JP5153754B2 - 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法 - Google Patents

電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5153754B2
JP5153754B2 JP2009266653A JP2009266653A JP5153754B2 JP 5153754 B2 JP5153754 B2 JP 5153754B2 JP 2009266653 A JP2009266653 A JP 2009266653A JP 2009266653 A JP2009266653 A JP 2009266653A JP 5153754 B2 JP5153754 B2 JP 5153754B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flour
noodles
cooking
instant
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009266653A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011109930A (ja
Inventor
勝義 鈴木
崇 日高
恭征 津田
孝雄 長井
将一 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP2009266653A priority Critical patent/JP5153754B2/ja
Publication of JP2011109930A publication Critical patent/JP2011109930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5153754B2 publication Critical patent/JP5153754B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Description

本発明は、喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法に関する。詳細には、原料穀粉として薄力粉又は薄力粉とデュラム小麦粉を用いて製麺し、得られた生麺表面に水性液体を付着させた後、蒸してほぼα化させ、次いで油揚げ処理を行うことにより、従来の即席焼きそば等の即席中華麺類のように喫食時に湯切りを必要とせず、かつ電子レンジ調理しても硬くヒキがある食感となったり、あるいは粘りがなく軟らかい食感とならず、生麺を調理したような食感を有する中華麺類が得られる、電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法に関する。
従来、即席麺は、麺塊の入った容器に熱湯を注ぐか、沸騰水中で復元させて喫食されるが、即席麺には蒸し処理などによりα化した後、油揚げしたフライ即席麺や、α化した後に熱風乾燥したノンフライ即席麺があり、復元方法はいずれの場合でも同じである。
その一方で、即席麺に水ないし熱湯を加えて電子レンジ調理することで、即席麺を復元させて喫食させる技術が提案されている。例えば、即席麺の吸水量の100〜155重量%の水を加え、特定の小孔を備える蓋をして電子レンジ調理し、調理後に水を捨てる必要が無い、電子レンジ用容器入り即席食品が記載され、その例として即席中華麺類(例えば、特許文献1参照)が提案されている。しかし、この技術は、容器の蓋に設けた小孔と電子レンジ調理時の麺への加水量を調整しただけであり、ここで用いている即席中華麺類の麺は従来の即席麺であり、このため、この技術で得られる即席中華麺類は、硬くヒキがある食感となったり、あるいは粘りがなく軟らかい食感となり、商品価値の低いものである。
水戻し可能な麺類を提供することを目的として、麺類がα化又は一部α化された乾麺又は半乾燥麺であり、その麺類に麺重量の2〜6倍の水を入れ、電子レンジ調理する、水戻し電子レンジ麺類及びその調理方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、この技術は、従来の即席中華麺と同様のものであって、麺類を電子レンジ調理で復元させると、柔らかくなりすぎてコシのない食感となるか、ヒキがある食感となりやすい。
また、即席麺を短時間に復元し、復元後にお湯を捨てる手間のない電子レンジ用即席麺入り容器において、上部が疎で下部が密である即席麺の麺塊を収納するものとし、さらに即席麺の吸水量の100〜155重量%の水を収容した場合に、容器の底部に溜まる水の水位が該即席麺の麺塊の高さの略35%以上となるように容器を構成することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この技術は、麺塊の上部が疎で下部が密となっている特定の形状の即席麺塊が必要であり、即席麺を製造する際に小麦粉として薄力粉や薄力粉とデュラム小麦粉を組み合わせて用いる技術については何ら示唆するものではない。
一方、原料穀粉の全重量に基づいてデュラム小麦粉砕物を60〜90重量%の割合で含有し、且つ目開き500μmの篩を通過し目開き250μmの篩上に残留するデュラム小麦粉砕物の含有割合が原料穀粉の全重量に基づいて25重量%以上である原料穀粉を用いてなる油揚げ即席麺(例えば、特許文献4参照)が知られている。しかし、この方法では、熱湯で麺線を復元させ、スープや汁と一緒に喫食する通常の油揚げ即席麺(フライ即席麺)としては良好であるものの、目開き500μmの篩を通過し目開き250μmの篩上に残留するデュラム小麦粉砕物(デュラム粗粉)、いわゆるデュラムセモリナや残余の小麦粉として準強力粉を用いており、電子レンジ調理により復元させ、喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類として喫食する場合には、硬くヒキがある食感となり、生麺を調理したような食感が得られない。また、当該特許文献4には、電子レンジ調理すること、湯切りをしないこと、及び小麦粉として薄力粉を用いることについては何ら記載も示唆もされていない。
特公平05−015419号公報 特開平11−137195号公報 実公平4−29744号公報 特開平08−140609号公報(特許第3359763号)
本発明の課題は、水またはお湯を加えて電子レンジ調理し、喫食時に湯切りを必要とせず、硬くヒキがある食感となったり、あるいは粘りがなく軟らかい食感とならずに、生麺を調理したかのような優れた食感を有する電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法及び該方法により製造される電子レンジ調理用即席中華麺類を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、原料穀粉として薄力粉、又は薄力粉とデュラム小麦粉を用いて製麺し、得られた生麺線の表面に水性液体を付着させた後、蒸してα化させ、次いで油揚げ処理を行うことにより、電子レンジ調理し、湯切りをしなくても硬くヒキがある食感となったり、あるいは粘りがなく軟らかい食感とならず、生麺を調理したような食感を有する焼きそば等の中華麺類が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、(1)喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法であって、1)薄力粉50〜100質量%及びデュラム小麦粉0〜50質量%を含む原料穀粉を用い、かんすいを加えて常法により製麺する工程;2)得られた生麺線表面に水性液体を付着させた後、蒸してα化させ、次いで油揚げする工程;3)得られた油揚げ麺線を容器に入れて包装する工程;を備えた即席中華麺類の製造方法や、(2)薄力粉が、ウェスタンホワイト小麦を少なくとも60質量%含む原料小麦を用いて製粉されたものである、前記(1)記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法や、(3)デュラム小麦粉が、平均粒径が60〜100μmの範囲であり、かつ粒径200μ以下の粒子が90%以上のデュラム小麦粉である、前記(1)記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法や、(4)生麺線表面に付着させる水性液体が、水、乳化油脂水溶液、又はレシチン水溶液から選択され、かつ当該水性液体の付着量が、生麺線の質量に対して5〜40質量%の範囲である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法に関する。
また、本発明は、(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で製造される電子レンジ調理用即席中華麺類に関する。
本発明によれば、喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類であって、電子レンジ調理後、湯切りをしなくても、中華麺類は硬くヒキがある食感となったり、あるいは粘りがなく軟らかい食感とならずに、生麺を調理したかのように優れた食感及び食味を有する中華麺類を得ることができる。
本発明における即席中華麺類は、喫食時に湯切りを必要としないものであるため、汁またはスープ等に麺線が浸かっていない形態を取るものであり、その代表的な例として焼きそばが挙げられるが、他には油そば、あえ麺、汁なしラーメンと称されるような、麺線が汁やスープに浸かっていないラーメン等がある。
本発明の即席中華麺類の製造方法としては、喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法であって、1)薄力粉50〜100質量%及びデュラム小麦粉0〜50質量%を含む原料穀粉を用い、かんすいを加えて常法により製麺する工程;2)得られた生麺線表面に水性液体を付着させた後、蒸してα化させ、次いで油揚げする工程;3)得られた油揚げ麺線を容器に入れて包装する工程;を備えた即席中華麺類の製造方法であれば、特に制限されるものではなく、原料穀粉として薄力粉、又は薄力粉とデュラム小麦粉を用いることが必要であるが、ここでいう薄力粉は、好ましくは米国産のウェスタンホワイト小麦を製粉して得られる小麦粉を少なくとも60質量%、特に好ましくは70質量%以上含むものであり、好ましくは総蛋白含量が8.5%以下、特に好ましくは8%以下の薄力粉である。
なお、本発明において、通常、油揚げ即席中華麺類の製造に用いられる準強力粉や準強力粉と中力粉の混合物を主体とする原料穀粉を用いた場合には、本発明における所望の効果は得られない。
また、本発明におけるデュラム小麦粉としては、デュラム小麦を原料とし、平均粒径が60〜100μmの範囲であり、かつ粒径200μ以下の粒子が90質量%以上である範囲のものが好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%になるように製粉して得られたデュラム小麦粉を用いる。
なお、本発明において、デュラム小麦粉の平均粒径を求めるには、デュラム小麦粉の粒径分布を測定すればよい。この粒径分布は、例えば日機装株式会社製「マイクロトラック粒径分布測定装置9200FRA」を用いて乾式で測定することができる。なお粒径の頻度とは、粒径分布を解析し、計算した「検出頻度割合」である(日機装株式会社製の上記装置9200FRAに添付された資料「マイクロトラック粒度分析計測定結果の見方」参照)。
本発明において、即席中華麺類を製造するための原料穀粉は、薄力粉のみか、薄力粉とデュラム小麦粉からなるものであり、故に薄力粉50〜100質量%及びデュラム小麦粉0〜50質量%を含む原料穀粉である。ここで、ソフトで粘りのある食感を得たい場合には薄力粉のみ、あるいは必要に応じてさらにデュラム小麦粉を少量添加するが、弾力があり歯切れの良い食感を得たい場合には、デュラム小麦粉を50質量%を超えない範囲で適宜添加することができる。なお、デュラム小麦粉の配合量が50質量%を超えると、電子レンジ調理した際に適度な硬さと粘りのバランスが崩れ、あるいは硬い食感となるため、50質量%以下の配合量とする。なお、製造するための原料穀粉において、薄力粉のみ、又は薄力粉とデュラム小麦粉の占める割合は、90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。
また、本発明の方法においては、原料穀粉として、上記の薄力粉、デュラム小麦粉に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、薄力粉とデュラム小麦粉以外の小麦粉(例えば、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉等)、小麦粉以外の穀粉類(例えば、大麦粉、そば粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、米粉、コーンフラワー、大豆粉等)や、澱粉類(例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの澱粉及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、リン酸架橋化、酸化処理などの処理を施した化工澱粉)を配合してもよい。これらの穀粉類や澱粉類を配合する場合、その配合量は、全原料穀粉中で10質量%未満であることが好ましい。
本発明において、かんすいとしては、通常、中華麺類の製造に用いられているものであれば特に問題なく、例えば市販品のかんすい粉末(かん粉)を水に溶解させたものを適宜用いることができる。
また、その他の副資材として、食塩;卵白粉、全卵粉などの卵粉;キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸エステル、寒天、ゼラチン、ペクチンなどの増粘剤;油脂類;エチルアルコールなどを配合することもできる。
本発明の即席中華麺類の製造方法では、まず、上述の原料穀粉に、かんすい及び必要に応じて副資材を加えた後にミキシングして生地を得る。加水量は、通常、油揚げ即席麺の製造において採用される範囲であれば特に問題はなく、全原料穀粉又は穀粉組成物の合計100質量部に対して、20〜40質量部が好ましく、25〜35質量部がより好ましい。
ミキシングは、常法に従って、常圧下又は減圧下に行えばよいが、ミキシング時間は、通常は5〜20分間程度である。このように得られた生地から、常法に従って、例えば圧延後、切り出し法又は押出法により製麺すればよいが、製麺時の作業性や茹で処理後の中華麺類の食感などから、圧延後、切り出し法により製麺するのが好ましい。
得られた生麺線には、蒸し処理の前に、水性液体をその表面に付着させることが必要である。かかる水性液体を生麺線の表面に付着させる方法としては、生麺線の表面に均一に水性液体を付着させうる方法であればどのような方法でもよいが、例えば水性液体への浸漬又は水性液体の散布・噴霧が挙げられる。水性液体としては、水、乳化油脂溶液、又はレシチン溶液が挙げられる。本発明に用いるレシチンとしては、卵黄由来又は大豆由来などその由来は特に制限されず、また酵素処理をしたレシチンを用いることができる。また、乳化油脂としては、食品の製造に通常使用される乳化油脂を用いることができる。
水性液体の付着量は、生麺線の質量に対し、5〜40質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。その際に用いる乳化油脂溶液及びレシチン溶液の濃度は0.3〜5.0質量%が好ましく、1.0〜3.0質量%がより好ましい。
水性液体を上記したように麺線表面に付着させることによって、後の工程における麺線同士の付着を防止するとともに、電子レンジ調理した際に、滑らかな食感と粘りのある生麺に近い食感とすることができる。
本発明における蒸し処理は、生麺線を、即席麺類の製造に慣用されるスチーマー等を用いてα化するために行うが、蒸し処理条件としては95℃以上の水蒸気で2分間以上10分間程度処理する方法を挙げることができる。次いで、蒸し処理した麺線を、例えば個食に分けた後に油揚げ処理する。油揚げ処理は、通常の即席麺の油揚げ条件で行えばよいが、例えば型に詰め140〜150℃で、1分〜2分間の油揚げを行う。その際、用いる型等を適宜選択することで、得られる即席中華麺類の麺塊の形状を、例えば通常の即席中華麺類よりやや扁平にする等、所望の形状に成型することができる。
油揚げした麺線は、容器に収納し、さらに必要に際して包装された粉末又は濃縮調味料(ソース、スープ、エキス等)や具材を収納した後、蓋をして包装する。ここで用いる容器は、即席焼きそば等に従来用いられている即席麺用容器を用いることができるが、以下に説明するように、本発明の即席中華麺類の麺塊が所定の水又はお湯の注入量で、麺塊の所定の体積が水又はお湯に浸漬するように即席中華麺類を収納する容器を適宜選択するのが好ましい。
このように製造された本発明の電子レンジ調理用即席中華麺類は、喫食に際して、油揚げした即席中華麺類の質量に対して水又はお湯を注入するが、その水又はお湯の注入量は150〜230質量%であることが好ましく、170〜210質量%がより好ましい範囲であり、かつ即席中華麺類の麺塊の水又はお湯に浸漬する体積は、少なくとも40体積%とすることが好ましく、60体積%がより好ましく、75体積%がさらに好ましい。水又はお湯を注入した後、電子レンジ調理する。この場合、即席中華麺類の質量に対する水又はお湯の注入量を150〜230質量%の範囲とした際に、即席中華麺類の麺塊を上記の範囲で水又はお湯に浸漬させるためには、(a)即席中華麺類の麺塊の形状を調整する、例えば通常の即席中華麺類よりやや扁平にする、(b)即席中華麺類を収納する容器を適宜選択する等の方法がある。
本発明の電子レンジ調理用即席中華麺類を電子レンジ調理する際に注入する水又はお湯の量が150質量%未満であると硬く粘りの無い食感となり、また230質量%を超えると、柔らかく、コシの無い食感となるおそれがある。また、注入する水又はお湯の量が150〜230質量%の範囲にある条件下で、即席中華麺類の麺塊の浸漬体積が、40体積%未満であると、調理ムラが生じて、部分的に硬く粘りの無い食感となるおそれがある。
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5及び比較例1〜4]
デュラム小麦粉(平均粒径が約80μmであり、かつ粒径200μm以下の部分が100質量%)、ウェスタンホワイト小麦の含量が60質量%以上である薄力小麦粉(「フラワー」、日清製粉社製)、準強力粉(「特ナンバーワン」、日清製粉社製)を表1に示す配合割合で含有する原料穀粉をそれぞれ調製した。一方、食塩1質量部、かんすい(「赤かんすい」、オリエンタル酵母工業社製)0.2質量部を共に水32質量部に溶かした水溶液を調製し、この水溶液を上記の原料穀粉100質量部に加えて常法によって10分間混捏して生地を得た。この生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.35mmの麺帯にした後、20番の丸の切刃を用いて麺線に切り出した。切り出した麺線表面に乳化油脂(「エマテックS−550」、理研ビタミン社製)3%を含む水性液体を、生麺線の質量に対して18質量%付着するように噴霧した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒蒸し処理した後、147℃のパーム油で2分15秒間揚げることにより油揚げ即席焼きそばを製造した。得られた即席中華麺をカップ焼きそば用容器に収納し、蓋をした。
Figure 0005153754
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたそれぞれの即席焼きそば100gを入れた容器中に、185mlの水を注ぎ、500Wの電子レンジで6分間加熱し、液体ソースを入れた。その際、即席焼きそばの麺塊の約75体積%が水に浸るようにした。この電子レンジ調理即席焼きそばの食感(弾力感、歯切れ、滑らかさ)について、下記の表2に示す評価基準表に従ってパネラー10人で評価した。その評価の平均点を表1に示す。なお、官能試験では、原料穀粉として準強力粉100質量%を使用した比較例4の評価を標準の3点とした。
Figure 0005153754
表1の食感の欄に示す結果から明らかなとおり、薄力粉及びデュラム小麦粉を所定の配合割合で含有する実施例1〜5では良好な硬さと粘りを有し(弾力感)、良好な歯切れ及び良好な滑らかさを有する。特に実施例4のデュラム小麦粉30質量%及び薄力粉70質量%である配合率である場合最も良い弾力感と歯切れを有するものであった。これに対し、比較例1及び比較例2では、ともに粘りはあるもののやや硬いか軟らかい食感を示し、表面は適度な歯切れがあるが、中心部は噛み切りにくいヒキがあり、滑らかさもやや劣ったものであった。また、薄力粉の代わりに準強力粉を用いた比較例3は、やや硬く、粘りに欠け、また、表面は適度な歯切れがあるが、中心部は噛み切りにくいヒキがあり、滑らかさもやや劣ったものであった。以上より、本発明の薄力粉及びデュラム小麦粉の配合率は、薄力粉50〜100質量%及びデュラム小麦粉0〜50質量%を含む原料穀粉を用いることが適切な配合率であり、また、薄力粉を用いない原料穀粉では所望の食感が得られないことがわかる。
[実施例6及び比較例5〜8]
デュラム小麦粉(平均粒径が約80μmであり、かつ粒径200μm以下の部分が100質量%)、ウェスタンホワイト小麦の含量が60質量%以上である薄力小麦粉(「フラワー」、日清製粉社製)、準強力粉(「特ナンバーワン」、日清製粉社製)を表3に示す配合割合で含有する原料穀粉をそれぞれ調製した。一方、食塩1質量部とかんすい(「赤かんすい」、オリエンタル酵母工業社製)0.2質量部を水32質量部に溶かした水溶液を調製し、この水溶液を上記の原料穀粉100質量部に加えて常法によって10分間混捏して生地を得た。この生地を製麺ロールを用いて常法により複合、圧延して厚さ1.35mmの麺帯にした後、20番の丸の切刃を用いて麺線に切り出した。実施例6および比較例8については、切り出した麺線表面に乳化油脂(「エマテックS−550」、理研ビタミン社製)3%を含む水性液体を、生麺線の質量に対して18質量%付着するように噴霧したが、比較例5および6では水性液体の噴霧を行わなかった。次いで、各麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒蒸し処理した後、147℃のパーム油で2分15秒間揚げることにより油揚げ即席焼きそばを製造した。得られた即席焼きそばをカップ焼きそば用容器に収納し、蓋をした。なお、比較例6では、水性液体を噴霧しない生麺線の状態で、水性液体を噴霧した場合と同程度の水分含量となるようにするため、製麺時の加水量を55質量部とした。また、熱湯で復元し、湯切りして喫食する市販の即席焼きそばを電子レンジ調理したものを比較例7とした。
Figure 0005153754
実施例6及び比較例5〜8で得られたそれぞれの即席焼きそば100gを入れた容器中に、185mlの水を注ぎ、500Wの電子レンジで6分間加熱し、液体ソースを入れた。その際、即席焼きそばの麺塊の約75体積%が水に浸るようにした。この電子レンジ調理即席焼きそばの食感(弾力感、歯切れ、滑らかさ)について、上記の表2に示す評価基準表に従ってパネラー10人で評価した。その評価の平均点を表3に示す。なお、官能試験では、原料穀粉として準強力粉100質量%を使用した比較例8の評価を標準の3点とした。
また、即席焼きそばの製造時に、蒸し処理前後の麺線の取り扱い易さ、ベタつき等による作業性を、[良い:○、やや悪い:△、悪い:×]の3段階で評価し、その結果についても表3に示す。
表3に示す結果から明らかなとおり、蒸し処理前に麺線の表面に水性液体を付着させた場合(実施例6および比較例8)では作業性に問題はなかったが、水性液体を付着させなかった比較例5では、蒸し処理後に麺線がややべたつき、作業性がやや悪かった。また、加水量を増やし、且つ水性液体を付着させなかった比較例6では、麺線のベタつきが激しく蒸し前後で麺線が付着してしまい作業性が非常に悪かった。
一方、食感については、実施例6では、比較例8と比較して、食感として弾力感、歯切れ及び滑らかさの全ての点において優れていた。これに対し、蒸し処理前に生麺線の表面に水性液体を付着させないと、弾力感及び歯切れの点でやや劣り、滑らかさの点で劣ることがわかる(比較例5)。また、水性液体を噴霧した場合と同程度の水分含量となるように加水量を増やしても、却って弾力感、歯切れ及び滑らかさの全ての点において劣ることがわかる(比較例6)。この結果は、蒸し処理前に生麺線の表面に水性液体を付着させることに意味があり、単に生麺線の水分含量を増やしても所望の効果が得られないことを示している。
また、比較例7の結果から、熱湯で戻して湯切りして喫食する従来の即席焼きそばを電子レンジ調理しても得られる焼きそばは弾力感、歯切れ及び滑らかさの点で劣ることから、従来の即席焼きそばでは本発明の効果が得られないことがわかる。

Claims (5)

  1. 喫食時に湯切りを必要としない電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法であって、以下の工程を備えた即席中華麺類の製造方法。
    1)薄力粉50〜100質量%及びデュラム小麦粉0〜50質量%を含む原料穀粉を用い、かんすいを加えて常法により製麺する工程;
    2)得られた生麺線表面に水性液体を付着させた後、蒸してα化させ、次いで油揚げする工程;
    3)得られた油揚げ麺線を容器に入れて包装する工程;
  2. 薄力粉が、ウェスタンホワイト小麦を少なくとも60質量%含む原料小麦を用いて製粉されたものである、請求項1記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法。
  3. デュラム小麦粉が、平均粒径が60〜100μmの範囲であり、かつ粒径200μm以下の粒子が90%以上のデュラム小麦粉である、請求項1記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法。
  4. 生麺線表面に付着させる水性液体が、水、乳化油脂水溶液、又はレシチン水溶液から選択され、かつ当該水性液体の付着量が、生麺線の質量に対して5〜40質量%の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製造される電子レンジ調理用即席中華麺類。
JP2009266653A 2009-11-24 2009-11-24 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法 Active JP5153754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266653A JP5153754B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266653A JP5153754B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011109930A JP2011109930A (ja) 2011-06-09
JP5153754B2 true JP5153754B2 (ja) 2013-02-27

Family

ID=44232761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009266653A Active JP5153754B2 (ja) 2009-11-24 2009-11-24 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5153754B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5968672B2 (ja) * 2012-04-26 2016-08-10 日清製粉株式会社 中華麺
JP6441594B2 (ja) * 2014-06-03 2018-12-19 日清製粉株式会社 麺類の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5564773A (en) * 1978-11-06 1980-05-15 Sanyoo Shokuhin Kk Preparation of instant noodle in western style and its device
JPH05304912A (ja) * 1992-04-29 1993-11-19 Aroma Kagaku Kikai Kogyo:Kk デュラム小麦微粉を添加した食品の製造方法
JPH11164662A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 House Foods Corp 加熱殺菌処理麺の製造方法
JP3739070B2 (ja) * 1998-03-04 2006-01-25 日清フーズ株式会社 麺類用穀粉組成物
JP2003265129A (ja) * 1998-12-22 2003-09-24 Sanei Gen Ffi Inc 即席麺用の食感改良剤
JP5203751B2 (ja) * 2008-03-06 2013-06-05 日清製粉株式会社 麺類または皮類用デュラム小麦粉およびこれを含有する麺類または皮類用小麦粉組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011109930A (ja) 2011-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5570582B2 (ja) 乾麺およびその製造方法
JP4880081B1 (ja) アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉及びその製造方法
WO2014203991A1 (ja) 冷凍調理済み麺類の製造方法
US20120141647A1 (en) Batter mix composition with reduced oil absorption
JP6893847B2 (ja) 冷凍調理済み生麺類の製造方法
JP4856676B2 (ja) 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物
JP6571559B2 (ja) 麺類の製造方法
JP6577279B2 (ja) 即席麺の製造方法
JP5153754B2 (ja) 電子レンジ調理用即席中華麺類の製造方法
JP6796599B2 (ja) ビーフン様米粉麺類の製造方法
KR20200017688A (ko) 쌀가루를 주재로 한 조리떡볶이떡 조성물 및 그의 제조방법
JP6487292B2 (ja) 乾麺の製造方法
JP6753840B2 (ja) 調理済み米粉麺類
JP2022140632A (ja) 調理済み冷凍麺類の製造方法
JP4762256B2 (ja) パン粉砕物を配合したノンフライ即席麺類
JP6047432B2 (ja) 麺類の製造方法及び即席麺類製品
JP2017035061A (ja) 冷蔵調理済み生パスタ類の製造方法
JP6757741B2 (ja) 米粉麺類の製造方法及び麺類用ミックス粉
JP6767386B2 (ja) 熱処理米粉の製造方法及び麺類の製造方法
JP4707515B2 (ja) 即席麺類の製造方法
JP2005143347A (ja) 即席麺類の改質剤及びこれを用いた即席麺類の製造方法
JP7478520B2 (ja) 麺皮用小麦粉組成物、麺皮、麺皮の製造方法、ならびに麺皮の加熱調理後の保形性の向上方法
WO2017030082A1 (ja) 冷凍調理済み調味麺類の製造方法
JP7199933B2 (ja) デュラム小麦由来のバイタルグルテンを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
WO2016153032A1 (ja) 生米粉麺類

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5153754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250