JP4023016B2 - マルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示の技術分野に属するものであり、特にマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、大画面表示を行うために、画面を複数に分割(区画)し、各分割画面にそれぞれ独立した投射ユニットから所要の画像光を投写し、画面全体として1つの画像を表示するものが提案されており、このような大画面表示はしばしばマルチビジョンディスプレイと呼ばれる。
【0003】
マルチビジョンディスプレイでは、複数の単位スクリーンが面状に配列されて全体として1つのスクリーン面を構成している。各単位スクリーンには前記分割画面が少なくとも1つ形成される。
【0004】
この種のディスプレイでは、一般にスクリーン面は上下方向に沿うように配置され、このスクリーン面上に背面投射により形成された拡大投射画像を正面側から複数の観察者が観察する。観察者の眼の位置は上下方向断面内では比較的狭い角度範囲内に分布するが、水平方向断面内では比較的広い角度範囲に分布する。このため、背面投射型スクリーンとしては、一般に上下方向に比べて水平方向には広い角度にわたって良好な出射光を得るために、上下方向に延在する多数のレンズを有するレンチキュラーレンズシートが使用されている。
【0005】
ところで、マルチビジョンディスプレイでは、単位スクリーンどうしの間に目地と呼ばれる間隙が形成されるが、次第に高い画像品質が要求されるようになるにつれて、この目地の幅を小さくすることが要求されている。目地処理に関しては、例えば特開平9−197555号公報に記載がある。ところが、目地幅を小さくするにつれて、目地幅の不均一が目立ちやすくなり、画像品質の向上の観点からは、目地幅の均一性を維持しつつ該目地幅を小さくすることが肝要である。マルチビジョンディスプレイは現場施工で組み立てられることが多いので、施工の際の目地幅調整の簡易化が望まれている。
【0006】
このような目地の問題の発生をできるだけ少なくするために、以上のようなマルチビジョンディスプレイでは、次第に単位スクリーンの画面サイズの大型化が求められるようになってきている。また、上記のように画像品質の向上の要求に基づき、単位スクリーンの表示画像の画質の向上が求められるようになってきている。このような要求に応えるために、単位スクリーンに使用されるレンチキュラーレンズシートとしては厚さが薄く(例えば1mm以下)且つレンズピッチの小さい(例えば1mm以下)ものが要求されている。このような大面積及び高画質のための薄型のレンチキュラーレンズシートは、一般に合成樹脂からなるので、自己形状保持性が低い。そのため、レンチキュラーレンズシートの4辺部(上下両辺部及び左右両辺部)のうちの少なくとも上辺部をフレームに取り付けて保持することで、単位スクリーンを構成している。
【0007】
また、以上のような合成樹脂からなるレンチキュラーレンズシートは、温度変化または湿度変化により膨張または収縮する。このような外部環境変化によってレンチキュラーレンズシートに弛みによるしわが生じたりして平面性が損なわれ画質が低下するようなことがないように、フレームに対するレンチキュラーレンズシートの取り付けには種々の工夫が必要である。
【0008】
一方、以上のような背面投射型の単位スクリーンにおいては、投射ユニットから出射され各分割画面の周辺部(特に4隅部)に到達する光をも有効に観察者の方へと向け、画面全体の明るさの均一性を向上させるために、各分割画面に対応するサーキュラーレンズパターンをもつフレネルレンズシートが用いられることが多い。このフレネルレンズシートは、レンチキュラーレンズシートに比べて厚く重量も大きく剛性を有するのが一般的であり、レンチキュラーレンズシートと重ね合わせて使用される。
【0009】
そこで、本発明は、簡便な構成で、目地幅を小さく且つ均一化することが容易なマルチビジョンディスプレイを提供することを目的とするものである。
【0010】
更に、本発明は、現場施工の際に目地幅調整を簡易に行うことの可能なマルチビジョンディスプレイを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
少なくとも1つの投射ユニットからの投射光が照射される単位スクリーンを複数配列してスクリーン面を形成しているマルチビジョンディスプレイの前記単位スクリーンを架台に取り付けるための構造であって、
前記単位スクリーンは少なくとも上辺部にフレーム部材を有しており、前記架台には前記フレーム部材と係止されることで前記単位スクリーンを吊り下げ保持する吊り下げ具が取り付けられており、該吊り下げ具は前記架台に吊り下げられる単位スクリーンのそれぞれの左右方向に対する傾きを調整するための傾き調整手段を備えている、
ことを特徴とする、マルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造、
が提供され、更に、
少なくとも1つの投射ユニットからの投射光が照射される単位スクリーンを複数配列してスクリーン面を形成しているマルチビジョンディスプレイの前記単位スクリーンを架台に取り付けるための構造であって、
前記単位スクリーンは少なくとも上辺部にフレーム部材を有しており、前記架台には前記フレーム部材と係止されることで前記単位スクリーンを吊り下げ保持する吊り下げ具が取り付けられており、該吊り下げ具は前記架台に吊り下げられる単位スクリーンのそれぞれの左上隅部及び右上隅部の高さを調整するための高さ調整手段を備えている、
ことを特徴とする、マルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造、
が提供される。
【0012】
以上のような本発明の一態様においては、前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は前記吊り下げ具に対する前記単位スクリーンの傾きまたは前記単位スクリーンの左端部及び右端部の高さを調整するものである。
【0013】
本発明の一態様においては、前記吊り下げ具は前記単位スクリーンのそれぞれに対応して設けられており、前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は前記架台に対する前記吊り下げ具のそれぞれの傾きまたは前記吊り下げ具のそれぞれの左端部及び右端部の高さを調整するものである。
【0014】
本発明の一態様においては、前記吊り下げ具はチャンネル部材を用いてなるものであり、該チャンネル部材の一方の縁辺部が前記単位スクリーンの上辺部のフレーム部材と係止されており、前記チャンネル部材の他方の縁辺部が前記架台に取り付けられている。
【0015】
本発明の一態様においては、前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は、前記単位スクリーンのそれぞれに対応して互いに左右方向に適宜の距離で隔てられて配置された上下方向位置調節のための少なくとも2つの押しボルトを用いてなるものである。
【0016】
本発明の一態様においては、前記単位スクリーンは矩形状のレンチキュラーレンズシートと矩形状のフレネルレンズシートとを各々の4辺が上下方向及び水平方向に沿うように対応させて配置してなる重ね合わせ構造を有しており、前記フレネルレンズシートの上辺部にはフレネル上辺部リブが取り付けられており、該フレネル上辺部リブを前記フレーム部材に係止することで前記フレネルレンズシートの前記フレームに対する吊り下げがなされている。
【0017】
本発明の一態様においては、前記レンチキュラーレンズシートの上辺部にはレンチキュラー上辺部リブが取り付けられており、該レンチキュラー上辺部リブが前記フレネルレンズシートの上辺部及び/または前記フレネル上辺部リブに係止されている。
【0018】
本発明の一態様においては、前記フレネルレンズシートは前記フレネル上辺部リブが前記フレームの上辺部に左右方向に移動可能なように係止されることで前記フレームに対する吊り下げがなされている。
【0019】
本発明の一態様においては、前記単位スクリーンのうち左端または右端に配置されたものにおいて、前記フレーム部材はそれぞれ単位スクリーンの左辺部または右辺部にも設けられており、該フレーム部材左辺部またはフレーム部材右辺部には前記フレネル上辺部リブを右方または左方へと押す押しボルトが取り付けられている。
【0020】
本発明の一態様においては、前記単位スクリーンにおいて前記レンチキュラーレンズシートの左右端面と前記フレネルレンズシートの左右端面との対応する部分どうしの少なくとも一部が粘着テープにより接続されている。
【0021】
本発明の一態様においては、前記単位スクリーンにおいて隣接する他の単位スクリーンの左右辺部と対向する左右辺部には前記投射ユニットからの投射光が対応する単位スクリーン外へと到達するのを遮るための遮光板が付されている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第1の実施形態を示す正面図であり、図2及び図3はそれぞれそのA−A’線断面図及びB−B’線断面図である。また、図4及び図5はそれぞれ図1の部分拡大図である。
【0024】
これらの図において、12a〜12cは水平方向に配列された単位スクリーンであり、14はこれら単位スクリーン12a〜12cが取り付けられている架台であり、16a〜16cは架台14に対して単位スクリーン12a〜12cをそれぞれ吊り下げ保持する吊り下げ具であり、該吊り下げ具16a〜16cは架台14に取り付けられている。
【0025】
単位スクリーン12aは、次のような構成を有する。即ち、単位スクリーン12aにおいて、2はレンチキュラーレンズシートであり、4はフレネルレンズシートであり、6はフレーム部材である。レンチキュラーレンズシート2及びフレネルレンズシート4は、いずれも正面から見て矩形状をなしており、レンチキュラーレンズシート2が観察側となるように互いに重ね合わされていて、その大きさは例えば画面サイズで40〜200インチである。フレーム部材6は、レンチキュラーレンズシート2及びフレネルレンズシート4の上下辺部及び右辺部に対応して上下辺部及び右辺部を有している。
【0026】
レンチキュラーレンズシート2は、その互いに平行な2辺が上下方向(A−A’線方向)を向き且つ互いに平行な他の2辺が水平方向(B−B’線方向:左右方向)を向くように配置されている。尚、本発明においては、レンチキュラーレンズシート2は、少なくとも一面に上下方向に延在して並設された複数のレンズ2’を有し、厚さが例えば3mm以下特に0.3〜1.0mm程度で、上下方向に比べて左右方向の屈曲性が高いものであることが好適である。レンチキュラーレンズシート2のレンズ配列ピッチは、例えば0.2〜1.0mmであり、特に0.2〜0.5mmであることが好適である。
【0027】
レンチキュラーレンズシート2は、透光性を有する合成樹脂からなり、微細なレンズ形状の形成が容易で良好な光学性能を有する(メタ)アクリル系樹脂や、ポリカーボネート系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレート(MS)系樹脂などを用いて製造することができる。ゴム質添加により、レンチキュラーレンズシート2の左右方向の屈曲性を高めることも可能である。レンチキュラーレンズシート2の製造方法としては、押し出し成形、プレス成形、キャスト成形、光硬化による賦型、溶融紡糸などによるものが例示される。
【0028】
レンチキュラーレンズシート2の上辺部には光源(投射ユニット)側の面にレンチキュラー上辺部リブ(補強材)3が取り付けられている。リブ3は、例えば合成樹脂または柔軟性をもつ合成ゴムからなり、接着やピン止めなどによりシート面に接合されている。リブ3は、レンチキュラーレンズシート面から若干はみ出ていてもよい。リブ3は、厚さ(即ち、シート面の法線方向:C−C’線方向の寸法)が例えば3〜15mmであり、幅が例えば2〜10mmである。
【0029】
フレネルレンズシート4は、その互いに平行な2辺が上下方向(A−A’線方向)を向き且つ互いに平行な他の2辺が水平方向(B−B’線方向:左右方向)を向くように配置されており、光源側の面がサーキュラーフレネルレンズ4’面とされている。このフレネルレンズシート4は、厚さが例えば2.0〜10.0mmで、適度の剛性を有する。
【0030】
フレネルレンズシート4は、レンチキュラーレンズシート2と同様に、透光性を有する合成樹脂からなり、プレス成形、キャスト成形、光硬化による賦型などの方法で製造される。
【0031】
フレネルレンズシート4の光源(投射ユニット)側の面には、上辺部にフレネル上辺部リブ(補強材)5が取り付けられており、下辺部にフレネル下辺部リブ5’が取り付けられている。これらのリブ5,5’は、前記リブ3と同様の材質のものが使用され、接着やピン止めなどによりシート面に接合されている。リブ5,5’はフレネルレンズシート4のシート面から若干はみ出ていてもよい。リブ5,5’は、厚さ(即ち、C−C’線方向の寸法)が例えば3〜15mmであり、幅が例えば5〜20mmである。
【0032】
フレーム部材6は、レンチキュラーレンズシート2及びフレネルレンズシート4の双方の上下辺部及び右辺部、並びにこれらに付されたリブ5,5’やリブ3を受容する内側空間Sを有する金属製のチャンネル状部材を含むものである。このチャンネル状部材には、フレーム上辺部において取付部材7が取り付けられている。これら取り付け部材を含んでフレーム部材6が構成されている。
【0033】
フレーム部材6に対するレンチキュラーレンズシート2及びフレネルレンズシート4の取り付けは、例えば次のようにしてなされている。即ち、フレネルレンズシート4は、リブ5がフレーム部材6の上辺部の取付部材7に左右方向に移動可能なように係止されることで、フレーム部材6への取り付けがなされている。フレネルレンズシート4の下辺部は自由端とされている。また、レンチキュラーレンズシート2の上辺部は、リブ3がフレネルレンズシート4の上辺部及びそれに付されたリブ5上に係止されることで、フレネルレンズシート4を介してフレーム部材6への取り付けがなされている。このレンチキュラーレンズシート2に付された上辺部リブ3の係止は、フレネルレンズシート4の上辺部及びリブ5のうちの一方に対してなされていてもよい。
【0034】
そして、図2〜3に示されているように、単位スクリーン12aにおいて、隣接する他の単位スクリーン12bの右辺部と対向する左辺部には投射ユニットからの投射光が対応する単位スクリーン12a外(即ち隣接する単位スクリーン12b)へと到達するのを遮るための遮光板8が付されている。この遮光板8は粘着テープ9によりレンチキュラーレンズシート2の左辺部端面及びフレネルレンズシート4の左辺部端面に接続(接合)されている。尚、レンチキュラーレンズシート2の右辺部端面及びフレネルレンズシート4の右辺部端面を接続するように粘着テープ9が接合されている。レンチキュラーレンズシート2とフレネルレンズシート4との固定は、針金を用いて行うこともできる。
【0035】
図示されているようにフレーム部材6は単位スクリーン12aの右辺部にも設けられており、このフレーム部材右辺部には、図4に示されているように、フレネル上辺部リブ5を左方へと押す押しボルト10が取り付けられている。
【0036】
次に、吊り下げ具16aは、次のような構成を有する。即ち、吊り下げ具16aはチャンネル部材を水平に左右方向に配置してなるものであり、その下側縁辺部が単位スクリーン12aの上辺部のフレーム部材6の取付部材7と係止されており、チャンネル部材の上側縁辺部が架台14に取り付けられている。
【0037】
吊り下げ具16aは、架台14に吊り下げられる単位スクリーン12aの左右方向に対する傾きを調整するための傾き調整手段(あるいは単位スクリーンのそれぞれの左上隅部及び右上隅部の高さを調整するための高さ調整手段)として、互いに左右方向に適宜の距離で隔てられて配置された上下方向位置調節のための2つの押しボルト11,11’を備えている。これら押しボルト11,11’は、互いに独立に操作することができ、各ボルト位置におけるチャンネル部材16aの部分の架台14に対する上下方向位置を設定することができる。これにより、単位スクリーン12aの左上隅部及び右上隅部の高さを独立に調整することができ、左右の目地配置を同一(均等)にすることができ、単位スクリーン12aの左右方向に対する傾き及び単位スクリーン12aの上下方向位置を設定することができ、目地幅を均一にすることができる。
【0038】
以上、単位スクリーン12a、吊り下げ具16a、及び、吊り下げ具16aによる架台14への単位スクリーン12aの吊り下げに関して説明したが、単位スクリーン12c、吊り下げ具16c、及び、吊り下げ具16cによる架台14への単位スクリーン12cの吊り下げに関しても、左右の方向性が逆であることを除いて同様である。
【0039】
また、単位スクリーン12bでは、フレーム部材6は左右両辺部には存在せず、下辺部のフレーム部材6は、架台14に固定されている。また、フレネル上辺部リブを左右方向へと押す押しボルトは取り付けられていない。これらの点を除いて、単位スクリーン12bは単位スクリーン12a,12cと同様である。
【0040】
本実施形態では、各単位スクリーン12a,12b,12cには、それぞれ分割画面が1つ形成される。即ち、各単位スクリーン12a,12b,12cにはそれぞれ対応する投射ユニットから光照射がなされる。
【0041】
本実施形態における単位スクリーン12a〜12cどうしの調整は、次のようにして行うことができる。即ち、先ず、中央の単位スクリーン12bを吊り下げ具16bにより架台14に取り付け、押しボルト11,11’を操作して単位スクリーン12bの上下方向位置及び左右方向に対する傾きを所望に設定する(通常、レンチキュラーレンズ2’が上下方向を向くように設定する)。次に、左右の単位スクリーン12a,12cをそれぞれ吊り下げ具16a,16cにより架台14に取り付け、押しボルト11,11’を操作して単位スクリーン12bの上下方向位置及び左右方向に対する傾きを所望に設定する(通常、レンチキュラーレンズ2’が上下方向を向くようにし且つ中央の単位スクリーン12bと上下方向位置を整合させるように設定する)。これにより、左右の単位スクリーン12a,12cと中央の単位スクリーン12bとの間の間隙(目地)の幅は上下でほぼ均一となる。次に、左右の単位スクリーン12a,12cの押しボルト10を操作することで、各単位スクリーン12a,12cにおいてフレーム6に対してフレネルレンズシート4及びレンチキュラーレンズシート2を中央の単位スクリーン12bの方へと移動させる。これにより、目地幅を十分に小さく(例えば1mm以下に)することができる。
【0042】
本実施形態では、単位スクリーン12a,12b,12cを上下方向ではなく水平方向に配列してスクリーン面を形成している。その理由は、次のとおりである。即ち、各単位スクリーンにおいて、レンチキュラーレンズシート2はレンズ2’が上下方向を向くように配置されているので、上下方向の光拡散性は左右方向(水平方向)の光拡散性と比べて小さい。このため、単位スクリーンを上下方向に接続させる場合と左右方向に接続させる場合とでは、同一の目地幅とした場合には、観察者の視覚の上では、左右方向接続に比べて上下方向接続の場合の方が、目地幅が大きく感じられる。従って、単位スクリーンの上下方向接続を避けて左右方向接続のみで単位スクリーンを配置することで、目地幅の許容度を高めることができる。
【0043】
そして、本実施形態においては、目地の数を低減するために使用単位スクリーン数を低減し単位スクリーン寸法をできるだけ大きくするに際して問題とされていた単位スクリーンどうしの配列調整の困難性を解決することができ、目地幅を小さく且つ均一化する単位スクリーンどうしの配列調整を容易に行うことが可能である。
【0044】
図6は本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第2の実施形態を示す正面図である。本図において、上記図1〜5におけると同様の機能を有する部材または部分には同一の符号が付されている。また、本図においては架台の図示が省略されているが、本実施形態の架台は上記第1の実施形態のものと同様である。
【0045】
本実施形態は、各単位スクリーン12a,12b,12cの構成が、上記第1の実施形態ものと異なる。本実施形態では、各単位スクリーン12a,12b,12cは、それぞれ分割画面が3つ形成される。即ち、各単位スクリーン12a,12b,12cのフレネルレンズシート4は、いずれも上段部、中段部及び下段部に区分されており、これら上段部、中段部及び下段部にそれぞれサーキュラーフレネルレンズ4’が形成されている。レンチキュラーレンズシート2は各単位スクリーンの上段部、中段部及び下段部にわたって一様に構成されている。そして、各サーキュラーフレネルレンズ4’にそれぞれ対応する投射ユニットから光照射がなされる。
【0046】
本実施形態のスクリーン取り付け構造は、上記第1の実施形態のものと同様であり、同様の機能及び作用効果を有する。
【0047】
図7は本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第3の実施形態を示す部分断面図である。本図は図2で示されている部分に対応する部分を示すものである。本図において、上記図1〜6におけると同様の機能を有する部材または部分には同一の符号が付されている。
【0048】
本実施形態では、複数の単位スクリーン12の左右方向配列の全長に対応する長さの一体物の吊り下げ具16を用いている。そして、各単位スクリーン12ごとに、傾き調整手段(あるいは高さ調整手段)として、互いに左右方向に適宜距離隔てられて配置された上下方向位置調節のための2つの押しボルト11,11’(図7には示されていない)を、吊り下げ具16の下側縁辺部に備えている。これら押しボルト11,11’は、単位スクリーン12のフレーム部材6に対して下側から当接しており、互いに独立に操作することができる。これにより、上記第1の実施形態及び第2の実施形態と同様にして、各単位スクリーン12の左上隅部及び右上隅部の高さを独立に調整することができ、単位スクリーン12の左右方向に対する傾き及び単位スクリーン12の上下方向位置を設定することができる。
【0049】
本実施形態においても、上記第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の機能及び作用効果を有する。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造によれば、単位スクリーンのフレーム部材と係止されることで単位スクリーンを吊り下げ保持する吊り下げ具に、架台に吊り下げられる各単位スクリーンの左右方向に対する傾きを調整するための傾き調整手段や各単位スクリーンの左上隅部及び右上隅部の高さを調整するための高さ調整手段を備えたことで、簡便な構成で、目地幅を小さく且つ均一化することが容易になり、現場施工の際に目地幅調整を簡易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A’線断面図である。
【図3】図1のB−B’線断面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】図1の部分拡大図である。
【図6】本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第2の実施形態を示す正面図である。
【図7】本発明によるマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造の第3の実施形態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
2 レンチキュラーレンズシート
2’ レンチキュラーレンズ
3 レンチキュラー上辺部リブ
4 フレネルレンズシート
4’ サーキュラーフレネルレンズ
5 フレネル上辺部リブ
5’ フレネル下辺部リブ
6 フレーム部材
7 取付部材
8 遮光板
9 粘着テープ
10 押しボルト
11,11’ 押しボルト
12,12a〜12c 単位スクリーン
14 架台
16,16a〜16c 吊り下げ具
S 空間
Claims (10)
- 少なくとも1つの投射ユニットからの投射光が照射される単位スクリーンを複数配列してスクリーン面を形成しているマルチビジョンディスプレイの前記単位スクリーンを架台に取り付けるための構造であって、
前記単位スクリーンは少なくとも上辺部にフレーム部材を有しており、前記架台には前記フレーム部材と係止されることで前記単位スクリーンを吊り下げ保持する吊り下げ具が取り付けられており、該吊り下げ具は前記架台に吊り下げられる単位スクリーンのそれぞれの左右方向に対する傾きを調整するための傾き調整手段を備え、
また該吊り下げ具は前記架台に吊り下げられる単位スクリーンのそれぞれの左上隅部及び右上隅部の高さを調整するための高さ調整手段を備え、
前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は前記吊り下げ具に対する前記単位スクリーンの傾きまたは前記単位スクリーンの左端部及び右端部の高さを調整することを特徴とする、マルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。 - 前記吊り下げ具は前記単位スクリーンのそれぞれに対応して設けられており、前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は前記架台に対する前記吊り下げ具のそれぞれの傾きまたは前記吊り下げ具のそれぞれの左端部及び右端部の高さを調整するものであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記吊り下げ具はチャンネル部材を用いてなるものであり、該チャンネル部材の一方の縁辺部が前記単位スクリーンの上辺部のフレーム部材と係止されており、前記チャンネル部材の他方の縁辺部が前記架台に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記傾き調整手段または前記高さ調整手段は、前記単位スクリーンのそれぞれに対応して互いに左右方向に適宜の距離で隔てられて配置された上下方向位置調節のための少なくとも2つの押しボルトを用いてなるものであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記単位スクリーンは矩形状のレンチキュラーレンズシートと矩形状のフレネルレンズシートとを各々の4辺が上下方向及び水平方向に沿うように対応させて配置してなる重ね合わせ構造を有しており、前記フレネルレンズシートの上辺部にはフレネル上辺部リブが取り付けられており、該フレネル上辺部リブを前記フレーム部材に係止することで前記フレネルレンズシートの前記フレームに対する吊り下げがなされていることを特徴とする、請求項1に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記レンチキュラーレンズシートの上辺部にはレンチキュラー上辺部リブが取り付けられており、該レンチキュラー上辺部リブが前記フレネルレンズシートの上辺部及び/または前記フレネル上辺部リブに係止されていることを特徴とする、請求項5に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記フレネルレンズシートは前記フレネル上辺部リブが前記フレームの上辺部に左右方向に移動可能なように係止されることで前記フレームに対する吊り下げがなされていることを特徴とする、請求項5〜6のいずれかに記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記単位スクリーンのうち左端または右端に配置されたものにおいて、前記フレーム部材はそれぞれ単位スクリーンの左辺部または右辺部にも設けられており、該フレーム部材左辺部またはフレーム部材右辺部には前記フレネル上辺部リブを右方または左方へと押す 押しボルトが取り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記単位スクリーンにおいて前記レンチキュラーレンズシートの左右端面と前記フレネルレンズシートの左右端面との対応する部分どうしの少なくとも一部が粘着テープにより接続されていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
- 前記単位スクリーンにおいて隣接する他の単位スクリーンの左右辺部と対向する左右辺部には前記投射ユニットからの投射光が対応する単位スクリーン外へと到達するのを遮るための遮光板が付されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のマルチビジョンディスプレイのスクリーン取付構造。
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