JP2002174844A - 定電圧自動充電ストロボ回路 - Google Patents

定電圧自動充電ストロボ回路

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JP2002174844A
JP2002174844A JP2000372981A JP2000372981A JP2002174844A JP 2002174844 A JP2002174844 A JP 2002174844A JP 2000372981 A JP2000372981 A JP 2000372981A JP 2000372981 A JP2000372981 A JP 2000372981A JP 2002174844 A JP2002174844 A JP 2002174844A
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voltage
capacitor
main capacitor
power supply
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Ki Matsuo
機 松尾
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MICHIMOTO U
U MICHIMOTO
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MICHIMOTO U
U MICHIMOTO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動露出機構の絞り羽根等、機械的な動作を
行う負荷を駆動するために公称電圧の高い電池を選んだ
り大きな駆動電流を得るための複雑な回路を不要にし、
この種の負荷を持つうえでのコスト増を抑え、電池寿命
を長く保つ。 【解決手段】 定電圧自動充電ストロボ回路100にお
いて、自動露出機構駆動用電源回路20は、昇圧トラン
スT1の一次側に接続された発振制御用トランジスタQ
1のコレクタに発生する交流電圧を整流ダイオードD4
で直流に整流し、コンデンサC3で平滑して直流二次電
源を生成する。この直流二次電源は、外光光量判定用の
フォトトランジスタPH1によりオン、オフされるトラ
ンジスタQ2を通じて電池電圧VBよりも大きな値に昇
圧されて絞り制御用のソレノイドRE1の駆動用電源と
して供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ付フィルム
等の簡易カメラ、コンパクトカメラあるいはデジタルス
チルカメラ等のストロボユニット回路として用いられる
定電圧自動充電ストロボ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にコンパクトカメラと称して市場
に出回っている機種の半分以上は自動露出機能を備えた
製品で、電池電圧は公称3V以上である。
【0003】カメラの回路ブロックの中で、自動露出回
路は、一般的にはシャッターブロックの中に入り、スト
ロボ回路ブロックとは一連のカメラ動作の中で、そのタ
イミングをずらして動くように構成されている。そし
て、電源としては、3Vの電源をそのまま使用するか、
一度、DC/DCコンバータで4Vまたは5V系に変換
されて使用するかのどちらかである。
【0004】また、電池電圧が公称1.5V系では例え
ばカメラ露出機構の絞り羽根を動かすために相当に大き
なソレノイドを作る必要性があることと、このソレノイ
ドに流す電流も大きくなることから、実用化しても部品
点数が多くなり、電池交換の時期も早くなる傾向にあっ
た。
【0005】次に、定電圧ストロボ回路を考えると、そ
の動作について、メインコンデンサの充電電圧を検出
し、設定電圧に達した時にトランス一次側に接続された
パワースイッチングトランジスタ(発振制御用トランジ
スタ)をオフにして発振及び充電停止を行う基本操作方
法は全て同じであるが、上記充電電圧を検出する手段と
しては、ツェナーダイオード、バリスタ、ネオンランプ
等の電圧検出素子を利用する方法と、トランスの二次巻
き線側に中間タップを作り、そこに発生する出力電圧を
利用して発振制御用トランジスタをオフにする方法、更
には、これらを合わせた方法等が実用化されているが、
これらの方法を適用した回路はいずれも回路構成が複雑
となり価格も高かった。
【0006】また、ストロボの発光光量を自動的に制御
する方法は、サイリスタまたはクエンチ管を用いて光量
を制御する並列制御回路あるいは直列制御回路、更に近
年では、新しいパワーデバイズとして、IGBTを用い
て直接キセノン管に流れる光電流を制御する方法が主流
になっている。
【0007】これらの回路を用いることで、距離の変化
に対応して常に安定した光量を得ることができるが、回
路の部品点数が多いこと、メインのデバイスが高価なこ
とから、安価なことが1つのメリットである簡易カメラ
等には向かなかった。このような背景から、簡易カメラ
等においては、調光回路が無いマニュアル回路が使用さ
れている機種が多く出回っているのが現状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のコ
ンパクトカメラ等においては、自動露出機構の絞り羽根
等の動作を行う負荷(ソレノイド等)を駆動するために
公称電圧の高い電池を選んだり大きな駆動電流を得るた
めの複雑かつ大規模な回路を設ける必要があり、この種
の負荷を持つうえで、コスト増を免れずかつ電池寿命も
短くならざるを得ないという問題点があった。
【0009】また、従来のコンパクトカメラ等におい
て、設定電圧の検出時に発振制御用トランジスタをオフ
にして発振動作を停止させる自動発振停止回路はツェナ
ーダイオード等の電圧検出素子を用いたものや、トラン
スの二次巻き線側に中間タップを作りそこに発生する出
力電圧を利用して発振制御用トランジスタをオフにする
より複雑な回路を用いて実現されるものが主流であった
ため、当該回路部分のコスト増によりカメラ全体のコス
ト増を招来するという問題点があった。
【0010】また、従来のカメラには、ストロボ回路の
発光光量をサイリスタやクエンチ管を用いて制御するス
トロボ発光量自動制御回路を有するものもあるが、この
回路構成では回路部品が多く、メインデバイスも価格が
高いことから、安価なカメラに登載するのは実質的に無
理があり、この種の安価なカメラでは、近距離ストロボ
撮影時の露光オーバを防止する機能を持ち得ないという
問題点があった。
【0011】本発明は上記問題点を除去し、自動露出機
構の絞り羽根の駆動等、機械的な動作を行う負荷を駆動
するために公称電圧の高い電池を選んだり大きな駆動電
流を得るための複雑かつ大規模な回路を設けることを不
要にし、この種の負荷を持つカメラの低コスト化を維持
できかつ電池寿命も長く保てる定電圧自動充電ストロボ
回路を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明の別の目的は、設定電圧の検
出時に発振制御用トランジスタをオフにして発振動作を
停止させる自動発振停止回路をツェナーダイオードを用
いずかつできるだけ簡略な回路構成で実現でき、当該回
路部分のコストを抑えることができる定電圧自動充電ス
トロボ回路を提供することにある。
【0013】また、本発明の更に別の目的は、低コスト
が売り物のカメラのコスト増を来すことなく近距離スト
ロボ撮影時の光量補正機能を持たせることのできる定電
圧自動充電ストロボ回路を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
電池電圧を昇圧トランスにより昇圧して該昇圧トランス
の二次側にあるメインコンデンサを充電すると共に、該
メインコンデンサに並列に接続される閃光発光素子を当
該メインコンデンサからの放電電流により発光させる定
電圧自動充電ストロボ回路において、機械的動作を行う
負荷と、前記昇圧トランスの一次側に接続された発振制
御用トランジスタのコレクタに発生する交流電圧を直流
に整流し、前記電池電圧よりも昇圧された直流二次電源
を生成する二次電源回路とを具備し、前記直流二次電源
により前記負荷を駆動することを特徴とする。
【0015】この請求項1記載の発明によれば、機械的
動作を行う負荷専用の直流二次電源をストロボ回路内部
で生成しているため、この負荷専用の二次電源分だけ電
池電源の負担が軽くなり、公称電圧の小さな電池を用い
ることが可能となる。また、電池電源からの負荷駆動の
ための直接の電力消費が抑えられるため、電池寿命も延
ばすことができる。
【0016】更に、整流素子、平滑素子、増幅素子等、
極めて少ない部品点数で回路を構成でき、機械的動作を
行う負荷を持つうえでのコスト増を抑えることができ
る。
【0017】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、前記メインコンデンサと前記閃光発光
素子間に直列に接続されるコンデンサと、前記コンデン
サを短絡するメーク状態と非短絡とするブレーク状態と
に切り換え可能な光量補正スイッチとを有し、前記光量
補正スイッチがブレーク状態で前記閃光発光素子が発光
された時、前記メインコンデンサからの放電電流で前記
コンデンサを一時的に充電させ、前記閃光発光素子内の
電位差を小さくして前記メインコンデンサの放電を停止
させる光量補正回路を具備すること特徴とする。
【0018】この請求項2記載の発明によれば、近距離
ストロボ撮影時、必要に応じて、光量補正スイッチをブ
レーク状態となるべく操作することにより、メインコン
デンサの放電つまり閃光発光素子の発光を途中で止める
ことができ、近距離ストロボ撮影時の露光量オーバを防
止できる。
【0019】また、使用部品が少なく安価な回路構成の
ため、低価格カメラにその価格を高騰させずに近距離ス
トロボ撮影時の光量補正機能を設けるうえで非常に有用
である。
【0020】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載の発明において、前記メインコンデンサの充電
電圧が所定の設定電圧になった時に前記発振制御用トラ
ンジスタをオフにして発振動作を停止させる回路であっ
て、前記設定電圧検出回路部分がスイッチングダイオー
ドを用いて構成される自動発振停止回路を具備すること
を特徴とする。
【0021】この請求項3記載の発明によれば、市場に
行き渡った部品でかつ単価も安いスイッチングダイオー
ドを電圧検出制御部品として用いているため、生産数量
も少なく単価も高いツェナーダイオードを用いていた従
来のものに比べて、回路コストを低減でき、また回路設
計の融通性も高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の一実施の形態に係わる定電
圧自動充電ストロボ回路100の構成を示す回路図であ
る。このストロボ回路100は、例えば、簡易カメラや
レンズ付フィルム等の発光装置として用いられるもので
ある。
【0024】このストロボ回路100において、電池B
T、昇圧トランスT1、整流用ダイオードD1、抵抗R
1、発振起動用スイッチSW1、発振制御用トランジス
タQ1は電源昇圧回路を形成している。
【0025】昇圧トランスT1は、一つのコアに対して
一次側コイルL1、二次側コイルL2及び負帰還コイル
L3の三つのコイルを有する。一次側コイルL1の正端
子(・印の付いている端子)1は、トランジスタQ1の
コレクタに接続されるとともに、スイッチSW1,抵抗
R1を介して負帰還コイルL3の正端子(・印の付いて
いる端子)3に接続されている。一次側コイルL1の負
端子(・印の付いていない端子)2は、電池BTの正極
に接続される。電池BTの負極及びトランジスタQ1の
エミッタは相互に接続される。
【0026】他方、二次側コイルL2の正端子(・印の
付いている端子)5には、ダイオードD1の負端子が接
続されている。負帰還コイルL3及び二次側コイルL2
の負端子(・印の付いていない端子)4はトランジスタ
Q1のベースに接続されている。
【0027】ダイオードD1の正端子及びトランジスタ
Q1のエミッタは、メインコンデンサC1の両端にそれ
ぞれ接続される。
【0028】また、このストロボ回路100において、
昇圧トランスT1の一次側における符号20で示す回路
ブロックは、本発明の構成上の特徴の1つである自動露
出機構駆動用電源回路(以下、電源回路と略称する)を
形成している。
【0029】この電源回路20は、ダイオードD4、抵
抗R4、コンデンサC3、フォトトランジスタPH1、
トランジスタQ2、ツェナーダイオードZD1、ソレノ
イドRE1により構成される。
【0030】フォトトランジスタPH1は、周辺の外光
光量が所定のしきい値レベルを超えている時にはオン
し、該しきい値レベル以下の時にはオフするものであ
る。従って、このしきい値レベルを適宜設定すること
で、当該フォトトランジスタPH1のオン、オフ出力に
基づき、外光光量がストロボを必要としない程度に明る
いか、ストロボを必要とする程度に暗いかの外光光量判
定が行える。
【0031】トランジスタQ2は、フォトトランジスタ
PH1がオンの時にオフとなり、フォトトランジスタP
H1がオフの時にオンとなるように動作し、更に、ソレ
ノイドRE1は、トランジスタQ2のオン,オフ駆動に
合わせてオン,オフ駆動される。
【0032】ソレノイドRE1は、機械的動作を行う負
荷であり、特に、本実施形態では、ストロボ回路100
を実装するカメラの自動露出機構の絞り羽根(図示せ
ず)を動かして最小絞り状態と開放絞り状態を作り出す
ものである。
【0033】図1における電源回路20の回路構成から
も分かるように、本実施形態では、外光が明るくフォト
トランジスタPH1がオンとなる時にソレノイドRE1
がオフして絞り羽根を最小絞り状態に維持し、外光が暗
くフォトトランジスタPH1がオフとなる時にソレノイ
ドRE1がオンして絞り羽根を開放絞り状態に維持する
ように設計されている。
【0034】また、このストロボ回路100において、
昇圧トランスT1の二次側には、該昇圧トランスT1の
二次側出力により充電されるメインコンデンサC1と、
該メインコンデンサC1からの放電タイミングを制御し
て閃光発光素子の発光動作を開始させるトリガ発光回路
が形成される。
【0035】トリガ発光回路は、昇圧トランスT1の負
帰還コイルL3及び二次側コイルL2の負端子4に接続
される抵抗R2、この抵抗R2の一端とダイオードD1
の正端子間に昇圧トランスT1と並列に接続されるトリ
ガコンデンサC2、同じく昇圧トランスT1に並列に接
続される回路ブロック30、回路ブロック30と並列に
接続されるトリガトランスT2及びトリガスイッチSW
2の直列回路、コンデンサC1に並列に接続される閃光
発光素子(キセノンランプXe1)及び回路ブロック4
0の直列回路により構成される。
【0036】トリガトランスT2は、一次側コイルL4
と二次側コイルL5を有し、二次側コイルL5はキセノ
ンランプXe1のトリガ電極に接続されている。
【0037】トリガスイッチSW2は、発振起動用スイ
ッチSW1と同様、押下している時にのみその位置にブ
レーク状態で留まり、押下を止めれば元のメーク状態に
自動復帰するノンロック型のメークスイッチが用いられ
る。
【0038】トリガ発光回路において、回路ブロック3
0は本発明の構成上の特徴の1つである自動発振停止回
路を形成し、回路ブロック40は同じく近距離光量補正
回路を形成する。
【0039】このうち、自動発振停止回路30は、絞り
羽根連動切換スイッチSW3、発光ダイオードLED
1、スイッチングダイオードD2,D3、抵抗R3によ
り構成される。
【0040】この自動発振停止回路30において、絞り
羽根連動切換スイッチSW3は、ソレノイドRE1によ
り駆動される絞り羽根の最小絞り状態と開放絞り状態に
連動してそれぞれa接点側とb接点側とに切り換えられ
るものである。
【0041】本実施形態では、上述したソレノイドRE
1の動作条件に従い、スイッチSW3は、該ソレノイド
RE1がオフしている通常時(外光が明るい時)にa接
点側に接触し、該ソレノイドRE1がオンした時にのみ
b接点側に接触するように切り換えられる。
【0042】これにより、スイッチSW3がa接点側に
切り換えられている時にはトリガスイッチSW2が押下
されてもキセノンランプXe1が発光せず、b接点側に
切り換えられている時にのみトリガスイッチSW2の押
下によりキセノンランプXe1が発光する。
【0043】他方、近距離光量補正回路40は、近距離
ストロボ撮影光量補正スイッチ(以下、光量補正スイッ
チと略称する)SW4、コンデンサC4、抵抗R5及び
抵抗R6により構成される。
【0044】この近距離光量補正回路40において、光
量補正スイッチSW4は、通常時は導通状態(メーク状
態:図1に示す状態)にセットされ、近距離ストロボ撮
影時にブレーク態に切り換えられるものである。
【0045】この光量補正スイッチSW4のメーク状態
からブレーク状態への切り換えは、ユーザが手動で行う
ことができるが、この他、本ストロボ回路100を実装
するカメラのオートフォーカス機構(図示せず)からの
測距信号により駆動される半導体パワーデバイスまたは
電磁リレー等を用いて自動的に切り換える構成としても
良い。
【0046】なお、上記スイッチSW3,SW4以外の
スイッチのうち、発振起動用スイッチSW1は、本実施
形態のストロボ回路100を実装するカメラのフィルム
巻上レバー及びレリーズ釦(共に図示せず)に連動する
ノンロック型のメーク接点スイッチである。
【0047】この発振起動用スイッチSW1は、フィル
ム巻上レバーによるフィルム巻上時にオンになり、巻き
上げ終了でオフになる。また、レリーズ釦を押す時にオ
ンになり、押さない時はオフになる。そして、オンにな
った時にストロボを発振させるスイッチとして機能す
る。
【0048】また、トリガスイッチSW2は、キセノン
ランプXe1を発光させるタイミングをトリガするため
のスイッチであり、発振起動用スイッチSW1と同様、
ノンロック型のメーク接点スイッチである。このトリガ
スイッチSW2は、レリーズ釦を押すと、シャッター羽
根(図示せず)等に連動してオンとなる。
【0049】次に、本実施形態に係わるストロボ回路1
00の動作について説明する。
【0050】このストロボ回路100では、フィルム巻
上レバーによるフィルム巻上が開始されると、発振起動
用スイッチSW1がオンし、ストロボ発振が行われ、メ
インコンデンサC1に対する充電が行われる。
【0051】フィルム巻上が終了すると、発振起動用ス
イッチSW1がオフし、後で詳述する外光光量判定結果
により上記発振が停止される。
【0052】レリーズ釦が押下されると、発振起動用ス
イッチSW1がオンし、ストロボの再発振が行われ、メ
インコンデンサC1に対する充電が行われる。
【0053】また、上記レリーズ釦の押下後、電源回路
20内のフォトトランジスタPH1による外光光量判定
が行われ、この判定結果(フォトトランジスタPH1の
出力)に応じて、自動発振停止回路30内のスイッチS
W3が切り換えられ、ストロボ発光が許可または禁止さ
れる状態が確立される。
【0054】以下、本実施形態のストロボ回路100で
の上記外光光量判定結果に絡んだより詳しい回路動作に
ついて説明する。
【0055】このストロボ回路100において、レリー
ズ釦の押下により発振起動用スイッチSW1が押される
と、電池BT(+:正極)→コイルL1(端子2→端子
1)→スイッチSW1→抵抗R1→コイルL3(端子3
→端子4)→トランジスタQ1(B:ベース→E:エミ
ッタ)→電池BT(−:負極)の経路で起動電流(直流電
流)が流れ、該電流によりトランジスタQ1はオン状態
となり、発振が開始される。
【0056】トランジスタQ1がオン状態になると、電
池BT(+)→コイルL1(端子2→端子1)→トランジ
スタQ1(C:コレクタ→E:エミッタ)→電池BT(−)
の経路で電流が流れ、この時に発生するコイルL1のコ
イルL2に対する鎖交磁束により該コイルL2には高電
圧が誘起される。
【0057】このコイルL2に誘起された高電圧によ
り、コイルL2(端子4)→トランジスタQ1(B→E)
→メインコンデンサC1(+→−)→ダイオードD1(ア
ノード)→ダイオードD1(カソード)→コイルL2(端
子5)の経路で電流が流れる。その際、ダイオードD1
により直流に変換された半波整流電流が充電電流として
メインコンデンサC1に充電される。
【0058】メインコンデンサC1に対する充電が進
み、その両端電圧が徐々に上昇していくと、メインコン
デンサC1(−)側から見たトランジスタQ1(B)の電圧
も該メインコンデンサC1の両端電圧の上昇に追従して
上昇する。これに伴って、メインコンデンサC1に対す
るインピーダンスも高くなり、コイルL2(端子4)→
トランジスタQ1(B)→トランジスタQ1(E)→メイン
コンデンサC1(+)→メインコンデンサC1(−)→ダイ
オードD1(アノード)→ダイオードD1(カソード)→コ
イルL2(端子5)の経路で流れる充電電流も減少して
行く。
【0059】上述したメインコンデンサC1の充電と同
時に、トリガコンデンサC2に対しても、コイルL2
(端子4)→抵抗R2→トリガコンデンサC2→ダイオ
ードD1(アノード)→ダイオードD1(カソード)→コイ
ルL2(端子5)の経路で流れる電流による充電が行わ
れる。
【0060】上述した発振、充電動作中、トランジスタ
Q1のコレクタには、図2に示すような発振波形が現れ
る。
【0061】電源回路20では、この波形(交流電圧V
CE)を整流ダイオードD4で整流し、平滑コンデンサC
3で平滑化することにより直流二次電源を生成し、該直
流二次電源を抵抗R4を介してフォトトランジスタPH
1及びトランジスタQ2に印加する。
【0062】この状態で、外光が明るい場合には、フォ
トトランジスタPH1がオンとなり、該フォトトランジ
スタPH1のコレクタ−エミッタ間の導通電流によりト
ランジスタQ2がオフ(“Low”レベル)となる。ま
た、トランジスタQ2がオフとなることにより、ソレノ
イドRE1がオフとなって、絞り羽根が最小絞り状態に
保たれる。
【0063】更に、この絞り羽根に連動して、自動発振
停止回路30のスイッチSW3がa接点側に切り換えら
れる。これにより、自動発振停止回路30内の発光ダイ
オードLED1がオフとなり、発光トリガ回路自体がオ
フとなる。
【0064】この状態では、自動発振停止回路30にお
いて、抵抗R3、スイッチングダイオードD3、スイッ
チSW3(a接点)の回路が接続され、当該回路にコン
デンサC1の充電電圧が印加される。
【0065】そして、この印加電圧がスイッチングダイ
オードD3のツェナー電圧になった時に該スイッチング
ダイオードD3に逆バイアス電流が流れ始める。
【0066】昇圧トランスT1(端子5−端子4)→抵
抗R3→スイッチングダイオードD3という経路で流れ
る当該逆バイアス電流が、昇圧トランス(端子5−端子
4)→トランジスタQ1のB−Eという経路で流れる電
流を超えると、トランジスタQ1はオフ(“Low”レ
ベル)となり、発振が停止される。
【0067】その後、レリーズ釦を更に押下すると、キ
セノンランプXe1は発光しないままにシャッターが切
られる。ここで、キセノンランプXe1が発光しないの
は、この時には、外光光量が明るくスイッチSW3がa
点側に切り換えられ、レリーズ釦に連動するトリガスイ
ッチSW2とトリガコンデンサC2とが閉ループを形成
していないためである。
【0068】シャッターを切った後、発振起動用スイッ
チSW1はオンのままであるため、再発振が始まるが、
自動発振停止回路30のスイッチSW3がa接点側に切
り換え維持されかつメインコンデンサC1が放電してい
ないために、レリーズ釦から手を離すと発振は直ぐに停
止する。
【0069】一方、電源回路30において、整流ダイオ
ードD4,平滑コンデンサC3を介して生成された上記
直流二次電源がフォトトランジスタPH1に印加されて
いる状態で、外光が暗い場合には、該フォトトランジス
タPH1がオフとなり、該フォトトランジスタPH1の
コレクタ−エミッタ間が非導通となってトランジスタQ
2がオン(“High”レベル)となる。
【0070】また、トランジスタQ2がオンとなること
により、その増幅作用により最初の電池電圧VBよりス
テップアップ(昇圧)された直流二次電源がソレノイド
RE1に印加され、これによりソレノイドRE1がオン
となって、絞り羽根が開放絞り状態に保たれる。
【0071】更に、この絞り羽根に連動して、自動発振
停止回路30のスイッチSW3がb接点側に切り換えら
れる。これにより、自動発振停止回路30内の発光ダイ
オードLED1がオンとなり、発光トリガ回路自体がオ
ンとなる。
【0072】この状態では、自動発振停止回路30にお
いて、抵抗R3、スイッチングダイオードD3、スイッ
チングダイオードD2、発光ダイオードLED1、スイ
ッチSW3(b接点)の回路が接続され、当該回路にメ
インコンデンサC1の充電電圧が印加される。
【0073】そして、この印加電圧がスイッチングダイ
オードD3及びD2のツェナー電圧(D3及びD2のツ
ェナー電圧の加算値)になった時に発光ダイオードLE
D1→スイッチSW3(b接点)という経路で電流が流
れ、該発光ダイオードLED1が点灯する。
【0074】この発光ダイオードLED1の点灯は、メ
インコンデンサC1の充電電位が発光可能なレベルまで
達し、いつでもストロボ発光操作が行える状態に達した
ことをユーザに知らせるためになされるものである。
【0075】昇圧トランスT1(端子5→端子4)→抵
抗R3→スイッチングダイオードD3→スイッチングダ
イオードD2→発光ダイオードLED1→スイッチSW
3(b接点)→ダイオードD1という経路で流れる当該
電流が、昇圧トランス(端子5−端子4)→トランジス
タQ1(B→E)という経路で流れる電流を超えると、
トランジスタQ1はオフ(“Low”レベル)となり、
発振が停止される。
【0076】ここでストロボ発振が停止しても、メイン
コンデンサC1の充電電圧がスイッチングダイオードD
3及びD2のツェナー電圧以下になるまでは発光ダイオ
ードLED1は点灯し続ける。
【0077】この間に、レリーズ釦を更に押下すると、
シャッターが切れて、該レリーズ釦に連動するトリガス
イッチSW2がオンとなり、トリガコンデンサC2から
の放電により、トリガコンデンサC2→スイッチSW3
(b接点)→トリガスイッチSW2→トランスT2(一
次側コイルL4)→トリガコンデンサC2という経路で
電流が流れる。
【0078】これにより、トランスT2の一次側コイル
L4から二次側コイルL5に高電圧が誘起され、この高
電圧がキセノンランプXe1のトリガ電極に印加され
る。そして、この印加電圧がキセノンランプXe1のブ
レークダウン電圧まで上昇した時に当該キセノンランプ
Xe1が発光する。
【0079】シャッターが切れた時点では、発振起動用
スイッチSW1はオンのままであるため、再発振が始ま
り、メインコンデンサC1への再充電が開始される。
【0080】上述した回路動作からも分かるように、本
発明のストロボ回路100において、シャッターを切っ
た時(トリガスイッチSW2が押下された時)にキセノ
ンランプXe1が発光するか否かは、スイッチSW3の
接点がb接点側にあるかa接点側にあるかで決定され
る。
【0081】ここで、スイッチSW3の接点の位置は、
フォトトランジスタPH1での外光光量判定結果により
決まり、外光が明るい時にはa接点側に切り換えられて
発光禁止の状態となり、外光が暗い時にはb接点側に切
り換えられて発光可能な状態となる。
【0082】また、本発明のストロボ回路100におい
て、絞り羽根駆動用のソレノイドRE1が動作するため
の条件は、発振起動用スイッチSW1がオンの時、昇圧
トランスT1の一次側に接続されたパワースイッチング
トランジスタ(発振制御用トランジスタ)Q1のコレク
タに発生する交流電圧がダイオードD4で直流に整流さ
れ、平滑コンデンサC3で平滑され、更にトランジスタ
Q2の増幅作用により増幅されることにより、最初の電
源電圧よりもステップアップされた直流二次電源が確保
された時である。
【0083】また、本発明のストロボ回路100では、
一度シャッターが切られてキセノンランプXe1が発光
すると、直ぐにメインコンデンサC1に対する再充電が
始動するが、以後、そのままに放置すると、自動発振停
止回路30において、抵抗R3→スイッチングダイオー
ドD3→スイッチSW3(a接点)の経路若しくは抵抗
R3→スイッチングダイオードD3→スイッチングダイ
オードD2→発光ダイオードLED1→スイッチSW3
(b接点)の経路のいずれかの経路の電圧で発振は自動
停止し、コンデンサC1は自然放電に移る。
【0084】しかし、次の枚数へのフィルム巻上時に、
メインコンデンサC1への充電が再開され、フィルムを
巻上げた後、更に放置することにより、メインコンデン
サC1は上述した自然放電の状態となる。
【0085】もし、この時点でストロボ撮影をする場合
には、一度、レリーズ釦を軽く押して(シャッターが切
れない程度:半押し状態)、発振をさせ、発光可能表示
を担う発光ダイオードLED1が点灯するまでそのまま
しばらく発振を続行し、該発光ダイオードLED1が点
灯した時点でシャッターを切る操作を行えば良い。
【0086】次に、本実施形態のストロボ回路100に
登載された近距離光量補正回路40について説明する。
なお、この説明において、光量補正スイッチSW4はユ
ーザが手動で操作する構成であるものとする。
【0087】この光量補正スイッチSW4は、通常時、
図1に示すようなメーク状態に保たれている。この状態
でレリーズ釦が押され、充電完了後、更にレリーズ釦が
押される(シャッターが切られる)と、上述した回路動
作によりキセノンランプXe1が発光し、メインコンデ
ンサC1からキセノンランプXe1のアノード、カソー
ドと光電流が流れ、光量補正スイッチSW4を通って放
電される。
【0088】この時、近距離光量補正回路40では、コ
ンデンサC4がスイッチSW4により短絡された状態に
あり、電位としては“0”ボルトに保たれる。
【0089】このように、光量補正スイッチSW4が操
作されない時(メーク状態の時)は、キセノンランプX
e1が完全発光し、ストロボ発光撮影が行われる。
【0090】一方、上記撮影に先立ち、ユーザが、被写
体までの距離が近すぎ、通常のストロボ発光(完全発
光)撮影では発光光量が過大となるおそれがあり光量補
正を行う必要があると判断した場合、該ユーザは光量補
正スイッチSW4を押下したまま当該撮影に臨むことが
できる。
【0091】この時、光量補正スイッチSW4は、ユー
ザがこれを押している間、ブレーク状態に保たれる。
【0092】この状態でレリーズ釦が押され、充電完了
後、更にレリーズ釦が押された(シャッターが切られ
た)場合にキセノンランプXe1が発光する。
【0093】しかしながら、この時には、光量補正スイ
ッチSW4がブレーク状態にあるため、コンデンサC4
は当該光量補正スイッチSW4により短絡された状態で
なくなっており、メインコンデンサC1からキセノンラ
ンプXe1のアノード、カソードと流れる光電流が該ス
イッチSW4以外の回路素子を通ることになる。
【0094】この時の近距離光量補正回路40の詳しい
回路動作について図3を参照して説明する。
【0095】図3は、光量補正スイッチSW4がブレー
ク状態にある時の近距離光量補正回路40の等価回路図
である。なお、図3において、RC1は、メインコンデン
サC1とキセノンランプXe1間の線路抵抗である。
【0096】図3に示すように、光量補正スイッチSW
4がブレーク状態でキセノンランプXeが発光する時、
メインコンデンサC1からキセノンランプXe1のアノ
ード、カソードと光電流が流れ、このカソードを通った
光電流は、電流制限用抵抗R6を通じてコンデンサC4
に充電される。
【0097】また、このコンデンサC4への充電と同時
に該コンデンサC4から抵抗R5を通じた放電も行われ
る。
【0098】そして、メインコンデンサC1の放電電圧
がコンデンサC4の充電電圧に近づき、キセノンランプ
Xe1のアノード、カソード間電位差が最小安定電圧に
なった時に該キセノンランプXe1の発光は停止する。
【0099】すなわち、近距離光量補正回路40では、
光量補正スイッチSW4が押下された時、抵抗R5、抵
抗R6、コンデンサC4の時定数で決定されるコンデン
サC4の充電時間がストロボ発光時における露光量とな
り、光量補正スイッチSW4が押下されずにコンデンサ
C1のみで発光する場合の露光量よりも小さな値とな
る。
【0100】図4は、キセノンランプXe1を通じて放
電(発光)を行った時のコンデンサC1,コンデンサC
4の充放電特性を示す図である。
【0101】図4において、曲線Aはメインコンデンサ
C1の充放電特性を示し、曲線BはコンデンサC4の充
放電特性を示している。
【0102】図4において、キセノンランプXe1の発
光開始位置(P0)では、メインコンデンサC4は充電
電圧v3の状態にある。
【0103】これ以後、時間t1の期間中、キセノンラ
ンプXe1の発光が継続し、メインコンデンサC4は放
電により充電電圧が次第に減少していき、一方で、コン
デンサC4はメインコンデンサC4からの放電により充
電され、充電電圧が次第に増大していく。
【0104】キセノンランプXe1の発光開始後、時間
t1が経過し、メインコンデンサC1の充電電圧がv
2、コンデンサC4の充電電圧がv1となって、両者の
電圧差がv4となる位置(P1)でキセノンランプXe
1の発光が停止する。
【0105】このメインコンデンサC1の放電停止電圧
v2とコンデンサC4の充電最大電圧v1の電圧差v4
はキセノンランプXe1のアノード−カソード間の電位
差(最小安定電圧)である。
【0106】以後、時間t2をかけてメインコンデンサ
C1の自然充電、コンデンサC4の抵抗R5を介した放
電が続けられる。
【0107】同図の充放電特性からも分かるように、近
距離光量補正回路40では、コンデンサC4がメインコ
ンデンサC1の放電を停止させるので、メインコンデン
サC1には残留電圧が高い電圧のままである。このた
め、その後、発振起動用スイッチSW1が再度オンにさ
れると、短時間のうちに充電完了とすることができる。
【0108】以上に述べた如く、本発明のストロボ回路
100では、自動露出機構駆動用電源回路20におい
て、昇圧トランスT1の一次側に接続された発振制御用
トランジスタQ1のコレクタに発生する交流電圧を直流
に整流して最初の電源電圧よりもステップアップされた
直流二次電源を生成し、機械的動作を行う負荷の駆動用
電源として利用している。
【0109】この構成によれば、例えば自動露出機構の
絞り羽根等を駆動する負荷専用の直流二次電源をストロ
ボ回路内部で生成しているため、この負荷専用の二次電
源分だけ電池電源の負担が軽くなり、公称電圧の小さな
電池を用いることが可能となる。しかも、電池電源から
の負荷駆動のための直接の電力消費が抑えられるため、
電池寿命も延ばすことができる。
【0110】また、整流用ダイオードD4、ツェナーダ
イオードZD1、コンデンサC3、フォトトランジスタ
PH1、抵抗R4、トランジスタQ2、ソレノイドRE
1等の極めて少ない部品点数で回路を構成でき、絞り羽
根等を駆動する負荷をもつうえでのコスト増を抑えるこ
とができる。
【0111】なお、図1に示す自動露出機構駆動用電源
回路20の構成において、ツェナーダイオードZD1
は、電池電圧VBが低下してくると、トランジスタQ1
のコレクタ電圧波形(図2参照)も低下してくるため、
この電圧低下分も予測して、ソレノイドRE1が動作で
きる最低電圧値を設定する必要がある。実際の回路に適
用する場合には、各部品のばらつき等を考慮して若干高
めの電圧値を設定するのが好ましい。
【0112】また、本発明のストロボ回路100では、
昇圧トランスT1の二次側に接続されたメインコンデン
サC1の充電電圧が所定の設定電圧になった時に発振動
作を停止させる自動発振停止回路30において、電圧検
出制御部品としてスイッチングダイオードD2,D3を
用いるようにしている。
【0113】つまり、この種の従来装置では、電圧検出
制御部品としてツェナーダイオードを用いて当該自動発
振停止回路(定電圧回路)を構成するのが一般的であっ
たところを、本発明では、スイッチングダイオードが有
するツェナー特性を利用して当該を形成している。
【0114】ダイオードは全て同特性を有しているた
め、直流逆電圧の低い整流ダイオードや他のダイオード
をツェナーダイオードの代用としても良い。勿論、回路
の定数は変わったとしても、接続は何等変わるところが
ない。
【0115】一般的に市場に出ているツェナーダイオー
ドのツェナー電圧(VZ)は消費電力(P)とツェナー
電流(IZ)にも関係するが、大体、次のように分類で
きる。 P=300mWクラス …… VZ=2V〜42V位迄 P=0.5Wクラス …… VZ=〜200V位迄 P=1Wクラス …… VZ=〜330V位迄 しかし、ストロボ回路の中で使用されるトランスT1の
二次側の電圧は大体その範囲が限定されたものである。
使用例として、カメラ内蔵型ストロボの場合は、おおよ
そ、 C1/WV;270〜330V(ワークボルト) C1/SV;300〜360V(サージボルト) Xe1/VS;180〜230V(最低発光電圧) LED1点灯電圧(設定値);260〜290V 発振停止電圧(設定値);300〜350V といった値が電圧範囲となる。
【0116】ここで、発光ダイオードLED1の点灯電
圧条件としては、キセノンランプXe1の最低発光電圧
(VS)よりも高くなくてはならない。従って、使用さ
れるツェナーダイオードのVZとしては、200V〜3
30Vといった電圧範囲が想定できる。
【0117】しかしながら、このクラスのツェナーダイ
オードを生産しているメーカは限られていて、ユーザも
限定されるので、他の電子部品と比較すると、生産数量
も少なく、単価も極端にが下がらない。
【0118】これに対して、本発明の自動発振停止回路
30に実装されるスイッチングダイオード(D2,D
3)は、一般的に市場に行き渡った部品であり、単価も
安く、その特性を充分理解して使用すれば、回路設計の
融通性およびコストの面で、従来よりも更に有効な部品
と成り得る。
【0119】本件発明者は、自動発振停止回路30への
適用を前提としてスイッチングダイオードについて以下
のような特性評価を行った。
【0120】図5は、このスイッチングダイオードの特
性評価に用いる回路の構成を示す図である。
【0121】図5(a)に示す回路は、抵抗RとLED
間に評価対象の1個のスイッチングダイオードを接続し
たものであり、図5(b)に示す回路は、抵抗RとLE
D間に評価対象の2個のスイッチングダイオード(SW
/D)を接続したものである。
【0122】本件発明者は、これら各回路中のスイッチ
ングダイオード(SW/D)についてそれぞれ逆電圧
(VR)の異なる各製品(A品〜E品)を充当させ、直
流抵抗Rを変えて逆電流が1mA、1.4mAになる時の
逆電圧VRを読み取る試験を行った。
【0123】図6は、スイッチングダイオードが1個の
回路〔図5(a)参照〕を対象にした場合の当該試験に
おける特性を示す表図であり、図7は、スイッチングダ
イオードが2個の回路〔図5(b)参照〕を対象にした
場合の当該試験における特性を示す表図である。
【0124】この表図に基づく特性評価の結果、本発明
に係わる自動発振停止回路30においては、図7(f)
に示す(B品+E品)とした時に得られる、VR=14
0V,R=433または473の値が望ましい値の範囲
内になるように思われる。
【0125】しかしながら、実際に設計する場合には、
仕様条件を満足させるために更に詳細な実験と確認が必
要であることは言うまでもない。
【0126】このように、本発明では、自動発振停止回
路30の電圧検出制御部品として、市場に行き渡った部
品でかつ単価も安いスイッチングダイオードD2,D3
を用いているため、生産数量も少なく単価も高いツェナ
ーダイオードを用いていた従来のものに比べて、回路コ
ストを低減でき、また回路設計の融通性も高めることが
できる。
【0127】また、本発明のストロボ回路100では、
メインコンデンサC1とキセノンランプXe1間に直列
に接続されるコンデンサC4と、コンデンサC4を短絡
するメーク状態と非短絡とするブレーク状態とに切り換
え可能な光量補正スイッチSW4とを有し、光量補正ス
イッチSW4がブレーク状態でキセノンランプXe1が
発光された時、メインコンデンサC1からの放電電流で
コンデンサC4を一時的に充電させ、キセノンランプX
e1内の電位差を小さくしてメインコンデンサC1の放
電を停止させる近距離光量補正回路40を備えている。
【0128】この近距離補正回路40を備えることで、
近距離ストロボ撮影時、必要に応じて、光量補正スイッ
チSW4をブレーク状態となるべく操作することによ
り、メインコンデンサC1の放電つまりキセノンランプ
Xe1の発光を途中で止めることができ、近距離ストロ
ボ撮影時の露光量オーバを防止できる。
【0129】また、この光量補正機能を起動した時に
は、撮影後、メインコンデンサC1の残留電圧が通常時
よりも高いままに保たれているため、発振起動用スイッ
チSW1を再度オンにした時に短時間のうちに充電を完
了させることができ、次の撮影へと円滑に移行できる。
【0130】現在、市場に出ているストロボ単体のユニ
ット、カメラ内蔵ストロボの中には、自動または手動の
光量補正機構を備えている機種とそうでない機種がある
が、中でも、低価格の機種はほとんど同機構は備えてい
ない。その理由は、使用部品数が多く、高価格であるこ
とである。
【0131】しかし、近年、ISO感度で400,80
0等の高感度フィルムが普通に使用されるようになる
と、近距離ストロボ撮影時の光量補正は非常に重要な機
能となりつつある。
【0132】本発明の近距離光量補正回路40は、コン
デンサC4、抵抗R5,R6、スイッチSW1等、極め
て少数の部品点数を用いて安価に実現できるものであ
り、自動調光機能回路の無いノーマルストロボを考えた
時、簡単に光量補正を行える手段として極めて有用であ
る。
【0133】なお、上記実施形態では、近距離光量補正
回路40の光量補正スイッチSW4をユーザが手動で操
作する例について述べたが、当該光量補正スイッチSW
4を自動調光機能と連動させることで、自動的に光量補
正を行えるように構成することもできる。
【0134】なお、本発明は図1における回路構成に限
定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変
形して実施できるものである。
【0135】以下、本発明の種々の変形例について図8
〜図14を参照して説明する。
【0136】ここで、図8〜図13は図1における電源
回路20の変形例を示す回路図であり、図14は図1に
おける自動発振停止回路30の変形例を示す回路図であ
る。なお、図8〜図14において、図1における回路の
回路部品と同一の機能を果たす回路部品には同一の符号
を付している。
【0137】図8示す第1の変形例に係わる電源回路で
は、機械的動作(絞り羽根の絞り動作に限らない)を行
うための負荷(ソレノイドRE1を含む)50の電源
(VB)が他の電圧系に接続されている。
【0138】このため、図8の回路では、受光素子(フ
ォトダイオードPH1)からの信号をトランジスタQ2
を介して取り出してフォトカプラPH2により光接続さ
せ、トランジスタQ3を介してソレノイドRE1に与え
て当該RE1を動作させるようにしている。
【0139】図9に示す第2の変形例に係わる電源回路
は、受光素子(フォトダイオードPH1)からの信号
を、トランジスタQ3,Q4等により図8に示す回路に
対して反転させた回路である。この回路は、受光素子
(PH1)からの信号をフォトカプラPH2により光接
続させ、ソレノイドRE1を動作させるように動く点で
は図8に示す回路と同様である。
【0140】図10に示す第3の変形例に係わる電源回
路、及び図11に示す第4の変形例に係わる電源回路
は、図1に示す回路に対して、それぞれ、発振起動用ス
イッチSW1の配置位置が異なる回路である。
【0141】図10、図11いずれの回路においても、
トランジスタQ1のコレクタに発生する交流電流を、ダ
イオードD4、コンデンサC3、ツェナーダイオードZ
D1を介して整流、平滑して負荷50の電源として供給
している。
【0142】これら図10、図11に示す回路構成で
は、発振起動用スイッチSW1の接続位置が図1に示す
回路と異なるため、該スイッチSW1のオン、オフに当
該電源回路自体の動作が支配され、該スイッチSW1が
オン状態の時にのみ当該電源回路も動作状態にセットさ
れる。
【0143】図12に示す第5の変形例に係わる電源回
路は、デジタルスチルカメラ用に使用されるRCC型の
ストロボ回路であり、発振制御用トランジスタQ1のコ
レクタから負荷50の電源を取り出す方式を採用してい
る。
【0144】図13に示す第6の変形例に係わる電源回
路は、発振制御用トランジスタにPNPトランジスタQ
1′を使用したストロボ回路であり、上記各変形例回路
と同様、該トランジスタQ1′のコレクタから負荷50
の電源を取り出している。
【0145】図14に示す自動発振停止回路は、図1に
おける自動発振停止回路30中のスイッチングダイオー
ドD2を、ツェナーダイオードZD2に置き換えたもの
であり、両回路とも動作は全く同じである。
【0146】なお、図1における自動発振停止回路30
中の抵抗R3は昇圧トランスT1のピン4番(端子4)
のラインに接続されているが、昇圧トランスT1のピン
3番(端子3)に接続しても効果は同じである。
【0147】なお、上記実施形態では、レンズ付フィル
ム等の簡易カメラ、コンパクトカメラあるいはデジタル
スチルカメラ等のストロボユニット回路として用いる場
合について述べたが、この他、本発明は、カメラ付完成
ストロボ回路にも利用でき、更には、マーカ用フリッカ
ストロボ回路や位置検出装置、移動体検出装置等の発光
回路にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる定電圧自動充電ストロボ回路の
構成を示す回路図。
【図2】発振制御用トランジスタQ1のコレクタに現れ
る発振波形を示す図。
【図3】スイッチSW4がブレーク状態の時の近距離光
量補正回路40の等価回路図。
【図4】キセノンランプXe1放電時のコンデンサC1
とC4の充放電特性を示す図。
【図5】スイッチングダイオードの特性評価回路の構成
を示す図。
【図6】図5(a)に示す回路を用いた特性評価試験に
用いられたスイッチングダイオード各製品の試験結果を
示す表図。
【図7】図5(b)に示す回路を用いた特性評価試験に
用いられたスイッチングダイオード各製品の試験結果を
示す表図。
【図8】自動露出機構駆動用電源回路20の第1の変形
例を回路図。
【図9】自動露出機構駆動用電源回路20の第2の変形
例を回路図。
【図10】自動露出機構駆動用電源回路20の第3の変
形例を回路図。
【図11】自動露出機構駆動用電源回路20の第4の変
形例を回路図。
【図12】自動露出機構駆動用電源回路20の第5の変
形例を回路図。
【図13】自動露出機構駆動用電源回路20の第6の変
形例を回路図。
【図14】自動発振停止回路30の変形例を示す回路
図。
【符号の説明】
100 定電圧自動充電ストロボ回路 20 自動露出機構駆動用電源回路 30 自動発振停止回路 40 近距離光量補正回路 50 機械的動作を行う負荷 Q1 発振制御用トランジスタ SW1 発振起動用スイッチ SW2 トリガスイッチ SW3 絞り羽根連動切換スイッチ SW4 近距離ストロボ撮影光量補正スイッチ T1 昇圧トランス L1 一次側コイル L2 二次側コイル L3 負帰還コイル T2 トリガトランス L4 一次側コイル L5 二次側コイル C1 メインコンデンサ C2 トリガコンデンサ Xe1 キセノンランプ D2,D3 スイッチングダイオード RE1 ソレノイド PH1 フォトトランジスタ PH2 フォトカプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 575 G03C 3/00 575A 575B Fターム(参考) 2H053 AA01 AA03 AB03 AB08 AD06 BA04 BA06 BA07 BA08 BA21 BA62 2H054 AA01 2H101 AA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池電圧を昇圧トランスにより昇圧して
    該昇圧トランスの二次側にあるメインコンデンサを充電
    すると共に、該メインコンデンサに並列に接続される閃
    光発光素子を当該メインコンデンサからの放電電流によ
    り発光させる定電圧自動充電ストロボ回路において、 機械的動作を行う負荷と、 前記昇圧トランスの一次側に接続された発振制御用トラ
    ンジスタのコレクタに発生する交流電圧を直流に整流
    し、前記電池電圧よりも昇圧された直流二次電源を生成
    する二次電源回路とを具備し、前記直流二次電源により
    前記負荷を駆動することを特徴とする定電圧自動充電ス
    トロボ回路。
  2. 【請求項2】 前記メインコンデンサと前記閃光発光素
    子間に直列に接続されるコンデンサと、前記コンデンサ
    を短絡するメーク状態と非短絡とするブレーク状態とに
    切り換え可能な光量補正スイッチとを有し、前記光量補
    正スイッチがブレーク状態で前記閃光発光素子が発光さ
    れた時、前記メインコンデンサからの放電電流で前記コ
    ンデンサを一時的に充電させ、前記閃光発光素子内の電
    位差を小さくして前記メインコンデンサの放電を停止さ
    せる光量補正回路を具備すること特徴とする請求項1記
    載の定電圧自動充電ストロボ回路。
  3. 【請求項3】 前記メインコンデンサの充電電圧が所定
    の設定電圧になった時に前記発振制御用トランジスタを
    オフにして発振動作を停止させる回路であって、前記設
    定電圧検出回路部分がスイッチングダイオードを用いて
    構成される自動発振停止回路を具備することを特徴とす
    る請求項1または2記載の定電圧自動充電ストロボ回
    路。
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