JP5282265B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子の製造方法に関し、特に、小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子の製造方法に関する。
従来から、光ピックアップや光通信などに光学素子が利用されている。図11は、光ピックアップ100の一例を示す概略図である。光源110から出射されたレーザ光が光学素子120の光反射膜を備えた傾斜面120aで反射し、ビームスプリッタ130の偏光分離膜130aを透過した所定の偏光成分が、レンズ140を介して光ディスク150に導かれる。そして、光ディスク150からの反射光は、偏波面が回転した状態となって上記レーザ光とは逆方向に進行し、偏光分離膜130aで反射され、受光素子160にて検出される。また、光源から出射されたレーザ光の一部は、光学素子120を透過して反射防止膜を備えた面120bから出射し、受光素子170で検出される。その検出結果は光源の光量調整に利用される。
このような光学素子を効率的に製造する方法として、複数のガラス製平行平板を階段状に積層して積層体を形成し、切断、再積層を繰り返して小さな光学素子を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−220774号公報
ところで、上記の光学素子は、光ピックアップの小型化の要求に伴い、ますます小型化が進んでおり、3mm3以下のものが必要となっており、1mm3以下のものも要求されつつある。ここで、特許文献1の方法で1mm3以下の光学素子を作製しようとすると、厚さ1.5mm程度以下の板を使用することになる。その場合、板厚が薄いため貼り合わせたときに撓みが生じ、そこから切り出した光学素子の面精度が悪くなる。また、積層時の仮接着の面積が小さいため切断のストレスに耐えられず、切断中に仮接着が剥がれ、加工が困難となる。
また、小さな光学素子面を研磨して蒸着などによって光反射膜、反射防止膜、偏光分離膜などの光学膜を成膜することは困難である。例えば、研磨時に保持する部分を十分にとることができなかったり、蒸着時にマスクしても所望の面以外に蒸着が回り込んでしまったりする。
本発明は、簡素な工程で高精度な小型の光学素子を作製できる光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、仮想面に垂直な第1〜第4面を有し、第1面と第2面が平行であり、第2面と第3面とのなす角がθであり、第4面が第1及び第2面に垂直であり、第3面が鏡面である光学素子の製造方法において、90°−θの角をなす2つの面の少なくとも一方が鏡面であるプリズムの、前記2つの面のうち、少なくとも鏡面である面の他方の面を切断基準面とし、該切断基準面に垂直で、且つ前記2つの面で形成される稜線に平行な面で切断して前記第1面を形成する第1切断工程と、前記第1面に平行な面で切断して前記第2面を形成する第2切断工程と、前記第1面及び第2面を含む切断片を、前記第1面及び前記切断基準面に垂直な面で所定間隔に切断して個々の光学素子を得る第3切断工程と、を備えたことを特徴とする。
上記の光学素子の製造方法は、前記光学素子の体積が3mm3以下である場合に特に有効な製造方法である。
また上記の光学素子の製造方法において、前記プリズムの前記鏡面に予め光学膜が成膜されていてもよい。
また上記の光学素子の製造方法において、例えば、前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、前記切断基準面が、前記二等辺三角形の底辺を含む面であってもよい。
また上記の光学素子の製造方法において、例えば、前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、前記切断基準面が、前記二等辺三角形の等しい2辺の一方を含む面であってもよい。
さらに、前記第1及び第2切断工程の後、前記切断基準面を前記二等辺三角形の等しい2辺の他方を含む面に代えて前記第1〜第3切断工程を繰り返すことが望ましい。
また上記の光学素子の製造方法において、例えば、前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、前記第1切断工程前に、前記プリズムの稜線に平行で、且つ前記二等辺三角形の底辺を含む面に垂直な面で切断して2つの小プリズムを形成する第4切断工程を備え、前記切断基準面が、前記二等辺三角形の等しい2辺の一方を含む面であってもよい。
また上記の光学素子の製造方法において、例えば、前記第1切断工程前に、複数の透明媒質からなる平行平板を仮接着して積層体を形成する積層工程と、前記積層体を90°−θの傾斜角度に沿った面で所定間隔に切断して複数の前記プリズムが仮接着された状態の複数の積層分割体を形成する第5切断工程とを備え、前記切断基準面が、前記積層分割体の一方の切断面であり、前記第3切断工程前に、前記仮接着を分離するようにしてもよい。
さらに、前記プリズムが有する前記鏡面に相当する前記平行平板の互いに平行な一方の面に、予め光学膜が成膜されていることが望ましい。
本発明によれば、所望の傾斜面と光学面を有する大きなプリズムから切り出すという簡素な工程で、従来加工困難であった小型の光学素子を作製することができる。厳しい要求精度も大きな光学素子の状態で満たしている部分を利用するため、切り出し後も高精度な光学素子を得ることができる。
まず、本発明で最終的に得られる光学素子の形状について説明する。図1(a)は、本発明の光学素子10の斜視図である。光学素子10は、底面10a、10bが台形の直角柱であり、その側面は、台形(底面10a、10b)の上底を含む面(第1面)10cと、台形(底面10a、10b)の下底を含む面(第2面)10dと、第2面10dとθ(0°<θ<90°、例えばθ=45°)の角をなす第3面10eと、第1面10c及び第2面10dに垂直な第4面10fとからなる。
そして、第3面10e及び第4面10fは、鏡面加工(研磨)された後、第3面10eには反射膜が、第4面10fには反射防止膜が成膜されている。反射防止膜は省略される場合もある。鏡面加工及び成膜は、切断前のプリズムの状態で施される。
なお、光学素子10の底面10a、10b同士は必ずしも平行でなくてもよい。その場合、第1〜第4面10c〜10fは、ある仮想面に垂直となる。
図1(b)は、本発明の他の形態の光学素子11の斜視図である。光学素子11は、光学素子10の角θ部分を面取りして面11aを形成した五角柱である。光学素子11の他の構成は光学素子10と同様である。このような光学素子11によれば、第2面10dに接着剤を塗布して光ピックアップへ固定するような場合に、接着剤がはみ出したとしても面11aで止まり、光学有効面として重要な第3面10eまで回り込むおそれがない。また、輸送時や組み立て時に角θ部分が欠けるおそれもない。
次に、以下の第1〜第3実施形態で使用するプリズム20の形状について説明する。図2は、プリズム20の斜視図である。プリズム20は、底角が90°−θである二等辺三角形を底面20a、20bとする直角柱であり、その側面は、二等辺三角形(底面20、20b)の底辺を含む面20cと、二等辺三角形(底面20、20b)の等しい2辺の一方を含む面20dと、二等辺三角形(底面20、20b)の等しい2辺の他方を含む面20eとからなる。なお、二等辺三角形(底面20、20b)の等しい2辺の長さは、3〜5mmであることが好ましい。
このようなプリズム20は角材から切り出されるのであるが、その際の加工都合上、面20d、20eよりも面20cの方が面精度が高くなる。したがって、プリズム20から個々の光学素子を切り出す際、高い面精度が要求される面に面20cを利用することが望ましい。
〈第1実施形態〉
本実施形態では上記プリズム20を用いて上記光学素子10又は11を得る。本実施形態で用いるプリズム20は、予め、面20c、20d、20eを鏡面加工(研磨)した後、面20cに反射防止膜を、面20d、20eに反射膜を成膜しておく。反射防止膜は省略される場合もある。
次に、プリズム20から個々の光学素子を切り出す方法について説明する。図3は、プリズム20を加工台30に載置した状態の正面図である。加工台30の上面30aがプリズム20の切断基準面を固定する面となる。プリズム20の切断基準面を加工台30aの上面30aに押さえつけるようにしてクランプなどの固定手段(不図示)で固定すればよい。本実施形態におけるプリズム20の切断基準面は面20cとする。
図3に示すように、プリズム20を加工台30に固定した後、まず、切断基準面(面20c)に垂直で、且つ面20c及び面20dで形成される稜線に平行な面Aで切断する(第1切断工程)。この面Aが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Aに平行で面Aよりも内側の面Bで切断する(第2切断工程)。この面Bが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面A及び面Bを含む棒状の切断片40が得られる。
図4は、切断片40の斜視図である。この切断片40を、図4の一点鎖線で示すように、面A及び切断基準面(20c)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Bと面20dとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
続いて、プリズム20のもう一方の側も同様に加工する。つまり、切断基準面(20c)に垂直で、且つ面20c及び面20eで形成される稜線に平行な面Cで切断する(第1切断工程)。この面Cが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Cに平行で面Cよりも内側の面Dで切断する(第2切断工程)。この面Dが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面C及び面Dを含む棒状の切断片41が得られる。
この切断片41を、図4に準じ、面C及び切断基準面(20c)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Dと面20eとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
このように、本実施形態によれば、加工基準面を変更することなく2つの切断片40、41を得ることができるので、加工工程の効率がよい。また、本実施形態の加工法によれば、光学素子10、11の反射防止膜が施された第4面10fはプリズム20の面20cを、光学素子10、11の反射膜が施された第3面10eはプリズム20の面20d、20eを、それぞれ加工することなく利用しているので、小さな切断片40、41や光学素子10、11の状態になってから成膜する必要がない。したがって、簡素な工程で高精度な小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子10、11を作製することができる。
〈第2実施形態〉
本実施形態でも第1実施形態と同様に、上記プリズム20を用いて上記光学素子10又は11を得る。第1実施形態と異なる点は、本実施形態で用いるプリズム20は、予め、面20c、20d、20eを鏡面加工(研磨)した後、面20cに反射膜を、面20d、20eに反射防止膜を成膜しておく点である。反射防止膜は省略される場合もある。
次に、プリズム20から個々の光学素子を切り出す方法について説明する。図5(a)は、プリズム20を加工台30に載置した状態の正面図である。加工台30の上面30aがプリズム20の切断基準面を固定する面となる。プリズム20の切断基準面を加工台30aの上面30aに押さえつけるようにしてクランプなどの固定手段(不図示)で固定すればよい。本実施形態におけるプリズム20の切断基準面は、最初は面20dとし、次に置き換えて面20eとする。
図5(a)に示すように、プリズム20を加工台30に固定した後、まず、切断基準面(面20d)に垂直で、且つ面20c及び面20dで形成される稜線に平行な面Eで切断する(第1切断工程)。この面Eが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Eに平行で面Eよりも内側の面Fで切断する(第2切断工程)。この面Fが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面E及び面Fを含む棒状の切断片50が得られる。
この切断片50を、図4に準じ、面E及び切断基準面(20d)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Fと面20cとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
続いて、図5(b)に示すように、切断基準面を面20eとする。つまり、図5(a)のプリズム20を紙面に垂直な回転軸で右へ回転させ、面20eが加工台30の上面30aに接するようにする。そして、プリズム20のもう一方の側を同様に加工する。つまり、切断基準面(20e)に垂直で、且つ面20c及び面20eで形成される稜線に平行な面Gで切断する(第1切断工程)。この面Gが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Gに平行で面Gよりも内側の面Hで切断する(第2切断工程)。この面Hが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面G及び面Hを含む棒状の切断片51が得られる。
この切断片51を、図4に準じ、面G及び切断基準面(20e)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Hと面20cとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
このように、本実施形態の加工法によれば、光学素子10、11の反射防止膜が施された第4面10fはプリズム20の面20d、20eを、光学素子10、11の反射膜が施された第3面10eはプリズム20の面20cを、それぞれ加工することなく利用しているので、小さな切断片50、51や光学素子10、11の状態になってから成膜する必要がない。また、高い面精度が要求される反射膜が施された第3面10eとして、面20d、20eよりも面精度の高い面20cを利用している。したがって、簡素な工程で高精度な小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子10、11を作製することができる。
〈第3実施形態〉
本実施形態でも第1実施形態と同様に、上記プリズム20を用いて上記光学素子10又は11を得る。第1実施形態と異なる点は、第2実施形態と同様に、本実施形態で用いるプリズム20は、予め、面20c、20d、20eを鏡面加工(研磨)した後、面20cに反射膜を、面20d、20eに反射防止膜を成膜しておく点である。反射防止膜は省略される場合もある。
次に、プリズム20から個々の光学素子を切り出す方法について説明する。図6(a)は、プリズム20を加工台30に載置した状態の正面図である。プリズム20の面20cを加工台30aの上面30aに押さえつけるようにしてクランプなどの固定手段(不図示)で固定すればよい。本実施形態におけるプリズム20の切断基準面は、分割した後の面20d、20eとする。
図6(a)に示すように、プリズム20を加工台30に固定した後、まず、プリズム20の稜線に平行で、且つ二等辺三角形の底辺を含む面20cに垂直な面Iで切断して2つの小プリズム21、22を形成する(第4切断工程)。
次に、図6(b)に示すように、切断基準面を面20d、20eとする。つまり、図6(a)の小プリズム21を紙面に垂直な回転軸で右へ回転させて面20dが加工台30の上面30aに接するようにし、一方、小プリズム22を紙面に垂直な回転軸で左へ回転させて面20eが加工台30の上面30aに接するようにする。
そして、小プリズム21を切断基準面(面20d)に垂直で、且つ面20c及び面20dで形成される稜線に平行な面Jで切断する(第1切断工程)。この面Jが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Jに平行で面Jよりも内側の面Kで切断する(第2切断工程)。この面Kが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面J及び面Kを含む棒状の切断片60が得られる。
この切断片60を、図4に準じ、面J及び切断基準面(20d)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Kと面20cとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
続いて、小プリズム22を切断基準面(面20e)に垂直で、且つ面20c及び面20eで形成される稜線に平行な面Lで切断する(第1切断工程)。この面Lが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Lに平行で面Lよりも内側の面Mで切断する(第2切断工程)。この面Mが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面L及び面Mを含む棒状の切断片61が得られる。
この切断片61を、図4に準じ、面L及び切断基準面(20e)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Mと面20cとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
このように、本実施形態の加工法によれば、光学素子10、11の反射防止膜が施された第4面10fはプリズム20の面20d、20eを、光学素子10、11の反射膜が施された第3面10eはプリズム20の面20cを、それぞれ加工することなく利用しているので、小さな切断片60、61や光学素子10、11の状態になってから成膜する必要がない。また、高い面精度が要求される反射膜が施された第3面10eとして、面20d、20eよりも面精度の高い面20cを利用している。したがって、簡素な工程で高精度な小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子10、11を作製することができる。
なお、上記3つの実施形態では底面の底角が90°−θである二等辺三角形のプリズム20を用いたが、本発明で用いるプリズムとしては、底面の少なくとも1つの角が90°−θである多角柱であればよい。その場合、90°−θの角をなす2つの面の一方を加工基準面とすればよい。
〈第4実施形態〉
本実施形態では複数の透明媒質からなる平行平板を用いて上記光学素子10又は11を得る。図7(a)に、平行平板70の平面図を、図7(b)に、平行平板70の側面図を示す。平行平板70は、予め、上面70a、下面70bを鏡面加工(研磨)した後、反射膜を成膜しておく。なお、平行平板70の厚みは、3〜5mmであることが好ましい。
次に、平行平板70から個々の光学素子を作製する方法について説明する。図8(a)に積層工程を説明する正面図を、図8(b)に側面図を示す。まず、複数の平行平板70を90°−θの傾斜角度にずらした状態で接着剤にて仮接着して積層体71を形成する(積層工程)。このとき、角度90°−θの傾斜面72aを有した治具72を使用すると作業性が良好である。接着剤としては、溶剤に溶ける性質を有する材料が使用され、例えば、溶解性の紫外線硬化型接着剤を仮硬化させることで積層体71を仮接着する。
なお、必ずしも平行平板70を90°―θにずらして仮接着する必要はないが、次工程での切断を考慮すると、90°―θにずらした方が材料の無駄がない。
次に、図9(a)に示すように、積層体71を90°−θの傾斜角度に沿った面Nで所定間隔に切断し、図9(c)に示すような複数のプリズム73が仮接着された状態の複数の積層分割体74を得る(第5切断工程)。そして、面Nを鏡面加工(研磨)した後(鏡面加工工程)、面Nに反射防止膜を成膜する。反射防止膜は省略される場合もある。
図10は、図9の領域Zを紙面に垂直な回転軸で左へ回転させて面Nを上下にした状態の図である。図10のように、積層分割体74の一方の切断面Nが切断基準面となるように、加工台30の上面30aに固定する。
図10に示すように、積層分割体74を加工台30に固定した後、切断基準面(面N)に垂直で、且つ面N及び面70aで形成される稜線に平行な面Pで切断する(第1切断工程)。この面Pが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、面Pに平行で面Pよりも内側の面Qで切断する(第2切断工程)。この面Qが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面P及び面Qを含む棒状の切断片80が得られる。
そして、切断片80を溶剤に浸漬し、接着剤を溶かして2つの切断片に分離し、所望の切断片81を得る。この切断片81を、図4に準じ、面P及び切断基準面(面N)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Qと面70aとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
続いて、プリズム73のもう一方の側も同様に加工する。つまり、切断基準面(面N)に垂直で、且つ面N及び面70bで形成される稜線に平行な面Rで切断する(第1切断工程)。この面Rが光学素子10、11の第1面10cに相当する。
次に、本来なら面Rに平行な面Qで切断する(第2切断工程)が、面Qは既に切断済みであるのでここでは省略する。この面Qが光学素子10、11の第2面10dに相当する。これにより、面R及び面Qを含む棒状の切断片82が得られる。
そして、切断片82を溶剤に浸漬し、接着剤を溶かして2つの切断片に分離し、所望の切断片83を得る。この切断片83を、図4に準じ、面R及び切断基準面(面N)に垂直な面で所定間隔に切断する(第3切断工程)。これにより、個々の光学素子10が得られる。
なお、図1(b)の光学素子11を作製する場合は、第3切断工程の前に、面Qと面70bとで形成される稜線を面取り(切断)して面11aを形成しておけばよい。
このように、本実施形態によれば、積層分割体74を作製することで多数の切断片81、83を得ることができるので、加工工程の効率がよい。また、本実施形態の加工法によれば、光学素子10、11の反射防止膜が施された第4面10fは積層分割体74の切断面Nを、光学素子10、11の反射膜が施された第3面10eは平行平板70の上下面70a、70bを、それぞれ利用しているので、小さな切断片81、83や光学素子10、11の状態になってから成膜する必要がない。また、反射膜が施された第3面10e及び反射防止膜が施された第4面10fとして、平行平板70の面精度の高い上下面70a、70b及び積層分割体74の面精度の高い切断面Nを利用している。したがって、簡素な工程で高精度な小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子10、11を作製することができる。
なお、上記第1〜第4実施形態では、光学素子の面10fが鏡面の場合を例に説明したが、面10fは粗面であってもよい。第1〜第3実施形態の場合は、プリズムの切断基準面が面10fに対応しているので、その面を粗面にしておけばよい。第4実施形態の場合は、鏡面加工工程を省略すればよい。
また、上記第1〜第4実施形態によって得られた図1(b)の光学素子11は、例えば、面10aと面10cとの稜線が0.3mm、面10aと面10dとの稜線が0.5mm、面10aと面10fとの稜線が0.25mm、面10aと面11aとの稜線が0.05mm、面10cと面10fとの稜線が0.5mmであり、体積が約0.05mm3であった。そして、この光学素子11は必要な精度で作製できた。
なお、本発明においては、第1切断工程と第2切断工程はどちらを先に行うことも可能である。
本発明の光学素子の製造方法は、光ピックアップなどに利用される四角柱の光学素子の製造に利用でき、特に、小型(例えば、3mm3以下であって、好ましくは1mm3以下)の光学素子の製造に有効なものである。
(a)本発明の光学素子の斜視図、(b)本発明の他の形態の光学素子の斜視図である。 第1〜第3実施形態で用いるプリズムの斜視図である。 第1実施形態でプリズムを加工台に載置した状態の正面図である。 第1実施形態の切断片の斜視図である。 (a)第2実施形態でプリズムを加工台に載置した状態の正面図、(b)図5(a)に続く工程を説明する図である。 (a)第3実施形態でプリズムを加工台に載置した状態の正面図、(b)図6(a)に続く工程を説明する図である。 (a)第4実施形態で用いる平行平板の平面図、(b)側面図である。 (a)第4実施形態の積層工程を説明する正面図、図8(b)側面図である。 (a)第4実施形態の第5切断工程を説明する正面図、(b)側面図、(c)第5切断工程後の複数の積層分割体を示す図である。 図9の領域Zを紙面に垂直な回転軸で左へ回転させて面Nを上下にした状態の図である。 従来の光ピックアップの一例を示す概略図である。
符号の説明
10 光学素子
10c 第1面
10d 第2面
10e 第3面
10f 第4面
20、73 プリズム
21、22 小プリズム
40、41、50、51、60、61、81、83 切断片
70 平行平板
71 積層体
74 積層分割体

Claims (7)

  1. 仮想面に垂直な第1〜第4面を有し、第1面と第2面が平行であり、第2面と第3面とのなす角がθであり、第4面が第1及び第2面に垂直であり、第3面が鏡面である光学素子の製造方法において、
    底面の少なくとも1つの角が90°−θである三角柱からなるプリズムを用い、
    90°−θの角をなす2つの面の少なくとも一方が鏡面である前記プリズムの、前記2つの面のうち、少なくとも鏡面である面の他方の面を切断基準面とし、
    該切断基準面に垂直で、且つ前記2つの面で形成される稜線に平行な面で切断して前記第1面を形成する第1切断工程と、
    前記第1面に平行な面で切断して前記第2面を形成する第2切断工程と、
    前記第1面及び第2面を含む切断片を、前記第1面及び前記切断基準面に垂直な面で所定間隔に切断して個々の光学素子を得る第3切断工程と、を備えたことを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記光学素子の体積が3mm3以下であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記プリズムの前記鏡面に予め光学膜が成膜されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、
    前記切断基準面が、前記二等辺三角形の底辺を含む面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、
    前記切断基準面が、前記二等辺三角形の等しい2辺の一方を含む面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記第1及び第2切断工程の後、前記切断基準面を前記二等辺三角形の等しい2辺の他方を含む面に代えて前記第1〜第3切断工程を繰り返すことを特徴とする請求項5記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記プリズムは、底角が90°−θである二等辺三角形を底面とする三角柱であり、
    前記第1切断工程前に、前記プリズムの稜線に平行で、且つ前記二等辺三角形の底辺を含む面に垂直な面で切断して2つの小プリズムを形成する第4切断工程を備え、
    前記切断基準面が、前記二等辺三角形の等しい2辺の一方を含む面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光学素子の製造方法。
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