JP4001310B2 - 脂質複合体及びこれを含有する外用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料等の外用組成物の配合成分として有用な、脂質複合体に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
乳液やクリーム等の乳化組成物において、界面活性剤と両親媒性物質が、ある組成で会合体を形成し、その組成物を増粘固化させていることは、よく知られている。この現象は、界面活性剤と両親媒性物質が水相中でラメラ構造の会合体を形成し、それが、さらに三次元のネットワーク構造を形成することによる増粘作用に基づく現象である。この界面活性剤と両親媒性物質が形成する会合体は、乳化組成物を増粘固化させることにより、この組成物の乳化安定性を向上させると共に、皮膚や毛髪に対して保湿作用を発揮することもできる。
【0003】
一方、ある種の両親媒性物質は、両親媒性物質−水系において、膨潤することによりラメラ液晶を形成し、それを攪拌するとこのラメラ液晶の二分子膜が、一層あるいは多層に重なり、これにより水相が内包された小胞が形成されることも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、皮膚や毛髪の保護、保湿の目的から、乳液やクリームで用いられている界面活性剤と両親媒性物質の組み合わせを例えば化粧水のような低粘度の製剤へ配合すると分散不良を生じたり、経時で凝集や粘度上昇などの問題を引き起こす。この問題を解決するために、例えば、特開平6−271421号公報に記載されているように、水中油型乳化組成物において油相と水相との境界部に、水相中でゲルを形成し得る両親媒性物質及び界面活性剤の全量を実質的に存在させることにより、低粘度を長期にわたり維持することを可能にした調製方法が開発されている。この方法で得られた製剤は、塗布の途中から、界面活性剤と両親媒性物質が形成する会合体が再形成され、皮膚や毛髪において高い保湿効果を発揮することができる。しかし、油分を配合しない、あるいは油分の配合量が小さい場合には、この調製方法により安定な基剤を得ることはできない。
【0005】
一方、小胞を形成する手段として、両親媒性物質としてリン脂質を使用する方法が知られており、この手段を用いることにより、脂質二分子膜中または小胞内の水相に薬剤を保持させることもできる。この手段を用いて小胞を形成させた基剤を皮膚上に塗布すると、この小胞が皮膚上で徐々に破壊され、小胞内に内包された薬剤の放出を制御することが可能である。つまり、このリン脂質を用いる小胞形成手段を用いることにより、水溶性薬剤や脂質膜に含有されうる脂溶性薬剤の放出を制御することも可能となる。しかしながら、リン脂質は一般に不安定であり、さらに高価であるという問題点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において、本発明者らは、皮膚に有効な界面活性剤−両親媒性物質の組み合わせを水相に安定に分散させ、さらにそれらが水相を内包した小胞を形成させるべく、界面活性剤と、両親媒性物質、特に、アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール、が形成する会合体の物性に関して鋭意検討した。その結果、常温以上でゲルを形成する界面活性剤と当該両親媒性物質の組み合わせにおいて、そのゲル中にステロールを混合することにより、ゲルを小胞として安定に水相に分散させ得ることを見出した。さらにこの手段により形成させる小胞を含む外用組成物が、皮膚や毛髪を保湿し、さらに保護する作用を有し、さらに、脂溶性薬物や水溶性薬物を小胞内に内包することも可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記1.〜4.の特徴を有する、(A)界面活性剤、(B)アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール、(C)ステロール及び(D)水相を構成成分として含有する、脂質複合体(以下、本発明脂質複合体ともいう)を提供する発明である。
1.(A)界面活性剤が、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩、脂肪酸石鹸、モノアルキルリン酸塩、4級アルキルアンモニウム塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸エステル塩、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩及び直鎖アルキル鎖を有しHLB値が10以上である非イオン界面活性剤、からなる群から選ばれる1種以上である。
2.上記(A)〜(D)が、下記(1)〜(3)に従う:
(1) (A)及び(B)が、界面活性剤−アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール−水系において常温以上の温度でゲルを形成し得る組み合わせの中から選択される。
(2) (A)及び(B)の重量比が、(A):(B)=1:5〜5:1、かつ、(A)及び(B)の和並びに(C)の重量比が、(A)+(B):(C)=10:1〜1:1である。
(3) (A)、(B)及び(C)の和並びに(D)の重量比が、(A)+(B)+(C):(D)=0.342:99.658〜30:70である。
3.油分の含有量が、脂質複合体が含有される外用組成物に対して0.1重量%未満である。
4.脂質複合体が、(D)水相を内包する小胞状の脂質膜としての形態をとる。
通常、本発明脂質複合体は、(D)水相を内包することが可能な小胞状の脂質膜としての形態をとる。そして、最も好適には、水性分散液としての形態をとる脂質複合体として存在する。また、本発明は、本発明脂質複合体を含有する外用組成物(以下、本発明外用組成物ともいう)を提供する発明である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。上述したように、本発明脂質複合体は、少なくとも、(A)界面活性剤、(B)アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール及び(C)ステロールをその構成成分とする脂質複合体である。また、本発明脂質複合体は、通常、(D)水相を内包することが可能な小胞状の脂質膜としての形態をとる。
【0009】
さらに、本発明脂質複合体は、構成成分(A)〜(C)が、所定の条件を満たすことにより、(D)水相を内包することが可能な小胞状の脂質膜の水性分散液として提供され得る。
【0010】
本発明脂質複合体を構成する(A)成分である界面活性剤は、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩;ベヘニン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸石鹸;セチルリン酸ナトリウム等のモノアルキルリン酸塩;ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のPOEアルキルエーテルカルボン酸塩;ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のアシルメチルタウリン塩;ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩;塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレン(30)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル等のHLB値が10以上である非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上を選択して用いることができる。
【0015】
同じく(B)成分は、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等の、アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコールである(なお、当該(B)成分を、「界面活性を有するものの、それ自体は疎水性が強く、一般の界面活性剤ほどの界面活性を伴わない物質」として、「両親媒性物質」ともいう)。
【0016】
同じく(C)成分であるステロールは、3位に水酸基を有するステロイドアルコールである限り、特に限定されず、具体的には、スチグマステロール、シトステロール等のフィトステロールの他、コレステロール、ミコステロール等から1種又は2種以上を選択して用いることが可能であり、特に好ましいステロールとして、フィトステロール及びコレステロールを挙げることができる。
【0017】
本発明脂質複合体における必須成分である、上述の(A)〜(D)成分は、原則として、以下の条件(1)〜(3)に従う。
(1) (A)成分である界面活性剤及び(B)成分である両親媒性物質が、界面活性剤−両親媒性物質−水系において常温以上でゲルを形成し得る組み合わせの中から選択される。
【0018】
「常温」とは、一般的に外用組成物を使用する上で想定される温度範囲のことをいい、具体的には、概ね15〜25℃程度であるが、この温度範囲に厳密に限定されるものではない。上記の界面活性剤−両親媒性物質−水系において形成されるゲルの転移温度は60℃以上であることが、上述のゲル形成条件を満たす上で好適である。
【0019】
界面活性剤−両親媒性物質−水系においてゲルが形成されることは、本発明脂質複合体において、所望する性質を有する小胞を得るための前提条件である。界面活性剤−両親媒性物質−水系で、特定の組成において形成される会合体が、単独で小胞を形成する2鎖型の炭化水素鎖を有するリン脂質と同じように挙動し、2分子膜を形成し、これが閉じることにより小胞が形成されると考えられる。また、上記の界面活性剤−両親媒性物質−水系におけるゲルは、本発明脂質複合体として形成され得る小胞の分散安定性を考慮すると、ゲル中の界面活性剤と両親媒性物質のアルキル鎖が、六方晶に配列した構造である、α−タイプであることが好ましい。ゲルが、α−タイプ以外である場合、上記の2分子膜の構造が堅くなって分散性が低下したり、小胞の形成に支障を生じることも想定される。
【0020】
なお、ゲルがα−タイプであるか否かは、例えば、ゲルのX線回析により、21.4°付近に、単独の強いピークが認められるか否かで判別可能である。これらの条件(1)は、選択されるべき(A)成分及び(B)成分の組み合わせは、すでに具体的に列挙した(A)成分及び(B)成分の好適な態様を適宜組み合わせることにより、満足させることが可能である。
【0021】
(2) (A)成分である界面活性剤及び(B)成分である両親媒性物質の重量比が、(A):(B)=1:5〜5:1、かつ、(A)成分及び(B)成分の和並びに(C)成分であるステロールの重量比が、(A)+(B):(C)=10:1〜1:1であることが好ましい。
【0022】
この(A)成分と(B)成分の、本発明脂質複合体における重量比〔(A):(B)=1:5〜5:1〕よりも、(A)成分である界面活性剤の重量比率が大きいと、脂質複合体の、皮膚や毛髪に対する保湿効果や保護効果が損なわれる。逆に、(B)成分である両親媒性物質の重量比率が大きいと、脂質複合体である小胞の分散安定性が低下する。
【0023】
また、(A)成分及び(B)成分の和並びに(C)成分であるステロールの重量比〔(A)+(B):(C)=10:1〜1:1〕の範囲外では、ステロールによる小胞の安定化作用が損なわれてしまう。
【0024】
(3) (A)成分、(B)成分及び(C)成分の和並びに(D)成分(水相)の重量比が、〔(A)+(B)+(C):(D)=0.342:99.658〜30:70〕であることが好ましい。水相である(D)成分に対する、脂質分散物である(A)(B)(C)成分の和の重量比が、上記の範囲よりも低いと、脂質配合による保湿作用や保護作用が低下する。逆に、(D)成分に対する、(A)(B)(C)成分の和の重量比が、上記の範囲よりも高いと、水相に小胞を分散させることが困難になる。
【0025】
構成成分(A)〜(D)において、原則としてこれらの条件(1)〜(3)に従う本発明脂質複合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、「コロイド科学IVコロイド科学実験法、日本化学会編、東京化学同人、p343〜346(1992) 」に示されるように、(a)脂質成分を溶媒に溶解しプレミキシングし溶媒を蒸発除去した後、水相を加える方法や、(b)融解した脂質成分に水相を添加する方法が挙げられる。また、エタノールやジプロピレングリコール等の水溶性溶媒に膜を形成する成分を溶解し、水相に添加することにより、容易に脂質複合体とこれを含有する組成物を得ることができる。また、これらの製造方法により得られる脂質複合体ないし同組成物を、さらに高速ミキサーや高圧乳化機で処理すること等により、さらに微細な小胞が分散した脂質複合体ないし同組成物を製造することも可能である。
【0026】
このようにして、製造され得る本発明脂質複合体ないし同組成物は、それ自体で、皮膚や毛髪に対する保湿効果や保護効果を発揮し得るが、脂質複合体を構成する小胞に、各種の薬剤を内包させることにより、これらの薬剤を安定化させた上で、皮膚や毛髪上で徐放することが可能となる。
【0027】
内包させるべき薬剤は、特に限定されず、水溶性であっても油溶性であってもよい。具体的には、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、ヒドロキシ酸、コウジ酸、アルブチン及びその誘導体等の美白剤;トラネキサム酸及びその誘導体、グリチルリチン及びその誘導体、アラントイン、アズレン、ε−アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾン等の消炎剤;酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸、クエン酸、乳酸等の収斂剤;メントール、カンフル等の清涼化剤;レチノール、ビタミンA誘導体、塩酸ピリドキシン及びその誘導体、ニコチン酸誘導体、ビタミンD2 、ビタミンE及びその誘導体、パントテン酸カルシウム、パントテン酸エチルエーテル、ビオチン等のビタミン類;セリン、シスチン、グリシン、アルギニン、システイン、メチオニン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;チオタウリン、ヒポタウリン、ブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤;エストラジオール及びそのエステル、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン及びそのエステル、ヒドロコルチゾン及びそのエステル、プレゾニゾン、プレドニゾロン等のホルモン類;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;アロエエキス、ニンジンエキス、カンゾウエキス、オウバクエキス、カミツレエキス、ビワエキス等の植物抽出物;イオウ、サリチル酸、レゾルシン等の角層剥離剤等を例示することができる。
【0028】
水溶性の薬剤を小胞中に内包させる場合は、例えば、上述した製造方法における水相に水溶性の薬剤を含有させることにより、目的とする水溶性の薬剤が小胞内の内水相に内包された本発明脂質複合体ないし同組成物を得ることができる。
【0029】
脂溶性の薬剤については、上述の脂質成分に含有させることにより、小胞壁に目的とする脂溶性の薬剤が封じ込められた本発明脂質複合体ないし同組成物を得ることができる。
【0030】
なお、本発明脂質複合体の小胞に内包する薬剤は、水溶性か脂溶性かで、その製造時における取扱いが異なるのみで、例えば、その薬効の種類(例えば、美白効果や皮膚老化防止効果等)によっては、全く限定されるものではない。
【0031】
本発明脂質複合体ないし同組成物は、それ自体を皮膚や毛髪に塗布することで、保湿効果や保護効果、さらには内包された薬剤の個別的効果を発揮させることができるが、種々の剤形に加工した、本発明脂質複合体を含有する外用組成物(例えば、化粧料、医薬品、医薬部外品等)とすることも可能である(本発明外用組成物)。
【0032】
本発明外用組成物では、本発明脂質複合体の他に、この脂質複合体による皮膚や毛髪に対する優れた作用を損なわない範囲で、一般の外用組成物に配合されている成分、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料、薬剤等を適宜配合することができる。
【0033】
また、本発明外用組成物の剤形は任意であり、溶液型、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−粉末二相型、水−油−粉末三相型等、あらゆる剤形を選択することが可能である。さらに、本発明外用組成物の用途も任意であり、フェーシャル用、ボディ用、毛髪用のいずれの用途においても用いることが可能である。
【0034】
なお、本発明外用組成物における本発明脂質複合体の存在量、すなわち、本発明外用組成物における(A)成分、(B)成分及び(C)成分の存在量は、本発明の所期の効果を発揮させるという点においては、好ましくは、外用組成物全体の0.1重量%以上であり、良好な使用性を発揮させるという点においては、外用組成物全体の20.0重量%以下、好ましくは同10.0重量%以下である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、これらの実施例の記載により限定されるものではない。
界面活性剤と両親媒性物質とステロールの組成と物性
前述したように、本発明における、▲1▼(A)成分である界面活性剤と(B)成分である両親媒性物質の重量比、及び▲2▼界面活性剤と両親媒性物質の和、並びに(C)成分であるステロールの重量比は、脂質複合体の水性溶媒中での分散安定性や皮膚や毛髪への保湿作用に対して大きな影響を与える。
【0036】
そこで、まず、上記(A)〜(C)成分で構成される脂質複合体の組成と、分散安定性及び皮膚保湿作用との関係についての検討を行った。
上記(A)成分と(B)成分は、前述したように、水相中において、常温以上の相転移温度を有するゲルを形成する必要がある。そこで、下記の第1表において記載した試験例1,2に示す処方に基づいてゲルを製造し、その相転移温度を測定した。なお、この相転移温度の測定は、示差走査熱量計(DSC)、具体的にはDSC120(セイコー電子工業株式会社製)を用いて行い、得られたDSC昇温曲線において観測された吸熱ピークの頂点の温度を相転移温度とした。
【0037】
試験例1,2より明らかなように、N-ステアロイル-L- グルタミン酸ナトリウムとベヘニルアルコール、及びN-ステアロイル-L- グルタミン酸ナトリウムとPOE(30) ベヘニルエーテルとベヘニルアルコールの組み合わせは、水相中で、転移温度が常温以上のゲルを形成することが明らかになった。
【0038】
【表1】
【0039】
第1表に示した組み合わせを用いて、上記の(A)〜(C)成分の組成について検討した。
すなわち、第2表に示す処方に基づいて脂質複合体を製造し、分散安定性及び皮膚保湿作用について、下記の試験方法による検討を行った。なお、各脂質複合体は、第2表に示される(1)〜(5)を80℃で溶解し、これを(6)〜(8)を80℃に加熱した水相に添加し、攪拌分散を行うことにより調製した。
【0040】
分散安定性試験
試料を、40℃で1ヵ月放置後、1cm石英セルに入れ、分光光度計で600nmの吸光度を測定し、調製直後の試料の同吸光度と比較し、同時に目視による試料の外観評価を行った。
評価基準は、以下の通りである。
【0041】
◎:40℃、1ヵ月後の吸光度/調製直後の吸光度が1.5未満であり、外観が良好である。
○:40℃、1ヵ月後の吸光度/調製直後の吸光度が1.5〜2.0未満であり、外観が良好である。
△:40℃、1ヵ月後の吸光度/調製直後の吸光度が2.0以上であり、外観上、もや、かすみが観察される。
×:外観上、沈澱又はクリーミングが認められる。
【0042】
保湿効果試験
10名の女性専門パネルの前腕内側部を石鹸で洗浄した後、23℃、50%恒温恒湿室における、30分後の前記部位における角層中の水分含有量を、高周波インピーダンスメーター(SKICON200:IBS社製)で測定した。次に、試料をパネルの前記部位に1μl/cm2 の割合で塗布し、塗布6時間後に石鹸洗浄して、試料を除去して、試料の塗布前と同様の条件で角層中の水分含有量を測定した。試料の皮膚の保湿作用は、試料を塗布する前後での角質水分量の比(塗布後/塗布前:10名の平均値)で、下記の基準により評価した。この数値が大きいほど、試料の皮膚に対する保湿効果が優れていることを示す。
【0043】
◎:角質水分量の比が1.5以上である。
○:角質水分量の比が1.2〜1.5未満である。
△:角質水分量の比が1〜1.2未満である。
×:角質水分量の比が1未満である。
【0044】
皮膚感触試験
10名の女性専門パネルの顔面に試料を塗布し、皮膚感触についての実使用試験を行い、下記の基準により評価した。
【0045】
◎:使用感触が良好と評価したパネルが8人以上である。
○:使用感触が良好と評価したパネルが6〜7人である。
△:使用感触が良好と評価したパネルが4〜5人である。
×:使用感触が良好と評価したパネルが3人以下である。
【0046】
【表2】
第2表から、皮膚や毛髪に対する保湿効果と分散安定性がともに良好である組成は、(A)成分と(B)成分の重量比が1:5〜5:1の領域であり、(A)成分である界面活性剤の組成が高いと皮膚や毛髪への効果が損なわれ、(B)成分である両親媒性物質の組成が高いと分散安定性が低下することが明らかになった。
【0047】
また、(A)成分と(B)成分の和と(C)成分であるステロールとの好適な重量比は、10:1〜1:1であり、この重量比における(C)成分の比率が、この範囲外では、小胞を十分に安定化することができないことも、第2表の結果により明らかになった。
【0048】
さらに、第3表に示す処方に基づき、脂質複合体を製造した。いずれの脂質複合体も、低粘度の液状の外観を有し、経時の分散安定性及び皮膚の保湿作用(試験方法及び評価方法は、上記の試験と同一である)は良好であり、使用感触も良好であった。
【0049】
【表3】
【0050】
水溶性薬剤の内包試験
本発明脂質複合体を用いた水溶性薬剤の内包試験を行った。
【0051】
具体的には、第4表に示す処方に基づき、アルブチンを内包した脂質複合体を製造した。
すなわち、アルブチン2重量%水溶液97g に、界面活性剤、両親媒性物質、フィトステロールを110℃で融解した後添加し、80℃で攪拌分散した。調製後、室温まで試料を冷却し、ゲル濾過によりアルブチンを内包した脂質複合体と外水相のアルブチンとに分離した。
【0052】
ゲル濾過にはセファデックスG−50を用いた。なお、溶離液には1.32重量%ブドウ糖水溶液(アルブチン2重量%水溶液と等張)を用いた。脂質複合体画分の全量を2倍量のエタノールと混合し、0.22μm のフィルターを用いて濾過し、UV吸収(282nm) を測定することにより脂質複合体に内包されたアルブチンの全量を定量した。
【0053】
両定量値の合計は配合したアルブチンの全量に一致した。これより、取り込み率=ain/(aout +ain)×100(%)を求めたところ、取り込み率は、37.96%であった。
【0054】
【表4】
【0055】
以下、本発明脂質複合体を含有する本発明外用組成物を、以下の処方で、特に断わらない限り常法に従い製造した。
【0056】
〔実施例25〕 化粧水
配合成分 配合量(重量%)
実施例11記載の脂質複合体 10.0
エタノール 8.0
グリセリン 8.0
EDTA−3Na 0.01
防腐剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 量
この実施例25の化粧水は、皮膚の保湿作用に優れており、使用性も良好であった。
【0057】
この実施例26のクリームは、皮膚の保湿作用に優れており、使用性も良好であった。
【0058】
この実施例27の乳液は、皮膚の保湿作用に優れており、使用性も良好であった。
【0059】
〔実施例28〕 ヘアートリートメント
配合成分 配合量(重量%)
実施例7記載の脂質複合体 10.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
セトステアリルアルコール 3.0
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 2.0
ジメチルシリコーン(20mP・s) 10.0
防腐剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 量
この実施例28のヘアートリートメントは、毛髪の保湿作用に優れており、使用性も良好であった。
【0060】
<製法>
(5) 〜(9) 、(12)〜(16)を室温で混合して得た油相に、(10)(11)の粉体を徐々に添加しながら均一に分散を行った。その後、(1) に(3) を加えたものに、(2) (4) に(15)を溶解したものを加えた水相を、前記油相に徐々に添加し、ホモミキサーで均一に分散した後、乳化粒子を整え、クリームを得た。
この実施例29のクリームは、使用性に優れ、薬剤の安定性も良好であった。
【0061】
〔実施例30〕 クリーム
配合成分 配合量(重量%)
(1) 精製水 残 量
(2) グリセリン 5.0
(3) 1,3−ブチレングリコール 4.0
(4) 実施例11記載の脂質複合体 50.0
(5) 水膨潤粘土鉱物*1 2.0
(6) ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド 1.0
(7) イソステアリン酸 1.0
(8) デカメチルシクロペンタシロキサン 22.0
(9) カルボキシメチルセルロース 1.0
(10)クエン酸 0.05
(11)クエン酸ナトリウム 0.5
(12)メチルパラベン 0.1
(13)香料 適 量
*1:バンダービルト社製 ビーガム(商品名)
<製法>
(5) をエタノールに分散させ、これに(6) を加え、50℃に加温後、ディスパーで分散させた。これを、十分に乾燥させてエタノールを除去して、有機変性粘土鉱物を得た。次に、(7) をこの有機変性粘土鉱物に添加し、加圧力15Kg/cm のローラーで2回練合した後、(8)(13) を加え、油相を調製し、これに、(1) 〜(4) 、(9) 〜(12)を混合して得た水相を、ホモミキサーの攪拌下で徐々に添加することにより、クリームを得た。
この実施例30のクリームは、使用性に優れ、薬剤の安定性も良好であった。
【0062】
【発明の効果】
本発明により、皮膚や毛髪に対して優れた保湿作用や保護作用を有し、さらに薬剤を内包して、この薬剤を徐放することも可能な脂質複合体、及びこれを含有する外用組成物が提供される。
Claims (3)
- 下記1.〜4.の特徴を有する、(A)界面活性剤、(B)アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール、(C)ステロール及び(D)水相を構成成分として含有する、脂質複合体。
1.(A)界面活性剤が、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩、脂肪酸石鹸、モノアルキルリン酸塩、4級アルキルアンモニウム塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸エステル塩、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩及び直鎖アルキル鎖を有しHLB値が10以上である非イオン界面活性剤、からなる群から選ばれる1種以上である。
2.上記(A)〜(D)が、下記(1)〜(3)に従う:
(1) (A)及び(B)が、界面活性剤−アルキル鎖の炭素原子数が16以上の高級アルコール−水系において常温以上の温度でゲルを形成し得る組み合わせの中から選択される。
(2) (A)及び(B)の重量比が、(A):(B)=1:5〜5:1、かつ、(A)及び(B)の和並びに(C)の重量比が、(A)+(B):(C)=10:1〜1:1である。
(3) (A)、(B)及び(C)の和並びに(D)の重量比が、(A)+(B)+(C):(D)=0.342:99.658〜30:70である。
3.油分の含有量が、脂質複合体が含有される外用組成物に対して0.1重量%未満である。
4.脂質複合体が、(D)水相を内包する小胞状の脂質膜としての形態をとる。 - (C)ステロールが、コレステロール及び/又はフィトステロールである、請求項1記載の脂質複合体。
- 請求項1又は2記載の脂質複合体を含有する、外用組成物。
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