JP4014810B2 - 画像形成装置、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像形成装置、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台の画像形成装置が接続されて連結印刷が可能な画像形成システム、この画像形成システムに用いられる画像形成装置、この画像形成装置が備えるコンピュータにインストールされるプログラム及びこのプログラムが格納されている記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、イメージスキャナ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等の画像信号を出力する複数の画像信号出力手段と、これらの各画像信号出力手段から出力された各画像信号により画像形成を行うプリンタ等の複数の画像形成手段とを組合せた画像形成システムが知られている。
【0003】
例えば、特開平5−304575号公報によれば、画像信号出力手段であるプリンタの機能を併せ持つデジタル複写機を複数台接続し、外部出力モード(連結モードに相当する)に設定して複写動作を開始させると、或る1台のデジタル複写機により読込んだ画像データを別のデジタル複写機に出力し、この別のデジタル複写機にも同じ複写動作を実行させることにより、複写動作のスピードを上げ得るデジタル複写機が開示されている。このような外部出力モード(連結モードに相当する)は、単純には、例えば1枚の原稿から100枚のコピーを得る場合に、例えば2台のデジタル複写機に50枚ずつを分担させて並行して印刷動作させるものであり、大量枚数・大量部数の印刷になればなるほど、印刷処理時間を短縮させる上で効果的となる印刷処理モードである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような連結モードを有する画像形成システムを利用する上で、必ずしもユーザ所望通りの使い勝手が得られていない現状にある。即ち、連結モードによる画像形成を行う場合には、印刷枚数、濃度、片面/両面等の印刷条件をスタートキーを押下する前に予め設定しておかなくてはならないため、通常の単独処理によるコピーを行っている最中に緊急でコピーを早く仕上げる必要性が生じたような場合、一旦、単独コピー動作を中断させ、再度、原稿をセットし、かつ、連結モードに設定してから、コピースタートキーを押下してコピー動作を再実行させる必要がある。このような事態は、上例に限らず、例えば、ユーザがコピー動作に際して連結モードの設定を忘れたままスタートさせた場合、或いは、連結対象の他の画像形成装置が使用中であったので止むを得ず単独コピーとしてスタートさせたが途中で他の画像形成装置が空いたのが分かったような場合等、様々あり得る。このような場合に、一旦、単独コピー動作を中断させ、再度、原稿をセットし、かつ、連結モードに設定してから、コピースタートキーを押下してコピー動作を再実行させるとなると、操作性が悪い上に、場合によっては、同じ原稿について再度の読取り処理、画像処理等を要することとなり、その分の処理時間の遅れも生じてしまい、連結モードによる本来の利便性を損なうものとなる。
【0005】
そこで、本発明は、連結モードの利便性を最大限活かすために単独印刷動作を開始させた後でも連結モードの設定・実行が可能な画像形成装置、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【0006】
また、上記目的を実現する上で、操作性も向上させ得る画像形成装置、画像形成システム、プログラム及び記憶媒体を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像形成装置は、画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を備えたマスタ機となる画像形成装置において、前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付手段と、前記開始後連結モード受付手段により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換手段と、前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視手段と、前記印刷動作不可要因有無監視手段により前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付手段又は前記印刷動作切換手段の処理を制限する制限手段と、を備える。
【0008】
従って、印刷動作の開始後の単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行するので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作から連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。
【0009】
また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、開始後連結モード受付手段の処理を制限することで、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0010】
また、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくすることにより、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0011】
また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、印刷動作切換手段の処理を制限することで、無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段を有し、前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中には、前記読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む。
【0013】
従って、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性が高まる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する。
【0018】
従って、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶することにより、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、前記制限手段は、前記連結モードの設定を拒絶する場合に前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を表示手段に表示させる。
【0020】
従って、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を操作パネルに表示させることにより、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択手段の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換手段の処理を制限する。
【0024】
従って、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、前記印刷動作付加要因有無監視手段は、前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出された場合に、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる。
【0026】
従って、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させることにより、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性が向上する。
【0027】
請求項7記載の発明のコンピュータ読取り可能なプログラムは、画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を備えるマスタ機となる画像形成装置が備えるコンピュータにインストールされ、前記コンピュータに、前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後、当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付機能と、前記開始後連結モード受付機能により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換機能と、前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視機能と、前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付機能又は印刷動作切換機能の処理を制限する制限機能と、を実行させる。
【0028】
従って、印刷動作の開始後の単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行するので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作から連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。
【0029】
また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、開始後連結モード受付機能の処理を制限することで、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0030】
また、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくすることにより、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0031】
また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、印刷動作切換機能の処理を制限することで、無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0032】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のコンピュータ読取り可能なプログラムにおいて、前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中には、前記画像形成装置が備える原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む。
【0033】
従って、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性が高まる。
【0037】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載のコンピュータ読取り可能なプログラムにおいて、前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する前記印刷動作不可要因有無監視機能と、前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する前記制限機能と、を実行させる。
【0038】
従って、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶することにより、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0039】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のコンピュータ読取り可能なプログラムにおいて、前記連結モードの設定を拒絶する場合に前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を表示手段に表示させる前記制御機能を実行させる。
【0040】
従って、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を操作パネルに表示させることにより、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0043】
請求項11記載の発明は、請求項7又は8記載のコンピュータ読取り可能なプログラムにおいて、前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する前記印刷動作不可要因有無監視機能と、前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択機能の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換機能の処理を制限する前記制限手段と、を実行させる。
【0044】
従って、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0045】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のコンピュータ読取り可能なプログラムにおいて、前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信する前記印刷動作付加要因有無監視機能と、前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出された場合に、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる前記制限手段と、を実行させる。
【0046】
従って、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させることにより、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性が向上する。
【0047】
請求項13記載の発明のコンピュータ読取り可能な記憶媒体は、請求項7ないし12の何れか一項記載のプログラムが格納されている。
【0048】
従って、請求項7ないし12記載の発明の場合と同様の作用・効果が得られる。
【0049】
請求項14記載の発明は、画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を各々備え、相互にマスタ機又はスレーブ機となり得る複数台の画像形成装置を双方向通信可能に接続した画像形成システムであって、前記マスタ機となる前記画像形成装置は、当該マスタ機における前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後、当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付手段と、前記開始後連結モード受付手段により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換手段と、前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視手段と、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付手段又は前記印刷動作切換手段の処理を制限する制限手段と、を備え、前記スレーブ機となる他の画像形成装置は、前記マスタ機側から連結モード移行要求が通知される毎に、当該スレーブ機が印刷不可状態にあるか否かを判断して前記マスタ機側に応答する自己診断手段と、前記連結モードの設定に伴う前記マスタ機側からの前記連結モードへの移行の通知を受付ける通知受付手段と、前記マスタ機側からの画像データの転送を受けて前記連結印刷動作手段による前記マスタ機と分担させた印刷処理動作を開始させる印刷動作開始手段と、を備える。
【0050】
従って、マスタ機において印刷動作の開始後のマスタ機のみによる単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行するので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作からマスタ機とスレーブ機とによる連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。
【0051】
また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくすることにより、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0052】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像形成システムにおいて、各々の画像形成装置は、原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段を有し、前記マスタ機における前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中には、当該マスタ機における前記読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む。
【0053】
従って、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性が高まる。
【0057】
請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載の画像形成システムにおいて、前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する。
【0058】
従って、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶することにより、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0059】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の画像形成システムにおいて、前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記制限手段は、前記連結モードの設定を拒絶する場合に、前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を当該マスタ機の表示手段に表示させる。
【0060】
従って、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を操作パネルに表示させることにより、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0061】
請求項18記載の発明は、請求項14又は15記載の画像形成システムにおいて、前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択手段の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換手段の処理を制限する。
【0062】
従って、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況としてプリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、マスタ機を単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0063】
請求項19記載の発明は、請求項18記載の画像形成システムにおいて、前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信し、前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出されたとき、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる。
【0064】
従って、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させることにより、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性が向上する。
【0065】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図16に基づいて説明する。
【0066】
まず、本実施の形態の画像形成装置の基本的構成例並びにその動作例、特に、連結モードによる印刷処理例の基本について説明する。図1は本実施の形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図、図2は図1に示す画像形成装置中の操作パネルを示す平面図、図3は図2に示す操作パネル中の液晶タッチパネルを示す平面図である。
【0067】
図1に示す単体構成の画像形成装置は、デジタル複写機によるものであり、原稿上の画像を読取り画像データとして出力する読取手段であるスキャナSCと、画像データに基づいて印刷媒体、ここでは転写紙上に画像を印刷する印刷手段である電子写真方式のプリンタPRと、連結モード、その他の各種設定を操作者が指示できる表示手段としての液晶タッチパネル31を有する操作パネル30等を備えた構成とされている。スキャナSCは、主に、自動原稿送り装置(以後、ADFという)1及び読取部50により構成されている。プリンタPRは、主に、感光体15、書込部57、現像ユニット27、定着ユニット17及び排紙ユニット18等により構成されている。
【0068】
図2に示す操作パネル30には、液晶タッチパネル31、0から9の数値を入力するテンキー32、入力内容のクリアと動作の停止を指示するクリア/ストップキー33、印刷動作の開始を指示するコピースタートキー34、初期設定キー35、印刷モードの設定を解除するモードクリアキー36等を備え、液晶タッチパネル31には、図3に示すような機能キー37、部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0069】
液晶タッチパネル31を示す図3において、左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア81、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部82、その下の画像濃度を自動的に調整する自動濃度キー83、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー84、倍率を等倍にセットする等倍キー85、コピーを一部ずつページ順に揃える処理を指定するソートキー86、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー87、ソート処理された用紙を一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー88、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー89、両面モード及び分割コピーを設定する両面/分割キー90、集約コピーを設定する集約キー91、ネットワーク等を介して接続された他の画像形成装置(デジタル複写機)を併用して多量のプリント動作を複数に分担してプリントアウトさせる連結モードを設定するための連結キー92である。この連結キー92が本発明にいう連結モード選択手段に相当する。また、操作パネル30におけるコピースタートキー43が本発明にいう動作開始指示手段に相当する。
【0070】
本実施の形態の画像形成装置単体のみにて、複数枚数の原稿を複写する動作は以下のようになる。スキャナSC側では、ADF1中の原稿台2上に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作パネル30上のコピースタートキー34が押下された場合、原稿台2上の一番下の原稿から順に1枚ずつ給紙ローラ3、給紙ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の読取位置に給紙される。読取部50によりコンタクトガラス6上の原稿の画像データが読取られた後の読取り終了原稿は、給紙ベルト4及び排紙ローラ5によってADF1上の排紙受け部に排出される。
【0071】
次に、ADF1中の原稿セット検知部7にて原稿台2上に次の原稿が有ることを検知している場合、次原稿は、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給紙される。また、給紙ローラ3、給紙ベルト4及び排紙ローラ5は、図示していないモータにより駆動される。
【0072】
プリンタPR側では、第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に収納された転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13により1枚ずつ取り出されて搬送路に給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。読取部50にて読込まれた画像データは、書込部57からのレーザー光により感光体15上に書込まれ、感光体15上に書込まれた画像は、感光体15が回転することにより現像ユニット27を通過し、その際に現像ユニット27により感光体15上にトナー像が形成される。また、感光体15上のトナー像は、搬送べルト16により感光体15の回転と等速に搬送される転写紙上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、定着ユニット17にて定着された画像となる。画像が定着した転写紙は、排紙ユニット18により後処理装置であるフィニッシャ100に排出される。
【0073】
後処理装置のフィニッシャ100では、本体の排紙ユニット18から搬送された転写紙を、通常の排紙方向である搬送ローラ102方向と、ステープル処理を行う搬送ローラ105方向との何れかの方向に導くことができる。転写紙を各方向に導く操作は、切替板101を上下に切替えることにより行う。切替板101を上に切替えることにより、搬送ローラ102及び排紙ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に転写紙を排紙することができる。
【0074】
また、切替板101を下方向に切替えることにより、搬送ローラ105及び排紙ローラ107を経由してステープル台108に転写紙を搬送することができる。ステープル台108に載置された転写紙は、紙揃え用のジョガー109により1枚排紙される毎に紙端面が揃えられる。転写紙が一部の枚数分だけコピー完了してステープル台108に載置されると、ステープラ106が起動して一部の枚数の転写紙群が綴じられる。
【0075】
ステープラ106により綴じられた転写紙群は、自重により落下してステープル完了分の排紙トレイ110に収納される。一方、通常排紙トレイ104は、前後に移動可能なトレイである。原稿が切替わる毎、或いは、画像メモリに収容される時に並べ替えされた一連の印刷内容が切替わる毎に、排紙トレイ104を排紙方向に対して左右方向に移動させることにより、排紙トレイ104上における排出された転写紙の載置位置が変わることから、印刷済みの転写紙を簡易的に仕分けることができる。
【0076】
転写紙の両面に画像を形成する両面印刷を行う場合、排紙ユニット18内に有る経路切替えのための分岐爪112が上側にセットされることにより、各給紙トレイ8〜10から給紙され表面に画像形成された転写紙は、排紙ユニット18から排紙トレイ104側に導かれず、一旦両面給紙ユニット111に収納される。両面給紙ユニット111に収納された転写紙は、感光体15上に作像されたトナー画像を裏面に転写するために、両面給紙ユニット111から感光体15及び現像ユニット27等からなる転写部に再給紙される。転写紙が転写部に再給紙されると分岐爪112は下側にセットされるので、表面に加え裏面にも画像が形成された転写紙は排紙ユニット18により後処理装置であるフィニッシャ100に排出され、後処理が行われない場合には排紙トレイ104に導かれる。上記のようにして、両面給紙ユニット111を用いることにより転写紙の両面に画像を形成することができる。
【0077】
なお、感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27等は、図示していないメインモータによって駆動され、各給紙装置11〜13は、各々の給紙装置に対応する給紙クラッチ(図示せず)を断続してメインモータの駆動力を使用する給紙装置に伝達することにより駆動される。また、縦搬送ユニット14は、中間クラッチ(図示せず)を断続してメインモータの駆動力を伝達することにより駆動される。
【0078】
次に、図3の液晶タッチパネル31の動作について説明する。オペレータが液晶タッチパネル31に表示された機能キー37にタッチすることにより、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定する場合には、例えば、変倍値を指定する場合は、変倍キーにタッチすることにより、変倍に関する詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネル31は、ドット表示器を使用しているため、その時の最適な表示をグラフィカルに行うことが可能である。また、選択されているモードはキーが網掛け表示されている。
【0079】
図1を用いて、本実施の形態におけるスキャナSC(画像読取手段)、及び、プリンタPRにおいて画像を感光体15面上に潜像形成するまでの動作を更に詳しく説明する。読取部50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系により構成されており、走査光学系は、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々により構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は、図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿画像を読取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。また、光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読取られ、電気信号に変換されて処理される。
【0080】
書込部57は、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60により構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)を備えている。レーザ出力ユニット58より照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーにより偏向され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体15面上に集光されて結像する。偏向されたレーザ光は、感光体15が回転する方向と直交する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理部のセレクタ64より出力された画像信号をライン単位で感光体15上に記録する。感光体15の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰返すことによって、感光体15面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0081】
なお、潜像とは感光体15面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。上述のように、書込部57から出力されるレーザ光は、感光体15に照射される。一方、感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される図示していない位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。このビームセンサにより発生した主走査同期信号を基にして、主走査方向の画像記録開始タイミングの制御及び後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0082】
次に、本実施の形態における画像処理部の構成について、図4を用いて説明する。露光ランプ51から照射された光は、原稿面に照射され、原稿面からの反射光は、結像レンズ53によりCCDイメージセンサ54に結像、受光され、CCDイメージセンサ54にて光電変換され、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正部62によるシェーディング補正がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされる。印字合成部72を介して画像処理部63又は印字イメージデータ発生部70からの画像信号が入力されるセレクタ64では、印字合成部73又は画像メモリコントローラ65への画像信号の送り先の切替えが行われる。印字合成部73及び変倍部71を経由した画像信号は、変倍率に合せて拡大縮小され、書込みユニット57に送られる。画像メモリコントローラ65とセレクタ64との間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。
【0083】
また、図4には特に明示していないが、画像処理部(IPU)には、読取部50から入力される画像データ以外にも外部から供給される画像データ(例えば、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有している。
【0084】
また、画像メモリコントローラ65等への設定や、読取部50、書込部57の制御を行うCPU68及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70をマイクロコンピュータとして備えている。本実施の形態では、ROM69に後述するような各種機能を実現するためのプログラムが格納されており、このROM69がプログラムを記憶した記憶媒体として機能している。このため、本実施の形態では、ROM69が例えばEEPROMやフラッシュメモリにより構成され、ROM69に記憶されているプログラムが書換え自在とされている。もっとも、記憶媒体としては、ROM69に限らず、ICカード、CD−ROM等を利用してもよい。この場合、I/Oポート67にICカードリーダ或いはCD−ROMドライブを接続し、これらのICカードCD−ROMからプログラムを読出し、ROM69内のプログラムを書換えるようにすればよい。なお、LAN I/F80を利用することで、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードさせてもよい。更に、CPU68は、メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書込み、読出しが行える。また、CPU68は、I/Oポート67を介して各種の負荷を制御する他、各種のセンサ類等からの信号を受付ける。
【0085】
また、印刷処理等の作業を分担するために他の画像形成装置(デジタル複写機)とコマンドや画像データの送受信を行う必要があるが、本実施の形態では、メモリコントローラ65に接続されたLAN I/F80を使うことで実現している。
【0086】
ここで、図5を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像信号について説明する。図5において、/FGATEは、1ページ分の画像データの副走査方向の有効期間を表している。/LSYNCは、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立上った後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、/LGATEである。これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。図4に示す画像処理部(IPU)は、画像入力、出力各々に対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATE、VCLKの発生機構を有しており、様々な画像入出力の組合せが実現可能になる。
【0087】
次に、図6を用いて、図4におけるメモリコントローラ65と、画像メモリ66の詳細を説明する。メモリコントローラ65は、入力データセレクタ121、画像合成122、1次圧縮/伸長123、出力データセレクタ124、2次圧縮/伸長125の各ブロックを有している。各ブロックへの制御データの設定はCPU68より行われる。なお、図6におけるデータ線は画像データを示しており、CPU68に接続されるアドレス線は図示していない。
【0088】
記憶手段としての画像メモリ66は、1次及び2次記憶装置(126,127)からなる。1次記憶装置126は、入力画像データの転送速度に略同期してメモリへのデータ書込み又は画像出力時のメモリからのデータ読出しが高速に行えるように、例えば、DRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用する。また、1次記憶装置126は、処理を行う画像データの大きさにより、画像データの入出力を複数のエリアに分割して同時に実行可能な構成をとっている。各分割したエリアに画像データの入力、出力を各々並列に実行可能にするために、メモリコントローラ65とのインタフェース部には、リード用とライト用の2組のデータ線が接続されている。このように構成することにより、エリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0089】
2次記憶装置127は、入力された画像の合成、ソーティングを行うためにデータを保存しておく大容量のメモリである。1次、2次記憶装置126,127とも、高速アクセス可能な素子を使用することにより、1次、2次の区別なくデータの処理が行え、制御も比較的簡単にすることができる。しかし、DRAM等の素子は高価なため、2次記憶装置127にはアクセス速度はそれほど速くないが、安価で、大容量の記録媒体(例えば、ハードディスク)を使用し、入出力データの処理についてはDRAM等の素子による1次記憶装置126を介して行う構成になっている。上述のような画像メモリ66の構成を採用することにより、大量の画像データの入出力、保存、加工等の処理が可能な画像形成装置を安価、かつ比較的簡単な構成で実現することが可能になる。
【0090】
次に、メモリコントローラ65の動作の概略を説明する。画像入力(画像メモリ66への保存)を行う場合、入力データセレクタ121は複数のデータの内から、画像メモリ(1次記憶装置126)への書込みを行う画像データの選択を行う。入力データセレクタ121によって選択された画像データは、画像合成部122に供給され、必要に応じて既に画像メモリ(1次記憶装置126)に保存されているデータとの合成を行う。画像合成部122によって処理された画像データは、1次圧縮/伸長部123によりデータを圧縮し、圧縮後のデータを1次記憶装置126に書込む。1次記憶装置126に書込まれたデータは、必要に応じて2次圧縮/伸長125で更に圧縮を行った後に2次記憶装置127に保存される。画像出力(画像メモリ66からの読出し)の場合、画像出力時は、1次記憶装置126に記憶されている画像データの読出しを行う。
【0091】
出力対象となる画像が1次記憶装置126に格納されている場合には、1次圧縮/伸長部123で1次記憶装置126の画像データの伸長を行い、伸長後のデータ、若しくは伸長後のデータと入力データとの画像合成を行った後のデータを出力データセレクタ124で選択し、出力する。画像合成部122は、1次記憶装置126のデータと、入力データとの合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後のデータの出力先の選択(画像出力、1次記憶装置126へのライトバック、両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。出力対象となる画像が1次記憶装置126に格納されていない場合には、2次記憶装置127に格納されている出力対象画像データを2次圧縮/伸長125で伸長を行い、伸長後のデータを1次記憶装置126に書込んでから、画像出力動作を行う。
【0092】
本実施の形態では、より具体的な構成例として、2台のデジタル複写機(画像形成装置)を接続した画像形成システムへの適用例を示す。例えば、2台のデジタル複写機(PPC)をLAN I/Fにより接続し連結動作させる場合のシステム構成例の場合を想定すると、2台のデジタル複写機間においては、装置の設定状態、原稿枚数、印刷部数のやり取りや通信エラーの応答に使用するLAN I/Fを利用して画像データの転送を行うことで、双方向通信可能に接続を行うこととなる。
【0093】
2台のデジタル複写機による画像形成システムの場合について、図7を参照して、その処理例を簡単に説明する。操作機=マスタ機160(一方のデジタル複写機)で連結キー92の操作により連結モードを設定し、このマスタ機160で読取った原稿の画像データを、マスタ機160とスレーブ機161(他方のデジタル複写機)とで分配して印刷を行う場合、例えば、連結モード時の電子ソートモード(メモリに画像データをためてソートする機能)において、原稿3枚をソートで6部分コピーする動作を、マスタ機160ともう一台のスレーブ機161とで行わせる場合、原稿画像データをマスタ機160と1台のスレーブ機161との間でコピー動作を分担して動作させる。マスタ機160側は、通常は原稿読取り動作とマスタ機160側のプリント動作とを負担する。実際の動作はスキャナSCで読取った画像データをそのままプリントしながらその画像データをメモリ(記憶手段…具体的には、1次及び2次記憶装置126,127)164に書込む動作を並行して行っている。1部目のプリント動作終了後、2部目をメモリ164から画像データを読出し、プリントし、その終了後3部目のプリント動作を行う。スレーブ機161側は、マスタ機160から送られて来る画像データをメモリ(記憶手段)165に記憶させる。メモリ記憶動作終了後、プリント動作を実行する。1部目のプリント終了後、2部目そして3部目と処理される。
【0094】
なお、図7に示す例では、指定印刷部数をマスタ機160とスレーブ機161とで半分ずつ分担するようにしているが、その割振りは自由に設定可能であり、かつ、何れかのデジタル複写機が故障・中断したような場合にも、その割振り部数を変更することも容易に可能であり、中断による残部数を割振ることも可能である。
【0095】
このような連結モードによるマスタ機160・スレーブ機161間の信号のやり取りを示す基本的なシーケンス図を図8に示す。この処理制御は各々のROM69に格納されたプログラムに従いCPU68(システムコントローラ中のCPU)により実行される。
【0096】
まず、マスタ機160側において、連結キー92が押下されると、スレーブ機161側に対して連結モード移行要求が発せられる。この連結モード移行要求を受けたスレーブ機161側では、自機に関して印刷不可要因がなければ、連結モード移行OKをマスタ機160側に通知する。この通知を受けて、マスタ機160側で、各種の設定操作が済み、コピースタートキー34が押下されると、スレーブ機161に対してコピーモードが通知され、かつ、連結コピー開始要求が通知される。これより、マスタ機160、スレーブ機161ともに、連結コピー動作を並行して開始する。
【0097】
その後、連結コピーのコピー動作が終了すると、マスタ機160からスレーブ機161に連結コピー終了が通知される。さらに、マスタ機160において、連結キー92が押下されると、連結モード解除要求がスレーブ機161に対して通知され、一連の処理を終了する。マスタ機160においては、連結キー92が連結モードOFF表示となる。
【0098】
このような基本的構成及び基本的動作に加え、本実施の形態では、図9ないし図14に示すように、コピースタートキー34の押下によりマスタ機160において当該マスタ機160のみによる単独コピー動作を開始させた後であっても、連結キー92の押下による連結コピーモードの設定・移行を可能とする機能が付加されている。この処理制御も各々のROM69に格納されたプログラムに従いCPU68(システムコントローラ中のCPU)により実行される。
【0099】
図9はマスタ機160・スレーブ機161間の信号のやり取りを示すシーケンス図、図10はマスタ機160側における処理例を示す概略フローチャート、図11ないし図14はレシーブ機161側における対応処理例を示すフローチャートである。
【0100】
マスタ機160側において各種条件を設定後、コピースタートキー43が押下されると、自機のみにより単独コピー動作を開始する。このようにコピースタートキー43が押下された後、図10に示す処理が定期的に繰返される。このようなコピー動作中であっても、マスタ機160の操作パネル30の液晶タッチパネル31においては図16(a)に示すように「連結コピーできます」旨がメッセージエリア81欄に表示される。そこで、このようなコピー動作開始後の動作中における任意の時点で連結キー92が押下されると(ステップS1のY)、マスタ機160ではそのキー操作による連結モードの設定を受付け、スレーブ機161に対して連結モード移行要求を送信する(S2)。この処理により、開始後連結モード受付手段又は開始後連結モード受付機能が実現されている。
【0101】
この連結モード移行要求を受けたスレーブ機161側では、図11に示すように、自機に関して印刷不可要因があるか否かのチェック、その一例として、例えば、プリンタPRに関するプリンタエンジンがレディ状態にあるか否かをセルフチェックする(ステップR1)。この処理により、自己診断手段が実現されている。レディ状態にあれば(R1のY)、連結モード移行OKをマスタ機160側に通知し(R2)、スレーブ機161に関して待機画面表示とさせる(R3)。この処理により、通知受付手段が実現されている。
【0102】
マスタ機160側では、スレーブ機161側から連結モード移行OKを受信すると(S3のY)、連結モードをON表示させる。ここに、実質的に連結モードが設定される。そして、連結モードに伴うスレーブ機161への配分量を計算し(S4)、連結コピーを実行させるために、マスタ機160側のメモリ164からスレーブ機161側のメモリ165へ画像データを転送させることによりコピーモードをスレーブ機161側に通知する(S5)。配分量の計算は、その時点での残印刷枚数に基づいて、マスタ機160側で印刷する枚数及びページとスレーブ機161側で印刷する枚数とページとを計算し、スレーブ機161側に転送すべき画像データと印刷内容とを計算する処理である。もっとも、マスタ機160側が単独でコピー動作中であっても、実際には、スキャナSCによる原稿画像の読取動作中であれば、メモリ164を介することなく読取画像データを直接的にスレーブ機161側のメモリ165へ画像データを転送させることも可能である。
【0103】
その後、マスタ機160側から連結コピー開始を要求することにより、マスタ機160側においては、連結コピー動作を開始させる(S6,S7のN)。即ち、マスタ機160においては、単独コピー動作から連結コピー動作に処理動作が切換えられる。この処理により、印刷動作切換手段又は印刷動作切換機能が実現されている。
【0104】
一方、スレーブ機161においては、図12に示すように、連結コピー開始要求を受信すると、連結コピー動作を開始するとともに(R5)、その操作パネルにおいてコピー中画面を表示させる(R6)。この処理により印刷動作開始手段が実現されている。
【0105】
その後、マスタ機160は、連結コピー動作が終了すると(S7のY)、連結コピー終了通知をスレーブ機161側に送信する(S8)。この通知を受けたスレーブ機161側では、図13に示すように、連結コピー動作を停止し(R7)、スレーブ機161に関して待機画面表示とさせる(R8)。
【0106】
さらに、マスタ機160において、連結キー92が押下されると(S9のY)、連結モード解除要求通知をスレーブ機161に対して送信させ(S10)、一連の処理を終了する。マスタ機160においては、連結キー92が連結モードOFF表示となる。この通知を受けたスレーブ機161側では、図14に示すように、スレーブ機161に関して通常画面表示とさせる(R9)ことにより、一連の処理を終了する。
【0107】
一方、マスタ機160においてマスタ機160のみによる単独コピー動作開始後の動作中に連結キー92の操作があった場合において、スレーブ機161側に印刷不可要因がある場合の処理制御例について説明する。図15はこのような場合のマスタ機160・スレーブ機161間の信号のやり取りを示すシーケンス図である。
【0108】
前述したようにマスタ機160のみによる単独コピー動作中において連結キー92が押下され(S1のY)、スレーブ機161に対して連結モード移行要求通知を送信したが(S2)、スレーブ機161側での自機に印刷動作不可要因があるか否かのセルフチェック、例えば、プリンタPRにおいてプリンタエンジンがOKか否かのチェックの結果がOKでなければ(R1のN)、マスタ機160に対して連結コピー移行NGが通知する(R4)。
【0109】
マスタ機160側ではこの連結コピー移行NGの通知を受信したか否かをチェックしている(S11)。この処理により、印刷動作不可要因有無監視手段又は印刷動作不可要因有無監視機能が実現されている。連結コピー移行NGの通知を受信すると(S11のY)、連結モードの設定を拒絶し、連結印刷ができない原因を液晶タッチパネル31を通じて表示させる(S12)。図16(b)はこの表示例を示すもので、「子機(スレーブ機)に転写紙がセットされていないため、連結印刷できません」の如く、理由が表示される。即ち、マスタ機160において単独印刷コピーを開始させた後、連結キー92を押下しても、その時点でスレーブ機161側に印刷不可要因があり、直ぐに印刷動作を実行させることができない場合には、連結コピーモードの設定が拒絶されるように連結コピーモードの設定操作に関して制限が加えられる。この処理により制限手段又は制限機能が実現される。
【0110】
なお、本実施の形態等では、スレーブ機161の印刷不可要因として、プリンタエンジンがレディ状態にない場合や、転写紙がない場合を例に挙げて説明したが、これらの要因に限らず、ドアオープン、トナー切れ、ジャム発生、印刷動作中等、スレーブ機161が即座に他の印刷動作を物理的に行えない状況全般が相当する。
【0111】
従って、本実施の形態によれば、基本的に、コピー動作の開始後の単独コピー動作中であっても連結キー92が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行するので、通常の単独コピー動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機161の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独コピー動作から連結モードによるコピー処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。また、スレーブ機161が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、転写紙がないといったような印刷動作不可要因があり、直ぐに印刷動作を並行して行わせることができない場合には、連結キー92の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶することにより、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避することができる。結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機161がマスタ機160に対して離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機161側に印刷動作不可要因があって現実には連結モードが実行されずに単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。また、連結モードの設定を拒絶する場合には、印刷動作不可要因を液晶タッチパネル31を通じて表示させることにより、ユーザはスレーブ機161側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0112】
本発明の第二の実施の形態を図17及び図18に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。本実施の形態では、スレーブ機161が印刷不可の典型例として、スレーブ機161の電源がオフの場合には、前述したような動作開始後の連結モードの設定操作を行えないように制限したものである。
【0113】
このため、本実施の形態においては、マスタ機160においてスレーブ機161の電源のオン・オフ状態を常時監視するスレーブ機電源状態監視手段を備えているものであり、その構成例を図17に基づいて説明する。
【0114】
図17はシリアル通信ライン周辺のハードウェア構成例を示す概略結線図である。2台のデジタル複写機160,161間のシリアル通信ラインにおいては、各々のMCU(Micro Computer Unit)166,167内蔵のUARTの送信データ出力端子T×Dと受信データ入力端子R×Dとは、互いにクロス状態で接続され、コマンドのやり取りが可能とされている。また、このような2本のシリアル通信ラインとは別に、相手機の電源が入っているか否かを検出するための信号線168,169が2本用意されている。これらの信号線168,169は相手機側で電源Vccにプルアップされ、自機側でプルダウンされているため、相手機が電源オン状態であれば、入力ポートP10で読取られる値はHレベル、相手機が電源オフ状態であれば、入力ポートP10で読取られる値はLレベルとなる。これによって、各々の機器(デジタル複写機160,161)は、自己の入力ポートP10の入力信号レベルを読取ることで、相手機の電源が入っているか否かを随時判断できる。この自己の入力ポートP10の入力信号レベルを読取る処理により、スレーブ機電源状態監視手段又はスレーブ機電源状態監視機能が実現されている。
【0115】
このような構成において、マスタ機160において、スレーブ機161の電源が入っていることを検知すると、図18(a)のフローチャートに示すように、操作パネル30の液晶タッチパネル31において連結キー92を図3や図16(a)に示すように通常通りキー表示させる(S15)ので、第一の実施の形態で示したような設定操作が任意時点で可能とされる。
【0116】
一方、マスタ機160において、スレーブ機161の電源が入っていないことを検知すると、図18(b)のフローチャートに示すように、操作パネル30の液晶タッチパネル31において連結キー92を図16(c)に示すように不可視のキー表示とさせる(S16)ので、オペレータとしては液晶タッチパネル31上で連結キー92の押下操作が不可となる。これにより、制限手段又は制限機能が実現されている。これにより、単独コピー動作開始後に連結コピーモードに設定する操作、従って、図9に示したような連結コピーモードの受付処理が不可能となるように制限される。
【0117】
従って、本実施の形態によれば、スレーブ機161が印刷処理を実行できない状況の典型例として、スレーブ機161の電源が入っていない場合には連結キー92を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくすることにより、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避することができる。結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。逆に言えば、スレーブ機161の電源が入っている場合には、任意時点で連結モードの設定操作が可能となり、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。
【0118】
本発明の第三の実施の形態を図19及び図20に基づいて説明する。本実施の形態も、マスタ機160においてマスタ機160のみによる単独コピー動作開始後の動作中に連結キー92の操作があった場合において、スレーブ機161側に印刷不可要因がある場合の処理制御例を示すものである。
【0119】
図19はマスタ機160・スレーブ機161間の信号のやり取りを示すシーケンス図、図20はマスタ機160側における処理例を概略フローチャートである。図20に示す処理は、コピースタートキー43が押下された後、定期的に繰返される。基本的には、第一の実施の形態の場合と同様であるが、スレーブ機161側からのセルフチェックの結果がOKでなく、連結コピー移行NGの通知を受信した場合には(S11のY)、連結コピーモードの設定を受付けるものの、連結コピーモードによる印刷処理への移行を保留して、マスタ機160のみによる単独コピー動作を続行させ(S13)、所定時間、例えば、1秒待って(S14)、スレーブ機161に対する連結モード移行要求の発行を繰返し(S2)、印刷不可要因が解消されるのを待つ。この処理により、制限手段又は制限機能が実現されている。
【0120】
即ち、マスタ機160において単独印刷コピーを開始させた後、連結キー92を押下しても、その時点でスレーブ機161側に印刷不可要因があり、直ぐに印刷動作を実行させることができない場合には、連結コピーモードの設定は受付けるものの連結コピー動作への移行を保留させるように連結コピーモードへの移行処理に関して制限が加えられる。
【0121】
従って、本実施の形態によれば、スレーブ機161が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、転写紙紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結キー92の操作による連結モードの設定は受付けるが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点では印刷処理を行えず無用となる連結モード動作に対する移行処理を未然に回避し、その後、マスタ機160側で単独印刷動作を継続させながらスレーブ機161側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、連結キー92を押下した時点で連結コピーモードには設定されるので、再度連結キー92を操作させることなく、スレーブ機161側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させることにより再度のキー操作を必要とせず、処理速度を向上させることができ、連結モードによる印刷処理を利用する利便性を向上させることができる。
【0122】
本発明の第五の実施の形態を図21ないし図23に基づいて説明する。本実施の形態は、スレーブ機161側に印刷不可要因がある場合の処理制御例を示すものである。
【0123】
図21はマスタ機160・スレーブ機161間の信号のやり取りを示すシーケンス図、図22はマスタ機160側における処理例を概略フローチャート、図23はスレーブ機161側における処理例を概略フローチャートである。
【0124】
本実施の形態では、マスタ機160側からスレーブ機161側に対して定期的に、例えば、1秒おきに印刷不可要因の有無に関する要求通知を送信する(S21,S25)。
【0125】
この印刷不可要因の有無に関する要求を受けたスレーブ機161側では、図23に示すように、自機に関して印刷不可要因があるか否かをセルフチェックする(R21)。この処理により、自己診断手段が実現されている。印刷不可要因が無ければ印刷不可要因無しをマスタ機160側に通知し(R22)、印刷不可要因があればその印刷不可要因をマスタ機160側に通知する(R23)。
【0126】
マスタ機160では、スレーブ機161側からの応答が印刷不可要因が無い旨の通知の場合には(S22のN)、連結キー92を有効化する(S23)。これにより、操作パネル30の液晶タッチパネル31において連結キー92を図3や図16(a)に示すように通常通りキー表示させるので、第一の実施の形態で示したような設定操作が任意時点で可能とされる。
【0127】
一方、スレーブ機161側からの応答が印刷不可要因がある旨の通知の場合には(S22のY)、連結キー92を無効化する(S24)。具体的には、操作パネル30の液晶タッチパネル31において連結キー92を図16(c)に示すように不可視のキー表示とさせ、或いは、「連結」なる文字部分を半輝度で表示(文字表示がよく分からない程度の明るさでの表示)させることで、現在、連結キー92の押下が無効であることをユーザに知らせる。これにより、ユーザとしては液晶タッチパネル31上で連結キー92の押下操作が不可となる。これにより、単独コピー動作開始後に連結コピーモードに設定する操作、従って、図16に示したような連結コピーモードの受付処理が不可能となるように制限される。ステップS21,S22の処理により、印刷動作不可要因有無監視手段又は印刷動作不可要因有無監視機能が実現されている。
【0128】
従って、本実施の形態によれば、スレーブ機161が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結キー92を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくすることにより、その時点で印刷動作を行えず無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性が向上する。特に、スレーブ機161がマスタ機160に対して離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機161側に印刷動作不可要因があって連結コピーモードが実行されずに単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0129】
なお、これらの実施の形態では、2台のデジタル複写機160,161を用いた画像形成システムへの適用例として説明したが、3台以上のデジタル複写機(画像形成装置)を用いるシステム構成の場合にも適用可能である。
【0130】
例えば、図24は、複数台(例えば、8台)の画像形成装置をEthernet等の通信プロトコルを利用したLAN等のネットワークにより相互接続して構成される画像形成システムを示す概念図である。この場合の或るマスタ機における処理制御例の概略を図25に示すフローチャートを参照して説明する。この図29に示す処理は、コピースタートキー43が押下された後、定期的に繰返される。この場合、Ethernet等によりLANが組まれており、そこに複数台の画像形成装置が接続されているので、接続されている画像形成装置のIPアドレス(TCP/IPを使う場合)を予め登録しておく。
【0131】
マスタ機としての或る画像形成装置において、連結キーが押下された場合(S31のY)、登録されている画像形成装置に連結モード移行可否の問合せを送信し(S32,S33のY)、その問合せに対して連結モード移行OKの返答があった機器をスレーブ機候補としてリストアップ表示させる(S34)。これにより、ユーザによりスレーブ機として連結動作させたい機器が選択操作されると(S38のY)、その機器(スレーブ機)に対して連結モード移行要求を送信するとともに(S39)、スレーブ機への配分量を計算し(S40)、選択されたスレーブ機に対して必要なデータを送信し(S41)、連結印刷動作を開始する(S42,S43のN)。その後、マスタ機は、配分された分の印刷動作が終了すると(S43のY)、連結コピー終了通知をスレーブ機側に送信する(S48)。さらに、マスタ機において、連結キーが押下されると(S45のY)、連結モード解除要求通知をスレーブ機に対して送信させ(S46)、一連の処理を終了する。
【0132】
一方、連結モード移行NGの返答があった機器に関しては、その機器をNGの原因とともに表示させ、選択を禁止させる(S35)。また、連結モード移行可否の問合せに対して所定時間経過しても(S33のY)、何の応答もない機器に関しては、電源がオフしているものとして、その機器を電源OFFを示すマークとともに表示させることしで、選択を禁止させる(S36)。
【0133】
さらに、問合せに対して連結モード移行OKの機器が1台もない場合には(S37のN)、連結モード不可表示を行わせる(S47)。
【0134】
なお、この概略的な説明例では、連結キーが押下された後にネットワーク上の各機器の状態をチェックするようにしたが、各機器への状態問合せを常時定期的に行わせ、連結キーが押下された時点で即座に機器状態の表示(S34〜S36)を行わせるようにすることも可能である。
【0135】
また、これらの実施の形態では、印刷手段となるプリンタPRとして電子写真方式の例で説明したが、電子写真方式に限らず、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式等により普通紙或いは感熱紙などの印刷媒体に印刷するものであってもよい。さらには、スキャナSCを備える画像形成装置の例で説明したが、画像形成装置としてはプリンタPR単体であってもよい。
【0136】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像形成装置によれば、印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行させるようにしたので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作から連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、開始後連結モード受付手段の処理を制限するようにしたので、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。また、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくしたので、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、印刷動作切換手段の処理を制限するようにしたので、無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。
【0137】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性を高めることができる。
【0141】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶するようにしたので、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0142】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の画像形成装置において、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を表示手段に表示させるようにしたので、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0144】
請求項5記載の発明によれば、請求項1又は2記載の画像形成装置において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。
【0145】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の画像形成装置において、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させるようにしたので、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性を向上させることができる。
【0146】
請求項7記載の発明のプログラムによれば、印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行させるようにしたので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作から連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、開始後連結モード受付機能の処理を制限するようにしたので、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。また、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくしたので、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、元々スレーブ機が印刷処理を実行できない状況にある場合には、印刷動作切換機能の処理を制限するようにしたので、無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。
【0147】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載のプログラムにおいて、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性を高めることができる。
【0151】
請求項9記載の発明によれば、請求項7又は8記載のプログラムにおいて、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶するようにしたので、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0152】
請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の記憶媒体において、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を表示手段に表示させるようにしたので、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0154】
請求項11記載の発明によれば、請求項7又は8記載のプログラムにおいて、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況の典型例として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。
【0155】
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載のプログラムにおいて、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させるようにしたので、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性を向上させることができる。
【0156】
請求項13記載の発明の記憶媒体によれば、請求項7ないし12記載のプログラムの場合と同様な効果が得られる。
【0157】
請求項14記載の発明の画像形成システムによれば、印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中であっても連結モード選択手段が操作された場合には連結モードの設定が受付けられ、連結モードの処理に移行させるようにしたので、通常の単独印刷動作で処理を開始させた場合でも、その後、緊急な印刷仕上りの早急性やスレーブ機の空きが生じたような場合には、必要となった時点で連結モードの設定操作をするだけで、実行中のジョブを中断することなく、そのまま単独印刷動作から連結モードによる印刷処理動作に移行させることができ、連結モードを設定する時期が任意でよいため、連結モードの利便性を最大限活かすことができる。また、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段を操作できない、即ち、連結モードに設定できなくしたので、無用となる連結モードに対する受付処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0158】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成システムにおいて、原稿画像の読取り動作中であっても連結モードの設定が可能なため、連結モード設定時期の融通性を高めることができる。
【0161】
請求項16記載の発明によれば、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作は可能とするがその操作に基づく連結モードの設定を拒絶するようにしたので、無用となる連結モードに対する受付・設定処理を未然に回避でき、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。特に、スレーブ機が離れているような場合には、ユーザが連結モードへの移行を指示設定したにも関わらず実はスレーブ機側に印刷動作不可要因があって単独印刷動作を続行してしまうような事態を防止できる。
【0162】
請求項17記載の発明によれば、請求項16記載の画像形成システムにおいて、連結モードの設定を拒絶する上で印刷動作不可要因を表示手段に表示させるようにしたので、ユーザはスレーブ機側に連結モードの実行に支障となる原因が発生していることを知ることができ、その要因に素早く対処することができる。
【0163】
請求項18記載の発明によれば、連結モードの印刷処理を行うスレーブ機との関係において、スレーブ機が印刷処理を実行できない状況として、プリンタエンジンがレディ状態にないとか、印刷用紙がないといったような印刷動作不可要因がある場合には、連結モード選択手段の操作による連結モードの設定は可能とするが、連結モードの処理実行への移行を保留することにより、その時点で無用となる連結モードに対する移行処理を未然に回避し、その後、単独印刷動作を継続させながらスレーブ機側の印刷動作不可要因が解消されるまで待機させることができ、結果として、連結モードの設定操作に関する操作性を向上させることができる。
【0164】
請求項19記載の発明によれば、請求項18記載の画像形成システムにおいて、スレーブ機側の印刷動作不可要因が解消された時点で早急に保留されていた連結モードによる印刷処理動作へ移行させるようにしたので、処理速度が向上し、連結モードによる印刷処理を利用する利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置中の操作パネルを示す平面図である。
【図3】図2に示す操作パネル中の液晶タッチパネルを示す平面図である。
【図4】画像処理部(画像読取手段と画像書込手段)の構成例を示すブロック図である。
【図5】セレクタにおける1ページ分の画像信号について示すタイミングチャートである。
【図6】メモリコントローラ及び画像メモリの構成例を示すブロック図である。
【図7】連結コピーモードによる電子ソート例を示す模式図である。
【図8】連結モード処理等における信号授受を示す基本的なシーケンス図である。
【図9】本実施の形態の特徴的な連結モード処理等の信号授受を示すシーケンス図である。
【図10】マスタ機側の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図11】スレーブ機側の連結モード要求受信時の処理例を示す概略フローチャートである。
【図12】スレーブ機側の連結コピー開始要求受信時の処理例を示す概略フローチャートである。
【図13】スレーブ機側の連結コピー終了通知受信時の処理例を示す概略フローチャートである。
【図14】スレーブ機側の連結モード解除要求受信時の処理例を示す概略フローチャートである。
【図15】本実施の形態の印刷不可要因がある場合の特徴的な連結モード処理等の信号授受を示すシーケンス図である。
【図16】液晶タッチパネルの各種表示例を示す平面図である。
【図17】本発明の第二の実施の形態を示す結線図である。
【図18】マスタ機における連結キー表示制御を示す概略フローチャートである。
【図19】本発明の第三の実施の形態の連結モード処理等の信号授受を示すシーケンス図である。
【図20】マスタ機側の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図21】本発明の第四の実施の形態の連結モード処理等の信号授受を示すシーケンス図である。
【図22】マスタ機側の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図23】スレーブ機側の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図24】複数台のデジタル複写機を接続したシステム構成例を示すシステム結線図である。
【図25】マスタ機側の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
31 表示手段
66 記憶手段
43 動作開始指示手段
92 連結印刷モード選択手段
160 マスタ機、画像形成装置
161 スレーブ機、画像形成装置
SC 読取手段
PR 印刷手段

Claims (19)

  1. 画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を備えたマスタ機となる画像形成装置において、
    前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付手段と、
    前記開始後連結モード受付手段により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換手段と、
    前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視手段と、
    前記印刷動作不可要因有無監視手段により前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付手段又は前記印刷動作切換手段の処理を制限する制限手段と、を備える画像形成装置。
  2. 原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段を有し、前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中には、前記読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む請求項1記載の画像形成装置。
  3. 印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記制限手段は、前記連結モードの設定を拒絶する場合に前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を表示手段に表示させる請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択手段の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換手段の処理を制限する請求項1又は2記載の画像形成装置。
  6. 前記印刷動作付加要因有無監視手段は、前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出された場合に、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる請求項5記載の画像形成装置。
  7. 画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を備えるマスタ機となる画像形成装置が備えるコンピュータにインス トールされ、
    前記コンピュータに、
    前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後、当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付機能と、
    前記開始後連結モード受付機能により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換機能と、
    前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視機能と、
    前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付機能又は印刷動作切換機能の処理を制限する制限機能と、を実行させるコンピュータ読取り可能なプログラム。
  8. 前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中には、前記画像形成装置が備える原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む請求項7記載のコンピュータ読取り可能なプログラム。
  9. 前記印刷動作の開始後の当該画像形成装置のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する前記印刷動作不可要因有無監視機能と、
    前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する前記制限機能と、を実行させる請求項7又は8記載のコンピュータ読取り可能なプログラム。
  10. 前記連結モードの設定を拒絶する場合に前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を表示手段に表示させる前記制御機能を実行させる請求項9記載のコンピュータ読取り可能なプログラム。
  11. 前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する前記印刷動作不可要因有無監視機能と、
    前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択機能の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換機能の処理を制限する前記制限手段と、を実行させる請求項7又は8記載のコンピュータ読取り可能なプログラム。
  12. 前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信する前記印刷動作付加要因有無監視機能と、
    前記印刷動作不可要因有無監視機能により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出された場合に、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる前記制限手段と、を実行させる請求項11記載のコンピュータ読取り可能なプログラム。
  13. 請求項7ないし12の何れか一項記載のプログラムが格納されたコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
  14. 画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された画像データを印刷する印刷手段と、該印刷手段での印刷動作の開始を指示する動作開始指示手段と、前記記憶手段に記憶された画像データをスレーブ機となる他の画像形成装置に転送することにより印刷処理を当該スレーブ機と分担させて実行させる連結印刷動作手段と、前記連結印刷動作手段による分担した印刷処理を実行させる連結モードの設定を指示する連結モード選択手段と、を各々備え、相互にマスタ機又はスレーブ機となり得る複数台の画像形成装置を双方向通信可能に接続した画像形成システムであって、
    前記マスタ機となる前記画像形成装置は、
    当該マスタ機における前記動作開始指示手段の指示による印刷動作の開始後、当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作を受付ける開始後連結モード受付手段と、
    前記開始後連結モード受付手段により前記連結モードの設定を受付けたとき、前記画像データを前記スレーブ機側に転送させて前記単独印刷動作から前記連結印刷動作手段による前記スレーブ機と分担させた印刷処理動作に移行させる印刷動作切換手段と、
    前記スレーブ機に連結モード移行要求を送信し、この連結モード移行要求に対する前記スレーブ機からの応答内容に基づいて、当該スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視する印刷動作不可要因有無監視手段と、
    前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード受付手段又は前記印刷動作切換手段の処理を制限する制限手段と、を備え、
    前記スレーブ機となる他の画像形成装置は、
    前記マスタ機側から連結モード移行要求が通知される毎に、当該スレーブ機が印刷不可状態にあるか否かを判断して前記マスタ機側に応答する自己診断手段と、
    前記連結モードの設定に伴う前記マスタ機側からの前記連結モードへの移行の通知を受付ける通知受付手段と、
    前記マスタ機側からの画像データの転送を受けて前記連結印刷動作手段による前記マスタ機と分担させた印刷処理動作を開始させる印刷動作開始手段と、を備える画像形成システム。
  15. 各々の画像形成装置は、原稿画像を読取り画像データとして出力する読取手段を有し、前記マスタ機における前記印刷動作の開始後の単独印刷動作中には、当該マスタ機における前記読取手段による原稿画像の読取り動作中を含む請求項14記載の画像形成システム。
  16. 前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記連結モード選択手段の操作による前記連結モードの設定を拒絶するように前記開始後連結モード受付手段の処理を制限する請求項14又は15記載の画像形成システム。
  17. 前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記制限手段は、前記連結モードの設定を拒絶する場合に、前記印刷動作不可要因有無監視手段により検出されたその印刷動作不可要因を当該マスタ機の表示手段に表示させる請求項16記載の画像形成システム。
  18. 前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前記印刷動作の開始後の当該マスタ機のみによる単独印刷動作中に前記連結モード選択手段の操作が有った場合に、前記スレーブ機の印刷動作不可要因の有無を監視し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因があると検出された場合に、前記開始後連結モード選択手段の操作により受付けた前記連結モードによる印刷処理動作への移行を保留させるように前記印刷動作切換手段の処理を制限する請求項14又は15記載の画像形成システム。
  19. 前記マスタ機となる前記画像形成装置における前記印刷動作不可要因有無監視手段は、前前記スレーブ機に連結モード移行要求を定期的に送信し、
    前記制限手段は、前記印刷動作不可要因有無監視手段により、前記スレーブ機に印刷動作不可要因がありの状態からなしの状態への移行が検出されたとき、保留されていた前記連結モードによる印刷処理動作へ移行させるように前記印刷動作切換手段を動作させる請求項18記載の画像形成システム。
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