JP3028351B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料の処理方法に関するもので、特に、発色現像
の連続処理時にも安定に処理出来るハロゲン化銀カラー
写真感光材料の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー写真感光材料の処理は、感光材料
を像露光後、発色現像処理、銀漂白処理、ハロゲン化銀
定着処理、漂白処理と定着処理を同時に行う漂白定着処
理、水洗処理、水洗処理に替るリンス処理、乾燥処理が
基本的処理で、この他各処理液を安定に使用するため
に、又、処理後の感光材料の物理的強度を増すため及び
安定性を増すために付加される処理工程がある。
【0003】写真処理は、自動現像機が使用されるのが
一般的であり、必要な処理液を補充液として、処理する
感光材料の量に比例して自動現像機に加えて処理され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、発色
現像液の様な活性の高い処理液に於ては、長期間連続処
理を行った場合、感度及びコントラストの低下を起した
り、カブリやベース汚れが発生したりするなど満足でき
るものではない。主な原因としては、カラー現像主薬及
び保恒剤の劣化、それに伴う汚れの発生、pHの低下、
感光材料からの溶出物の蓄積などがある。
【0005】連続処理に於て、多量な処理液を補充する
場合には、これらの問題は発生し難くなるとは云え、多
量な処理液を補充することは省資源、低公害及び低コス
トに反するものであり、望ましいとは云えない。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料を連続的に処理する場合、
安定に処理できる処理方法を提供することにあり、ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料を像露光後、過酸化水素に
よる現像補力作用を有しない発色現像処理に於て、パラ
フェニレンジアミン系発色現像主薬、下記一般式(I)
で示されるアミン化合物及び過酸化水素を含有する保恒
剤を含む発色現像液を使用することを特徴とする。
【0007】一般式(I)
【化2】 式中R1,R2及びR3は夫々独立にアルキル基、アルケ
ニル基及びアリール基を示す。この場合、これらの基は
ヒドロキシル基、アルコキシル基及びカルボキシル基で
置換されていてもよい。又、R1とR2は共同してヘテロ
環を形成してもよいし、R1,R2,R3で連結されたビ
ス体又はトリス体を形成してもよい。
【0008】一般式(I)で示されるアミン化合物の具
体例を(I−1)〜(I−18)として挙げるが、本発
明はこれらに限定されるものではない。一般式(I)で
示されるアミン化合物は、市販品として入手可能であ
る。 (I−1)
【化3】 (I−2)
【化4】 (I−3)
【化5】 (I−4)
【化6】 (I−5)
【化7】 (I−6)
【化8】 (I−7)
【化9】 (I−8)
【化10】 (I−9)
【化11】 (I−10)
【化12】 (I−11)
【化13】 (I−12)
【化14】 (I−13)
【化15】 (I−14)
【化16】 (I−15)
【化17】 (I−16)
【化18】 (I−17)
【化19】 (I−18)
【化20】
【0009】
【実施例】 〔実施例1〕市販のカラーペーパーを用い、像様露光
後、下記の処理工程と処理液にて処理を行った。 処理工程 温 度 時 間 発色現像 35℃ 45秒 漂白定着 30〜36℃ 45秒 水洗(流水) 23〜33℃ 80秒 乾 燥 75〜85℃ 60秒
【0010】 発色現像液A(感光材料1m2当り320ml補充) 母 液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 塩化ナトリウム 1.4g ━━━ 炭酸カリウム 25.0g 25.0g N−エチル−N−(β−メタンスル ホンアミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 7.0g 無水亜硫酸ナトリウム 0.5g 0.7g 蛍光増白剤(4、4’−ジアミノ スチルベン系) 2.0g 2.5g ジエチルヒドロキシルアミン 2.7g 4.0g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.05 10.45
【0011】 発色現像液B(感光材料1m2当り160ml補充) 母 液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 塩化ナトリウム 1.4g ━━━ 炭酸カリウム 25.0g 25.0g N−エチル−N−(β−メタンスル ホンアミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 9.0g 無水亜硫酸ナトリウム 0.5g 0.7g 蛍光増白剤(4、4’−ジアミノ スチルベン系) 2.0g 2.5g ジエチルヒドロキシルアミン 2.7g 5.4g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.05 10.65
【0012】 発色現像液C(感光材料1m2当り160ml補充) 母 液 補充液 35%過酸化水素水 4.8ml 9.6ml 表1に記載の一般式(I)のアミン化合物 0.05mol 0.10mol ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 塩化ナトリウム 1.4g ━━━ 炭酸カリウム 25.0g 25.0g 無水亜硫酸ナトリウム 0.5g 0.7g N−エチル−N−(β−メタンスル ホンアミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 9.0g 蛍光増白剤(4、4’−ジアミノ スチルベン系) 2.0g 2.5g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.05 10.65
【0013】 漂白定着液(母液と補充液は共通、感光材料1m2当り160ml補充) チオ硫酸アンモニウム 70.0g 無水亜硫酸ナトリウム 17.0g エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム 55.0g エチレンジアミン四酢酸二 ナトリウム 5.0g 水を加えて 1.0l pH(酢酸を使用して) 6.0
【0014】一日のカラーペーパーの処理量を15m2
とし、10日間、合計150m2を処理した。又、市販
のコントロールストリップを連続処理の開始時と終了時
に各々処理し、最小濃度の変化(△Dmin)、感度の変
化(△LD)、コントラストの変化(△HD−LD)を
測定した。尚、測定には反射型濃度計(X−RITE3
10)を用い、その結果は表1に示した。
【0015】 尚、表中は青色光濃度を示し、は緑色光濃度を示
し、は赤色光濃度を示している。
【0016】以上の結果からも判るように、カラーペー
パーを連続処理時、発色現像液を多量に補充しながら行
う場合には、何等問題が起らないとは云え、補充量を減
らすと最小濃度の上昇、感度の低下、コントラストの低
下など様々な問題を引き起こす。
【0017】しかしながら、本発明の一般式(I)で示
されるアミン化合物及び過酸化水素を含有する発色現像
液を使用する処理方法で処理する場合は、連続処理時、
発色現像液の補充量を減らしても何等問題の起らない安
定した処理が可能であることが判る。
【0018】〔実施例2〕市販のカラーペーパーを用
い、像様露光後、下記の処理工程と処理液及び実施例1
の発色現像液Aにて処理を行った。漂白定着液は実施例
1と同様の組成のものを使用した。 処理工程 温 度 時 間 発色現像 35℃ 45秒 漂白定着 30〜36℃ 45秒 水洗(流水) 23〜33℃ 80秒 乾 燥 75〜85℃ 60秒
【0019】 発色現像液D(感光材料1m2当り320ml補充) 母 液 補充液 35%過酸化水素水 4.8ml 7.2ml 表2に記載の一般式(I)のアミン化合物 0.05mol 0.075mol ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 塩化ナトリウム 1.4g ━━━ 炭酸カリウム 25.0g 25.0g 無水亜硫酸ナトリウム 0.5g 0.7g N−エチル−N−(β−メタンスル ホンアミドエチル)−3−メチル −4−アミノアニリン硫酸塩 5.0g 7.0g 蛍光増白剤(4、4’−ジアミノ スチルベン系) 2.0g 2.5g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.05 10.65
【0020】カラーペーパーの処理量は、15m2−1
0日間(処理−I)及び5m2−30日間(処理−II)
の合計150m2とした。又、市販のコントロールスト
リップを連続処理の開始時と終了時に各々処理し、最小
濃度の変化(△Dmin)、感度の変化(△LD)、コン
トラストの変化(△HD−LD)を測定した。尚、測定
には反射型濃度計(X−RITE310)を用い、その
結果は表2に示した。
【0021】
【0022】以上の結果からも判るように、カラーペー
パーを連続的に処理する場合、1日当りの処理量が多い
場合は何等問題が起らないとは云え、補充量が少ないと
最小濃度の上昇、感度の低下、コントラストの低下など
様々な問題を引き起こす。
【0023】しかしながら、本発明の一般式(I)で示
されるアミン化合物及び過酸化水素を含有する発色現像
液を使用する処理方法で連続的に処理する場合は、一日
当りの処理量が少なくても何等問題の起らない安定した
処理が可能であることが判る。
【0024】〔実施例3〕市販のカラーネガフィルムを
用い、像様露光後、下記の処理工程と処理液にて処理を
行った。 処理工程 温 度 時 間 発色現像 38℃ 3分15秒 漂 白 35〜41℃ 6 分 定 着 35〜41℃ 3分15秒 水洗(流水) 25〜35℃ 2分10秒 安 定 24〜41℃ 1 分 乾 燥 40〜70℃ 1 分
【0025】 発色現像液E(36枚撮りフィルム1本当り60ml補充) 母 液 補充液 無水炭酸カリウム 35.0g 35.0g 無水亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.5g ヨウ化カリウム 0.002g ━━━ 臭化ナトリウム 1.3g 0.9g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0g 3.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 2−メチル−4−N−エチル−N−β− ヒドロキシエチルアミノアニリン硫酸塩 4.5g 5.0g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.0 10.0
【0026】 発色現像液F(36枚撮りフィルム1本当り60ml補充) 母 液 補充液 35%過酸化水素水 4.8ml 7.2ml 表3に記載の一般式(I)のアミン化合物 0.05mol 0.075mol 無水炭酸カリウム 35.0g 35.0g 無水亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.5g ヨウ化カリウム 0.002g ━━━ 臭化ナトリウム 1.3g 0.9g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 2.0g 2−メチル−4−N−エチル−N−β− ヒドロキシエチルアミノアニリン硫酸塩 4.5g 5.0g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(水酸化カリウムを使用して) 10.0 10.0
【0027】 漂白液(36枚撮りフィルム1本当り30ml補充) 母 液 補充液 エチレンジアミン四酢酸 アンモニウム鉄(III)塩 100.0g 120.0g 臭化アンモニウム 150.0g 170.0g 氷酢酸 10ml 17ml 水を加えて 1.0l 1.0l pH(アンモニア水を使用して) 6.0 5.7
【0028】 定着液(36枚撮りフィルム1本当り30ml補充) 母 液 補充液 チオ硫酸アンモニウム 120.0g 140.0g エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム(2水塩) 1.0g 1.5g 亜硫酸水素ナトリウム 12.0g 15.0g 水酸化ナトリウム 2.5g 3.0g 水を加えて 1.0l 1.0l pH(酢酸を使用して) 6.5 6.5
【0029】 安定液(36枚撮りフィルム1本当り49ml補充) 母 液 補充液 ウエットール 〔中外写真薬品(株)製品〕 10.0ml 15.0ml ホルマリン(37%) 5.0ml 7.0ml 水を加えて 1.0l 1.0l
【0030】1日のカラーネガフィルムの処理量を10
本とし、30日間合計300本を処理した。又、市販の
コントロールストリップを連続処理の開始時と終了時に
各々処理し、最小濃度の変化(△Dmin)、感度の変化
(△LD)、コントラストの変化(△HD−LD)を測
定した。尚、測定には透過型濃度計(X−RITE31
0)を用い、その結果は表3に示した。
【0031】
【0032】以上の結果からも判るように、本発明の一
般式(I)で示されるアミノ化合物及び過酸化水素を含
有する発色現像液を使用することを特徴とする発色現像
処理方法は、カラーネガフィルムを連続的に処理する場
合に於ても何等問題の起らない安定した処理が可能であ
ることが判る。
【0033】
【発明の効果】上記の如く本発明によれば、発色現像処
理に於て、一般式(I)で示されるアミン化合物及び過
酸化水素を含有する発色現像液を使用することを特徴と
する処理方法は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を連
続的に処理する場合、安定的に処理することが出来る優
れた処理方法であることが判る。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を像露光
    後、過酸化水素による現像補力作用を有しない発色現像
    処理に於て、パラフェニレンジアミン系発色現像主薬、
    下記一般式(I)で示されるアミン化合物及び過酸化水
    を含有する保恒剤を含む発色現像液を使用することを
    特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
    法。 一般式(I) 【化1】 式中R1,R2及びR3は夫々独立にアルキル基、アルケ
    ニル基及びアリール基を示す。この場合、これらの基は
    ヒドロキシル基、アルコキシル基及びカルボキシル基で
    置換されていてもよい。又、R1とR2は共同してヘテロ
    環を形成してもよいし、R1,R2,R3で連結されたビ
    ス体又はトリス体を形成してもよい。
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