JP4000302B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機として、遊技盤の所定の位置に、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示領域を有する変動表示装置(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やCRT、回転ドラムを使用したメカ式の表示装置などで構成される)を配置し、所定条件の成立に基づき、前記変動表示装置の変動表示領域において複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームが行われるようになっている遊技機(パチンコ遊技機、パチスロ遊技機等)が知られている。
前記変動表示装置での変動表示ゲームにおいては、例えば、所謂リーチ状態が発生した場合に、変動表示領域の背景を変化させたり、装飾ランプやLEDを目立つ態様で発光させたり、装飾音を出力したり等の演出を行うものもあった。
【0003】
また、キャラクタを模した部材を変動表示領域の前方に出現させて変動表示ゲームの演出を行うようなものも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、風形成手段により風を形成して、風遊動演出物を風圧により演出動作させて演出を行うようにしたものも考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78904号公報
【特許文献2】
特開2002−263251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1では、単に部材を変動表示領域の前方に出現させるだけのものであり、出現した後では静止状態であったり動作を行うにしても単純な動作しかできなかったりするため、演出効果を高めるには至らない。しかも、演出効果を高めるために部材を大きくした場合、変動表示領域を覆う範囲が大きくなってしまい、肝心の変動表示ゲームが非常に見にくくなるという問題が生じる。
【0006】
また、前記特許文献2では、風遊動演出物を風圧により演出動作させる風アクション演出部が変動表示装置とは別個に設けられているため、変動表示ゲームと風遊動演出物の演出を関連づけることが困難であり効果的な演出を行うことができなかった。また、遊技者の視点が移動するので、肝心の変動表示ゲームに集中することができなくなってしまうという問題もあった。
【0007】
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、変動表示装置での変動表示ゲームと共に変動表示装置外で行われる演出において、固定的なパターンを繰り返すような動作ではなく多彩で装飾性の高い演出を行うことができ、変動表示装置の変動表示ゲームの興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、
複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、該変動表示装置の前面側に配設され該変動表示装置の表示部を前方から視認可能にする開口部を備えるとともに内側下方にステージ部を備えた凹室を形成する前面構成部材と、を遊技盤に備え、大当たりに当選した場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態にするように構成された遊技機において、
前記変動表示装置の前面側であって前記前面構成部材の開口部の後方位置に所定の演出空間を形成する演出空間形成部材を該変動表示装置の表示部を覆う状態で配設し、
前記演出空間形成部材は、透明若しくは半透明でボックス状に構成されるとともに前記演出空間内に遊動する演出物を収納して構成され、
前記演出物を遊動させるための人工風を形成する風形成手段を前記変動表示装置の表示部の下方に配設し、
前記風形成手段からの人工風を、前記演出空間形成部材の下部に形成された吸気口から取り入れて前記演出物を上方に舞わせて前記変動表示装置の表示部の前方において遊動させることで前記変動表示ゲームを演出するようにしたことを特徴としている。
【0009】
ここで、「遊技機」には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機や、パチスロ或いはスロットマシンなどが含まれる。
また、「演出物」としては、例えば、花びら、雪等を模した小さな物が挙げられる。
この場合の「演出物としての小さな物」には、所定の色に着色された紙や合成樹脂の軽いものでひらひら舞うような軽量なものが挙げられる。また、その大きさは、後方の識別情報の認識性を阻害しない程度(例えば、識別情報の面積の1/5以下など)のものが考えられる。
さらに、「演出物」は、草等を模した長細い形状で一端が固定された物であっても良い。すなわち、風があるときだけ先端が上に舞うようなものである。
また、「風形成手段」は、「演出空間形成部材」に対して、「人工風」を吹き出しで形成するものでもよいし、吸い込みで形成するものでもよい。
さらに、「演出」とは、変動表示ゲームに関して、その結果に対する期待感、インパクト、興趣などを向上させるための装飾のことで、表示、音、振動、物の動作などによる装飾が含まれる。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、変動表示装置での変動表示ゲームと共に変動表示装置外で行われる演出において、固定的なパターンを繰り返すような動作ではなく、演出物の人工風による遊動といった先の動きが読めない動作により多彩で装飾性の高い演出を行うことができ、変動表示装置の変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
また、当該演出は変動表示ゲームと重なり合う状態で行われるので、極めて演出効果を高めることができる。
さらに、ボックス状の演出空間形成部材内で、変動表示装置の前面側での演出物の遊動を確実に実現することができる。例えば、風に舞う花びら、雪、葉や風に揺らめく草等を好適に表現できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示器と該変動表示器の表示制御を行う演出制御基盤とを含む変動表示装置を備え、大当たりに当選した場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態にするように構成された遊技機において、
前記変動表示装置の前面側において所定の演出空間を形成する演出空間形成部材を配設し、
前記演出空間内を遊動する演出物を備えるとともに、該演出物を遊動させるための人工風を形成する風形成手段を備え、
前記演出物を前記変動表示装置の前面側において遊動させることで前記変動表示ゲームを演出し、
前記風形成手段で形成された人工風を、前記変動表示ゲームの演出と、前記演出制御基盤の冷却と、の何れかのために切り替える切替手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
ここで、「変動表示器」は、液晶表示器、CRT(陰極線管)表示器、多数の発光素子を配列した表示器、回転ドラムを使用したメカ式の表示器などの単体の装置であっても、また、これら装置の組み合わせでも良い。
また、「切替手段」による切替態様としては、風形成手段を固定して風路を切り替える構成と、風形成手段自体を移動可能にして、演出制御基盤に対して風を形成する位置と演出空間形成部材に対して風を形成する位置とに移動する構成とが挙げられる。
【0013】
この請求項2に記載の発明によれば、風形成手段で形成された人工風により演出制御基盤の冷却と、変動表示ゲームの演出を行うことができ、人工風を効率よく使用することができる。特にきめ細かい画像(高解像度、高階調の画像)を表示するための演出制御基盤は発熱を伴い、更に遊技機の裏面側は密閉されているので、熱による不具合が生じやすいが、このような熱を抑制(放熱)することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記切替手段は、風路を切り替える切替部材を備えるとともに、該切替部材の切替により、前記風形成手段と前記演出制御基盤とを連通させる第1の風路と、前記風形成手段と前記演出空間形成部材とを連通させる第2の風路と、を形成可能に構成されていることを特徴としている。
【0015】
この請求項3に記載の発明によれば、風形成手段と演出制御基盤とを連通させる第1の風路と、風形成手段と演出空間形成部材とを連通させる第2の風路とを、切替部材により切替可能となっているため、風形成手段で形成された人工風による演出制御基盤の冷却および変動表示ゲームの演出を確実に行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機において、
前記演出制御基盤は、遊技の進行を制御する遊技制御基盤とは別個に設けられるとともに該遊技制御基盤からの制御信号に基づいて表示制御を行うように構成され、
前記風形成手段と前記切替手段を前記演出制御基盤で駆動制御するようにしたことを特徴としている。
【0017】
この請求項4に記載の発明によれば、変動表示装置での表示演出の制御を行う演出制御基盤で、風形成手段と切替手段を駆動制御することによる演出空間での演出物の演出制御を行うことで、表示演出と演出物による演出との双方の演出を組み合わせた(同調させた)演出制御を効率的に行うことができる(双方の演出制御を行う制御基盤が異なる場合に双方の演出を同調させた制御を行うためには基盤間の通信が必要であり、これによる効率低下は避けられない。)。また、配線処理も効率よく行える。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記演出制御基盤は、遊技制御基盤からの制御信号としての所定の演出コマンドに対して、前記変動表示ゲームの表示演出態様を複数種の態様のうちから決定する表示演出態様決定手段を備え、特定の表示演出態様を決定した場合に、前記切替手段を前記演出空間形成部材側に切り替えるようにしたことを特徴としている。
【0019】
ここで、「表示演出態様」とは、例えば、リーチ表示演出態様のことであり、当該リーチ表示演出態様には、背景や変動表示態様の異なる複数種の表示演出態様が存在するようになっている。
また、「特定の表示演出態様」とは、演出物に関連性のある表示演出態様であり、例えば、演出物を桜の花びらを模したものとした場合に、満開の桜の木が存在するような春の景色の背景で行われるリーチ表示演出態様を指す。
【0020】
この請求項5に記載の発明によれば、変動表示ゲームを複数種の表示演出態様により多彩に実行でき、また、そのうちの1つの特定の表示演出態様の時に演出物が遊動するので、演出物の遊動により特定の表示演出態様が行われた場合は、他の表示演出態様よりも際立たせることができる。例えば、変動表示ゲームが特別結果となる可能性が高い場合に、特定の表示演出態様で制御するようにすれば、特別結果に対する期待感が高いことを明確にすることができる。また、遊技制御基盤からの1つの演出コマンドに対して、演出制御基盤側で独自に表示演出態様の選択及び決定を行うので、上記のような制御を全て演出制御基盤で効率よく実現することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機において、
前記変動表示装置は、変動表示ゲームを異なる種類の表示演出態様で表示可能に構成され、
前記演出空間形成部材は、異なる種類の表示演出態様の各々に対応した演出物を収納し、該異なる種類の演出物を切り替えて遊動させることが可能な演出物切替手段を備え、
前記変動表示ゲームの表示演出態様に応じて演出物切替手段を切り替えることで、該変動表示ゲームの表示演出態様に対応した種類の演出物により当該変動表示ゲームを演出するようにしたことを特徴としている。
【0024】
この請求項6に記載の発明によれば、例えば、花びらと雪を模した演出物を切替可能とし、変動表示装置の変動表示ゲームにおける表示演出が桜の木の場合に花びら、雪景色の場合に雪の演出物を遊動可能とすることによって、より多彩な演出を行うことができ、変動表示ゲームの興趣を更に高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る遊技機の一形態として例示するパチンコ遊技機、特に、いわゆる「第1種」に属するタイプのパチンコ遊技機の遊技盤1を示す正面図である。
【0027】
この遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1aでは、発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が流下するようになっている。また、前記遊技領域1aには、遊技球の通過により普通変動表示ゲームの始動条件を付与する普図始動ゲート6,6、普通変動表示ゲームを表示する普通図柄(普図)表示装置7、普通図柄表示装置7での普通変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材9a,9aを開(遊技者にとって有利な開状態)閉(遊技者にとって不利な閉状態)させる始動入賞口(特図始動入賞口)を兼ねた普通変動入賞装置9、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報による変動表示ゲーム(ここでは特別変動表示ゲーム)を表示可能な変動表示装置としての特別図柄(特図)表示装置4、特別図柄表示装置4での特別変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)から開放状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換するサイクル遊技を行う特別変動入賞装置5、前記特別図柄表示装置(変動表示装置)4の前方に位置し遊技盤1の前面側の装飾等の機能を有する前面構成部材440、一般入賞口8,…、サイドランプ12,12、風車と呼ばれる打球方向変換部材14,…、多数の障害釘(図示省略)などが配設されている。また、遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴13が設けられている。
【0028】
普通図柄表示装置(普図表示器)7は、例えば、7セグメント型のLEDなどによって構成され、前記普図始動ゲート6,6を遊技球が通過する(普図の始動入賞がある)ことに基づき複数の普通図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示させる普通変動表示ゲームを行うことが可能となっている。ここでは、前記普通図柄表示装置7は、特別変動入賞装置5の開閉扉5aの左側に設けられている。また、前記特別変動入賞装置5の開閉扉5aの右側には、普図始動ゲート6,6を遊技球が通過(普図の始動入賞)して普通変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(普図始動記憶数)を表示する普図始動記憶表示器6aが配設されている。なお、ここでは、普図の始動記憶の上限数は4個となっており、普図始動記憶表示器6aは4個のLEDで構成されている。
【0029】
普通変動入賞装置9は、この実施の形態では変動表示装置(特別図柄表示装置)4の下方の遊技領域1aに配設されており、左右一対の開閉部材9a,9aを具備している。この開閉部材9a,9aは、普段は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)を保持しているが、普通図柄表示装置7における普通変動表示ゲームの結果として所定の結果態様(例えば、「7」等の当り結果態様)が表示された場合には、普通図柄の当りとなって、普電ソレノイド6c(図3)の駆動により逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されるようになっている。
【0030】
この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球の流入(入賞)に基づき前記特別変動表示ゲームの始動条件を付与する始動入賞口(特図の始動入賞口)も兼ね、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9b(図3)を備えている。また、前記普図始動ゲート6内には、該普図始動ゲート6を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ6b(図3)が設けられている。
【0031】
この実施の形態の変動表示装置(特別図柄表示装置)4は、図2、図4、図5及び図6に示すように、内部に変動表示器4aと演出制御基盤40を備えた表示ユニット140、ファンユニット240、前記表示ユニット140を遊技盤1に取り付けるための表示ユニット取付部材340等によって構成されている。
【0032】
このうち、前記変動表示器4aは、例えば、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)で構成されており、当該変動表示器4aの表示部4gは、その表示状態が変化可能となっている。ここでは、前記普通変動入賞装置(始動入賞口)9への遊技球の入賞に基づき、複数の特別図柄(例えば、図柄、数字、記号などの識別情報)を変動表示可能となっている。また、前記表示部4gには複数の変動表示領域(ここでは、図7に示すように、右変動表示領域g1、中変動表示領域g2、左変動表示領域g3の3つの変動表示領域を有している)を有し、該変動表示領域の各々に一連の図柄(例えば、1〜9の数字図柄)を順次変動表示させた後に停止させた結果(図7に示すような、右図柄(右識別情報)g4、中図柄(中識別情報)g5、左図柄(左識別情報)g6の3つの図柄(識別情報)が、変動表示後停止して形成された組み合わせ結果。なお、図7では右図柄g4と左図柄g6が停止しており、中図柄g5が未だ変動表示中の状態を示している。)が大当り結果(特別結果)としての特別図柄組み合わせ態様となった場合に特別の遊技価値の付与として大当り遊技状態(特別遊技状態)を発生可能とする変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)の表示が可能となっている。なお、大当り結果(特別結果)とは、例えば、各変動表示領域の表示結果が、「1,1,1」、「2,2,2」・・・等のぞろ目図柄の何れかとなる場合が挙げられる。
【0033】
また、この実施の形態では、既に特別変動表示ゲームが行われている間や特別遊技状態が発生している間等の直ちに次の特別変動表示ゲームを開始させることができない状態中に特図始動入賞口を兼ねた普通変動入賞装置9へ遊技球が入賞した場合には、次の特別変動表示ゲームが実行可能な状態となるまで、始動記憶手段(ここでは、遊技制御装置20(図3)のRAM21b(図3)が相当する)が、前記普通変動入賞装置9への遊技球の入賞によって発生した特別変動表示ゲームを実行(開始)させるための権利を、特図の始動記憶として記憶することが可能となっている。
なお、この実施の形態の普通変動入賞装置9は、遊技球を遊技盤1の裏側に流入させるタイプの始動入賞口であって、その内部(入賞領域)に特図始動センサ9b(図3)を備えており、当該特図始動センサ9bで遊技球の入賞を検出している。
また、ここでは、前記特図の始動記憶は所定の上限数の範囲内で記憶可能となっており、前記した直ちに次の特別変動表示ゲームを開始させることができない状態中、普通変動入賞装置9に上限数より多く遊技球が入賞しても特図始動記憶数は上限数より多くならないようにされている。
【0034】
そして、後述する前面構成部材440における前記変動表示器4aの表示部4gの下方に位置する部位には、普通変動入賞装置9に遊技球が入賞して特別変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数(特図始動記憶数)を点灯表示する特図始動記憶表示器4bが設けられている。なお、この実施の形態では、特図の始動記憶の上限数は4個となっており、特図始動記憶表示器4bは4個のLEDで構成されている。そして、特図の始動記憶が1増加する毎に1のLEDが点灯表示され、特図の始動記憶が1消化される毎に1のLEDが消灯するようになっている。
【0035】
さらに、この実施の形態では、前記大当り結果(特別結果)が特定の大当り結果であった場合に前記特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームに関わる制御が遊技者にとって有利に変更される特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段(ここでは遊技制御装置20が相当する)を備えている。大当り結果が特定の大当り結果となるとは、例えば、特別変動表示ゲームの表示結果が複数種類の特別図柄組み合わせ態様(0〜9の数字のぞろ目等)のうちの何れか1つとなる場合において、さらに当該特別図柄組み合わせ態様が予め定められた一部の特別図柄組み合わせ態様(ここでは、奇数図柄のぞろ目)である場合等が挙げられる。
【0036】
特定遊技状態としては、例えば、特別遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に、普通変動入賞装置9の開閉部材9a,9aが開状態に変換する機会を増加させたり(例えば、一の変換機会(例えば、普通変動表示ゲームにおいて普通図柄の当りが1回導出されたとき)における開状態への変換回数を1回から3回に増加させる)、或いは、開閉部材9a,9aが開状態に変換する期間を長くする(例えば、0.5秒から5秒に変更する)ことで、始動入賞口としての普通変動入賞装置9へ遊技球が入賞し易いようにした始動入賞容易化状態を発生させるようにしたものがある。また、特別遊技状態の発生(特別結果の成立)確率を通常時よりも高めた(例えば、1/315から1/50に確率が上がる)特図確率変動状態、普図の当りの発生確率を通常時よりも高めた(例えば、1/10から9/10に確率が上がる)普図確率変動状態、普通変動表示ゲームの変動時間が通常時よりも短縮される(例えば、30秒から5秒に短縮される)ことで単位時間当たりに普通変動入賞装置が開状態に開放される機会を増加させた普図時短状態等がある。なお、特定遊技状態としては、前記した複数の状態の何れかを組み合わせて行っても良い。また、特定遊技状態には、特別変動表示ゲームの実行回数や時間等で期限設定がされているパターンと、特別遊技状態が所定回数(例えば1回)発生するまで続けられるパターンの双方が含まれる。
【0037】
また、前記表示ユニット140は、透明な合成樹脂で形成されて内部を視認可能な箱状の基盤ボックス141に覆われた内部に、表示部4gが視認可能に保持された前記変動表示器4aと、該変動表示器4aの表示制御等を行う演出制御装置としての演出制御基盤40が備えられた状態で形成されている。なお、前記基盤ボックス141の所定位置には、表示ユニット取付部材340に取り付ける際にねじ等を挿入する表示ユニット側取付穴144を所定数有している。また、表示ユニット140が取り付けられた表示ユニット取付部材340にファンユニット240を取り付ける際に用いるファンユニット位置決め用段部145が設けられている。
【0038】
前記演出制御基盤40は、別個に設けられた遊技制御基盤(遊技制御装置)20(図3)からの制御信号に基づいて表示制御等の演出制御を行うように構成されている。また、図4に示すように、変動表示器4aの背面側に備えられて、箱状の基盤ボックス141に変動表示器4aと共に覆われて、表示ユニット140を形成している。なお、前記演出制御基盤40は、電源回路40a、抵抗器40b,…、IC40c等の発熱部材を搭載しており、変動表示器4aが液晶表示器である場合などは、液晶表示器のバックライトの熱と相まって、基盤ボックス141内がかなり高温となる可能性がある。
【0039】
また、前記ファンユニット240は、後述する風形成手段247及び切替手段241によって構成されている。なお、ここでは、前記ファンユニット240は、表示ユニット取付部材340に取り付けられるようになっており、当該ファンユニット240の所定位置には、表示ユニット取付部材340に取り付ける際にねじ等を挿入するファンユニット側取付穴248を所定数有している。
【0040】
さらに、前記表示ユニット取付部材340は、表示ユニット140を遊技盤1裏面に取り付けるための部材である。ここでは、前記表示ユニットの変動表示器4aをはめ込む開口部341を有しており、前記開口部341の周囲には、前記表示ユニット140を当該表示ユニット取付部材340に取り付けるために前記表示ユニット側取付穴144に挿入したねじ等を係止する表示ユニット取付部材側取付部342を、対応する位置に対応する数だけ備えている。また、前記表示ユニット140を取り付けた状態の表示ユニット取付部材340を遊技盤1裏面に取り付けるためにねじ等を挿入する表示ユニット取付部材側取付穴343を所定位置に所定数備えており、中継基盤(図示省略)を固定する中継基盤用取付部344を所定位置に備えている。またさらに、前記ファンユニット取付用の切欠状位置決め部346を備え、その周囲には、前記ファンユニット240を当該表示ユニット取付部材340に取り付けるために前記ファンユニット側取付穴248に挿入したねじ等を係止する表示ユニット取付部材側第2取付部345を備えている。
【0041】
また、前面構成部材440は、前記特別図柄表示装置(変動表示装置)4の前方に位置し、遊技盤1の前面側の装飾等の機能を有する部材であり、種々の装飾を施した鎧部441、前記鎧部441等の装飾部材で囲まれて形成されると共に変動表示器4aを視認可能とするように開口部447を設けた凹室442、遊技領域1aを流下してきた遊技球を変動表示装置4の前面側(ここでは、演出空間形成部材540の前面側下方の凹室442部分)に一時的に載置可能とするステージ部443、遊技盤1の開口に対応して前面構成部材440をはめ込むための開口枠部444、前記開口枠部444と一体で前面構成部材440を遊技盤に固定する取付穴446を有する取付基盤445、後述する演出空間形成部材540等を備えている。さらに、ここでは、前面構成部材440に備えられた前記演出空間形成部材540を保持、固定すると共に演出空間Sに風を送る風路448aを有する表示枠体448を備えている。なお、前記表示枠体448に備えられた風路448aの開口した端部448bと、ファンユニット240の切替手段241における第2の風路245の先端部245aとが嵌合するようになっており、これにより風路448aと第2の風路245とが連通するように構成されている。また、符号449は、演出空間形成部材540の排気口542(後述)に対応するように表示枠体448に設けられた排気用開口部である。
【0042】
また、この前面構成部材440においては、所定の演出空間Sを形成する演出空間形成部材540を、変動表示器4aの表示部4gの前面側に位置するように備えている。ここでは、該演出空間形成部材540は、前記前面構成部材440の表示枠体448に周囲を固定された状態で保持されており、変動表示装置4の変動表示器4aの表示部4g部分を覆うような透明又は半透明のボックス状に構成されている。また、前記演出空間形成部材540を通して、遊技盤1の前面側から表示部4gの表示が視認可能となっている。さらに、当該演出空間形成部材540の内部には、紙や合成樹脂等の薄い軽量物で形成されて演出空間S内を遊動可能な演出物E1が収納されている。ここでは、花びらを模した演出物が適量(演出空間Sでひらひらと舞った際に変動表示器4aの表示部4gが視認可能な程度の量)備えられている。
【0043】
さらに、ボックス状に構成された演出空間形成部材540の下方部には、後述する風形成手段247から送られてきた人工風を演出空間S内に取り入れる吸気口541が形成されている。なお、ここでは、前記吸気口541は、花びらを模した演出物E1が通り抜けない程度の大きさの複数の穴で形成されている。さらに、ここでは、演出空間形成部材540の上部に前記吸気口541で取り入れた人工風を排出する排気口542が形成されている。この排気口542も、前記吸気口541と同様に演出物E1が通り抜けない程度の大きさの複数の穴で形成されている。
【0044】
そして、前記変動表示装置4の下方に、前記演出物E1を遊動させるための人工風を形成する風形成手段247としてのファンが設けられており、このファンによって発生させた人工風を風路を通して前記吸気口541に送り、ここから演出空間S内に上向きの風として取り入れるようになっている。この上向きの風により、内部の演出物E1を、演出空間S内の上方に舞わせた後ひらひらと舞い落ちる動作を繰り返すように遊動させるようになっている。そして、このように、演出物E1を変動表示装置4(変動表示器4aの表示部4g)の前面側において遊動させることで変動表示ゲームを演出することができるようになっている。なお、前記ファン247は、中心に(AC)モータがあり、その周囲にモータの回転軸に接続された羽根が付いているものである。また、前記演出空間形成部材540は、表示部4g前面の全体を覆うのではなく、表示部4g前面の一部(例えば、左半分、下半分等)を覆うようにしても良い。
【0045】
この実施の形態では、前記風形成手段247(ファン)で発生させた人工風は、常に演出空間Sに送られるものではなく、切替手段241によって、前記演出空間Sと演出制御基盤40のどちらか一方に送られるように構成されている。
詳述すると、まず、ここでは、前記したように変動表示装置4における変動表示器4aの背面側に基盤ボックス141に覆われた演出制御基盤40が備えられている。この演出制御基盤40は、遊技制御基盤20(図3)からの制御信号としての所定の演出コマンドに対して、前記変動表示ゲームの表示演出態様を複数種の態様のうちから決定する表示演出態様決定手段を備えている。
【0046】
さらに、ここでは、ファン247の(AC)モータは電源投入から常時一定の回転速度で駆動されている。また、前記切替手段241は、風路を切り替え可能な切替部材242と前記風路の切替動作を行う切替ソレノイド243を備えている。そして、当該切替部材242の切替により、当該風形成手段247と前記演出制御基盤40とを連通させるように形成された第1の風路244と、前記風形成手段247と前記演出空間形成部材540とを連通させるように形成された第2の風路245とのどちらか一方に人工風が送られるように構成されている。
【0047】
なお、この切替部材242は板状の部材であり、上端部を支点にして略垂直状態(このとき、切替部材242は、その下端部が風路の内側面に設けられた切替部材収納用段部249に収納されて内側面より内側に出っ張らないようになっていて第1の風路244内の風の流れを妨害しないようになっていると共に、第2の風路245を塞いで第1の風路244を開通させている)から約45度回転移動可能(図4では反時計回りに回転可能)となっており、当該切替部材242の回転移動先に対応するように風路の内側面に形成された切欠状の当接部246に切替部材242の下端部が当接する状態まで回転移動させると、第1の風路244を塞いで第2の風路245を開通状態とするようになっている。なお、前記切替部材242を切欠状の当接部246に当接させて第1の風路244を塞ぐことにより、切欠のない単なる内側面に切替部材242を当接させるのと比較して、風が第1の風路244側に漏れる量を少なく(ほとんど漏れないように)することができる。
【0048】
ここでは、常態では復帰バネの力により、風路が演出制御基盤40側、すなわち第1の風路244となるように切替部材242を維持(図4に示す略垂直状態に維持。すなわち、板状の切替部材242で第2の風路245を塞ぎ、第1の風路244を開通させるようにする)し、風形成手段247で発生させた風を第1の風路244及び基盤ボックス141に形成された連通部142を介して基盤ボックス141内に送り、少なくとも演出制御基盤40の冷却を行うようになっている(ここでは、当該基盤ボックス141内全体を冷却するようになっている。)。なお、図5及び図6に示すように、基盤ボックス141の背面上部には、主に連通部142から取り入れられた人工風を排出するための孔部143が設けられている。また、冷却は、少なくとも演出制御基盤に対しては行われるものであり、ここでは基盤ボックス内全体を冷却する。
【0049】
一方、変動表示ゲームの演出として、所定の条件(ここでは、前記表示演出態様決定手段によって特定の表示演出態様を決定した場合)に基づいて演出物E1による演出が実行されるときのみ、切替ソレノイド243を作動させて風路を演出空間形成部材540側(第2の風路245)に切り替えるように切替部材242を移動させる。すなわち、板状の切替部材242を回転移動させて、その下端部を第1の風路244を塞ぐ当接部246に当接させることにより、第2の風路245を開通させ、風形成手段247で発生させた風を第2の風路245及び吸気口541を介して演出空間形成部材540内に送り、演出物E1を宙に舞わせて遊動させるようになっている。
【0050】
特別変動入賞装置5はアタッカー形式の開閉扉(可動部材)5aによって開閉される大入賞口5bを備えている。また、開閉扉5aは、大入賞口ソレノイド5e(図3)の駆動により、その上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっている。そして、前記普通変動入賞装置9への遊技球の入賞に基づいて行われる、特別図柄表示装置(変動表示装置)4の変動表示器4aにおける特別変動表示ゲームの表示結果(変動表示器4aの表示部4gの各変動表示領域(ここでは、図7に示すような、右変動表示領域g1、中変動表示領域g2、左変動表示領域g3の3つの変動表示領域)における特別図柄(ここでは、図7に示すような、右図柄(右識別情報)g4、中図柄(中識別情報)g5、左図柄(左識別情報)g6の3つの図柄(識別情報))の停止態様)が予め定められた大当り結果(例えば、特別図柄が「6,6,6」のぞろ目等の特別の図柄組み合わせ態様(特別図柄組み合わせ態様)となること)となって大当り遊技状態(特別遊技状態)が発生した場合に、大入賞口5bを閉じた状態(遊技者にとって不利な閉状態)から多数の遊技球を獲得し易い開放状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換するサイクル遊技が行われるようになっている。
【0051】
この大入賞口5bの内部(入賞領域)には、該大入賞口5bに入った遊技球のうち一般入賞領域に流入した遊技球を検出するためのカウントセンサ5c(図3)、大入賞口5bに入った遊技球のうち特別入賞口(V入賞領域,継続入賞領域ともいう)に流入した遊技球を検出するための継続入賞センサ(特別入賞口センサ)5d(図3)、特別入賞口に遊技球が流入した後は遊技球を前記特別入賞口に流入させないようにして特別入賞口への遊技球の入賞率を調整する入賞率調整用ソレノイド(図示省略)等が配設されている。
また、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該一般入賞口8,…に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a,…(図3)が配設されている。
【0052】
ここで、遊技機に備えられる制御装置(制御手段)について説明する。
図3は、このパチンコ遊技機に設置された制御装置、特にここでは、主制御装置としての遊技制御装置20と従制御装置としての演出制御装置40等の他の制御装置で構成される制御装置の主要制御ブロック図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機は、遊技の進行等の遊技領域1aにおける遊技に関する統括的な制御を行う遊技制御装置(遊技制御手段ともいう。遊技制御基盤からなる)20を備えている。この遊技制御装置20は、演出制御装置(演出制御手段ともいう。演出制御基盤からなる)40等と共に、制御装置(制御手段)を構成している。また、前記演出制御装置(演出制御基盤)40は、本発明の表示演出態様決定手段として機能する。
【0053】
遊技制御装置20は、内部にCPU(Central Processing Unit)21a、RAM(Random Access Memory)21b及びROM(Read Only Memory)21cを備えた遊技用マイクロコンピュータ21、入力I/F23a、出力I/F23b、発振器22等により構成されて、遊技の進行等、遊技に関する統括的な制御を行うものである。
【0054】
CPU21aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特別変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)や普通変動表示ゲームのゲーム内容決定に関与する各種乱数値なども生成している。
RAM21bは、普通変動入賞装置9内に設けられた特図始動センサ9bのオン信号の記憶(特図始動記憶)及び普図始動ゲート6,6に設けられた普図始動センサ6b,6bのオン信号の記憶(普図始動記憶)の記憶領域、CPU21aで生成される各種乱数値の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域並びにCPU21aの作業領域を備えている。
ROM21cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特別変動表示ゲーム(変動表示ゲーム)や普通変動表示ゲームのゲーム内容を決定するための各種判定値などが書き込まれている。
【0055】
また、入力I/F23aには、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ9b、普図始動センサ6b,6b、カウントセンサ5c、継続入賞センサ5d、入賞口センサ8a,…、賞球検出センサ31などが接続され、それら各センサから出力される検出信号が入力I/Fを介してCPU21aに出力されるようになっている。
【0056】
一方、出力I/F23bには、CPU21aから出力される各種の制御信号が入力され、それら制御信号は、出力I/F23bから、図示しない出力ポート及びドライバーを介して、普図表示器(普通図柄表示装置)7、普電ソレノイド6c、普図始動記憶表示器6a(図3では図示省略)、特図始動記憶表示器4b(図3では図示省略)、大入賞口ソレノイド5e、入賞率調整用ソレノイド(図示省略)、排出制御装置30、演出制御装置40、盤用外部出力端子81などに出力されている。
【0057】
なお、この実施の形態では、演出制御装置40に、表示制御手段、装飾制御手段(発光制御手段)及び音制御手段の各機能手段を備えており、各種演出を統括して制御するようになっている。また、演出制御装置(演出制御基盤)40には、表示演出態様決定手段を備えており、この表示演出態様決定手段により、変動表示ゲームの表示演出態様を複数種の態様のうちから決定するようになっている。さらに、この実施の形態では、演出制御装置40において、前記風形成手段247と前記切替手段241の駆動制御を行うようになっている。
【0058】
一方、演出制御装置の代りに、表示制御装置、装飾制御装置(発光制御装置)及び音制御装置の各制御装置を別々に備えている場合もある。このときには、遊技制御装置から表示制御装置を介して、装飾制御装置(発光制御装置)及び音制御装置を制御するように構成されていると、遊技制御装置の負担を少なくすることができるため、好ましい。
【0059】
前記排出制御装置30は、遊技制御装置20のCPU21aから出力される賞球制御指令やカードユニット(図示省略)等から出力される貸球制御指令に基づいて、球排出ユニット(図示省略)から所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行うものである。なお、前記排出制御装置30には、賞球検出センサ31が備えられており、排出された賞球数を計測して遊技制御装置20に信号を送るようになっている。
また、盤用外部出力端子81は、遊技制御装置20からパチンコ遊技機の外部に対し出力される外部情報を中継するものである。
【0060】
この遊技制御装置20のCPU21aは、例えば、特図始動センサ9bからの検出信号(始動信号)の入力等に基づき、RAM21bに記憶されている乱数値を抽出し、該抽出した乱数値と、予めROM21cに記憶されている判定値との比較により、遊技者に対する遊技価値の付与として特別遊技状態を発生するか否かを決定する。
また、該決定に基づいて、演出制御装置40に制御信号として演出制御情報を送信するようになっており、当該演出制御情報に基づき、演出制御装置40のうち表示に関する制御を行う表示制御手段が、特別図柄表示装置(変動表示装置)4に変動表示ゲームを行わせたり、演出制御装置40のうち音に関する制御を行う音制御手段が、スピーカ61より出力される効果音を制御したり、演出制御装置40のうち装飾に関する制御を行う装飾制御手段(発光制御手段)が、サイドランプ12,12等の各種装飾ランプ・LED(発光手段)51の点灯・点滅状態を制御したりする。
さらに、遊技制御装置20のCPU21aは、入賞口スイッチ8a,…、特図始動センサ9b、カウントスイッチ5cから入賞球の検出信号が入力された場合に、それら検出信号に基づいて、排出制御装置30に賞球データを送って所要数の賞球を排出させる制御も行う。
【0061】
例えば、遊技制御装置20は、特図の大当たり判定用乱数値と特図の大当たり判定値とが一致する場合(大当りに当選した場合)には、演出制御装置40にその旨の演出制御情報を送り、当該演出制御情報に基づき演出制御装置40が、特別図柄表示装置(変動表示装置)4に表示させる変動表示ゲームの結果を特別結果として特別の識別情報の組み合わせ態様(例えば、「7,7,7」などの特別図柄組み合わせ態様)で停止させると共に、遊技制御装置20は、遊技状態を遊技者にとって有利な大当たり遊技状態と呼ばれる特別遊技状態にする。
【0062】
この特別遊技状態は、特別変動入賞装置5の開閉扉5aが所定時間(例えば、29.5秒間)開放して閉じるサイクルを1ラウンドとし、各ラウンド中、遊技球が大入賞口5b中の特別入賞口の継続入賞センサ5dに検出されることを条件に所定ラウンド(例えば、15ラウンド)まで継続される遊技状態である。但し、各ラウンド中、大入賞口5bに遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのラウンドを終了する。各ラウンド中、大入賞口5bへの入賞個数は、継続入賞センサ5d及びカウントセンサ5cにより検出されてRAM21bに記憶され、所定個数に達すると開閉扉5aが閉じられてそのラウンドの特別遊技状態が終了する。
【0063】
このように、このパチンコ遊技機においては、特別図柄表示装置(変動表示装置)4に表示される、複数の識別情報による変動表示ゲームの結果が、予め定められた特別図柄組み合わせ態様となることに関連して、所定の遊技価値の付与として遊技者に有利な特別遊技状態が発生可能となり、賞球の大量獲得の機会などが与えられるようになっている。
【0064】
前記したように、演出制御装置40は、表示制御手段、装飾制御手段及び音制御手段の各機能手段を備えており、各種演出を統括して制御するようになっている。
【0065】
このうち、演出制御装置40の表示制御手段は、遊技制御装置20からの指令に基づき変動表示装置4における変動表示器(特別図柄表示器)4aの表示部4gの表示制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、DMAC(Direct Memory Access Controller)44、発振器45、VDC(Video Digital Controller)46、フォントROM47、VDC46の電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正を行うγ補正回路48、インターフェイス49a,49bなどを備えている。
【0066】
CPU41は、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタなどを備え、遊技制御装置20とインターフェイス49aを介して接続され、遊技制御装置20の制御下、変動表示器(特別図柄表示器)4aの表示制御を行っている。その制御データは発振器45からのパルスに同期させてVDC46に送られる。
ROM42には、変動表示器(特別図柄表示器)4aの表示制御を行うための表示制御プログラムや表示制御データ等が書き込まれている。
RAM43は、各種データを一時的に記憶する記憶領域とCPU41の作業領域などを備えている。
DMAC44は、遊技用マイクロコンピュータ21からの演出制御情報(制御信号)に対し、CPU41とのアクセスなしで直接各メモリーやVDC46等の間で表示制御データのやり取りを行っている。
【0067】
フォントROM47には、特別変動表示ゲーム用の図柄の表示データ、背景画像の表示データ、リーチ状態画像の表示データ、遊技内容を説明する文字の表示データなどが書き込まれている。
VDC46の内部には、図示は省略するが、スプライトRAM、パレットRAM、V−RAM等が備えられていて、次のような画像データ制御を行っている。即ち、VDC46は、CPU41からの指令信号を受けて、フォントROM47から特別図柄や背景画像の表示データを取り出して編集する。そして、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAM(図示省略)で行い、次いでスプライトRAM(図示省略)にて特別図柄やキャラクタ等の画像編集を行う。
この編集された画像データ信号はγ補正回路48で補正された後、V_SYNCやH_SYNCと同期させて変動表示器4aに送信され、この変動表示器4aの表示部4gにおいて表示される。
【0068】
なお、この実施の形態では、演出制御装置(演出制御基盤)40で、風形成手段247及び切替手段241の駆動制御を行うようになっている。すなわち、風形成手段247における(AC)モータを常に一定の回転数で回転させる制御が行われると共に、切替ソレノイド243の駆動制御により切替手段241を変動表示ゲームの表示演出態様(ここではリーチ表示演出態様)に応じて切替制御するようになっている。
【0069】
さらに、ここでは、変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り結果)となる際の表示演出態様(リーチ表示演出態様)で、切替手段241を演出空間形成部材側にする確率が高くなるように設定されている。これにより、演出物による変動表示ゲームの演出が行われるときには、変動表示ゲームの結果が特別結果となりやすい、つまり大当りに対する信頼度が高い状態であると言える。
【0070】
なお、遊技制御装置20を始めとするこれら各制御装置は、電源供給装置(図示省略)から電源を供給されている。また、遊技制御装置20及び演出制御装置40には、前記電源供給装置(図示省略)からの電源供給がストップした際に作動するバックアップ電源(図示省略)が備えられている。
【0071】
この実施の形態に係るパチンコ遊技機は、上記のように構成されていて、制御手段(主に遊技制御装置(遊技制御手段)20と演出制御装置(演出制御手段)40)により、例えば、次のような遊技制御が行われる。
【0072】
まず、当該パチンコ遊技機に電源が投入されると、客待ちの状態となる。
この客待ちの状態では、変動表示装置4の表示部4aにおいて、例えば、客寄せ用のデモンストレーション表示等が行われていたり、左右に並んだ通常の変動表示領域の各々に特別図柄が停止状態で表示されていたりする。
【0073】
この状態で、遊技領域1a中に打ち込まれた遊技球が普通変動入賞装置9(特図始動入賞口)に入賞すると、変動状態に遷移する。
即ち、遊技制御装置20のCPU21aでは、普通変動入賞装置9内部の特図始動センサ9bから出力される検出信号に基づいて、その時点でRAM21bに記憶されている特図に関する各種乱数値(所定周期で記憶更新されている)を抽出し、該抽出した乱数値と、予めROM21cに記憶されている特図に関する各種判定値との比較により、特図の変動表示ゲームの内容(例えば、特別遊技状態(大当り状態)を発生させるか否か、変動表示領域の各々に本停止させる特別図柄を何れとするかなど)を決定すると共に、この決定に基づいて、演出制御装置40に演出制御情報(制御信号)を出力する。
【0074】
このとき出力される演出制御情報(制御信号)には、変動表示ゲームの開始指示データ(変動開始コマンド)、変動表示領域の各々に本停止させる特別図柄の停止図柄データ、変動パターンデータ(演出コマンドとしての変動パターンコマンド)等が含まれており、変動パターンデータにより特別図柄の変動時間等が指定され、その指定時間等に基づき、対応する変動パターン(通常変動、リーチ有り、リーチの種類(リーチ表示演出態様の種類)、再抽選有り、予告有りなど)が演出制御装置で決定されるようになっている。
【0075】
演出制御装置40は、遊技制御装置20から上記演出制御情報を受け取ると、該演出制御情報に基づいて画像データを編集し、この編集した画像データを変動表示装置4に送って、変動表示装置4における表示部4aに設定された変動表示領域の各々に、一連の特別図柄を順次変動表示させた後に停止させる特図の変動表示ゲームの表示を行わせる。具体的には、演出制御情報に含まれる変動パターンデータ(演出コマンド)に基づいて決定した(ここでは、演出制御装置40の表示演出態様決定手段が決定する)所定の変動パターン(通常変動、リーチ有り、リーチの種類、再変動有り、予告有り、再抽選有りなどの表示演出態様)で所定時間、設定された各変動表示領域の特別図柄を変動表示させた後、演出制御情報で指定された特別図柄を各変動表示領域に仮停止(揺れている状態で停止)させる。
【0076】
また、ここでは、前記表示演出態様が特定の表示演出態様である場合、前記した演出物を遊動させることによる変動表示ゲームの演出が行われるようになっている。以下、詳述する。
【0077】
まず、前記した変動表示ゲームが実行される場合には、遊技制御装置(遊技制御基盤)20から演出制御装置(演出制御基盤)40に対して、変動表示ゲームの表示演出態様を特定する変動パターンデータ(演出コマンド)を含む制御信号が送信される。
この演出コマンドは、例えば、変動表示ゲームにおいて、通常変動表示(全くの外れ)、リーチA外れ変動表示、リーチB外れ変動表示、リーチC外れ変動表示、リーチA当たり変動表示、リーチB当たり変動表示、リーチC当たり変動表示等の中から表示演出態様を特定するコマンドである。なお、このコマンドは変動時間を特定するようにもなっている。
【0078】
そして、演出制御基盤40では、特定の演出コマンド(例えば、前記した表示演出態様のうち、リーチC変動表示)を受信した場合に、更に、リーチの種類を演出制御基盤側で振り分ける処理を行う。ここでは、リーチC変動表示の演出コマンドを受信した場合、この振分により、そのリーチCの背景を、春、夏、秋、冬のいずれかに変化させるとともに、それに対応した効果音や装飾ランプの出力を行う。なお、同時に識別情報の変動態様も変化させるようにしても良い。
そして、特定の表示演出態様を決定した場合として春の背景でのリーチCを実行すると決定した場合に、切替ソレノイド243を駆動させて切替手段241を第2の風路245が開通するように切り替えて、図7に示すように演出物E1を遊動するように制御することを決定する。
【0079】
なお、ここでは、図7は、変動表示器4aにおける左変動表示領域g1の左識別情報g4と、右変動表示領域g3の右識別情報g6が同じ図柄(ここでは「7」)で仮停止状態にあり、中変動表示領域g2の中識別情報g5が変動表示されている所謂リーチ状態であり、変動表示器4aの表示部4gの背景に桜の木(図示省略)等が表示された表示状態となっている。そして、桜の花びらを模した演出物E1が、人工風K1によって中央部分で上方に舞い上がり、左右に散らばって舞い降りてくる動作を繰り返す演出が行われているものである。なお、前記切替手段241の切替は、背景を春の背景に切り替えるタイミングに合わせて行うとよい。
【0080】
その後、遊技制御装置20では、先に出力した演出制御情報で指定した変動時間が経過したところで、変動停止を指示する演出制御情報を演出制御装置40に出力する。演出制御装置40では、その演出制御情報に基づいて、変動表示領域の各々で仮停止されている特別図柄を本停止させる表示制御を行う。なお、その際、演出物E1による演出が行われていれば終了(本停止のタイミングで、切替手段241を第1の風路244が開通する側に切り替える)させる制御を行う。
【0081】
このとき、例えば、遊技制御装置20において、特図の大当たり判定用の乱数値とその判定値との比較により、ハズレが決定されている場合には、各変動表示領域における特別図柄の停止態様がハズレの組み合わせ態様となって、すなわち変動表示ゲームの表示結果が外れ結果となって、当該変動表示ゲームが終了となる。その後、特図始動記憶がない場合には、客待ちの状態に遷移し、特図始動記憶がある場合には、次の変動表示ゲームの変動状態に移行する。
【0082】
一方、特図の大当たり判定用の乱数値とその判定値との比較により、特図の変動表示ゲームの結果が大当り結果(特別結果)となることが決定されている場合には、変動表示ゲームの表示結果として、予め用意されている複数種の特別図柄組み合わせ態様のうちのいずれかが導出表示され、すなわち設定された各変動表示領域における特別図柄の停止態様が特別の組み合わせ態様(例えば、「1,1,1」などのぞろ目)となって、大当たりと呼ばれる特別遊技状態に遷移する。
【0083】
この特別遊技状態は、特別変動入賞装置5の開閉扉5aが所定時間(例えば、29.5秒間)開放して閉じるサイクルを1ラウンドとし、各ラウンド中、遊技球が大入賞口5b中の特別入賞口(継続入賞領域)の継続入賞センサ(特別入賞口センサ)5dに検出されることを条件に所定ラウンド(例えば、15ラウンド)まで継続される遊技である。但し、各ラウンド中、大入賞口5bに遊技球が所定個数(例えば、10個)入賞したときはその時点でそのラウンドを終了する。各ラウンド中、大入賞口5bへの入賞個数は、カウントセンサ5cにより検出されてRAM21bに記憶され、所定個数に達すると開閉扉5aが閉じられてそのラウンドの特別遊技状態(大当り状態)が終了する。
なお、特別遊技状態において、演出物E1の演出が行われるようにされていても良い。
【0084】
この特別遊技状態が終了すると、特図始動記憶がない場合には、客待ちの状態に遷移し、特図始動記憶がある場合には、次の変動表示ゲームの変動状態に移行する。
【0085】
なお、前記したリーチCの背景を、春、夏、秋、冬のいずれにするかによって、特別遊技状態の発生に対する信頼度を変化させるようにしても良い。例えば、大当りの判定結果が当選(特別遊技状態の発生)であるときには、リーチCの背景に春の景色(花びらの演出物E1の演出を伴う)が選択される確率を高くし、大当りの判定結果が外れであるときには、リーチCの背景に春の景色(花びらの演出物E1の演出を伴う)が選択される確率を低くするようにすれば、花びらの演出物E1の演出を伴う春の景色を背景としたリーチCの大当りに対する信頼度を高くすることができる。これにより、花びらの演出物E1の演出を伴う春の景色を背景としたリーチCが行われた場合には、遊技者に、当該変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態が発生する期待感を強く持たせることができる。
【0086】
また、この実施の形態では、特定の演出コマンド(ここでは、リーチC変動表示)に対して特定の表示演出態様を決定した場合(ここでは、春の背景でのリーチCを実行すると決定した場合)には、必ず花びらの演出物E1を遊動させる演出を行う決定をしていたが、特定の表示演出態様を決定した場合における所定の確率で演出物E1を遊動させる演出を行うようにしても良い。
例えば、大当りの判定結果が当選(特別遊技状態の発生)であるときには、背景が春の景色であるリーチCが選択された場合に、花びらの演出物E1による演出が行われる確率を高くし、大当りの判定結果が外れであるときには、背景が春の景色であるリーチCが選択された場合に、花びらの演出物E1による演出が行われない確率を高くするようにすると、背景が春の景色であるリーチCが行われたときに、花びらの演出物E1が遊動する演出が行われることに対する信頼度を高くすることができる。
これにより、背景が春の景色であるリーチCが行われたときに、花びらの演出物E1が遊動する演出が行われるか否かに遊技者が注目するようになると共に、当該花びらの演出物E1の演出を伴う春の景色を背景としたリーチCが行われた場合に、遊技者に、当該変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態が発生する期待感を強く持たせることができる。
【0087】
<変形例1>
また、変形例1として、図8に示すように、演出物E1の遊動のさせ方を変えても良い。すなわち、図7の演出物E1は、中央部分で上方に舞い上がり、左右に分かれて舞い降りる動作を繰り返すように、人工風K1を取り入れる吸気口を表示部4gにおける中央部分付近に設けていた。これに対して、変形例1では、図8に示すように、人工風を取り入れる吸気口を左右2箇所に設け、ここから人工風K2,K2を取り入れることにより、左右両側から演出物E1が舞い上がり、中央部分で舞い降りる動作を繰り返すようにできる。
なお、演出空間形成部材540における人工風の吸気口は、固定されていても良いが、例えば前記した図7の状態(中央部に吸気口)と図8の状態(左右の2箇所に吸気口)に互いに変換可能となっていると、演出物の動きに、より変化を生じさせることができる。
【0088】
<変形例2>
さらに、変形例2として、図9及び図10に示すように、前記変動表示装置が変動表示ゲームを異なる種類の表示演出態様で表示可能に構成し、前記演出空間形成部材が、異なる種類の表示演出態様の各々に対応した演出物を収納し、該異なる種類の演出物を切り替えて遊動させることが可能な演出物切替手段を備えていても良い。このときには、前記変動表示ゲームの表示演出態様に応じて演出物切替手段を切り替えることで、該変動表示ゲームの表示演出態様に対応した種類の演出物により当該変動表示ゲームを演出可能となる。
【0089】
以下、詳述する。
まず、この変形例2においては、演出制御装置40の表示演出態様決定手段により、例えば制御信号の受信タイミングに基づいて取得される乱数値によって、複数の異なる種類の表示演出態様の中から当該変動表示ゲームで表示される表示演出態様が決定されるようになっている。
【0090】
さらに、この変形例2の演出空間形成部材540Aは、異なる種類の演出物を別々に収納可能となっている。ここでは、2種類の異なる演出物(具体的には、桜の花びらを模した演出物E1及び雪の結晶を模した演出物E2)を有しており、演出空間形成部材540Aの下方部に設けられた演出物切替手段543によって当該2種類の異なる演出物を別々に収納可能となっている。
【0091】
この演出物切替手段543は、演出空間形成部材540の下方部を遊技機の前後方向(図9の(b)における左右方向)に仕切る仕切板545を有しており、この仕切板545によって、花びらの演出物E1を収納する第1演出物収納部546と雪の結晶の演出物E2を収納する第2演出物収納部547が形成されている。また、前記仕切板545の上端には、下端部を軸として回転可能な板状の演出物切替部材544を有している。そして、2種類の演出物E1,E2の双方が演出空間形成部材540Aの下方に形成された各演出物収納部546,547に溜まって収納されている(遊動していない)状態で、当該演出物切替部材544を遊技機の後方(図9の(b)及び図10の(b)における右側)に回転させて後ろの面に係止させることにより、図9の(b)に示すように、演出物E2を閉じ込めるとともに演出物E1を開放した状態とすることができ、風形成手段247から送られた人工風によって、演出空間Sを演出物E1のみが遊動するような状態にすることができる。また、ここで、人工風の吸気口も遊技機における前後方向に2つ(具体的には、前側吸気口541aと後側吸気口541b)に分かれており、図9の(b)に示すように、演出物E1を開放状態とするときには、前側吸気口541aを開いて後側吸気口541bを閉じるようになっていると良い。これにより、前側吸気口541aからの人工風K3のみが取り入れられ、さらに確実に演出物E1のみが遊動するようにできる。
【0092】
また、2種類の演出物E1,E2の双方が演出空間形成部材540Aの下方に形成された各演出物収納部546,547に溜まって収納されている(遊動していない)状態で、前記演出物切替部材544を遊技機の前方(図9の(b)及び図10の(b)における左側)に回転させて前の面に係止させることにより、図10の(b)に示すように、演出物E1を閉じ込めるとともに演出物E2を開放した状態とすることができ、風形成手段247から送られた人工風によって、演出空間Sを演出物E2のみが遊動するような状態にすることができる。また、ここで、演出物E2を開放状態とするときには、後側吸気口541bを開いて前側吸気口541aを閉じるようになっていると良い。これにより、図10の(b)に示すように、後側吸気口541bからの人工風K4のみが取り入れられ、さらに確実に演出物E2のみが遊動するようにできる。なお、前記演出物切替部材544は、演出制御装置40で駆動制御される演出物切替ソレノイド(図示省略)により回転させるようになっており、これにより演出物E1,E2の切り替えが行われるようになっている。
【0093】
そして、遊技制御装置20からの制御信号(所定の演出コマンド)に基づき前記演出制御装置40の表示演出態様決定手段により決定された変動表示ゲームの表示演出態様(ここでは、リーチ表示演出態様)が、例えば、桜の木が背景に表示される春の背景でのリーチ表示演出態様である場合には、演出制御装置40は、図9の(b)に示すように、演出物切替手段543の演出物切替部材544を図の右側(遊技機の後方)に回転させ(倒し)、当該春の背景でのリーチ表示演出態様に応じた花びらの演出物E1による演出(図9の(a))が行われるようにする。
【0094】
また、遊技制御装置20からの制御信号(所定の演出コマンド)に基づき前記演出制御装置40の表示演出態様決定手段により決定された変動表示ゲームの表示演出態様(ここでは、リーチ表示演出態様)が、例えば、冬山が背景に表示される冬の背景でのリーチ表示演出態様である場合には、演出制御装置40は、図10の(b)に示すように、演出物切替手段543の演出物切替部材544を図の左側(遊技機の前方)に回転させ(倒し)、当該冬の背景でのリーチ表示演出態様に応じた雪の結晶の演出物E2による演出(図10の(a))が行われるようにする。
【0095】
なお、ここで、符号g1は変動表示器4aにおける左識別情報g4が変動表示される左変動表示領域、g2は変動表示器4aにおける中識別情報g5が変動表示される中変動表示領域、g3は変動表示器4aにおける右識別情報g6が変動表示される右変動表示領域である。
【0096】
以上のように、前記した実施の形態における遊技機によれば、変動表示装置での変動表示ゲームと共に変動表示装置外で行われる演出において、固定的なパターンを繰り返すような動作ではなく、演出物の人工風による遊動といった先の動きが読めない動作により多彩で装飾性の高い演出を行うことができ、変動表示装置の変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
また、当該演出は変動表示ゲームと重なり合う状態で行われるので、極めて演出効果を高めることができる。
【0097】
また、前記した実施の形態では、風形成手段で形成された人工風により演出制御基盤の冷却と、変動表示ゲームの演出を行うことができ、人工風を効率よく使用することができる。特にきめ細かい画像(高解像度、高階調の画像)を表示するための演出制御基盤は発熱を伴い、更に遊技機の裏面側は密閉されているので、熱による不具合が生じやすいが、このような熱を抑制(放熱)することができる。
【0098】
さらに、前記した実施の形態では、風形成手段と演出制御基盤とを連通させる第1の風路と、風形成手段と演出空間形成部材とを連通させる第2の風路とを、切替部材により切替可能となっているため、風形成手段で形成された人工風による演出制御基盤の冷却および変動表示ゲームの演出を確実に行うことができる。
【0099】
またさらに、前記した実施の形態では、変動表示装置での表示演出の制御を行う演出制御基盤で、風形成手段と切替手段を駆動制御することによる演出空間での演出物の演出制御を行うことで、表示演出と演出物による演出との双方の演出を組み合わせた(同調させた)演出制御を効率的に行うことができる(双方の演出制御を行う制御基盤が異なる場合に双方の演出を同調させた制御を行うためには基盤間の通信が必要であり、これによる効率低下は避けられない。)。また、配線処理も効率よく行える。
【0100】
また、前記した実施の形態では、変動表示ゲームを複数種の表示演出態様により多彩に実行でき、また、そのうちの1つの特定の表示演出態様の時に演出物が遊動するので、演出物の遊動により特定の表示演出態様が行われた場合は、他の表示演出態様よりも際立たせることができる。例えば、変動表示ゲームが特別結果となる可能性が高い場合に、特定の表示演出態様で制御するようにすれば、特別結果に対する期待感が高いことを明確にすることができる。また、遊技制御基盤からの1つの演出コマンドに対して、演出制御基盤側で独自に表示演出態様の選択及び決定を行うので、上記のような制御を全て演出制御基盤で効率よく実現することができる。
【0101】
さらに、前記した実施の形態では、ボックス状の演出空間形成部材内で、変動表示装置の前面側での演出物の遊動を確実に実現することができる。例えば、風に舞う花びら、雪、葉や風に揺らめく草等を好適に表現できる。
【0102】
またさらに、前記変形例2では、例えば、花びらと雪を模した演出物を切替可能とし、変動表示装置の変動表示ゲームにおける表示演出が桜の木の場合に花びら、雪景色の場合に雪の演出物を遊動可能とすることによって、より多彩な演出を行うことができ、変動表示ゲームの興趣を更に高めることができる。
【0103】
なお、前記変形例2においては、2種類の異なる演出物を備えていたが、これに限るものではなく、3種類以上の演出物を別々に収納していても良い。
また、前記変形例2においては、同一の空間内(同一の演出空間形成部材100a内)に異なる演出物(演出物E1及び演出物E2)を収納するように構成されていたが、これに限るのもではない。例えば、演出空間形成部材による演出空間を前後に分けて(完全に2つに仕切ってしまう)、それぞれの空間に異なる演出物を分別して収納するようにしてもよい。このようにすれば、確実に演出物が混ざらないようにすることができる。
【0104】
また、前記した実施の形態では、演出物としては、紙や合成樹脂の軽いものでひらひら舞うようなもののみが用いられていたが、これに限るものではない。例えば、遊動する演出物としては、草等を模して一端が固定された物であっても良い。すなわち、風があるときだけ先端が上に舞うようなものである。
さらに、演出空間形成部材の内部に、煙等の気体を注入して演出を行うようにして演出効果を高めるようにしてもよい。また、遊動する物による演出と気体による演出を併用しても良い。
【0105】
なお、演出空間形成部材における演出物が停留する底部に金属板等の静電気除去部材を備えて、演出物の静電気を除去するようにしてもよい。これにより、演出物が静電気を帯びることによって演出物の遊動が妨げられる不具合を生じなくすることができる。
【0106】
また、変動表示ゲームの前記特定の表示演出態様として、変動表示器における画像により桜の花びらが散る表示演出を行い、同時に演出物による演出を行うようにして表示演出態様と演出物の関連性を高めるようにしてもよい。
【0107】
さらに、前記した実施の形態では、演出空間形成部材は透明若しくは半透明の合成樹脂で形成されているが、この合成樹脂における、変動表示器の変動表示領域に対応する箇所(前板或いは後板)をレンズ加工してもよい。これにより、変動表示領域の識別情報及び演出物を目立たせることができる。
【0108】
またさらに、ここでは、演出空間形成部材は、前面構成部材(取付基盤)側に設けられたが、表示ユニット側に設けてもよい。即ち、変動表示器の前面に取り付けるようにしてもよい。
【0109】
加えて、ステッピングモータを備えて風形成手段Fの回転スピードを変更可能にしても良い。例えば、50rps、10rps、5rpsの3パターンが選択可能となっていて、変動表示ゲームの表示演出態様に応じて予め定められた回転スピードに変更されるようになっていても良い。特に、演出空間形成部材に送る人工風に強弱を付けると、演出物の動きが変化するため、効果的である。
またさらに、変動表示器4aでの変動表示ゲームにおける大当たり状態に対する信頼度に対応して、風形成手段Fの回転スピードを決定しても良い。
【0110】
なお、本発明は、前記実施の形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの弾球遊技機や、パチスロ或いはスロットマシンなどにも適用可能である。
さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0111】
【発明の効果】
この発明に係る弾球遊技機によれば、変動表示装置での変動表示ゲームと共に変動表示装置外で行われる演出において、固定的なパターンを繰り返すような動作ではなく多彩で装飾性の高い演出を行うことができ、変動表示装置の変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機として例示するパチンコ遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】図1の遊技盤に備えられた変動表示装置の拡大正面図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の主要な制御ブロック図である。
【図4】図1の遊技盤における変動表示装置付近の概略断面図である。
【図5】図1の遊技盤における変動表示装置を裏面側からみるように示した斜視図である。
【図6】図1の遊技盤における変動表示装置を構成する部材を裏面側からみるように示した斜視図である。
【図7】変動表示ゲームにおける変動表示装置の画像及びその前面側で遊動する演出物の遊動状態の一例を示す概略図である。
【図8】変動表示ゲームにおける変動表示装置の画像及びその前面側で遊動する演出物の遊動状態の他の例を示す概略図である。
【図9】(a)変動表示ゲームにおける変動表示装置の画像及びその前面側で遊動する第1の演出物を示す概略図と、(b)その際の演出物切替手段の様子を示す演出空間形成部材の側方視概略図である。
【図10】(a)変動表示ゲームにおける変動表示装置の画像及びその前面側で遊動する第2の演出物を示す概略図と、(b)その際の演出物切替手段の様子を示す演出空間形成部材の側方概略図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
1a 遊技領域
4 変動表示装置
4a 変動表示器
20 遊技制御装置(遊技制御基盤)
40 演出制御装置(演出制御基盤、表示演出態様決定手段)
241 切替手段
242 切替部材
244 第1の風路
245 第2の風路
247 ファン(風形成手段)
540,540A 演出空間形成部材
541,541a,541b 吸気口
543 演出物切替手段
E1,E2 演出物
g4,g5,g6 特別図柄(識別情報)
K1,K2,K3,K4 人工風
S 演出空間
Claims (6)
- 複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置と、該変動表示装置の前面側に配設され該変動表示装置の表示部を前方から視認可能にする開口部を備えるとともに内側下方にステージ部を備えた凹室を形成する前面構成部材と、を遊技盤に備え、大当たりに当選した場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態にするように構成された遊技機において、
前記変動表示装置の前面側であって前記前面構成部材の開口部の後方位置に所定の演出空間を形成する演出空間形成部材を該変動表示装置の表示部を覆う状態で配設し、
前記演出空間形成部材は、透明若しくは半透明でボックス状に構成されるとともに前記演出空間内に遊動する演出物を収納して構成され、
前記演出物を遊動させるための人工風を形成する風形成手段を前記変動表示装置の表示部の下方に配設し、
前記風形成手段からの人工風を、前記演出空間形成部材の下部に形成された吸気口から取り入れて前記演出物を上方に舞わせて前記変動表示装置の表示部の前方において遊動させることで前記変動表示ゲームを演出するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示器と該変動表示器の表示制御を行う演出制御基盤とを含む変動表示装置を備え、大当たりに当選した場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果にするとともに遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態にするように構成された遊技機において、
前記変動表示装置の前面側において所定の演出空間を形成する演出空間形成部材を配設し、
前記演出空間内を遊動する演出物を備えるとともに、該演出物を遊動させるための人工風を形成する風形成手段を備え、
前記演出物を前記変動表示装置の前面側において遊動させることで前記変動表示ゲームを演出し、
前記風形成手段で形成された人工風を、前記変動表示ゲームの演出と、前記演出制御基盤の冷却と、の何れかのために切り替える切替手段を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記切替手段は、風路を切り替える切替部材を備えるとともに、該切替部材の切替により、前記風形成手段と前記演出制御基盤とを連通させる第1の風路と、前記風形成手段と前記演出空間形成部材とを連通させる第2の風路と、を形成可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
- 前記演出制御基盤は、遊技の進行を制御する遊技制御基盤とは別個に設けられるとともに該遊技制御基盤からの制御信号に基づいて表示制御を行うように構成され、
前記風形成手段と前記切替手段を前記演出制御基盤で駆動制御するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。 - 前記演出制御基盤は、遊技制御基盤からの制御信号としての所定の演出コマンドに対して、前記変動表示ゲームの表示演出態様を複数種の態様のうちから決定する表示演出態様決定手段を備え、特定の表示演出態様を決定した場合に、前記切替手段を前記演出空間形成部材側に切り替えるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
- 前記変動表示装置は、変動表示ゲームを異なる種類の表示演出態様で表示可能に構成され、
前記演出空間形成部材は、異なる種類の表示演出態様の各々に対応した演出物を収納し、該異なる種類の演出物を切り替えて遊動させることが可能な演出物切替手段を備え、
前記変動表示ゲームの表示演出態様に応じて演出物切替手段を切り替えることで、該変 動表示ゲームの表示演出態様に対応した種類の演出物により当該変動表示ゲームを演出するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技機。
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