JP4010146B2 - グラビア塗布装置およびグラビア塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷機等のグラビア塗布装置やグラビア塗布方法に係わり、版胴にインキの供給を行うファニッシャーロールを用いた輪転塗布装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来におけるグラビア等の輪転印刷機ファニッシャーロールは、図9に示すようにファニッシャーロールは版胴幅と同等、もしくは、図10に示すようにファニッシャーロールが、版胴よりも幅が長くなっている。
【0003】
インキング装置による印刷等の塗布を行う場合に、版胴とファニッシャーロールを接触させ、接触部分にインキを供給し、インキ溜りを形成させ印刷等の塗布を行っていた。
【0004】
この場合、ファニッシャーロールを有する輪転印刷機等の塗布装置において、版胴とファニッシャーロールの接触部にインキ供給を行いインキ溜りを成形するにあたり、図11に示すように版胴とファニッシャーロール間に浸透するインキ量より両サイドに流れ落ちるインキ量が多く、必要以上のインキ今供給を必要とし、流れ落ちるインキは、図12や図13に示すように版胴サイドに付着し、インキ飛散及び、版胴サイド面の清掃等の時間を要するといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような問題点に鑑みなされたものであり、その課題とするところは、版胴とファニッシャーロール間にインキを供給する際に、インキ供給量を削減し、版胴及びファニッシャーロール端部から横方向にインキが飛び散る事の無い輪転印刷機等の塗布装置や塗布方法を提供する事を目的とする。
【0006】
また、版胴側面には、ドクターの横方向の摺動においてインキが付着し、版胴の回転において、側面に付着したインキが飛び散り、基材などに付いてしまい、不良品となる事の無い輪転印刷機等の塗布装置ならびにその方法を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明は、インキング装置を備え、版胴とそれに接触するように設けられたファニッシャーロールを有する輪転印刷機等の塗布装置、ファニッシャーロールにおいて、版胴とファニッシャーロール両端面に、図1、2、3に示す様に堰き止めを設け、インキ供給量を削減し、堰き止めにより版胴両サイド面に飛散したインキを欠き取り、版胴側面からのインキの飛散を防止する事を可能にした輪転印刷機等の塗布装置ならびに塗布方法を提供するものである。
【0008】
具体的には、本発明の第1の発明は、版胴とそれに接触するように設けられたファニッシャーロールを有する輪転式の塗布装置において、前記ファニッシャーロール両サイドにファニッシャーロール径より大きな径を持つ円盤形状の堰き止めを設けて前記堰き止めを前記ファニッシャーロールと一体的に回転させることにより、前記版胴と前記ファニッシャーロールの接触部に供給されるインキを該接触部に所定量溜めることを可能にし、かつ、前記堰き止めが版胴の側面と接触する面に少なくとも1本の円周状の溝を設けることにより、版胴側面に付着するインキをかき取ることを可能としたことを特徴とするグラビア塗布装置を提供するものである。
【0011】
本発明の第2の発明は、供給されたインキをファニッシャーロールを用いて版胴の版面全体に転移させ、被印刷基材に転移させるグラビア塗布方法において、版胴両端の側面に付着するインキの飛散を、請求項1に記載の堰き止めにより防止することを特徴とするグラビア塗布方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の塗布装置に用いるファニッシャーロールについて、輪転印刷機である場合を用いて説明する。
【0014】
図1から図3は本発明の輪転印刷機に用いるファニッシャーロールの形状を示す説明図である。
【0015】
本発明の輪転印刷機に用いるファニッシャーロール2は、その両端端部においてインキを転移するために版胴に押さえつけられているロール部分よりも張り出した円盤が設けられている。
【0016】
この円盤が、堰き止め15であり、版胴1と接触した場合、版胴端部と内面が接触する形状となっている。
【0017】
なお、堰き止め15の形状は、ファニッシャーロールから張り出しがあり、これによりインキを堰き止められる形状で、少なくとも版胴1に押さえつけられた場合にその版胴の側面において接触する形状であるとともに、安定した回転を求める為には図8の様な円盤状や図7の様な傘状の形状が好ましい。
【0018】
また、この堰き止め15は、版胴1の軸部分とは接触しない形状およびサイズで形成される。
【0019】
さらに、版胴1側面において接触する部分には溝が設置されており、一定量以上のインキが溜まった場合インキパンに落とし、版胴側面と接触する部分は、図8に示す様に側面と密着するように、位置がずれておりなお且つ、溝により、インキを掻き取り易い構造になっている。
【0020】
この溝は、溜まるインキ量やインキの性質、その他各種塗布装置の構造により円周状に限らず断続的形状等など適宜選択可能であるが、幅1〜3mmで深さ1〜2mm程度の円周状の溝が好ましい。
【0021】
また、堰き止め15の材質については特に問うものではないが、ステンレス等各種材料が用いられる。
【0022】
次に、図面に基づいて本発明の輪転印刷機の形態の一例について詳細に説明する。
【0023】
図2は本発明の輪転印刷機の一実施例を示す側面概略図であり、版胴1とこれに被印刷基材11を押しつける圧胴10と、版胴1に接してインキを版胴1に載せるファニッシャーロール2と、版胴1表面のインキを掻くドクター3と、版胴1とこれに接するファニッシャーロール2の回転上流側にインキを供給する装置と、ファニッシャーロール2を版胴に押しつけるための押圧制御装置から構成されている。
【0024】
インキ供給装置は、インキ吐出ポンプ7と供給インキバルブ5を備えるインキ吐出ノズル6を有し、該ポンプ7及び該バルブ5は、印刷速度に合わせて、制御盤8によって制御される。
【0025】
押圧制御装置は、印刷速度・使用するインキの粘度に対応するファニッシャーロール押圧設定値をレギュレーター13によりエアー圧力を変化させ、シリンダー12出力を制御し、各設定にあった、ファニッシャーロール押圧に制御するものであり、この押圧制御が存在する方が好ましいとなる。
【0026】
インキポンプ7によりインキタンク9から吸い上げられたインキは版胴1回転数を制御板8に呼び込ませ、被基材11印刷速度を算出させ、インキポンプ7を動作させ、インキ吐出量を決める。
【0027】
このように吐出量を決められたインキポンプ7により吸い上げられたインキはインキノズル6から吐出し、版胴1とファニッシャーロール2の接触している部分に供給され、両サイドに広がっていき、ファニッシャーロールに設置された、堰き止め15により、一定量のインキを版とファニッシャーロールの接触部に溜める事が出来、ファニッシャーロールに設置した円盤状の堰き止めが版側面に接触し、版側面に付着しているインキをかき出し、インキパンへと落とす。
【0028】
このときの版周速とファニッシャーロール周速は、版周速の方が速い方が好ましく、またファニッシャーロール周速は、インキ粘度がザーンカップNo.3で13〜21秒のインキを用いた場合には周速70m/minを上限にすると、インキ堰き止め板からのインキ飛散は防げる。
【0029】
他方、版胴1にのったインキは圧胴10との間に挟まれた、被印刷基材11に印刷される。
【0030】
【実施例】
ファニッシャーロールのロール幅および版胴のロール幅はともに1100mmであり、ファニッシャーロールのロール径は120mm、版胴のロール径2は200mmである。
【0031】
ファニッシャーロールの両端端部に、材質がMCナイロンからなる180mm径の傘状の堰き止め15が設けられており、堰き止め15の溝部分以外にて版胴側部と接している。
【0032】
この溝部は円周状に幅2mm、深さ1mmの形状をしており、各3個の溝を設けている。他の部分の構造は従来の塗布装置と同様である。
【0033】
この装置を用いてグラビアインキ(東洋インキ株式会社製NEWLPスーパー)(粘度ザーンカップNo.3で13〜16秒)を用いて、ファニッシャーロールの周速70m/min、版胴の周速200m/minにおいてロール一定量以上のインキが溜まった場合インキパンに落ちるとともに、ファニッシャーロールと版胴がともに回転するために、ファニッシャーロールと一体化して回転する堰き止めと版胴側面との接触位置が回転に従ってずれるため、この溝により、インキが自動的に掻きとれるとともに、インキが飛散しなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、インキング装置を備えたファニッシャーロールを有する輪転印刷機等の塗布装置および塗布方法において、ファニッシャーロールに堰き止めを付ける事により、インキ供給量を最小限に押さえなお且つ、版胴側面のインキを欠き取る事により、インキ飛散及び版替え作業の時間短縮の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輪転印刷機に用いるファニッシャーロールの形状を示す斜視図である。
【図2】図1の場合における正面図である。
【図3】図1の場合における上面図である。
【図4】本発明の輪転印刷機の一実施例を示す側面概略図である。
【図5】本発明の輪転印刷機に用いるファニッシャーロールの駆動状態を示す側面図である。
【図6】図5の場合における端部の正面図である。
【図7】本発明の輪転印刷機に用いる掻き取りの形状を示す断面図である。
【図8】本発明の輪転印刷機に用いる図7とは違う掻き取りの形状を示す断面図である。
【図9】従来の輪転印刷機に用いるファニッシャーロールの形状を示す正面図である。
【図10】図9とは違う従来の輪転印刷機に用いるファニッシャーロールの形状を示す正面図である。
【図11】従来のファニッシャーロールを用いて塗布した場合の輪転印刷機の端部の上面図である。
【図12】図11の場合の輪転印刷機の端部の斜視図である。
【図13】図11の場合の輪転印刷機のインキ飛散状態を示す概略上面図である。
【符号の説明】
1・・・版胴
2・・・ファニッシャーロール
3・・・ドクター
4・・・インキパン
5・・・供給インキバルブ
6・・・インキ吐出ノズル
7・・・インキ吐出ポンプ
8・・・ポンプ制御盤
9・・・インキ
10・・・圧胴
11・・・被印刷基材
12・・・リンダー
13・・・レギュレーターバルブ
14・・・ファニッシャーロールアーム
15・・・堰き止め
16・・・溝
Claims (2)
- 版胴とそれに接触するように設けられたファニッシャーロールを有する輪転式の塗布装置において、前記ファニッシャーロール両サイドにファニッシャーロール径より大きな径を持つ円盤形状の堰き止めを設けて前記堰き止めを前記ファニッシャーロールと一体的に回転させることにより、前記版胴と前記ファニッシャーロールの接触部に供給されるインキを該接触部に所定量溜めることを可能にし、かつ、前記堰き止めが版胴の側面と接触する面に少なくとも1本の円周状の溝を設けることにより、版胴側面に付着するインキをかき取ることを可能としたことを特徴とするグラビア塗布装置。
- 供給されたインキをファニッシャーロールを用いて版胴の版面全体に転移させ、被印刷基材に転移させるグラビア塗布方法において、版胴両端の側面に付着するインキの飛散を、請求項1に記載の堰き止めにより防止することを特徴とするグラビア塗布方法。
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