JP4449168B2 - 光学デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学デバイスの製造方法に関し、特に製造工数の削減と、材料の無駄をなくして製造歩留を大幅に高めて低コスト化を実現することができるクロスプリズム、クロスハーフプリズム等の光学デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学デバイスとしての光分離プリズムの一例として、図4(a)に示すように2つの三角柱状のガラスプリズム2、3を波長分離膜4を介して接合することにより立方体に構成した光分離プリズム1が周知であり、同図(b)に示すような光ピックアップ(CD或はDVD用)に用いられる。図4(b)に示した光ピックアップは、光ディスク(CD)とデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)に共用できる記録再生装置の光学系の従来例を示す図である。符号11はDVDに対する記録再生に使用する波長650nmの光を生成するレーザダイオード(LD)、符号12はCDに対する記録再生に使用する波長780nmの光を生成するホログラム及び受光素子付きのレーザダイオード(LD)であり、図4に示した光分離プリズムとしてのダイクロイックプリズム1を介してディスク状記録媒体(CD、或はDVD)22に対して各LD11、12からの出射光が照射され、またダイクロイックプリズム1を介してディスク状記録媒体22からの反射光が各LD11、12側へ戻る。即ち、DVD用の光を出射するLD11とダイクロイックプリズム1との間には、グレーティング15、NPBS(Non Polarized Beam Splitter 無偏光ビームスプリッタ)16、フォトダイオード17が配置され、ダイクロイックプリズム1とディスク状記録媒体22との間にはλ/4板18、ミラー19、開口フィルタ20、対物レンズ21が配置されている。ディスク状記録媒体22としてDVDがセットされている場合には、LD11から出射された波長650nmの光は、グレーティング15、NPBS16を経てダイクロイックプリズム1に入射し、波長分離膜4にて反射してλ/4板18、ミラー19、開口フィルタ20、対物レンズ21を経てディスク状記録媒体22に照射される。ディスク状記録媒体22にて反射した光は、上記と逆の経路を経て戻るが、NPBS16の反射膜にて反射してフォトダイオード17に出射される。
【0003】
一方、ディスク状記録媒体22としてCDがセットされている場合には、LD12から出射された波長780nmの光は、ダイクロイックプリズムの波長分離膜4を透過し、λ/4板18、ミラー19、開口フィルタ20、対物レンズ21を経てディスク状記録媒体22に照射される。ディスク状記録媒体22にて反射した光は、逆の経路を経てLD12に戻る。LD12は、ホログラム及びフォトダイオードを備えており、ホログラムの回折効果によって回折した光がフォトダイオードに受光される。ダイクロイックプリズム1は、2つのLD11、12からの各出射光のうちの所定の波長成分を透過する一方で、それ以外の波長成分を反射する機能を備えている。この例では、LD11から出射された波長650nmの成分は波長分離膜4にて反射してディスク状記録媒体側へ出射され、波長780nmの成分は波長分離膜4を透過してディスク状記録媒体側へ出射される。しかし、図4(b)に示した従来の光ピックアップにあっては、図示のようにダイクロイックプリズム1を挟んでディスク状記録媒体22とは反対側の位置にLD12が位置している為、光学系の横方向寸法が大きくなり、この光学系を使用した記録再生装置の小型化を阻害する要因となっている。また、図5(a)は従来の色分解プリズムとして使用されるダイクロイックプリズムの斜視図、(b)はこのダイクロイックプリズムを使用した光学系の構成図である。このダイクロイックプリズム31は、立方体ガラス32の一つの対角面に沿って所定波長の光を透過させる反射分離膜33を有すると共に、該反射分離膜33と直交交差する対角面に沿って他の波長の光を透過させる反射分離膜34を形成した構成を有する。このダイクロイックプリズム31は、例えばDSC、DV、プロジェクタ等の光学機器における色分解プリズムとして使用される。図5(b)はダイクロイックプリズムを色分解プリズムとして使用した場合の構成を示す図であり、面31aから白色光WLを入射させる場合に、青色光の成分を反射させる光分離膜33からの反射光を受光する青色用CCD35を面31bに配置し、赤色光の成分を反射させる光分離膜34からの反射光を受光する赤色用CCD36を面31cに配置し、更に入射面31aと対向する面31dに緑色用CCD37を配置する。
【0004】
図6はこのような立方体且つ交差する2つの光分離膜を備えたダイクロイックプリズム31を製造する従来手順を説明する図であり、まず図6(a)の如き端面形状が直角二等辺三角形状の長尺三角柱をガラスにより製造する。次に(b)に示すようにこの三角柱ガラス40の3つの面を鏡面研磨してから、青色用の光分離膜33aと赤色用の光分離膜34aを、直角の頂部を挟んで対向する2つの面に夫々形成する。続いて、(c)に示すようにこの三角柱ガラス40を4個用意し、各三角柱ガラス40の直角の頂部同士を中心にして各三角柱ガラス40の光分離膜33a同士と、光分離膜34a同士が夫々対面するように接合一体化する。この結果、端面形状が正方形の長尺四角柱が形成される。最後に、図示しない切断手段を用いて、この長尺四角柱をその長手方向に所定の間隔で切断することにより、図5(a)に示した如き立方体状のダイクロイックプリズム31を得ることができる。
この従来の製造方法の欠点は、大型のダイクロイックプリズム、例えば上記色分解プリズムに適用できる70〜100mm角程度の大型のプリズムしか製造できないという点である。即ち、これより小さいサイズの三角柱ガラス材料を用いて一個ずつ研磨、コーティング等を施す作業は極めて効率の悪い困難な作業であるばかりか、工数が膨大となり、量産には全く不向きである。また、4個の三角柱ガラスを正確な精度にて貼り合わせる必要があるが、貼合せ精度が必ずしも良くないので、品質上の問題が発生する。また、ダイクロイックプリズムを上記方法で製造する場合には、研磨、コーティング等の製造過程で三角柱ガラス材料の角部に欠けが発生し易く、特に直角の頂部に僅かでも欠けが発生すると、この頂部は(c)のように貼合せた時にプリズムの内側に位置することとなるので、プリズムとして使用できなくなる虞れが高くなる。
【0005】
ところで、図5(a)に示したダイクロイックプリズム31を図4(b)に示した如きディスク状記録媒体の記録再生装置に適用する場合にはその寸法が70mm角を大幅に下回る超小型(数mm)となるため、図6に示した製造方法によっては製造することが困難である。
このような従来の煩雑な研削工程を伴う従来の光学デバイスの製造方法の不具合を改善した従来技術として、特許第2639312号公報にはプリズムアッセンブリの製造方法が開示されている。この製造方法は、プリズムの角度が45度であることに着目したものであり、まず、複数の矩形ガラス平板を、水平な面上に積層する際に45度に傾斜した板に沿って位置をずらすことによって階段状に位置ずれを起こした積層体を形成し、各ガラス平板を接着剤により一体化してから、切断等を含む所要の手順を実施することにより、最終的に所望形状のプリズムアッセンブリを製造する。
しかし、この製造方法によって得られるプリズムアッセンブリは、図5(a)に示した光分離プリズムとは形状、構造が大幅に異なっており、上記公報に記載された方法によって図5(a)に示した光分離プリズムを製造することは不可能である。
しかし、本発明者は、この公報に記載された、複数のガラス平板の位置をずらせて積層した構造の積層体に対して順次加工を加えることにより光学デバイスを製造する方法を利用して図5(a)に示した光分離プリズムを製造する新規な方法について想到するに至ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、所定の成膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が45度の傾斜角度をもって面方向に位置ずれするように階段状に積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に沿って複数個に切断分割するという工程を経る光分離プリズム等の光学デバイスの製造工程において、立方体その他の6面体のガラスブロック内に互いに直交(交差)する2つの対角面に沿って形成された膜を備えた光分離プリズム等の光学デバイスの製造方法を提供することにある。特に、新規な製造方法を採用することによって、製品の歩留を高め、超小型の光学デバイスを生産性よく製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為、請求項1の発明は、互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、複数枚の板状透明材を各板状透明材の端縁を結ぶ平面と板状透明材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように板状透明材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、上記第1の積層分割体の切断面を研磨加工し各研磨面に夫々第1の光学膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の光学膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、上記切断光学部材の両切断面に研磨加工し各研磨面に夫々第2の光学膜の成膜することにより第2の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の光学膜同士が対面し、且つ各第1の光学膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、上記第2の本接着積層構造体を、各第2の積層光学部材の第1及び第2の光学膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより光学デバイス連結体を形成する最終切断工程と、上記光学デバイス連結体内の仮接着状態を解消して個々の光学デバイスに分割する工程と、から成ることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、複数枚の板状透明材を各板状透明材の端縁を結ぶ平面と板状透明材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように板状透明材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、上記第1の積層分割体の切断面を研磨加工し各研磨面に夫々第1の光学膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の光学膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、上記切断光学部材の両切断面に研磨加工し各研磨面に夫々第2の光学膜の成膜することにより第2の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の光学膜同士が対面し、且つ各第1の光学膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、上記第2の本接着積層構造体の仮接着状態を解消した後、第2の積層光学部材の第1及び第2の光学膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより個々の光学デバイスに分割する工程と、から成ることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、互いに交差する2つの対角面に沿って夫々波長分離膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、平板状の板状透明材の表裏を鏡面研磨した上で各鏡面に反射防止膜を形成することにより矩形の平板状光学部材を製造する工程と、複数枚の平板状光学部材を各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、上記各第1の積層分割体の切断面を鏡面加工してから各鏡面に夫々第1の波長分離膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の波長分離膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、上記切断光学部材の両切断面に鏡面加工と、第2の波長分離膜の成膜を順次行うことにより第2の積層光学部材を形成する工程と、複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の波長分離膜同士が対面し、且つ各第1の波長分離膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、上記第2の本接着積層構造体を、各第2の積層光学部材の第1及び第2の波長分離膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより光学デバイス連結体を形成する最終切断工程と、上記光学デバイス連結体内の仮接着状態を解消して個々の光学デバイスに分割する工程と、から成ることを特徴とする。
請求項4の発明は、上記第1及び第2の波長分離膜の内の一方がハーフミラーであることを特徴とする。
請求項5の発明は、上記本接着を行う為の接着剤として、UV接着剤を用いたことを特徴とする。
請求項6の発明は、上記仮接着剤としてパラフィンを用いたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項3において、上記第1の波長分離膜は青色光を反射し、上記第2の波長分離膜は赤色光を反射することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。
図1(1)乃至(11)は光学デバイスの一例としての光分離プリズムの製造方法を説明する為の工程図である。
本発明は、図5(a)に示した如く、立方体形状のガラスブロックの互いに直交する2つの対角面に沿って夫々波長分離膜(光学膜)33、34を形成した立方体形状の光分離プリズムの製造方法に関するものである。しかもこの製造方法は、複数のガラス平板を積層する等の手順を経て、上記タイプの光分離プリズムを製造する方法に関する。
図1(1)は本発明の製造方法に使用する板ガラスの構成を示す正面図であり、この板ガラス(板状透明材)51は、均一厚みの矩形状ガラス板である。この板ガラス51の両面全面(予め鏡面研磨されている)に対して、図1(2)に示すように反射防止膜(AR)52を均一膜厚で形成することによりガラス平板(平板状光学部材)50を形成する。本発明方法では、図1(3)以降の工程において全く同一構成を備えたガラス平板50を複数枚使用する。
なお、図1(2)の工程は必須ではなく、板状透明剤51を図1(3)以降の工程にそのまま供してもよい。即ち、図1(3)の工程において、ガラス平板(平板状光学部材)50の代わりに、板状透明板51を用いてもよい。
図1(3)は積層体形成工程であり、治具60を用いて45度の傾斜角度でガラス平板(平板状光学部材)50を積層する状態を示している。即ち、治具60は、水平な板状のベース60aと、このベース60aから45度の傾斜角度で上方に傾斜して固定された傾斜側壁60b等とから成り、ガラス平板50をベース60a上に順次積層する。この際に、各ガラス平板50の一端縁を傾斜側壁60bに沿って整列させることにより、各ガラス平板50が面方向に等距離ずつずれた階段状の積層体61となる。換言すれば、正面形状が略平行四辺形の積層体となる。各ガラス平板50の接触面には予めパラフィン等の剥離可能な仮接着剤62を塗布しておき、各ガラス平板50同士を仮接着状態にする。このように複数のガラス平板50を積層することにより、製造歩留を向上することができる。
これを更に換言すれば、図1(3)の工程は、各ガラス平板50の端縁を結ぶ平面とガラス平板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、接着する積層体形成工程である。
なお、このようにして形成された積層体61の前後面に補強板を仮接着して上記各仮接着剤面62の接着強度を補うようにしてもよい。
【0011】
次に、図1(4)は積層体61の切断工程を示しており、各ガラス平板50の積層方向(傾斜角度)、即ち45度の面に沿って積層体61を所定の間隔で図示しないワイヤーソー等の切断手段によって切断する。換言すれば、積層体61の上下面に対して45度の傾斜角度を有した切断線L1に沿って切断する。なお、各切断線L1は、積層体61を構成する各ガラス平板50の位置ずれ角度である45度と平行な線(或は面)であり、各切断ライン間の間隔は最終的に製造しようとする光分離プリズムの寸法、形状に応じて設定する。
上記切断工程(4)において切断せられた個々の第1の積層分割体65は図1(5)に示すように正面形状が横長の平行四辺形の矩形積層板であり、この第1の積層分割体65の表裏両面を鏡面研磨してから全面的に、光学膜の一例としての第1の波長分離膜66(例えば波長650nmの成分を反射させる反射膜)をコーティング(成膜)することにより、第1の積層ガラス板(第1の積層光学部材)67を形成する。
なお、第1の積層ガラス板(第1の積層光学部材)67は、ガラス平板50を仮接着剤62を用いて接合した積層体61を切断したものであるため、反射防止膜52、板ガラス板51、反射防止膜52、仮接着剤面62、・・・・の順番で横方向に順次積層された構造を有する。
続いて、図1(6)の第1の本接着積層工程に示すように複数の第1の積層ガラス板67を積層して接着剤70(例えば、UV接着剤)を用いて本接着する。この際、各第1の積層ガラス板67の方向は同じ方向ではなく、隣接し合う第1の積層ガラス板67の各仮接着剤面62の方向が平行にならないように交互に配置する。換言すれば、第1の積層体ガラス板67を積層した第1の本接着積層構造体71の側端面に角度90度の山部71aと谷部71bとが交互に連続して形成されるように積層する。
図1(7)の第1の本接着積層構造体切断工程は、第1の本接着積層構造体71をその上下面(面方向)と直交する切断線L2に沿って切断する工程であり、各切断線L2は上下方向に隣接する各第1の積層ガラス板67内に設けた仮接着剤面62同士の交差部62aを通過する位置に形成される。
【0012】
図1(8)は第2の積層ガラス板(第2の積層光学部材)形成工程であり、第1の本接着積層構造体71を各切断線L2に沿って切断することにより形成される切断ガラス片(切断光学部材)75の両切断面に夫々鏡面研磨(ラップポリッシュ)を施した後で同じ性質を有した光学膜の他の例としての第2の波長分離膜(例えば波長780nmの成分を反射させる反射膜)76を両面に均一にコーティングすることにより第2の積層ガラス板(第2の積層光学部材)77を形成する。
なお、第2の積層ガラス板77は、第1の積層ガラス板67を接着剤70を用いて接合した第1の本接着積層構造体71を切断したものであるため、第1の波長分離膜(第1の光学膜)66、直角三角柱ガラス78、仮接着剤面62、直角三角柱ガラス78、第1の波長分離膜66、本接着剤70、・・・・・の順番で横方向に順次積層された構造を有する。
図1(9)は第2の本接着積層工程であり、この工程では、図1(8)に示した第2の積層ガラス板77を複数枚整合状態で積層し、本接着剤80にて各第2の波長分離膜(第2の光学膜)76面同士を接合一体化(本接着)する。この結果、第2の本接着積層構造体81が形成される。この第2の本接着積層構造体81は、左右両側面全体に第1の波長分離膜66を有し、その内部にも所定のピッチで垂直方向へ延びる第1の波長分離膜66が埋設された状態となっている。また、この第2の本接着積層構造体81の上下両面全体には第2の波長分離膜76を有し、その内部にも水平方向へ延びる第2の波長分離膜76及び本接着剤80が所定のピッチで平行に埋設されている。
なお、図1(9)において、4つの近接する仮接着剤面62が正方形を形成しており、この正方形内に位置する4個の直角三角形柱78は完成品としての立方体形状の光分離プリズム90を図面奥行き方向へ複数連結した連結体を構成している。
【0013】
図1(10)は、第2の本接着積層構造体81を各直角三角形柱78の長手方向に沿って所定のピッチで切断する第2の本接着積層構造体切断工程(最終切断工程)であり、切断線(切断面)L3に沿って所定のピッチで平行に切断することにより、多数の光分離プリズム90(図5の例では光分離プリズム31)を含んだ矩形板状の光分離プリズム連結体(光学デバイス連結体)85が構築される。光分離プリズム板状連結体85は、多数の光分離プリズム(光学デバイス)90を仮接着剤62により接続したものである。なお、切断線(線)L3は、波長分離膜66、76と直交する線(面)である。
図1(11)は光分離プリズム連結体(光学デバイス連結体)85を例えば図示しないホットプレート上に載置して加熱することによって仮接着剤62を構成するパラフィンを溶解させて、個々の光分離プリズム90に分離する分離工程である。即ち、光分離プリズム連結体85に含まれるパラフィン等の仮接着剤62を溶解することにより本接着剤70、80により接合されている4個ずつの直角三角形柱78から成る光分離プリズム90を得ることができる。
光分離プリズム90は、図5(a)に示した光分離プリズム31とその形状、構造は類似しているが、70mm角を大幅に下回る超小型である点と、各光分離膜が66、76が色分解を目的としていない点が異なっている。なお、上記製造方法によれば、色分解を目的とした2面の光分離膜を備えた超小型光分離プリズムの製造も可能であることは言うまでもない。
なお、第1及び第2の波長分離膜66、76は、高屈折材料と低屈折材料、例えばTiO2とSiO2の各薄膜を交互に複数層積層することにより形成される膜であり、所定の波長成分だけを反射するように構成される。また、必要に応じて本接着面にマッチング膜を介在させることにより、複数のガラス平板等を接着剤を用いて接着する際に、接着剤の存在に起因してガラス平板を透過する光の屈折率が変動することを防止する処理も行われる。
なお、本接着には例えばUV硬化型接着剤を用い、積層前の各ガラス平板等の接合面間にUV硬化型接着剤を塗布しておき、積層体を加圧して該接着剤を均一に展開させた状態で図示しない紫外線光源から紫外線を積層体に照射し、接着剤を硬化させて積層体を貼り合わせ、本接着する。
【0014】
このように本発明によれば、平板状のガラスを複数枚使用して光分離プリズムを製造する際に、個片に分割された光分離プリズムに対して鏡面加工を行う必要がなくなるため、生産性が高く、実用性の高い光分離プリズムの製造方法を提供することができる。
なお、図1(9)に示した第2の本接着積層構造体81に対して仮接着剤62の除去を施して、端面形状が正方形の長尺筒状体を複数分離してから、個々の光分離プリズム90(31)に切断するように工程を入れ換えてもよい。
なお、上記形態例では光学デバイスの製造方法の一例として光分離プリズムの製造方法を例示したが、本発明は上記以外の光学デバイスであって類似の構成を備えたものに対しても適用することができる。従って、互いに直交する対角面に沿って形成する膜の種類、性質等を種々選定することにより、異なった光学機能を有した光学デバイスを構築することができる。勿論、この場合の光学デバイスの外形は、立方体状に限らず、直方体、その他の6面体であってもよい。立方体以外の6面体状の光学デバイスにあっては、対角面が直交しないので、所定の角度にて交差する2つの光分離膜を有することとなるが、このような構成を備えた光学デバイスであっても上記した製造方法に基づいて製造が可能である。
また、本発明の製造方法によれば、一辺が70mmを大幅に下回る超小型の光分離プリズム90を歩留良く大量生産することができるので、ディスク状記録媒体の記録再生装置の光学系に適用することができる。
上記のごとき製造方法により製造した光分離プリズム90(31)は、数mm角の超小型光学デバイスであるため、従来不可能であった小型光学システムに適用することが可能となる。
即ち、図2(a)は本発明の製造方法により製造される超小型の光分離プリズム90をCDやDVD等のディスク状記録媒体を記録再生する装置の光学系にクロスダイクロイックプリズムとして利用した例を示す図であり、(b)はクロスダイクロイックプリズムを構成する各波長分離膜の作用を説明する図であり、(c)は分光特性を説明する図である。なお、図4(b)を比較例として併せて参照し、同一部品には同一符号を付して説明する。
【0015】
図2(a)に示した光学系の構成が図4(b)に示した構成と異なる点は、本発明の光分離プリズム(クロスダイクロイックプリズム)90を使用したことによって、ホログラム付LD12(波長780nmの光出力用)を光分離プリズム90を挟んだディスク状記録媒体22の反対側位置ではなく、光分離プリズム90を挟んだLD11(波長650nmの光出力用)の反対側位置に配置することが可能となった点にある。つまり、互いに直交し合う2つの対角面に沿って波長分離膜66、76を備えている為に、LD11からの波長650nmの光を一方の波長分離膜66により直交する方向へ反射する一方で、LD12からの波長780nmの光を他方の波長分離膜76により同じ直交方向へ反射することが可能となったため、図2(a)に示した如きLD11、LD12の配列が可能となったものである。このため、光分離プリズム90を挟んだディスク状記録媒体22と反対側の位置にLD12が位置しないこととなり、該反対側への光学系の寸法を短縮して記録再生装置の形状をコンパクト化することが可能となる。即ち、この光分離プリズム90は、互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜66、76を備えた6面体の光学デバイスであって、一方の対角面に沿って形成された光学膜76を650nmの光を透過し、波長780nmの光の透過を阻止する分光特性を備えた波長分離膜とし、他方の光学膜66を波長780nmの光を透過し波長650nmの光の透過を阻止する分光特性を備えた波長分離膜としたことにより、クロスダイクロイックプリズムとして機能するように構成したものである。図2(b)に示すようにLD11からの出射光は、光分離膜66にて反射してディスク状記録媒体22に向かいディスク状記録媒体22にて反射した光は再び光分離膜66にて反射して図2(a)に示したフォトダイオード17により受光される。一方、LD12からの出射光は光分離膜76にて反射してディスク状記録媒体22に向かいディスク状記録媒体22にて反射した光は再び光分離膜76にて反射してLD12に装備されたホログラムによって回折されてフォトダイオードに受光される。各波長分離膜66、76の分光特性は図2(c)に示す如くである。
【0016】
次に、図3(a)は本発明の製造方法により製造される超小型の光分離プリズム90をCDやDVD等のディスク状記録媒体の記録再生装置の光学系にクロスハーフプリズムとして利用した他の例を示す図であり、(b)はクロスハーフプリズムを構成する各波長分離膜の作用を説明する図であり、(c)は分光特性を説明する図である。なお、図4(b)を比較例として併せて参照し、同一部品には同一符号を付して説明する。図3(a)に示した光学系の構造が図2に示した構成と異なる点は、図4(b)及び図2において必要とされていたNPBS16が不要となった点である。即ち、図3の例では、光分離プリズム90をクロスハーフプリズムとして構成したので、一方のLDからの出射光、例えばLD11から出射されディスク状記録媒体22にて反射して戻って来た波長650nmの光の一部がハーフミラーとしての波長分離膜66を透過して反対側に位置するPD17によって受光されるように構成できる。即ち、この光分離プリズム90は、互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜を備えた6面体の光学デバイスであって、一方の対角面に沿って形成された光学膜76を650nmの光を透過し、波長780nmの光の透過を阻止する分光特性を備えた波長分離膜とし、他方の光学膜66を波長780nm及び波長650nmの光に対する透過率がいずれもほぼ50%であるハーフミラー膜としたことにより、クロスハーフプリズムとして機能するようにしたものである。この場合は、NPBS16を省略できるので、部品数の削減によるコストダウンと、横方向への小型化が更に可能となる。図3(b)に示すようにLD11からの出射光は、光分離膜66にて反射してディスク状記録媒体22に向かいディスク状記録媒体22にて反射した光はハーフミラーである光分離膜66を透過して図3(a)に示したフォトダイオード17に入射する。一方、LD12からの出射光は光分離膜76にて反射してディスク状記録媒体22に向かいディスク状記録媒体22にて反射した光は再び光分離膜76にて反射してLD12に装備されたホログラムによって回折されてフォトダイオードに受光される。なお、上記実施形態では、立方体、或は一端面(図1(11)の正面)の形状が正方形である直方体等の6面体から成るプリズムを示したが、これは一例であり、一端面が長方形の6面体であってもよい。従って、波長分離膜が直交しない場合も含むものである。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、所定の成膜を施した複数のガラス平板を、各ガラス平板の端縁が45度の傾斜角度をもって面方向に位置ずれするように階段状に積層、接着した後で、この積層体を上記45度の傾斜に沿って複数個に切断分割するという工程を経る光分離プリズム等の光学デバイスの製造工程において、立方体その他の6面体のガラスブロック内に互いに直交(交差)する2つの対角面に沿って形成された膜を備えた光分離プリズム等の光学デバイスの製造方法を提供することができる。特に、新規な製造方法を採用することによって、製品の歩留を高め、超小型の光学デバイスを生産性よく製造することができる。
即ち、本発明によれば、例えば立方体ガラスの2つの直交する対角面に沿って形成した2つの波長分離膜を備え、且つ超小型の光分離プリズムを製造する際に、三角柱状に個別に研削加工されたガラス片同志を結合するという煩雑、且つガラス片に欠損が発生し易い手順を経ることなく、上記構成の光分離プリズムを製造することができる方法を提供することができる。
上記方法によれば、数mm角の超小型光学デバイスを製造できるので、超小型光学デバイスを使用する各種光学機器に適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)乃至(11)は光学デバイスの一例としての光分離プリズムの製造方法を説明する為の工程図。
【図2】 (a)〜(c)は本発明方法により製造した光分離プリズムを適用した光学系の一例を示す図。
【図3】 (a)〜(c)は本発明方法により製造した光分離プリズムを適用した光学系の他の一例を示す図。
【図4】 (a)は従来の光学デバイスとしての光分離プリズムの構成を示す図、(b)はこの光分離プリズムを用いた光ピックアップの構成図。
【図5】 (a)は従来の色分解プリズムとして使用されるダイクロイックプリズムの斜視図、(b)はこのダイクロイックプリズムを使用した光学系の構成図、(c)は各光分離膜の分光特性を示す図。
【図6】 (a)(b)及び(c)は従来のダイクロイックプリズムを製造する従来手順を説明する図。
【符号の説明】
1 光分離プリズム、2、3 ガラスプリズム、4 波長分離膜、11、12 レーザダイオード(LD)、15 グレーティング、16 NPBS、17 フォトダイオード、18 λ/4板、19 ミラー、20 開口フィルタ、21 対物レンズ、22 ディスク状記録媒体、31 ダイクロイックプリズム、32立方体ガラス、33 光分離膜、34 光分離膜、35、36、37 CCD、40 三角柱ガラス、33a、34a 光分離膜、50 ガラス平板(平板状光学部材)、51 板ガラス(板状透明材)、52 反射防止膜(AR)、60治具、60a ベース,60b 傾斜側壁、61 積層体、62 各仮接着剤(面)、61 第1の積層分割体、66 第1の波長分離膜、67 第1の積層ガラス板(第1の積層光学部材)、70 接着剤、71 第1の本接着積層構造体、L1,L2,L3 切断線(面)、75 切断ガラス片(切断光学部材)、76 第2の波長分離膜、77 第2の積層ガラス板(第2の積層光学部材)、78 直角三角柱ガラス、80 本接着剤、81 第2の本接着積層構造体、90 光分離プリズム。
Claims (7)
- 互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、
複数枚の板状透明材を各板状透明材の端縁を結ぶ平面と板状透明材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように板状透明材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、
上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、
上記第1の積層分割体の切断面を研磨加工し各研磨面に夫々第1の光学膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の光学膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、
上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、
上記切断光学部材の両切断面に研磨加工し各研磨面に夫々第2の光学膜の成膜することにより第2の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の光学膜同士が対面し、且つ各第1の光学膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、
上記第2の本接着積層構造体を、各第2の積層光学部材の第1及び第2の光学膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより光学デバイス連結体を形成する最終切断工程と、
上記光学デバイス連結体内の仮接着状態を解消して個々の光学デバイスに分割する工程と、
から成ることを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 互いに交差する2つの対角面に沿って夫々光学膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、
複数枚の板状透明材を各板状透明材の端縁を結ぶ平面と板状透明材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように板状透明材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、
上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、
上記第1の積層分割体の切断面を研磨加工し各研磨面に夫々第1の光学膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の光学膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、
上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、
上記切断光学部材の両切断面に研磨加工し各研磨面に夫々第2の光学膜の成膜することにより第2の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の光学膜同士が対面し、且つ各第1の光学膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、
上記第2の本接着積層構造体の仮接着状態を解消した後、第2の積層光学部材の第1及び第2の光学膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより個々の光学デバイスに分割する工程と、
から成ることを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 互いに交差する2つの対角面に沿って夫々波長分離膜を備えた6面体状の光学デバイスの製造方法において、
平板状の板状透明材の表裏を鏡面研磨した上で各鏡面に反射防止膜を形成することにより矩形の平板状光学部材を製造する工程と、
複数枚の平板状光学部材を各平板状光学部材の端縁を結ぶ平面と平板状光学部材の板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように平板状光学部材の面方向位置を順次ずらして階段状に積層し、仮接着剤により仮接着することにより積層体を形成する積層体形成工程と、
上記積層体を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の第1の積層分割体に切断する切断工程と、
上記各第1の積層分割体の切断面を鏡面加工してから各鏡面に夫々第1の波長分離膜を成膜することにより第1の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第1の積層光学部材を上記第1の波長分離膜同士が対面し、且つ隣接し合う第1の積層光学部材内の仮接着剤面が非平行となるように方向を交互に異ならせて積層して本接着することにより第1の本接着積層構造体を形成する本接着積層工程と、
上記第1の本接着積層構造体をその面方向と直交する切断線に沿って所定のピッチで切断することにより切断光学部材を形成する第1の本接着積層構造体切断工程と、
上記切断光学部材の両切断面に鏡面加工と、第2の波長分離膜の成膜を順次行うことにより第2の積層光学部材を形成する工程と、
複数の上記第2の積層光学部材を上記第2の波長分離膜同士が対面し、且つ各第1の波長分離膜同士が整合位置関係となるように積層し本接着して第2の本接着積層構造体を形成する第2の本接着積層工程と、
上記第2の本接着積層構造体を、各第2の積層光学部材の第1及び第2の波長分離膜面と直交する切断面にて所定のピッチで切断することにより光学デバイス連結体を形成する最終切断工程と、
上記光学デバイス連結体内の仮接着状態を解消して個々の光学デバイスに分割する工程と、
から成ることを特徴とする光学デバイスの製造方法。 - 上記第1及び第2の波長分離膜の内の一方がハーフミラーであることを特徴とする請求項3記載の光学デバイスの製造方法。
- 上記本接着を行う為の接着剤として、UV接着剤を用いたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の光学デバイスの製造方法。
- 上記仮接着剤としてパラフィンを用いたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の光学デバイスの製造方法。
- 請求項3において、
上記第1の波長分離膜は青色光を反射し、上記第2の波長分離膜は赤色光を反射することを特徴とする光学デバイスの製造方法。
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