JP4008376B2 - 即席麺類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、即席麺類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
即席油揚げ乾燥麺の製法は、原料に小麦粉、各種澱粉、植物性蛋白を用い、即席中華麺においてはかんすいを、即席和風麺においてはかんすいに代えて重合リン酸塩等を使用し、必要に応じて食塩、粉末卵、増粘多糖類、油脂類、レシチン、その他を添加し混捏後に、常法で製麺し、蒸煮後に油揚げで乾燥する。
【0003】
油揚げ工程は単一の油槽又は複数の油槽を使用し、フライ油脂に動物性油脂としてラード、植物性油脂としてパーム、又はこれら混合した油脂を用いて、油揚げ処理により、短期間で水分を蒸発させ乾燥させる重要な工程である。油揚げ工程で急速に乾燥された麺線はポーラスな多孔質構造になり、熱湯を注ぐことで比較的短時間で喫食を可能とし、即席麺に不可欠な簡便性を実現している。
【0004】
また、湯戻し後に麺線内に含まれている油分が、スープに独自のコクと旨みを出し、即席油揚げ麺の独自のおいしさを生み出している。
【0005】
ところで昨今の消費者は、健康志向が流れの主流となっており、食生活の変化に伴う生活習慣病の増加なども背景に、食生活の中で意識的に健康を手に入れようという消費者が増加し、このような消費者ニーズに応える様々な食品が市場に登場している。こんにゃく、春雨などカロリーの少ない食品素材を利用した低カロリーな商品や、即席麺においても、乾燥工程で油を使用せずに熱風等で乾燥させる非油揚げ即席麺もその1つである。
【0006】
しかしながら、即席油揚げ麺の短時間で喫食可能な簡便性と、喫食時にスープのコクとなる油分の旨みは、昨今でも消費者に根強く受け入れられている。
【0007】
本発明者は上記に記載した即席油揚げ麺の特徴を活かしながら、健康に配慮した即席麺を得ることが重要と考え、通常の油揚げ工程で使用するラード、パーム、又はこれら混合油脂とは異なる機能性油脂の1つであるジアシルグリセロールを用いて、美味しさと健康を両立させた即席油揚げ麺を得ることが重要と考え研究した。
【0008】
ジアシルグリセロールの機能性効果は、一般的な食用油脂(ラード、パーム)であるトリグリセロールに比べて、摂取後の血中中性脂肪の上昇や内臓脂肪の蓄積が抑制される。日本における成人の平均的脂質摂取量は1日につき50gで、このうち平均的食油摂取量である1日につき10gをジアシルグリセロールに置き代えると、ジアシルグリセロールの機能性効果が得られると報告されている。
【0009】
1日の平均的食油摂取量である10gのジアシルグリセロールを1食の即席麺で摂取することは可能であり、ジグリセリドの機能性効果を考慮すると、フライ油脂中のジアシルグリセロールの含有比率は高いほうが好ましく、最も好ましいのは100重量%の場合である。
【0010】
しかし、通常使用しているパーム油脂にジアシルグリセロールを25重量%以上含有したフライ油脂を用いて油揚げ乾燥を行うと、喫食時の茹で処理時に麺成分の茹で溶けが起こり、次の表1のようにジアシルグリセロールの含有比率によるスープの濁りでは、スープの濁りが顕著に表れ、商品価値の著しい低下を招いている。
【0011】
表1
重量比(%) 0 25 60 75 100
濁り ○ △ × × ×
なお、重量比0%はパーム油のみ、100%はエコナ油のみの場合であり、評価の○は濁らない、△は多少濁る、×は濁る、である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において、茹で処理時に麺成分が茹で溶けすることを防止する方法は幾つか発表されており、一例として原料小麦粉に対して重量比で0.1〜2.0%のワキシーコーンスターチと0.1%〜5.0%の凝固性乾燥卵白粉とを添加することで煮汁の濁りを防止する方法が知られている。しかし、本発明者がこの種の方法に従って試験を行ったところ、ジアシルグリセロールを25重量%以上含有したフライ油脂を用いた場合では、十分な効果が得られなかった。
【0013】
また、他の例では、小麦粉以外の穀紛、及び澱粉を主原料とした製麺原料からの麺の製造方法として、製麺原料にアルギン酸類を添加する方法が知られている。この方法に従って試験を行った結果、麺線をα処理したあと酸液処理を行うなど、製造工程が複雑で効率良く行うことができなかったり、フライ油脂にジアシルグリセロールを25重量%以上含有したフライ油脂を用いた場合にはやはり十分な効果が得られなかった。
【0014】
更に他の例で米粉を主原料とした原料を含む製麺原料からの麺の製造方法として、麺原料にカードランを添加することで、茹で溶けを防止する方法が知られている。この方法に従って試験を行っても、フライ油脂にジアシルグリセロールを25重量%以上含有したフライ油脂を用いた場合では、十分な効果が得られなかった。また、記載されている効果を得るためには添加量が多くないと効果が得られず、ボソボソした食感になり、生麺のような粘りのある食感が得られなかった。
【0015】
このように何れの従来技術を用いても、ジアシルグリセロールを25重量%以上含有したフライ油脂を用いて油揚げ乾燥を行った場合に、問題となる茹で処理時の麺成分の茹で溶けを、防止することはできなかった。
【0016】
本発明者はジアシルグリセロールを25重量%以上含有するフライ油脂を用いても、ジアシルグリセロールの機能性効果を持続したまま、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを抑えることが重要と考えた。
【0017】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、ジアシルグリセロールを用いても、茹で処理時に麺成分の茹で溶けによるスープの濁りを抑えた油揚げ即席麺が得られる即席麺類の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る即席麺類の製造方法は、小麦粉、澱粉及び/又は植物性蛋白を混合して得られる粉部原料中の総アミロペクチン含有比率が55%〜85%になるように調整した麺原料とpHをpH8.0〜pH4.0の範囲に調整したこね水とを混捏してドウを作成する工程と、製麺された麺線を蒸煮した後にジアシルグリセロールを含む油脂により油揚げ乾燥する工程とから成ることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者はラーメン以外の麺類として知られているはるさめ、ビーフン等の澱粉が主原料である麺ではスープが濁らないことに着目し、種々の澱粉を用いて、茹で処理時に麺成分の茹で溶けが防止できるか試験を行った。その結果、粉部原料に高アミロペクチン含有澱粉を配合した場合に効果が得られ、特にワキシーコーンスターチを配合した場合に顕著な効果が得られた。
【0020】
しかし、高アミロペクチン含有澱粉を配合することで、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止しようとする方法では、粉部原料中の総アミロペクチン含有比率が75%以上になるように配合しないと効果が得られなかった。更に、この条件では製麺適性は極めて悪く、85%以上添加した場合では、常法での製麺は困難であった。また、添加量が多くなるにつれ、高アミロペクチン含有澱粉特有のクチャクチャした食感となり、表2に示すように粉部原料中のアミロペクチン含有比率による製麺適性では好ましい食感が得られない。
【0021】
表2
総アミロペクチン含有比 50 60 70 80 85 90 100
製麺適性 ○ ○ ○ △ △ × ×
含有比50%は小麦粉10割、100%は澱粉のみの場合であり、評価の○は良い、△は若干製麺適性が劣る、×は製麺適性が悪い(常法では製麺不可)、である。
【0022】
本発明者は粉部原料中の総アミロペクチン含有量が85%以下で、常法でも製麺適性が良く、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止することができ、なお「生麺のような粘弾性のある食感」を有する即席麺を実現することも重要と考え、更に数多くの食品素材及び添加物を試験した。
【0023】
各種試験を行った結果、高アミロペクチン含有澱粉を配合した粉部原料と混捏するこね水のpHを8.0以下に調整することにより、粉部原料中の総アミロペクチン含有比率を75%以下に調整しても、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止することができ、かつ常法で製麺可能となることが分かった。しかし、こね水のpHを4.0以下に調整した場合には、期待する効果は得られるが、表3に示すようにこね水のpHによる喫食時における酸味の影響は酸味が伴い商品価値の低下を招いている。
【0024】
表3
こね水pH 3 4 5 6 7 8 9 10 11
酸味 × △ △ △ ○ ○ ○ ○ ○
なお、評価の○は問題なし、△は多少酸味があるが問題なし、×は酸味がある、である。
【0025】
粉部原料中の総アミロペクチン含有比率を高くした場合に、混捏するこね水のpHを中性側から弱アルカリ側(pH8.0)に調整することで、喫食時に酸味が少なく、茹で溶けを防止することができる。しかし、こね水のpHが8.0以上になると、総アミロペクチンの含有比率を高くしても期待する効果は得られなくなる。また、総アミロペクチン含有比率が85%以上になると、効果は得られるが常法での製麺適性は悪くなり、高アミロペクチン含有澱粉特有のクチャクチャした食感になるため不適である。
【0026】
一方、粉部原料中の総アミロペクチン含有比率を低くした場合に、こね水のpHを酸性側(pH4.0)に調整することで、喫食時に処理時に麺成分の茹で溶けを防止することができる。しかし、こね水をpH4.0以下に調整すると期待する効果は得られるが、喫食時に酸味が伴うため商品価値の低下を招き好ましくない。また、総アミロペクチン含有量が55%以下になると、配合する高アミロペクチン含有澱粉の量が極端に少なくなるため期待する効果は得られない。
【0027】
従って、期待する効果が得られる範囲は、表4に示す粉部原料中のアミロペクチンの含有率によるスープの濁り具合では、粉部原料中の総アミロペクチン含有比率は55%〜85%、混捏するこね水のをpHを8.0〜4.0の範囲に調整すると、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止できることが分かる。
【0028】
Figure 0004008376
【0029】
表4では配合する澱粉にワキシーコーンスターチを用いているが、用いる澱粉はアミロペクチン含有量の高い澱粉であればよく、より本発明の効果が得られる澱粉としては、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉(もち米)が挙げらる。生澱粉又はこれを原料として得られる化学的処理された澱粉でも支障はなく、化学的処理の方法としてはエーテル化工、エステル化工、架橋化工、酸化澱粉、α化澱粉などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合することもできる。
【0030】
エーテル化工処理とは、澱粉の水酸基の水素をアルキル基で置換させる方法であり、ヒドロキシプロピルエーテル化工澱粉、カルボキシメチルエーテル化工澱粉などがある。エステル化工処理とは澱粉の水酸基と無機酸又は有機酸とが脱水結合したもので、酢酸エステル化工澱粉、オクテニルコハク酸エステル化工澱粉、リン酸エステル化工澱粉などがある。架橋化工処理とは澱粉同士、エーテル結合又はエステル結合でさせたものである。その他に、澱粉を酸化剤と処理した酸化澱粉、既にα化してあり、冷水で糊化状態が再現できるα化澱粉などがある。
【0031】
化学的処理された澱粉は結合様式の違い、付加される官能基の種類、付加の程度などにより物性の違いが大きく生ずる。その特性は老化の抑制、糊化温度の低下、糊液の透明性の向上などが挙げられる。架橋処理した澱粉は澱粉同士が強い水素結合で結び付き、三次元網目構造を形成しており、その特性は澱粉の膨潤や糊化が抑制される。従って、これら澱粉は単独での使用だけでなく、複数を組み合わせて使用することで、「生麺のような粘弾性のある食感」を得ることが可能になる。
【0032】
これらの澱粉は粉部原料の総アミロペクチン含有比率が55%〜85%になるように調整することで、茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止することできる。粉部原料の総アミロペクチン含有比率が55%以下では添加量が少なすぎるため、期待する効果はで難い。また、粉部原料の総アミロペクチン含有比率が85%以上になると、本発明の期待する効果は得られるが、常法の製麺方法では製麺が不可能になる。
【0033】
粉部原料と混捏する水のpH調整の酸性調整剤としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、コハク酸、フェチン酸、グルコン酸、アジピン酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、アルギン酸等の増粘多糖類や、これらの塩類、果汁等の酸性食品素材が挙げられる。
【0034】
また、アルカリ調整剤としては、かんすいを含む一般的に食品添加物として使用可能アルカリ剤であればよく、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩などの各種リン酸塩等が挙げられる。
【0035】
これらの調整剤は単独での使用又は複数を組み合わせて使用し、こね水のpHを8.0〜4.0の範囲に調整することで期待する効果が得られる。こね水の調整する範囲をpH8.0以上に調整すると、粉部原料中の総アミロペクチン含有比率に関係なく、期待する効果は得られなくなる。一方、こね水のpH4.0以下に調整すると、喫食時に酸味が強くでるので、商品価値がなくなる。
【0036】
茹で処理時に麺成分が茹で溶けすることを防止し、喫食時に酸味がなく、かつ「生麺のような粘弾性のある食感」を有する即席麺を実現する範囲としては、粉部原料中の総アミロペクチン含有量が57%〜68%になるように澱粉を配合し、混捏するこね水のpHを6.5〜7.0に調整することにより、最も期待する効果が得られる。
【0037】
本発明における製麺製法は、主原料の小麦粉に前記の澱粉を粉部原料中の総アミロペクチン含有量が指定の含有比率になるように配合し、食塩、増粘多糖類などの副原料を添加したこの水のpHを上記のpH調整剤で指定のpHに調整し混捏する。混捏したドウは複合製麺後に、切刃で麺線を切り出して連続的に蒸し、乾燥用バスケットに1食ずつ成形充填し、ジアシルグリセロールを含む油脂で油揚げ処理することで、目的とする麺線を得ることができる。油揚げ工程としては、120〜160℃の温度に調整された油槽中を2〜3分間通過させ、麺線の水分が3%前後になるように乾燥されればよい。
【0038】
次に、具体的な実施例による数値を説明する。
【0039】
[実施例1] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が57%になるように、小麦粉850g、ワキシーコーンスターチ150gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10g、クエン酸5gを水320mlに溶解し、pH7.0に調整したこね水で混捏した。製麺した後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0040】
[実施例2] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が67%になるように、小麦粉700g、ワキシーコーンスターチ300gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10g、クエン酸7gを水320mlに溶解し、pH6.5に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0041】
[実施例3] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が57%になるように、小麦粉850g、ワキシーコーンスターチ150gを混合した粉部原料と、リン酸塩3g、食塩10g、クエン酸5gを水350mlに溶解し、pH7.0に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席和風麺を得た。
【0042】
[実施例4] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が60%になるように、小麦粉700g、酢酸タピオカ澱粉300gを混合した粉部原料と、リン酸塩3g、食塩10g、クエン酸5gを水350mlに溶解し、pH6.5に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:10角、麺厚1.25mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席和風麺を得た。
【0043】
[実施例5] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が57%になるように、小麦粉550g、デュラムセモリナ粉300g、ワキシーコーンスターチ150gを混合した粉部原料と、リン酸塩3g、食塩10g、クエン酸5gを水300mlに溶解し、pH7.0に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席和風麺を得た。
【0044】
[実施例6] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が57%になるように、小麦粉850g、ワキシーコーンスターチ150gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10g、クエン酸5gを水300mlに溶解し、pH7.0に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.20mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量90gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席スナック麺を得た。
【0045】
次に、本発明の数値範囲外の比較例の特性を説明する。
【0046】
[比較例1] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が50%になるように、小麦粉1000gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10gを水320mlに溶解し、pH10.0のこね水(無調整)で混捏した。切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0047】
[比較例2] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が54%になるように、小麦粉930g、ワキシーコーンスターチ70gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10g、クエン酸15gを水320mlに溶解し、pH4.0に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0048】
[比較例3] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が82%になるように、小麦粉350g、ワキシーコーンスターチ650gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10gを水380mlに溶解し、pH10.0のこね水(無調整)で混捏した。製麺後は、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0049】
[比較例4] 粉部原料中の総アミロペチン含有比率が45%になるように、小麦粉400g、ハイアミロースコーンスターチ600gを混合した粉部原料と、かんすい3g、食塩10g、クエン酸15gを水380mlに溶解し、pH7.0に調整したこね水で混捏した。製麺後に、切刃:20角、麺厚1.40mmで切り出し、連続的に0.5kg/cm・fの蒸気量で3分間蒸し煮し、麺重量120gに裁断した蒸し麺を乾燥用型枠に充填する。その後に、145℃の温度に調整された油槽中を2分間通過させ、最終水分3%の油揚げ即席中華麺を得た。
【0050】
次の表5は、実施例、比較例の評価を示している。
【0051】
Figure 0004008376
【0052】
製麺性の評価は、○は良い(問題無し)、△は若干製麺適性が劣る、×は製麺適性が悪い(常法では製麺不可)、である。
【0053】
食感の評価は、○はコシがあり、良好な食感、△はコシが若干弱く、コシがやや弱い食感、×はコシが無く、非常に弱い食感、である。
【0054】
酸味の評価は、○は問題無し、△は多少酸味があるが問題無し、×は酸味がある、である。
【0055】
本発明における油揚げ即席麺は、その種類及び製品形態に特に限定されず、例えば中華麺、うどん、そば等の煮込みタイプ、熱湯を注加して調理するタイプでもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る即席麺類の製造方法は、ジアシルグリセロールを用いても、喫食時の茹で処理時に麺成分の茹で溶けを防止し、スープの濁りを抑え、麺本来の優れた食感を有する麺を得ることができる。

Claims (3)

  1. 小麦粉、澱粉及び/又は植物性蛋白を混合して得られる粉部原料中の総アミロペクチン含有比率が55%〜85%になるように調整した麺原料とpHをpH8.0〜pH4.0の範囲に調整したこね水とを混捏してドウを作成する工程と、製麺された麺線を蒸煮した後にジアシルグリセロールを含む油脂により油揚げ乾燥する工程とから成ることを特徴とする即席麺類の製造方法。
  2. 前記澱粉はタピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチの生澱粉、又はこれらを原料としたエーテル化工澱粉、エステル化工澱粉、架橋化澱粉、酸化澱粉、α化澱粉の少なくとも1種類とすることを特徴とする請求項1に記載の即席麺類の製造方法。
  3. 前記油脂中のジアシルグリセロールの含有比率は25重量%以上とすることを特徴とする請求項1に記載の即席麺類の製造方法。
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