JP4011837B2 - ポンプ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシング内で駆動ギアと従動ギアとが噛合しながら回転することにより流体を移送するポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から一対のギアを噛合させ回転させることにより、流体を移送するように構成された、いわゆるギアポンプが知られている。このギアポンプは、例えば冷蔵庫の自動製氷装置などに適応されている。
【0003】
図6は、ギアポンプの閉じ込み部の容積変化と、その容積変化を逃げる逃げ溝の効果の説明図である。まず、図6(d)によれば、ケーシング1内面を摺動回転する1対のギア2,2が噛合するとき閉じ込み空間部3が生じ、この閉じ込み空間部3は両ギア2,2の回転に伴って移動する。なお、両ギア2,2の回転により、吸入口7側の液体はそれぞれ両ギア2,2の外周とケーシング1との間の隙間に封じられながら、ケーシング1の内周に沿ってそれぞれ両ギア2,2の回転方向に移動し、吐出口6側へ移送され吐出口6から吐出される。
【0004】
図6(a)は閉じ込み開始点、図6(c)は閉じ込み終了点、図6(b)はその中間の状態である。この閉じ込みは相互の歯の接点A,Bの接動によって起るもので、この結果、閉じ込み部分の容積vは、図7に示すように、閉じ込み開始してから閉じ込み中間までの間においては次第に減少し、閉じ込み中間位置で最小vmin となり、それを過ぎると次第に増加する。つまり、回転に伴う容積の変動がある。
【0005】
水や油などの液体は加圧や減圧に対して物体の膨縮性がないため両ギア2,2の閉じ込み空間部3の容積が減少するときは非常な高圧となり、閉じ込み中間位置を過ぎて逆に閉じ込み空間部3の容積vが増加するときは真空状態となる。このため、閉じ込み空間部3の容積vが減少するとき、軸動力および軸受負荷が増加する一方、閉じ込み空間部3の容積vが増加し真空状態となるときは液体に溶解している気体の蒸気圧が見かけ上、低下して沸騰状態に近づき気泡を発生する。両ギア2,2の回転に伴って、閉じ込み空間部3の圧力変動が断続的に起こるので、両ギア2,2は振動し、振動に伴って騒音を発するだけではなく、吐出圧力を不規則に脈動させ、ポンプ寿命を短縮する原因となる。
【0006】
この容積変動を防ぐ方法の一つとして、閉じ込み空間部3の容積変動を逃がす逃げ溝をギア側面のポンプケース部に設ける方法がある(特開平8−105390号公報等参照)。すなわち、図7に示した、閉じ込み空間部3の容積vが減少する区間に対応する位置に、閉じ込み空間部3にある液体を逃がす逃げ溝4を設けて、閉じ込み空間部3と逃げ溝4を連通しておけば、閉じ込み空間部3の容積が減少する際の過剰容積Δv1は逃げ溝4を通じて吐出側に送りだされて異常な圧力上昇が起こりにくい。また、中間状態を過ぎて、閉じ込み空間部3の容積が増加し始めたならば、閉じ込み空間部3を別の逃げ溝5によって吸込み側と通じさせれば、閉じ込み空間部3の膨張の際の不足容積Δv2は吸い込み側から供給されて真空が発生しにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法においては、図6(b)に示した状態時になる直前から図6(b)に示した状態時の直後までの間において、瞬間的にではあるが、大きな圧力変動が生じる。すなわち、図6(b)に示した状態は、閉じ込み空間部3がいずれの逃げ溝4,5にも連通されない瞬間であり、この状態を境にした前後には当然大きな圧力変動が生じることとなる。
【0008】
このような事情から、逃げ溝4,5を設けても大きな圧力変動を完全に防止することはできない。したがって、上述の逃げ溝4,5が形成されたタイプのポンプ装置は、逃げ溝4,5が全くない構造のものと比べると、全体的に閉じ込み空間部3の圧力変動率が改善され振動等を抑える効果を備えたものとなるが、やはり振動及び騒音が発生し、かつポンプ寿命が短縮化されるという問題が生じる。
【0009】
なお、このように逃げ溝をケースに形成するのではなく、ギアの歯形状を工夫することにより両ギアの噛み合い位置に形成される空間を拡張し、圧力変動率を低下するようにしたポンプ装置も提案されている。例えば、特開平11−44294号公報記載のポンプ装置は、駆動歯車に従動する従動歯車の非作動面(歯の輪郭のうちポンプ動作時に回転する方向における後方側となる面)を、通常の歯面(インボリュートが形成された通常の歯形状)とせず、歯先から歯の根本方向に向かって直線的にカットしたような形状となっている。そのため、両ギアの噛み合い位置に、カットした分のスペースが形成される。
【0010】
しかしながら、インボリュート面を直線的にカットしただけであるため、その増加した体積分はそれ程大きなものではない。しかも、このような形状としたため、従動歯車のギアの歯の強度に問題があり、歯先が欠けたり、あるいは根本から折れてしまう危険がある。
【0011】
本発明の目的は、上記の問題に鑑みて、2つのギアの回転時における噛み合い位置の圧力変動をほぼ無くし、振動及び騒音を発生させない構造であって、しかもギアの歯に損傷が生じにくいポンプ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ケーシング内で互いに噛合する駆動ギアと従動ギアにより流体を移送するポンプ装置において、両ギアの各歯部の流体移送時の回転において互いに噛合する際に接触せずに向き合うこととなる各非接触面(以下、非作動面という)の少なくとも一方に断面円弧状の底部を有する凹部が形成され、両ギアの各歯部の流体移送時の回転において互いに噛合する際に接触する接触面(以下、作動面という)が2箇所で接触することによりその両接触位置間で形成される閉じ込み空間部が経時変化すると共にこの閉じ込み空間部内が上記非作動面同士が向き合う位置に形成される上記凹部を利用して形成され、凹部は、その軸方向における一部に形成され、残りの部分に上記各作動面に対してその形状が対称となるインボリュート部を形成し、上記両ギアを流体移送時と反対方向に回転させた場合に、上記各歯部の上記各非作動面に形成したインボリュート部同士が接触するように構成されたことを特徴としている。
【0013】
上述の発明を従来のギアポンプと比較すると、両歯車の噛み合い位置に形成される閉じ込み空間部が上記凹部により拡張されることとなる。しかも、ケーシングに溝を形成してこの噛み合い位置における圧力変動を抑える構成とは異なり、回転により移動する歯車の歯面に空間を拡張するための部位を設けたため、歯車の回転による圧力変動を完全に抑えることが可能となる。加えて、噛み合い位置における空間を拡張する部位は、歯先や歯の根本を避けるように断面円弧状の底部を有する凹部で形成されるため、歯先や歯の根本の歯幅を削減されず、歯先や歯の根本の強度も損なわれないものとなる。したがって、歯先が欠けたり根本から折れてしまうという不具合が生じにくい。このように、本願発明によれば、歯車部品の強度を十分保ちながら、従来に比して圧力変動に伴う振動や騒音を抑えられる。
【001
これに加えて、さらにこのポンプ装置によれば、両歯車を所定の流体の供給動作(ポンプ動作)と逆方向に回転させた場合、両歯車の各非作動面に形成されたインボリュート部が同士が、しっかりと噛み合ってスムーズにこの逆回転動作を行わせることが可能となる。したがって、通常のポンプ動作を終了させた後、両歯車を液体移送時と反対方向に駆動することによりケーシング内の流体を流体源側に逆流させることができる。
【001
また、他の発明は、上述のポンプ装置において、駆動ギア及び従動ギアのそれぞれの歯部間の根本位置に、半径方向内側にえぐった溝が形成され、閉じ込み空間部の体積が、溝によりさらに拡張されていることを特徴としている。そのため、噛み合い位置に形成される閉じ込み空間部の容量がさらに大きなものとなり、噛み合い前と噛み合い始めた後との圧力変化をより低減することが可能となる。
【001
また、他の発明は、上述のポンプ装置において、ケーシングの駆動ギアと従動ギアの互いに噛合する部位の側方と対面する対向面に、閉じ込み空間部をさらに拡張する逃げ溝が形成されたことを特徴としている。そのため、両歯車の噛み合い始めおよび噛み合い終了時において、噛み合い位置に形成される空間が逃げ溝と連通されることとなり、その際の圧力変動をさらに低減することが可能となる。
【001
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のポンプ装置の実施の形態を示した図で、ケーシング内を示した平面図である。また、図2は、ケーシング内の両ギアを取り除いた状態を示した平面図である。以下の説明において、図6と同じ作用効果を示す部材には同じ符号を表示し、重複する説明は省く。
【001
図1に示すように、このポンプ装置は、ケーシング1と、このケーシング1内に回転自在に配置された駆動ギア2aおよび従動ギア2bから主に構成されている。そして、このポンプ装置は、図示しないモータの駆動力によって駆動ギア2aが回転すると、この駆動ギア2aの回転に従動ギア2bが従動し、両ギア2a,2bが回転することにより液体を吸い込み口24側から吐出口25側へ移送するようになっている。
【0019
すなわち、図1において、駆動ギア2aが矢示X方向に回転すると、駆動ギア2aの歯部21aに噛合する歯部21bを備えた従動ギア2bが、駆動ギア2aに従動して矢示Y方向に回転する。なお、駆動ギア2a及び従動ギア2bは、各歯部21a,21bの歯先部分がケーシング1の内壁に摺動しながら回転する。このため、駆動ギア2a側では、吸い込み口24側の流体が、回転する駆動ギア2aの隣接する2つの歯部21aとケーシング1の内壁とにより密閉(矢示X1参照)されながら駆動ギア2aの回転によって約3/4周程度移動する。そしてこの移動後に、吐出口25側に放出される。
【002
一方、従動ギア2b側では、吸い込み口24側の流体が、回転する従動ギア2bの隣接する2つの歯部21bとケーシング1の内壁とにより密閉(矢示Y1参照)されながら従動ギア2bの回転によって約3/4程度移動する。そしてこの移動後に、吐出口25側に放出される。
【002
なお、上述の回転時、両ギア2a,2bの噛み合い位置41では、吸い込み口24側と吐出口25側とは常に不連続となっている。すなわち、この噛み合い位置41においては、駆動ギア2aのいずれかの歯部21aの側面と従動ギア2bのいずれかの歯部21bの側面とが少なくとも1箇所において常時接触するように構成されている。ただし、接触位置の受け渡し時において2箇所が接触する。すなわち、図1に示すように、2箇所(図1中の矢示A,Bを参照)で接触する場合がある。なお、このような場合の矢示A位置と矢示B位置との間の区間は、密閉された閉じ込み空間部3となる。通常の場合、接触位置の受け渡し時の2箇所の接触は、回転に伴って若干のオーバーラップがある。
【002
このように、流体移送時において、上述の噛み合い位置41で相手方の歯部と噛合する際にその相手方となる歯部と接触する側の接触面を、それぞれ作動面21aa,21bbという。各ギア2a,2bの作動面21aa,21bbは、共に軸方向全幅においてインボリュート形状に形成されている。
【002
一方、流体移送時において、上述の噛み合い位置41で相手方の歯部と噛合する際にその相手方となる歯部と接触せずに若干の隙間を持って向き合うこととなる非接触面を、それぞれ非作動面31a,31bという。上述の閉じ込み空間部3は、噛み合い位置41において上述の2箇所の接触で閉鎖される空間で、この閉鎖空間では非作動面31a,31b同士が向き合っている。この閉じ込み空間部3は、非作動面31a,31bにそれぞれ形成された凹部31ac,31bcを利用して形成されている。
【002
凹部31acは、断面円弧状の底部を有し、駆動ギア2aの非作動面31aの軸方向における一部に形成されている。そして、非作動面31aの残りの部分、具体的には、図示しないモータが配置される側となる図1における紙面奥側の端部(図3(A)参照)には、作動面31aに対してその形状が対称となるインボリュート部31cが形成されている。このインボリュート部31cは、流体移送時と反対方向に両ギア2a,2bを回転させてケーシング1内の液体を吸い込み口24側に戻す場合に、同様に従動ギア2bに形成されたインボリュート部31cに接触する接触部となっている。
【002
駆動ギア2aの非作動面31aに形成された凹部31acは、駆動ギア2aの歯部21aの根本及び歯先の幅を確保しつつ、その中間の部位を削り取った形状となっており、歯部21aの根本部分の強度及び歯先部分の強度を十分確保したものとなっている。そのため、歯部21aが、従動ギア2bの歯部21bとの噛み合いにより損傷するという不具合が生じにくいものとなっている。
【002
また、従動ギア2bの非作動面31bにも、駆動ギア2aと同様の、断面円弧状の底部を有する凹部31bcが形成されている。そのため、歯部21bが、駆動ギア2aとの噛み合いにより損傷するという不具合が生じにくいものとなっている。
【002
上述したように、両ギア2a,2bの各非作動面31a,31bに凹部31ac,31bcがそれぞれ形成されているため、両非作動面31a,31bが向き合って形成される閉じ込み空間部3は、これらの凹部31ac,31bcを利用して、その内部空間の容積が広く確保されることとなる。この結果、従来は、この噛み合い位置41において閉じ込み空間部3が急激に狭くなり、この空間内の流体に高い圧力がかかるようになっていたが、本発明では、この噛み合い位置41での圧力変動が低減され、圧力変動に起因する振動や騒音等が防止されることとなる。
【002
また、駆動ギア2aの隣接する歯部21a同士の間の谷間の部分には、それぞれ半径方向内側にえぐった形状の溝21adが設けられている。一方、従動ギア2bの隣接する歯部21b同士の間の谷間部分には、それぞれ半径方向内側にえぐった形状の溝21bdが設けられている。これらの溝21ad,21bdは、上述した非作動面31a,31bが向き合う位置に形成される閉じ込み空間部3の体積をさらに拡張するものとなっている。このため、本実施の形態は、両ギア2a,2bの噛み合い位置41における圧力変動がさらに低減されたものとなっている。
【0029
また、さらに本実施の形態のポンプ装置では、従来技術で既に説明した圧力変動を低減するための溝が、ケーシング1の底面に形成されている。すなわち、図2(A)において、8は一対のギアが噛合した際に形成される噛合中心線であり、9は一対の両ギア2a,2bの中心間を結ぶ中心軸である。この中心軸9が形成する中心線の紙面垂直方向を仮想面16とする(図2(B)参照)。4、5は仮想面16に近い方向を端面10、11として端面10、11から、しかも噛合中心線8を対称軸として吸い込み口側24および吐出口側25に向かってケース面に掘られた逃げ溝である。逃げ溝4、5は断面A−Aに示すように、端面10、11の位置で深く掘られ、吸い込み口側24および吐出口側25に向かって次第に浅く形成されている。本実施の形態では、このような逃げ溝4,5を備えているために、上述した両ギア2a,2bの噛み合い位置41における圧力変動がさらに低減されたものとなっている。
【003
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、駆動ギア2aおよび従動ギア2bの双方の非作動面31a,31bにそれぞれ凹部31ac,31bcを設けたが、この凹部は駆動ギア2aもしくは従動ギア2bのいずれか一方にのみ形成されるように構成しても良い。
【003
また、上述の実施の形態では、駆動ギア2a及び従動ギア2bにおいて、それぞれ隣接する歯部21a,21bの間の谷間の部分に、おのおの閉じ込み空間部3をさらに拡張するための溝21ad,21bdを設けたが、これらの溝21ad,21bdは無くても良い。また、上述の実施の形態では、ケーシング1の底面に、従来技術と同様な逃げ溝4,5を設けたが、これらの逃げ溝4,5も無くても良い。
【003
また、上述の実施の形態では、駆動ギア2aの非作動面31aの軸方向における一部に断面円弧状の凹部31acが形成され、非作動面31aの図1における紙面奥側の端部(図3(A)における下部)に、作動面31aに対してその形状が対称となるインボリュート部31cが形成されている。しかし、このインボリュート部31cは、図3(B)に示すように、非作動面31aの軸方向における中間部分に設けられていても良い。なお、この場合は、インボリュート部31cの上側及び下側に、上述の凹部31acが形成されることとなる。また、インボリュート部31cは、図3(C)に示すように、非作動面31aの軸方向における上部に設けられていても良い。また、さらには、インボリュート部31cは無くても良い。
【003
図4は、作動面側だけでなく非作動面側も軸方向全幅においてインボリュート形状とした標準形状の歯車(タイプ−1)を比較例とし、この比較例と本発明である非作動面31a,31bに凹部31ac,31bcを設けて、少なくとも一部をインボリュート形状としていないタイプ(タイプ−2〜−5)とを、流体移送時における騒音について比較したグラフとなっている。図5は、上述のタイプ−1〜−5を、流体移送時における自吸性能について比較したグラフとなっている。なお、図4及び図5に示されたデータは、負荷電流を約140〜150mAで送って両ギア2a,2bを回転させて流体を移送した状況下におけるそれぞれの値である。
【003
図4および図5中、タイプ−2として示されているものは、図3(A)に示したように、図示しないモータに近い側にインボリュート部31cが形成されたものである。また、タイプ−3として示されているものは、図3(C)に示したように、図示しないモータから遠い側にインボリュート部31cが形成されたものである。また、タイプ−4として示されているものは、図3(B)に示したように、軸方向における中間位置にインボリュート部31cが形成されたものである。さらに、タイプ−5として示されているものは、非作動面31a,31bにインボリュート部が形成されておらず、軸方向全幅において凹部が形成されたものである。
【003
図5に示すように、タイプ−1のギア(非作動面に凹部が設けられていない標準タイプのギア)を使用したポンプ装置の自吸性能が、他のタイプのギア(非作動面に凹部を備えたタイプのギア)を使用したものに比して最も高く、タイプ−2、タイプ−3,タイプ−4,タイプ−5と順に低くなる。非作動面31a,31bに凹部31ac,31bcが形成されたものの中では、インボリュート部31cがモータに近い側に設けられたタイプ−2が最も自吸性能が高い。
【003
一方、図4に示すように、タイプ−1のギアを使用したポンプ装置の流体移送時における騒音が、他のタイプのギアを使用したものに比して最も大きく、タイプ−2、タイプ−3,タイプ−4,タイプ−5と順に低くなる。非作動面31a,31bに凹部31ac,31bcが形成されたものの中では、インボリュート部31cが軸方向における中間位置に設けられたタイプ−4が最も低騒音となる。上述したように、タイプ−2〜5のギアを用いたポンプ装置は、歯部の側面に凹部を備えていない標準タイプのギア(タイプ−1)を用いたポンプ装置に比して、自吸性能の面では若干劣るものの、騒音は低く抑えられる。加えて、非作動面31a,31bのインボリュート部31cを、モータから離れた位置に形成することによってより騒音を抑えることができる。
【003
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポンプ装置によれば、駆動ギアと従動ギアの少なくとも一方の非作動面に断面円弧状の底部を有する凹部が形成され、両ギアの流体移送時の回転によって非作動面同士が向き合う位置に形成される閉じ込み空間部は非作動面の凹部を利用して形成される。このため、従来のギアポンプと比較すると、両歯車の噛み合い位置に形成される空間が凹部により拡張されることとなる。しかも、回転により移動する歯車の歯面自体に空間を拡張するための部位を設けたため、歯車の回転による圧力変動を完全に抑えることが可能となる。加えて、噛み合い位置における空間を拡張する部位は、歯先や歯の根本を避けるように断面円弧状の凹部で形成されるため、歯先や歯の根本の歯幅が削減されず、歯先や歯の根本の強度も損なわれないものとなる。したがって、歯先が欠けたり根本から折れてしまうという不具合が生じにくい。このように、本願発明によれば、歯車部品の強度を十分保ちながら、従来に比して圧力変動に伴う振動や騒音を抑えられる。さらに、通常のポンプ動作を終了させた後、両歯車を液体移送時と反対方向に駆動することによりケーシング内の流体を流体源側に逆流させることができる。
以上
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のポンプ装置の主要部を示す平面図である。
【図2】図1のポンプ装置から駆動ギア及び従動ギアを取り外した状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態のポンプ装置の駆動ギア及び従動ギアにおける歯部の側面形状を示す図で、(A)は図1の矢示III方向からみた図、(B)は(A)の変形例を示した図、(C)はさらに変形例を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態及びその変形例を使用した各ポンプ装置と、本発明の特徴的な形状を有さないギアを使用したポンプ装置とを、騒音値においてそのタイプ別に比較したグラフである。
【図5】本発明の実施の形態及びその変形例を使用した各ポンプ装置と、本発明の特徴的な形状を有さないギアを使用したポンプ装置とを、自吸性能においてそのタイプ別に比較したグラフである。
【図6】従来のギアポンプの噛み合い位置における閉じ込みと、その圧力変化を逃げる逃げ溝を設ける理由とを説明するための図である。
【図7】閉じ込み部分の容積変動を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2a 駆動ギア
2b 従動ギア
3 閉じ込み空間部
4,5 逃げ溝
21a,21b 歯部
21aa,21bb 作動面
21ad,21bd 溝
31a,31b 非作動面
31ac,31bc 凹部
31c インボリュート部

Claims (3)

  1. ケーシング内で互いに噛合する駆動ギアと従動ギアにより流体を移送するポンプ装置において、
    上記両ギアの各歯部の流体移送時の回転において互いに噛合する際に接触せずに向き合うこととなる各非接触面(以下、非作動面という)の少なくとも一方に断面円弧状の底部を有する凹部が形成され、
    上記両ギアの各歯部の流体移送時の回転において互いに噛合する際に接触する接触面(以下、作動面という)が2箇所で接触することによりその両接触位置間で形成される閉じ込み空間部が経時変化すると共にこの閉じ込み空間部内が上記非作動面同士が向き合う位置に形成される上記凹部を利用して形成され、
    上記凹部は、その軸方向における一部に形成され、残りの部分に上記各作動面に対してその形状が対称となるインボリュート部を形成し、上記両ギアを流体移送時と反対方向に回転させた場合に、上記各歯部の上記各非作動面に形成したインボリュート部同士が接触するように構成されたこと、
    を特徴とするポンプ装置。
  2. 前記駆動ギア及び前記従動ギアのそれぞれの歯部間の根本位置に、半径方向内側にえぐった溝が形成され、前記閉じ込み空間部の体積が、上記溝によりさらに拡張されていることを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
  3. 前記ケーシングの前記駆動ギアと前記従動ギアの互いに噛合する部位の側方と対面する対向面に、前記閉じ込み空間部をさらに拡張する逃げ溝が形成されたことを特徴とする請求項1または2記載のポンプ装置。
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