JP2003057417A - 光学デバイス、及びその製造方法 - Google Patents
光学デバイス、及びその製造方法Info
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- JP2003057417A JP2003057417A JP2001250691A JP2001250691A JP2003057417A JP 2003057417 A JP2003057417 A JP 2003057417A JP 2001250691 A JP2001250691 A JP 2001250691A JP 2001250691 A JP2001250691 A JP 2001250691A JP 2003057417 A JP2003057417 A JP 2003057417A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 完成した光学デバイスに対して組み付け方向
を示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増
大をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の
製造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を
異ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示で
きるようにした光学デバイス、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 対向する平行な2面の形状が、隣接する
2つの角部20A、20Bを夫々直角とする台形状であ
る八面体から成る第1のプリズム21と、直角三角柱状
の第2のプリズム22と、から成り、両プリズムの斜面
同志を偏光分離膜23を介して接合一体化した。
を示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増
大をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の
製造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を
異ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示で
きるようにした光学デバイス、及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 対向する平行な2面の形状が、隣接する
2つの角部20A、20Bを夫々直角とする台形状であ
る八面体から成る第1のプリズム21と、直角三角柱状
の第2のプリズム22と、から成り、両プリズムの斜面
同志を偏光分離膜23を介して接合一体化した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の光学部品を接
合して成る光学デバイスにおいて、他の光学部品と区別
するための格別の加工を加えることなく、光学部品間の
識別と、組み付け方向を容易に見極めることができる光
学デバイスと、その製造方法に関する。
合して成る光学デバイスにおいて、他の光学部品と区別
するための格別の加工を加えることなく、光学部品間の
識別と、組み付け方向を容易に見極めることができる光
学デバイスと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように光学デバイスとしてのビー
ムスプリッタは、図6(a)に示すように2つの三角柱
状のガラスプリズム2、3をビームスプリッタ膜(偏光
分離膜)4を介して接合することにより立方体に構成し
たものであり、同図(b)の光ピックアップ光学系に示
すようにビームスプリッタ1は光源5からの光のうちの
所定の偏光成分を透過する一方で、それ以外の偏光成分
を反射する機能を備えている。この例では、光源5から
出射された光のうちの所定の偏光成分はビームスプリッ
タ膜4を透過して光ディスク6面に照射され、ディスク
面で反射した光は偏波面が回転した状態となっている為
ビームスプリッタ膜4にて反射して受光素子7にて受光
される。
ムスプリッタは、図6(a)に示すように2つの三角柱
状のガラスプリズム2、3をビームスプリッタ膜(偏光
分離膜)4を介して接合することにより立方体に構成し
たものであり、同図(b)の光ピックアップ光学系に示
すようにビームスプリッタ1は光源5からの光のうちの
所定の偏光成分を透過する一方で、それ以外の偏光成分
を反射する機能を備えている。この例では、光源5から
出射された光のうちの所定の偏光成分はビームスプリッ
タ膜4を透過して光ディスク6面に照射され、ディスク
面で反射した光は偏波面が回転した状態となっている為
ビームスプリッタ膜4にて反射して受光素子7にて受光
される。
【0003】図6(a)に示した如きビームスプリッタ
の用法においては、各プリズム23の光が透過する3つ
の面2a、3a、3bだけを鏡面加工すればよく、プリ
ズム2の他の面2bは鏡面加工せずに粗面のままで良か
った。従って、外観上、粗面2bの有無によって、両プ
リズム2、3を識別することができ、光学系中にビーム
スプリッタ1を配置する際の組み付け方向を誤ることは
なかった。これに対して、図7に示したDVD、CD−
R/RW兼用の光ピックアップの光学系にあっては、2
つのガラスプリズム2、3をビームスプリッタ膜4を挟
んで接合した構造のビームスプリッタ1の一つの面2a
側に波長650nmのレーザ光(DVD−ROMの読み
出し用)を出射するホログラムレーザ光源11を対向配
置し、隣接する他の面3a側には波長780nmのレー
ザ光(CD−R/RWの書き込み/読み出し用)を出射
するホログラムレーザ光源12を対向配置し、更に面3
aと対向する他の面2bには受光素子としてのパワーモ
ニタ13を対向配置している。この例では、780nm
レーザのパワーを安定させるために、780nmホログ
ラムレーザ12から出射されたレーザ光の一部を反対側
面2b側へ透過させてパワーモニタ13によってモニタ
リングしている。このため、ビームスプリッタ膜4は、
波長が650nmであるレーザ光を透過させる一方で、
波長が780nmのレーザ光の90%を反射し、10%
を透過させるように構成されている。従って、この場
合、ビームスプリッタ1を構成するプリズム2の他の面
2bも鏡面加工しておく必要がある。
の用法においては、各プリズム23の光が透過する3つ
の面2a、3a、3bだけを鏡面加工すればよく、プリ
ズム2の他の面2bは鏡面加工せずに粗面のままで良か
った。従って、外観上、粗面2bの有無によって、両プ
リズム2、3を識別することができ、光学系中にビーム
スプリッタ1を配置する際の組み付け方向を誤ることは
なかった。これに対して、図7に示したDVD、CD−
R/RW兼用の光ピックアップの光学系にあっては、2
つのガラスプリズム2、3をビームスプリッタ膜4を挟
んで接合した構造のビームスプリッタ1の一つの面2a
側に波長650nmのレーザ光(DVD−ROMの読み
出し用)を出射するホログラムレーザ光源11を対向配
置し、隣接する他の面3a側には波長780nmのレー
ザ光(CD−R/RWの書き込み/読み出し用)を出射
するホログラムレーザ光源12を対向配置し、更に面3
aと対向する他の面2bには受光素子としてのパワーモ
ニタ13を対向配置している。この例では、780nm
レーザのパワーを安定させるために、780nmホログ
ラムレーザ12から出射されたレーザ光の一部を反対側
面2b側へ透過させてパワーモニタ13によってモニタ
リングしている。このため、ビームスプリッタ膜4は、
波長が650nmであるレーザ光を透過させる一方で、
波長が780nmのレーザ光の90%を反射し、10%
を透過させるように構成されている。従って、この場
合、ビームスプリッタ1を構成するプリズム2の他の面
2bも鏡面加工しておく必要がある。
【0004】しかし、プリズム2の他の面2bまでも鏡
面加工すると、両面3a、3bを鏡面加工したプリズム
3との間で外観上の区別をつけることが困難となる。従
って、外観上の違いのない2つのプリズム2と3を接合
した構造のビームスプリッタ1の各面の向きが外観上不
明となり、誤った方向に向けて組み付ける虞があった。
ビームスプリッタの組み付け方向を誤ると、波面収差が
所望のものと異なってくるため、所定の特性が得られな
くなる。そのため、従来は、特定の面にマークを形成し
たり、特定の端縁を面取りする等の手法によって、目印
となる面や端縁を手掛かりにしてビームスプリッタの正
しい設置方向を判別するのが一般である。しかし、完成
したビームスプリッタに対して識別用のマークや面取り
を施す作業は工数の増大をもたらし、著しい生産性の低
下を来すため、この点の改善が求められていた。
面加工すると、両面3a、3bを鏡面加工したプリズム
3との間で外観上の区別をつけることが困難となる。従
って、外観上の違いのない2つのプリズム2と3を接合
した構造のビームスプリッタ1の各面の向きが外観上不
明となり、誤った方向に向けて組み付ける虞があった。
ビームスプリッタの組み付け方向を誤ると、波面収差が
所望のものと異なってくるため、所定の特性が得られな
くなる。そのため、従来は、特定の面にマークを形成し
たり、特定の端縁を面取りする等の手法によって、目印
となる面や端縁を手掛かりにしてビームスプリッタの正
しい設置方向を判別するのが一般である。しかし、完成
したビームスプリッタに対して識別用のマークや面取り
を施す作業は工数の増大をもたらし、著しい生産性の低
下を来すため、この点の改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2つの光学
部品を接合することによって完成される光学デバイスに
おいて、両光学部品が同じ形状、外観を有しているため
に識別が容易でなく、完成した光学デバイスの組み付け
方向を誤る原因となっていたことに鑑みてなされたもの
であり、完成した光学デバイスに対して組み付け方向を
示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増大
をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の製
造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を異
ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示でき
るようにした光学デバイス、及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
部品を接合することによって完成される光学デバイスに
おいて、両光学部品が同じ形状、外観を有しているため
に識別が容易でなく、完成した光学デバイスの組み付け
方向を誤る原因となっていたことに鑑みてなされたもの
であり、完成した光学デバイスに対して組み付け方向を
示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増大
をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の製
造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を異
ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示でき
るようにした光学デバイス、及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、対向する平行な2面の形状が、
隣接する2つの角部を夫々直角とする台形状である八面
体から成る第1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプ
リズムと、から成り、両プリズムの斜面同志を偏光分離
膜を介して接合一体化したことを特徴とする。請求項2
の発明は、対向する平行な2面の形状が、隣接する2つ
の角部を夫々直角とする台形状である八面体から成る第
1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプリズムと、か
ら成り、両プリズムの斜面同志を偏光分離膜を介して接
合一体化した光学デバイスの製造方法において、複数枚
の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層すると共
に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部
材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるよ
うに平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状
に積層する積層体形成工程と、上記積層体形成工程にお
いて一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿
った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分
割体に切断する切断工程と、上記切断工程により形成さ
れた各積層分割体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程
と、上記切断工程により分割された複数の積層分割体の
鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層
分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、仮止
め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工
程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め
積層体を形成する分断工程と、上記分断工程により得ら
れた仮止め積層体の一方の切断面を所要の肉厚となるま
で薄肉化してから両切断面を鏡面加工する鏡面加工工程
と、上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所
定の間隔にて切断することにより、複数の光学デバイス
が仮止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結
体を形成する工程と、上記光学デバイス連結体を構成す
る仮止め材を溶解除去して個々の光学デバイスに分離す
る分離工程とから成ることを特徴とする。
め、請求項1の発明は、対向する平行な2面の形状が、
隣接する2つの角部を夫々直角とする台形状である八面
体から成る第1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプ
リズムと、から成り、両プリズムの斜面同志を偏光分離
膜を介して接合一体化したことを特徴とする。請求項2
の発明は、対向する平行な2面の形状が、隣接する2つ
の角部を夫々直角とする台形状である八面体から成る第
1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプリズムと、か
ら成り、両プリズムの斜面同志を偏光分離膜を介して接
合一体化した光学デバイスの製造方法において、複数枚
の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層すると共
に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部
材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるよ
うに平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状
に積層する積層体形成工程と、上記積層体形成工程にお
いて一体化された積層体を、上記45度の傾斜角度に沿
った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分
割体に切断する切断工程と、上記切断工程により形成さ
れた各積層分割体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程
と、上記切断工程により分割された複数の積層分割体の
鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層
分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、仮止
め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切断工
程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め
積層体を形成する分断工程と、上記分断工程により得ら
れた仮止め積層体の一方の切断面を所要の肉厚となるま
で薄肉化してから両切断面を鏡面加工する鏡面加工工程
と、上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所
定の間隔にて切断することにより、複数の光学デバイス
が仮止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結
体を形成する工程と、上記光学デバイス連結体を構成す
る仮止め材を溶解除去して個々の光学デバイスに分離す
る分離工程とから成ることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、対向する平行な2面の
形状が、隣接する2つの角部を夫々直角とする台形状で
ある八面体から成る第1のプリズムと、直角三角柱状の
第2のプリズムと、から成り、両プリズムの斜面同志を
偏光分離膜を介して接合一体化した光学デバイスの製造
方法において、複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤
を介して積層すると共に、各平板状光学部材の端縁を結
ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45
度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置
を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、上
記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記
45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切
断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、上記
切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面
加工する鏡面加工工程と、上記切断工程により分割され
た複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状
態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めす
る仮止め工程と、仮止め材にて仮止めされた複数の積層
分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断
面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、上
記分断工程により得られた仮止め積層体の両切断面を鏡
面加工する鏡面加工工程と、上記仮止め積層体を上記切
断面と直交する方向に所定の間隔にて切断することによ
り、複数の光学デバイスが仮止め材を介して直列に連結
された光学デバイス連結体を形成する工程と、上記光学
デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々
の光学デバイスに分離する分離工程とから成り、上記積
層体を複数の積層分割体に切断する切断工程における各
切断面の間隔は、個々の平板状光学部材の肉厚よりも薄
くなるように設定されることを特徴とする。請求項4の
発明は、前記光学デバイスは、2つのガラスプリズムの
傾斜面同士を、ビームスプリッタ膜を挟んで接合一体化
した形状のビームスプリッタであることを特徴とする。
形状が、隣接する2つの角部を夫々直角とする台形状で
ある八面体から成る第1のプリズムと、直角三角柱状の
第2のプリズムと、から成り、両プリズムの斜面同志を
偏光分離膜を介して接合一体化した光学デバイスの製造
方法において、複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤
を介して積層すると共に、各平板状光学部材の端縁を結
ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45
度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置
を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、上
記積層体形成工程において一体化された積層体を、上記
45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切
断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、上記
切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面
加工する鏡面加工工程と、上記切断工程により分割され
た複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状
態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めす
る仮止め工程と、仮止め材にて仮止めされた複数の積層
分割体を、上記切断工程における切断面と直交する切断
面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、上
記分断工程により得られた仮止め積層体の両切断面を鏡
面加工する鏡面加工工程と、上記仮止め積層体を上記切
断面と直交する方向に所定の間隔にて切断することによ
り、複数の光学デバイスが仮止め材を介して直列に連結
された光学デバイス連結体を形成する工程と、上記光学
デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々
の光学デバイスに分離する分離工程とから成り、上記積
層体を複数の積層分割体に切断する切断工程における各
切断面の間隔は、個々の平板状光学部材の肉厚よりも薄
くなるように設定されることを特徴とする。請求項4の
発明は、前記光学デバイスは、2つのガラスプリズムの
傾斜面同士を、ビームスプリッタ膜を挟んで接合一体化
した形状のビームスプリッタであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した形態
例により詳細に説明する。図1(a)及び(b)は本発
明の一実施形態に係る光学デバイスとしてのビームスプ
リッタの外観図、及びこのビームスプリッタを光ピック
アップの光学系に適用した場合の概略図である。本発明
に係る光学デバイスは、図1(a)に示した如く、2つ
のガラスプリズム21、22の傾斜面21a、22a同
士を、ビームスプリッタ膜23を挟んで接合一体化した
直方体形状のビームスプリッタ20に関するものであ
る。このビームスプリッタ20は、対向する平行な2面
(正面と背面)の形状が、2つの隣接する角部20A、
20Bを直角とする台形状である八面体(台形柱形状)
から成る第1のプリズム21と、直角三角柱状の第2の
プリズム22と、から成り、両プリズム21、22の斜
面21a、22a同志を偏光分離膜23を介して接合一
体化することにより、全体として直方体状となる。
例により詳細に説明する。図1(a)及び(b)は本発
明の一実施形態に係る光学デバイスとしてのビームスプ
リッタの外観図、及びこのビームスプリッタを光ピック
アップの光学系に適用した場合の概略図である。本発明
に係る光学デバイスは、図1(a)に示した如く、2つ
のガラスプリズム21、22の傾斜面21a、22a同
士を、ビームスプリッタ膜23を挟んで接合一体化した
直方体形状のビームスプリッタ20に関するものであ
る。このビームスプリッタ20は、対向する平行な2面
(正面と背面)の形状が、2つの隣接する角部20A、
20Bを直角とする台形状である八面体(台形柱形状)
から成る第1のプリズム21と、直角三角柱状の第2の
プリズム22と、から成り、両プリズム21、22の斜
面21a、22a同志を偏光分離膜23を介して接合一
体化することにより、全体として直方体状となる。
【0009】図1(b)は、このビームスプリッタ20
をDVD、CD−R/RW兼用の光ピックアップの光学
系に適用した場合の構成例を示す図であり、2つのガラ
スプリズム21、22をビームスプリッタ膜23を挟ん
で接合した構造のビームスプリッタ20の一つの面21
b側に波長650nmのレーザ光(DVD−ROMの読
み出し用)を出射するホログラムレーザ光源(受光素子
を装備)25を対向配置し、隣接する他の面22b側に
は波長780nmのレーザ光(CD−R/RWの書き込
み/読み出し用)を出射するホログラムレーザ光源26
を対向配置し、更に面22bと対向する他の面21cに
は受光素子としてのパワーモニタ27を対向配置してい
る。パワーモニタ27は、780nmレーザのパワーを
安定させるために、780nmホログラムレーザ12か
ら出射されたレーザ光の一部を反対側面21c側へ透過
させてモニタリングするための手段である。このため、
ビームスプリッタ膜23は、波長が650nmであるレ
ーザ光を透過させる一方で、波長が780nmのレーザ
光の90%を反射し、10%を透過させるように構成さ
れている。従って、この場合、ビームスプリッタ20を
構成するプリズム21の他の面21cも、面21b、2
2b、22cと同様に鏡面加工しておく必要がある。し
かし、本発明では、ビームスプリッタ20を構成する2
つの光学部品である第1及び第2のプリズム21、22
の形状を異ならせているため、形状の違いからビームス
プリッタ20の各面の方向、特に面21bと22cを区
別することが容易であり、光学系内に組み込む際に方向
を誤ることがない。具体的には、この例では、第1のプ
リズム21を直角三角柱形状とせずに、正面と背面が夫
々台形をなす台形柱形状としたため、偏光分離膜23か
ら各面21b、22cまでの間隔が異なることとなり、
両面21b、22cを識別することが容易となる。
をDVD、CD−R/RW兼用の光ピックアップの光学
系に適用した場合の構成例を示す図であり、2つのガラ
スプリズム21、22をビームスプリッタ膜23を挟ん
で接合した構造のビームスプリッタ20の一つの面21
b側に波長650nmのレーザ光(DVD−ROMの読
み出し用)を出射するホログラムレーザ光源(受光素子
を装備)25を対向配置し、隣接する他の面22b側に
は波長780nmのレーザ光(CD−R/RWの書き込
み/読み出し用)を出射するホログラムレーザ光源26
を対向配置し、更に面22bと対向する他の面21cに
は受光素子としてのパワーモニタ27を対向配置してい
る。パワーモニタ27は、780nmレーザのパワーを
安定させるために、780nmホログラムレーザ12か
ら出射されたレーザ光の一部を反対側面21c側へ透過
させてモニタリングするための手段である。このため、
ビームスプリッタ膜23は、波長が650nmであるレ
ーザ光を透過させる一方で、波長が780nmのレーザ
光の90%を反射し、10%を透過させるように構成さ
れている。従って、この場合、ビームスプリッタ20を
構成するプリズム21の他の面21cも、面21b、2
2b、22cと同様に鏡面加工しておく必要がある。し
かし、本発明では、ビームスプリッタ20を構成する2
つの光学部品である第1及び第2のプリズム21、22
の形状を異ならせているため、形状の違いからビームス
プリッタ20の各面の方向、特に面21bと22cを区
別することが容易であり、光学系内に組み込む際に方向
を誤ることがない。具体的には、この例では、第1のプ
リズム21を直角三角柱形状とせずに、正面と背面が夫
々台形をなす台形柱形状としたため、偏光分離膜23か
ら各面21b、22cまでの間隔が異なることとなり、
両面21b、22cを識別することが容易となる。
【0010】次に、図2(a)乃至(d)、及び図3
(a)乃至(g)は光学デバイスの一例としてのビーム
スプリッタの製造方法を説明する為の工程図であり、各
分図の左図は正面縦断面図、右図は右側面図であり、図
4(1)〜(13)は図2、図3に対応する製造工程の
フロー図である。図2(a)は本発明の製造方法に使用
するガラス平板の構成を示す正面図、及び右側面図であ
り、このガラス平板(平板状光学部材)50は均一厚み
の矩形状の板ガラス51の上面に偏光分離膜(BS膜)
52を形成するとともに、下面にマッチング膜(ML
膜)53を形成した構成を備えている。本発明方法で
は、このように全く同一の構成を備えたガラス平板50
を複数枚使用する。図4の(1)(2)は図2(a)に
対応しており、上下両面をポリッシュにより鏡面加工し
た板ガラス51の上下両面に対して夫々図4(2)に示
すように偏光分離膜52とマッチング膜53を形成する
工程を示している。なお、偏光分離膜52とは、高屈折
材料と低屈折材料、例えばTiO2とSiO2の各薄膜
を交互に複数層積層することにより形成される膜であ
り、マッチング膜53とは、複数のガラス平板50を接
着剤を用いて接着する際に、接着剤の存在に起因してガ
ラス平板を透過する光の屈折率が変動することを防止す
る為の膜である。
(a)乃至(g)は光学デバイスの一例としてのビーム
スプリッタの製造方法を説明する為の工程図であり、各
分図の左図は正面縦断面図、右図は右側面図であり、図
4(1)〜(13)は図2、図3に対応する製造工程の
フロー図である。図2(a)は本発明の製造方法に使用
するガラス平板の構成を示す正面図、及び右側面図であ
り、このガラス平板(平板状光学部材)50は均一厚み
の矩形状の板ガラス51の上面に偏光分離膜(BS膜)
52を形成するとともに、下面にマッチング膜(ML
膜)53を形成した構成を備えている。本発明方法で
は、このように全く同一の構成を備えたガラス平板50
を複数枚使用する。図4の(1)(2)は図2(a)に
対応しており、上下両面をポリッシュにより鏡面加工し
た板ガラス51の上下両面に対して夫々図4(2)に示
すように偏光分離膜52とマッチング膜53を形成する
工程を示している。なお、偏光分離膜52とは、高屈折
材料と低屈折材料、例えばTiO2とSiO2の各薄膜
を交互に複数層積層することにより形成される膜であ
り、マッチング膜53とは、複数のガラス平板50を接
着剤を用いて接着する際に、接着剤の存在に起因してガ
ラス平板を透過する光の屈折率が変動することを防止す
る為の膜である。
【0011】図2(b)は積層体形成工程を示す図であ
り、治具60を用いて45度の傾斜角度でガラス平板を
積層する状態を示している。即ち、治具60は、水平な
板状のベース60aと、このベース60aから45度の
傾斜角度で上方に傾斜して固定された傾斜側壁60b等
とから成り、偏光分離膜52を上向きにしたガラス平板
50をベース60aに順次積層する。この際に、各ガラ
ス平板50の一端縁を傾斜側壁60bに沿って整列させ
ることにより、各ガラス平板50が面方向に等距離ずつ
ずれた階段状の積層体61となる。換言すれば、正面形
状が略平行四辺形の積層体となる。なお、積層前に各ガ
ラス平板間にはUV硬化型接着剤62を塗布しておき、
積層体を加圧して接着剤を均一に展開させた状態で図示
しない紫外線光源から紫外線を積層体に照射し、接着剤
62を硬化させて積層体を貼り合わせる。図4(3)
は、積層体形成及び接着工程を示している。このように
積層体形成工程は、同一構成の複数枚の矩形ガラス平板
50をUV接着剤62を介して積層すると共に、各ガラ
ス平板の端縁を結ぶ平面とガラス平板面との間の形成角
度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方
向位置を順次ずらして階段状に積層する工程であり、接
着工程は各ガラス平板間を接着固定する工程である。
り、治具60を用いて45度の傾斜角度でガラス平板を
積層する状態を示している。即ち、治具60は、水平な
板状のベース60aと、このベース60aから45度の
傾斜角度で上方に傾斜して固定された傾斜側壁60b等
とから成り、偏光分離膜52を上向きにしたガラス平板
50をベース60aに順次積層する。この際に、各ガラ
ス平板50の一端縁を傾斜側壁60bに沿って整列させ
ることにより、各ガラス平板50が面方向に等距離ずつ
ずれた階段状の積層体61となる。換言すれば、正面形
状が略平行四辺形の積層体となる。なお、積層前に各ガ
ラス平板間にはUV硬化型接着剤62を塗布しておき、
積層体を加圧して接着剤を均一に展開させた状態で図示
しない紫外線光源から紫外線を積層体に照射し、接着剤
62を硬化させて積層体を貼り合わせる。図4(3)
は、積層体形成及び接着工程を示している。このように
積層体形成工程は、同一構成の複数枚の矩形ガラス平板
50をUV接着剤62を介して積層すると共に、各ガラ
ス平板の端縁を結ぶ平面とガラス平板面との間の形成角
度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方
向位置を順次ずらして階段状に積層する工程であり、接
着工程は各ガラス平板間を接着固定する工程である。
【0012】次に、図2(c)は上記接着工程において
一体化された積層体61を、上記45度の傾斜角度に沿
った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分
割体65に切断する切断工程を示しており、図4
(4)、(5)に対応している。図2(b)において作
成された積層体61を治具60から取り外して図2
(c)の固定板62に積層体の背面側の側面を剥離可能
な接着剤等により仮固定し、この仮固定状態で点線で示
す切断ライン63に沿ってワイヤーソーにより積層体6
1を等間隔で切断する。図2(d)は積層体61を切断
することにより得られた積層分割体65を示している。
各切断ライン63は、積層体を構成する各ガラス平板5
0の位置ずれ角度である45度と平行な線(或は面)で
あり、各切断ライン間の間隔は最終的に製造しようとす
るビームスプリッタの寸法、形状に応じて設定する。次
に、図3(a)に示すように個々の積層分割体65の上
下両面(切断面)を鏡面加工するとともに、鏡面加工後
の各面に反射膜をコーティングする。図3(a)に示し
た積層分割体65は、両端部が鋭角状に突出しているた
め、上記鏡面加工時にこの部分が破損してガラス屑が発
生し、このガラス屑が研磨装置の研磨部材に入り込み、
研磨対象である積層分割体を損傷させる虞れがある。そ
のため、予め鏡面加工前に切断線55に沿って切除して
おいてもよい。切断に際しては、図4(5)に示した如
く固定治具66の固定部66aに重ねた積層分割体65
を固定した上で、各積層分割体65の鋭角状の端部を一
括して切断する。その後、図4(6)に示したように両
面を鏡面加工した後で、図4(7)に示した如く両面に
反射防止膜を形成する。なお、積層分割体65は、ガラ
ス平板50を接着剤62を用いて接合した積層体を切断
したものであるため、偏光分離膜52、板ガラス板5
1、マッチング膜53、接着剤62、・・・・の順番で
積層された構造を有する。続いて、図3(b)の仮止め
工程に示すように各積層分割体65を整合状態で積層
し、積層分割体間に予めパラフィン66を塗布しておく
ことにより仮止めする。なお、必要に応じて、積層分割
体65を積層したものの前後両面に平板状のガラス板か
ら成る補強板をUV硬化型接着剤により固定して積層分
割体65が分離しないようにする。
一体化された積層体61を、上記45度の傾斜角度に沿
った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分
割体65に切断する切断工程を示しており、図4
(4)、(5)に対応している。図2(b)において作
成された積層体61を治具60から取り外して図2
(c)の固定板62に積層体の背面側の側面を剥離可能
な接着剤等により仮固定し、この仮固定状態で点線で示
す切断ライン63に沿ってワイヤーソーにより積層体6
1を等間隔で切断する。図2(d)は積層体61を切断
することにより得られた積層分割体65を示している。
各切断ライン63は、積層体を構成する各ガラス平板5
0の位置ずれ角度である45度と平行な線(或は面)で
あり、各切断ライン間の間隔は最終的に製造しようとす
るビームスプリッタの寸法、形状に応じて設定する。次
に、図3(a)に示すように個々の積層分割体65の上
下両面(切断面)を鏡面加工するとともに、鏡面加工後
の各面に反射膜をコーティングする。図3(a)に示し
た積層分割体65は、両端部が鋭角状に突出しているた
め、上記鏡面加工時にこの部分が破損してガラス屑が発
生し、このガラス屑が研磨装置の研磨部材に入り込み、
研磨対象である積層分割体を損傷させる虞れがある。そ
のため、予め鏡面加工前に切断線55に沿って切除して
おいてもよい。切断に際しては、図4(5)に示した如
く固定治具66の固定部66aに重ねた積層分割体65
を固定した上で、各積層分割体65の鋭角状の端部を一
括して切断する。その後、図4(6)に示したように両
面を鏡面加工した後で、図4(7)に示した如く両面に
反射防止膜を形成する。なお、積層分割体65は、ガラ
ス平板50を接着剤62を用いて接合した積層体を切断
したものであるため、偏光分離膜52、板ガラス板5
1、マッチング膜53、接着剤62、・・・・の順番で
積層された構造を有する。続いて、図3(b)の仮止め
工程に示すように各積層分割体65を整合状態で積層
し、積層分割体間に予めパラフィン66を塗布しておく
ことにより仮止めする。なお、必要に応じて、積層分割
体65を積層したものの前後両面に平板状のガラス板か
ら成る補強板をUV硬化型接着剤により固定して積層分
割体65が分離しないようにする。
【0013】図3(c)はパラフィン66にて仮止めさ
れた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切
断面63と直交する切断面70に沿ってワイヤーソーに
より切断して仮止め積層体71を形成する分断工程であ
り、図3(d)は切断による分断後の状態を示してい
る。図4(8)、(9)はこの工程に対応した図であ
る。この図に示すように切断に際しては補助板67も同
時に切断されるので、各仮止め積層体71の両端部には
補助板67の一部が固定されている。つまり、分断工程
は、パラフィン66にて仮止めされた複数の積層分割体
65を、上記切断工程における切断面と直交する切断面
70にて切断して仮止め積層体71を形成する工程であ
り、切断ライン70に沿った切断後に形成された各仮止
め積層体71はパラフィン66を介して複数の完成され
たビームスプリッタ20を棒状に連結した構成となって
いる。図3(e)は上記分断工程により得られた仮止め
積層体71の切断面(両面)を鏡面加工する鏡面加工工
程であり、両面を鏡面加工した後に反射防止膜を加工面
に蒸着形成する。この鏡面加工に際して、一方の面、こ
の例では下側面を線Lに沿った位置まで削る薄肉化作業
を実施しておき、完成品としての個々のビームスプリッ
タ20の正面形状に適合した形状に加工しておく。反射
防止膜の塗布を受けた各仮止め積層体71は点線で示す
切断ライン72からワイヤーソーにより切断される。こ
の切断ライン72は、切断ライン70により形成された
切断面と直交する方向の切断ラインである。図3(f)
は切断ライン72に沿って切断分離した後のビームスプ
リッタ連結体(光学デバイス連結体)75を示してい
る。このビームスプリッタ連結体75の状態では、依然
としてパラフィン66によって個々のビームスプリッタ
1が接続された状態にある。図4(10)、(11)、
(12)はこの工程を示している。次に、図3(g)は
(f)の状態となった個々の仮止め積層体71をホット
プレート上に載置して加熱することによってパラフィン
を溶解させて、個々のビームスプリッタ1(図4(1
3))に分離する分離工程である。
れた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切
断面63と直交する切断面70に沿ってワイヤーソーに
より切断して仮止め積層体71を形成する分断工程であ
り、図3(d)は切断による分断後の状態を示してい
る。図4(8)、(9)はこの工程に対応した図であ
る。この図に示すように切断に際しては補助板67も同
時に切断されるので、各仮止め積層体71の両端部には
補助板67の一部が固定されている。つまり、分断工程
は、パラフィン66にて仮止めされた複数の積層分割体
65を、上記切断工程における切断面と直交する切断面
70にて切断して仮止め積層体71を形成する工程であ
り、切断ライン70に沿った切断後に形成された各仮止
め積層体71はパラフィン66を介して複数の完成され
たビームスプリッタ20を棒状に連結した構成となって
いる。図3(e)は上記分断工程により得られた仮止め
積層体71の切断面(両面)を鏡面加工する鏡面加工工
程であり、両面を鏡面加工した後に反射防止膜を加工面
に蒸着形成する。この鏡面加工に際して、一方の面、こ
の例では下側面を線Lに沿った位置まで削る薄肉化作業
を実施しておき、完成品としての個々のビームスプリッ
タ20の正面形状に適合した形状に加工しておく。反射
防止膜の塗布を受けた各仮止め積層体71は点線で示す
切断ライン72からワイヤーソーにより切断される。こ
の切断ライン72は、切断ライン70により形成された
切断面と直交する方向の切断ラインである。図3(f)
は切断ライン72に沿って切断分離した後のビームスプ
リッタ連結体(光学デバイス連結体)75を示してい
る。このビームスプリッタ連結体75の状態では、依然
としてパラフィン66によって個々のビームスプリッタ
1が接続された状態にある。図4(10)、(11)、
(12)はこの工程を示している。次に、図3(g)は
(f)の状態となった個々の仮止め積層体71をホット
プレート上に載置して加熱することによってパラフィン
を溶解させて、個々のビームスプリッタ1(図4(1
3))に分離する分離工程である。
【0014】このように本発明によれば、平板状のガラ
スを複数枚使用してビームスプリッタを製造する際に、
個片に分割されたビームスプリッタに対して鏡面加工を
行う必要がなくなるため、生産性が高く、実用性の高い
ビームスプリッタの製造方法を提供することができる。
なお、上記実施形態では、図3(e)の鏡面加工工程に
おいて、仮止め積層体71を線Lに沿った位置まで削っ
て薄肉化し、完成品としての個々のビームスプリッタ2
0の形状を得ているが、これは一例であり、例えば前工
程において、薄肉化を行っておけば、図3(e)におい
て薄肉化を行わなくても良い。即ち、例えば、図2
(c)に示した工程において積層体61を切断ライン
(切断面)63に沿って切断する際に、図示の例よりも
切断ライン間隔を狭くして、得られる積層分割体65の
肉厚を板ガラス51の肉厚よりも薄い状態にしておく
(図5(a)参照)。そして、この積層分割体65を重
ねた状態にある図5(b)(図3(b)(c)に相当す
る)において、各積層分割体65の面と直交する切断線
L1に沿って等間隔にて切断分割することにより、切断
線L1間に形成される個々の部材の正面形状は図5
(c)に示した如く、最終的に得ようとするビームスプ
リッタ20の形状と同じになる。なお、上記形態例では
光学デバイスの製造方法の一例としてビームスプリッタ
の製造方法を例示したが、本発明は上記以外の光学デバ
イスであって類似の構成を備えたものに対しても適用す
ることができる。
スを複数枚使用してビームスプリッタを製造する際に、
個片に分割されたビームスプリッタに対して鏡面加工を
行う必要がなくなるため、生産性が高く、実用性の高い
ビームスプリッタの製造方法を提供することができる。
なお、上記実施形態では、図3(e)の鏡面加工工程に
おいて、仮止め積層体71を線Lに沿った位置まで削っ
て薄肉化し、完成品としての個々のビームスプリッタ2
0の形状を得ているが、これは一例であり、例えば前工
程において、薄肉化を行っておけば、図3(e)におい
て薄肉化を行わなくても良い。即ち、例えば、図2
(c)に示した工程において積層体61を切断ライン
(切断面)63に沿って切断する際に、図示の例よりも
切断ライン間隔を狭くして、得られる積層分割体65の
肉厚を板ガラス51の肉厚よりも薄い状態にしておく
(図5(a)参照)。そして、この積層分割体65を重
ねた状態にある図5(b)(図3(b)(c)に相当す
る)において、各積層分割体65の面と直交する切断線
L1に沿って等間隔にて切断分割することにより、切断
線L1間に形成される個々の部材の正面形状は図5
(c)に示した如く、最終的に得ようとするビームスプ
リッタ20の形状と同じになる。なお、上記形態例では
光学デバイスの製造方法の一例としてビームスプリッタ
の製造方法を例示したが、本発明は上記以外の光学デバ
イスであって類似の構成を備えたものに対しても適用す
ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、2つの光学部品を接合
することによって完成される光学デバイスにおいて、両
光学部品が同じ形状、外観を有しているために識別が容
易でなく、完成した光学デバイスの組み付け方向を誤る
原因となっていた、という不具合を解決することができ
る。即ち、完成した光学デバイスに対して組み付け方向
を示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増
大をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の
製造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を
異ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示す
ることができる。本発明の製造方法によれば、所定の成
膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が
45度の傾斜角度をもって位置ずれするように階段状に
積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に
沿って複数個に切断分割するという工程を経るビームス
プリッタ等の光学デバイスの製造工程において、個片に
分割した後の煩雑な鏡面加工を行わずに、所要面に鏡面
加工が施されたビームスプリッタを得ることができるビ
ームスプリッタの製造方法を提供することができる。即
ち、平板状のガラスを複数枚使用してビームスプリッタ
等の光学デバイスを製造する際には、従来、個片に分割
されたビームスプリッタに対して鏡面加工を行う必要が
あったが、本発明方法によれば、個片に分割する以前の
段階、即ち個片が板状に連結された状態で鏡面加工を行
うので、鏡面加工が容易となり、生産性と実用性を高め
ることができる。
することによって完成される光学デバイスにおいて、両
光学部品が同じ形状、外観を有しているために識別が容
易でなく、完成した光学デバイスの組み付け方向を誤る
原因となっていた、という不具合を解決することができ
る。即ち、完成した光学デバイスに対して組み付け方向
を示すマークを設けたり、面取りを設ける等の工数の増
大をもたらすことなく、光学デバイスを製造する一連の
製造工程中において2つの光学部品の内の一方の形状を
異ならせて、完成された光学デバイスの方向性を明示す
ることができる。本発明の製造方法によれば、所定の成
膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が
45度の傾斜角度をもって位置ずれするように階段状に
積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に
沿って複数個に切断分割するという工程を経るビームス
プリッタ等の光学デバイスの製造工程において、個片に
分割した後の煩雑な鏡面加工を行わずに、所要面に鏡面
加工が施されたビームスプリッタを得ることができるビ
ームスプリッタの製造方法を提供することができる。即
ち、平板状のガラスを複数枚使用してビームスプリッタ
等の光学デバイスを製造する際には、従来、個片に分割
されたビームスプリッタに対して鏡面加工を行う必要が
あったが、本発明方法によれば、個片に分割する以前の
段階、即ち個片が板状に連結された状態で鏡面加工を行
うので、鏡面加工が容易となり、生産性と実用性を高め
ることができる。
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る光学デバイ
スの斜視図、(b)はこの光学デバイスを用いた光ピッ
クアップの光学系の構成を示す図。
スの斜視図、(b)はこの光学デバイスを用いた光ピッ
クアップの光学系の構成を示す図。
【図2】(a)乃至(d)は本発明の光学デバイスの製
造方法を説明する為の工程図。
造方法を説明する為の工程図。
【図3】(a)乃至(g)は本発明の光学デバイスの製
造方法を説明する為の工程図。
造方法を説明する為の工程図。
【図4】図2、図3に対応する製造工程のフロー図。
【図5】(a)(b)及び(c)は本発明の製造方法の
変形例を示す図。
変形例を示す図。
【図6】(a)及び(b)は従来のビームスプリッタの
構成図及び適用例の説明図。
構成図及び適用例の説明図。
【図7】従来のビームスプリッタの使用方法の一例を示
す図。
す図。
20 光学デバイス(ビームスプリッタ)、21、22
ガラスプリズム(光学部品)、23 ビームスプリッ
タ膜(偏光分離膜)、50 ガラス平板(平板状光学部
材)、51 板ガラス、52 偏光分離膜(BS膜)、
53 マッチング膜(ML膜)、55 切断線、60
治具、61 積層体、62 UV硬化型接着剤、63
切断ライン、65 積層分割体、66 固定治具、67
補助板、70 切断面、71 仮止め積層体、72
切断ライン、75 ビームスプリッタ連結体(光学デバ
イス連結体)。
ガラスプリズム(光学部品)、23 ビームスプリッ
タ膜(偏光分離膜)、50 ガラス平板(平板状光学部
材)、51 板ガラス、52 偏光分離膜(BS膜)、
53 マッチング膜(ML膜)、55 切断線、60
治具、61 積層体、62 UV硬化型接着剤、63
切断ライン、65 積層分割体、66 固定治具、67
補助板、70 切断面、71 仮止め積層体、72
切断ライン、75 ビームスプリッタ連結体(光学デバ
イス連結体)。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G11B 7/135 G11B 7/135 A
Claims (4)
- 【請求項1】 対向する平行な2面の形状が、隣接する
2つの角部を夫々直角とする台形状である八面体から成
る第1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプリズム
と、から成り、両プリズムの斜面同志を所定の膜を介し
て接合一体化したことを特徴とする光学デバイス。 - 【請求項2】 対向する平行な2面の形状が、隣接する
2つの角部を夫々直角とする台形状である八面体から成
る第1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプリズム
と、から成り、両プリズムの斜面同志を所定の膜を介し
て接合一体化した光学デバイスの製造方法において、 複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層す
ると共に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状
光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度と
なるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして
階段状に積層する積層体形成工程と、 上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上
記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な
切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、 上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を
鏡面加工する鏡面加工工程と、 上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面
同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割
体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、 仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切
断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮
止め積層体を形成する分断工程と、 上記分断工程により得られた仮止め積層体の一方の切断
面を所要の肉厚となるまで薄肉化してから両切断面を鏡
面加工する鏡面加工工程と、 上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所定の
間隔にて切断することにより、複数の光学デバイスが仮
止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結体を
形成する工程と、 上記光学デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去
して個々の光学デバイスに分離する分離工程とから成る
ことを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 【請求項3】 対向する平行な2面の形状が、隣接する
2つの角部を夫々直角とする台形状である八面体から成
る第1のプリズムと、直角三角柱状の第2のプリズム
と、から成り、両プリズムの斜面同志を所定の膜を介し
て接合一体化した光学デバイスの製造方法において、 複数枚の矩形の平板状光学部材を接着剤を介して積層す
ると共に、各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状
光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度と
なるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして
階段状に積層する積層体形成工程と、 上記積層体形成工程において一体化された積層体を、上
記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な
切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、 上記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を
鏡面加工する鏡面加工工程と、 上記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面
同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割
体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、 仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、上記切
断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮
止め積層体を形成する分断工程と、 上記分断工程により得られた仮止め積層体の両切断面を
鏡面加工する鏡面加工工程と、 上記仮止め積層体を上記切断面と直交する方向に所定の
間隔にて切断することにより、複数の光学デバイスが仮
止め材を介して直列に連結された光学デバイス連結体を
形成する工程と、 上記光学デバイス連結体を構成する仮止め材を溶解除去
して個々の光学デバイスに分離する分離工程とから成
り、 上記積層体を複数の積層分割体に切断する切断工程にお
ける各切断面間の間隔は、個々の平板状光学部材の肉厚
寸法よりも短くなるように設定されることを特徴とする
光学デバイスの製造方法。 - 【請求項4】 前記光学デバイスは、2つのガラスプリ
ズムの傾斜面同士を、偏光分離膜を挟んで接合一体化し
た形状のビームスプリッタであることを特徴とする請求
項2又は3のいずれか一項に記載の光学デバイスの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001250691A JP2003057417A (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | 光学デバイス、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001250691A JP2003057417A (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | 光学デバイス、及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003057417A true JP2003057417A (ja) | 2003-02-26 |
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JPWO2013179405A1 (ja) * | 2012-05-30 | 2016-01-14 | パイオニア株式会社 | 反射型面対称結像素子の製造方法、反射型面対称結像素子、前記反射型面対称結像素子を備えた空間映像表示装置 |
CN111505745A (zh) * | 2020-03-18 | 2020-08-07 | 江苏普世祥光电技术有限公司 | 一种玻璃材料制作光学棱镜的方法 |
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