JP4012324B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関するもので、特に発色現像の連続処理時にも安定に処理できる発色現像液及びそれを用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関し、詳しくは、補充量を減少させても感光材料の処理量に左右され難い安定なカラー写真画像を連続的に形成するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー写真感光材料の処理は、感光材料を像露光後、発色現像処理、銀漂白処理、ハロゲン化銀定着処理、漂白処理と定着処理を同時に行う漂白定着処理、水洗処理、水洗処理に代えるリンス処理、安定処理、乾燥処理が基本処理であり、この他各処理液に使用するために、又、処理後の感光材料の物理的強度を増すために及び安定性を増すために付加される処理工程がある。
【0003】
現在多く使用されているハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理は、カラーネガフィルムからカラープリントを得る方法であり、他に直接最終画像を得るポジカラーフィルム及びプリントを得る方法もあり、これらの処理工程は、カラーネガフィルム又はカラープリントを得る工程に黒白現像処理が加えられた処理方法が基本的である。更に、カラープリントのユーザーは、プリントを少しでも早く見たいとの要望から、短時間でプリントが出来ることを望み、これに対応するために処理の迅速化が必要となっている。
【0004】
近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理は感光材料の改良により迅速処理が可能になっている。更に、処理をするに当っては、自動現像機により簡単に多量の処理が可能となっており、併せて自動現像機の発達により、小型、安価となり数多くの機械が使用されている。ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理に使用する発色現像液は、パラフェニレンジアミンのような芳香族第一級アミン系発色現像主薬が使用される。この発色現像主薬の空気酸化等を防止するための保恒剤として、亜硫酸塩及びヒドロキシルアミン、発色現像液をアルカリに保つためのアルカリ剤として、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩及び水酸化アルカリ、抑制剤、水質軟化剤、その他必要に応じて添加剤が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
カラーペーパー用ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、迅速処理を可能にするため、塩化銀の使用比率の高い、塩臭化銀乳剤が使用されている。この塩化銀の比率の高い、塩臭化銀感光材料はこれまで使用されてきているヒドロキシルアミンでは発色濃度が低くなってしまう。このため、同じ保恒剤である亜硫酸塩のみを使用した場合、発色現像液の安定性はある程度維持できるが、処理が進み時間が経過した発色現像液では、カブリの発生があり、使用することができない。又、添加量を多くすることで安定性は増すが、ヒドロシキルアミン同様発色濃度が低くなってしまう。
【0006】
この様な状況から、ヒドロキシルアミンに代り、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンの使用、又は、N,N−ジエチルヒドロシキルアミンと亜硫酸塩の併用が一般的となっている。このN,N−ジエチルヒドロキシルアミンは、ヒドロキシルアミン程ではないが、同じように発色濃度を低下させる性質を持っている。更に悪いことに、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンは特異な臭気を持っており、所謂ミニラボと云われている一般店舗の一部で処理が行われる場合、この臭気は環境の点から、又処理作業に対しても好ましいことではなく、除かれることが望ましい事項である。
【0007】
一方、これら写真処理に当っては、簡単に多量の写真を迅速に処理するために自動現像機が使用され、感光材料の処理に当り、必要な処理液を補充液として補充しながら処理が行われる。この補充液は一定量毎に準備されるため、使用し切るまでにある時間が経過するので、始めの頃と、ある時間経過した状態は補充液の状態は違うこととなるが、このようなことが生じると、処理された写真の質に変化が生じるので、この補充液の安定性はよいものにしておかなくてはならない。又、自動現像機中で使用される処理液は、絶えず補充される補充液量に見合った量が排出されるが、この間やはりある時間の経過があり、この時間経過内での安定性も必要である。
【0008】
撮影者から処理を依頼された写真処理業者は、短時間のうちに要望に添うため、処理を迅速に行う必要があり、特に処理剤の工程迅速化が要望されている。迅速な発色現像を行うためには、発色現像液は高活性の処理液となる。このような場合、当然処理液は劣化が激しくなり、長期間使用した場合、組成内容の変化が生じ、現像活性低下、画質の変化、ペーパー全体の汚れの発生となり、満足できるものではない。これらの原因として考えられるものは、使用している発色現像主薬及び保恒剤の劣化、アルカリ度の低下、更に処理される感光材料から溶出する物質等の蓄積である。
【0009】
更に、自動現像機を使用して処理する場合、感光材料の処理量に見合った廃液が発生するが、省資源又廃棄物による環境の影響を考え廃液量を減らす、即ち、補充量の減量を行うこととなるが、補充量が減量されると用意された補充液が使用されるまでに時間がかかり、更に自動現像機中に滞留する時間が長くなり、その時間に応じて処理液の劣化が進行することとなる。特に、処理量の少ない写真処理業者にとってこの問題は深刻である。亜硫酸塩の添加は処理量が少ない場合有効であるが、逆に処理量が多い場合、発色濃度の低下を引き起こすこととなる。
【0010】
例えば、日本国特許第2620581号明細書には、種々のヒドロシキルアミン誘導体が提案されている。これらの化合物の中には、臭気の点では一部臭気を含有しない化合物も記載されているが、補充量の減量を行った場合、発色現像液の酸化を有効に防止する点では充分に満足できるものではない。又、日本国特許台2652503号明細書には高分子化されたヒドロシキルアミン誘導体の提案がなされている。これらの化合物も臭気の点では満足できるものの、補充量の減量を行った場合、発色現像液の酸化を有効に防止する点では充分に満足できるものではなく、更には、これらの化合物が用いられた発色現像液は、続く脱銀工程である漂白定着へ持ち出されたとき、好ましくない不溶性物質を発生する欠点を有する。又、米国特許第5466565号明細書には、エーテル結合を有する高分子化されたヒドロキシルアミン誘導体が開示されているが、これらの化合物の中には、それが用いられた発色現像液が、続く脱銀工程である漂白定着へ持ち出されたとき好ましくない不溶性物質を発生する欠点を有する。
【0011】
従って本発明者等は、発色現像液の補充液の補充量を減量しても、発色現像液の保恒性が維持され、発色濃度の低下がなく、且つカブリの発生がなく、臭気が少なく処理量の多少によって発色濃度が影響を受けることなく、更に、続く漂白定着液にて不溶性物質を発生しないハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を検討した結果、特定の処理方法で処理することでこれらの問題点を解決することを見出し、本発明に至ったもので、その目的とするところは、これらの問題をなくし、補充量を減量しても写真性能が常に安定して得られるハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を、P−フェニレンジアミン系発色現像主薬を含有する発色現像液で現像する際、該発色現像液を補充液を補充しながら連続的に処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、90%モル以上の塩化銀からなる高塩化銀ハロゲン化銀乳剤を含有し、前記発色現像液は、下記一般式〔I〕(化2)で示される化合物を含有し、発色現像液の補充液の亜硫酸濃度が5×10−3モル以下であって、且つ、補充量が80ml/m2未満であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法により達成された。
一般式〔I〕
【化2】
式中R1は炭素数2〜8のアルキル基で置換されてもよいアルキレン基又はアルカントリイル基を示し、アルキレン基の場合lは0となり、アルカントリイル基の場合は1となる。lが1の場合、Aは一般式〔I〕で表わされるポリマーを示し、一般式〔I〕は3次元構造となる。mは0〜30の整数を示す。nは10〜10000の整数を示す。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明に使用する一般式〔I〕の具体的化合物の例を挙げる。但し、本発明はこれらの化合物に限定されない。
〔I−1〕
【化3】
〔I−2〕
【化4】
〔I−3〕
【化5】
〔I−4〕
【化6】
〔I−5〕
【化7】
〔I−6〕
【化8】
〔I−7〕
【化9】
〔I−8〕
【化10】
【0014】
一般式〔I〕で示される化合物中アルキル基で置換されてもよいアルキレン基とは、アルキルキで置換されてもよい直鎖飽和炭化水素の両鎖端の炭素原子から水素原子1個ずつを除いて誘導される二価の基を示し、具体的には、
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
などが挙げられる。アルカントリイル基とは、鎖の両端と中間の炭素原子に遊離原子価を持つ炭素原子3個又はそれ以上の3価の基を示し、具体的には、
【化16】
【化17】
【化18】
などが挙げられる。一般式〔I〕で示される化合物は、これらの基を2種類またはそれ以上含むコポリマーであってもよい。
【0015】
これらの基の説明は、有機化学の基礎、別巻I有機化合物の命名、15頁(1994)、(株)培風館発行に記載されている。本発明に使用する一般式〔I〕で示される化合物は既知の方法により容易に合成することができる。代表的な例としては、「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.,),75,1009(1899),J.Chem.Soc.,1963,3144等に記載の過酸化水素水を用いた2級アミンの酸化反応。ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.,),79,964(1957),J.Chem.Soc.,1955,769等に記載のアミンオキシドのコープ離脱反応、又一般的なヒドロキシルアミンのハロゲン化アルキルへの置換反応、ヒドロキシルアミンのオレフィンへの付加分反応、ヒドロキシルアミンとオキシラン化合物との開環反応が挙げられる。
【0016】
以下、一般式〔I〕化合物の合成方法の一例を挙げる。
化合物(I−2)の合成
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル174g(1.0mol)、50%ヒドロキシルアミン水溶液66g(1.0mol)を水450mlと混合し、60℃にて加熱撹拌を2時間行った。得られた水溶液中のヒドロキシルアミノ基の濃度をフェーリング液により求めたところ、0.109mol/100gのヒドロキシルアミノ基が含まれていることが確認された。又、未反応ヒドロキシルアミンを液体クロマトグラフィーよにり測定したところ、残存していないことが確認された。得られた水溶液は、殆ど臭気がない。
本発明の発色現像液に用いられるP−フェニレンジアミン系発色現像主薬は、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.,)73.3100(1951)及びハイスト(Haist)、現代写真の処理(Modern Photographic Processing).1979.ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons).ニューヨーク.の545頁以降に記載されている。
【0017】
本発明に使用される好ましい化合物例を以下に示す。
(A−1)4−アミノ−3−メチル−N−ジエチルアニリン塩酸塩
(A−2)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩
(A−3)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メチルスルフォンアミドエチル)アニリン3/2硫酸塩1水和物
(A−4)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩1水和物
(A−5)4−アミノ−3−(β−メチルスルフォンアミドエチル)−N−ジエチルアニリン塩酸塩
(A−6)4−アミノ−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)アニリン・2パラトルエンスルフォン酸塩
(A−7)4−アミノ−N−ブチル−N−(β−スルフォン酸ブチル)アニリン硫酸塩
【0018】
本発明に用いられる発色現像液には通常使用される種々の成分、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ剤、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、沃化カリウム、沃化ナトリウム等のハロゲン化合物、アミノポリカルボン酸、ポリスチレンスルフォン酸、ポリホスフォン酸等の水軟化剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等濃厚化剤及び現像促進剤を含有させることができる。
【0019】
又、白地向上を目的とした蛍光増白剤、発色現像主薬などの難溶性物質の溶解性向上を目的とした各種界面活性剤、更に、添加剤として、ニトロベンゾイミダゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、5−メチル−ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールなどの化合物、ステイン防止剤、スラッジ防止剤等が使用される。又、本発明の発色現像液は、pH9,5以上で使用されることが好ましいが、一般にpHはある程度上げることにより、迅速な処理が可能となるが、経時により変質してカブリやベースの汚染の原因となる。
【0020】
本発明に用いる漂白液に使用される漂白剤は有機酸の金属錯塩であり、該錯塩として、アミノポリカルボン酸、クエン酸等の有機酸と鉄、コバルト、銅等の金属である。このような有機酸の金属錯塩を形成するために用いられる最も好ましい有機酸として、ポリカルボン酸があり、これらのポリカルボン酸又はアミノポリカルボン酸はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、水溶性アミン塩であってもよい。これらの具体例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸、1,3−プロピレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N’,N’−トリ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、ジヒドロキシエチルグリシンクエン酸、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、フェニレンジアミンテトラ酢酸等及びこれらの酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、水溶性アミン塩である。
【0021】
ハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸及びハロゲンのアルカリ金属塩、アンモニウム塩が一般的であり、これらの具体例としては、塩化水素酸、臭化水素酸等、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム等である。緩衝剤としては、無機の弱酸及び有機酸とアルカリ剤を組合わせて使用される。無機の弱酸としては、炭酸、ホウ酸、リン酸、有機酸としては、酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸等であり、これらの具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウム等である。
【0022】
更に、漂白促進作用のための添加剤が使用できる。これらの添加材に関しては、特開昭54−35727号、特開昭60−12549号、特開昭60−76745号、特開昭60−95540号、特開平2−103041号等に使用例が記載されている。
【0023】
緩衝剤としては、無機の弱酸及び有機酸とアルカリ剤を組合わせて使用される。無機の弱酸としては、炭酸、ホウ酸、リン酸、有機酸としては、酢酸、クエン酸、コハク酸等であり、これらの具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸アンモニウム等である。
【0024】
本発明に用いる漂白定着液に使用する漂白剤は、前記漂白液で使用する漂白剤であり、定着液は前記定着液で使用する定着剤であり、緩衝剤は前記漂白液及び定着液で使用する緩衝剤である。更に、漂白定着を促進するための添加剤が使用できる。これら添加剤に関しては、特公昭45-8506号、特公昭45-8836号、特開昭46-280号、特公昭46-556号、特開昭49-42349号、特公昭53-9854号、特開昭54-71634号、ベルギー特許第770910号等に記載されている。
【0025】
本発明での水洗処理は、水洗もしくはそれに代る安定化処理で行われる。水洗に代る安定化処理の場合、使用する安定化液のpHは5〜8であり、安定化処理液に含有することができる緩衝剤は一般に知られているアルカリ剤又は酸剤の如何なるものも使用できる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
〔実施例1〕以下に示す組成の発色現像液(A)を調製し、1lビーカー中、室温下、開放放置を行った。4週間後、蒸発した分の水を補い、高速液体クロマトグラフィーにより残存する発色現像主薬量を測定した。その結果は表1に示す通りである。
発色現像液(A)
ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g
塩化ナトリウム 5.0g
炭酸カリウム(無水) 25.0g
N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド
エチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫
酸塩(発色現像主薬) 5.0g
トリエタノールアミン 15.0g
蛍光増白剤(4,4’−ジアミノスチルベン系) 2.0g
表1に記載の化合物 0.022mol
(高分子化合物はヒドロキシルアミノ基を基準として添加した。)
水を加えて 1.0l
pH(水酸化カリウム又は硫酸を使用して) 10.05
【表1】
化合物A ジエチルヒドロキシルアミン
化合物B
【化19】
(特許第2620581号公報に記載の化合物)
化合物C
【化20】
(特許第2652503号公報に記載の化合物)
表1の結果から、本発明のポリマー主鎖にエーテル結合を有し、更にポリマー主鎖にヒドロキシキが置換したポリマー型ヒドロキシルアミン化合物は、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン又は単なるポリマー型ヒドロキシルアミン化合物には見られない優れた残存効果を有していることが判る。
【0027】
〔実施例2〕市販のカラーペーパーを用い、像露光後、表2の処理工程と処理液にて処理を行った。
【表2】
補充量は感光材料1m2当りの量で表す。安定処理工程は4タンクで▲4▼から▲1▼への向流方式とした。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
感光材料の処理量は、1日にカラーペーパー5m2を処理する少量処理と、30m2処理する多量処理とを各々20日間行った。終了時、市販のコントロールストリップを処理し、サンプルは反射型濃度計(X−RITE)を用いて、カブリが問題となり易い未露光部のマゼンタ色素の最少濃度及び現像速度が遅く、発色濃度が出難いイエロー濃度の最高濃度を測定した。又、漂白定着液中の不溶性物質の発生の有無を目視にて確認した。これらの結果を表3に示す。
【表3】
化合物D
【化21】
(米国特許第5466565号明細書に記載)
【0032】
表3から明らかなように、補充量が多い場合は、従来のヒドロキシルアミン類を用いても処理量の多少に拘らず、問題なく処理ができる(実験8)。しかしながら、補充量を減量した場合、従来のヒドロキシルアミン類を用いたのでは、処理量が少ない場合、未露光部のマゼンタ濃度の上昇を起こす。又、マゼンタ濃度の上昇を抑えるために、亜硫酸塩濃度を上げようとすると、処理量が多い場合はイエロー濃度の低下を起こす。又、高分子型ヒドロキシルアミン類で化合物C化合物Dのような化合物は、漂白定着液中に不溶性物質を発生する(実験9,10,11,12)。
【0033】
然しながら、本発明の一般式〔I〕で示される高分子型ヒドロキシルアミン類は、80ml/m2未満の低補充においても、亜硫酸塩の添加を必要とせず、処理量の多少に拘らず、漂白定着液中に不溶性物質を発生することもなく、安定した処理が可能であることが判る(実験13〜16)。
【0034】
【発明の効果】
上記の如く本発明によれば、発色現像において、一般式〔I〕で示される高分子型ヒトドロキシルアミン類を使用し、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を処理量の多少に拘らず、低補充処理を安定に行うことができ、発色現像液の保恒性が維持され、発色濃度の低下がなく、且つ、カブリの発生がなく脱銀工程での不溶性物質の発生がない状態でハロゲン化銀カラー写真感光材料を処理することができ、更に、この発色現像液は、臭気がないため使用環境のよい状態で使用できることが分かる。
Claims (1)
- 露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を、P−フェニレンジアミン系発色現像主薬を含有する発色現像液で現像する際、該発色現像液を補充液を補充しながら連続的に処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法において、前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、90%モル以上の塩化銀からなる高塩化銀ハロゲン化銀乳剤を含有し、前記発色現像液は、下記一般式〔I〕(化1)で示される化合物を含有し、発色現像液の補充液の亜硫酸濃度が5×10−3モル以下であって、且つ、補充量が80ml/m2未満であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
一般式〔I〕
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