JP4018795B2 - ホース巻取装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
この発明は、農薬などを噴霧する際に使用するホースの巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
広範囲に比較的大量の薬剤を連続的に散布する場合、通常長尺のホースを装着した巻取装置を用いている。即ち、ホースを巻き戻して延ばした状態で巻取装置から距離的に遠い範囲から薬剤を散布し、巻取装置でホースを巻き取りながら次第に近い範囲に散布するようにしている。
【0003】
【発明の課題】
しかしながら、巻取装置の巻取ドラムは一定の回転速度で駆動されているため、巻き取りが進行して巻き径が太くなると周速が早くなるため、散布作業の動作を早める必要があり、作業開始から終了まで均等に薬剤を散布できないことが多い。
【0004】
そこで、この発明の課題は、ホースの巻取速度を一定にして散布作業をほぼ一定動作で行なうことができるようにすることである。
【0005】
【課題の解決手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、モータによって回転駆動されるホース巻取りリールの軸方向に往復動してホースを前記リールに整列巻きするトラバーサと、このトラバーサに取り付けられ前記整列巻きしたホースに接触しながら追従してホースの巻取段数を検出するフォロワーアームと、このフォロワーアームによって検出した巻取段数に応じて前記モータの回転速度を変化させる制御手段によってホース巻取装置を構成したのである。
【0006】
前記フォロワーアームを、前記リールの半径方向に回動自在に設け、このアームの回動によって作動される複数のリミットスイッチを設け、これらのリミットスイッチをホースの巻取段数に対応して配置しておくのが好ましい。
【0007】
前記フォロワーアームを、前記リールの半径方向に回動自在に設け、このアームの回動に応じて単一の可変抵抗器の可変エレメントを作動させる手段を設けておくことができる。
【0008】
前記各リミットスイッチに直列に可変抵抗器を挿入し、各可変抵抗器は先行の可変抵抗器に直列に接続してモータの回転速度を制御することができる。
【0009】
【実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1乃至図3に示すように、ベースフレーム1の前端部には、移動用の車輪2、2が取り付けられており、後端部には、接地用支持脚3が固定され、ハンドル4を持って人力で巻取装置を所定の位置まで移動させて設置できるようになっている。
【0010】
前記ベースフレーム1には、モータ5が取り付けられ、ホースリール6をプーリ・ベルト手段7によって回転させるようになっている。このリール6は、ホースHをトラバーサ8によって順次整列巻きし、図1の鎖線で示すように、5乃至6段巻き上げることができるようになっている。トラバーサ8は、ねじ軸9に係合してねじ軸9の回転と共に横方向に往復移動するトラバース台10と、このトラバース台10に取り付けられたガイドロール11、12、13より成る。ガイドロール11はホースHを挟持して一定位置に保持し、ガイドロール12、13はホースHをリール6の外周へ導く。なお、前記ねじ軸9は、前記リール6の軸にチエン・スプロケット手段9aによって接続され駆動されている。また、トラバース台10の下部は、一対のガイド棒14a、14bにスライド可能に係合して、トラバース台10の姿勢を保持している。
【0011】
前記トラバース台10の上端部には、リール6に巻回されたホースHの外周に先端が接触するフォロワーアーム15の基部が回動可能に取り付けられ、ホースHの巻き段数が多くなるに従ってアーム15の角度が変化するようになっている。なお、アーム15の先端にローラ15aを取り付けて、アーム15がスムーズに巻き段の外周に追従するようにしておくのが好ましい。また、アーム15は自重によってホース外周に接触するようになっているが、わずかの弾性を与えておいてもよい。
【0012】
前記アーム15の基部には、作動子15bが固定され、アームの回動と共に回動し、一定間隔で配置された複数のリミットスイッチ16を順次作動させる。これらのリミットスイッチ16は、図4に示すように、ホースHの巻取段数に応じて例えば巻取段数が6段であれば5個配置されており、それぞれのリミットスイッチ16a……16eは、可変抵抗器R1 〜R6 が直列に挿入された図4のような回路を形成し、リミットスイッチ16a……16eが順次オンするに従って先行する可変抵抗器R1 に後続の可変抵抗器R2 ……が順次直列に接続し、総抵抗値が増加するようになっている。従って、抵抗器R1 ……R6 の値を適当に調節することによって、モータ5の回転速度を制御部17で1速から6速まで調節することができ、図5に示すように、巻取段数が変化してもホースの巻取速度を一定にすることができる。
【0013】
図6及び図7に示すように、アーム15を回動支持している軸に、例えば歯車15cなどを固定してアーム15と共に回転するようにし、この歯車15cと可変抵抗器VRの回転軸に固定した歯車18をかけ合せ、直接可変抵抗器VRの値を変化させて制御部17によりモータ5の回転速度を調節してもよい。またスライド式可変抵抗器の場合は、可変エレメント(スライダ)とアーム15をリンクで連結すればよい。
【0014】
ホースの巻き段数の検出は、前述のような機械的検出方法のほか、光センサを用いてもよい。制御部17では、マイクロコンピュータによって巻き段数を演算し、適当な電圧をモータ5に与えて回転速度を調節すればよい。
【0015】
また、上記の実施形態においては、ホースの巻取速度をほぼ一定としたが、次第に遅くするように制御することも可能である。
【0016】
【効果】
この発明によれば、以上のように、ホース巻取装置の巻き段数を検出して巻取リールを駆動するモータの回転速度を制御し、ホースの巻取速度を調節するようにしたので、伸長したホースが次第に短くなるに従って作業動作を速める必要はなくなり、例えば薬剤の噴霧を均一に行なうことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のホース巻取装置の一例を示す側面図
【図2】同上の正面図
【図3】同上の一部破断平面図
【図4】ホース巻取装置の制御回路を示す線図
【図5】制御回路の作用を示す線図
【図6】ホース巻取装置の他の例を示す要部拡大側面図
【図7】同上の制御回路を示す線図
【符号の説明】
1 ベースフレーム
2 車輪
3 支持脚
4 ハンドル
5 モータ
6 リール
7 プーリベルト手段
8 トラバーサ
9 ねじ軸
9a チエン・スプロケット手段
10 トラバース台
11、12、13 ガイドロール
14a、14b ガイド棒
15 フォロワーアーム
15a ローラ
15b 作動子
15c 歯車
16 リミットスイッチ
16a……16e 各リミットスイッチ
17 制御部
18 歯車
R1 ……R2 可変抵抗器
VR 可変抵抗器
H ホース
Claims (4)
- モータによって回転駆動されるホース巻取りリールの軸方向に往復動してホースを前記リールに整列巻きするトラバーサと、このトラバーサに取り付けられ前記整列巻きしたホースに接触しながら追従してホースの巻取段数を検出するフォロワーアームと、このフォロワーアームによって検出した巻取段数に応じて前記モータの回転速度を変化させる制御手段より成るホース巻取装置。
- 前記フォロワーアームは、前記リールの半径方向に回動自在に設けられ、このアームの回動によって作動される複数のリミットスイッチが設けられ、これらのリミットスイッチがホースの巻取段数に対応して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のホース巻取装置。
- 前記フォロワーアームは、前記リールの半径方向に回動自在に設けられ、このアームの回動に応じて単一の可変抵抗器の可変エレメントを作動させる手段が設けられた請求項1に記載のホースの巻取装置。
- 前記各リミットスイッチに直列に可変抵抗器が挿入され、各可変抵抗器は先行の可変抵抗器に直列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のホースの巻取装置。
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