JP4006855B2 - 光学デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学デバイスの製造方法に関し、特に製造工数の削減と、材料の無駄をなくして製造歩留を大幅に高めて低コスト化を実現することができるビームスプリッタ等の光学デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように光学デバイスとしてのビームスプリッタは、図5(a) に示すように2つの三角柱状のガラスプリズム2、3をビームスプリッタ膜(偏光分離膜)4を介して接合することにより立方体に構成したものであり、同図(b) に示すようにビームスプリッタ1は光源5からの光のうちの所定の偏光成分を透過する一方で、それ以外の偏光成分を反射する機能を備えている。この例では、光源5から出射された光のうちの所定の偏光成分はビームスプリッタ膜4を透過して光ディスク6面に照射され、ディスク面で反射した光は偏波面が回転した状態となっている為ビームスプリッタ膜4にて反射して受光素子7にて受光される。
図6は従来のビームスプリッタの製造方法の一例を示す工程図であり、(a) に示した如き断面形状が直角三角形状の三角柱のガラスブロック10の傾斜面A、両端面B、Cを予め鏡面加工した後で、傾斜面Aにビームスプリッタ膜4を形成し、更に他の面には反射防止膜(AR膜)を形成する。このようなガラスブロック10を2個用意し、傾斜面A同士を接着剤にて接合することにより(b) に示した直方体状のガラスブロック11を得る。このガラスブロック11を(c) に示すように長手方向に沿って所定のピッチで切断、分割することにより、立方体状のビームスプリッタを得る。
【0003】
しかし、この製造方法は、工数が極めて多く、煩雑であり、生産性が悪いという欠点を有している。即ち、三角柱状のブロックの3つの面を夫々個別に鏡面加工するためには、研磨しない面を台座等の上に接着固定した上で研磨面に対してロータリー研磨、洗浄、ラップ研磨、洗浄、ポリッシュ研磨を夫々施す必要があり、一つの面に対する鏡面加工が終了した後に、基台から剥離した上で他の面を鏡面加工するために再度基台に接着固定し、鏡面加工後に基台から剥離するという煩雑な工程を繰り返す必要がある。
また、特許第2639312号公報にはプリズムアッセンブリの製造方法が開示されている。この製造方法により製造されるプリズムアッセンブリ20は、図7(a) に示した如く2つのガラス三角柱21、22の間にガラス平行四辺形柱23を挟んだ形状であり、一方の境界には反射膜24を、他方の境界には偏光膜(分離膜)25を設けている。この偏光膜25は、P偏光を透過し、S偏光を反射する。このプリズムアッセンブリ20は、図7(b) に示した如き方向から光源26からの光を入射したときに、P偏光が偏光膜25を透過して直進し、S偏光が偏光膜25と反射膜24にて夫々反射して外部に出射する。
【0004】
この公報記載の製造手順は、プリズムの角度が45度であることに着目したものであり、まず、同形状のガラス平板を複数用意して全てのガラス平板の両面に鏡面加工を施す。続いて、半数のガラス板の上面には偏光膜を形成すると共にその下面には反射膜を夫々形成し、他の半数のガラス板には膜を形成しない。こうして得られた成膜光学ガラス板30と非成膜光学ガラス板31を図8(a) のように治具32を用いて交互に積層して板間にUV硬化型接着剤33を塗布する。治具32は水平なベース32a上に45度の傾斜角度を備えた側壁32bを備えており、成膜光学ガラス板30と非成膜光学ガラス板31の積層体35をこの側壁32bに沿って積層することにより、各ガラス板30、31は面方向に等距離づつずれを起こし、各ガラス板は端縁が45度の傾斜を有した階段状の積層体5となる。各ガラス板間には予めUV硬化型接着剤33を塗布してある為、加圧して接着剤を展開させた後に、積層体35の上面から紫外線を照射することによりガラス板相互間を固着することができる。続いて、図8(b) に示すように45度に傾斜して位置ずれした積層体35を、積層体35の傾斜方向と平行な切断線(面)36に沿って複数に切断する。
【0005】
次に、積層体35を切断することにより得られた複数の積層分割体40を図8(c) のように切断線41に沿って所定サイズに切断することにより図8(d) のように個々のプリズムアッセンブリ20を得る。
この製造方法によって得られるプリズムアッセンブリ20は、図7(b) に示すように上下2面を光が透過するため、この2面を鏡面加工する。しかし、図5(b) に示したようにビームスプリッタ1にあっては、左右の両面と、下面を光が透過するため、これら3面を鏡面加工する必要がある。従って、特許第2639312号公報に記載の製造方法をそのまま用いてビームスプリッタを製造しようとする場合には、最終的に個片に切り分けてから所要面を鏡面加工するしか方法が無いが、個片は一辺が数mm程度の立方体であるため、このような個別の鏡面加工は極めて困難であり、生産性が著しく低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、所定の成膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が45度の傾斜角度をもって位置ずれするように階段状に積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に沿って複数個に切断分割するという工程を経るビームスプリッタ等の光学デバイスの製造工程において、個片に分割した後の煩雑な鏡面加工を行わずに、所要面に鏡面加工が施されたビームスプリッタを得ることができるビームスプリッタ等の光学デバイスの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明は、2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を接合一体化した光学デバイスの製造方法において、複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層すると共に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する第1鏡面加工工程と、上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、前記各積層分割体を積層したものの対向する2つの平坦な側面に補強板を固定して積層分割体が分離しないようにする工程と、仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、上記分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する第2鏡面加工工程と、上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所定の間隔にて切断することにより、複数の光学デバイスが仮止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結体を形成する工程と、上記光学デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の光学デバイスに分離する分離工程とから成ることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、2つの直角三角柱形状のガラスプリズムの傾斜面同士を、ビームスプリッタ膜を挟んで接合一体化した立方体形状のビームスプリッタの製造方法において、上面に偏光分離膜を有した複数枚の矩形ガラス平板を接着剤を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する第1鏡面加工工程と、上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、前記各積層分割体を積層したものの対向する2つの平坦な側面に補強板を固定して積層分割体が分離しないようにする工程と、仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、上記分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する第2鏡面加工工程と、上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に等間隔に切断することにより、複数のビームスプリッタが仮止め材を介して直列に連結されたビームスプリッタ連結体を形成する工程と、上記ビームスプリッタ連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の立方体状のビームスプリッタに分離する分離工程とから成ることを特徴とする。
請求項3の発明は、上記仮止め工程の前に、各積層分割体の両端縁に位置する鋭角部を所要量切断除去する工程を介在させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、上記矩形の平板状光学部材又は矩形ガラス平板は下面にマッチング膜を備えていることを特徴とする。
請求項5の発明は、上記接着剤としてUV接着剤を用いたことを特徴とする。
請求項6の発明は、上記仮止め材としてパラフィンを用いたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。
図1(a) 乃至(d) 、及び図2(a) 乃至(g) は光学デバイスの一例としてのビームスプリッタの製造方法を説明する為の工程図であり、各分図の左図は正面縦断面図、右図は右側面図である。また、図3は図1、図2に対応する製造工程のフロー図である。
本発明は、図5に示した如く、2つの直角三角柱形状のガラスプリズムの傾斜面同士を、ビームスプリッタ膜を挟んで接合一体化した立方体形状のビームスプリッタの製造方法に関するものである。
図1(a) は本発明の製造方法に使用するガラス平板の構成を示す正面図、及び右側面図であり、このガラス平板(平板状光学部材)50は均一厚みの矩形状の板ガラス51の上面に偏光分離膜(BS膜)52を形成するとともに、下面にマッチング膜(ML膜)53を形成した構成を備えている。本発明方法では、このように全く同一の構成を備えたガラス平板50を複数枚使用する。
図3の(1)、(2)は図1(a) に対応しており、上下両面をポリッシュにより鏡面加工した板ガラス51の上下両面に対して夫々図3(2)に示すように偏光分離膜52とマッチング膜53を形成する工程を示している。
なお、偏光分離膜52とは、高屈折材料と低屈折材料、例えばTiO2とSiO2の各薄膜を交互に複数層積層することにより形成される膜であり、マッチング膜53とは、複数のガラス平板50を接着剤を用いて接着する際に、接着剤の存在に起因してガラス平板を透過する光の屈折率が変動することを防止する為の膜である。
【0010】
図1(b) は積層体形成工程を示す図であり、治具60を用いて45度の傾斜角度でガラス平板を積層する状態を示している。即ち、治具60は、水平な板状のベース60aと、このベース60aから45度の傾斜角度で上方に傾斜して固定された傾斜側壁60b等とから成り、偏光分離膜52を上向きにしたガラス平板50をベース60aに順次積層する。この際に、各ガラス平板50の一端縁を傾斜側壁60bに沿って整列させることにより、各ガラス平板50が面方向に等距離づつずれた階段状の積層体61となる。換言すれば、正面形状が略平行四辺形の積層体となる。
なお、積層前に各ガラス平板間にはUV硬化型接着剤62を塗布しておき、積層体を加圧して接着剤を均一に展開させた状態で図示しない紫外線光源から紫外線を積層体に照射し、接着剤62を硬化させて積層体を貼り合わせる。
図3の(3)は、積層体形成及び接着工程を示している。
このように積層体形成工程は、同一構成の複数枚の矩形ガラス平板50をUV接着剤62を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス平板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する工程であり、接着工程は各ガラス平板間を接着固定する工程である。
【0011】
次に、図1(c) は上記接着工程において一体化された積層体61を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体65に切断する切断工程を示しており、図3(4)、(5)に対応している。
図1(b) において作成された積層体61を治具60から取り出して図1(c) の固定板62に積層体の背面側の側面を剥離可能な接着剤等により仮固定し、この仮固定状態で点線で示す切断ライン63に沿ってワイヤーソーにより積層体61を等間隔で切断する。図1(d) は積層体61を切断することにより得られた積層分割体65を示している。
各切断ライン63は、積層体を構成する各ガラス平板50の位置ずれ角度である45度と平行な線(或は面)であり、各切断ライン間の間隔は最終的に製造しようとするビームスプリッタの寸法、形状に応じて設定する。
【0012】
次に、図2(a)に示すように個々の積層分割体65の上下両面(切断面)を鏡面加工するとともに、鏡面加工後の各面に反射防止膜をコーティングする。図2(a)に示した積層分割体65は、両端部が鋭角状に突出しているため、上記鏡面加工時にこの部分が破損してガラス屑が発生し、このガラス屑が研磨装置の研磨部材に入り込み、研磨対象である積層分割体を損傷させる虞れがある。そのため、予め鏡面加工前に切断線55に沿って切除しておいてもよい。切断に際しては、図3(5)に示した如く固定治具66の固定部66aに重ねた積層分割体65を固定した上で、各積層分割体65の鋭角状の端部を一括して切断する。その後、図3(6)に示したように両面を鏡面加工した後で、図3(7)に示した如く両面に反射防止膜を形成する。なお、積層分割体65は、ガラス平板50を接着剤62を用いて接合した積層体を切断したものであるため、偏光分離膜52、板ガラス板51,マッチング膜53、接着剤62、・・・・の順番で積層された構造を有する。続いて、図2(b)の仮止め工程に示すように各積層分割体65を整合状態で積層し、積層分割体間に予めパラフィン66を塗布しておくことにより仮止めする。なお、必要に応じて、積層分割体65を積層したものの前後両面(対向する2つの平坦な側面)に平板状のガラス板から成る補強板67をUV硬化型接着剤により固定して積層分割体65が分離しないようにする。
【0013】
図2(c)はパラフィン66にて仮止めされた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切断面63と直交する切断面70に沿ってワイヤソーにより切断して仮止め積層体71を形成する分断工程であり、図2(d)は切断による分断後の状態を示している。図3(8)、(9)はこの工程に対応した図である。この図に示すように切断に際しては補強板67も同時に切断されるので、各仮止め積層体71の両端部には補強板67の一部が固定されている。つまり、分断工程は、パラフィン66にて仮止めされた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切断面と直交する切断面70にて切断して仮止め積層体71を形成する工程であり、切断ライン70に沿った切断後に形成された各仮止め積層体71はパラフィン66を介して複数の完成されたビームスプリッタ1を棒状に連結した構成となっている。図2(e)は上記分断工程により得られた仮止め積層体71の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程であり、鏡面加工後に反射防止膜を加工面に蒸着形成する。反射防止膜の塗布を受けた各仮止め積層体71は点線で示す切断ライン72からワイヤーソーにより切断される。この切断ライン72は、切断ライン70により形成された切断面と直交する方向の切断ラインである。図2(f)は切断ライン72に沿って切断分離した後のビームスプリッタ連結体(光学デバイス連結体)75を示している。このビームスプリッタ連結体75の状態では、依然としてパラフィン66によって個々のビームスプリッタ1が接続された状態にある。図3(10)、(11)、(12)はこの工程を示している。
【0014】
次に、図2(g) は(f) の状態となった個々の仮止め積層体71をホットプレート上に載置して加熱することによってパラフィンを溶解させて、個々のビームスプリッタ1(図3(13))に分離する分離工程である。
このように本発明によれば、平板状のガラスを複数枚使用してビームスプリッタを製造する際に、個片に分割されたビームスプリッタに対して鏡面加工を行う必要がなくなるため、生産性が高く、実用性の高いビームスプリッタの製造方法を提供することができる。
なお、上記形態例では光学デバイスの製造方法の一例としてビームスプリッタの製造方法を例示したが、本発明は上記以外の光学デバイスであって類似の構成を備えたものに対しても適用することができる。
例えば、本発明の製造方法は図4(a) (b) に夫々示したハーフミラー、及びウォラストンプリズムに対しても適用することができる。
即ち、図4(a) に示したハーフミラーは直角三角柱形状のガラス80の傾斜面同士をハーフミラー膜81を介して接合一体化した構成を備えており、このハーフミラーとしての光学デバイスは、光量aの入射光の内の光量a/2を透過し、光量a/2を反射する。このハーフミラーは、上記ビームスプリッタのビームスプリッタ膜の代わりにハーフミラー膜81を用いた点が異なっているのみであるため、上記製造方法によって同様に製造することができる。
また、図4(b) に示したウォラストンプリズムは、水晶等の異方性結晶の光学軸を有する直角三角柱形状のガラス85を、所定の光学軸に沿って張り合せたものであり、偏光面に応じて光を分離出力するデバイスである。この光学デバイスも上記製造方法によって製造することが可能である。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の成膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が45度の傾斜角度をもって位置ずれするように階段状に積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に沿って複数個に切断分割するという工程を経るビームスプリッタの製造工程において、個片に分割した後の煩雑な鏡面加工を行わずに、所要面に鏡面加工が施されたビームスプリッタを得ることができるビームスプリッタの製造方法を提供することができる。
即ち、平板状のガラスを複数枚使用してビームスプリッタを製造する際には、個片に分割されたビームスプリッタに対して鏡面加工を行う必要があったが、本発明によれば、個片に分割する以前の段階、即ち個片が板状に連結された状態で鏡面加工を行うので、鏡面加工が容易となり、生産性と実用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)乃至(d)は本発明の光学デバイスの製造方法を説明する為の工程図。
【図2】 (a)乃至(g)は本発明の光学デバイスの製造方法を説明する為の工程図。
【図3】 図1、図2に対応する製造工程のフロー図。
【図4】 (a)及び(b)は本発明の適用例を説明する図である。
【図5】 (a)及び(b)は従来の(本発明の製造対象物としての)ビームスプリッタの構成図及び使用方法の説明図。
【図6】 (a)(b)及び(c)は従来の製造方法の一例を示す図。
【図7】 (a)及び(b)は従来のプリズムアッセンブリの構成及び使用方法説明図。
【図8】 (a)(b)(c)及び(d)は図7のプリズムアッセンブリを製造する手順を説明する図。
【符号の説明】
1 ビームスプリッタ、2、3 ガラスプリズム、4 ビームスプリッタ膜(偏光分離膜)、5 光源、50 ガラス平板(平板状光学部材)、51 板ガラス、52 偏光分離膜(BS膜)、53 マッチング膜(ML膜)、55 切断線、60 治具、61 積層体、62 UV硬化型接着剤、63 切断ライン、65 積層分割体、66 固定治具、67 補強板、70 切断面、71 仮止め積層体、72 切断ライン、75 ビームスプリッタ連結体(光学デバイス連結体)。
Claims (6)
- 2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を接合一体化した光学デバイスの製造方法において、
複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層すると共に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、
上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、
上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する第1鏡面加工工程と、
上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、
前記各積層分割体を積層したものの対向する2つの平坦な側面に補強板を固定して積層分割体が分離しないようにする工程と、
仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、
上記分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する第2鏡面加工工程と、
上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所定の間隔にて切断することにより、複数の光学デバイスが仮止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結体を形成する工程と、
上記光学デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の光学デバイスに分離する分離工程とから成ることを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 2つの直角三角柱形状のガラスプリズムの傾斜面同士を、ビームスプリッタ膜を挟んで接合一体化した立方体形状のビームスプリッタの製造方法において、
上面に偏光分離膜を有した複数枚の矩形ガラス平板を接着剤を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、
上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、
上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する第1鏡面加工工程と、
上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、
前記各積層分割体を積層したものの対向する2つの平坦な側面に補強板を固定して積層分割体が分離しないようにする工程と、
仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、
上記分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する第2鏡面加工工程と、
上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所定の間隔にて切断することにより、複数のビームスプリッタが仮止め材を介して直列に連結されたビームスプリッタ連結体を形成する工程と、
上記ビームスプリッタ連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の立方体状のビームスプリッタに分離する分離工程とから成ることを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 上記仮止め工程の前に、各積層分割体の両端縁に位置する鋭角部を所要量切断除去する工程を介在させたことを特徴とする請求項1又は2記載の光学デバイスの製造方法。
- 上記矩形の平板状光学部材又は矩形ガラス平板は下面にマッチング膜を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学デバイスの製造方法。
- 上記接着剤としてUV接着剤を用いたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光学デバイスの製造方法。
- 上記仮止め材としてパラフィンを用いたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光学デバイスの製造方法。
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