバーGno、T_fireの関係を示した。機種Bは機種AよりもガイドナンバーGnoの大きい機種である。
【表7】
Figure 0004027607
【0155】
上記ズーム位置とは、撮影レンズの焦点距離に適した照射角が得られる発光ユニット55の位置である。本実施形態では、フレネルレンズ55aと発光ユニット55の間隔(mm)を撮影レンズの焦点距離fに換算したズーム位置(mm)として表している。例えば、撮影レンズの焦点距離f=24mmであれば、ズーム位置24mmが設定され、発光ユニット55は、フレネルレンズ55aとの間隔が撮影レンズの焦点距離24mmに対応する位置に移動される。なお、フラッシュ装置50がカメラ10に装着されていない場合には、ズーム位置を、使用者が任意に設定できるようになっている。
【0156】
表7からも分かるように、ズーム位置が長距離側に移るほど、ガイドナンバーGnoは大きくなり、T_fire(zoom)の値は小さくなる。上記S700によれば、発光レベルVfpはT_fire(zoom)の値に反比例するので、発光レベルVfpはズーム位置が長距離側に移るほど小さくなる。この結果、異なるズーム位置のフラッシュにおいても、所定距離の被写体に対する照度(各フラッシュと被写体の距離が同一であれば実効ガイドナンバー)は同一となる。また本実施形態では、フラッシュの機種に拘わらず基準ガイドナンバーGnosは一定であるから、ガイドナンバーGnoが機種Aよりも大きい機種Bでは、T_fire(zoom)の値が機種Aよりも小さくなる。この結果、ガイドナンバーの異なる機種Bのフラッシュにおいても、所定距離の被写体に対する照度(各フラッシュと被写体の距離が同一であれば実効ガイドナンバー)は同一となる。
【0157】
フラット発光レベルVfpを設定したら、発光モード指定がFP(フラット発光)か否かをチェックし(S701)、発光モード指定がFPであれば本発光のための設定をS702〜S707にて行い、発光モード指定がFP以外であれば予備発光(テスト発光含む)のための設定をS708〜S713にて行う。
【0158】
つまり、発光モード指定がFPであれば、先ず、発光倍率MvにCF通信で入力した発光倍率Mv1をセットする(S702)。次に、予備発光モードPreMが“1”か否かをチェックする(S703)。予備発光モードPreMが“1”のとき、即ち複数のフラッシュの予備発光を規定の順番で実行するモードがセットされているときは(S703;Y)、シンクロ要求が順次か否かをチェックする(S704)。シンクロ要求が順次であれば、発光倍率MvにCF通信で入力した発光倍率Mv2をセットし直してS706へ進む(S704;Y、S705)。予備発光モードPreMが“1”でないとき(S703;N)、または予備発光モードPreMが“1”であってもシンクロ要求が順次でないときは(S704)、発光倍率Mvを変更せずに、S706へ進む。そして、式;FPlvl=Vfp×2Mvにより求めた電圧FPlvlをD/A変換ポートPdaから出力してコンパレータ75の非反転入力端子に与え、タイマーBにTfp+3msをセットしてスタートさせる(S706、S707)。ここで、Tfpはフラット発光時間(ms)、3msはフラット発光時間Tfpに余裕を持たせるための時間である。
【0159】
一方、発光モード指定としてFPモード以外が設定されている場合は、先ず、発光モード指定がテスト発光モードか否かをチェックする(S708−1)。テスト発光モードであれば、D/A変換ポートPdaの出力レベルFPlvlを電圧Vbとして出力する(S708−1;Y、S708−2)。この電圧Vbは、フラッシュ装置50の各ズーム位置において発光可能なフル発光量(Mv=0EV)の1/規定倍、例えば1/16倍の発光量(Mv=−4EV)でフラッシュ装置50を発光させるように設定された電圧値であって、EEPROM60にメモリされている。発光モード指定がテスト以外であれば、D/A変換ポートPdaの出力レベルFPlvlを、フラット発光レベルVfpにCF通信で入力した予備発光強度PrePを乗算した電圧値として出力する(S708−1;N、S708−3)。
続いて、予備発光モードPreMが“1”か否かをチェックし(S709)、予備発光モードPreMが“1”であれば、規定の順番で予備発光を行うので、シンクロ要求が順次か否かをチェックする(S709;Y、S710)。シンクロ要求が順次のときは(S710;Y)、図6(d)に示す2回目(図6において右方)の発光で予備発光を行うため、タイマーBに2.5msをセットしてタイマーBをスタートさせ(S711)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待機し(S712;N)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったらタイマーBに発光時間PreT(ms)をセットしてS714へ進む(S712;Y、S713)。予備発光モードPreMが“1”でないとき(S709;N)、シンクロ要求が順次でないときは(S710;N)、図6(d)に示す1回目(図6において左方)の発光で予備発光を行うため、S713でタイマーBに発光時間PreT(ms)をセットしてS714へ進む。
【0160】
図7の時間T0はFP発光処理の初期状態を示している。この初期状態では、S500の初期化によって出力ポートP4(30Von)、出力ポートP5(IGBTctl)、及び出力ポートP7は“0”が設定されており、ポートP6は入力ポートに設定されている。そのため、IGBT83はオフしていて、発光量検出受光素子85の光電流は抵抗7に流れ込んでコンデンサー73はオープンと同等になっている。またD/A変換ポートPdaからはS706またはS708で設定された電圧FPlvlがコンパレータ75の非反転入力端子に出力されている。この状態では、ポートP3(TRIGon)の出力が“0”であるため、キセノン管82のトリガー電極XeTに電圧は印加されず、キセノン管82の発光は行われない。そのため、発光量検知受光素子85からは光電流が出力されず、コンパレータ75の反転入力端子の入力電圧PDflは“0”となり、コンパレータ75の出力は“0”となっている。
【0161】
S714では出力ポート4(30Von)を“1”とする(図7;時間T1)。30Von信号が“1”になると、30V発生回路77の30Vout端子から30Vの電圧が出力され、レベルシフト回路78に印加される。次に、出力ポートP5(IGBTctl)を“1”とする(S715)(図7;時間T2)。IGBTctl信号が“1”に変化すると、レベルシフト回路76は30V発生回路77から与えられた30V電圧をIGBT83のゲートIGBTgに印加してIGBT83をオンさせる。続いて、出力ポートP3(TRIGon)を“1”とする(S716)。TRIGon信号が“1”になると、トリガー回路80は高圧の振動電圧をキセノン管82のトリガー電極XeTに与えてキセノン管82内のキセノンガスを励起状態とする。キセノン管82内が励起状態になると、S715で既にIGBT83がオンしているため、メインコンデンサー79の蓄積電荷がコイル81、キセノン管82、IGBT83を介して放電され、キセノン管82の発光が開始される。
【0162】
そして、S707またはS713で設定したタイマーBをスタートさせ(S717)、ポートP5(IGBTctl)を入力ポートにセットし(S718)、出力ポートP3(TRIGon)を“0”にする(S719)。ここで、ポートP5を出力ポートから入力ポートに切り換えるのは、キセノン管82のトリガー電極XeTへ印加した高圧の振動電圧によってコンパレータ75等が誤動作したとしても安定に発光を開始させるためである。
【0163】
S718でポートP5を入力ポートに設定すると、ポートP5は非接続と等価となり、コンパレータ75の出力がIGBTctl信号としてレベルシフト回路78へ出力される。キセノン管82が発光すると、発光量検出受光素子85の光電流はキセノン管82の発光量に対応した値となり、コンパレータ75の反転入力端子の入力電圧PDflもキセノン管82の発光量に対応する電圧となる。そして電圧PDflが電圧FPlvlに達すると(図7;時間T4)、コンパレータ75の出力(IGBTctl)は“0”となり、レベルシフト回路78を介してIGBT83をオフする。IGBT83がオフすると、IGBT83経由の発光が止まり、発光時にコイル81に流れた電流によってコイル81に蓄積されたエネルギーがキセノン管82、ダイオード84を介して放電され、キセノン管82の発光量は減少する。
【0164】
そして、キセノン管82の発光量に対応する電圧PDflが所定電圧FPlvlより低くなると(図7;時間T5)、再びコンパレータ75の出力(IGBTctl)が“1”となってIGBT83をオンし、IGBT83を経由するキセノン管82の発光が再開され、キセノン管82の発光量が増加する。なお、時間T5では、時間T3の時点とは異なり、キセノン管23の励起状態が継続されているため、キセノン管23のトリガー電極XeT端子への高圧の振動電圧印加は不要である。
【0165】
以上の処理は、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで繰り返し実行され(S720;N)、タイマーB(Tfp+3ms)時間内はキセノン管82の発光量がほぼ一定範囲に保持される(図6(c)参照)。
【0166】
タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったときは(S720;Y)、IGBT84が破壊されるのを防止するため、入力ポートP5(IGBTctl)が“1”から“0”になるまで待ち(S721;N)、入力ポートP5が“0”になったら(S721;Y)、ポートP5を出力ポートに変更して“0”を出力し、IGBT84をオフし(S722)、F_CRequestフラグに“1”をセットしてリターンする(S723)。
【0167】
このように本実施形態では、フラッシュの照射角や最大ガイドナンバー(フラッシュを最大発光させたときの値)に拘わらず、所定距離の被写体に対する照度(各フラッシュと被写体の距離が同一であれば実効ガイドナンバー)を同一にしているから、反射率が一定であることを条件として被写体輝度データと撮影距離データの間に比例関係が成立する。これにより被写体の反射率を正確に判定することができ、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。したがって、異なる照射角のズームフラッシュを複数使用する撮影であっても、異なるガイドナンバーのフラッシュを複数使用する撮影であっても、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。
さらに本実施形態によれば、通常では予備発光時に求めた被写体輝度と撮影距離との間に比例関係が成立しないワイヤレス制御を行う場合であっても、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。
【0168】
『通常発光処理』
次に、S609で実行される通常発光処理について、図6(a)、(b)及び図26を参照して詳細に説明する。この処理は、フラッシュ装置50がカメラボディ10に装着されて外部フラッシュとして機能する場合に、3パルスの通常発光指令信号をC端子を介して入力したとき、実行される(図6(a)(b))。
【0169】
この処理に入ると先ず、X端子が“0”になるまで待機し(S750;N)、X端子が“0”になったらChargeフラグが“1”か否かをチェックする(S750;Y、S751)。Chargeフラグが“1”でないときは充電が完了していないのでリターンする(S751;N)。Chargeフラグが“1”のときは、シンクロ指定が順次か否かをチェックし(S751;Y、S753)、シンクロ指定が順次であればシンクロ要求が順次か否かをチェックする(S753;Y、S754)。シンクロ要求が順次のときは、Q端子の立下りによってフラッシュを発光させるため、Q端子が“1”から“0”に変化するまで待ち(S754;Y,S755;N)、Q端子が“0”となったらS756へ進む(S755;Y)。シンクロ指定が順次でないとき(S753;N)、シンクロ要求が順次でないときは(S754;N)、X端子の立下りによってフラッシュを発光させるため、そのままS756へ進む。
【0170】
S756のステップでは、調光モード指定がTTLか否かをチェックする。調光モード指定がTTLでないときはS768へ進む(S756;N)。一方、調光モード指定がTTLのときは(S756;Y)、出力ポートP4(30Von)を“1”にして30V発生回路77から30V電圧を発生させ、出力ポートP5(IGBTctl)を“1”にしてレベルシフト回路78を介してIGBT83をオンさせ、出力ポートP3(TRIGon)を“1”にしてキセノン管82内を励起状態とし、キセノン管82の発光を開始させる(S757)。
【0171】
続いて、フラッシュの最大発光時間を計時するタイマーBに3.2msをセットしてスタートさせ(S758)、Q端子が“1”か否かをチェックし(S759)、Q端子が“1”でなければタイマーBオーバーフローフラグが“1”か否かをチェックする(S759;N、S760)。タイマーBオーバーフローフラグが“1”でなければ、S759へ戻る(S760;N)。そしてQ端子が“1”になるか(S759;Y)、あるいはQ端子が“1”にならずにタイマーBオーバーフローフラグが“1”になったときは(S760;Y)、出力ポートP5(IGBTctl)を“0”としてIGBT83をオフし、出力ポートP4(30Von)及び出力ポートP3(TRIGon)を“0”に初期化して(S761)、メモリM1にタイマーBの残り時間をメモリする(S762)。
【0172】
続いて、タイマーBオーバーフローフラグが“1”か否かをチェックする(S763)。タイマーBオーバーフローフラグが“1”のときは、タイマーB時間内にQ端子が“1”にならなかったので、調光確認情報に「遠」をセットする(S763;Y、S764)。このタイマーB時間内にQ端子が“1”にならないのは、カメラボディ10のTTL受光素子23の受光量が少なくオペアンプ202の出力が所定電圧T_ttl(x)に達しない場合であるから、被写体がフラッシュの調光制御距離範囲よりも遠い位置に存在する(または被写体反射率が標準反射率よりも低い)と判断できる。なお調光確認情報は、S508の通信処理でカメラボディ10に送信される。
【0173】
タイマーBオーバーフローフラグが“1”でないときは、メモリM1(タイマーBの残り時間)が30μs未満か否かをチェックする(S763;N、S765)。上記30μsは、発光を開始させてから比較的高精度で調光可能な最短時間(=後述する発光制御時間Tm)である。メモリM1が30μs未満のときは、被写体がフラッシュの調光制御距離範囲よりも近い位置に存在する(または被写体反射率が標準反射率よりも高い)とみなせるため、調光確認情報に「近」をセットする(S765;Y、S767)。メモリM1が30μs未満でなければ、被写体はフラッシュの調光制御距離範囲内の位置に存在する(または被写体反射率が標準反射率程度である)とみなせるため、調光確認情報に「適正」をセットする(S765;N、S766)。
【0174】
調光確認情報をセットしたら、WLmodeが3か否かをチェックする(S768)。WLmodeが3のときは、単発の微少発光による本発光指令信号をスレーブフラッシュに送信し(S768;Y、S769)、WLmodeが3でないときはS769をスキップし(S768;N)、F_CRequestフラグに“1”をセットしてリターンする(S770)。なお本実施形態では、S757〜S761のTTL受光時に、ワイヤレス信号送信のための微少発光の影響を受けないようにするため、通常発光終了後のS769でワイヤレス信号を送信するようにしている。
【0175】
図30は発光制御時間[μs]と発光量誤差[EV]の関係を示すグラフである。図30に示すように発光量誤差は、キセノン管82の発光オフの遅れ等により、発光制御時間を短くするほど増加する傾向にある。本実施例では、この発光量誤差が1EVとなる発光制御時間Tmを30μsとし、S765でメモリM1と比較してメモリM1が30μs未満である場合には、調光確認情報に「近」をセットして調光オーバーを報知させる構成となっている。調光確認情報は、S510の表示処理で外部フラッシュ側に表示され、S508の通信処理でカメラボディ10に送信されてS104の表示処理でカメラ側にも表示される。したがって、使用者は、これらの表示により調光が適正に行われたかどうかを確認することができる。
【0176】
『PWC割り込み処理』
次に、PWC割り込み処理について図27及び図28に示されるフローチャートを参照して詳細に説明する。PWC割り込み処理は、フラッシュ装置50がスレーブフラッシュとして機能する場合(メインスイッチ64がWL位置にあって、ワイヤレスモードにスレーブがセットされている場合)に、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの微少発光をワイヤレス受光素子57が受光し、その受光量が所定値に達すると、割り込みが発生して実行される処理である。
【0177】
この処理に入ると先ず、再度のPWC割り込みを禁止してPWC割り込みフラグに“0”をセットする(S850)。次に、WLmodeが2か否かをチェックし(S851)、WLmodeが2であれば、旧カメラ対応の場合であるから、外光A,マニュアル発光処理を実行して本発光する(S851;Y、S852)。この外光A,マニュアル発光処理は、調光モード要求が外光オートであれば、外光オート受光素子71の受光量を外光オート受光回路70で積分し、規定量に達したときに出力ポートP5(IGBTctl)を制御して発光を停止し、調光モード要求がマニュアルであれば、規定時間で発光を停止する処理である。外光A,マニュアル発光処理を実行したら、PWCカウンター割り込みを許可してリターンする(S853)。
【0178】
WLmodeが2でなければ、WLstepが2か否かをチェックし(S851;N、S854)、WLstepが2でないときはWLstepが1か否かをチェックする(S854;N、S865)。WLstepが1でないとき、即ちWLstepが0のときは(S865;N)、予備発光指令信号の受信待ち状態であるから、シンクロ要求をシンクロ指定にセットし(S877)、PWCカウンター値を示すレジスタPWCRの値に対応する処理を実行する(S878〜S890)。レジスタPWCRの値は、予備発光指令信号としてのワイヤレス信号の立下りエッジ間隔を計時したものであり、カメラボディ10(CPU13)が指定した予備発光モードPreM及びシンクロ指定に応じて異なる値になる(表6参照)。
【0179】
レジスタPWCRの値が3.2±0.1msの範囲内であれば(S878;Y)、予備発光モードPreM“0”及びシンクロ指定=FP以外を指定する予備発光指令信号を受信したので、予備発光モードPreMに“0”をセットし(S879−1)、シンクロ指定がFPモードであれば先幕に変更して(S879−2;Y、S879−3)、WLstepに1をセットし、発光モード指定を予備に設定する(S884)。そしてFP発光処理を実行して予備発光を行い(S887)、PWCタイマーの割り込みを許可してリターンする(S888)。WLstepに1がセットされているときは、予備発光完了状態であり、倍率信号受信待ちであることを示している。
【0180】
レジスタPWCRの値が4.2±0.1msの範囲内であれば(S880;Y)、予備発光モードPreM“1”及びシンクロ指定=FP以外を指定する予備発光指令信号を受信したので、予備発光モードPreMに“1”をセットとし(S881−1)、シンクロ指定がFPであれば先幕に変更して(S881−2;Y、S881−3)、S884以降の処理を実行して予備発光を行う。
レジスタPWCRの値が5.2±0.1msの範囲内であれば(S882;Y)、予備発光モードPreM“1”及びシンクロ指定=FPを指定する予備発光指令信号を受信したので、予備発光モードPreMに“1”をセットし(S883−1)、シンクロ指定が先幕、順次であればFPに変更して(S883−2;Y、S883−3)、S884以降の処理を実行して予備発光を行う。
【0181】
レジスタPWCRの値が6.2±0.1msの範囲内であれば(S885;Y)、テスト発光指令信号を受信したので、予備発光モードPreMに“1”をセットし、倍率信号受信は必要ないのでWLstepに0をセットし、発光モード指定をテストに変更して(S886)、FP発光処理を実行してテスト発光を行い(S887)、PWCタイマー割り込みを許可してリターンする(S888)。このようにテスト発光指令信号を受信したときは、テストのためだけに発光する。
【0182】
レジスタPWCRの値が上記の範囲以外であるときは(S885;N)、予備発光指令信号またはテスト発光指令信号のいずれも受信していないので、WLstepに0をセットし(S889)、PWCタイマーをワイヤレス信号の立下りエッジ間測定モードとし、PWCタイマー割り込みを許可し、PWCタイマーをスタートさせてリターンする(S890)。通常はS878、S880、S882、S885のいずれかでYesと判断され、S885でNoと判断されるのは例えば蛍光灯の光などノイズを受光した場合である。
【0183】
S884を経てリターンした後、再びPWC割り込み処理に入ったときは、WLstepに1がセットされている(予備発光が完了していて倍率信号受信待ちとなっている)ため、S865でYesと判断されてS866へ進み、以降の処理で発光倍率Mv1、Mv2を受信する(S865;Y)。
S866では、レジスタPWCR値が2.5±0.6msの範囲になるか否かをチェックし(S866)、範囲内でなければ倍率信号ではないのでS877以降の処理を実行する(S866;N)。レジスタPWCR値が範囲内であれば、((PWCR−2ms)/16μs)/8−5により発光倍率Mv1を求める(S866;Y、S867)。例えば、レジスタPWCR=2.640msのとき発光倍率Mv1=0(EV)である。
【0184】
続いて、タイマーBに3.1msをセットしてスタートさせ(S868)、タイマーBオーバーフローフラグが1か否かをチェックする(S869)。タイマーBオーバーフローフラグが1でなければPWC割り込みフラグが“1”か否かをチェックし(S869;N、S870)、PWC割り込みフラグが“1”でなければS869へ戻る(S870;N)。PWC割り込みフラグはワイヤレス信号を受信したか否かを識別するフラグである。ここでは割り込み禁止状態となっているので、PWC割り込みフラグにより、倍率信号となる3回目の微少発光(図6(f)の最も右方(3))を受信したか否かを判断している。
【0185】
PWC割り込みフラグが“1”であれば、3回目の微少発光を受信したので、PWCR値が2.5±0.6msの範囲内か否かをチェックし、範囲内であれば((PWCR−2ms)/16μs)/8−5により発光倍率Mv2を設定する(S870;Y、S871;Y、S872)。タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったとき(S869;Y)、S871でレジスタPWCR値が上記範囲外であったとき、即ち倍率信号としてのワイヤレス信号を受信しなかったか、または正しく受信できなかったときは(S871;N)、発光倍率Mv2に−5EVを設定する(S873)。
【0186】
S872またはS873により発光倍率Mv2を設定したら、WLstepに2(本発光指令信号の受信待ち状態)をセットし(S874)、シンクロ指定がFPか否かをチェックする(S875)。本実施形態では、予備発光指令信号で指定されたシンクロ指定に基づき本発光時の発光モードが設定され、設定された発光モードに対応する本発光指令信号が送信される。
【0187】
シンクロ指定がFPでなければ、本発光は通常発光(倍率)で行なわれる。この場合には、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの単発の微少発光によって本発光指令信号が送信されるから、PWCタイマーをカウンターモードにセットし、PWCカウンター割り込みを許可し、PWCカウンター値を格納するレジスタPWCRにFFFFをセットしてPWCRカウンターをスタートさせ、リターンする(S875;N、S876)。このS876を経てリターンした場合は、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュが微少発光するとPWCカウンター割り込みが発生し、S856へ進む。S856では発光倍率MvとしてS867で受信したMv1を設定し、予備発光モードPreMが“1”か否かをチェックする(S857)。予備発光モードPreMが“1”であればシンクロ要求が順次か否かをチェックする(S857;Y、S858)。順次であれば発光倍率MvをS872またはS873で受信したMv2に変更する(S858;Y、S859)。予備発光モードPreMが“1”でないとき(S857;N)、シンクロ要求が順次でないときは(S858;N)、S859をスキップし、倍率発光処理を実行して本発光を行う(S860)。
【0188】
シンクロ指定がFPであれば、本発光はフラット発光(FP)で行なわれる。この場合には、内蔵フラッシュまたは外部フラッシュの2回の微少発光によって本発光指令信号が送信され、その微少発光間隔がフラット発光を継続させるフラット発光時間Tfpに対応するから、PWCタイマー割り込みを許可してリターンする(S875;Y、S888)。このS888を経てリターンした場合は、1回目の微少発光を受信したときにPWCタイマー割り込みが発生し、S861へ進む。そしてS861では、PWCタイマーのカウント値、即ち本発光指令信号(2回の微少発光)の信号間隔を示すレジスタPWCR値が2.5±0.6(ms)の範囲にあるか否かをチェックする(S861)。レジスタPWCR値が2.5±0.6(ms)の範囲内でなければ、フラット発光時間に対応していないので、フラット発光を実行せずにS865へ進む(S861;N)。一方、レジスタPWCR値が2.5±0.6(ms)の範囲内であれば、(PWCR―2ms)/64μs(ms)によりフラット発光時間Tfpを決定する(S861;Y、S862)。例えば、PWCR=2.64msのときTfp=10msとなる。そして、発光モード指定をFPに変更し、FP発光処理を実行して本発光(フラット発光)を行う(S863、S864)。
【0189】
S860またはS864により本発光を実行したら、WLstepに0を設定し(S889)、PWCタイマーをワイヤレス信号の立下りエッジ間隔測定モードとし、PWCタイマー割り込みを許可し、PWCタイマーをスタートさせてリターンする(S890)。
【0190】
『倍率発光処理』
次に、PWC割り込み処理のS860で実行される倍率発光処理について、図29を参照して詳細に説明する。この処理に入ると先ず、ポートP5、P6、P7を出力ポートとし、これら各ポートから“0”を出力する(S800)。この状態において、コンデンサー73の蓄積電荷は抵抗74を介して放電される。次に、式;Vfp=Va×T_fire(zoom)によりフラット発光レベルVfpを求め(S801)、求めたフラット発光レベルVfpに定数Kfと2の発光倍率Mv乗倍2Mvを乗算した値をD/A変換ポートPdaの出力レベルFPlvlとして求め、この出力電圧FPlvlをコンパレータ75の非反転入力端子へ出力する(S802)。そして、出力ポートP4(30Von)を“1”として30V発生回路77に30V電圧を発生させ(S803)、出力ポートP5(IGBTctl)を“1”にして(S804)、ポートP7を入力ポートに切り換える(S805)。出力ポートP5が“1”になると、30V発生回路77で発生された30V電圧がレベルシフト回路78を介してIGBT83のゲートIGBTgに印加され、IGBT83がオンする。ポートP7が入力ポートとして機能する状態では、発光量検出受光素子85で発生した光電流がコンデンサー73で積分される。
【0191】
続いて、出力ポートP3(TRIGon)を“1”としてキセノン管82内を励起状態とし、キセノン管82の発光を開始させ(S806)、タイマーBに3.2msをセットしてスタートさせ(S807)、ポートP5(IGBTctl)を入力ポートに設定し(S808)、出力ポートP3(TRIGon)を“0”とする(S809)。
キセノン管82が発光すると、発光量検出受光素子85から発光量に対応する光電流が発生する。発生した光電流はコンデンサー73で積分され、コンパレータ75の反転入力端子の電圧PDflが高くなる。そして電圧PDflが電圧FPlvlに達すると、コンパレータ75の出力は“1”から“0”に変化し、レベルシフト回路78を介してIGBT83をオフし、キセノン管82の発光を停止する。なお、S802で電圧FPlvlを発光倍率Mv乗倍に比例して設定しているので、キセノン管82の発光量は2の発光倍率Mv乗倍2Mvに比例したものとなる。
【0192】
そして、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になるまで待ち(S810;N)、タイマーBオーバーフローフラグが“1”になったら(S810;Y)、ポートP5、P7を出力モードにセットしてポートP5、P7を“0”とし、出力ポートP4を“0”とし、ポートP6を入力モードにセットし(S811)、F_CRequestフラグに“1”をセットしてリターンする(S812)。
【0193】
『旧フラッシュ処理』
次に、S511−2で実行される旧フラッシュ処理について、図32に示されるフローチャートを参照してより詳細に説明する。
この処理に入ると先ず、カメラが動作中か否かを識別するF_COnフラグが“1”か否かをチェックする(S900)。F_COnフラグが“1”であれば、本フラッシュ装置50との通信機能を有するカメラとの通信状態にあるから(図22;S613参照)、この処理を抜ける(S900;Y)。F_COnフラグが“1”でなければ、F_WLsフラグが“1”か否かをチェックする(S900;N、S901)。F_WLsフラグが“1”であれば、スレーブフラッシュとして機能している状態であるから(図21;S562参照)、この処理を抜ける(S901;Y)。F_WLsフラグが“1”でなければ、ポート群PdのポートPd2、Pd3を出力モードにする(S901;N、S902)。ここで、ポートPd2、Pd3を出力モードにするとは、図34に示す入出力切り換え信号IN/OUT端子を“0”にすることである。
【0194】
続いて、Chargeフラグが“1”か否かをチェックする(S903)。Chargeフラグが“1”であれば(S903;Y)、メインコンデンサー79の充電が完了しているため、ポートPd2を“1”として出力する(S904)。S904の処理により、充電完了信号“1”がR端子を介してカメラ側へ出力される。一方、Chargeフラグが“1”でなければ、ポートPd2を“0”とし出力する(S903;N、S905)。S905の処理により、充電完了信号“0”がR端子を介して出力される。
充電完了信号を出力したら、フラッシュでセットされたカメラのF値に比例した周波数のパルスFpulseをポートPd3に出力し、この処理を抜ける(S906)。このS906の処理により、F値信号がQ端子を介してカメラ側に出力される。
【0195】
フラッシュ装置50では、図35に示すように、カメラ接続端子56のC端子が“0”の状態において充電完了信号Charge=“1”になると、R端子が“1”となって、Q端子からFpulse信号が出力される(図35;(a))。そしてフラッシュ装置50が外部フラッシュとして機能する場合には、X端子が“1”から“0”に変化したときに(図35(b))、フラッシュ発光が開始されるとともにQ端子が入力モードになり、カメラからQ端子を介して送られてくるクエンチ信号に基づいてフラッシュ発光が停止される(図35(c))。
【0196】
【発明の効果】
本発明によれば、フラッシュの照射角や最大ガイドナンバーに拘わらず、所定距離の被写体を同一の照度で照明できるように予備発光を制御するので、異なる照射角のズームフラッシュを使用する撮影や異なるガイドナンバーのフラッシュを複数使用する撮影においても、予備発光に基づいて本発光を適正に制御することができ、主要被写体に対して適正露出を得ることができる。さらに、ワイヤレス制御によって行う撮影においても主要被写体に対して適正露出を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したフラッシュ撮影システムを構成するカメラの制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】 同カメラが備えた測光回路の回路構成を示す図である。
【図3】 同カメラが備えたTTL測光回路の回路構成を示す図である。
【図4】 本発明を適用したフラッシュ撮影システムを構成するフラッシュ装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】 カメラ−フラッシュ間の通信シーケンス(通常時)を示す図である。
【図6】 カメラ−フラッシュ間の通信シーケンス(発光時)を示す図である。(a)及び(b)はモード3通信を示しており、(a)は発光モード指定がTTLの場合、(b)はシンクロ指定が順次モードの場合をそれぞれ示している。(c)〜(f)はモード4通信処理を示しており、(c)は発光モード指定がフラット発光モードの場合、(d)は発光モード指定が予備発光モードの場合、(e)はWL信号によって予備発光、テスト発光、フラット発光時間時間を指示する場合、(f)は発光モード指定が倍率の場合をそれぞれ示している。
【図7】 同フラッシュ装置のフラット発光制御におけるタイミングチャートを示した図である。
【図8】 (a)は同カメラが備えた分割受光素子の測光領域を示している。(b)は同カメラが備えたTTL受光素子のフィルム面測光における中央横方向の受光分布を示している。(c)は(a)に示した各測光領域におけるTTL受光素子の受光量を示す図である。
【図9】 (a)は主要被写体が中央のみにあって周辺が遠い場合、(c)は主要被写体の周辺に高反射率の被写体がある場合の撮影画面を示している。(b)、(d)は、(a)、(b)における各測光領域の予備発光輝度を示している。
【図10】 同カメラのメイン処理に関するフローチャートである。
【図11】 同カメラのフラッシュ通信処理に関するフローチャートである。
【図12】 同カメラの予備発光処理に関するフローチャートの一部である。
【図13】 同カメラの予備発光処理に関するフローチャートの一部である。
【図14】 同カメラの予備発光データ取得処理に関するフローチャートである。
【図15】 同カメラのプレAD処理に関するフローチャートである。
【図16】 同カメラの発光量演算処理に関するフローチャートである。
【図17】 同カメラの露出処理に関するフローチャートの一部である。
【図18】 同カメラの露出処理に関するフローチャートの一部である。
【図19】 同カメラのテスト発光処理に関するフローチャートである。
【図20】 同フラッシュ装置のメイン処理に関するフローチャートである。
【図21】 同フラッシュ装置のワイヤレスモード処理に関するフローチャートである。
【図22】 同フラッシュ装置の通信割り込み処理に関するフローチャートである。
【図23】 同フラッシュ装置の特殊発光処理に関するフローチャートの一部である。
【図24】 同フラッシュ装置の特殊発光処理に関するフローチャートの一部である。
【図25】 同フラッシュ装置のフラット発光処理に関するフローチャートである。
【図26】 同フラッシュ装置の通常発光処理に関するフローチャートである。
【図27】 同フラッシュ装置のPWC割り込み処理に関するフローチャートの一部である。
【図28】 同フラッシュ装置のPWC割り込み処理に関するフローチャートの一部である。
【図29】 同フラッシュ装置の倍率発光処理に関するフローチャートである。
【図30】 同フラッシュ装置の発光制御時間[μs]と発光量誤差[EV]の関係を示すグラフである。
【図31】 同カメラが実行するブレA/D処理のシーケンスを説明する図である。
【図32】 同フラッシュ装置の旧フラッシュ処理に関するフローチャートである。
【図33】 同フラッシュ装置のカメラ接続端子を説明する図である。
【図34】 同フラッシュ装置が備えたフラッシュCPUの入出力端子構成の一実施例を示す図である。
【図35】 同フラッシュ装置が出力するFpulse信号を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 51 電池
2 昇降圧ボルテージレギュレータ
3 53 73 コンデンサー
4 フラッシュ接続端子(C、R、Q、X、G)
5 表示素子
6 60 EEPROM
7 レンズ通信インターフェース
8 フラッシュ通信インターフェース
9 63 情報設定スイッチ群
10 カメラ
13 CPU
14 内蔵フラッシュ回路
15 モータ制御回路
16 AF回路
17 絞り制御回路
18 シャッタ制御回路
19 測光回路
20 TTL測光回路
21 Xe管
22 分割受光素子
23 TTL受光素子
50 フラッシュ装置
52 ショットキーダイオード
54 レギュレータ
55 発光ユニット
56 カメラ接続端子(C、R、Q、X、G)
57 ワイヤレス受光素子
58 ワイヤレス受光回路
59 カメラ通信インターフェース
61 ズームモータ
62 モータドライブ回路
65 フラッシュCPU
66 昇圧回路
67 68 84 ダイオード
69 充電検出回路
70 外光オート回路
71 外光オート受光素子
72 LCD表示器
74 76 抵抗
75 203 コンパレータ
77 30V発生回路
78 レベルシフト回路
79 メインコンデンサー
80 トリガー回路
81 コイル
82 Xe管
83 IGBT
85 発光量検出受光素子
100 105 109 202 オペアンプ
101 104 圧縮ダイオード
102 セレクター
103 定電流源
106 正系数温度抵抗器
110 基準電圧発生回路
200 MOS_SW(MOSFET)
201 積分コンデンサー

Claims (6)

  1. 本発光前に実施される予備発光時の被写体輝度に基づいて本発光量が制御される、照射角を変更可能なズームフラッシュにおいて、
    発光ユニットと、
    この発光ユニットを移動させて照射角を変更するズーム手段と、
    前記発光ユニットのズーム位置を検出する検出手段と、
    前記発光ユニットの各ズーム位置に応じて変化する最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」と、予め設定された基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を格納した記憶手段と、
    照射角及び最大ガイドナンバーにかかわらず予備発光時に所定距離の被写体に対する照度が一定となるように予備発光量を制御する予備発光制御手段と、
    予備発光の被写体輝度に基づいて本発光量を制御する本発光制御手段とを備え、
    前記予備発光制御手段は、前記検出手段が検出したズーム位置における最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、前記基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び前記調整定数「Va」を前記記憶手段から取り込んで、前記発光ユニットの発光レベル「Vfp」を、
    Vfp=Va(Gnos/Gno(zoom)) 2
    なる式により求める演算手段を有し、
    該求めた発光レベル「Vfp」に基づいて前記発光ユニットを予備発光させ、
    前記本発光制御手段は、前記所定距離の被写体の反射率が一定であることを条件とする前記予備発光時の被写体輝度と撮影距離の比例関係を利用し、適正露出となる本発光量で前記発光ユニットを本発光させること、
    を特徴とするズームフラッシュ装置。
  2. 請求項記載のズームフラッシュ装置は、カメラに装着可能な接続部を備え、該接続部を介してカメラに装着されている場合は、前記ズーム手段は、前記カメラが備えた撮影レンズの焦点距離に応じて照射角を変更するズームフラッシュ装置。
  3. 請求項1または2記載のズームフラッシュ装置において、前記発光制御手段は、前記演算手段が求めた発光レベル「Vfp」に基づく駆動電圧を前記発光ユニットに与え、該発光ユニットを均一な光量で所定時間予備発光させるズームフラッシュ装置。
  4. カメラと、照射角を変更可能なズームフラッシュ装置とを備え、本発光前に前記ズームフラッシュ装置を予備発光させ、該予備発光時の被写体輝度に基づき前記ズームフラッシュ装置の本発光量を制御するフラッシュ撮影システムにおいて、
    前記ズームフラッシュ装置は、発光ユニットと;この発光ユニットを移動させて照射角を変更するズーム手段と;前記発光ユニットのズーム位置を検出する検出手段と;前記発光ユニットの各ズーム位置に応じて変化する最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、予め設定された基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び調整定数「Va」を格納した記憶手段と;を備えたこと、
    前記カメラまたは前記ズームフラッシュ装置には
    前記ズームフラッシュ装置の照射角及び最大ガイドナンバーにかかわらず予備発光時に所定距離の被写体に対する照度が一定になるように該ズームフラッシュ装置の予備発光を制御する予備発光制御手段と、予備発光の被写体輝度に基づいて本発光量を制御する本発光制御手段とを備えたこと
    前記予備発光制御手段は、前記検出手段が検出したズーム位置における最大ガイドナンバーデータ「Gno(zoom)」、前記基準ガイドナンバー定数「Gnos」及び前記調整定数「Va」を前記記憶手段から取り込んで、前記発光ユニットの発光レベル「Vfp」を、
    Vfp=Va(Gnos/Gno(zoom)) 2
    なる式により求める演算手段を有し、該求めた発光レベル「Vfp」に基づいて前記発光ユニットを予備発光させること、及び
    前記本発光制御手段は、前記所定距離の被写体の反射率が一定であることを条件とする 前記予備発光時の被写体輝度と撮影距離の比例関係を利用し、適正露出となる本発光量で前記発光ユニットを本発光させること、
    を特徴とするフラッシュ撮影システム。
  5. 請求項記載のフラッシュ撮影システムにおいて、前記ズームフラッシュ装置は、前記カメラに装着可能な接続部を備え、この接続部を介して該カメラに装着されている場合は、前記ズーム手段は、前記カメラが備えた撮影レンズの焦点距離に応じて照射角を変更するフラッシュ撮影システム。
  6. 請求項4または5記載のフラッシュ撮影システムにおいて、前記発光制御手段は、前記演算手段が求めた発光レベル「Vfp」に基づく駆動電圧を前記発光ユニットに与え、該発光ユニットを均一な光量で所定時間予備発光させるフラッシュ撮影システム。
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