JP4026296B2 - エンコーダの取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンコーダの取付装置に係わり、特にダイナモメータに使用されるロータリーエンコーダの取付けに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイナモメータに使用されるロータリーエンコーダの取付方法としては、従来、図3で示すように、ダイナモメータ1の回転軸端に中空形ロータリーエンコーダ2が配設されるが、その際、支持体3、板バネ4を介してエンコーダ2を取付ける板バネ取付方法と、図4で示すように、ベローズカップリング5を介して取付けるベローズカップリング取付方法とがある。この2方法の取付けは、何れもエンコーダの支持は弾性体にて行っているが、これは、ダイナモメータの軸端が回転に伴って軸振れが生じるため、この軸振れによる無理な力を避けるために弾性体支持としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ダイナモメータは高精度化,高速応答化に伴って電気慣性制御が行われている。電気慣性制御の基準となる加速度信号は、ロータリーエンコーダが発生するパルス信号を電圧信号に変換した後に、微分することによって得ている。このため、僅かな回転変動が生じても、微分演算することによって大きなリップルとなり、高精度制御の妨げになる。一般には、このリップルを除去するためにフィルターを接続することが行われているが、その分応答が遅れてしまう。
【0004】
この問題を解決するためには、僅かな回転変動もなくす必要があるが、この回転変動の原因としては次のことが考えられる。
1,ダイナモメータの軸端からロータリーエンコーダに振動が伝わり、その振動によってディスクおよび回転検出部が振られて検出誤差となること。
2,直結部の芯ずれによりロータリーエンコーダが振り回される。この時、ベアリングとベローズカップリングの等方性が十分でないために回転変動として現れる。
3,ロータリーエンコーダの重量が重いため、振れ回り現象発生時のエンコーダに生じる力も大きくなり、回転変動も大きくなる。
上記各項目のうち、1については、回転検出部を2ケ所設置してキャンセルすることによって容易に解決することができるが、2,3が大きな問題となっている。 本発明の目的は、ロータリーエンコーダの振れ回り現象を少なくしたエンコーダの取付装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転軸の軸端に配設されて、この回転軸の回転速度を検出するロータリーエンコーダを取付けるものにおいて、
前記回転軸と連結されるカップリングと一体的にエンコーダのシャフトを固定し、このシャフトに嵌合されたベアリングを介してエンコーダケースを取付け、このエンコーダケースに、前記シャフトに固定された回転片の通過を検出する検出部を設けると共に、この検出部を覆って、かつエンコーダケースと一体的にフランジを取付け、このフランジをベローズカップリングを介して支持体に固定したものである。
【0006】
また、本発明は、前記カップリングをダイナモメータのローラ側面に固着したものである。
【0007】
更に本発明は、前記ベローズカップリングは、取付シャフトを介して2個取付けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示す構成図で、11はエンコーダケース、12はベアリングで、エンコーダケース11の内部に固定されてその中心部にはシャフト13を嵌合している。シャフト13は、カップリング15に直結され、このカップリング15は図2で示すようにダイナモメータ10のローラ側面に取り付けられてダイナモメータ1の回転軸と連結されている。14はエンコーダケース固定用のフランジで、エンコーダケース11とは一体化されてベローズカップリング16,17および取付シャフト18を介して固定側の支持体19に固定される。
なお、ベローズカップリングは1個でもよいが、芯ずれを吸収し、より効果を高めるために2個用いられている。20は回転片で、シャフト13に固定されてこのシャフトと共に回転する。21は検出部で、回転片20が通過したことを光学的或いは磁気的に検出してパルス信号を出力する。
【0009】
以上のように構成されたものおいて、車輛試験時にはダイナモメータ1のローラに車輪を乗せて実施されるが、そのとき、車輪の荷重によってローラには下向きの力が加わり、ロータリーエンコーダに対して歪みを与える方向に作用する。本発明においては、カップリング15とエンコーダのシャフト13とは一体的に構成されていることによって、カップリング15とシャフト13との軸芯にずれを生じることはなくダイナモメータの回転軸と共に回転する。また、例え、エンコーダに振れ回り現象が生じたとしても、エンコーダケース11とエンコーダケース固定用のフランジ14とが一体的に、しかも軽量化構成されているので、ねじれが減少される。これによって、エンコーダを支持しているベローズカップリング16,17のねじれも減少する。
【0010】
すなわち、従来構造と比較して芯ずれが減少すると共に、エンコーダの軽量化によってねじれによる回転変動が減少する。
【0011】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、エンコーダのシャフトとダイナモメータの回転軸とを連結するカップリングとを一体的に構成し、また、エンコーダケースとこのケースに取り付けられた検出部を被せるように構成されたフランジとを一体的に固定し、ベローズカップリングを介して固定側に取り付けるようにしたものであるから、直結部の芯ずれが防止されてエンコーダの振れ回りが減少し、また、エンコーダ自体は軽量化されたことによって、例え、振れ回りが生じたとしても
ねじれが軽減されてノイズが減少し、より高精度な電気慣性制御に寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す構成図
【図2】本発明の取付状態を示したもので、(a)はダイナモメータの正面図、(b)は一部拡大斜視図。
【図3】従来のロータリーエンコーダの取付状態図で、(a)は正面図、(b)は部分拡大図。
【図4】従来の他のロータリーエンコーダの取付状態図で、(a)は正面図、(b)は部分拡大図。
【符号の説明】
1,10…ダイナモメータ
2…ロータリーエンコーダ
3,19…支持体
4…板バネ
5,16,17…ベローズカップリング
11…エンコーダケース
12…ベアリング
13…シャフト
14…フランジ
15…カップリング
16,17…ベローズカップリング
18…取付シャフト
20…回転片
21…検出部
Claims (3)
- 回転軸の軸端に配設されて、この回転軸の回転速度を検出するロータリーエンコーダを取付けるものにおいて、
前記回転軸と連結されるカップリングと一体的にエンコーダのシャフトを固定し、このシャフトに嵌合されたベアリングを介してエンコーダケースを取付け、このエンコーダケースに、前記シャフトに固定された回転片の通過を検出する検出部を設けると共に、この検出部を覆って、かつエンコーダケースと一体的にフランジを取付け、このフランジをベローズカップリングを介して支持体に固定したことを特徴としたエンコーダの取付装置。 - 前記カップリングは、ダイナモメータのローラ側面に固着したことを特徴とした請求項1記載のエンコーダ取付装置。
- 前記ベローズカップリングは、取付シャフトを介して2個取付けたことを特徴とした請求項1又は2記載のエンコーダの取付装置。
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