JP4018289B2 - 現像ブレードの製造方法 - Google Patents

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    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤を介して成形したポリアミド系成形物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、電子写真方式を用いた複写機、レーザービームプリンター等に用いられる、導電性ローラ、現像剤担持・規制部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来電子写真部品においては、板金、芯金等の支持部材に接着剤を塗布し、必要に応じて導電化した、ウレタンゴム、シリコーンゴム、EPDM等のゴム材料を、加硫接着もしくは加硫後に熱圧着して用いているが、摩擦帯電性、耐摩耗性等に優れたポリアミド系樹脂を表層に用いる場合が多い。特に現像剤に摩擦帯電により電荷を与え、現像剤担持体上に均一に現像剤を塗布する役割である現像剤量規制部材(以下現像ブレードと記述)においては、ウレタンゴムの表層にポリアミド樹脂をコーティングするなどの手法を行なっていた。そこで、構成の簡略化によるコストダウンや、リサイクル性の観点から、熱可塑性のエラストマーを単層で用いる研究が進んでおり、現像ブレード部材として、ポリアミドエラストマーを単層で用いる構成が提案されている。
【0003】
ここで、従来、熱可塑性樹脂を支持部材等と複合化する部材の成形法としては、多数の方法が知られているが、一般には接合部分に接着剤等を塗布し、熱溶着させるなどの手法が公知である。特に生産性を考慮した場合、金属等の支持部材にあらかじめ接着剤を塗布し、金型内に装着して、射出成形により熱可塑性樹脂を成形するインサート成形が多く用いられている。ここで、接着剤としては、特開平6−39876のように金属部に塗布する接着剤を半硬化させ、樹脂部を射出成形することにより、注入する樹脂により接着剤が押し流されることなく接着効果を示すといった提案や、特開平8−72091のように、接着剤が熱可塑性樹脂を含有することで、樹脂部と金属部の分離が容易になり、リサイクルを可能にするといった提案などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接着剤を半硬化させて用いた場合に、注入される樹脂との化学反応が起こり、強固な接着力は確保されるが、樹脂を剥離した場合に接着剤が混入し、成形樹脂のリサイクルが困難であったり、成形品に接着剤の未硬化成分が存在すると、接着剤層が流動性を持ち、環境変動、特に温度変化において、樹脂部と支持部材との熱線膨張係数の違いによりずれが生じ、製品寸法に支障をきたすといった問題が生じる。また、接着剤に熱可塑性樹脂を用いた場合には、特に薄厚で流動長の長い樹脂成形品を成形する際、射出圧力が非常に高圧になり、また反ゲート側での樹脂温度が、ゲート側に比べて著しく低下するなどの理由から、注入する樹脂により接着剤が押し流され、接着効果が現れない場合や、接着剤面に十分な熱が加えられず、接着不良が発生するといった問題が生じる。また、いずれの場合も、接着剤面が射出金型に接触する場合には、金型の汚染を引き起こすといった問題も生じる。そこで、金型の汚染を防ぐために、樹脂成形部分のみに接着剤を塗布する方法が考えられるが、高精度の塗布方法や、マスキング材を用いるなどの必要があり、コストアップを伴なうという課題があったり、接着面積の相対的縮小から、接着力が低下するといった問題があった。
【0005】
本発明は前記の問題点を解決した新規のポリアミド成形物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は以下の手段によって達成される。
【0007】
すなわち、本発明は、金属製の支持部材にポリアミド系樹脂が熱硬化性樹脂を硬化した状態で接着剤として用いることにより接合されている現像ブレードの製造方法であって、(1)金属製の支持部材にフェノール系またはエポキシ系の熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布し、加熱硬化させる工程と、(2)前記工程(1)により得られた支持部材を金型内にインサートした後、該金型内に、メルトインデックス(190℃JIS K7210)が5g/10分以上のポリアミド系樹脂を射出し、成形する工程と、を有することを特徴とする現像ブレードの製造方法を提案するものであ
【0009】
本発明によれば、ポリアミド系樹脂と支持部材の接合部分に、熱硬化性樹脂を硬化した状態で接着剤として用いることにより実使用上十分な接着力を得ることができるとともにリサイクル性に優れた現像ブレードを提供することができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る現像ブレードの概略を示したものであり、図2は、現像ブレードを装着した電子写真用現像装置の概略図である。
【0011】
本発明で用いるポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6,6・6,6・10,6・12,11,12,12・12及びそれらのポリアミドの異種モノマー間の重縮合から得られる脂肪族ポリアミドや、塩化フロタイル、塩化イソフロタイル、塩化テレフロタイルなどの芳香族ジカルボン酸クロライドと、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ベンジシン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノスチルベン、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,4’−ジアミノアゾベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、3,6−ジアミノアクリジンなどの芳香族ジアミンとを、界面縮合反応もしくは低温溶液重縮合反応によって得られる、芳香族ポリアミドが挙げられる。
【0012】
またポリアミドエラストマーとしては、上記ポリアミドとポリエーテルとのブロックコポリマーであるポリエーテルブロックアミドである。好ましくは、ポリアミドの末端アミノ基を二塩基酸等によりカルボキシル化されたものが用いられる。
【0013】
二塩基酸としては、ショウ酸,コハク酸,アジピン酸,スベリン酸,セバシン酸,ドデカン二酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸;マレイン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;フタル酸,テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれらの二塩基酸とエチレングリコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール,オクタンジオール,デカンジオール等のジオールから合成されるポリジカルボン酸等が用いられる。
【0014】
また、ポリエーテル成分は、単独重合または共重合したポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオールや両末端がアミノ化されたポリエーテルジアミンなどがあり、これらポリエーテルとカルボキシル化ポリアミドより、エステル結合(ポリエーテルポリエステルポリアミド)あるいはアミド結合(ポリエーテルポリアミド)を持つポリエーテルとポリアミドのブロックコポリマーが形成される。
【0015】
支持部材としては、金属製の平板、例えばステンレススチール板(引っ張り強さ約110kg/mm2),リン青銅板(同約65kg/mm2),アルミ板(同約40kg/mm2)等であり、現像剤担持体への圧接力制御上、厚み20μm〜500μmが良い。また樹脂製の平板、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂板(引っ張り強さ約20kg/mm2),ポリカーボネート樹脂板(同約10kg/mm2),延伸ポロプロピレン樹脂板(同約19kg/mm2)等で、厚み50μm〜1000μmが良い。特に樹脂板に関しては二軸延伸したクリープの小さいものがよりよい。
【0016】
また本発明で用いる接着剤としては、例えばエポキシ系やアクリル系、フェノール系などの熱硬化性樹脂を単一または混合して、必要に応じて有機溶媒等で希釈し、金属、樹脂等の支持部材にスプレー、ディッピング、ロールコータ等の方法で塗布し、乾燥した後に、主成分の熱硬化性樹脂の十分硬化する温度で焼き付けを行い、用いることができる。ここで、硬化した状態とは、熱硬化性樹脂原料と極性が同一である有機溶媒、例えばフェノール樹脂の場合、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの極性溶媒に対して、不溶となる状態を現わす。特に、ポリアミドエラストマーを成形する場合は、レゾール型のフェノール樹脂を含有する接着剤が好ましく、塗布、乾燥後、150℃のオーブン中で10分以上加熱すれば、硬化反応が十分に完了し、接着剤面が金型に接触した場合も、接着剤による金型の汚染がないので、樹脂成形部分に精度良く接着剤を塗布する必要がなく、塗布工程の簡略化が可能である。ここで接着剤の厚みとしては、2μm未満の場合、接着剤の効果が十分に現れず、50μmを超える場合は、金型との接触により支持部材を変形させる等の問題がある。また、表面に硬化したフェノール樹脂面が存在することで、ポリアミドエラストマーとの物理的熱溶着が良好で、実使用上必要な接着力は確保される。好ましくは、メルトインデックス(190℃JIS K7210)が、3g/10minを超える場合であれば、樹脂の溶融粘度が低く、接着界面において十分な熱が与えられるため、良好な接着力が得られる。逆に3g/10min以下であると、接着界面に十分な熱が与えられず、物理的熱溶着が不足し、接着不良を引き起こす。また、接着剤が十分に硬化している場合、支持部材から樹脂を剥離すれば、接着剤と樹脂の界面で剥離が起こり、硬化した接着剤つきの支持部材と樹脂とに完全に分離できる。この支持部材を再び金型内に装着して用いることや、樹脂を再加熱してリサイクル材として用いることができるため、部品の完全なリサイクルが可能となる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【0018】
実施例1
支持部材として、厚み0.1mmのリン青銅板を用い、長手方向に縁約7mm幅に、フェノール系熱硬化型接着剤メタロックUA(東洋化学研究所製商品名)をスプレーにより塗布し、80℃の温風で3分間乾燥後、150℃設定の温風循環型オーブン中で10分間接着剤を硬化し、接着剤厚みが10μmである支持部材を用い、プリハードン鋼(NK55 大同特殊鋼製)で作製した1個取りの金型内に装着して、ポリアミドエラストマー ダイアミドPAE E40−S3(ダイセル・ヒュルス社製商品名)を、型締力50トン、射出圧1200kg/cm2、成形温度290〜300℃、金型温度40℃で、射出成形により現像ブレードを得た。
【0019】
実施例2
接着剤として、エポキシ系熱硬化型静電塗装用接着剤E−1(ダイセル・ヒュルス社製商品名)を用い、硬化温度を200℃とした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0020】
比較例1
接着剤の硬化条件を80℃10分とした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0021】
比較例2
接着剤の硬化条件をなしとした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0022】
比較例3
接着剤の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0023】
比較例4
接着剤の厚みを60μmとした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0024】
実施例3
ポリアミドエラストマーをダイアミドPAE E47−S1(ダイセル・ヒュルス社製商品名)とした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0025】
比較例5
ポリアミドエラストマーをダイアミドPAE E62−S1(ダイセル・ヒュルス社製商品名)とした以外は、実施例1と同様にして現像ブレードを得た。
【0026】
以上により作製した成形品の接着力を、低い傾向のある反ゲート側について、90°の引張り剥離試験により測定した。測定値は5mm幅における値のため、10mm幅に換算して、単位はg/cmとした。また、成形品の後加工におけるエッジ切断を行なった際に、接着力400gの場合に、はがれが生じた。また、剥離面を目視により観察し、破壊の箇所を判定した。更に、支持部材の接着剤塗布部分での変形については、支持部材の目視観察を行ない、接着剤による型汚れについては、500ショット成形時の金型を観察した。以上の結果を表1に示す。
【0027】
表1から明らかなように、実施例1、2、3については、実使用上必要な接着力が確保され、剥離面が樹脂−接着剤間である事から、剥離した場合の樹脂、支持部材のリサイクルが可能となった。また、型汚れ、支持部材変形についても問題は発生しなかった。
【0028】
これに対し、比較例1については、接着剤の硬化条件を半硬化としたために、強い接着力は得られたが、剥離した場合に樹脂側に一部接着剤の付着が見られ、リサイクルは困難であった。また500ショット成形時の金型も、接着剤の付着による汚染がやや起きていた。
【0029】
比較例2については、接着剤の硬化条件を未硬化としたために、更に強い接着力は得られたが、剥離した場合に樹脂側に接着剤が付着しており、リサイクルは不可能であった。また500ショット成形時の金型も、接着剤の付着による汚染が起きていた。
【0030】
比較例3については、接着剤層厚みを1μmとしたために、実使用上十分な接着力が得られなかった。
【0031】
比較例4については、接着剤層厚みを60μmとしたために、実使用上十分な接着力は得られたが、支持部材の変形が発生した。
【0032】
比較例5については、メルトインデックスの低い材料を用いたため、接着力が不十分であった。
【0033】
【表1】
Figure 0004018289
【0034】
【発明の効果】
本発明による、ポリアミド系樹脂と支持部材の接合部分に、熱硬化性樹脂を硬化した状態で接着剤として用いれば、実使用上十分な接着力を得るとともに、リサイクル性に優れた部品を提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ブレードの使用形態の一例の説明図である。
【図2】本発明の電子写真用現像装置の使用形態の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 容器
3 現像剤担持体
4 現像ブレード
4a ポリアミド系樹脂
4b 接着剤
4c 支持部材
5 弾性ローラー
6 トナー

Claims (4)

  1. 金属製の支持部材にポリアミド系樹脂が熱硬化性樹脂を硬化した状態で接着剤として用いることにより接合されている現像ブレードの製造方法であって、
    (1)金属製の支持部材にフェノール系またはエポキシ系の熱硬化性樹脂からなる接着剤を塗布し、加熱硬化させる工程と、
    (2)前記工程(1)により得られた支持部材を金型内にインサートした後、該金型内に、メルトインデックス(190℃JIS K7210)が5g/10分以上のポリアミド系樹脂を射出し、成形する工程と、
    を有することを特徴とする現像ブレードの製造方法。
  2. 前記メルトインデックスが、13g/10分以下である請求項1に記載の現像ブレードの製造方法。
  3. 前記接着剤の厚みが、2〜50μmである請求項1または2に記載の現像ブレードの製造方法。
  4. 前記工程(2)が、金型温度が40℃の金型内に前記ポリアミド系樹脂を290から300℃で射出する工程を含む請求項1乃至3のいずれかに記載の現像ブレードの製造方法。
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