JP4413939B2 - 内接歯車ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、アウターロータとインナーロータとの間に配置されるクレセントが吐出ポート側にて圧力差によって発生する微振動を防止し、クレセントの疲労破壊が長期に亘って起こらないようにして、耐久性を増すことができる内接歯車ポンプに関する。
オイルポンプの内接歯車としてトロコイド形状としたロータが使われることが多い。トロコイド形状の歯形を使うことにより、インナーとアウターが転がり接触のため歯打音が小さい、キャビテーションが起きにくい、歯丈(歯底〜歯先)を大きくできるため、流量アップをさせ易い等の利点がある。しかし、その反面、トロコイド形状としたロータでは、歯間空間(セル)を密封するのがインナーの歯形とアウターの歯形が接する線接触のため、圧力が線接触部分から隣接するセルへ逃げて、あまり高い圧力を発生させることができないという欠点があった。しかも、滑らかに回転させるためインナーの歯形とアウターの歯形の間にはわずかに隙間があり、これも圧力が逃げる要因となる。また、インナーロータとアウターロータとの間にクレセントと呼ばれる三日月状の物体が存在するクレセントポンプと呼ばれるものが存在する。この形式では、ロータ歯形と固定されているクレセントとの線接触部分が数箇所存在するために、圧力が隣接するセルへ逃げにくく、クレセントの存在しない一般的な内接歯車ポンプよりも高い圧力を発生させることができるという利点がある。そして、従来のクレセントポンプでは普通の歯車、すなわち比較的低歯のものを使用することが多く、圧力変動は余り問題にならなかった。しかし、近年はさらなる効率化、高性能化の要求が高まっており、このような要求に応えるために一般的に歯丈を高くし、歯数を少なくすることで性能(流量)を向上させることが考えられるものであるが、このようにすることによって逆に吐出脈動、キャビテーションが発生し易くなるという欠点も生じてしまう。
そのため、歯打音が小さく、キャビテーションが発生しにくく、歯丈を大きく形成することができるトロコイド歯形によって、流量の向上を図ろうとしたところ、流量の多い領域ではクレセントが圧力変動による微振動で疲労破壊を起こしてしまうおそれがある。そのため歯丈を高くした歯車ロータ、特に普通の歯車より歯丈を高くできるトロコイド歯形ロータと、クレセントとを組み合わせた構造のポンプでは性能を追求することがとても困難であった。この疲労破壊の問題は、性能(流量)を追求すれば追及するほど、大きな問題となってくるものであり、たとえば、特許文献2(特開昭59−131787)のように歯先と歯底を円弧で近似した歯形を使用したロータでは、円弧近似部分の歯間空間(セル)が通常のトロコイド曲線の歯間空間より狭いため一回で運べるオイルの量が減り、性能(流量)も相対的に低くなってしまう。結果として圧力変動も少ないため、それほど大きな問題とならなかった。上記課題はトロコイドロータのような高効率,高性能ポンプを使用する際に大きな課題となっていた。
さらに、その内接歯車ポンプでは、インナーロータとクレセントとの間に形成されるセルと、アウターロータとクレセントとの間に形成されるセルにおいて、それぞれのセルが吐出ポートと連通するタイミングに若干の時間的なずれがある。すなわち、内接歯車ポンプでは、前記アウターロータとインナーロータとの回転速度は異なる。前記インナーロータの回転速度は、前記アウターロータの回転速度よりも速い。したがって、通常では前記インナーロータの歯先部が前記クレセントから離間する時期と、前記アウターロータの歯先部が前記クレセントから離間する時期は一致しない。したがって、クレセントの外周側のセルから吐出ポートに流体が流れ込む時期と、クレセントの内周側のセルから吐出ポートに流体が流れ込む時期とは一致せず、一方側のセルが吐出ポートと先に連通することで、クレセントの内側のセルと、外側のセルとの間に圧力差が生じることになる。
この圧力差によってクレセントが微振動を起こすことになる。そして、この微振動がクレセントに疲労破壊を起こさせる恐れがある。この現象はどのような歯形でも発生するもので、吐出脈動の少ないトロコイド型の歯形では程度は少ないと思われるが、クレセントを使用する内接歯車ポンプでは、極めて発生し易いものである。
特開昭54−30506 特開昭59−131787
このような、内接歯車ポンプに発生するクレセントに係る問題を解決するものとして、特許文献1が存在する。クレセント内側と外側に吐出ポートから連通溝を設けて、クレセント内側と外側の圧力差の低減を図ったものは存在する。この発明の技術的内容においては、フィラーピース(クレセントに相当する部材)に貫通孔が形成されたり、ポンプボディに溝が形成されたものである。
特に、前記溝を設けると、該溝に沿ってオイルが逆流し、流量が低下する恐れがある。また、貫通孔がフィラピースに形成することによって、部品の製造工程が増えて、高価なものとなる。そこで、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的)は、極めて、簡単な構成にて、クレセントを使用しながらトロコイドロータのような比較的歯丈が高く、流量の多いロータ(トロコイド歯形ロータを含む)を組み込んだポンプを実用化できるようにするものであって、ポート形状を最適化することにより、圧力変動を起きにくくすることで、性能を追求したトロコイドロータを使用できるクレセントポンプとし、クレセントの耐久性を良好にすると共に、その寿命を長くすることを実現することにある。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、アウターロータの内周側にインナーロータが配置されると共にその間隙にクレセントが配置されたロータ部がポンプケーシングに収納された内接歯車ポンプにおいて、前記クレセントと前記アウターロータとによって形成される外側セルと前記ポンプケーシング内の吐出ポートとの連通と、前記クレセントと前記インナーロータとによって形成される内側セルと前記吐出ポートとの連通とが略同時に開始され、且つ該吐出ポートの始端部の外周側には、前記アウターロータの歯先部が通過する領域にかかるように周方向に沿って突出するポート突出部が形成されると共に、該ポート突出部の先端箇所は前記アウターロータの歯先部が前記クレセントから離間開始する位置としてなる内接歯車ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、ポンプケーシングと、アウターロータと、インナーロータと、前記アウターロータとインナーロータとの間に配置されるクレセントとからなる内接歯車ポンプにおいて、前記クレセントと前記アウターロータの歯先部との離間開始が、前記クレセントと前記インナーロータの歯先部との離間開始と略同時に行われ、且つ離間開始と共に吐出ポートに連通し、該吐出ポートの始端部の外周側には、前記アウターロータの歯先部が通過する領域にかかるように周方向に沿って突出するポート突出部が形成されると共に、該ポート突出部の先端箇所は前記アウターロータの歯先部が前記クレセントから離間開始する位置としてなる内接歯車ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記吐出ポートのポート突出部と非突出始端縁との連続領域は、前記クレセントの端部外周側の形状に倣って略一致させてなる内接歯車ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記アウターロータ及び前記インナーロータはトロコイド歯形としてなる内接歯車ポンプとしたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明によって、前記クレセントと前記アウターロータとによって形成される外側セルと前記ポンプケーシング内の吐出ポートとの連通と、前記クレセントと前記インナーロータとによって形成される内側セルと前記吐出ポートとの連通とが略同時に開始されることにより、前記クレセントの内外両側において、前記外側セル及び内側セルから吐出ポートに同時に流体を流入させることができる。よって、外側セルと内側セルとの流体圧の圧力差を無くすことができる。これによって、クレセントには全体に均一な圧力が作用するのみであり、不安定な圧力がかかることがないので、クレセントが微振動することがない。そのためにオイルポンプの耐久性及び寿命が向上する。
請求項2の発明は、前記クレセントと前記アウターロータの歯先部との離間開始が、前記クレセントと前記インナーロータの歯先部との離間開始と略同時に行われ、且つ離間開始と共に前記吐出ポートに連通してなる内接歯車ポンプとしたことにより、アウターロータの歯先部と、インナーロータの歯先部とがクレセントから同時に離間して吐出ポートに連通し、該吐出ポートと連通する外側セルと内側セルとは内部の流体圧力が同一となり、クレセントが微振動することを防止できるものである。よって、請求項1の発明と同様にオイルポンプの耐久性及び寿命が向上する。
さらに、請求項1及び請求項2の発明では、前記吐出ポートの始端部の外周側には、前記アウターロータの歯先部が通過する領域にかかるように周方向に沿って突出するポート突出部が形成されると共に、該ポート突出部の先端箇所は前記アウターロータの歯先部がクレセントから離間開始する位置としてなる内接歯車ポンプとしたことで、特にクレセント側には何ら加工を施す必要がない。
しかも吐出ポートにポート突出部を形成するのみの極めて簡単な構造にすることができる。しかもクレセントは、一切加工が不要であるため、連通溝等は設けることがなく、吐出流量の低下を防止できる。さらに、吐出ポートにはポート突出部が形成されるのみであるため金型で十分に対応できるため、加工レスによって製造コストを少なく済ませることができる。
請求項3の発明は、前記吐出ポートのポート突出部と非突出始端縁との連続領域は、前記クレセントの端部外周側の形状に倣って形成されたものであり、外側セルから吐出ポートへの流体の流入が円滑に行われるものである。請求項4の発明は、前記アウターロータ及び前記インナーロータはトロコイド歯形としたことにより、前記アウターロータ及びインナーロータのそれぞれの歯丈を通常の歯車ポンプの歯形よりも大きく形成することができ、クレセントと前記アウターロータ及びインナーロータとによって構成されるセルの容積も大きくすることができ、よって一度に移送できる流量も多くすることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の構成は、図1(A)に示すように、主にポンプケーシング1、アウターロータ2、インナーロータ3及びクレセント4とからなる。ポンプケーシング1は、図1(B)に示すように、ロータ室11と吸入ポート12及び吐出ポート13が形成されている。そして、前記吸入ポート12及び吐出ポート13は、ポンプケーシング1の外部に連通する流路がそれぞれ形成されている。また、前記ポンプケーシング1は、図示しないが、ケーシングカバーと共に使用される。
前記吸入ポート12には、始端部12aと終端部12bとが存在する。また前記吐出ポート13にも、始端部13aと終端部13bとが存在する〔図1(B)参照〕。前記吸入ポート12及び吐出ポート13の始端部12a,13aは、前記アウターロータ2及びインナーロータ3が回転するときに、後述する歯先部21及び31が入り込む側のことであり、前記終端部12b,13bは、前記歯先部21及び31が出て行く側のことをいう。
次に、前記アウターロータ2は、図1(A)に示すように、リング状に形成され、その内周側に複数の歯先部21が形成され、隣接する歯先部21の間は歯底部22である。前記インナーロータ3は、外周側に複数の歯先部31が形成され、隣接する歯先部31の間には歯底部32が形成されている。前記インナーロータ3は、前記アウターロータ2の内周側に配置され前記インナーロータ3の歯先部31が前記アウターロータ2の歯底部22に噛み合う。
前記インナーロータ3の歯先部31の数は、前記アウターロータ2の歯先部21の数よりも2枚以上少なく形成されている。前記アウターロータ2は、前記ロータ室11に対して中心位置が常時一定するように、ロータ室11の内周壁面11aによって回動自在に支持される。また、前記インナーロータ3は、前記ロータ室11内を貫通する駆動軸に固定されて、該駆動軸によって回転する。そして、インナーロータ3の中心は、前記アウターロータ2の中心と偏心するようにして前記アウターロータ2の内周側に配置され、インナーロータ3の歯先部31と、前記アウターロータ2の歯底部22とが噛み合うように設定される。図1(A),図3,図4に記載されている周方向の矢印はアウターロータ2及びインナーロータ3の回転方向を示すものである。また、前記アウターロータ2及び前記インナーロータ3の歯形は、それぞれトロコイド状の歯形として形成されている。すなわち、前記アウターロータ2の歯先部21と歯底部22がトロコイド形状に形成され、前記インナーロータ3の歯先部31と歯底部32も前記歯先部21と歯底部22と噛み合うトロコイド形状に形成されている。また、前記アウターロータ2と前記インナーロータ3は、前記トロコイド歯形に限定されず、その他の種類の歯形形状であっても構わない。
次に、クレセント4は、図1(A)に示すように、前記アウターロータ2とインナーロータ3との間に形成される間隙Sに挿入配置されるものである。該間隙Sは、前記アウターロータ2の内周側と前記インナーロータ3の外周との間に形成される略半月形状のスペースのことをいう。前記クレセント4は、略半月形状又は弧状をなしており、弧状凸面側41と弧状凹面側42とから構成される。そして、前記クレセント4は、前記間隙Sに、収まり、前記歯先部21及び31がクレセント4の弧状凸面側41及び弧状凹面側42にそれぞれ接触する。また、前記クレセント4は、その長手方向の一端側は吸入ポート12の終端部12b付近に位置し、他端側は吐出ポート13の始端部13a付近に位置するようになっている。
そして、前記アウターロータ2の歯先部21が前記クレセント4の弧状凸面側41側と接触し、該弧状凸面側41と歯底部22とによって囲まれた部分に空隙部が形成される。この空隙部をセルと称するもので、特に前記アウターロータ2の歯底部22と弧状凸面側41によって形成されるセルは、外側セル5と称する。同様に、前記インナーロータ3の歯先部31が前記クレセント4の弧状凹面側42側と接触し、該弧状凹面側42と歯底部32とによって囲まれた部分に空隙部が形成され、該空隙部を内側セル6と称する〔図1(A)参照〕。
前記インナーロータ3が駆動軸を介して回転することにより、前記アウターロータ2が回転する。そして、該アウターロータ2の回転と共に、前記歯先部21が前記吸入ポート12の終端部12b付近における前記クレセント4の長手方向の一端側から弧状凸面側41の長手方向他端に向かって接触しつつ移動し〔図3(A)、図4(A)参照〕、前記歯先部21がクレセント4の弧状凸面側41の長手方向他端側付近表面より次第に離間する〔図3(B)、図4(B)参照〕。この歯先部21が弧状凸面側41から離間すると共に前記外側セル5が吐出ポート13と連通し、前記外側セル5内の流体が吐出ポート13側に流入し、流体の吐出が行われるものである。
同様に、前記インナーロータ3の回転と共に、前記歯先部31が前記吸入ポート12の終端部12b付近における前記クレセント4の長手方向の一端側から弧状凹面側42の長手方向他端に向かって接触しつつ移動し〔図3(A)、図4(A)参照〕、前記歯先部31がクレセント4の弧状凹面側42の長手方向他端側付近表面より次第に離間する〔図3(B)、図4(B)参照〕。この歯先部31が弧状凹面側42から離間すると共に前記内側セル6が吐出ポート13と連通し、前記内側セル6の流体が吐出ポート13側に流入し、流体の吐出動作が行われるものである。
図4(A)は、前記アウターロータ2の歯先部21及び前記インナーロータ3の歯先部31が前記クレセント4から離間を開始する直前の状態を示すもので、前記アウターロータ2の歯先部21と、前記インナーロータ3の歯先部31とが、共に前記クレセント4の弧状凸面側41及び弧状凹面側42にそれぞれ接触して、密閉(略密閉も含む)された外側セル5及び内側セル6を構成している。
そして、図4(B)は、前記アウターロータ2の歯先部21と、前記インナーロータ3の歯先部31が同時(略同時も含む)に前記クレセント4の弧状凸面側41及び弧状凹面側42から離間を開始した瞬間であり、前記外側セル5と内側セル6に充填された流体が同時(略同時も含む)に前記吐出ポート13に流れ込む状態を示している。この状態において、前記アウターロータ2の歯先部21と前記クレセント4の弧状凸面側41との隙間寸法δaと、前記インナーロータ3の歯先部31と前記クレセント4の弧状凹面側42との隙間寸法δbとは同一(略同一も含む)であることが示されている。
そして、前記外側セル5が前記吐出ポート13と連通が開始されるときと、前記内側セル6と前記吐出ポート13と連通が開始されるときとが同時(ほぼ同時も含む)である。ここで、前記同時とは、完全に同時であることが最適であるが、略同時であることも、同時の概念に含まれる。略同時とは、極めて僅かの時間差である。すなわち、外側セル5と内側セル6とが前記吐出ポート13と連通を開始するときの時間差として、前記微少時間差では、前記外側セル5と前記内側セル6との間の流体圧力差は、ほとんど無いものに等しい。
このように、吐出ポート13の始端部13a箇所において、前記アウターロータ2の歯先部21と、前記インナーロータ3の歯先部31が前記クレセント4の弧状凸面側41及び弧状凹面側42から同時に離間して、前記外側セル5及び内側セル6が同時に吐出ポート13に連通することで、図3(B)及び図4(B)に示すように、前記外側セル5及び内側セル6に充填された流体が同時に吐出ポート13内へ流れ込むことになり、吐出ポート13と連通開始した直後の外側セル5と内側セル6との内部圧力の差が無くなる。すなわち、前記クレセント4の弧状凸面側41と弧状凹面側42との両面における圧力差がないので、前記クレセント4の微振動を防止できる。
前記吐出ポート13の始端部13aの形状は、前述したように、前記外側セル5が前記吐出ポート13と連通が開始されるときと、前記内側セル6と前記吐出ポート13と連通が開始されるときとが同時(ほぼ同時も含む)となるように形成される。具体的には、図1(B),図2に示すように、前記吐出ポート13の始端部13aにおいて、前記吐出ポート13の外周側が周方向に沿って突出するようにしてポート突出部131が形成されたものである。
すなわち、前記吐出ポート13の始端部13aで且つロータ室11の内周側面11a寄りの部分が周方向に沿って吸入ポート12の終端部12bに向かって突出形成されている。前記ポート突出部131は、前記吐出ポート13の始端部13aにおけるポート幅(ロータ室11の直径方向に沿う方向)の略半分の路幅を有する。
そして、前記始端部13aにおいて、前記ポート突出部131が形成されていない部分は、非突出始端縁132と称する。前記ポート突出部131は、前記アウターロータ2の歯先部21が通過する領域であり、前記非突出始端縁132は、前記インナーロータ3の歯先部31が通過する領域となる。
前記ポート突出部131の前記非突出始端縁132からの突出長さTについては、前記インナーロータ3の歯先部31が前記クレセント4の弧状凹面側42より離間を始めて、前記非突出始端縁132に前記内側セル6が連通を開始するときと、前記アウターロータ2の歯先部21が前記クレセント4の弧状凸面側41より離間を始めて、前記ポート突出部131と外側セル5とが連通を開始するときとが同時となるように、前記突出長さTが設定される(図2参照)。
さらに、前記吐出ポート13のポート突出部131と非突出始端縁132とが円周方向に沿って連続する部分の連続領域Kの形状は、前記クレセント4の弧状凸面側41側の他端側付近の形状に略一致させて形成されている(図2参照)。すなわち、前記連続領域Kは、前記クレセント4の吐出ポート13側における弧状凸面側41の外周形状に倣って略弧状に形成されたものである。これによって、前記外側セル5が前記吐出ポート13と連通するときには、外側セル5内の流体は、円滑に吐出ポート13に流入させることができる。
(A)は本発明の構成を示す平面図、(B)はポンプケーシングのロータ室,吸入ポート及び吐出ポートを示す平面図である。 吐出ポートの要部拡大平面図である。 (A)は外側セル及び内側セルが吐出ポートと連通していない状態を示す拡大横断平面図、(B)は外側セル及び内側セルが吐出ポートと連通した状態を示す拡大横断平面図である。 (A)はクレセントの弧状凸面側及び弧状凹面側にアウターロータ及びインナーロータの歯先部が接触している状態を示す要部の拡大横断平面図、(B)はクレセントの弧状凸面側及び弧状凹面側からアウターロータ及びインナーロータの歯先部が同時に離間を開始した状態を示す要部の拡大横断平面図である。
符号の説明
1…ポンプケーシング、13…吐出ポート、13a…始端部、131…ポート突出部、132…非突出始端縁、2…アウターロータ、21…歯先部、3…インナーロータ、
31…歯先部、4…クレセント、5…外側セル、6…内側セル、K…連続領域。

Claims (4)

  1. アウターロータの内周側にインナーロータが配置されると共にその間隙にクレセントが配置されたロータ部がポンプケーシングに収納された内接歯車ポンプにおいて、前記クレセントと前記アウターロータとによって形成される外側セルと前記ポンプケーシング内の吐出ポートとの連通と、前記クレセントと前記インナーロータとによって形成される内側セルと前記吐出ポートとの連通とが略同時に開始され、
    且つ該吐出ポートの始端部の外周側には、前記アウターロータの歯先部が通過する領域にかかるように周方向に沿って突出するポート突出部が形成されると共に、該ポート突出部の先端箇所は前記アウターロータの歯先部が前記クレセントから離間開始する位置としてなることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. ポンプケーシングと、アウターロータと、インナーロータと、前記アウターロータとインナーロータとの間に配置されるクレセントとからなる内接歯車ポンプにおいて、前記クレセントと前記アウターロータの歯先部との離間開始が、前記クレセントと前記インナーロータの歯先部との離間開始と略同時に行われ、且つ離間開始と共に吐出ポートに連通し、該吐出ポートの始端部の外周側には、前記アウターロータの歯先部が通過する領域にかかるように周方向に沿って突出するポート突出部が形成されると共に、該ポート突出部の先端箇所は前記アウターロータの歯先部が前記クレセントから離間開始する位置としてなることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  3. 請求項1又は2において、前記吐出ポートのポート突出部と非突出始端縁との連続領域は、前記クレセントの端部外周側の形状に倣って略一致させてなることを特徴とする内接歯車ポンプ。
  4. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記アウターロータ及び前記インナーロータはトロコイド歯形としてなることを特徴とする内接歯車ポンプ。
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