JP4003101B2 - 空調機の制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内機内部でかびや細菌類が発生・繁殖するのを抑制できる空調機の制御方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
元来、空調機の使用目的は、使用者が快適で健康的な室内環境の中で活動できるようにすることである。温熱環境的には、夏に冷房運転を行い室内を快適な温度にまで冷やしたり、冬には暖房運転を行い室内を暖めたり、あるいは梅雨時の多湿な環境を除湿運転をすることで快適な環境を形成し、使用者が期待する効果が得られている。ところが健康的という視点においては室内の空気の質が重要であるが、空調機においては室内の塵埃をフィルタにて捕集する等の対策がなされている程度であり、多くの課題が存在する。特に問題なのは夏の冷房運転もしくは梅雨時の除湿運転を繰り返すことで空調機本体内に多量の水分が残留して高湿の状態が維持されることである。空調機内部のこの高湿な環境は、かびやその他の細菌類の発生・生育・繁殖に非常に好ましい環境であり、現実に空調機内部およびその内部に格納された各種構成部品にかびやその他の細菌類が大量に発生し、またそれらの死骸を餌にダニ等が空調機内部に生息することが多発している。空調機内でかびやその他の細菌類やダニ等が生育することによって空調機から異臭が放たれたり、死骸が居住室内に撒き散らされ、居住者に不快感を与え、居住者によってはアレルギー等の症状を起こすなどの深刻な問題もあった。この対策として低湿度環境下ではかびや細菌類は生育できないことを利用し、空調機内部をかびや細菌類が生育できない環境(乾燥状態)にできる機能を備えた装置が提案されている。
【0003】
このような空調機の本体内を乾燥させる機能を持った空調機としては、例えば特開平4-24454 号公報に示されるもの(以下、第1従来例という)を挙げることができる。図13はこの第1従来例の空調機のシステム構成図である。
【0004】
図13において、30は空調機の本体内で送風路31を形成するケーシング、32は室内送風機、33は室内熱交換器、34は室内熱交換器33より滴下するドレン水を受け止める露受皿、35は吹き出し方向を上下に変える吹出風向制御板、36は冷房(または除湿)運転時間を計測する冷房運転時間計測手段、37は冷房運転時間計測手段36の冷房運転時間の計測信号に基づいて暖房運転を行わせる暖房運転手段、38は冷房運転時間計測手段36の計測信号に基づいて暖房運転手段37が暖房運転を行わせる際に吹き出した温風を直ちに空調機に吸い込ませてショートサーキットさせるためのショートサーキット手段、39は暖房運転時間を計測する暖房運転時間計測手段、40は暖房運転手段37からの信号と暖房運転時間計測手段39からの信号とに基づいて吹出風向制御板35を駆動する吹出風向決定手段である。
【0005】
この第1従来例において、通常運転状態では、吹出風向制御板35はAからBまでの範囲に吹き出し方向を向けるように動作する。空調機が冷房運転中は、冷房運転時間計測手段36が冷房運転時間の計測を行い、冷房運転時間が一定時間に達すると、冷房運転時間が一定時間経過したことを暖房運転手段37に知らせる。暖房運転手段37は、冷房運転時間計測手段36から冷房運転時間が一定時間経過したことが知らされると、暖房運転を開始させるとともに、吹出風向決定手段40に対して、吹き出した温風をすぐに空調機本体が吸い込むショートサーキットを起こさせるCの位置に吹出風向制御板35を向けさせるよう指令する。これにより、吹き出した温風は、直ちに空調機本体に吸い込まれ、送風路31を通過する間に、室内熱交換器33、室内送風機32、ケーシング30、吹出風向制御板35等を乾燥させてかびの発生を防ぐ。
【0006】
この暖房運転中は、暖房運転時間計測手段39が暖房運転時間の計測を行い、暖房運転時間が一定時間に達すると、暖房運転時間が一定時間経過したことを暖房運転手段37と吹出風向決定手段40に知らせる。暖房運転手段37は、暖房運転時間計測手段39から暖房運転時間が一定時間経過したことが知らされると、暖房運転を停止させるとともに、吹出風向決定手段40に対して暖房運転を停止させたことを知らせる。吹出風向決定手段40は、暖房運転時間計測手段39からの時間経過信号と暖房運転手段37からの運転停止信号により、ショートサーキットによる乾燥運転(通常モードによる暖房運転ではない)が終了したことを認識し、吹出風向制御板35の吹き出し方向をAからBまでの範囲に戻す。また、図示しない制御部は運転モードを乾燥運転モードから再び通常の冷房運転モードに戻す。
【0007】
前記以外に空調機の本体内を乾燥させる機能を持った空調機としては、例えば特開平5-141692号公報に示されるもの(以下、第2従来例という)を挙げることができる。図14はこの第2従来例の空調機を概略的に示す構成図である。
【0008】
図14において、41は空調機の本体内で送風路を形成するケーシング、42は空気吸込口、43は空気吹出口、44は送風路、45は室内熱交換器、46は室内送風機、47はフィルタ、48は室内熱交換器45から滴下するドレン水を受け止める露受皿、49はショートサーキット流路、50はショートサーキット流路49を開閉する開閉プレート、51a,51b,51cは空気吹出口43に位置して回転自在に軸支された第1から第3の風向制御板である。
【0009】
この第2従来例において、通常の冷暖房時は、開閉プレート50、吹出風向制御板51a,51b,51cは図中仮想線で示す状態に位置されており、室内送風機46が駆動されると、室内の空気は図中実線で示す矢印のように空気吸込口42から吸い込まれ、フィルタ47を通して室内熱交換器45に供給され、熱交換される。この熱交換された空気は、空気吹出口43より吹出風向制御板51a,51b,51cにて規定される角度で室内に吹き出される。また暖房運転時には、必要に応じて開閉プレート50、吹出風向制御板51a,51b,51cを、図中実線で示す状態に制御し、室内熱交換器45を介した吹出空気を図中仮想線で示す矢印のように、ショートサーキット流路49を通して直接室内熱交換器45に供給循環させるようにして、ケーシング41内の乾燥殺菌を行うものである。
【0010】
更に、前記以外に空調機の本体内を乾燥させる機能を持った空調機としては、例えば実開平4-95244 号に示されるもの(以下、第3従来例という)を挙げることができる。図15はこの第3従来例の空調機のシステム構成図である。
【0011】
図15において、52は制御部、53は設定入力手段、54は運転モード設定手段、55はメモリ、56は比較手段、57は時間積算手段、58はかび防止運転を使用者に促すアラーム、59は室温センサ、60は圧縮機、61は室内送風機、62はアラーム58によって発せられた警報を表示させる表示手段、63は四方弁、64は操作パネルに設けられて手動操作されるかび防止キーである。
【0012】
この第3従来例においては、空調機が運転を終了した後、一定期間を経過したときに、制御部52は前回の運転内容を判断し、これが冷房または除湿運転の場合、アラーム58、表示手段62によりかび防止警告を行う。この警告によって使用者がかび防止キー64を操作すると、制御部52では空調機を一定時間の暖房運転と室内送風機61の低速運転を行わせ、空調機本体内でかびが生育するのを防止するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の第1従来例の空調機(図13)にあっては、冷房運転中または冷房運転直後に強制的に暖房運転(乾燥運転)を行うため、室内熱交換器33、露受皿34等に残留している室内の臭い成分が凝縮された水分が蒸発して空調機から異臭が発生し、居住者へ不快感を与えるという問題があった。またドレン水量が多量でこの水分が室内熱交換器33、露受皿34等に残留しているときには、これを蒸発させて乾燥させるのに多大なエネルギーと時間を要するという問題と、多量に残留した水分を乾燥しきれない場合、逆に空調機内部を高湿な状況にし、かびや細菌類の生育を促すという難点があった。更に空調機本体が冷房運転によって冷却されていて、室内熱交換器33、露受皿34等に水分が残留している状態で、いきなり暖房運転(乾燥運転)を行うと、この乾燥運転開始直後に水分が飛んで、これが空調機本体、特に吹出口周辺部が結露し、そこにほこり等が付着しやすく、空調機の外観を著しく損ねるという問題もあった。
【0014】
また、前述の第2従来例の空調機(図14)にあっては、風路が非常に複雑な構成となり、その分、コスト増大を招き、かつ動作不良を起こしやすいという問題があった。更に暖房運転(乾燥運転)時には、風路が基本的に内部循環方式の形態をとるため、冷房運転によって空調機内部に多量の水分が残留している状態で暖房運転(乾燥運転)が行われると、水分(蒸気)が内部にこもり、多量に残留した水分を乾燥しきれない場合、前述の第1従来例と同様に、逆に空調機内部を高湿な状況にし、かびや細菌類の生育を促すという難点があった。
【0015】
また、前述の第3従来例の空調機(図15)にあっては、空調機本体内の乾燥に視点をおき、室内環境への配慮がなく、暖房運転を行うことで室温が上昇し、空調機本体内の水分が蒸発するときに発生する異臭を室内居住域に流出させ、居住者へ不快感を与えるという問題があった。更に冷房運転によって空調機内部に多量の水分が残留している状態で暖房運転が行われると、これを蒸発させて乾燥させるのに多大なエネルギーと時間を要するばかりでなく、さらなる室温の上昇を招いてしまうという問題と、空調機内部に多量に残留した水分を乾燥しきれない場合、前述の第1従来例の空調機と同様に、逆に空調機内部を高湿な状況にし、かびや細菌類の生育を促すという難点があった。
【0016】
本発明の技術的課題は、空調機内部にてかびや細菌類の発生・繁殖を抑制するために、特殊な風路などの部品を必要とせず、安価に構成でき、空調機本体内を効率よく確実に乾燥させ得、かつ乾燥時の消費エネルギーを少なくできて、異臭を発生させずにしかも室内居住域への影響を少なくできるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る空調機の制御方法は、圧縮機、室内熱交換器、室内送風機等からなる冷凍サイクルを備えた空調機において、冷房運転後または除湿運転後に空調機内部を乾燥させる乾燥運転を行う空調機の制御方法において、まず冷房運転後または除湿運転後に室内熱交換器を含む空調機本体内部に付着した水分を前記室内送風機を弱風量にて運転させて除去する水切り運転を行い、その後に引き続いて前記乾燥運転を行うこととしたものである。
【0018】
本発明の請求項2に係る空調機の制御方法は、請求項1の発明において、乾燥運転は、乾燥運転時間を計測し、その乾燥運転時間の計測値が所定値に達した時に終了させるものである。
【0019】
本発明の請求項3に係る空調機の制御方法は、請求項1の発明において、乾燥運転は、室内熱交換器の温度を検出し、その温度検出値が所定値以上に達し時に終了させるものである。
【0020】
本発明の請求項4に係る空調機の制御方法は、請求項1の発明において、乾燥運転は、空調機内部の湿度を検出し、その湿度検出値が所定値以下に達した時に終了させるものである。
【0021】
本発明の請求項5に係る空調機の制御方法は、請求項1または請求項2の発明において、乾燥運転は、冷房運転時間または除湿運転時間を計測して記憶しておき、その記憶された冷房(または除湿)運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより実施するものである。
【0022】
本発明の請求項6に係る空調機の制御方法は、請求項1または請求項2の発明において、乾燥運転は、冷房運転時または除湿運転時の前記圧縮機の運転周波数を記憶しておき、その記憶された冷房(または除湿)運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより実施するものである。
【0023】
また、本発明の前記制御方法を実施するための空調機の制御装置は以下のように構成する。すなわち、請求項7に係る発明においては、圧縮機、室内熱交換器、室内送風機、等からなる冷凍サイクルと、室内送風機により空調機本体から吹き出される風の方向を変える吹出風向制御板とを備えた空調機において、冷房運転もしくは除湿運転と暖房運転とを切り換える冷房/暖房切換手段と、室内送風機の回転数を決定し空調機吹出風量を制御する吹出風量決定手段と、吹出風向制御板を制御し吹出風向を決定する吹出風向決定手段と、冷房運転後もしくは除湿運転後に室内熱交換器を含む空調機本体内部に付着した水分を前記室内送風機を弱風量にて運転させて除去する水切り運転の内容を決定する水切り運転決定手段と、水切り運転後に引き続いて、室内送風機を吹出風量決定手段により所定吹出風量に制御させるとともに、吹出風向制御板を吹出風向決定手段により吹出風向を制御させ、かつ圧縮機により暖房運転を行わせて、室内熱交換器の乾燥を行わせる乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段と、を備えたものである。
【0024】
請求項8に係る発明においては、請求項7の発明において、乾燥運転時間を計測する乾燥運転時間計測手段と、その乾燥運転時間の計測値が所定値に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Aを設けたものである。
【0025】
請求項9に係る発明においては、請求項7の発明において、室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度検出器と、その室内熱交換器温度の検出値が所定値以上に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Bを設けたものである。
【0026】
請求項10に係る発明においては、請求項7の発明において、空調機内部の湿度を検出する空調機内部湿度検出器と、その空調機内部湿度の検出値が所定値以下に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Cを設けたものである。
【0027】
請求項11に係る発明においては、請求項7または請求項8の発明において、冷房運転時間または除湿運転時間を計測する冷房運転時間計測手段と、その計測された冷房運転時間を記憶する冷房運転時間記憶手段と、その記憶された冷房運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段Aを設けたものである。
【0028】
請求項12に係る発明においては、請求項7または請求項8の発明において、冷房運転時または除湿運転時の圧縮機の運転周波数を記憶する冷房運転周波数記憶手段と、その記憶された冷房運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段Bを設けたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
以下、図示実施形態に基づき本発明を説明する。
図1乃至図4は本発明の請求項1、2に係る空調機の制御方法を実施するための制御装置を示すもので、図1はそのシステム構成図、図2はその電気回路図、図3はその動作を説明するためのフローチャート、図4はその特性図である。
【0030】
図1及び図2において、1は冷房運転後もしくは除湿運転後(以下、効果は同一のため冷房運転に限り説明)に室内熱交換器6を含む空調機本体5内部に残留している水分を除去する水切り運転の内容を決定する水切り運転決定手段、2Aは水切り運転後に室内熱交換器6の乾燥を行わせる乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段、5は空調機本体であって、制御対象となる圧縮機7、室内送風機10、及び吹出風向制御板12を有するとともに、室内送風機10の回転数を決定し空調機吹出風量を制御する吹出風量決定手段9と、吹出風向制御板12を制御し吹出風向を決定する吹出風向決定手段11と、冷房運転と暖房運転とを切り換える冷房/ 暖房切換手段8を備えている。
【0031】
水切り運転決定手段1は、冷房運転後に、吹出風量決定手段9、吹出風向決定手段11、及び圧縮機7に対して、室内熱交換器6を含む空調機本体5内部に残留する水分を効率的に除去するよう指令する(例えば、吹出風量決定手段9に対して室内送風機10を低風量に制御するよう指令するとともに、吹出風向決定手段11に対して吹出風向制御板12を風路に平行となる位置に設定するよう指令し、かつ圧縮機7を所定運転周波数にて断続的に暖房運転させる)。
【0032】
乾燥運転決定手段2Aは、乾燥運転時間を計測する乾燥運転時間計測手段3と、乾燥運転時間計測手段3の計測値を設定値(設定時間)と比較して、計測値が設定時間となれば乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段A(以下、これを第1乾燥運転終了検知手段という)4とから構成されている。
【0033】
更に乾燥運転決定手段2Aは、水切り運転後に、吹出風量決定手段9に対して室内送風機10を所定吹出風量に制御するよう指令するとともに、吹出風向決定手段11に対して吹出風向制御板12を所定位置に設定するよう指令し、更に圧縮機7に駆動指令を与えて暖房運転させ、室内熱交換器6を含む空調機本体5内部の乾燥を行わせるものである。
【0034】
電気回路は、図2に示すように電源スイッチ13と、空調機本体5を制御するマイクロコンピューターからなる制御装置14とからなり、制御装置14は、メモリ15、演算部と制御部からなるCPU16、出力回路17から構成され、メモリ15に、水切り運転決定プログラムと乾燥運転決定プログラムが記憶され、CPU16で演算処理と制御値の決定処理が行われ、出力回路17から空調機本体5に出力されるようになっている。
【0035】
次に、本実施形態装置の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。まず冷房運転が停止されると(ステップS101)、水切り運転のための初期設定、つまり室内送風機10の回転数の設定(例えば、弱風量)、吹出風向制御板12の所定位置への設定(例えば、風路に平行となる位置)等の初期設定を行い(ステップS102)、水切り運転を開始する(ステップS103)。
【0036】
水切り運転が開始されると、所定条件(例えば、所定時間に達する)を満たすまで水切り運転を続ける。所定条件を満たすと、水切り運転の終了検知信号が出力され、水切り運転を終了する(ステップS104)。この時の所定条件は室内熱交換器6を含む空調機本体5内部に残留する水分を効果的にかつ確実に除去でき、かつ水切り運転後に行われる乾燥運転時に空調機本体が結露しないように乾燥運転前に空調機本体を冷房開始時の室温程度にまで上昇させ得る最適条件が設定されている。これにより空調機本体5内部に多量に残留する水分が空調機本体外へ排出され、空調機本体内部に残留する水分がほとんど無くなる。
【0037】
水切り運転が終了すると、引き続いて行われる乾燥運転の初期設定、つまり室内送風機10の回転数の設定(例えば、弱風量に設定)、吹出風向制御板12の所定位置への設定(例えば、水平よりも上向き)、圧縮機7の運転周波数の設定(例えば、所定値に設定)、乾燥運転時間のセット等の初期設定を行い(ステップS105)、乾燥運転を開始する(ステップS106)。この時の室内送風機10の回転数、吹出風向制御板12の設定値は、室内の居住域や使用者への影響を避けることができて、乾燥運転をより効率的かつ確実に行える値に設定され、室内居住域への温風流出が抑えられるようになっている。
【0038】
乾燥運転が開始されると、乾燥運転時間計測手段3により乾燥運転時間の計測が行われ(ステップS107)、第1乾燥運転終了検知手段4により、計測された乾燥運転時間tk と予め設定された設定時間ts との比較が行われ(ステップS108)、乾燥運転時間tk が設定時間ts に達していなければステップS107に戻り、tk ≧ts となるまでステップS107とステップS108の処理を繰り返す。乾燥運転時間tk が設定時間ts に達したならば、乾燥運転を終了する(ステップS109)。このときの設定時間ts は予め定められた値であり、室内熱交換器6を含む空調機本体5内部を効果的にかつ確実に乾燥させ得る最適値に設定されている。これにより室内熱交換器6を含む空調機本体5内部は確実に乾燥される。
【0039】
このように、本実施形態の空調機の制御装置においては、乾燥運転の前に水切り運転を行い、この水切り運転によって空調機本体内部の水分をほとんど除去しかつ水切り運転後に行う乾燥運転時に空調機本体が結露しないように乾燥運転前に空調機本体を冷房開始時の室温程度にまで上昇させるようにしているので、その後の乾燥運転を非常に効率的に行わせることができて、短時間で空調機本体内及び内部の各種構成部品を乾燥でき、空調機内部及び内部構成部品にかびやその他の細菌類が生育するのを防止することができる。更に空調機本体内部の水分が殆ど除去されてから暖房運転(乾燥運転)を行うため、水分が蒸発するときに発生する臭いが激減され、居住室内及び使用者への影響を抑えることができる。
【0040】
次に、本実施形態装置の特性について図4により説明すると、横軸は時間を、縦軸は空調機内部の相対湿度、空調機内部の温度、単位時間当たりのドレン水排出量(空調機内部の水分量)、空調機の運転状態、をそれぞれ表わしている。時間Aでは、空調機は冷房運転を行っている。この時、空調機の内部は熱交換された空気によって冷却されており、空調機内部の相対湿度はおよそ90%RH以上の高湿な状況となっている。また、単位時間当たりのドレン水排出量は、その時の空調負荷条件、空調機の出力能力に応じた量を多少のバラツキを持ちながら排出している。
【0041】
時間Bで冷房運転が停止され、水切り運転が開始される。この制御ルーチンは既述した図3のステップS101からステップS103のとおりである。冷房運転の停止後から、空調機内部の相対湿度が限りなく100%RHに近くなり、空調機が停止されたままだと長時間に亘りほぼこの状態を維持することになる。このような非常に高湿な環境は、かび等の細菌類が生育するのに非常に適しており、この状態が続くとこれらの繁殖を大いに促すこととなってしまう。
【0042】
時間B以降、冷却されていた空調機内部の温度が上昇しはじめる。この上昇量は、水切り運転決定手段1により吹出風向制御板12を最適な位置、例えば空気吹出口の開口面積が最大となるように吹出風向制御板12を風路に平行となる位置(通常、停止時には吹出風向制御板12によって空気吹出口が閉塞される)にし、かつ室内送風機10の回転数を最適値、例えば居住者に影響を与えないよう弱風量に設定することで、通常停止している場合よりも大きい。また単位時間当たりのドレン水排出量も急速に減少しはじめ、水切り運転が終了する時間Cまでこの状態が続く。
【0043】
時間Cで水切り運転が終了すると、乾燥運転が開始される。この制御ルーチンは既述した図3のステップS104からステップS106のとおりである。時間Cの時点では、空調機の内部の温度はほぼ冷房開始時の室温程度にまで上昇している。また、単位時間当たりのドレン水排出量もほとんど無くなり、空調機内部の水分がほとんど除去されている。この状態から暖房運転を利用した乾燥運転を乾燥運転決定手段2Aにより、吹出風向制御板12を最適な位置、例えば室内居住者への影響を抑え、吹き出した温風を空調機本体が吸い込み空調機内部を効率的に乾燥できる水平よりも上向きに設定し、かつ室内送風機10の回転数を最適値、例えば室内居住者に影響を与えないよう弱風量に設定して行うため、室内熱交換器6を含む空調機本体内部を非常に短時間で効果的に乾燥でき、水分が蒸発する時に発生する臭いもほとんど無くなり、わずかに発生した臭いも室内居住域へ流出させることが無い。また、空調機本体の温度も冷房開始時の室温程度にまで上昇しているため、乾燥運転を開始した時の空調機本体への結露を低減できる。乾燥運転を開始した時間Cから時間E(設定時間tk )まで乾燥運転の時間を計測しつつこの状態が続く。この制御ルーチンは既述した図3のステップS107からステップS108のとおりであり、ステップS108で乾燥運転時間が設定時間tk に達していないと判断されている制御フローである。
【0044】
従来例のように仮に時間Bで冷房運転が終了した直後に暖房運転を行うと、空調機内部には多量の水分が残留しているため、空調機内部を完全に乾燥するまでに多大な時間を要し、場合によっては空調機内部を乾燥しきれなく、かえって空調機内部を高湿な環境にして、かびや細菌類の生育を促してしまう危険性がある。また多量な水分が蒸発する時に臭いが大量発生し、使用者に不快感を与えてしまう。
【0045】
乾燥運転開始後、時間Dまでの暖房運転により得られる熱エネルギーは、室内熱交換器6を含む空調機本体内部にわずかに残留した水分の潜熱交換に使われる。したがって空調機内部の温度の上昇は一時停滞する。時間Dの時点で空調機内部に残留した水分が一気に蒸発をはじめ、この段階では空調機の内部は高温多湿状況となっている。
【0046】
時間D以降、再び空調機内部温度が上昇しはじめ、空調機内部湿度が急速に低下しはじめる。この状態は乾燥運転が終了する時間Eまで続き、時間Eで乾燥運転時間が設定時間ts に達し、乾燥運転を終了する。
【0047】
時間Eで乾燥運転が終了した後、空調機内部の温度は若干低下し、空調機内部の湿度は若干上昇するが、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部は十分に乾燥されており、かび等の細菌類が生育できない低湿な状況が形成され、空調機内部を清潔に保つことができる。
【0048】
実施形態2.
図5は本発明の請求項1,3に係る空調機の制御方法を実施するための制御装置を示すシステム構成図、図6はその電気回路図であり、各図中、前述の第1実施形態のものと同一部分には同一符号を付してある。
【0049】
この第2実施形態の空調機の制御装置は、冷房運転後に行う水切り運転の後に、室内熱交換器6等の内部構成部品を含む空調機本体5の内部を乾燥する乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段2Bが、室内熱交換器6の温度を検出する室内熱交換器温度検出器18と、室内熱交換器温度検出器18の検出値を設定値(設定温度)と比較して、検出値が設定温度を超えれば、乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段B(以下、これを第2乾燥運転終了検知手段という)19とから構成されている点が前述の第1実施形態の図1のものと異なっている。
【0050】
また、電気回路は、図6に示すように制御装置14に入力回路21を介して室内熱交換器温度20が入力されるようになっている点が前述の第1実施形態の図2のものと異なっている。それ以外の構成は前述の第1実施形態のものと同様である。
【0051】
この第2実施形態の空調機の制御装置においては、乾燥運転中に室内熱交換器6の温度を検出し、その検出温度が設定温度以上に達したときに乾燥運転を終了する。したがって、設定温度をかびやその他の細菌類が生育できない低湿度に相当する温度以上に設定しておけば、前述の第1実施形態と同様に、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部は確実に乾燥されて、かび等の細菌類が生育できない低湿な状況が形成され、空調機内部を清潔に保つことができる。なお、冷房運転後に開始される水切り運転の動作に関しては、前述の第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
【0052】
このように、この第2実施形態装置においては、乾燥運転中に室内熱交換器6の温度を検出し、その検出温度が設定温度以上に達したときに乾燥運転を終了させるようにしているので、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部を必要最小限の時間とエネルギーで効果的にかつ確実に乾燥させることができる。
【0053】
実施形態3.
図7は本発明の請求項1,4に係る空調機の制御方法を実施するための制御装置を示すシステム構成図、図8はその電気回路図であり、各図中、前述の第2実施形態のものと同一部分には同一符号を付してある。
【0054】
この第3実施形態の空調機の制御装置は、冷房運転後に行う水切り運転の後に、室内熱交換器6等の内部構成部品を含む空調機本体5の内部を乾燥する乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段2Cが、空調機内部の湿度を検出する空調機内部湿度検出器22と、空調機内部湿度検出器22の検出値を設定値(設定湿度)と比較して、検出値が設定湿度以下になれば、乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段C(以下、これを第3乾燥運転終了検知手段という)23とから構成されている点が前述の第2実施形態の図5のものと異なっている。
【0055】
また、電気回路は、図8に示すように制御装置14に入力回路21を介して空調機内部湿度24が入力されるようになっている点が前述の第2実施形態の図6のものと異なっている。それ以外の構成は前述の第2実施形態のものと同様である。
【0056】
この第3実施形態の空調機の制御装置においては、乾燥運転中に空調機内部の湿度を検出し、その検出湿度が設定湿度以下になれば乾燥運転を終了する。したがって、設定湿度をかびやその他の細菌類が生育できない低湿度以下に設定しておけば、前述の第1実施形態、第2実施形態と同様に、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部は確実に乾燥されて、かび等の細菌類が生育できない低湿な状況が形成され、空調機内部を清潔に保つことができる。なお、冷房運転後に開始される水切り運転の動作に関しては、前述の第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
【0057】
このように、この第3実施形態装置においては、乾燥運転中に空調機内部の湿度を検出し、その検出湿度が設定湿度以下になったときに乾燥運転を終了させるようにしているので、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部を必要最小限の時間とエネルギーで効果的にかつ確実に乾燥させることができる。
【0058】
実施形態4.
図9は本発明の請求項1,5に係る空調機の制御方法を実施するための制御装置を示すシステム構成図、図10はその冷房運転時間とその後の乾燥運転時間との関係を示す説明図であり、図9中、前述の第1実施形態のものと同一部分には同一符号を付してある。
【0059】
この第4実施形態の空調機の制御装置は、冷房運転後に行う水切り運転の後に、室内熱交換器6等の内部構成部品を含む空調機本体5の内部を乾燥する乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段2Dが、冷房運転の時間を計測する冷房運転時間計測手段25と、その計測された冷房運転時間を記憶する冷房運転時間記憶手段26と、冷房運転時間記憶手段26に記憶された冷房運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段A(以下、これを第1乾燥運転演算手段という)27とから構成されている点が前述の第1実施形態の図1のものと異なっている。なお、電気回路は図2のものと同一の構成を有する。それ以外の構成は前述の第1実施形態のものと同様である。
【0060】
この第4実施形態の空調機の制御装置においては、まず空調機が冷房運転をすると、冷房運転時間計測手段25が冷房運転時間を計測し、この計測値を冷房運転時間記憶手段26に記憶する。冷房運転が終了するとこの時点で冷房運転時間の計測と記憶を終了し、水切り運転を開始する。その後水切り運転が終了すると、乾燥運転が開始される。乾燥運転を行う時間は、冷房運転時間記憶手段26の記憶値に基づき、第1乾燥運転時間演算手段27によって図10のように演算される。すなわち、冷房運転の時間が長ければ室内熱交換器6を含む空調機内部に残留する水分量も多量となっているため、空調機内部を確実に乾燥しきれるよう乾燥運転を最長時間行う。逆に冷房運転の時間が短ければ空調機内部に残留している水分量はわずかであるため、乾燥運転も最短時間だけ実施すれば良い。乾燥運転時間をこのように決定することで、乾燥運転を不必要に長時間行うこともなく、エネルギーを浪費してしまうのを防ぐことができる。更に乾燥運転時間が短すぎて空調機内部を乾燥しきれずに、空調機内部をかびやその他の細菌類が生育しやすい多湿状況のまま乾燥運転が終了してしまうということも防止できる。なお、冷房運転後に開始される水切り運転の動作に関しては、前述の第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
【0061】
このように第4実施形態装置においては、乾燥運転を行う時間をドレン水の排出量に関係のある冷房運転時間により決定しているので、室内熱交換器6等の構成部品を含む空調機本体内部を必要最小限の時間とエネルギーで効果的にかつ確実に乾燥させることができる。
【0062】
実施形態5.
図11は本発明の請求項1,6に係る空調機の制御方法を実施するための制御装置を示すシステム構成図、図12はその冷房運転時の圧縮機の運転周波数とその後の乾燥運転時間との関係を示す説明図であり、図11中、前述の第4実施形態のものと同一部分には同一符号を付してある。
【0063】
この第5実施形態の空調機の制御装置は、冷房運転後に行う水切り運転の後に、室内熱交換器6等の内部構成部品を含む空調機本体5の内部を乾燥する乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段2Eが、冷房運転時の圧縮機7の運転周波数を記憶する冷房運転周波数記憶手段28と、冷房運転周波数記憶手段28に記憶された冷房運転時の圧縮機7の運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段B(以下、これを第2乾燥運転演算手段という)29とから構成されている点が前述の第4実施形態の図9のものと異なっている。なお、電気回路は図2のものと同一の構成を有する。それ以外の構成は前述の第4実施形態のものと同様である。
【0064】
この第5実施形態の空調機の制御装置においては、まず空調機が冷房運転をすると、この時の圧縮機7の運転周波数が冷房運転周波数記憶手段28に記憶される。冷房運転が終了すると、この時点で圧縮機7の運転周波数の記憶を終了し、水切り運転を開始する。その後水切り運転が終了すると、乾燥運転が開始される。乾燥運転を行なう時間は、冷房運転周波数記憶手段28の記憶値に基づき、第2乾燥運転時間演算手段29によって図12のように演算される。すなわち、冷房運転時の圧縮機運転周波数が大きければ、室内熱交換器6を含む空調機内部に蓄積される水分量も多量となっているため、空調機内部を確実に乾燥しきれるよう乾燥運転を最長時間行う。逆に冷房運転時の圧縮機運転周波数が小さければ空調機内部に残留する水分量はわずかであるため、乾燥運転も最短時間だけ実施すれば良い。乾燥運転時間をこのように決定することで、前記第4実施形態装置と同様に、乾燥運転を不必要に長時間行うこともなく、エネルギーを浪費してしまうのを防ぐことができる。更に乾燥運転時間が短すぎて空調機内部を乾燥しきれずに、空調機内部をかびやその他の細菌類が生育しやすい多湿状況のまま乾燥運転が終了してしまうということも防止できる。なお、冷房運転後に開始される水切り運転の動作に関しては、前述の第1実施形態のものと同様であるので説明を省略する。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1及び請求項7の発明によれば、冷房運転または除湿運転後に水切り運転を行い、この水切り運転によって空調機内部の水分をほとんど除去してから所定風向、所定風量にて乾燥運転を行うようにしたので、乾燥運転を非常に効率的に行うことができて、室内の臭い成分が凝縮した空調機本体内部にわずかに残留した水分が蒸発する際の臭いも激減され、空調室内及び使用者への影響を抑えることができ、空調機内部及び内部構成部品にかびやその他の細菌類が生育するのを防止し、清潔で健康的な状態に保つことができる。
【0066】
請求項2及び請求8の発明によれば、乾燥運転時間を計測しその計測値が所定値に達した時に、乾燥運転を終了させるようにしたので、乾燥運転時間を予め室内熱交換器等の内部構成部品を含む空調機本体内部を乾燥できる時間に設定することにより、安価な方法で空調機内部を短時間で効率的かつ確実に乾燥させることができる。
【0067】
請求項3及び請求項9の発明によれば、室内熱交換器の温度を検出しその温度検出値が所定値以上に達した時に、乾燥運転を終了させるようにしたので、室内熱交換器の温度の設定値を予め室内熱交換器等の内部構成部品を含む空調機本体内部を乾燥できる温度に設定することにより、空調機本体内部を必要最小限の時間とエネルギーで効果的かつ確実に乾燥させることができる。
【0068】
請求項4及び請求項10の発明によれば、空調機内部の湿度を検出しその湿度検出値が所定値以下に達した時に、乾燥運転を終了させるようにしたので、空調機内部の湿度を予め室内熱交換器等の内部構成部品を含む空調機本体内部を乾燥できる湿度に設定することにより、空調機本体内部を必要最小限の時間とエネルギーで効果的かつ確実に乾燥させることができる。
【0069】
請求項5及び請求項11の発明によれば、冷房または除湿運転の時間を計測して記憶しておき、その冷房または除湿運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより乾燥運転を行うようにしたので、冷房または除湿運転時間の長短に合わせて、室内熱交換器等の内部構成部品を含む空調機本体内部を確実に乾燥するのに最適な乾燥運転時間を求めることができる。
【0070】
請求項6及び請求項12の発明によれば、冷房または除湿運転時の圧縮機の運転周波数を記憶しておき、その運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより乾燥運転を行うようにしたので、冷房または除湿運転時の空調負荷状態に合わせて、室内熱交換器等の内部構成部品を含む空調機本体内部を確実に乾燥するのに最適な乾燥運転時間を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る空調機の制御装置のシステム構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る空調機の制御装置の電気回路図である。
【図3】 第1実施形態に係る空調機の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】 第1実施形態に係る空調機の制御装置の特性図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る空調機の制御装置のシステム構成図である。
【図6】 第2実施形態に係る空調機の制御装置の電気回路図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係る空調機の制御装置のシステム構成図である。
【図8】 第3実施形態に係る空調機の制御装置の電気回路図である。
【図9】 本発明の第4実施形態に係る空調機の制御装置のシステム構成図である。
【図10】 第4実施形態に係る空調機の制御装置の冷房運転時間とその後の乾燥運転時間との関係を示す説明図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係る空調機の制御装置のシステム構成図である。
【図12】 第5実施形態に係る空調機の制御装置の冷房運転時の圧縮機の運転周波数とその後の乾燥運転時間との関係を示す説明図である。
【図13】 第1従来例の空調機のシステム構成図である。
【図14】 第2従来例の空調機の概略構成図である。
【図15】 第3従来例の空調機のシステム構成図である。
【符号の説明】
1 水切り運転決定手段、2A,2B,2C,2D,2E 乾燥運転決定手段、3 乾燥運転時間計測手段、4 乾燥運転終了検知手段A、5 空調機本体、6室内熱交換器、7 圧縮機、8 冷房/ 暖房切換手段、9 吹出風量決定手段、10 室内送風機、11 吹出風向決定手段、12 吹出風向制御板、18 室内熱交換器温度検出器、19 乾燥運転終了検知手段B、22 空調機内部湿度検出器、23 乾燥運転終了検知手段C、25 冷房運転時間計測手段、26冷房運転時間記憶手段、27 乾燥運転時間演算手段A、28 冷房運転周波数記憶手段、29 乾燥運転時間演算手段B。
Claims (12)
- 圧縮機、室内熱交換器、室内送風機等からなる冷凍サイクルを備えた空調機において、冷房運転後または除湿運転後に空調機内部を乾燥させる乾燥運転を行う空調機の制御方法において、
冷房運転後または除湿運転後に室内熱交換器を含む空調機本体内部に付着した水分を前記室内送風機を弱風量にて運転させて除去する水切り運転を行う工程を実施し、
その後に引き続いて前記乾燥運転を行う工程を実施することを特徴とする空調機の制御方法。 - 前記乾燥運転は、乾燥運転時間を計測し、その乾燥運転時間の計測値が所定値に達した時に終了させることを特徴とする請求項1記載の空調機の制御方法。
- 前記乾燥運転は、前記室内熱交換器の温度を検出し、その温度検出値が所定値以上に達した時に終了させることを特徴とする請求項1記載の空調機の制御方法。
- 前記乾燥運転は、空調機内部の湿度を検出し、その湿度検出値が所定値以下に達した時に終了させることを特徴とする請求項1記載の空調機の制御方法。
- 前記乾燥運転は、冷房運転時間または除湿運転時間を計測して記憶しておき、その記憶された冷房(または除湿)運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより実施することを特徴とする請求項1または請求項2記載の空調機の制御方法。
- 前記乾燥運転は、冷房運転時または除湿運転時の前記圧縮機の運転周波数を記憶しておき、その記憶された冷房(または除湿)運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算することにより実施することを特徴とする請求項1または請求項2記載の空調機の制御方法。
- 圧縮機、室内熱交換器、室内送風機等からなる冷凍サイクルと、前記室内送風機により空調機本体から吹き出される風の方向を変える吹出風向制御板とを備えた空調機において、
冷房運転または除湿運転と暖房運転とを切り換える冷房/暖房切換手段と、
前記室内送風機の回転数を決定し空調機吹出風量を制御する吹出風量決定手段と、
前記吹出風向制御板を制御し吹出風向を決定する吹出風向決定手段と、
冷房運転後または除湿運転後に前記室内熱交換器を含む空調機本体内部に付着した水分を前記室内送風機を弱風量にて運転させて除去する水切り運転の内容を決定する水切り運転決定手段と、
水切り運転後に引き続いて、前記室内送風機を前記吹出風量決定手段により所定吹出風量に制御させるとともに、前記吹出風向制御板を前記吹出風向決定手段により吹出風向を制御させ、かつ前記圧縮機により暖房運転を行わせて、前記室内熱交換器の乾燥を行わせる乾燥運転の内容を決定する乾燥運転決定手段と、
を備えたことを特徴とする空調機の制御装置。 - 乾燥運転時間を計測する乾燥運転時間計測手段と、その乾燥運転時間計測手段の計測値が所定値に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Aを設けたことを特徴とする請求項7記載の空調機の制御装置。
- 前記室内熱交換器の温度を検出する室内熱交換器温度検出器と、その室内熱交換器温度の検出値が所定値以上に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Bを設けたことを特徴とする請求項7記載の空調機の制御装置。
- 空調機内部の湿度を検出する空調機内部湿度検出器と、その空調機内部湿度の検出値が所定値以下に達したことを検知して乾燥運転を終了させる乾燥運転終了検知手段Cを設けたことを特徴とする請求項7記載の空調機の制御装置。
- 冷房運転時間または除湿運転時間を計測する冷房運転時間計測手段と、その計測された冷房運転時間を記憶する冷房運転時間記憶手段と、その記憶された冷房運転時間の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段Aを設けたことを特徴とする請求項7または請求項8記載の空調機の制御装置。
- 冷房運転時または除湿運転時の前記圧縮機の運転周波数を記憶する冷房運転周波数記憶手段と、その記憶された冷房運転周波数の記憶値に基づいて乾燥運転時間を演算する乾燥運転時間演算手段Bを設けたことを特徴とする請求項7または請求項8記載の空調機の制御装置。
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