JP4024883B2 - 二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤 - Google Patents

二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックス発泡体、プラスチックス成形物、金属、木質材等の物体の表面保護を目的とする用途に好適な二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックス発泡体の表面に強化被膜を形成させることにより、発泡体の強度を増すことが行われている。強化被膜形成剤として好適なものは、ウレタン系樹脂被覆剤である。
【0003】
特公平3−67107号公報(特開昭60−147329号公報)には、主剤(ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートまたはその変性品)、硬化剤(第一級ヒドロキシル基を含有する高分子ポリオールを主体とするもの)、架橋剤(ポリアミン類、多価アルコール類またはアルカノールアミン類)、触媒(第3級アミンまたは有機金属化合物)を配合した常温硬化型高反応ポリウレタン原液を、高圧吹付装置を使用して、30〜210kg/cm2の吐出圧で保護体の表面に吹き付ける発泡保護体の強化方法が示されている。
【0004】
ここで、架橋剤のうちポリアミンとして具体的に言及のあるものは、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジクロル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピルジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピルジアミノジフェニルメタンであり、実施例には架橋剤としてポリアミンを用いたものはあげられていないが、比較例1においては4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタンを用いている。また触媒のうち有機金属化合物として具体的に言及のあるものは、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクタン酸錫、ジブチル錫ジラウレートであり、実施例にはジブチル錫ジラウレートを用いた例があげられている。
【0005】
特開平7−179634号公報には、ポリスチレンフォーム表面にポリウレタンエラストマーからなる強化皮膜を形成する方法において、ポリウレタンエラストマー原料として2液反応性無溶剤型ウレタン原料を用い、そのウレタン原料を上記ポリスチレンフォーム表面にスプレー塗布すると共に、その塗布された時点から硬化が完了するまでの間のポリスチレンフォームの最高温度が30〜80℃の範囲であるようにすることにつき開示がある。
【0006】
この公報には、鎖延長剤については二官能ジアミン類およびジオール類が使用されるとの記載があり、架橋剤についてはグリセリン、ソルビトール等が使用されるとある。1級、2級のジまたはポリアミン類は鎖延長剤および架橋剤の両機能を有し、このようなものとして従来より広く使用されている3,3’ジクロロ−4,4’ジアミノジフェニルメタンを使用しうるとの記載もある。触媒については、必要に応じて配合してもよいとあるものの、それ以上の記載はない。実施例には、ポリイソシアネートとしてMDIプレポリマー、ポリオールとしてポリプロピレングリコール、鎖延長剤として1,4−ブタンジオールを用いた例が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特公平3−67107号公報の発泡保護体の強化方法は、主として魚箱等のポリスチレン発泡体の強化のために実際にも採用されており、へこみや傷付きの防止に有効であると思われるが、仕上がり外観に影響を与える平滑性、発泡体との密着性など、特に衝撃時の密着性保持の点で、なお改良の余地がある。
【0008】
特開平7−179634号公報の強化皮膜形成方法は、主として皮膜形成過程におけるフォーム表面の最高温度を制限することによりフォームへの密着性を上げようとするものであるが、樹脂組成の点で不満があり、さらに改良を図る必要がある。
【0009】
本発明は、このような背景下において、物体に適用したときの平滑性が良好で、プラスチックス発泡体のような物体であっても密着力が大きく、表面保護の目的を最大限に達成することのできる二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤は、
ポリイソシアネート成分(A) 、ポリオール成分(B) 、架橋剤(C) および触媒(D) からなる二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤であって、
前記ポリイソシアネート成分 (A) が、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートを主体とするものであること、
前記ポリオール成分(B) のうち60重量%以上の量が第2級OH基含有ポリオールで構成されていること、
前記架橋剤(C) がジエチルトルエンジアミンからなること
前記触媒 (D) がビスマス有機酸塩からなること、および、
物体の表面保護用の被覆剤であること、
を特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤は、ポリイソシアネート成分(A) 、ポリオール成分(B) 、架橋剤(C) および触媒(D) を必須の成分とする。
【0013】
〈ポリイソシアネート成分(A) 〉
ポリイソシアネート成分(A) としては、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートを主体とするものが用いられる。
【0014】
ここでジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートの例は、
(1) 純MDIと称されるジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
(2) クルードMDIまたはポリメリックMDIと称されるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、
(3) 水素化MDIまたはH12MDIと称されるジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
(4) 上記(1) 〜(3) のポリイソシアネートと、カルボジイミド、イソシアヌレート、ウレトンイミンなどの1種または2種以上との変性物、
(5) 上記(1) 〜(3) のMDI系ポリイソシアネートと、ビウレット、アロハネートなどの1種または2種以上との変性物、
(6) 上記(1) 〜(3) のポリイソシアネートと、ヒドロキシポリオール(ポリアルキレングリコール等)や多価アルコールとのプレポリマー、
(7) 上記(1) 〜(3) のポリイソシアネートが、カルボジイミド、イソシアヌレート、ウレトンイミンなどで変性され、かつヒドロキシポリオールや多価アルコールでプレポリマー化されたもの、
などである。これらの中では、(1) 、(4) 、(6) および(7) 、殊に(4) 、(6) および(7) が重要である。
【0015】
ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートとしては、2,4−または/および2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどがあげられる。ただしこれらを用いるときも、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートと併用して、少量割合(50重量%以下、通常は30重量%以下、さらには20重量%以下)を用いることが望ましい。
【0016】
〈ポリオール成分(B) 〉
ポリオール成分(B) としては、本発明においては、そのうち60重量%以上、好ましくは70重量%以上、なかんずく80重量%以上、さらには90重量%以上第2級OH基含有ポリオールで構成されるようにする。第2級OH基含有ポリオールの使用は、物体の表面に適用したとき機械的強度、硬化時間の調節、表面平滑性の実現の点でプラスとなるからである。
【0017】
第2級OH基含有ポリオールとしては、以下に例示するような高分子ポリオールや低分子ポリオールが用いられ、高分子ポリオールを主たる割合で用いることが好ましい。
【0018】
まず高分子ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ヒマシ油またはその誘導体、プロピレンオキサイドとブチレンオキサイドとのランダムまたはブロック共重合体、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとのランダムまたはプロピレンオキサイド末端ブロック共重合体、ブチレンオキサイドとエチレンオキサイドとのランダムまたはブチレンオキサイド末端ブロック共重合体、プロピレンオキサイドとテトラヒドロフランとのランダムまたはプロピレンオキサイド末端共重合体、ブチレンオキサイドとテトラヒドロフランとのランダムまたはブチレンオキサイド末端共重合体、グリセリンやトリメチロールプロパン等の鎖延長剤にプロピレンオキサイドを付加重合して得られる重合体、グリセリンやトリメチロールプロパンなどの鎖延長剤にブチレンオキサイドを付加重合して得られる重合体、グリセリンやトリメチロールプロパンなどの鎖延長剤にプロピレンオキサイドやブチレンオキサイドを付加重合して得られる重合体、後述の第2級OH基含有ポリオール以外のポリオールにプロピレンオキサイドを付加重合して得られる重合体、後述の第2級OH基含有ポリオール以外のポリオールにブチレンオキサイドを付加重合して得られる重合体などがあげられる。
【0019】
低分子ポリオールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、トリイソプロパノールアミン、フェニルジイソプロパノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリンなどがあげられる。
【0020】
ポリオール成分(B) のうち第2級OH基含有ポリオール以外のポリオールとしては、以下に例示するような高分子ポリオールや低分子ポリオールが用いられる。
【0021】
まず高分子ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合体、縮合系ポリエステルポリオール・ラクトン系ポリエステルポリオール・ポリカーボネートジオール等のポリエステルポリオールのうち鎖延長剤として第1級OH基のみを含有するポリオールを使用したもの、ポリブタジエンポリオールなどがあげられる。
【0022】
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(2’−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニルジエタノールアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)アニリンなどがあげられる。
【0023】
ポリオール成分(B) 全体のOH価は10〜380KOHmg/g 、殊に20〜350KOHmg/g の範囲内にあることが好ましい。OH価がこのような範囲にあるときに被覆剤としての物性が高まるからである。
【0024】
〈架橋剤(C) 〉
架橋剤(C) としては、本発明においては、ジエチルトルエンジアミンを用いる。ジエチルトルエンジアミンは、次の化1の式で示される化合物である。
【0025】
【化1】
【0026】
このように本発明においては架橋剤(C) としてジエチルトルエンジアミンを用い、これにより所期の目的が達成できるが、本発明の趣旨を損なわない程度の量(たとえば30重量%以下、殊に20重量%以下)であれば、ジエチルトルエンジアミン以外のアミン類を併用しても差し支えない。
【0027】
〈触媒(D) 〉
触媒(D) としては、本発明においてはビスマス有機酸塩を用いる。ビスマス有機酸塩の具体例は、ビスマスアセテート、ビスマスオキサレート、ビスマスオレート、ビスマスバリレート、ビスマスタンネート、ビスマスシトレート、ビスマスサリシレート、ビスマス−2−エチルヘキサノエート、ビスマスネオデカノエートなどであり、特にビスマスネオデカノエートが重要である。ビスマス有機酸塩は、液状にするために、適当量の有機酸(たとえばネオデカン酸)などと混合した溶液の形態、あるいは単体の状態でポリオールに溶解させた形態で用いるのが通常である。
【0028】
触媒(D) としては、ビスマス有機酸塩以外の触媒、たとえば、ビスマス有機酸塩以外のビスマス化合物(ビスマスカーボネート、ビスマスハイドレート、ビスマスニトレート、ビスマスオキサイド、ビスマスホスフェート等)、第3級アミン、有機錫化合物、有機鉛化合物なども用いることができる。しかしながら、ビスマス有機酸塩の効果がたとえばジブチル錫ジラウレートを用いた場合に比し格段に大きいので、他の触媒を用いる場合も、ビスマス有機酸塩を後述のようにポリオール成分(B) 全体に対して 0.001重量%以上(殊に0.01重量%以上)用い、それに加えて他の触媒を併用するようにすることが好ましい。
【0029】
〈その他の配合物〉
本発明の被覆剤には、上に述べたポリイソシアネート成分(A) 、ポリオール成分(B) 、架橋剤(C) および触媒(D) のほかに、ポリオール成分に属しない鎖延長剤(多価アミン等)を配合することができる。ポリオール成分に属する鎖延長剤は、便宜上、上述のポリオール成分(B) として分類してある。
【0030】
そのほか、必要に応じ、充填剤、着色剤、可塑剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、防カビ剤、脱水剤、消泡剤などを配合することができる。
【0031】
〈被覆方法〉
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤は、ポリイソシアネート成分(A) をA剤、ポリオール成分(B) をB剤として用い、架橋剤(C) 、触媒(D) 、鎖延長剤はB剤側に配合するのが通常である。
【0032】
ポリイソシアネート成分(A) とポリオール成分(B) との配合比率は、NCO/活性Hの当量比が 0.9〜 1.3、好ましくは
1.0〜 1.2となるようにするのが適当である。活性Hと
は、NCO基と反応しうるH、たとえば、OH基のH、NH2 基のH、COOH基のHなどである。
【0033】
架橋剤(C) の配合量は、ポリオール成分(B) 全体に対して1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%とするのが適当であり、その割合が余りに少ないときは、硬化速度、平滑性、密着性の点で不満足となる上、被覆強度の低下も招く傾向があり、一方その割合が余りに多いときは、平滑性や密着性の低下を招くおそれがある。
【0034】
触媒(D) のうちビスマス有機酸塩の配合量は、ポリオール成分(B) 全体に対して 0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%とするのが適当であり、その割合が余りに少ないときは、硬化速度、平滑性、密着性、被覆強度の点で不満足となり、その割合が余りに多いときは、平滑性や密着性の低下を招くおそれがある。
【0035】
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤は、使用直前にA液とB液とを混合して用いるか、A液とB液とを2頭ガンの先端で混合して用い、コーティング、ディッピング、スプレーなどの方法により物体の表面に適用して被膜を形成させる。これにより、物体の表面保護が図られる。被膜の厚みに特に限定はなく、薄膜から厚膜まで任意である。
【0036】
物体としては、プラスチックス発泡体、プラスチックス成形物、金属、木質材、布、コンクリート、無機質ボードなどが例示でき、靴底などの半製品にも適用可能である。
【0037】
〈作用〉
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤を物体に適用したときに形成される被膜の平滑性は、架橋剤(C) として用いたジエチルトルエンジアミンと、触媒(D) として用いたビスマス有機酸塩とが深く関与しており、どちらか一方を欠くと、縮みや凹凸が現われたり、平滑性が損なわれてしまうおそれがある。なお架橋剤(C) としてジエチルトルエンジアミンを用いても、触媒(D) としてビスマス有機酸塩以外の触媒を用いた場合には、ビスマス有機酸塩を用いたときほどの架橋剤(C) との相乗効果は達成しえない。
【0038】
架橋剤(C) として用いたジエチルトルエンジアミンと、触媒(D) として用いたビスマス有機酸塩との組み合わせは、物体(殊にプラスチックス発泡体)への密着性の点でも極めて有利に作用する。これは、上記の架橋剤(C) による適度の凝集作用に基くアンカー効果と、触媒(D) として用いたビスマス有機酸塩による硬化速度とが協力したためと考えられる。
【0039】
そして、本発明の組成物を構成する各成分の適正な量の併用配合により、所期の被膜強度・硬度が得られることはもとより、物体に適用したときの平滑性が良好で、プラスチックス発泡体のような物体であっても密着力が大きくなり、表面保護の目的を最大限に達成することができる。
【0040】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「部」とあるのは重量部である。
【0041】
実施例1
〈A液〉
遊離NCO%29.0のカルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート61部を、窒素気流中、温度80℃にて分子量2000のポリプロピレングリコール39部でプレポリマー化を行い、 2.0時間反応させて遊離NCO%16.4のプレポリマーを得た。これをポリイソシアネート成分(A) として用いた。
【0042】
〈B液〉
ポリオール成分(B) としての分子量2000のポリプロピレングリコール62部および3官能の変性ポリプロピレングリコール26部、架橋剤(C) としてのジエチルトルエンジアミン12部、および触媒(D) としてのビスマスネオデカノエートのネオデカン酸溶液(ビスマスの割合は16重量%) 1.0部を混合し、B液とした。
【0043】
〈被膜の形成〉
日本合成化学工業株式会社製のスプレー装置「QSP−26」を用い、発泡倍率が70倍のポリスチレン発泡体からなる平板に上記のA液とB液の混合物(NCO/活性Hの当量比は 1.1)を吹き付け、被膜を形成させた。
【0044】
このものの表面は反発弾性に富み、強靭で、外部からの衝撃による被膜の損傷はもちろん、ポリスチレン発泡体の損傷も認められなかった。このものの表面平滑性は良好であり、また密着性も良好であった。
【0045】
比較例1
ポリオール成分(B) としての分子量2000のポリプロピレングリコール61部および3官能の変性ポリプロピレングリコール26部に、架橋剤(C) としての4,4’−ジアミノジフェニルメタン13部を加熱溶解して加え、触媒(D) としてのビスマスネオデカノエートのネオデカン酸溶液(ビスマスの割合は16重量%) 1.0部を混合し、B液とした。
【0046】
このB液を実施例1と同じA液と混合し(NCO/活性Hの当量比は 1.1)、実施例1と同様にしてポリスチレン発泡体に吹き付け、被膜を形成させた。
【0047】
このものの表面は硬いが脆く、外部からの衝撃により被膜が破損してしまった。またこのものの表面平滑性は劣っており、樹脂の縮みと思われる凹凸模様が現れた。
【0048】
比較例2
ポリオール成分(B) としての分子量2000のポリプロピレングリコール69部、3官能の変性ポリプロピレングリコール25部および1,4−ブタンジオール6部に、触媒(D) としてのビスマスネオデカノエートのネオデカン酸溶液(ビスマスの割合は16重量%) 1.0部を混合し、B液とした。
【0049】
このB液を実施例1と同じA液と混合し(NCO/活性Hの当量比は 1.1)、実施例1と同様にしてポリスチレン発泡体に吹き付け、被膜を形成させた。
【0050】
このものの表面は可撓性を有し、タック残りがあり、反発弾性に欠けるため外部からの衝撃により変形した。また硬化の遅延による発泡により平滑性が劣り、密着性についても不良であった。
【0051】
実施例2
遊離NCO%29.0のカルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート61部を、窒素気流中、温度80℃にて分子量2400のポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体(末端ポリオキシエチレン)39部でプレポリマー化を行い、 2.0時間反応させて遊離NCO%16.4のプレポリマーを得た。これをポリイソシアネート成分(A) として用いた。
【0052】
このA液を実施例1と同じB液と混合し(NCO/活性Hの当量比は 1.1)、実施例1と同様にしてポリスチレン発泡体に吹き付け、被膜を形成させた。
【0053】
このものの表面は反発弾性に富み、強靭で、外部からの衝撃による被膜の損傷はもちろん、ポリスチレン発泡体の損傷も認められなかった。このものの表面平滑性は良好であり、また密着性も良好であった。
【0054】
実施例3
遊離NCO%29.0のカルボジイミド変性ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート60部を、窒素気流中、温度80℃にて分子量3000のポリプロピレングリコール40部でプレポリマー化を行い、 2.0時間反応させて遊離NCO%16.5のプレポリマーを得た。これをポリイソシアネート成分(A) として用いた。
【0055】
このA液を実施例1と同じB液と混合し(NCO/活性Hの当量比は 1.1)、実施例1と同様にしてポリスチレン発泡体に吹き付け、被膜を形成させた。
【0056】
このものの表面は反発弾性に富み、強靭で、外部からの衝撃による被膜の損傷はもちろん、ポリスチレン発泡体の損傷も認められなかった。このものの表面平滑性は良好であり、また密着性も良好であった。
【0057】
実施例4
日本合成化学工業株式会社製のスプレー装置「QSP−26」を用い、発泡倍率が70倍の石綿セメントパーライト板に、実施例1と同じ組成のA液とB液の混合物(NCO/活性Hの当量比は 1.1)を吹き付け、被膜を形成させた。
【0058】
このものの表面は反発弾性に富み、強靭で、外部からの衝撃による被膜の損傷はもちろん、石綿セメントパーライト板の損傷も認められなかった。このものの表面平滑性は良好であり、また密着性も良好であった。
【0059】
〈各種の試験結果〉
定量的評価を行うため、上記の実施例1〜3、比較例1〜2の被覆剤を用いて、発泡倍率が70倍のポリスチレン発泡体からなる平板に上記のA液とB液の混合物(NCO/活性Hの当量比は 1.1)を吹き付け、被膜を形成させた。このときの硬度(JIS−A)、デュポン衝撃試験値、60゜鏡面光沢度、密着性試験の結果を表1に示す。
【0060】
表1中、デュポン衝撃試験値は、対象物に1mm厚に被覆剤を被覆したときの硬度(500g、ノッチ先端径1/2インチ)である。密着性テストについては、対象物に1mm厚に被覆剤を被覆した後、被覆を剥離したときの接着部の表面を観察し、○(良好)または×(不良)で評価した。剥離時の破壊部分の欄において、「対象物」は対象物の材料破壊、「界面」は界面剥離である。
【0061】
【表1】

実 施 例 比較例
1 2 3 1 2
硬度 94 94 95 100 74
デュポン衝撃試験値 >1500 >1500 >1500 >100 300
60゜鏡面光沢度 85 83 86 20 32
密着性試験
評価 ○ ○ ○ × ×
剥離時の破壊部分 対象物 対象物 対象物 界面 界面 #
# タック残りあり)
【0062】
【発明の効果】
本発明の二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤を用いれば、所期の被膜強度・硬度が得られることはもとより、物体に適用したときの平滑性が良好で、プラスチックス発泡体のような物体であっても密着力が大きくなり、表面保護の目的を最大限に達成することができる。

Claims (1)

  1. ポリイソシアネート成分(A) 、ポリオール成分(B) 、架橋剤(C) および触媒(D) からなる二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤であって、
    前記ポリイソシアネート成分 (A) が、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネートを主体とするものであること、
    前記ポリオール成分(B) のうち60重量%以上の量が第2級OH基含有ポリオールで構成されていること、
    前記架橋剤(C) がジエチルトルエンジアミンからなること
    前記触媒 (D) がビスマス有機酸塩からなること、および、
    物体の表面保護用の被覆剤であること、
    を特徴とする二液型無溶剤ウレタン系樹脂被覆剤。
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