JP4003044B2 - パチンコ遊技機の外枠構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機の外枠構造に関し、更に詳細には、複数の枠部材から構成される外枠において、枠部材と枠部材とを補強部材を用いて強固に連結するようにしたパチンコ遊技機の外枠構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やアレンジボール機等のパチンコ遊技機は、縦長の矩形枠状に形成された外枠に、各種の遊技構成部材用の搭載枠ともされる前枠が着脱および開閉可能に装着され、これにより遊技機本体が構成されている。この外枠は、上枠部材、左枠部材、右枠部材および下枠部材を相互に連結することで構成されており、その連結構造としては、▲1▼各端部を相互に当接した枠部材の内側および外側に、L字型の板金を各枠部材に跨って当接しておき、枠部材および板金に穿設した通孔にカシメピンを挿通して端部をカシメることで相互に連結固定する形態や、▲2▼前記通孔に挿通したボルトにナットを締付けることで連結固定する形態等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、前記前枠に搭載される機構セット盤に組付けられる制御基板等の構成部材の増加によって、遊技機全体の重量が増加する傾向にある。これに伴いそれを支持する外枠自体の補強が望まれているが、前述した如く、板金と枠部材とをカシメる形態では必要十分な固定強度を得ることが困難で、経時的にガタが発生するおそれがあった。また、ボルトとナットとで締着固定する形態では、ナットの締着部近傍に負荷が集中して負担が掛かり過ぎ、前記板金や枠部材が変形する等の問題を招くおそれがある。更に、複数箇所で締着固定する場合に、各箇所でのボルトに対するナットの締付け力に差が生じていると、締着力の強い部分に負荷が集中して前記の問題が発生し易くなるため、締付け作業に際して作業者は神経質にならざるを得ず、煩わしい作業となっていた。更にまた、複数のナットの締付け作業が煩雑で、しかも細かい部品の点数が多くなる難点も指摘される。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、枠部材同士の連結を容易にすると共に、連結強度を向上し得るパチンコ遊技機の外枠構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本発明に係るパチンコ遊技機の外枠構造は、
上枠部材 (10) 、下枠部材 (11) 、左枠部材 (12) および右枠部材 (13)を相互に連結することで枠状に構成され、開口前面側に前枠が開閉および着脱可能に組付けられるパチンコ遊技機の外枠において、
前記上枠部材 (10) と右枠部材 (13) の連結については、
上枠部材 (10) と右枠部材 (13) の少なくとも一方の枠部材 (10,13) の連結部位 (10b,13a) に、他方の枠部材 (13,10) の連結部位 (13a,10b) に対して面接触可能な延出部 (35) が形成されると共に、前記延出部 (35) および他方の枠部材 (13,10) の連結部位 (13a,10b) に、ボルト挿通孔 (36,26) が夫々整列する位置に穿設され、
前記ボルト挿通孔 (36,26) が整列する状態で前記延出部 (35) と他方の枠部材 (13,10) の連結部位 (13a,10b) とを内外方向で重ね合わせると共に、内側に位置する前記延出部 (35) または他方の枠部材 (13,10) の連結部位 (13a,10b) の内面に補強部材 (15) の当接面部 (60) を面接触させた状態で、前記ボルト挿通孔 (36,26) に外側から挿通したボルト (25) を、該当接面部 (60) に螺設したネジ孔 (60a) に螺挿することで、上枠部材 (10) と右枠部材 (13) とを連結するよう構成し、
合成樹脂製の前記下枠部材 (11) と右枠部材 (13) の連結については、
下枠部材 (11) と右枠部材 (13) の少なくとも一方の枠部材 (11,13) の連結部位 (11b,13b) に、他方の枠部材 (13,11) の連結部位 (13b,11b) に対して面接触可能な延出部 (45) が形成されると共に、前記延出部 (45) および他方の枠部材 (13,11) の連結部位 (13b,11b) に、ボルト挿通孔 (40,47) が夫々整列する位置に穿設され、
前記ボルト挿通孔 (40,47) が整列する状態で前記延出部 (45) と他方の枠部材 (13,11) の連結部位 (13b,11b) とを内外方向で重ね合わせると共に、内側に位置する前記延出部 (45) または他方の枠部材 (13,11) の連結部位 (13b,11b) の内面に補強部材 (16,17) の当接面部 (62) を面接触させた状態で、前記ボルト挿通孔 (40,47) に外側から挿通したボルト (39) を、該当接面部 (62) に螺設したネジ孔 (16a,62a) に螺挿することで、下枠部材 (11) と右枠部材 (13) とを連結するよう構成し、
前記上枠部材 (10) と左枠部材 (12) の連結については、
上枠部材 (10) の左連結部位 (10a) および左枠部材 (12) の上連結部位 (12a) に、ボルト挿通孔 (24,31) が夫々穿設され、
L字状に形成された補強部材 (14) の水平な第1当接面部 (56) を上枠部材 (10) における左連結部位 (10a) の内面に面接触させると共に、該補強部材 (14) の垂直な第2当接面部 (57) を左枠部材 (12) における上連結部位 (12a) の内面に面接触させ、前記前枠の上部を開閉および着脱可能に支持する板金からL字状に形成された上連結部材 (18) の水平部 (58) を上枠部材 (10) における左連結部位 (10a) の外面に面接触させると共に、該上連結部材 (18) の垂直部 (59) を左枠部材 (12) における上連結部位 (12a) の外面に面接触させた状態で、上連結部材 (18) の水平部 (58) に穿設された通孔 (58a) に外側から挿通したボルト (23) を上枠部材 (10) における左連結部位 (10a) のボルト挿通孔 (24) に挿通し、該ボルト (23) を、前記補強部材 (14) の第1当接面部 (56) に螺設したネジ孔 (56a) に螺挿すると共に、上連結部材 (18) の垂直部 (59) に穿設された通孔 (59a) に外側から挿通したボルト (30) を左枠部材 (12) における上連結部位 (12a) のボルト挿通孔 (31) に挿通し、該ボルト (30) を、前記補強部材 (14) の第2当接面部 (57) に螺設したネジ孔 (57a) に螺挿することで、上枠部材 (10) と左枠部材 (12) とを連結するよう構成し、
前記下枠部材 (11) と左枠部材 (12) の連結については、
下枠部材 (11) に、左枠部材 (12) における下連結部位 (12b) の内側に面接触する延出部としての左側板 (44) が形成されると共に、該左側板 (44) から外方に延出する左受部 (42a) が形成され、
下枠部材 (11) に対して左枠部材 (12) は、前記左受部 (42a) に左枠部材 (12) の下連結部位 ( 12b) を載置すると共に、該下連結部位 (12b) の内側を左側板 (44) に面接触させた状態で、下連結部位 (12b) と左側板 (44) に夫々穿設されたボルト挿通孔 (33,47) が整列する位置に位置決めされ、
下枠部材 (11) に形成した設置部 (43b) に設置されて前記上連結部材 (18) と協働して前記前枠の下部を開閉および着脱可能に支持する補強部材としての板金から形成された下連結部材 (19) の当接面部 (19b) が左側板 (44) の内側に面接触するよう位置決めされ、
左枠部材 (12) の下連結部位 (12b) および左側板 (44) に穿設された前記ボルト挿通孔 (33,47) に外側から挿通したボルト (32) を、下連結部材 (19) の当接面部 (19b) に螺設したネジ孔 (19d) に螺挿することで、該下連結部材 (19) を介して下枠部材 (11) と左枠部材 (12) とを連結するよう構成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明では、合成樹脂製の前記右枠部材 (13) の上連結部位 (13a) に、前記上枠部材 (10) の右連結部位 (10b) が面接触するように載置される延出部 (35) が内側に延出するように形成されると共に、右枠部材 (13) と上枠部材 (10) とを連結する補強部材 (15) は、該補強部材 (15) に穿設した通孔 (61a) に挿通した仮ネジ (38) を右枠部材 (13) に螺設した仮ネジ孔 (37) に螺挿することで当接面部 (60) が延出部 (35) の内側に面接触するように位置決めされることを要旨とする。
請求項3に係る発明では、合成樹脂製の前記右枠部材 (13) の上連結部位 (13a) に、前記上枠部材 (10) の右連結部位 (10b) が面接触するように載置される延出部 (35) が内側に延出するように形成されると共に、右枠部材 (13) と上枠部材 (10) とを連結する補強部材 (15) は、該補強部材 (15) に形成した係合孔 (70) に右枠部材 (13) の内面に突設したフック形状の係止部材 (65) を係合することで当接面部 (60) が延出部 (35) の内側に面接触するように位置決めされることを要旨とする。
請求項4に係る発明では、前記下枠部材 (11) に、右枠部材 (13) における下連結部位 (13b) の内側に面接触する延出部としての右側板 (45) が形成されると共に、該右側板 (45) から外方に延出する右受部 (42b) が形成され、下枠部材 (11) に対して右枠部材 (13) は、前記右受部 (42b) に右枠部材 (13) の下連結部位 (13b) を載置すると共に、該下連結部位 (13b) の内側を右側板 (45) に面接触させた状態で位置決めされ、
位置決め孔 (16b) を穿設した補強部材 (16) が、前記右側板 (45) の内面に形成した位置決め凹部 (46) に嵌合されると共に、該位置決め凹部 (46) に突設した位置決めボス (48) が位置決め孔 (16b) に嵌挿された状態で、該補強部材 (16) が右側板 (45) の内側に面接触するよう位置決めされ、
第1通孔 (64a) を穿設した別の補強部材 (17) が、前記下枠部材 (11) に設けられた位置決め突部 (49) に突設した位置決めボス (50) を第1通孔 (64a) に嵌挿した状態で右側板 (45) の内側に面接触するよう位置決めされ、
右枠部材 (13) の下連結部位 (13b) および右側板 (45) に穿設されたボルト挿通孔 (40,47) に外側から挿通したボルト (39) を、対応する補強部材 (16) に螺設されたネジ孔 (16a) または別の補強部材 (17) に螺設されたネジ孔 (62a) に螺挿することで、右枠部材 (13) と下枠部材 (11) とを連結するよう構成し、
第1通孔 (64a) を穿設した補強部材 (17) が、前記下枠部材 (11) に設けられた位置決め突部 (49) に突設した位置決めボス (50) を第1通孔 (64a) に嵌挿した状態で、該補強部材 (17) の当接面部 (62) を前記左側板 (44) の内側に面接触するよう位置決めされ、
左枠部材 (12) の下連結部位 (12b) および左側板 (44) に穿設された前記ボルト挿通孔 (33,47) に外側から挿通したボルト (32) を、左側板 (44) の内側に位置決めされた補強部材 (17) の当接面部 (62) に螺設したネジ孔 (62a) に螺挿することで、該補強部材 (17) および前記下連結部材 (19) を介して下枠部材 (11) と左枠部材 (12) とを連結するよう構成したことを要旨とする。
請求項5に係る発明では、前記下枠部材 (11) に、効果音出力装置 (53) が取付けられる収容ボックス (54) を一体的に形成したことを要旨とする。
【0007】
【作用】
相互に連結される2つの枠部材は、該枠部材の連結部位に穿設されたボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、該枠部材の内面に当接面部が面接触する補強部材のネジ孔に螺挿することで連結される。すなわち、補強部材は枠部材に対して面接触するから、ボルトの締付け力が部分的に集中することはなく、略均等に分散されて安定した連結強度が得られる。また、補強部材自体にネジ孔が螺設されているから、ボルトの締付け作業が簡単で、しかも部品点数を低減することができる。
【0008】
相互に連結される2つの枠部材の一方の枠部材に形成した延出部と、他方の枠部材の連結部位とを重ね合わせた状態で、両部に穿設されたボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、内側に位置する延出部または連結部位に当接面部が面触接する補強部材のネジ孔に螺挿することで、両枠部材は連結される。すなわち、この場合も前述したと同様に安定した連結強度が得られると共に、補強部材と連結部位または補強部材と延出部とで残る延出部または連結部位を挟んで連結し得るから、連結強度が更に向上する。なお、枠部材に補強部材の位置決め手段を設けることで、連結作業が更に簡単になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機の外枠構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施例に係る外枠Aを分解した状態で背面側から視たものであって、該外枠Aは、上辺を構成する木製の上枠部材(枠部材)10と、下辺を構成する合成樹脂製の下枠部材(枠部材)11と、左辺を構成する木製の左枠部材(枠部材)12および右辺を構成する合成樹脂製の右枠部材(枠部材)13とから基本的に構成される。そして、上枠部材10を左枠部材12に第1の補強部材14を介して連結固定すると共に、該上枠部材10を右枠部材13に第2の補強部材15を介して連結固定し、更に下枠部材11を右の枠部材13に第3の補強部材16および第4の補強部材17を介して連結固定すると共に該下枠部材11を左の枠部材12に第4の補強部材17および第5の補強部材19を介して連結固定することで、当該外枠Aは縦長矩形状の枠体として構成される(図2,図3参照)。そして、この外枠Aの開口前面側に、各種の遊技構成部材用の搭載枠ともされる前枠(図示せず)が、後述する連結部材18,19および施錠手段20を利用して開閉および着脱可能に組付けられるようになっている。なお、実施例で左右とは、外枠Aを図2のように正面側から視た状態で指称するものである。
【0011】
(上枠部材)
前記上枠部材10は、図1〜図3に示すように、所要厚みの長尺な板材で構成され、その左側端部に設定される左連結部位(連結部位)10aの上面には、上連結部材18の厚みと略同等分だけ凹む段部21が所定長さに亘って形成されると共に、該左連結部位10aにおける端縁の前後方向の中央に、ほぞ溝22が形成されている。また段部21には、図7に示す如く、上第1ボルト(ボルト)23の挿通を許容する複数(実施例では4つ)の上第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)24が、所定パターンで上下に貫通するよう穿設される。更に、上枠部材10の右側端部に設定される右連結部位(連結部位)10bには、図8に示す如く、上第2ボルト(ボルト)25の挿通を許容する複数(実施例では3つ)の上第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)26が、所定パターンで上下に貫通するよう穿設されている。なお実施例では、上第1ボルト挿通孔24が仮想四角形の各角部に位置するパターンで穿設され、また上第2ボルト挿通孔26が仮想三角形の各角部に位置するパターンで穿設してある。また上第2ボルト挿通孔26の上部には、上第2ボルト25の頭部および該ボルト25が挿通されるワッシャ27を収容し得る大きさの大径凹部26aが形成され、該頭部が上枠部材10から大きく突出しないよう構成される(図6参照)。
【0012】
(左枠部材)
前記左枠部材12は、図1〜図3に示す如く、前記上枠部材10と同様に所要厚みの長尺な板材で構成されたものであって、上側端部に設定される上連結部位(連結部位)12aの外面には、図7に示す如く、前記上連結部材18の厚みと略同等分だけ凹む段部28が所定長さに亘って形成されると共に、該上連結部位12aにおける端縁の前後方向の中央に、前記上枠部材10のほぞ溝22に嵌合可能なほぞ29が突設されており、該ほぞ溝22にほぞ29を嵌合することで上枠部材10に左枠部材12が直角に組付けられるよう構成される。また段部28には、左第1ボルト(ボルト)30の挿通を許容する複数(実施例では4つ)の左第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)31が、所定パターンで左右に貫通するよう穿設される。更に、左枠部材12の下側端部に設定される下連結部位(連結部位)12bには、左第2ボルト(ボルト)32の挿通を許容する複数(実施例では6つ)の左第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)33が、所定パターンで左右に貫通するよう穿設されている。なお実施例では、左第1ボルト挿通孔31が仮想四角形の各角部に位置するパターンで穿設され、また左第2ボルト挿通孔33が仮想四角形の各角部および上側の角部が上方に平行移動した2箇所に位置するパターンで穿設してある(図1参照)。また左枠部材12においても、左第2ボルト挿通孔33の外部側には、左第2ボルト32の頭部および該ボルト32が挿通されるワッシャ34を収容し得る深さの大径凹部33aが形成され、該頭部が左枠部材12から大きく突出しないよう構成される。
【0013】
(右枠部材)
前記右枠部材13は、図1〜図3に示すように、前記左枠部材12と略同一の長さ寸法に設定された所要厚みを有する合成樹脂製の板状部材であって、その上側端部に設定される上連結部位(連結部位13aには、前記外枠Aの内側に向けて所定長さで水平に延出する延出部35が一体に形成されており、前記上枠部材10と右枠部材13とを連結する際には、この延出部35の上面を上枠部材10における右連結部位10bの下面に面接触した状態で上下(内外方向)に重ね合わされるよう構成される。この延出部35には、図8に示す如く、前記上枠部材10に穿設された各上第2ボルト挿通孔26と整列可能な対応位置に、前記上第2ボルト25の挿通を許容する右第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)36が上下に貫通するよう穿設してある。また延出部35の下方に臨む右枠部材13には、該右枠部材13と上枠部材10とを連結固定する前記第2の補強部材15を仮止めする位置決め手段としての仮ネジ孔37が左右方向に螺設されており、該補強部材15の通孔61a(後述)に挿通した仮ネジ38を該仮ネジ孔37に螺挿することで第2の補強部材15が仮止めされるようになっている。
【0014】
前記右枠部材13の下側端部に設定される下連結部位(連結部位)13bには、図5および図9に示す如く、右第1ボルト(ボルト)39の挿通を許容する複数(実施例では6つ)の右第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)40が、前記左第2ボルト挿通孔33と同一パターンで左右に貫通するよう穿設されている。また右第2ボルト挿通孔40の外部側には、右第1ボルト39の頭部および該ボルト39が挿通されるワッシャ41を収容し得る深さの大径凹部40aが形成され、該頭部が右枠部材13から大きく突出しないよう構成される。なお、この右枠部材13に、前記施錠装置20が配設されるようになっている。
【0015】
(下枠部材)
前記下枠部材11は合成樹脂製であって、図1〜図3に示すように、前記上枠部材10と略同一の長さ寸法に設定されて下面を構成する底板42と、この底板42の前端縁から所定高さで立上がって前面を構成する前板43および底板42の長手方向両端部に設定される左右の連結部位11a,11bから所定高さで立上がって側面を構成する延出部としての左右の側板44,45から、上方および後方に開放する箱枠状に形成されている。また底板42には、両側板44,45から外方に延出する左右の受部42a,42bが一体に形成され、図6に示す如く、前記左右の枠部材12,13の下面が対応する左右の受部42a,42b上に載置されるようになっている。そしてこの状態で、左右の側板44,45の外面が左右の枠部材12,13における下連結部位12b,13bの内面に面接触した状態で左右(内外方向)に重ね合わされるよう構成される。なお、左右の側板44,45に設けられる連結構造は略対称であるので、右側板45に設けられる連結構造について主に説明し、左側板44側の連結構造の同一部材には同じ符号を付すと共に異なる部分のみ説明することとする。
【0016】
図9に示す如く、右側板45の上端部側における内面に、前記第3の補強部材16を位置決め嵌合可能な位置決め凹部46が形成されると共に、該凹部46内には、前記右枠部材13における上段の右第2ボルト挿通孔40,40と対応する前後方向に離間する位置に2つの下第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)47,47が左右方向に貫通するよう穿設されている。また位置決め凹部46内には、両下第1ボルト挿通孔47,47の中間位置に位置決めボス48が内側に向けて突設され、該ボス48が第3の補強部材16の位置決め孔16b(後述)に嵌挿されるようになっている。すなわち、位置決め凹部46および位置決めボス48が、第3の補強部材16の位置決め手段として機能するよう構成されている。更に、位置決め凹部46より下方の右側板45には、前記右枠部材13における下段および中段の右第2ボルト挿通孔40,40と対応する位置にも、夫々下第1ボルト挿通孔47が左右方向に貫通するよう穿設してある。
【0017】
前記前板43における左側板44側の上面に、前記下連結部材19の設置部43bが形成され、該設置部43bと左側板内面とによって、第5の補強部材としても機能する下連結部材19が位置決めされるよう構成される。なお、左側板44における設置部43bより上方には、前記左枠部材12における上段の左第2ボルト挿通孔33,33と対応する前後方向に離間する位置に2つの下第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)47,47が左右方向に貫通するよう穿設してある。また設置部43bには、下連結部材19を下枠部材13に固定するためのネジ孔43cが上下方向に螺設されている。更に、設置部43bより下方の左側板44には、左枠部材12における下段および中段の左第2ボルト挿通孔33,33と対応する位置にも、夫々下第1ボルト挿通孔47が左右方向に貫通するよう穿設されている。
【0018】
前記右側板45に近接する前板43には、下段および中段の下第1ボルト挿通孔47,47の間に臨む位置に、後方に向けて位置決め突部49が突設され、該位置決め突部49の突出端部には、上下に離間して一対の位置決めボス50,50が突設されている。そして、前記第4の補強部材17の第1通孔64a,64a(後述)に対応する位置決めボス50,50が嵌挿されることで、該補強部材17の右側板45に対する位置決めがなされるよう構成してある。また位置決め突部49における両位置決めボス50,50の間に臨む位置に仮ネジ孔51が螺設されており、前記第4の補強部材17の第2通孔64b(後述)に挿通した仮ネジ52を該仮ネジ孔51に螺挿することで、該補強部材17を右側板45に対して仮止めし得るようになっている。すなわち、位置決め突部49に設けた位置決めボス50および仮ネジ孔51が、第4の補強部材17の位置決め手段として機能するよう構成されている。なお、左側板44に近接する前板43にも、同じく位置決め突部49が突設されて、該突部49を介して第4の補強部材17が仮止めされるようになっている。
【0019】
前記前板43の裏側には、パチンコゲーム中に発生される様々な遊技状態に応じて各種効果音を出力し得る効果音出力装置53が配設される収容ボックス54が一体的に形成されている。なお実施例では、前板43の左右に離間する位置に一対の装着孔43a,43aが形成され、各装着孔43aに対応して効果音出力装置53が夫々配設されるようになっている。図1において符号55は、収容ボックス54に配設された効果音出力装置53,53の後側を被覆して、所謂エンクロージャー構造とするカバー体を示す。
【0020】
(第1の補強部材)
前記上枠部材10と左枠部材12とを連結固定する第1の補強部材14は、図6および図7に示す如く、板金をL字状に折曲形成して構成され、水平な第1当接面部(当接面部)56と垂直な第2当接面部(当接面部)57とを略直交する位置に備えている。第1当接面部56には、上枠部材10の前記上第1ボルト挿通孔24の夫々と対応する位置に上ネジ孔(ネジ孔)56aが螺設されており、該第1当接面部56の上面を上枠部材10における左連結部位10aの下面に面接触した状態で、前記上連結部材18の上通孔58a(後述)および上枠部材10の上第1ボルト挿通孔24に挿通された上第1ボルト23を上ネジ孔56aに螺挿することで、上枠部材10に第1の補強部材14がネジ止め固定されるようになっている。また第2当接面部57には、左枠部材12の前記左第1ボルト挿通孔31の夫々と対応する位置に左ネジ孔(ネジ孔)57aが螺設されており、該第2当接面部57の外面を左枠部材12における上連結部位12aの内面に面接触した状態で、前記上連結部材18の横通孔59a(後述)および左枠部材12の左第1ボルト挿通孔31に挿通された左第1ボルト30を左ネジ孔57aに螺挿することで、上枠部材10と左枠部材12とは第1の補強部材14を介して連結固定される。
【0021】
前記上連結部材18は、前記下枠部材11に配設される下連結部材19と協働して前枠を開閉および着脱可能に支持するものであって、図7に示す如く、板金をL字状に折曲形成して構成され、その水平部58および垂直部59が、対応する枠部材10,12における段部21,28に面接触するよう位置決めされるようになっている(図6参照)。また、上連結部材18の水平部58に、上枠部材10の前記上第1ボルト挿通孔24の夫々と対応する位置に上通孔58aが穿設されると共に、垂直部59に、左枠部材12の左第1ボルト挿通孔31の夫々と対応する位置に横通孔59aが穿設されている。
【0022】
(第2の補強部材)
前記上枠部材10と右枠部材13とを連結固定する第2の補強部材15は、図8に示す如く、板金を略L字状に折曲形成して構成され、そのコ字状に形成された水平な当接面部60には、右枠部材13の前記延出部35に穿設された前記右第1ボルト挿通孔36の夫々と対応する位置にネジ孔60aが螺設されている。すなわち、図6に示すように該当接面部60の上面を延出部35の下面に面接触した状態で、前記上枠部材10の上第2ボルト挿通孔26および右第1ボルト挿通孔36に挿通された上第2ボルト25をネジ孔60aに螺挿することで、上枠部材10と右枠部材13とが第2の補強部材15を介して連結固定されるようになっている。なお、コ字状とされた当接面部60における右枠部材13を向く端部から垂下する平面クランク形状の取付部61の適宜位置には、前記仮ネジ38が挿通される通孔61aが左右に貫通するよう穿設されている。そして、該通孔61aに挿通した仮ネジ38を、右枠部材13の前記仮ネジ孔37に螺挿することで、当該第2の補強部材15は、当接面部60の上面が延出部35の下面に面接触すると共に、右第1ボルト挿通孔36の夫々にネジ孔60aが整列する位置に仮止めされるよう構成してある。
【0023】
(第3の補強部材)
前記下枠部材11と右枠部材13を連結固定する第3の補強部材16は、図9に示す如く、平板状の板金部材からなり、前記右側板45に形成した位置決め凹部46に位置決め嵌合させた際に、前記下第1ボルト挿通孔47,47と対応する位置にネジ孔16aが夫々螺設されている。またこのとき、第3の補強部材16の外面が右側板45に面接触するようになっており、該補強部材16においては外面全体が当接面部として機能する。そして、右枠部材13における最上段の右第2ボルト挿通孔40および下枠部材11の下第1ボルト挿通孔47に挿通した右第1ボルト39をネジ孔16aに螺挿することで、下枠部材11と右枠部材13とが第3の補強部材16を介して組付け固定されるよう構成される。なお、第3の補強部材16には、前後方向の略中央位置に、右側板45の位置決めボス48が嵌挿される位置決め孔16bが穿設されている。
【0024】
(第4の補強部材)
前記下枠部材11と左右の枠部材12,13を連結固定する第4の補強部材17は、図9に示す如く、上下に離間する当接面部62,62と、両当接面部62,62を連結する連結部63とから基本的に構成されており、各当接面部62には、左右の側板44,45における下第1ボルト挿通孔47,47と対応する位置にネジ孔62aが夫々螺設されている。すなわち、左右の枠部材12,13の下段および中段における左右の第2ボルト挿通孔33,40および下枠部材11の下第1ボルト挿通孔47に挿通した左第2ボルト32または右第1ボルト39をネジ孔62aに螺挿することで、下枠部材11と左右の枠部材12,13とが第4の補強部材17を介して連結固定されるよう構成してある。
【0025】
なお、前記連結部63には、側板44,45から離間する内側に向けて直角に折曲された位置決め片64が形成されており、該位置決め片64に、前記下枠部材11における前板43に形成された前記位置決め突部49の位置決めボス50が嵌挿される第1通孔64aが上下に離間して穿設されている。また連結部63における上下方向の略中央に前記仮ネジ52が挿通される第2通孔64bが穿設され、該第2通孔64bに挿通した仮ネジ52を、位置決め突部49の前記仮ネジ孔51に螺挿することで、当該第4の補強部材17は、前記各当接面部62の外面が側板44,45の内面に面接触すると共に、下第1ボルト挿通孔47の夫々にネジ孔62aが整列する位置に仮止めされるよう構成される。
【0026】
(第5の補強部材)
前記下枠部材11と左枠部材12を連結固定する第5の補強部材としても機能する前記下連結部材19は、図1に示す如く、平板状の板金部材を逆L字状に折曲形成して構成され、その水平部19aには前記前板43における設置部43bのネジ孔43cに対応する位置に挿通孔19cが穿設されており、該挿通孔19cに挿通したボルト71を、ネジ孔43cに螺挿することで、当該下連結部材19が下枠部材11に位置決め固定されるよう構成される。また、水平部19aを設置部43bに載置した際に、下連結部材19の垂直部19bにおける前記下第1ボルト挿通孔47,47と対応する位置にネジ孔19dが夫々螺設されている。このとき、下連結部材19における垂直部19bの外面が左側板44に面接触するようになっており、該下連結部材19においては垂直部19bが当接面部として機能する。そして、左枠部材12における最上段の左第2ボルト挿通孔33および下枠部材11の下第1ボルト挿通孔47に挿通した左第2ボルト32をネジ孔19dに螺挿することで、下枠部材11と左枠部材12とが下連結部材19を介して組付け固定されるよう構成される。
【0027】
【実施例の作用】
このように構成された実施例に係るパチンコ遊技機の外枠構造の作用につき、各枠部材同士を連結する場合を個別に説明する。
【0028】
(上枠部材と左枠部材との連結について)
前記上枠部材10のほぞ溝22に、左枠部材12のほぞ29を嵌合することで、両枠部材10,12を直角に組付ける。この状態で、上枠部材10の段部21および左枠部材12の段部28に、前記上連結部材18の対応する水平部58および垂直部59を面接触するように位置決めする。また上枠部材10の左連結部位10aの下面および左枠部材12の上連結部位12aの内面に、図6に示す如く、前記第1の補強部材14の対応する第1当接面部56および第2当接面部57を夫々面接触するように位置決めする。このとき、上連結部材18における水平部58の上通孔58a、上枠部材10の上第1ボルト挿通孔24および第1の補強部材14における第1当接面部56の上ネジ孔56aが上下方向に整列すると共に、上連結部材18における垂直部59の横通孔59a、左枠部材12の左第1ボルト挿通孔31および第1の補強部材14における第2当接面部57の左ネジ孔57aが左右方向に整列している。従って、上通孔58aおよび上第1ボルト挿通孔24に外側(上側)から挿通した上第1ボルト23を上ネジ孔56aに螺挿すると共に、横通孔59aおよび左第1ボルト挿通孔31に外側(左側)から挿通した左第1ボルト30を左ネジ孔57aに螺挿することで、両枠部材10,12の連結部位10a,12aが上連結部材18と第1の補強部材14とで挟持された状態で連結固定される。
【0029】
前記第1の補強部材14にボルト23,30が螺挿されるネジ孔56a,57aを直に螺設してあるから、ナットを不要として部品点数を低減し得る。しかも、第1の補強部材14における両当接面部56,57は、対応する枠部材10,12に面接触しているから、ボルト23,30の締付け位置(ネジ孔56a,57a)の近傍にのみ負荷が加わることなく当接面の全体に力を均等に分散させることができ、これにより該補強部材14や枠部材10,12を変形させることなく連結強度を向上することができる。また、1箇所のネジ孔56a,57aに第1ボルト23,30を螺挿すれば、他のネジ孔56a,57aは対応する通孔58a,24/59a,31に整列するから、各第1ボルト23,30を螺挿する毎に補強部材14の位置調整を行なう必要はなく、作業の容易化が図られる。
【0030】
(上枠部材と右枠部材との連結について)
前記上枠部材10と右枠部材13との連結に先立ち、該右枠部材13における延出部35の下側に、前記第2の補強部材15の通孔61aに挿通した仮ネジ38を仮ネジ孔37に螺挿することで、該第2の補強部材15を、その当接面部60の上面が延出部35の下面に面接触すると共に、右第1ボルト挿通孔36の夫々にネジ孔60aが整列する位置に仮止めする。この状態で、上枠部材10における右連結部位10bの下面に、右枠部材13における延出部35の上面を面接触させる。このとき、上枠部材10の上第2ボルト挿通孔26と延出部35の右第1ボルト挿通孔36および第2の補強部材15のネジ孔60aが上下方向に整列する。従って、上第2ボルト挿通孔26および右第1ボルト挿通孔36に外側(上側)から挿通した上第2ボルト25をネジ孔60aに螺挿することで、両枠部材10,13の連結部位10b,13aが第2の補強部材15で連結固定される。
【0031】
この上枠部材10と右枠部材13とは、該右枠部材13の延出部35を上枠部材10と第2の補強部材15とで挟持した状態で連結固定されるから、その連結強度は向上する。また、第2の補強部材15に上第2ボルト25が螺挿されるネジ孔60aを直に螺設してあるから、ナットを不要として部品点数を低減し得る。しかも、第2の補強部材15における当接面部60は延出部35に面接触しているから、上第2ボルト25の締付け位置(ネジ孔60a)の近傍にのみ負荷が加わることなく当接面の全体に力を均等に分散させることができ、これにより該補強部材15や枠部材10,13に割れやひずみ等を生じさせることなく連結強度を向上することができる。また、第2の補強部材15は右枠部材13に予め位置決めされているから、連結作業に際して作業者は該補強部材15を保持しながらボルト締めを行なう必要はなく、作業の容易化が図られる。
【0032】
(下枠部材と右枠部材との連結について)
前記下枠部材11と右枠部材13との連結に先立ち、前記第3の補強部材16を、その位置決め孔16bに前記右側板45の位置決め凹部46に設けた位置決めボス48が嵌挿されるように位置決め凹部46に嵌合する。これにより、第3の補強部材16は、その外面が右側板45の内面に面接触すると共に、下第1ボルト挿通孔47,47にネジ孔16a,16aが整列する位置に仮止される。また前記前板43に形成された位置決め突部49の位置決めボス50,50を、前記第4の補強部材17の第1通孔64a,64aに嵌挿すると共に、該補強部材17の第2通孔64bに挿通した仮ネジ52を位置決め突部49の仮ネジ孔51に螺挿する。これにより、第4の補強部材17は、前記当接面部62,62の外面が右側板45の内面に面接触すると共に、下第1ボルト挿通孔47,47のネジ孔62a,62aが整列する位置に仮止めされる。
【0033】
前記右枠部材13の下面を、下枠部材11における前記右受部42bに載置すると共に、該右枠部材13における下連結部位13bの内面を右側板45の外面に面接触させる。このとき、右枠部材13の右第2ボルト挿通孔40と右側板45の下第1ボルト挿通孔47および第3の補強部材16のネジ孔16aまたは第4の補強部材17のネジ孔62aが左右方向に整列する。従って、右第2ボルト挿通孔40および下第1ボルト挿通孔47に外側(右側)から挿通した右第1ボルト39を対応するネジ孔16a,62aに螺挿することで、両枠部材11,13の連結部位11b,13bが第3および第4の補強部材16,17で連結固定される。
【0034】
この下枠部材11と右枠部材13とは、該下枠部材11の右側板45を右枠部材13と第3および第4の補強部材16,17とで挟持した状態で連結固定されるから、その連結強度は向上する。また、第3および第4の補強部材16,17に右第1ボルト39が螺挿されるネジ孔16a,62aを直に螺設してあるから、ナットを不要として部品点数を低減し得る。しかも、第3および第4の補強部材16,17における外面や当接面部62は右側板45に面接触しているから、ボルト39の締付け位置(ネジ孔16a,62a)の近傍にのみ負荷が加わることなく当接面の全体に力を均等に分散させることができ、これにより該補強部材16,17や枠部材11,13を変形させることなく連結強度を向上することができる。また、第3および第4の補強部材16,17は下枠部材11に予め位置決めされているから、連結作業に際して作業者は該補強部材16,17を保持しながらボルト締めを行なう必要はなく、作業の容易化が図られる。
【0035】
(下枠部材と左枠部材との連結について)
前記下枠部材11と左枠部材12との連結に先立ち、前記下連結部材19を、その挿通孔19cが前記前板43における設置部43bのネジ孔43cと一致するように、前記水平部19aを該設置部43bに載置する。これにより、下連結部材19は、その垂直部19bの外面が左側板44の内面に面接触すると共に、下第1ボルト挿通孔47,47にネジ孔19d,19dが整列する位置に固定される。また前記第4の補強部材17を、前述したと同様に前板43に形成された位置決め突部49に仮止めする。
【0036】
前記左枠部材12の下面を、下枠部材11における前記左受部42aに載置すると共に、該左枠部材12における下連結部位12bの内面を左側板44の外面に面接触させる。このとき、左枠部材12の左第2ボルト挿通孔33と左側板44の下第1ボルト挿通孔47および下連結部材19のネジ孔19dまたは第4の補強部材17のネジ孔62aが左右方向に整列する。従って、左第2ボルト挿通孔33および下第1ボルト挿通孔47に外側(左側)から挿通した左第2ボルト32を対応するネジ孔19d,62aに螺挿することで、両枠部材11,12の連結部位11a,12bが下連結部材19および第4の補強部材17で連結固定される。
【0037】
この下枠部材11と左枠部材12とは、該下枠部材11の左側板44を左枠部材12と下連結部材19および第4の補強部材17で挟持した状態で連結固定されるから、その連結強度は向上する。また、下連結部材19および第4の補強部材17に左第2ボルト32が螺挿されるネジ孔19d,62aを直に螺設してあるから、ナットを不要として部品点数を低減し得る。しかも、下連結部材19および第4の補強部材17における外面や当接面部62は左側板44に面接触しているから、ボルト32の締付け位置(ネジ孔19d,62a)の近傍にのみ負荷が加わることなく当接面の全体に力を均等に分散させることができ、これにより下連結部材19や第4の補強部材17あるいは枠部材11,12を変形させることなく連結強度を向上することができる。また、下連結部材19および第4の補強部材17は下枠部材11に予め位置決めされているから、連結作業に際して作業者は下連結部材19や補強部材17を保持しながらボルト締めを行なう必要はなく、作業の容易化が図られる。
【0038】
前述したように、各枠部材10,11,12,13同士の連結部の強度が個々に向上したことで、外枠A自体の強度も向上し、重量のある前枠を組付けた際の必要充分な強度が確保される。
【0039】
なお、実施例では外枠Aを構成する下枠部材11に、図1に示すように効果音出力装置53が取付けられる収容ボックス54を一体的に形成したので、該ボックス54を別体で取付ける必要はなく、部品点数を低減し得ると共に組付け工数も低減することができる。ここで、前記効果音出力装置53は、従来は前枠に取付けられていたため、外枠に対して前枠の重量のみが重くなっていたが、該出力装置53を外枠Aに配設することで、前枠の重量を軽減することが可能となった。
【0040】
【別実施例】
図10は、補強部材と枠部材とを仮止めするための位置決め手段の別実施例を示すものであって、該例では右枠部材13と第2の補強部材15との関係で説明するが、他の枠部材と補強部材に採用し得ることは勿論である。
【0041】
図10に示す如く、右枠部材13における延出部35より下方位置の内面に、前後方向に離間して一対のフック状の係止部材(位置決め手段)65,65が突設されている。各係止部材65は、右枠部材13の内面から所定高さで立上がる基部66と、該基部66の先端から下方に向けて右枠部材13と平行に延在する所定長さの弾性変形可能な支持部67と、該支持部67の先端から右枠部材13の内面側に突出する係止部68とから構成されている。
【0042】
これに対し、第2の補強部材15は、コ字状に形成された当接面部60の両開放端から下方に垂直する垂直部69,69に、略矩形状に係合孔70が夫々形成されている。この係合孔70は、前記係止部材65の挿通を許容する開口寸法に設定され、また係合孔70の下端縁部(当接面部60から離間する側)から垂直部69の開放端までの間に亘む嵌合部69aの長さが、係止部材65における基部66から係止部68までの離間長さと略同等に設定されている。更に、嵌合部69aの厚みが、係止部材65の支持部67の内面と右枠部材13の内面との離間長さと略同等に設定される。
【0043】
すなわち、右枠部材13に第2の補強部材15を仮止めする際には、該補強部材15の垂直部69,69を対応する係止部材65,65と対向した姿勢で、該係止部材65,65が前記係合孔70,70に挿入されるように第2の補強部材15を右枠部材13の内面に近接する。そして、第2の補強部材15における垂直部69,69の外面が右枠部材13の内面に当接した状態で、該補強部材15を上方に引上げる。このとき、垂直部69の嵌合部69aが係止部材65の係止部68に当接してこれを押上げつつ支持部67と右枠部材13との間に入り込み、該嵌合部69aから係止部68が外れる位置に到来すると、係止部68が支持部67の弾性変形により元の状態に戻り、該係止部68が嵌合部69aの開放端に係合することで、第2の補強部材15は右枠部材13に対して前述した実施例と同様の位置に仮止めされる。なお、係止部68と嵌合部69aとの対向面に対応するテーパ面68a,69bを形成することで、係止部材65に対する第2の補強部材15の嵌め込みが容易となる。そして、このように構成した別実施例の位置決め手段では、仮止めするためのネジを必要としないので、部品点数を低減することができる。
【0044】
【変更例】
実施例では、上枠部材と左枠部材を木製、右枠部材と下枠部材を合成樹脂製とした場合で説明したが、その材質は実施例のものに限定されるものでなく、木、合成樹脂または金属等を適宜に使用可能である。また枠部材に設けた延出部を、連結対象となる枠部材の内面に面接触させたが、該延出部を連結対象となる枠部材の外面に面接触させ、該延出部と補強部材とで枠部材を挟持した状態で連結固定する構成を採用し得る。更に、各枠部材の連結部で用いられるボルトの使用本数は実施例の数に限定されず、使用強度等に応じて適宜に選定し得るものである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した如く、本願の請求項1に係るパチンコ遊技機の外枠構造によれば、枠部材同士を連結する補強部材にボルトが螺挿されるネジ孔を直に螺設したから、ナットを不要として部品点数を低減することができると共に、連結作業も容易となる。また補強部材における当接面部を、対応する枠部材に面接触させることで、ボルトの締付け位置の近傍にのみ負荷が加わることなく当接面の全体に力を均等に分散させることができ、これにより補強部材や枠部材を変形させることなく連結強度を向上し得る。更に、枠部材に設けた延出部を枠部材と補強部材、または枠部材を延出部と補強部材とで挟持した状態で連結固定するから、その連結強度は更に向上する。
【0046】
請求項2 ,3, 4に係る外枠構造では、枠部材に補強部材を、仮ネジと仮ネジ孔、係止部材と係合孔、位置決めボスと位置決め孔または位置決めボスと第1通孔を介して予め位置決めし得るから、連結作業に際して作業者は補強部材を保持しながらボルト締めを行なう必要はなく、作業の容易化が図られる。なお、請求項3に係る外枠構造のようにフック形状の係止部材と係合孔で位置決めすれば、仮止めするためのネジを必要としないので、部品点数を低減することができると共に、枠部材に対する補強部材の位置決め作業を簡単に行なうことができる。更に、請求項5に係る外枠構造では、収容ボックスを下枠部材に一体的に形成したから、該ボックスを別体で取付ける必要はなく、部品点数を低減し得ると共に組付け工数も低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る外枠を分解状態で背面側から示す概略斜視図である。
【図2】実施例に係る外枠の正面図である。
【図3】実施例に係る外枠の背面図である。
【図4】実施例に係る外枠の左側面図である。
【図5】実施例に係る外枠の右側面図である。
【図6】実施例に係る外枠の各枠部材の連結部を示す拡大背面図である。
【図7】実施例に係る上枠部材と左枠部材との連結部を分解して示す概略斜視図である。
【図8】実施例に係る上枠部材と右枠部材との連結部を分解して示す概略斜視図である。
【図9】実施例に係る下枠部材と右枠部材との連結部を分解して示す概略斜視図である。
【図10】枠部材に対して補強部材を仮止めする位置決め手段の別実施例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 上枠部材(枠部材),10a 左連結部位(連結部位)
10b 右連結部位(連結部位),11 下枠部材(枠部材)
11a 左連結部位(連結部位),11b 右連結部位(連結部位)
12 左枠部材(枠部材),12a 上連結部位(連結部位)
12b 下連結部位(連結部位),13 右枠部材(枠部材)
13a 上連結部位(連結部位),13b 下連結部位(連結部位)
14 第1の補強部材,15 第2の補強部材,16 第3の補強部材
16a ネジ孔,16b 位置決め孔,17 第4の補強部材
18 上連結部材,19 下連結部材(第5の補強部材)
19b 垂直部(当接面部),19d ネジ孔,23 上第1ボルト(ボルト)
24 上第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),25 上第2ボルト(ボルト)
26 上第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),30 左第1ボルト(ボルト)
31 左第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),32 左第2ボルト(ボルト)
33 左第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),35 延出部
36 右第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),37 仮ネジ孔(位置決め手段)
38 仮ネジ,39 右第1ボルト(ボルト)
40 右第2ボルト挿通孔(ボルト挿通孔),42a 左受部,42b 右受部
43b 設置部,44 左側板(延出部),45 右側板(延出部)
46 位置決め凹部(位置決め手段)
47 下第1ボルト挿通孔(ボルト挿通孔)
48 位置決めボス(位置決め手段),49 突部
50 位置決めボス(位置決め手段),51 仮ネジ孔(位置決め手段)
53 効果音出力装置,54 収容ボックス,56 第1当接面部(当接面部)
56a 上ネジ孔(ネジ孔),57 第2当接面部(当接面部)
57a 左ネジ孔(ネジ孔),58 水平部,58a 通孔,59 垂直部
59a 通孔,60 当接面部,60a ネジ孔,61a 通孔
62 当接面部,62a ネジ孔,64a 第1通孔
65 係止部材(位置決め手段),70 係合孔
Claims (5)
- 上枠部材、下枠部材、左枠部材および右枠部材を相互に連結することで枠状に構成され、開口前面側に前枠が開閉および着脱可能に組付けられるパチンコ遊技機の外枠において、
前記上枠部材と右枠部材の連結については、
上枠部材と右枠部材の少なくとも一方の枠部材の連結部位に、他方の枠部材の連結部位に対して面接触可能な延出部が形成されると共に、前記延出部および他方の枠部材の連結部位に、ボルト挿通孔が夫々整列する位置に穿設され、
前記ボルト挿通孔が整列する状態で前記延出部と他方の枠部材の連結部位とを内外方向で重ね合わせると共に、内側に位置する前記延出部または他方の枠部材の連結部位の内面に補強部材の当接面部を面接触させた状態で、前記ボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、該当接面部に螺設したネジ孔に螺挿することで、上枠部材と右枠部材とを連結するよう構成し、
合成樹脂製の前記下枠部材と右枠部材の連結については、
下枠部材と右枠部材の少なくとも一方の枠部材の連結部位に、他方の枠部材の連結部位に対して面接触可能な延出部が形成されると共に、前記延出部および他方の枠部材の連結部位に、ボルト挿通孔が夫々整列する位置に穿設され、
前記ボルト挿通孔が整列する状態で前記延出部と他方の枠部材の連結部位とを内外方向で重ね合わせると共に、内側に位置する前記延出部または他方の枠部材の連結部位の内面に補強部材の当接面部を面接触させた状態で、前記ボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、該当接面部に螺設したネジ孔に螺挿することで、下枠部材と右枠部材とを連結するよう構成し、
前記上枠部材と左枠部材の連結については、
上枠部材の左連結部位および左枠部材の上連結部位に、ボルト挿通孔が夫々穿設され、
L字状に形成された補強部材の水平な第1当接面部を上枠部材における左連結部位の内面に面接触させると共に、該補強部材の垂直な第2当接面部を左枠部材における上連結部位の内面に面接触させ、前記前枠の上部を開閉および着脱可能に支持する板金からL字状に形成された上連結部材の水平部を上枠部材における左連結部位の外面に面接触させると共に、該上連結部材の垂直部を左枠部材における上連結部位の外面に面接触させた状態で、上連結部材の水平部に穿設された通孔に外側から挿通したボルトを上枠部材における左連結部位のボルト挿通孔に挿通し、該ボルトを、前記補強部材の第1当接面部に螺設したネジ孔に螺挿すると共に、上連結部材の垂直部に穿設された通孔に外側から挿通したボルトを左枠部材における上連結部位のボルト挿通孔に挿通し、該ボルトを、前記補強部材の第2当接面部に螺設したネジ孔に螺挿することで、上枠部材と左枠部材とを連結するよう構成し、
前記下枠部材と左枠部材の連結については、
下枠部材に、左枠部材における下連結部位の内側に面接触する延出部としての左側板が形成されると共に、該左側板から外方に延出する左受部が形成され、
下枠部材に対して左枠部材は、前記左受部に左枠部材の下連結部位を載置すると共に、該下連結部位の内側を左側板に面接触させた状態で、下連結部位と左側板に夫々穿設されたボルト挿通孔が整列する位置に位置決めされ、
下枠部材に形成した設置部に設置されて前記上連結部材と協働して前記前枠の下部を開閉および着脱可能に支持する補強部材としての板金から形成された下連結部材の当接面部が左側板の内側に面接触するよう位置決めされ、
左枠部材の下連結部位および左側板に穿設された前記ボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、下連結部材の当接面部に螺設したネジ孔に螺挿することで、該下連結部材を介して下枠部材と左枠部材とを連結するよう構成した
ことを特徴とするパチンコ遊技機の外枠構造。 - 合成樹脂製の前記右枠部材の上連結部位に、前記上枠部材の右連結部位が面接触するように載置される延出部が内側に延出するように形成されると共に、右枠 部材と上枠部材とを連結する補強部材は、該補強部材に穿設した通孔に挿通した仮ネジを右枠部材に螺設した仮ネジ孔に螺挿することで当接面部が延出部の内側に面接触するように位置決めされる請求項1記載のパチンコ遊技機の外枠構造。
- 合成樹脂製の前記右枠部材の上連結部位に、前記上枠部材の右連結部位が面接触するように載置される延出部が内側に延出するように形成されると共に、右枠部材と上枠部材とを連結する補強部材は、該補強部材に形成した係合孔に右枠部材の内面に突設したフック形状の係止部材を係合することで当接面部が延出部の内側に面接触するように位置決めされる請求項1記載のパチンコ遊技機の外枠構造。
- 前記下枠部材に、右枠部材における下連結部位の内側に面接触する延出部としての右側板が形成されると共に、該右側板から外方に延出する右受部が形成され、下枠部材に対して右枠部材は、前記右受部に右枠部材の下連結部位を載置すると共に、該下連結部位の内側を右側板に面接触させた状態で位置決めされ、
位置決め孔を穿設した補強部材が、前記右側板の内面に形成した位置決め凹部に嵌合されると共に、該位置決め凹部に突設した位置決めボスが位置決め孔に嵌挿された状態で、該補強部材が右側板の内側に面接触するよう位置決めされ、
第1通孔を穿設した別の補強部材が、前記下枠部材に設けられた位置決め突部に突設した位置決めボスを第1通孔に嵌挿した状態で右側板の内側に面接触するよう位置決めされ、
右枠部材の下連結部位および右側板に穿設されたボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、対応する補強部材に螺設されたネジ孔または別の補強部材に螺設されたネジ孔に螺挿することで、右枠部材と下枠部材とを連結するよう構成し、
第1通孔を穿設した補強部材が、前記下枠部材に設けられた位置決め突部に突設した位置決めボスを第1通孔に嵌挿した状態で、該補強部材の当接面部を前記左側板の内側に面接触するよう位置決めされ、
左枠部材の下連結部位および左側板に穿設された前記ボルト挿通孔に外側から挿通したボルトを、左側板の内側に位置決めされた補強部材の当接面部に螺設したネジ孔に螺挿することで、該補強部材および前記下連結部材を介して下枠部材と左枠部材とを連結するよう構成した請求項1〜3の何れか一項に記載のパチンコ遊技機の外枠構造。 - 前記下枠部材に、効果音出力装置が取付けられる収容ボックスを一体的に形成した請求項1〜4の何れか一項に記載のパチンコ遊技機の外枠構造。
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