JP4022312B2 - レジスト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

レジスト組成物およびパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線や遠紫外線(エキシマーレーザーなどを含む)などの光線を用いて半導体集積回路などの微細パターンを形成するのに適した感光性樹脂組成物(レジスト組成物)およびそれを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高集積化および高速化とともに、レジストに対して解像度(サブミクロンあるいはクォーターミクロン以下のパターン形成)およびプロセス余裕度の向上が要求されている。このような要求に対してレジストの改良が提案されているとともに、従来のリソグラフィ技術を用いて解像度を向上させる試みも提案されている。例えば、光の波長が解像度限界付近である場合、ケイ素含有レジストが酸素プラズマに対して高い耐性を有することを利用して、酸素プラズマを用いて解像度を向上させる多層法が提案されている。この方法において、2層レジストプロセスでは、基板に形成された下層レジスト層上に、ビニル基含有ポリシロキサンなどのケイ素含有レジストを塗布し、パターニングした後、酸素プラズマエッチングにより下層をエッチングしている。
【0003】
しかし、この方法では、感光性を付与したポリシロキサン系レジストの合成が複雑であり、コスト高となるだけでなく、酸素プラズマ耐性に大きく影響するケイ素含有量を再現性よく調製することが困難である。さらに、ケイ素含有量とレジスト性能(感度や解像度など)が一般に相反する関係にあるため、ケイ素含有量を多くすると、酸素プラズマ耐性は向上するものの、レジストの性能(感度や解像度など)は低下し、ケイ素含有量を少なくすると、レジストの性能(感度や解像度など)は向上するものの、酸素プラズマ耐性が低下する。そのため、酸素プラズマ耐性を高いレベルに維持しながら、レジスト性能(感度や解像度など)を向上させることが困難である。
【0004】
単層用の半導体レジストとして、アルカリ可溶性ノボラック樹脂とジアゾナフトキノン誘導体を含有する組成物が知られている。この感光性樹脂組成物は、波長300〜500nmの光照射によりジアゾナフトキノン基が分解してカルボキシル基を生成し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性となることを利用して、ポジ型レジストとして用いられている。
このような半導体レジストにおいて、微細化を達成するための最も一般的な方法は、露光波長を短波長化する方法である。例えば、主に用いられていた高圧水銀灯のg線(波長436mm)やi線(波長365mm)に変って、より短波長の光源、例えば、KrFエキシマーレーザー(波長248nm)や次世代のArFエキシマーレーザー(波長193nm)が実用化されている。
【0005】
しかし、g線やi線を用いて半導体集積回路の製造に用いられてきたノボラック樹脂/ジアゾナフトキノン型ポジ型レジストは、ノボラック樹脂の吸収に起因して、KrFエキシマーレーザーやArFエキシマーレーザーを用いても、感度および解像力が大きく低下し、実用的でない。
また、KrFやArFエキシマーレーザーによる微細加工は、光源、レンズ系などの露光装置や感光性材料(レジスト)の選定などの面で数々の解決すべき技術的課題が多いだけでなく、半導体の実生産に適用するための設備投資も膨大なものになる。
【0006】
さらに、近年、半導体の製造工程で用いられる高融点金属基板(アルミニウム−銅やシリサイドなど)のエッチング用レジストには、従来のノボラック樹脂系レジストよりも高い耐熱性や耐ドライエッチング性が求められている。また、ノボラック樹脂系レジストを用いることが困難なKrFやArFエキシマーレーザー用レジストは、材料面の制約から、一般にこれらノボラック系レジストよりも耐熱性や耐ドライエッチング性が劣るため、これらの特性の向上が強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、慣用のレジストやリソグラフィ技術を利用して、酸素プラズマ耐性,耐熱性や耐ドライエッチング性を大きく改善できるレジスト組成物およびその製造方法、並びにパターン形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、既存のレジストであっても、感度および解像度を大きく改善でき、微細パターン形成用レジストとして有用なレジスト組成物およびその製造方法、並びにパターン形成方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、パターンプロファイル,フォーカス余裕度を大幅に改善できるレジスト組成物およびその製造方法、並びにパターン形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、アルカリ可溶性樹脂などで構成されたレジストに、無機物を非均質な粒子状の形態で添加しても、酸素プラズマ耐性が大きく向上するとともに,耐熱性および耐ドライエッチング性も向上すること、露光波長に対して透明な平均粒子径を有する無機微粒子を用いると、感度および解像度も向上することを見いだし、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明のレジスト組成物は、感光性樹脂および感光性基を有する無機微粒子で構成されているレジスト組成物であって、前記無機微粒子が平均粒子径1〜100nmのコロイダルシリカで構成され、かつ前記無機微粒子の割合が、固形分換算で、前記感光性樹脂100重量部に対して、20〜300重量部である。前記無機微粒子の平均粒子径は、通常、露光波長よりも小さく、例えば、〜100nm程度であってもよい。レジスト組成物は、ネガ型又はポジ型のいずれであってもよく、水又はアルカリ現像可能であるのが好ましい。感光性樹脂は、オリゴマー又はポリマーと感光剤とで構成できる
本発明のレジスト組成物は、感光性樹脂と前記無機微粒子とを前記割合で混合することにより調製でき、必ずしも特殊なレジストを用いる必要はない。
本発明の方法には、感光性樹脂前記無機微粒子を前記割合で添加し、前記レジスト組成物における酸素プラズマ耐性,耐熱性および耐ドライエッチング性のうち少なくとも1つの特性を向上させる方法、前記レジスト組成物を基板に塗布し、露光した後、現像しパターンを形成する方法も含まれ、後者の方法では、現像によりパターンニングした後、酸素プラズマ処理することにより、パターンを形成してもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物(又はレジスト組成物)は、感光性樹脂と無機微粒子とで構成されている。なお、本明細書において、用語「感光性樹脂」は感光性オリゴマー又はポリマーと同義に用い、感光剤を含む組成物を含む意味でも用いる。
【0011】
[感光性樹脂]
(A)感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂又はポジ型感光性樹脂のいずれであってもよい。(A)感光性樹脂は、(A1)樹脂(オリゴマー又はポリマー)自体が感光性を有していてもよく、(A2)樹脂(オリゴマー又はポリマー)と、感光剤とを含む感光性樹脂で構成してもよい。通常、後者の感光性樹脂(A2)が利用される。
【0012】
(A1)感光性を有する樹脂には、ジアゾニウム塩基含有重合体、アジド基含有重合体、ポリケイ皮酸ビニルエステルなどのシンナモイル基やシンナミリデン基などの光二量化型官能基を有する重合体などが例示できる。
【0013】
(A2)感光性樹脂としては、極性又は非極性基を有する種々のポリマーが使用できる。好ましい感光性ポリマーは、極性基、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、カーボネート基、アミド基又はN−置換アミド基(−NHC(O)−,>NC(O)−など)、ニトリル基、グリシジル基、ハロゲン原子を含有している。感光性ポリマーは、(メタ)アクリロイル基,アリル基などの重合性基を有する重合性オリゴマー又はポリマーであってもよい。
【0014】
ヒドロキシル基含有ポリマーおよびその誘導体としては、例えば、ポリビニルアルコール系重合体、ポリビニルアセタール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、メチロールメラミン、それらの誘導体(例えば、アセタール化物やヘキサメトキシメチルメラミン)、ヒドロキシル基含有セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロースなど);カルボキシル基含有ポリマーおよびその誘導体としては、例えば、重合性不飽和カルボン酸を含む単独又は共重合体およびこれらのエステル((メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの単独又は共重合体もしくはそのエステルなど)、カルボキシル基含有セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース又はその塩など)など;エステル基含有ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステルなどのモノマーを含む単独または共重合体(例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル系樹脂など)、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、セルロースエステル類(セルロースアセテート,セルロースプロピオネートなど)などが例示できる。エーテル基を有するポリマーには、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、ケイ素樹脂、セルロースエーテル類(メチルセルロース,エチルセルロースなど)などが含まれ、カーボネート基含有ポリマーとしては、ビスフェノールA型ポリカーボネートなどが例示できる。
【0015】
前記アミド基又は置換アミド基を有するポリマーとしては、ポリオキサゾリン、ポリアルキレンイミンのN−アシル化物(前記ポリオキサゾリンに対応するポリマー、例えば、N−アセチルアミノ、N−ポリプロピオニルアミノ基などのN−アシルアミノ基を有するポリマー);ポリビニルピロリドンおよびその誘導体;ポリウレタン系重合体;ポリ尿素;ナイロン又はポリアミド系重合体;ビュレット結合を有するポリマー;アロハネート結合を有するポリマー、ゼラチンなどの蛋白類などが例示できる。
【0016】
前記ポリオキサゾリンの単体量としては、2−オキサゾリン、オキサゾリン環の2−位に置換基を有する2−置換−2−オキサゾリン(例えば、C1-4 アルキル基、ジクロロメチル,トリクロロメチル,ペンタフルオロエチル基などのハロアルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル,4−クロロフェニルなどの置換基を有するフェニル基、C1-4 アルコキシ−カルボニル基などの置換基を有するオキサゾリン類)などを挙げることができる。ポリオキサゾリンは単独重合体であっても共重合体であってもよく、ポリオキサゾリンは1種又は2種以上混合して使用できる。さらに、ポリオキサゾリンは、他のポリマーにオキサゾリンがグラフト重合した共重合であってもよい。
【0017】
前記ポリウレタン系重合体には、例えば、ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジソシアネートなど)と、ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオールなど)との反応により生成するポリウレタンが含まれ、ポリ尿素には、ポリイソシアネートとポリアミン(例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン)との反応により生成するポリマーなどが含まれ、ナイロン又はポリアミド系重合体には、ラクタム成分、ジカルボン酸成分やジアミン成分を用いたポリアミド(ナイロン66,ナイロン6,ナイロン610,ナイロン611,ナイロン612やこれらの変性ナイロンなど)、ポリ(メタ)アクリルアミド系重合体、ポリアミノ酸などが含まれる。なお、ポリアミドには、スターバーストデンドリマー(D.A.Tomalia.et al.,Polymer Journal,17,117(1985))も含まれる。
【0018】
ビュレット結合を有するポリマーには、前記ポリイソシアネートとウレタン結合を有する化合物との反応により生成するポリマー;アロハネート結合を有するポリマーには、前記ポリイソシアネートと尿素結合を有する化合物との反応により生成するポリマーが含まれる。ニトリル基を有するポリマーには、アクリロニトリル系重合体が含まれ、グリシジル基を有するポリマーとしては、例えば、エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体などが例示できる。ハロゲン含有ポリマーには、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン系ポリマー、塩素化ポリプロピレンなどが含まれる。
【0019】
他の有機ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルボキシル変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系樹脂などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を併用してもよい。
【0020】
重合性基を有する重合性オリゴマーには、ポリビニルフェノール誘導体、エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応などにより生成する樹脂)、ポリエステル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン(メタ)アクリレート[例えば、ジオール成分(ポリアルキレングリコールやポリエステルジオールなど)とジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートなど)とヒドキロシル基含有重合性単量体(2−ヒドロキシエチルメタクリレート,N−メチロールアクリルアミドなど)との反応生成物、ヒドロキシル基および重合性不飽和基を有する化合物(ヒドロキシエチルフタリル(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパンジアリルエーテルなど)とジイソシアネート(キシリレンイソシアネート,2,4−トリレンジイソシアネートなど)とのウレタン反応生成物など]、重合性ポリビニルアルコール系ポリマー(例えば、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物など)、ポリアミド系ポリマー[例えば、多価カルボン酸又はその酸無水物(ピロメリット酸二無水物など)およびヒドロキシル基含有重合性単量体(アリルアルコールなど)の反応により生成するカルボキシル基含有エステルと、必要によりカルボキシル基を酸ハライド基に変換するためのハロゲン化剤(塩化チオニルなど)と、ジアミン(p,p′−ジアミノジフェニルエーテルなど)との反応により生成するプレポリマー、カルボキシル基含有重合体(ポリ(メタ)アクリル酸又はマレイン酸の共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体など)とアミノ基含有重合性単量体(アリルアミンなど)との反応生成物など]、シリコーン樹脂型ポリマーなどが例示できる。好ましい(A1)感光性樹脂には、ウレタン(メタ)アクリレートなどが含まれる。
【0021】
前記(A1)(A2)感光性樹脂は、必要により、光重合性基を有する重合性単量体又はオリゴマーと併用してもよい。重合性単量体又はオリゴマーには、単官能性又は多官能性の光重合性化合物が含まれる。光重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルアミノ基、グリシジル基、アセチレン性不飽和基などが例示できる。
【0022】
単官能性光重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)クリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)クリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N´−メチレンス(メタ)アクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドンなどが例示できる。
【0023】
多官能性光重合性化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが例示できる。さらに、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンの(メタ)アクリル酸エステル、ジグリシジルフタレートの(メタ)アクリル酸エステル、N,N,N´,N´−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの(メタ)アクリル酸エステル、トリグリセリンとメチルアクリレートとのエステル交換反応生成物、ウレタン型(メタ)アクリレート、多価カルボン酸の不飽和エステル、不飽和酸アミド、無機酸とのエステルおよび金属塩、アセチレン性不飽和基を有するモノマー、グリシジル基を有するモノマーなどを使用することもできる。
【0024】
ウレタン型アクリレートには、例えば、ポリイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートなど)とヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)の反応生成物、ポリイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートなど)の一部のイソシアネート基とヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)とを反応させた後、さらに残余のイソシアネート基をアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)と反応させた反応生成物、ベンゾインにポリイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネートなど)とヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)とを反応させた反応生成物などを挙げることができる。
【0025】
多価カルボン酸の不飽和エステルとしては、例えば、多価カルボン酸(フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)をヒドロキシル基含有単量体(アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)でエステル化した多官能性単量体、例えば、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルクロレンダート、ジアリルアジベート、ジアリルジグリコレート、トリアリルシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのフタル酸エステル、アリルアルコールのトリメリット酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸を(メタ)アクリロイルクロライドでエステル化し、さらにエポキシ含有単量体(グリシジルメタクリレート)を付加させた化合物などが例示できる。
【0026】
不飽和酸アミドとしては、例えば、N,N´−メチレンビアクリルアミド、ヘキサメチレンビスアクリルアミドなどのアルキレンビスアクリルアミドの他、ポリアミンと不飽和酸との縮合物、水酸基を有する不飽和アミド(例えば、N−メチロールアクリルアミド)と多価カルボン酸、多価エポキシなどとの反応生成物などが例示できる。さらに、N−メチロールアクリルアミドの酸性化合物の存在下での反応生成物、1,3,3−トリメチル−1−アクリロイルアミノメチル−5−アクリロイルアミノシクロヘキサン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアクリル−S−トリアジン、N−アクリロイルヒドロキシエチルマレイミド、ε−カプロラクタムとテトラメチレンジアミンの反応で得られたオリゴマーにアクリル酸クロライドを反応させたビスアクリルアミド、N、N´−ビス(ε−アクリロイルヒドロキシエチル)アニリン、N−メチロールアクリルアミドとジエチレングリコールジグリシジルエーテルとの反応生成物なども含まれる。
【0027】
無機酸とのエステルや金属塩としては、例えば、アクリル酸亜鉛とアルコール溶性ポリアミド樹脂、リン酸のビス(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)エステルなどが例示できる。
【0028】
アセチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、アントラキノンと1−メトキシブテン−3−インから合成される9−(ω−メトキシブテニル)アントラキノール、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオールとヘキシルイソシアネートとの反応で得られるウレタンなどを挙げることができる。
【0029】
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルを挙げることができる。
【0030】
光重合性基を有する重合性単量体又はオリゴマーの使用量は、前記感光性樹脂100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは10〜300重量部程度の範囲から選択できる。
【0031】
前記(A2)感光性樹脂の感光剤は、感光性樹脂組成物のタイプに応じて、種々の光増感剤や光重合開始剤などが使用できる。
感光剤は、感光性樹脂の種類(ポジ型又はネガ型)に応じて、慣用の感光剤や増感剤、例えば、ジアゾニウム塩(ジアゾニウム塩、テトラゾニウム塩、ポリアゾニウム塩など)、キノンジアジド類(ジアゾベンゾキノン誘導体,ジアゾナフトキノン誘導体など)、アジド化合物(芳香族アジド化合物、特に芳香族ジアジド化合物など)、光酸発生剤(スルホン酸エステルやルイス酸塩など)および架橋剤(メチロールメラミン,アルコキシメチルメラミンなどのメラミン誘導体など)、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、光二量化増感剤、光重合開始剤[例えば、ケトン類(アセトフェノン,プロピオフェノン、アントラキノン,チオキサントン,ベンゾフェノン又はそれらの誘導体),ベンゾインエーテル又はその誘導体,アシルホスフィンオキシドなど]、溶解抑制剤などから選択できる。
感光剤の使用量は、例えば、感光性樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部程度の範囲から選択できる。
【0032】
好ましい感光性樹脂は、水又はアルカリ現像可能であり、このような感光性樹脂は、水又はアルカリ可溶性樹脂(極性基含有ポリマー)と、感光剤(キノンジアジド類,アジド化合物,溶解抑制剤,光酸発生剤,架橋剤など)と、必要により光重合性基を有する重合性単量体又はオリゴマーとで構成できる。代表的なネガ型感光性樹脂には、極性基含有ポリマー,光重合性基を有する重合性単量体又はオリゴマー,および感光剤(光重合開始剤,アジド化合物(芳香族ジアジド化合物など)光酸発生剤および架橋剤)などが含まれ、水又はアルカリ現像可能であるのが好ましい。代表的なポジ型感光性樹脂には、極性基含有ポリマー(ノボラック型フェノール樹脂,ポリビニルフェノール樹脂など)と、感光剤[キノンジアジド類(ジアゾベンソキノン誘導体,ジアゾナフトキノン誘導体など)、光酸発生剤および架橋剤]とで構成され、水又はアルカリ現像可能であるのが好ましい。
【0033】
フェノールノボラック樹脂としては、通常、アルカリ可溶性ノボラック樹脂が使用され、半導体製造用レジストとして利用する場合、レジスト分野で使用されている慣用のノボラック樹脂が使用できる。ノボラック樹脂は、分子内に少なくとも1つのフェノール性ヒドロキシル基を有するフェノール類とアルデヒド類とを、酸触媒の存在下、縮合することにより得ることができる。フェノール類としては、例えば、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、2,5−,3,5−または3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノールのC1-4 アルキルフェノール類、ジヒドロキシベンゼン、ナフトール類などが挙げられる。アルデヒド類には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールなどの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどの芳香族アルデヒドが含まれる。
【0034】
ポジ型感光性樹脂(特に半導体製造用レジスト)として利用する場合、前記感光剤のうちジアゾベンソキノン誘導体は、1,2−ベンゾキノン−4−スルホニルとヒドロキシル基含有化合物(多価フェノールなど)との反応により得ることができ、ジアゾナフトキノン誘導体は1,2−ナフトキノン−4−スルホニル又は1,2−ナフトキノン−5−スルホニルとヒドロキシル基含有化合物(多価フェノールなど)との反応により得ることができる。
【0035】
感光性樹脂は露光波長によっても選択できる。例えば、g線(436nm)やi線(365nm)を露光波長として用いる場合、感光性樹脂はノボラック樹脂とキノンジアジド類(ジアゾナフトキノン誘導体など)とで構成してもよい。KrFエキシマーレーザー(248nm)を露光源として利用する場合には、化学増感系の感光性樹脂、例えば、ポリビニルフェノール樹脂誘導体と感光剤(酸発生剤,溶解抑制剤など)とで構成されたポジ型感光性樹脂や、ポリビニルフェノール樹脂と感光剤(酸発生剤および架橋剤など)とで構成されたネガ型感光性樹脂などが利用できる。
ArFエキシマーレーザー(193nm)を露光源として利用する場合には、化学増感系の感光性樹脂、例えば、脂環式ポリマーと感光剤(酸発生剤,溶解抑制剤など)とで構成されたポジ型感光性樹脂や、脂環式ポリマーと感光剤(酸発生剤および架橋剤など)とで構成されたネガ型感光性樹脂などが利用できる。
【0036】
[無機微粒子]
(B)無機微粒子(無機フィラー)を感光性樹脂に添加すると、酸素プラズマ耐性,耐熱性および耐ドライエッチング性を大きく改善できる。さらに、無機微粒子の添加により感度および解像度も改善される。感度および解像度が向上する理由は明確ではないが、ポジ型感光性樹脂組成物では、露光部で溶解が促進され、非露光部で溶解が抑制され、ネガ型感光性樹脂組成物では、露光部で溶解が抑制され、非露光部で溶解が促進されるためであると推測される。そのため、パターンプロファイルとして高いコントラスト(γ値)の断面矩形のパターンを形成でき、解像度を大幅に改善できる。また、パターン露光の焦点が若干ずれていたとしても、フォーカス余裕度を大きく向上できる。
さらに、露光波長よりも平均粒子径が小さな無機微粒子(すなわち、露光波長に対して実質的に透明な無機微粒子)を用いると、光の吸収,散乱,反射の影響がなく、高い濃度で無機微粒子を充填できる。さらに、無機微粒子を混合するため、感光性樹脂との割合(充填量)を容易かつ精度よくコントロールできる。 特に無機微粒子としてシリカ(コロイダルシリカなど)を用いると、レジスト性能(感度および解像度など)を低下させることなく、ケイ素含有量を増大させることができ、酸素プラズマ耐性を大きく改善できる。
【0037】
無機微粒子としては、酸素プラズマ耐性,耐熱性,耐ドライエッチング性などを損なわない範囲で選択でき、例えば、金属単体(金,銀,銅,白金,アルミニウムなど)、無機酸化物、無機炭酸塩、無機硫酸塩、リン酸塩などが使用できる。無機酸化物としては、シリカ(コロイダルシリカ,アエロジル,ガラスなど)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉛、酸化イットリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化マグネシウムなどが例示でき、炭酸塩には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが例示でき、硫酸塩には、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが例示できる。リン酸塩には、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどが含まれる。無機微粒子には、ゾル−ゲル法などにより調製されたゾルやゲルなども含まれる。これらの無機微粒子は単独で又は二種以上混合して使用できる。
微粒子の形状は、球状に限らず、楕円形状、偏平状、ロッド状又は繊維状であってもよい。微粒子の平均粒子径は、通常、露光波長よりも小さい(すなわち、露光波長に対して実質的に透明である)。微粒子の平均粒子径は、パターンの微細化の程度などに応じて、例えば、BET法による平均粒子径1〜1000nm程度の範囲から選択でき、通常、平均粒子径2〜1000nm(特に5〜500nm)程度である。なお、微粒子としては、BET法による平均粒子径1〜100nm、特に2〜100nm(好ましくは5〜50nm,さらに好ましくは7〜30nm)程度の単分散した無機微粒子(特にコロイダルシリカなど)を用いるのが有利である。単分散した無機微粒子(特にコロイダルシリカ)はオルガノゾル(オルガノシリカゾル)として市販されており、例えば、「スノーテックス コロイダルシリカ」として日産化学工業(株)などから入手できる。
【0038】
無機微粒子の表面は、相分離を抑制したり特定の機能を付与するため、官能基(例えば、前記感光性樹脂との親和性や相溶性を高める基,反応性を有する基,あるいは感光性基など)などにより修飾してもよい。修飾基(以下、単に官能基という場合がある)を有する微粒子は、無機微粒子(B1)と、この微粒子に導入された修飾基(官能基など)(B2)とで構成できる。前記官能基(B2)は、例えば、加水分解重合性有機金属化合物又は縮合物との反応により導入できる。加水分解重合性有機金属化合物は、通常、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、又は周期律表III〜V族金属元素を含む。好ましい金属元素は、周期律表IIIb族、IVa族およびIVb族金属元素、例えば、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、特にアルミニウムおよびケイ素(中でもケイ素)である。これらの金属は前記化合物又は縮合物に単独で又は二種以上併存していてもよい。
【0039】
無機微粒子(B1)は、官能基(B2)として反応性基又は感光性基(特に重合性の感光性基)を有するのが好ましい。反応性基には、加水分解重合性基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基などのC1-10アルコキシ基、ハロゲン原子(臭素,塩素原子など)などが含まれ、C1-4 アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(中でもメトキシ基およびエトキシ基)が好ましい。感光性基には、前記感光性基(ジアゾニウム塩基,アジド基,シンナモイル基,シンナミリデン基,重合性基など)、特に重合性基((メタ)アクリロイル基,アリル基,ビニル基など)が含まれる。
【0040】
加水分解重合性有機金属化合物のうち、アルミニウムを含む有機金属化合物としては、例えば、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミネートなどが例示でき、チタンを含む化合物としては、例えば、トリメトキシチタネート、テトラメトキシチタネート、トリエトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、クロロトリメトキシチタネート、クロロトリエトキシチタネート、エチルトリメトキシチタネート、メチルトリエトキシチタネート、エチルトリエトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネート、フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエトキシチタネートなどが例示でき、ジルコニウムを含む化合物には、例えば、前記チタン含有化合物に対応するジルコネートが含まれる。
【0041】
ケイ素含有化合物には、下式で表される化合物が含まれる。
(R1 n Si(OR2 4-n
(式中、R1 は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基またはアリール基、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R1 およびR2 は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数である)
ケイ素含有化合物としては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが例示できる。これらの化合物のうち、好ましい化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラC1-4 アルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシランなどのモノC1-4 アルキルトリC1-4 アルコキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどのジC1-4 アルキルジC1-4 アルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのモノアリールトリC1-4 アルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどジアリールジC1-4 アルコキシシランなどが例示できる。
【0042】
前記有機金属化合物は、感光性基を有するのが好ましく、感光性基には、前記官能基(B2)の項で例示の感光性基、特に重合性基が含まれる。
【0043】
重合性基を有する加水分解重合性有機金属化合物としては、重合性基を有するシラン化合物、例えば、(メタ)アクリロイル基と加水分解性基とを有する化合物[N−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキン)シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシランなど]、アリル基と加水分解性基とを有する化合物[アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリス(トリメチルシロキシ)シランなど]、ビニル基と加水分解性基とを有する化合物[ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルメチルビス(メチルエチルケトキシミン)シラン、ビニルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエチルとシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリス−t−プトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、ビニルトリスイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなど]、KBM1003(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM1063(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM1103(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM1403(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM503(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM502(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM5103(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM5102(商品名;信越化学工業(株)製)、KBM5403(商品名;信越化学工業(株)製)などが例示できる。 これらの加水分解重合性有機金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0044】
加水分解重合性基及び/又は感光性基を有する有機金属化合物のうちケイ素含有有機化合物が好ましく、感光性基を有する加水分解重合性有機金属化合物としては、重合性基を有するシラン化合物が好ましい。
【0045】
前記官能基は、無機微粒子(B1)と前記加水分解重合性基及び/又は感光性基を有する有機金属化合物(特に前記加水分解重合性有機金属化合物、中でもシランカップリング剤やチタンカップリング剤など)との反応、表面グラフト重合法、CVD法などを利用して微粒子(B1)に導入できる。
【0046】
無機微粒子(B1)に対する官能基(B2)の導入量は、官能基を有する化合物換算で、無機微粒子(B1)100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物において、無機微粒子の割合は、感度,パターンの解像度などを損なわない範囲で選択でき、通常、固形分換算(加熱により生成する成分(縮合水やアルコールなど)を含まない)で、感光性樹脂100重量部に対して、無機微粒子5重量部以上である。無機微粒子の上限量は、感光性樹脂組成物が成膜可能な量(例えば、通常、1000重量部以下)であればよい。無機微粒子の割合は、感光性樹脂100重量部に対して、10〜500重量部(例えば、10〜400重量部)、好ましくは20〜300重量部、さらに好ましくは30〜300重量部(例えば30〜200重量部)、特に50〜150重量部程度であり、20〜50重量部程度であっても高い酸素プラズマ耐性が得られる。無機微粒子の含有量が20重量%以上であると酸素プラズマ耐性を大きく向上でき、無機微粒子の含有量が50重量%以上となると酸素プラズマにより実質的にエッチングされない耐性を有する。
【0048】
[他の成分]
感光性樹脂組成物は、必要であれば、前記(A)感光性樹脂および(B)無機微粒子に加えて(C)加水分解重合性金属化合物又はその縮合物を含んでいてもよい。
(C)加水分解重合性有機金属化合物又はその縮合物は、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、又は周期律表III〜V族金属元素(周期律表IIIb族、IVa族およびIVb族金属元素、例えば、Al,Ti,Zr,Si)を含んでおり、前記官能基(B2)の項に記載の有機金属化合物又はその縮合物が例示できる。
【0049】
加水分解重合性基には、例えば、前記例示のC1-10アルコキシ基、ハロゲン原子が含まれ、C1-4 アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(中でもメトキシ基およびエトキシ基)が好ましい。前記化合物又は縮合物は、単独又は複数の異なる加水分解重合性基を有していてもよい。なお、縮合性又は重合性を付与するため、加水分解重合性有機金属化合物は、通常、2以上の加水分解重合性基を有している。
加水分解重合性基を有する有機金属化合物としては、前記と同様のアルミニウム含有化合物,チタン含有化合物,ジルコニウム含有化合物,ケイ素含有化合物などが例示できる。
前記有機金属化合物は、感光性基を有するのが好ましく、感光性基には、前記官能基(B2)の項で例示の感光性基、特に重合性基が含まれる。
重合性基を有する加水分解重合性有機金属化合物としては、前記と同様の重合性基を有するシラン化合物、例えば、(メタ)アクリロイル基,アリル基およびビニル基から選択された重合性基と加水分解性基とを有する化合物などが例示できる。
【0050】
なお、加水分解重合性有機金属化合物又はその縮合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、加水分解重合性有機金属化合物は予備縮合した縮合物としても使用できる。特に、感光性基(特に重合性基)を有する加水分解重合性有機金属化合物は、非感光性(重合性)の加水分解重合性有機金属化合物と縮合して使用できる。例えば、(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有するアルコキシシラン化合物と、アルコキシシラン化合物とを縮合することにより、感光性基を有する縮合物として使用できる。さらに、架橋密度や生成物の特性などを調整するため、トリアルキルモノアルコキシシランなどを添加又は縮合させてもよい。
【0051】
加水分解重合性有機金属化合物は、焼成により無機相を構成するのに有効である。なお、保存安定性を高めるため、加水分解性基(例えばシラノール基)を保護するため、保護剤(例えば、t−ブタノール、i−プロパノールなどのアルコール)を添加又は反応(エーテル化など)させてもよい。また、加水分解の触媒となる酸又は塩基(例えば、塩酸、アンモニアなど)の濃度を、中和などの操作により低減することも有効である。
【0052】
(C)加水分解重合性有機金属化合物又はその縮合物の使用量は、固形分換算で、(A)感光性樹脂100重量部に対して,(C)加水分解重合性有機金属化合物又はその縮合物10〜2500重量部(好ましくは50〜2000重量部、さらに好ましくは100〜1500重量部、特に200〜1500重量部程度である。
【0053】
感光性樹脂組成物は、必要により、光反応促進剤(重合促進剤など)、例えば、ジアルキルアミノ安息香酸又はその誘導体、トリフェニルホスフィン、トリアルキルホスフィンなどを含有していてもよい。さらに、組成物には、酸化防止剤など安定剤、可塑剤、界面活性剤、溶解促進剤、染料や顔料などの着色剤などの種々の添加剤を添加してもよい。さらに、感光性樹脂組成物は、塗布性などの作業性を改善するため、溶媒(水,アルコール類,グリコール類,セロソルブ類,ケトン類,エステル類,エーテル類,アミド類、炭化水素類などの有機溶剤)を含んでいてもよい。
【0054】
本発明の感光性樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、(A)感光性樹脂,(B)無機微粒子(無機フィラー)と、必要により他の成分を混合することにより調製できる。感光性樹脂組成物は、通常、溶媒(特にアルコール類などの親水性溶媒)を含有している。各成分は同時に混合してもよく、適当な順序で混合してもよい。
【0055】
[感光層の構造]
前記感光性樹脂組成物を基体に適用することにより、感光層を形成できる。基体としては、パターンの特性や用途に応じて、金属(アルミニウム),ガラス,セラミックス(アルミナ,銅ドープアルミナ,タングステンシリケートなど),プラスチックなどから適当に選択でき、シリコンウェハーなどの半導体基板であってもよい。
【0056】
基体は、用途に応じて、感光層との密着性を向上させるため、予め、表面処理してもよい。表面処理には、例えば、前記シランカップリング剤(重合性基を有する加水分解重合性シランカップリング剤など)などによる表面処理、アンカーコート剤又は下地剤(ポリビニルアセタール,アクリル系樹脂,酢酸ビニル系樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂など)、又はこれらの下地剤と無機微粒子との混合物によるコーティンク処理などが含まれる。
本発明の感光性樹脂組成物による感光層は、酸素プラズマ耐性,耐熱性,耐ドライエッチング性などに優れるので、レジスト層の少なくとも表面に形成するのが好ましい。感光層の構造は、パターン形成プロセスや回路構造などに応じて選択でき、単層構造や多層構造(又は複合構造)であってもよい。例えば、単層構造の感光層は、基体上に単層の感光層を形成してパターンを形成する単層プロセスに利用でき、特にドライエッチングにより、耐熱性のパターンを形成するのに適している。多層構造(又は複合構造)の感光層は、酸素プラズマ耐性を大きく向上できるので、露光波長がリソグラフィの解像度限界付近でも解像度を高めるために有利である。例えば、2層構造の感光層は、基体上に下地レジスト層を形成し、この下地レジスト層上に感光層を形成して露光した後、現像によりパターニングし、酸素プラズマなどにより下地レジスト層をエッチングしてパターンを形成する2層プロセスに利用でき、3層構造の感光層は、基体上に下地層、中間層および感光層とを順次形成し、露光した後、現像によりパターニングし、中間層,下地層をエッチングする多層プロセスに利用できる。前記下地層や中間層は、前記感光性樹脂と無機微粒子とで構成された組成物や、無機微粒子を含まない感光性樹脂で形成してもよい。
【0057】
感光層の厚みは特に制限されず、例えば、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、好ましくは1〜20μm程度の範囲から選択でき、通常、1〜10μm(例えば、1〜5μm)程度である。
【0058】
前記感光層は、慣用のコーティング方法、例えば、スピンコーティング法、ディッピング法、キャスト法などにより行うことができ、必要により、乾燥して溶媒を除去して感光層を形成できる。
【0059】
[パターン形成方法]
パターン(特に微細なパターン)は、露光,現像やエッチングなどを組み合わせた慣用のリソグラフィー技術を利用して行うことができる。感光層に対する露光は、慣用の方法、例えば、所定のマスクを介して光線をパターン照射又は露光することにより行うことができる。光線としては、感光性樹脂組成物の感光特性,パターンの微細度などに応じて種々の光線(例えば、ハロゲンランプ,高圧水銀灯,UVランプ,エキシマーレーザー,電子線、X線などの放射光など)が利用でき、通常、波長100〜500nm程度の光線、特に紫外線や遠紫外線などが利用できる。なお、露光エネルギーは、前記感光性樹脂組成物の感光特性(光硬化性など)に応じて選択でき、露光時間は、通常、0.01秒〜20分、好ましくは0.1秒〜1分程度の範囲から選択できる。
【0060】
パターン露光の後、慣用の方法で現像することにより解像度の高いパターンを形成できる。現像には、感光性樹脂組成物の種類(特にネガ型又はポジ型)に応じて種々の現像液(水,アルカリ水溶液,有機溶媒又はこれらの混合液)が使用できる。好ましい現像液は水又はアルカリ現像液であり、必要であれば、少量の有機溶媒(例えば、メタノール,エタノール,イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、セロソルブアセテート類などの親水性又は水溶性溶媒)や界面活性剤などを含んでいてもよい。現像法も特に制限されず、例えば、パドル(メニスカス)法,ディップ法,スプレー法などが採用できる。
【0061】
なお、感光性樹脂組成物の塗布からパターン形成に至る工程のうち適当な工程で、塗膜(感光層)を適当な温度で加熱又は硬化処理してもよい。例えば、露光した後、必要により加熱処理してもよい。
【0062】
本発明の方法には、感光性有機成分に無機微粒子を添加し、酸素プラズマ耐性,耐熱性および耐ドライエッチング性のうち少なくとも1つの特性を向上させる方法、前記感光性樹脂組成物を基板に塗布し、露光した後、現像しパターンを形成する方法も含まれ、後者の方法では、現像によりパターンニングした後、酸素プラズマ処理することにより、パターンを形成してもよい。 本発明は、半導体集積回路を形成するためのレジストパターン(特に微細パターンや耐熱性パターン)を形成する上で有用であるが、刷版材料,紫外線硬化型塗料やインキなどにも適用できる。
【0063】
【発明の効果】
本発明では、無機微粒子を添加するという簡単な操作で、慣用のレジストやリソグラフィ技術を利用して、酸素プラズマ耐性,耐熱性や耐ドライエッチング性を大きく改善できる。また、既存のレジストであっても、感度および解像度を大きく改善でき、微細パターン形成用レジストとして有用である。さらに、パターンプロファイル,フォーカス余裕度を大幅に改善できる。
【0064】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
参考例1〜4および比較例1
[感光性樹脂組成物の調製]
(i)感光性樹脂
(1)ノボラック樹脂(ベース樹脂):メタクレゾール、パラクレゾール、3,5−キシレノール、ホルマリンを常法に従って反応させて得られた重量平均分子量9500のノボラック樹脂を用いた。
(2)ジアゾナフトキノン誘導体:下記式(A)
【0065】
【化1】
Figure 0004022312
で表されるフェノール化合物とナフトキノン−(1,2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸クロリドとを、仕込み比1:1.3(モル比)でジオキサン中でトリエチルアミンを触媒として反応させ、ジアゾナフトキノン化合物を得た。
【0066】
そして、ノボラック樹脂(15重量部),ジアゾナフトキノン化合物(7重量部),溶媒としてのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(78重量部)からなるポジ型フォトレジストを調製した。
【0067】
(ii)コロイダルシリカ
コロイダルシリカとして、オルガノシリカゾル(日産化学(株),商品名スノーテックス,MEK−ST,メチルエチルケトンを溶媒とする固形分30重量%のコロイダルシリカ溶液,平均粒子径10〜20nm)を用いた。
そして、前記感光性樹脂とコロイダルシリカとを表1に示す割合で混合し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0068】
[感度、解像度、γ(ガンマ)値、耐熱性および酸素プラズマ耐性の評価]
洗浄したシリコンウエハーに、回転塗布機を用いて上記感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が1.6μmとなるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光機((株)ニコン製、NSR1755i7A,NA=0.5)を用いて、線幅の異なるラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、露光量を段階的に変化させて露光した。このウエハーを、ホットプレートにて110℃で1分間ベークした。そして、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間パドル現像して、ポジ型パターンを得た。
【0069】
このポジ型パターンにつき、以下のようにして評価した。
感度:0.5ミクロンのラインアンドスペースが1:1の幅になる露光量で表示した(値が小さいほど、高感度である)。
解像度:ラインアンドスペースが1:1の幅になる露光量で膜減りなく分離するライン幅の最小寸法を走査型顕微鏡で観察した(値が小さいほど、高解像度である)。
γ(ガンマ)値:露光量の対数に対する規格化膜厚(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾き角度θをもとめ、tanθをγ値とした(一般にγ値が高いほど高解像度である)。
耐熱性:現像後のウエハーを温度の異なるホットプレート上に5分間保持し、500μm幅のパターンが変形(特にパターンの端部)し始める温度を耐熱性の指標とした(この温度が高いほど高耐熱性である)。
酸素プラズマ耐性:現像後のウエハーを、プラズマエッチング装置(東京真空(株)製,SUPER COAT N400型)を用い、以下の条件で酸素プラズマエッチングを行った。
給電方式:カソードカップル,電極サイズ:80mmφ
処理ガス:酸素,圧力:0.065Torr,rf印加電圧:85W,
rf電力密度:1.69W/cm2 ,処理時間:5分
エッチング後の膜厚を測定し、エッチングにより消失した膜の厚さをエッチング時間で割り、酸素プラズマ速度(O2-RIE Rate,オングストロームA/sec)として表示した。この酸素プラズマ速度の値が小さいほど酸素プラズマ耐性が高い。
結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0004022312
参考例5
前記感光性樹脂とコロイダルシリカとの割合を1:2(固形分重量比)とする以外、参考例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製して評価したところ、耐熱性170℃、O2-RIE Rate=0A/secであった。
【0071】
参考例6
前記感光性樹脂とコロイダルシリカとの割合を1:4(固形分重量比)とする以外、参考例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製して評価したところ、耐熱性190℃、O2-RIE Rate=0A/secであった。
【0072】
図1にO2-RIE Rateと感光性樹脂組成物中のコロイダルシリカ含有量との関係を示す。
【0073】
参考例7〜9および比較例2
[感光性樹脂組成物の調製]
(i)感光性樹脂
(1)水酸基のうち30モル%をt−BOC(ターシャリーブトキシカルボニルオキシ基)で置換した重量平均分子量8000のビニルフェノール樹脂1重量部に、下記式(D)で表される酸発生剤0.002重量部を添加し、溶媒としてのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート60重量部と混合することにより、ポジ型フォトレジストを調製した。
【0074】
【化2】
Figure 0004022312
(ii)コロイダルシリカ
コロイダルシリカとして、オルガノシリカゾル(日産化学(株),商品名スノーテックス,NPC−ST,エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルを溶媒とする固形分20重量%のコロイダルシリカ溶液,平均粒子径10〜20nm)を用いた。
そして、前記感光性樹脂とコロイダルシリカとを表2に示す割合で混合し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0075】
[感度、解像度、耐熱性および酸素プラズマ耐性の評価]
洗浄したシリコンウエハーに、回転塗布機を用いて上記感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように塗布し、ホットプレートにて80℃で1分間ベークした。次いで、248nmの露光波長を有する縮小投影露光機((株)ニコン製、KrFエキシマーレーザーステッパー,NA=0.45)を用いて、線幅の異なるラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、露光量を段階的に変化させて露光した。このウエハーを、ホットプレートにて100℃で1分間ベークした。そして、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間パドル現像して、ポジ型パターンを得た。
【0076】
このポジ型パターンにつき、以下のようにして評価した。
感度:0.4ミクロンのラインアンドスペースが1:1の幅になる露光量で表示した(値が小さいほど、高感度である)。
解像度,耐熱性および酸素プラズマ耐性は、参考例1〜4と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0004022312
参考例10〜12および比較例3
[感光性樹脂組成物の調製]
(i)感光性樹脂
(1)ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達(株)製,HPC−SL)10重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製,ライトエステルTMP)2.5重量部、ポリエチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学(株)製,ライトエステル9EG)7.5重量部、重合開始剤としてのベンゾインメチルエーテル0.5重量部、溶媒としてのエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート50重量部を混合することにより、ネガ型フォトレジストを調製した。
【0078】
(ii)コロイダルシリカ
コロイダルシリカとして、オルガノシリカゾル(日産化学(株),商品名スノーテックスメタノールシリカゾル,メタノールを溶媒とする固形分30重量%のコロイダルシリカ溶液,平均粒子径10〜20nm)を用いた。
そして、前記感光性樹脂とコロイダルシリカとを表3に示す割合で混合し、感光性樹脂組成物を調製した。
【0079】
[感度、解像度、耐熱性および酸素プラズマ耐性の評価]
洗浄したシリコンウエハーに、回転塗布機を用いて上記感光性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように塗布し、ホットプレートにて80℃で1分間ベークした。次いで、436nmの露光波長を有する縮小投影露光機((株)ニコン製、ステッパー,NA=0.54)を用いて、線幅の異なるラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して、露光量を段階的に変化させて露光した。このウエハーを、ホットプレートにて100℃で1分間ベークした。そして、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間パドル現像して、ネガ型パターンを得た。
【0080】
このネガ型パターンにつき、以下のようにして評価した。
感度:0.8ミクロンのラインアンドスペースが1:1の幅になる露光量で表示した(値が小さいほど、高感度である)。
解像度,耐熱性および酸素プラズマ耐性は、参考例1〜4と同様にして評価した。
結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
Figure 0004022312
実施例1〜3
参考例3,9および12のコロイダルシリカに代えて、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理したオルガノシリカゾル(日産化学(株),商品名スノーテックス,MEK−ST,平均粒子径10〜20nm)を用いる以外、参考例3,9および12と同様にして感光性樹脂組成物を得た。
【0082】
なお、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで処理したオルガノシリカゾルは、シリカ微粒子(日産化学工業(株)製,商品名スノーテックス,MEK−ST,固形分30重量%)25gに3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.275g,メタノール111gを加えて、室温下で24時間撹拌することにより、シリカ微粒子の表面に感光性基を導入した。その後、メタノール含有量を調整し、粒子の固形分重量が30重量%に調整した。日本電子(株)製,JNM−GSX270型炭素−13NMR測定装置を用いて、固体状態で、得られた処理シリカ微粒子のスペクトルを測定したところ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来するプロピル基(10、16、24ppm),メトキシ基(50ppm),メチル基(66ppm),カルボニル基(168ppm)に起因する炭素の吸収が認められ、シリカ微粒子の表面に感光性基が導入付与されていることを確認した。
【0083】
そして、前記参考例3,9および12と同様にして感光性樹脂組成物の特性を評価したところ、下記の結果を得た。
参考例3に対応する実施例
感度 130(msec),解像度 0.30(μm),耐熱性 150℃,酸素プラズマ耐性 2A/sec
参考例9に対応する実施例
感度 50(msec),解像度 0.25(μm),耐熱性 140℃,酸素プラズマ耐性 3A/sec
参考例12に対応する実施例
感度 50(msec),解像度 0.5(μm),耐熱性 160℃,酸素プラズマ耐性 3A/sec
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は酸素プラズマ速度(O2-RIE Rate)と感光性樹脂組成物中のコロイダルシリカ含有量との関係を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 感光性樹脂および感光性基を有する無機微粒子で構成されているレジスト組成物であって、前記無機微粒子が平均粒子径1〜100nmのコロイダルシリカで構成され、かつ前記無機微粒子の割合が、固形分換算で、前記感光性樹脂100重量部に対して、20〜300重量部であるレジスト組成物
  2. 無機微粒子の平均粒子径が、露光波長よりも小さい請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 水又はアルカリ現像可能である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
  4. 感光性樹脂が、オリゴマー又はポリマーと感光剤とで構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト組成物。
  5. アルカリ可溶性樹脂と感光剤とで構成された感光性樹脂100重量部に対して、平均粒子径2〜100nmの無機微粒子30〜300重量部で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のレジスト組成物。
  6. 感光性樹脂と感光性基を有する無機微粒子とを混合する請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物の製造方法。
  7. 感光性樹脂感光性基を有する無機微粒子を添加し、請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物における酸素プラズマ耐性,耐熱性および耐ドライエッチング性のうち少なくとも1つの特性を向上させる方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のレジスト組成物を基板に塗布し、露光した後、現像しパターンを形成する方法。
  9. 現像によりパターンニングした後、酸素プラズマ処理する請求項記載の方法。
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