以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)について、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1および図2を参照しつつ説明する。図1は、パチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の前側全体を示す正面図である。なお、図1および図2では、遊技領域における装飾部材を省略して図示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2および図3を参照しつつ説明する。図3は、パチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカーボックス部16が一体に形成され、そのスピーカーボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカー装着板17が装着されている。そして、スピーカー装着板17にはスピーカー18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1および図2を参照しつつ説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカー57、スピーカーカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、演出選択スイッチ60が設けられている。この演出選択スイッチ60は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこの演出選択スイッチ60を押下すると、後述する演出表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、この演出選択スイッチ60に代えて、レバーまたはボタンであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば良い。
[施錠装置の構成について]
図1および図3を参照しつつ説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成について]
図1、図3および図4を参照しつつ説明する。図4は、パチンコ機の後側全体を示す背面図である。図1および図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図10参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その間隙から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成について]
図7および図8を参照しつつ説明する。図7は、パチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は、本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左側)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
なお、本実施形態において、「前後方向」とは、遊技盤5の面に対して直交する方向、即ち、遊技者からみた前後方向を意味する。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物300)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物300の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成について]
図7および図8を参照しつつ説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図3参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図3および図4を参照しつつ説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について]
図4および図5を参照しつつ説明する。図5はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図9参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図9参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機1を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2および図6を参照しつつ説明する。図6は、図5に示すパチンコ機の斜視図から後カバー体および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカーボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10〜図13を参照しつつ説明する。図10は、遊技領域を有した遊技盤の構成を示す拡大正面図である。図11は、遊技盤を斜め前方から示す斜視図である。図12は、遊技盤の平面図である。図13は、遊技盤の側面図である。
図10および図11に示すように、遊技盤5は、遊技領域37を形成する略円形の遊技領域形成壁80を有している。この遊技領域形成壁80の内側(遊技領域37側)であって且つ左側には、遊技球を遊技領域37に案内する外レール76および内レール77からなる案内レール78が設けられている。発射装置ユニット194(図7参照)から発射された遊技球は、案内レールに沿って遊技領域37に向けて打ち込まれる。
遊技領域37の中央部には、センター役物300が配置されている。このセンター役物300は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさである。センター役物300は略長方形の開口部301を有しており、後述するように、この開口部301の後側には浮遊体駆動装置20および演出表示装置115が重ねて配置されている。また、センター役物300は枠状装飾体370を有しており、この枠状装飾体370は、開口部301の開口縁に沿って設けられている。
センター役物300の下方には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受入れ可能な第1始動口390が配置されている。第1始動口390の下方には、一対の可動片396を有する第3始動口394(第2始動口については後述する)が配置されている。第3始動口394は、一対の可動片396が閉状態であるときは遊技球を受入れることが不可能または受入れ困難となっており、この一対の可動片396が開状態であるときは、第1始動口390よりも遊技球の受入れが容易となる。なお、図10および図11に図示されている一対の可動片396は、開状態を示すものである。
なお、本実施形態において、「下方」とは、遊技球の流下方向についての下流側を意味し、「上方」とは、遊技球の流下方向についての上流側を意味する。
第1始動口390の真上であって且つ枠状装飾体370の下枠370aには開口部372が形成されている。
第1始動口390と球排出口406との間、具体的には第3始動口394の下方であって且つ球排出口406の上方(本実施形態では直上)には、大当たり遊技用開閉装置400が設けられている。この大当たり遊技用開閉装置400は、大当たり遊技用大入賞口400aと、この大当たり遊技用大入賞口400aに対応して設けられた大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bとを有している。大当たり遊技用大入賞口400aは、遊技球の受入れが可能な開口部である。大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bは、大当たり遊技用大入賞口400aを、遊技球の受入れが可能な開状態と遊技球の受入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。なお、大当たり遊技用大入賞口400aが閉状態であるとき、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球の受け入れが必ずしも不可能であることに限定されるものではなく困難、好ましくは極めて困難であっても良い。
センター役物300の左側には、遊技球が通過可能な通過ゲート402が設けられており、センター役物300の左下方及び右下方(第1始動口390および第3始動口394の左側および右側)には、それぞれ一般入賞口404が設けられている。
また、本実施形態において、「左側」とは、遊技者からみた左側を意味する。
遊技球の流下方向について最も下流側には、各始動口390,392,394、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球を遊技盤5の背後に排出する球排出口406が形成されている。即ち、遊技球の流下方向について球排出口406よりも上流側に設けられた各始動口390,392,394、大当たり遊技用開閉装置400および一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球は、この球排出口406に向けて流下する。
大当たり遊技用開閉装置400は球排出口406の直上に配置されている。これにより、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作中は、各始動口390,392,394、一般入賞口404のいずれにも入賞しなかった遊技球が大当たり遊技用開閉装置400の近傍に集まってくるので入賞の期待感をもつことができる。
センター役物300の右下には、後述する第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を表示する第1特別図柄表示器84、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を表示する第2特別図柄表示器86、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を表示する第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を表示する第2特別図柄保留表示器90が設けられている。また、普通図柄抽選手段720による抽選結果を表示する普通図柄表示器82と、普通図柄抽選手段720による抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器92とが設けられている。
これらの各表示器82,84,86,88,90,92は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、普通図柄抽選手段720による抽選結果、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数、第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数および普通図柄抽選手段720による抽選の保留数が報知される。
なお、「抽選の保留数」とは、本実施形態によれば、当否判定用乱数を取得するものの当該取得した当否判定用乱数が当たりであるか否かの判定の保留数を意味するが、これに限られず、当否判定用乱数の取得を保留し、当該取得を保留した当否判定用乱数の保留数であっても良い。
また、第1特別図柄保留表示器88および第2特別図柄保留表示器90には、抽選の保留数の表示に代えて、抽選結果の表示の保留数であっても良い。即ち、当否判定用乱数を取得し且つ当該取得した当否判定用乱数の当否を判定するものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示することを保留し、かかる保留数を表示しても良い。
本実施形態の遊技盤5は、主要な構成部品として、図12および図13に示すように、前側から、案内レール78を備えた前構成部材79と、枠状のセンター役物300と、大当たり遊技用開閉装置400,第3始動口394,一般入賞口404などを備えた入賞口ユニット260と、通過ゲート402を備えたサイド装飾部材262(図10および図11参照)と、前側からセンター役物300、入賞口ユニット260、およびサイド装飾部材262を取付けるための適宜大きさの貫通孔を複数有した板状の遊技盤ベース266と、遊技盤ベース266の後側に取付けられる浮遊体駆動装置20と、浮遊体駆動装置20と前後に重ね合わされるように浮遊体駆動装置20の後側に固定される演出表示装置115と、浮遊体駆動装置20の下側に配置されると共に遊技盤ベース266の後面側に取付けられ、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132を支持し且つ遊技領域37に打ち込まれた遊技球を遊技盤5から排出するアウト口流路を有した基板ボックスホルダ268とを主に備えている。
より詳細には、遊技盤ベース266の略中央部には、枠状のセンター役物300を配置ために正面視で横長長方形状の開口領域が形成されており、この開口領域に嵌め込まれたセンター役物300の開口部301の全体を背後で被覆するように浮遊体駆動装置20が配置される。なお、後述するように、この浮遊体駆動装置20は、少なくともセンター役物300の開口部301を被覆する部分が透明部材で構成されている。そのため、パチンコ機1の正面側からは、センター役物300の後方に配置された演出表示装置115が、浮遊体駆動装置20を介して視認可能に構成されている。なお、浮遊体駆動装置20の詳細については後述する。
[センター役物における第1および第2ステージについて]
図10および図11を参照しつつ説明する。図10および図11に示すように、センター役物300は、枠状装飾体370の下枠370a付近に、第1棚部(以下、「第1ステージ330」と称する。)と、遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に配置された第2棚部(以下、「第2ステージ350」と称する。)とを有している。第2ステージ350が配置されている位置は、第1ステージ330に対して演出表示装置115の反対側(即ち前方(遊技者)側)である。
枠状装飾体370の左枠370bの上下方向の略中央付近(即ち枠状装飾体370の側方)には、流下する遊技球を、第1ステージ330まで誘導するためのステージ誘導路(以下、「ワープ316」と称する。)に受入れ可能なワープ入口306が設けられている。
第1ステージ330は、ワープ出口側端部336からワープ反出口側端部338にかけて略平面で形成されている。一方、第2ステージ350は、その略中央部が低くなるように湾曲した曲面で形成されている。
ワープ入口306に受入れられた遊技球は、ワープ出口312から排出されて、第1ステージ330に導かれる。なお、ワープ316における遊技球の流下方向と第1ステージ330における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、ワープ316を流下した遊技球は、運動エネルギーの損失が少ない。即ち、ワープ316を流下した遊技球がその進行方向を変えられると運動エネルギーが損失してしまう。従って、ワープ316を流下した遊技球は、第1ステージ330上を勢い良く転動する。これにより、第1ステージ330に導かれた遊技球は、第1ステージ330上を勢い良く転動し、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
また、本実施形態において、第1ステージ330および第2ステージ350には、センター役物300の右側からは遊技球が導かれない。即ち、第1ステージ330および第2ステージ350にはセンター役物300の左側からのみ遊技球が導かれるので、第1ステージ330上および第2ステージ350上を転動する遊技球が、反対方向から導かれた遊技球によって転動を阻害されることがない。これにより、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
第1ステージ330には、その略中央部に、遊技球を受入れ可能な第2始動口392が形成されている。なお、第2始動口392に入賞した遊技球は、遊技盤5の背後に連通する排出路(図示せず)を通って、遊技盤5の背後に排出される。
第2ステージ350の左右方向の略中央部(即ち、第1ステージ330の第2始動口392に対応する部位)に対応する位置には、第1始動口誘導路374を介して枠状装飾体370の下枠370aに形成された開口部372に連通する第1始動誘導口368が形成されている。
第1始動誘導口368に導かれた遊技球は、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出される。ここで、第1始動口誘導路374は第1始動口390の真上方まで遊技球を導くように形成されているので、第1始動口誘導路374に導かれて遊技盤5面側に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する期待感は非常に大きなものとなる。ただし、第1始動口390の真上には釘が配置(図示せず)されており、この釘によって第1始動口390への遊技球の入賞が阻害されることがある。従って、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する確率は、概ね4分の1〜4分の3程度となる。
[浮遊体駆動装置の構成について]
図14乃至図16を参照しつつ説明する。図14は、浮遊体駆動装置を中心とした遊技盤の背面図である。図15は、浮遊体駆動装置を中心とした遊技盤の背面斜視図である。図16は、送風ファンを中心とした側面断面拡大図である。なお、図14および図15では、理解を容易にするために、演出表示装置115および基板ボックスホルダ268は図示していない。
図14乃至図16に示すように、浮遊体駆動装置20は、演出表示装置115が背面側に配設される透明樹脂製(例えば、透光性を有するプラスティック)の透明ケース21を有している。この透明ケース21は、正面視で左右方向を長手方向とするとともに前後方向に若干の厚みを有する箱状体をなし、その内部には未確認飛行物体(所謂、UFO)を模した浮遊体Zが封入されている。
ここで、浮遊体Zは、プラスティックや発泡スチロールなどの軽量素材を使用した有色の役物であって、少なくとも風力によって浮遊する程度に軽量であることを要し、略球形に近い外形を有することが望ましい。本実施形態では、浮遊体Zは、上半分のみの半球状をなすとともに、その下端縁部から全周にわたって突出する鍔部が形成されて、全体として未確認飛行物体(所謂、UFO)を模した外観を呈する。そして、浮遊体Zの内部に形成された内部空間100aには、浮遊体Zの下端開口100bから空気が流入可能となっている。また、浮遊体Zの頂点部分には、内部空間100aと連通した小径の貫通孔である上端孔100cが形成されているため、内部空間100aに流入した空気はこの上端孔100cから流出可能となっている。この浮遊体Zの浮遊原理は、後述する。
また、透明ケース21の上面は、多数の略長方形の小孔がメッシュ状に開口した板状部材であるメッシュ上板21aにより構成される。同様に、透明ケース21の下面は、多数の略長方形の小孔がメッシュ状に開口した板状部材であるメッシュ下板21bにより構成される。そのため、透明ケース21の内部は、メッシュ上板21aおよびメッシュ下板21bを介して外部と連通して空気の流動が可能となっている。
そして、透明ケース21は、センター役物300の背面に密接して、当該センター役物300の中央開口(開口部301)の全体を被覆するように固定される。また、演出表示装置115は、正面視でセンター役物300の開口部301と略一致するように、透明ケース21の背後に配設される。そのため、遊技者は、センター役物300の開口部301において、演出表示装置115に表示される各種演出画像とともに、透明ケース21の内部で浮遊される浮遊体Zを重複して視認可能である。なお、浮遊体Zが移動可能な透明ケース21の内部領域が、浮遊体移動領域200である。
ここで、透明ケース21の左右方向の大きさは、センター役物300に形成された開口部301の左右方向の大きさと略等しい一方で、透明ケース21の上下方向の大きさは、当該開口部301の上下方向の大きさよりも若干大きく形成されている。そして、正面視では、透明ケース21の両側面と開口部301の両側縁部とが略一致し、かつ、透明ケース21の上面(メッシュ上板21a)と開口部301の上縁部とが略一致する。一方で、正面視で、透明ケース21の下面(メッシュ下板21b)が開口部301の下縁部よりも下方に位置している。
このような構成により、浮遊体移動領域200は、正面視で、センター役物300の開口部301から視認可能な浮遊体表示領域201と、センター役物300により隠蔽されて視認不可能な浮遊体隠蔽領域202とで構成される。そして、浮遊体Zが浮遊体表示領域201に位置しているときは、遊技者は当該浮遊体Zを視認することができる一方、浮遊体Zが浮遊体表示領域201の下方(すなわち、浮遊体隠蔽領域202)に位置しているときは、遊技者は当該浮遊体Zを視認することができないようになっている。
なお、透明ケース21の内部には、背面視(図14および図15参照)で左側壁および右側壁の下端縁部に、距離センサ26及び反射板27が対向して設けられている。本実施形態では、距離センサ26は、反射板27 に向けて出射される投光信号と受光した反射信号との位相差により距離を演算してデータを出力する赤外線距離センサである。なお、距離センサ26および反射板27は浮遊体隠蔽領域202の範囲内に配設されているため、遊技者は距離センサ26および反射板27を視認することはできない。
そして、浮遊体Zが浮遊体表示領域201に存在しているときは、距離センサ26から出射される投光信号が反射板27で反射して、距離センサ26ではその反射信号が受光される。すると、距離センサ26から出力される距離データは、当該距離センサ26から反射板27までの大きさを示す。これにより、浮遊体Zが浮遊体隠蔽領域202に存在しない(すなわち、浮遊体表示領域201に位置している)ことを特定することができる。
一方、浮遊体Zが浮遊体隠蔽領域202に存在しているときは、距離センサ26から出射される投光信号が浮遊体Zで反射して、距離センサ26ではその反射信号が受光される。すると、距離センサ26から出力される距離データは、当該距離センサ26から浮遊体Zまでの大きさを示す。これにより、浮遊体Zが浮遊体隠蔽領域202に存在していることを特定することができ、また、距離センサ26から浮遊体Zまでの距離(すなわち、浮遊体Zの現在位置)を特定することができる。
ところで、浮遊体駆動装置20では、風導部22が透明ケース21から下方に延設されるとともに、当該風導部22の後方にファン動作部28が配設されている。風導部22は、透明ケース21の左右方向に亘って当該透明ケース21の前縁から下方後方に向けて湾曲するように延びる壁部22aと、壁部22aからさらに下方後方に向けて延設された平板部を形成する壁部22dと、透明ケース21の左右両端縁から下方に延びる両側壁22b,22cとを主構成とし、透明ケース21のメッシュ下板21bの全体を取り囲むように形成された略筒状体をなす。そして、この風導部22は、メッシュ下板21bが配設される上方およびファン動作部28が配設される後方にのみ開口している。かかる構成を有する風導部22は、ファン動作部28から供給される風力をメッシュ下板21bを介して透明ケース21の内部に案内する機能を有する。
さらに、風導部22の内部には、当該風導部22の内部を前後方向に仕切って複数の送風路(以下、送風ブロックという)220を形成するための複数の仕切板221が、左右方向に均等間隔で並設されている。本実施形態では、風導部22の内部に7つの仕切板221が設けられ、各々独立した8つの送風ブロック220が並列に形成されている。各送風ブロック220では、当該送風ブロック220の後方に向けて開口する送風孔222に風力が供給されると、当該風力が壁部22a,22dの内面(案内壁223)に沿ってメッシュ下板21bに向けて移動する。
なお、各送風ブロック220は、隣り合う送風ブロック220とは各々独立した送風路を形成し、かつ、後述するように送風ファン284が送風孔222に密接に対向して送風する。そのため、送風孔222に向けて供給された風力は、漏れが少なく効率的に透明ケース21の内部に案内される。また、案内壁223は、前方上方に向かって延びているため、送風ブロック220に供給された風力をスムーズに透明ケース21の内部に案内することができる。
また、ファン動作部28は、風導部22と略同一の左右方向の長さを有する本体部281を有し、当該本体部281の左右方向に亘って2本のガイドレール282が設けられている。そして、風導部22(詳細には、各送風ブロック220が有する送風孔222)に近接対向して送風ファン284が配置されており、この送風ファン284はキャリッジ285に搭載されている。なお、送風ファン284は、ファン本体284aの内部に設けられたハネ体284bの回転により外気を取り込んで前方又は後方の一方向に送風する送風器である。ここでは、送風ファン284の前方側が、風導部22と近接対向するように配置されて、送風孔222にその一部が嵌入している(図16参照)。そのため、送風ファン284の前方側に向けた風力は、風導部22の内部に漏れなく確実に供給される。
そして、本体部281の左右側縁には、回転体286および従動プーリー287が設けられており、回転体286および従動プーリー287にはギアベルト283が懸架されている。さらに、浮遊体駆動装置20は、ステッピングモータからなるキャリッジモータ24(図22参照)を備えている。そして、キャリッジモータ24の正回転または逆回転に応じて回転体286が回転するとともに、ギアベルト283に連結されたキャリッジ285が2本のガイドレール282に沿って左右方向に駆動するように構成されている。
そして、浮遊体駆動装置20は、ファンモータ25(図22参照)を備えている。ファンモータ25は送風ファン284の送風動作を駆動するとともに、ファンモータ25の回転方向や回転速度によって送風ファン284の送風方向や送風速度(風圧)を制御可能となっている。なお、本実施形態では、ファンモータ25が正回転すると送風ファン284が前方(すなわち、風導部22と対向する方向)に向けて送風する一方、ファンモータ25が逆回転すると送風ファン284が後方(すなわち、風導部22と対向する方向は反対方向)に向けて送風する。
また、風導部22を形成する壁部22dの下面には、当該壁部22dと面接触するようにペルチェモジュール29が配設されている。このペルチェモジュール29は、風導部22の左右方向に亘って壁部22dの下面を被覆するように細長板状に構成されている。そして、このペルチェモジュール29は、壁部22dと当接する上面(表面)側を加温または冷却することで、風導部22の内部(言い換えれば、各送風ブロック220)に取り込まれた外気を加熱または冷却するためのものである。
詳細には、ペルチェモジュール29は、複数のペルチェ素子を互いに電気的に直列となり、かつ、熱の移動方向が一致するように接続することにより、ユニットとして構成されている。これらのペルチェ素子は板状の半導体から成り、表面及び裏面に亘って電流を流すことによりそれぞれの面を加温又は冷却させ得るもので、電流の向きを変えることにより加温される面と冷却される面とが反転する。このように、表面及び裏面に亘って電流を流すことによりそれぞれの面を加温又は冷却させるとともに、電流の向きを変えることにより加温される面と冷却される面とが反転する作用をペルチェ効果という。
これにより、ペルチェモジュール29に一方向の電流を流す(すなわち、ペルチェモジュール29の表面側を加温する)ことで、風導部22の内部を加温して透明ケース21の内部に温風を送りこむことができる。一方、ペルチェモジュール29に逆方向の電流を流す(すなわち、ペルチェモジュール29の表面側を冷却する)ことで、風導部22の内部を冷却して冷風を送風することができる。また、電流の大きさによって、ペルチェモジュール29の吸熱または発熱の大きさを可変にすることで、温風や冷風の温度を調整することができる。なお、ペルチェモジュール29の近傍には、ペルチェモジュール29の温度を検出する検温素子である温度センサ249(図22参照)が設けられている。
さらに、ペルチェモジュール29の下面(裏面)側には、ペルチェモジュール29の発熱を拡散しやすいように表面積が広くなるような形状に整形した金属部品であるヒートシンク23が設けられている。そのため、ペルチェモジュール29の表面側を冷却した場合は逆に裏面側が加熱するところ、その裏面側での発熱はヒートシンク23を介して浮遊体駆動装置20の外部に排出される。これにより、ペルチェモジュール29の裏面側での発熱が篭ることがなく、風導部22を経由する送風の温度に影響を及ぼすことが抑制される。
以上のような構成により、浮遊体駆動装置20では、ファン動作部28から供給される風力(温風または冷風)が、風導部22を介して透明ケース21の内部に案内される。そして、透明ケース21の内部に案内される風力によって、浮遊体Zが透明ケース21の内部(浮遊体移動領域200)を浮遊して移動自在となっている。なお、メッシュ上板21aもメッシュ状の小孔が形成されているため、透明ケース21の内部に案内される風力は滞留することなく、メッシュ上板21aを介して透明ケース21の外部に排出される。
[浮遊体の動作原理について]
図17乃至図20を参照しつつ説明する。図17乃至図20は、浮遊体の動作原理を説明するための浮遊体駆動装置の背面拡大図である。なお、図17乃至図20において、細矢印はファン動作部28から供給される風力の方向を例示し、太矢印はキャリッジ285または浮遊体Zの移動方向を例示している。
まず、図17に示すように、浮遊体Zの浮遊動作を開始する場合は、風導部22に形成された複数の送風ブロック220のうちで、距離センサ26により特定される浮遊体Zの現在位置に対応する送風ブロック220に向けて、ファン動作部28がキャリッジ285を移動させる。そして、当該送風ブロック220が有する送風孔222に、キャリッジ285に搭載させた送風ファン284を近接対向させる。これにより、送風ファン284が当該送風孔222に向けて送風動作を行なうと、当該送風ブロック220に案内されて浮遊体Zの直下から透明ケース21の内部に向けて風力が供給される状態となる。
次に、図18に示すように、送風ファン284が当該送風孔222に向けて送風動作を行なう。このとき、送風ファン284は、浮遊体Zが若干上昇する程度の風力を、当該送風孔222に向けて供給する。これにより、浮遊体Zは当該送風ブロック220を経由して直下から吹き付けられる風力によって、浮遊体隠蔽領域202の範囲内で僅かに浮遊することになる。そのため、遊技者は、この段階ではまだ浮遊体Zを視認することはできず、当該浮遊体Zの現在位置を把握することもできない。
また、送風ファン284は、浮遊体Zに対して満遍なく下方から一定の風力を加え続けることで、浮遊体Zに対して均等な揚力を付与し続ける。これにより、浮遊体Zは、その姿勢を保持した状態で浮遊状態が維持される。なお、浮遊体Zは、下方から均等に風力が加えられるためにも、略球形に近い形状を有していることが望ましく、また、少なくとも上下方向の中心線に対して対称をなす形状であることを要する。
ここで、本実施形態では、浮遊体Zの下方から吹きつけられる風力が、浮遊体Zの下端開口100bを介して内部空間100aに供給されるところ、浮遊体Zの中央部には軸線方向(ここでは、上下方向)に貫通する上端孔100cが形成されている。そして、上端孔100cは下端開口100bよりも小径であるため、内部空間100aに供給された風力の一部のみが上端孔100cから排出される一方、内部空間100aに供給された風力の残りが内部空間100aで浮遊体Zを上昇させる揚力を発生させる。
さらに、上端孔100cから排出される風力は、当該浮遊体Zの断面中心を経由して上方向に抜けることになる。これにより、浮遊体Zの浮遊動作中であっても、浮遊体Zの断面中心を下方向から上方向に抜ける風力によって、浮遊体Zが垂直に起立した姿勢(すなわち、浮遊体Zの軸線が垂直となった姿勢)が保持された状態が保たれる。つまり、浮遊体Zを左右方向に浮遊動作させたとしても浮遊体Zの姿勢は変わることがないため、浮遊体Zの移動位置を自由に制御することが可能である。
そして、送風ファン284が風力で浮遊体Zを浮遊させた状態を維持しつつ、ファン動作部28がキャリッジ285を浮遊体Zの表示開始位置に対応する送風ブロック220まで移動させる。ここで、キャリッジ285の移動中も、送風ファン284によって浮遊体Zが若干上昇する程度の風力が各送風ブロック220を介して供給し続けられる。そして、浮遊体Zには下方から吹き付けられる風力によって安定した浮遊状態を維持しようとする慣性が働くため、キャリッジ285に追随して浮遊体Zも浮遊体隠蔽領域202の範囲内で左右方向に水平移動する。
このように、風力によって揚力を発生させることで浮遊体Zを浮遊状態としたり、この浮遊状態を維持しようとする慣性を利用して浮遊体Zを左右方向に移動させる等、この浮遊体Zの動作原理は「ベルヌーイの定理」に基づいて実現されていることによる。「ベルヌーイの定理」は、圧力エネルギーと速度エネルギーと位置エネルギーの和は常に一定となるという公知の定理であり、詳細は省略する。
そして、図19に示すように、キャリッジ285を浮遊体Zの表示開始位置に対応する送風ブロック220まで移動して、当該送風ブロック220が有する送風孔222に送風ファン284が近接対向した状態となると、送風ファン284がより大きな送風速度(風圧)で送風動作を行なう。すると、浮遊体隠蔽領域202で浮遊状態におかれた浮遊体Zには、当該送風ブロック220を介してより大きな風力が下方から付与される。そのため、この風力によって浮遊体Zは、浮遊体表示領域201で当該風力に応じた高さ位置まで上昇移動を行なう。なお、送風ファン284は風力の大きさに拘らず浮遊体Zに対して均等な揚力を付与するものであるため、浮遊体Zが上昇又は下降するときもその姿勢は一定に保持される。
これにより、パチンコ機1の正面側では、センター役物300における開口部301の内側(すなわち、浮遊体表示領域201)において、下方から上昇するように浮遊体Zが表示されることになる。そして、遊技者は、浮遊体駆動装置20の浮遊体Zと、その背後に配設された演出表示装置115の各種演出画像とを、両者が重ね合わされた一体の演出として視認することができる。
なお、図20に示すように、透明ケース21の内部(浮遊体移動領域200)では、浮遊体Zを正面視または背面視で360度の任意の方向に向けて、任意の距離だけ移動させることができる。すなわち、浮遊体移動領域200において、浮遊体Zを自由な経路で所望の位置まで移動させることができる。このような浮遊体Zの移動は、先述した送風ファン284から供給される風力の大きさによる浮遊体Zの昇降動作(上下移動)と、キャリッジ285の移動に伴う浮遊体Zの水平動作(左右移動)とを適宜組み合わせて実現することができる。例えば、浮遊体Zを背面視で右下方向に所定距離動かす場合には(図20参照)、キャリッジ285を右方向へ移動させるとともに、送風ファン284から供給される風力を徐々に小さくすればよい。
ところで、本実施形態では、送風ファン284による送風温度をペルチェモジュール29の駆動によって任意に調整可能となっている。そこで、浮遊体Zの浮遊動作させる際には、ペルチェモジュール29の上面(表面)側を冷却させることで、送風ファン284が透明ケース21の内部に向けて冷風を供給するようにする。これにより、浮遊体Zが発砲スチロール等の耐熱性が乏しい素材で形成されたものであっても、送風ファン284からの送風温度で変形や歪曲することがなく、浮遊体Zの正確な浮遊動作を維持することができる。
また、浮遊体Zの浮遊動作させないときは、ペルチェモジュール29の上面(表面)側を冷却させるとともに、ファンモータ25を逆回転させることで、送風ファン284が透明ケース21の内部から空気を吸引するようにする。すなわち、送風ファン284が、透明ケース21の内部からファン動作部28の後方(遊技盤5の背面側)に向けて冷風を供給するようにする。すると、透明ケース21の内部に存在する浮遊体Zは、下方に向かう風力によってメッシュ下板21bに接触した状態で保持される。
これにより、パチンコ機1に揺れや振動などが生じても、浮遊体Zが浮遊体隠蔽領域202から浮遊体表示領域201に不用意に飛び出して視認可能となる事態が防止される。さらに、遊技盤5の背面側は、液晶表示装置115や各種基板などの多数の電子部品が設けるとともに、遊技盤装着枠12や後カバー体210によって閉じられており、これらの電子部品による発熱が内部に篭もりやすく故障や不具合の原因となっていた。しかしながら、ファン動作部28から後方に供給される冷風によって、遊技盤5の背面側に設けられた各種電子部品を冷却することができ、パチンコ機1の不具合や故障を防止することができる。
なお、透明ケース21の内部からメッシュ上板21aを介して外部に排出された風力が、パチンコ機1の正面側に向けて案内されるように構成した場合には、送風ファン284による送風温度を遊技者に体感させることができる。そのため、浮遊体駆動装置20の他の使用例として、例えば、浮遊体Zを用いた演出時に、ペルチェモジュール29の上面(表面)側を加熱させることで送風ファン284が温風を供給するようにして、遊技者が所謂「熱い演出」がなされていることを温風によって強く実感するようにしてもよい。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
図21および図22に基づき説明する。図21は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板周辺の構成を主として示した図である。図22は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板600のグループ(図21に示す)と、周辺基板660のグループ(図22に示す)とで分担されている。主基板600のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板660のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図21に示すように、主基板600は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU602、読み出し専用メモリとしてのROM604および読み書き可能メモリとしてのRAM606を備えている。
CPU602は、ROM604に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板660や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。
ROM604には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板600は、電源中継端子板199を介して電源基板195に接続されており、電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板131の入力インタフェースには、第1始動口390への入賞状態を検出する第1始動口センサ644、第2始動口392への入賞状態を検出する第2始動口センサ646、第3始動口394への入賞状態を検出する第3始動口センサ648および全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ650が接続されている。
また、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624を介して、通過ゲート402を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ630および一般入賞口404に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ632が接続されている。
さらに、主制御基板131の入力インタフェースには、パネル中継端子板624に接続された大当たり遊技用開閉装置中継端子板628を介して大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板131に入力されるようになっている。また、主制御基板131の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ620および前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ622も接続されている。
一方、パネル中継端子板624の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板634を介して、普通図柄・特別図柄表示基板636が接続されており、主制御基板131から、普通図柄表示器82、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86へ駆動信号を出力することが可能になっている。
さらに、大当たり遊技用開閉装置中継端子板628の出力インタフェースには、第3始動口394の一対の可動片396を駆動する普通電動役物ソレノイド638および大当たり遊技用開閉装置400の大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを駆動する大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642が接続されており、主制御基板131から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU608、読み出し専用メモリとしてのROM610および読み書き可能メモリとしてのRAM612を備えている。
そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170や、発射制御基板616に接続された発射モータ192に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ192は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
また、払出制御基板197には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ614も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板131および払出制御基板197には、外部端子板618が接続されており、各始動口390,392,394や各開閉装置400への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板660は、図22に示すように、周辺制御基板662と表示装置制御基板116とから構成されている。なお、上記の主制御基板131と周辺制御基板662との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131から周辺制御基板662へのコマンド送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板660に対しても電源中継端子板199を介して電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
周辺制御基板662もまた、CPU664をはじめROM666やRAM668等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板662には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM672と、ROM672に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC670とが設けられている。
なお、周辺制御基板662と表示装置制御基板116との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板116には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されており、表示装置制御基板116には、周辺制御基板662から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、表示装置制御基板116には、CPU678、RAM680、ROM682、VDP684および画像ROM686が備えられている。
CPU678は、周辺制御基板662から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP684の制御を行う。RAM680は、CPU678の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM682は、CPU678用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)684は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP684の内部には、レジスタが設けられており、VDP684の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU678が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM686は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板662には、ランプ駆動基板688および枠装飾中継端子板674が接続されている。さらに、ランプ駆動基板688には、中継端子板として、センター装飾駆動部中継端子板694が接続されている。さらに、センター装飾駆動部中継端子板694には、浮遊体駆動装置20の動作を制御するための浮遊体駆動基板500が接続されている。
浮遊体駆動基板500の出力インタフェースには、キャリッジ285を駆動するキャリッジモータ24、送風ファン284による送風温度を調節するペルチェモジュール29、送風ファン284のハネ体284bを回転させるファンモータ25、および、ハネ体284bの回転速度を検出するファンモータセンサ251が接続されている。一方、浮遊体駆動基板500の入力インタフェースには、浮遊体Zの現在位置を特定する赤外線センサである距離センサ26、キャリッジ285の現在位置を特定するキャリッジモータセンサ250、送風ファン284による送風温度を検出する温度センサ249、および、ハネ体284bの回転速度を検出するファンモータセンサ251が接続されている。
また、ランプ駆動基板688の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304が接続されている。これにより、ランプ駆動基板688は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能となっている。
また、周辺制御基板662に接続された枠装飾中継端子板674には、前面枠4に接続されたスピーカー18,57、演出選択スイッチ60および枠装飾ランプ676等が接続されており、周辺制御基板662には、演出選択スイッチ60の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカー18,57や枠装飾ランプ676に対して駆動信号を出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
図23に基づき説明する。図23は、主制御基板および周辺基板における周辺制御基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図23に示すように、主制御基板131は、第1特別図柄抽選手段700と、第1特別図柄表示制御手段802と、第1特別図柄保留表示制御手段730と、第1特別図柄保留カウンタ703と、第2特別図柄抽選手段710と、第2特別図柄表示制御手段804と、第2特別図柄保留表示制御手段732と、第2特別図柄保留カウンタ713と、保留順記憶手段790と、普通図柄抽選手段720と、大当たり遊技実行手段748と、小当たり遊技実行手段746と、開閉動作制御手段744と、確変遊技実行手段740と、普通図柄表示制御手段806と、普通図柄保留表示制御手段734と、普通図柄保留カウンタ723と、時短遊技実行手段742と、第3始動口開閉制御手段728と、コマンド送信手段749とを備えている。
第1特別図柄抽選手段700は、遊技球が第1始動口390に入賞して第1始動口センサ644により検出されると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、保留順記憶手段790によって第1所定数(例えば4個)まで保留される。そして、保留順記憶手段790による保留が解除されると、第1特別図柄当否判定手段704によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第1特別図柄当否判定手段704による判定は、通常遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
なお、本実施形態において、「長当たり」とは、大当たり遊技実行手段748によって大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が15ラウンド実行される遊技であり、「短当たり」とは、大当たり遊技実行手段748によって大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が2ラウンド実行される遊技である。また、「小当たり」とは、小当たり遊技実行手段746によって大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が2回実行される遊技である。なお、短当たりと小当たりとでは、大当たり遊技用開閉装置400の動作態様が同じであるが、短当たりに当選した場合には、確変遊技実行手段740によって確率変動機能が作動する(即ち、確変遊技状態が発生する)が、小当たりに当選した場合には、確率変動機能が作動しない点において異なる。
ところで、長当たりに当選すると、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が15ラウンド継続して実行されることによって多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たり遊技が行われる。また、短当たりに当選すると、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が2ラウンド継続して実行される短当たり遊技が行われる。短当たり遊技の終了後には、確変遊技実行手段740による確変遊技状態が発生する。
第2特別図柄抽選手段710は、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞して第2始動口センサ646または第3始動口センサ648により検出されると、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、第2特別図柄保留カウンタ713によって第2所定数(例えば4個)まで保留される。そして、第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されると、第2特別図柄当否判定手段714によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが判定される。この第2特別図柄当否判定手段714による判定は、通常遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄通常時当たり判定用テーブル706とに基づいて行われ、確変遊技状態時であれば第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得した乱数値とROM604に記憶された特別図柄確変時当たり判定用テーブル708とに基づいて行われる。
第1始動口センサ644、第2始動口センサ646および第3始動口センサ648によって遊技球が検出された順序は、保留順記憶手段790によって後述する特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。そして、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710は、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶された順序に基づいて一つずつ抽選を行う。即ち、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶された順序に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定によって、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選したか否かが一つずつ判定される。なお、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選は、例えば変動条件が成立する等、所定の解除条件が成立したときに第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713による保留が解除されることによって行われる。
第1特別図柄当否判定手段704による判定結果は、第1特別図柄表示制御手段802によって第1特別図柄表示器84に表示される。また、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数は、第1特別図柄保留表示制御手段730によって第1特別図柄保留表示器88に表示される。
第2特別図柄当否判定手段714による判定結果は、第2特別図柄表示制御手段804によって第2特別図柄表示器86に表示される。また、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数は、第2特別図柄保留表示制御手段732によって第2特別図柄保留表示器90に表示される。
大当たり遊技実行手段748および小当たり遊技実行手段746は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による判定結果に基づいて、大当たり遊技または小当たり遊技を実行する。具体的には、長当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段748によって長当たり遊技が実行され、短当たりに当選したと判定されると大当たり遊技実行手段748によって短当たり遊技が実行され、小当たりに当選したと判定されると小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行される。本実施形態において、「長当たりおよび短当たり」を「大当たり」と総称し、「長当たり遊技および短当たり遊技」を「大当たり遊技」と総称する。
本実施形態において、長当たり遊技は、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を計15ラウンドに亘って行う遊技である。短当たり遊技(または、小当たり遊技)は、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を2ラウンド(または、2回)行う遊技である。なお、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作は、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させることによって行われる。
具体的には、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が長当たりであれば、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させて、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを開閉させる動作を15ラウンドだけ行なう。一方、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりであれば、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させて、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを開閉させる動作を2ラウンドだけ行なう。
大当たり遊技用開閉装置400に遊技球が入賞すると、大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640によって入賞球数がカウントされる。また、大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640に入賞球が検出されたことに応じて、球払出装置170によって賞球として遊技球が払い出される。
小当たり遊技実行手段746は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が小当たりであれば、開閉動作制御手段744によって大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を作動させて、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bを開閉させる動作を2回だけ行なう。
なお、本実施形態では、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714により判定された抽選結果が短当たりの場合と小当たりの場合とで、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作態様が同じである。ただし、通常遊技状態(すなわち、大当たり遊技状態、確変遊技状態および時短遊技状態のうちいずれの遊技状態)において、短当たりに当選した場合は当該短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が、大当たりへの当選確率が高くなる所謂「確変遊技状態」に変動するが、小当たりに当選した場合は、小当たり遊技が終了したのちの遊技状態は変動しない(すなわち、通常遊技状態のままである)。従って、大当たり遊技用大入賞口開閉扉400bの開閉動作が2ラウンドまたは2回行われたとき、遊技者は、短当たりであるのか小当たりであるのかを判別することが困難であるものの、その後、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710によって大当たりに当選する確率が異なることとなる。これにより、遊技者は、遊技状態が確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのか判別できず、興趣が高められる。
ここで、「ラウンド」とは、長当たり遊技および短当たり遊技が実行されている場合において、所定時間(例えば30秒)経過することおよび所定数(例えば9球)の遊技球が入賞することのいずれかの条件を満たすことによって大当たり遊技用開閉装置400が開閉動作する単位を意味する。従って、小当たり遊技が実行されている場合における大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作については「ラウンド」と称さない。本実施形態においては、短当たり遊技における1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置400の開放時間は、長当たり遊技における1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置400の開放時間よりも極めて短い時間となっている。なお、小当たり遊技における1回当たりの大当たり遊技用開閉装置400の開放時間は、短当たり遊技における1ラウンド当たりの大当たり遊技用開閉装置400の開放時間とほぼ同じ時間である。
確変遊技実行手段740は、長当たり遊技または短当たり遊技が実行されたのちの遊技において、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりへの当選確率を高める確変遊技を実行する。具体的には、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行う。
本実施形態において、「確変遊技」とは、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当否判定が、それぞれ、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708および特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて行われる遊技を意味する。また、確変遊技が行われている遊技状態を「確変遊技状態」と称する。ここで、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708は、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706よりも長当たりおよび短当たりへの当選確率が高く設定されている。
なお、本実施形態においては、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって長当たりと判定された場合には、長当たり遊技が実行されたのちに例えば2分の1の確率で確変遊技状態となり、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって短当たりと判定された場合には、短当たり遊技が実行されたのち100%の確率で確変遊技状態となる。一方、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって小当たりと判定された場合には、小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行されたのちに遊技状態が変わることはない。
普通図柄抽選手段720は、遊技球が通過ゲート402を通過してゲートセンサ630により検出されると、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722により乱数を抽出する。この抽出した乱数は、普通図柄保留カウンタ723によって所定の上限値(例えば4個)まで保留される。そして、普通図柄保留カウンタ723による保留が解除されると、普通図柄当否判定手段724によって当否が判定される。この普通図柄当否判定手段724による判定は、通常遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM604に記憶された普通図柄通常時当たり判定用テーブル726とに基づいて行われ、時短遊技状態時であれば普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722によって取得した乱数値とROM604に記憶された普通図柄時短時当たり判定用テーブル727とに基づいて行われる。
普通図柄当否判定手段724による判定結果は、普通図柄表示制御手段806によって普通図柄表示器82に表示される。また、普通図柄保留カウンタ723による保留数は、普通図柄保留表示制御手段734によって普通図柄保留表示器92に表示される。
時短遊技実行手段742は、普通図柄抽選手段720による抽選において抽選時間を短くする時短遊技を実行する。なお、確変遊技状態のとき、確変遊技実行手段740による確変遊技と併せて時短遊技実行手段742による時短遊技が行われる場合もある。
本実施形態において、「時短遊技状態」とは、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われる遊技状態を意味する。ここで、普通図柄時短時当たり判定用テーブル727は、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726よりも抽選時間が短く設定されている。なお、普通図柄通常時当たり判定用テーブル726および普通図柄時短時当たり判定用テーブル727はいずれも当選確率が例えば90%と高く設定されている。従って、普通図柄当否判定手段724による当否判定が普通図柄時短時当たり判定用テーブル727に基づいて行われるとき、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われることとなり、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。第3始動口394に遊技球が入賞すると球払出装置170によって遊技球が払い出されるので、時短遊技状態中は、遊技球を極力減らすことなく遊技を行うことができる。
ここで、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714における抽選について、表1および表2に基づき説明する。表1は、当選確率および乱数を示すテーブルである。表2は、大当たりに当選した場合における大当たり遊技の種類を決定するためのテーブルである。
表1に示すとおり、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって、0〜630までの631個の乱数値から一つ抽出される。そして、先ず、この抽出した乱数値が大当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、先ず遊技状態が判断され、遊技状態が通常遊技状態であれば7および317が当たり乱数であり、遊技状態が確変遊技状態であれば7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,307,337,367,397,427,457,487,517,547,577が大当たりの乱数となる。なお、第1特別図柄当否判定手段704による当たり判定と第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定とでは、遊技状態に応じて同じテーブルが用いられる。即ち、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も特別図柄確変時当たり判定用テーブル708を用いて行われ、第1特別図柄当否判定手段704による当選の判定が第1特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる場合には、第2特別図柄当否判定手段714による当選の判定も第1特別図柄通常時当たり判定用テーブル706を用いて行われる。
そして、抽出した乱数が大当たり乱数であると判定されると、表2に基づいて、大当たりの種類が決定される。そして、決定された大当たりに対応する大当たり遊技が行われる。大当たりの種類には、大当たり遊技の時間が長く、多量の遊技球の払い出しが期待できる長当たりと、大当たり遊技の時間が短い短当たりとがある。長当たりには、大当たり遊技(以下、長当たりに対応する大当たり遊技を「長当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付長当たり」と、長当たり遊技の終了後に時短遊技状態のみが発生する(確変遊技状態は発生しない)「通常長当たり」とがある。短当たりには、大当たり遊技(以下、短当たりに対応する大当たり遊技を「短当たり遊技」と称する)の終了後に確変遊技状態のみが発生する(時短遊技状態は発生しない)「通常短当たり」と、短当たり遊技の終了後に確変遊技状態および時短遊技状態の両方が発生する「確変時短付短当たり」とがある。
一方、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702および第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって抽出された乱数値が当たり乱数でなければ、小当たりに当選しているか否かが、表1に基づいて、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714によって判定される。具体的には、遊技状態に拘わらず、16,92,133,321,465,501,568,610が小当たりの乱数である。抽出した乱数が小当たり乱数であると判定されると、小当たり遊技実行手段746によって小当たり遊技が実行される。このように、表1によれば、大当たりの当選確率が631分の2となり、小当たりの当選確率が631分の8となる。
このように、大当たりに当選しなかった場合であっても小当たりに当選する期待感を持つことができる。しかも、小当たりへの当選確率は大当たりへの当選確率よりも高く設定されているので、遊技者は、小当たりに当選する毎に、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技中常に持つことができ、興趣の低下を抑制できる。さらに、遊技者が遊技を継続して行うようになるので、パチンコ機の稼働率が向上するというホールにとっても利益がもたらされるようになる。また、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702または第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって乱数が抽出されたことに応じて、小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定される。即ち、小当たり当選の判定が先であれば、小当たりに当選した場合には大当たりの当選判定が行われないこととなるが、本実施形態のように小当たり当選の判定に先立って大当たりの当選が判定されれれば、大当たりの当選が常に行われることとなり、興趣の低下を抑制できる。しかも、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定が行われるので、大当たりと小当たりとが重複して当選することがない。大当たりと小当たりとが重複して当選すると、いずれを優先して当選とするかを決めなければならず、制御的にも複雑となるが、本実施形態のように、大当たりに当選しなかったときにのみ小当たり当選の判定を行うことによって、制御的な負荷を軽減できる。さらには、大当たり判定および小当たり判定の二度の抽選機会が与えられ、興趣の低下も抑制できる。
なお、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714による当たり判定に用いられるテーブルは、必ずしも同じテーブルを用いる必要はなく、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のそれぞれが異なるテーブルを用いても良い。このような場合であっても、確変遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも確変遊技状態用のテーブルが用いられ、通常遊技状態であれば第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714のいずれも通常遊技状態用のテーブルが用いられることが好ましい。これにより、遊技球が入賞する始動口が異なっても同じ遊技状態となるので、遊技の複雑化を招くことがなく、ひいては、興趣の低下を抑制できる。
また、第1特別図柄当否判定手段704、第2特別図柄当否判定手段714および普通図柄当否判定手段724による当否判定結果には、必ずしも外れが含まれている必要はない。例えば、小当たり遊技が、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作を極めて短い時間実行するような遊技であれば、大当たりに当選しなかったとき、全て小当たりに当選するようにしても良い。
また、本実施形態のように、大当たりに当選したか否かを先ず判定し、大当たりに当選していないときに小当たりに当選しているか否かを判定することによって顕著な効果がもたらされるが、大当たりおよび小当たりに当選しているか否かを一括で抽選しても良い。
また、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選において、確変時短付長当たりに当選したときおよび確変時短付短当たりに当選したときは、確変時短付長当たり遊技および確変時短付短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるが、このときの遊技状態が確変遊技状態であることが、演出表示装置115における表示態様によって把握できる。一方、通常短当たりに当選したときは、通常短当たり遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態となるものの、このときの遊技状態が確変遊技状態であることが、演出表示装置115における表示態様からは把握できない。即ち、通常短当たり遊技が終了したのちの確変遊技状態において演出表示装置115に表示される表示態様と、通常遊技状態において演出表示装置115に表示される表示態様とが、互いに極似する表示態様となる。ここで、「極似する表示態様」とは、現在の遊技状態が通常遊技状態であるのか確変遊技状態であるのかを、遊技者が把握できない程度に同一または似ていればよい。
第3始動口開閉制御手段728は、普通図柄当否判定手段724によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド638を作動させて一対の可動片396を開閉動作させる。一対の可動片396が開閉動作すると、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。なお、一対の可動片396が閉状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞が不可能であるか、または、第3始動口394への遊技球の入賞が第1始動口390および第2始動口392への遊技球への入賞よりも困難であるものの、一対の可動片396が開状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞は、第1始動口390および第2始動口392への遊技球の入賞よりも容易となる。なお、本実施形態においては、第2始動口392への遊技球の入賞は、第1始動口390への遊技球の入賞よりも困難に構成されている。
コマンド送信手段749は、第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板660に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115において行われる演出時間等が相当する。
周辺制御基板662は、コマンド受信手段750と、演出抽選手段760と、演出用役物動作実行手段762とを備えている。
コマンド受信手段750は、主制御基板131から送信された第1特別図柄当否判定手段704または第2特別図柄当否判定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段760は、浮遊体駆動装置20による演出を行うか否かを抽選により決定する。演出抽選手段760による抽選の結果、浮遊体駆動装置20による演出を行うと決定されると、演出抽選手段760は、ランプ駆動基板688およびセンター装飾駆動部中継端子板694を介して浮遊体駆動基板500を作動させて、浮遊体駆動装置20による演出を実行する。演出用役物動作実行手段762は、浮遊体Zの浮遊動作等、浮遊体駆動基板500を介して浮遊体駆動装置20を制御する。
本実施形態においては、演出用役物動作実行手段762が浮遊体駆動基板500を介して、浮遊体駆動装置20により浮遊体Zの浮遊動作が行われるように制御する。具体的には、キャリッジモータ24を駆動して、距離センサ26により検出される浮遊体Zの現在位置まで、キャリッジ285を左右方向に移動させる。そして、ファンモータ25を駆動して、送風ファン284による送風動作を行い、浮遊体Zを浮遊させる。さらに、移動位置情報に基づいて、キャリッジモータ24およびファンモータ25の駆動を制御する。
この移動位置情報は、例えば、浮遊体Zの移動先を左右方向で示すX位置と、浮遊体Zの移動先を上下位置で示すY位置とを一対に含む連続した座標情報である。そして、キャリッジモータセンサ250により検出されるキャリッジ285の現在位置に基づいて、当該キャリッジ285(すなわち、これに追従する浮遊体Z)をX位置まで移動させるようにキャリッジモータ24を駆動する。それとともに、ファンモータセンサ251により検出される送風ファン284による送風速度(風圧)に基づいて、当該送風ファン284の送風速度(風圧)を浮遊体ZがY位置に至る大きさとなるようにファンモータ25を駆動する。このような移動位置情報に基づくキャリッジモータ24およびファンモータ25の駆動制御を連続して行なうことで、浮遊体Zを透明ケース21の内部(浮遊体移動領域200)で任意に浮遊動作することができる。
なお、温度センサ249により検出される送風ファン284の現在の送風温度に基づいて、送風ファン284の送風温度を調節すべく、ペルチェモジュール29による加熱又は冷却制御が行なわれる。
[演出表示装置の表示領域について]
図24を参照しつつ説明する。図24は、演出表示装置を正面から見た図である。図24に示されるように、演出表示装置115には、第1判定結果表示領域115aと、第2判定結果表示領域115bと、共通図柄表示領域115cと、保留表示領域1150とを有している。
第1判定結果表示領域115aは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、より具体的には、第1特別図柄表示器84に表示される第1特別図柄抽選手段700による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
第2判定結果表示領域115bは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、より具体的には、第2特別図柄表示器86に表示される第2特別図柄抽選手段710による抽選結果に対応する結果が表示される領域である。
なお、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bは、演出表示装置115の左下領域に配置されている。また、それぞれ、複数色を表示可能な表示部を有しており、所定の演出を行ったのちに表示された表示パターンによって、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が導出される。ただし、第1判定結果表示領域115aおよび第2判定結果表示領域115bにおいて同時に抽選結果が導出されることはなく、各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序に基づいて導出される。
共通図柄表示領域115cは、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710のうちいずれかの抽選結果を導出する領域である。共通図柄表示領域115cには複数(例えば三つ)の図柄列から構成された一つの図柄群が表示され、この一つの図柄群の変動演出が行われたのち、停止した図柄の組み合わせによって抽選結果が導出される。なお、一つの図柄群の変動演出時間は、上述の変動時間と同じかまたはほぼ同じ時間である。また、共通図柄表示領域115cは、演出表示装置115における全表示領域のうち少なくとも3分の2以上の領域を占めている。また、第1判定結果表示領域115a、第2判定結果表示領域115bおよび保留表示領域1150と明確に区画されている。これにより、遊技者は、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を、この共通図柄表示領域115cにおいて表示される一つの図柄群の組み合わせによって把握する。
この共通図柄表示領域115cに導出される抽選結果は、各始動口390,392,394に遊技球が入賞した順序で導出される。即ち、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果と第2特別図柄抽選手段710による抽選結果とを同時に導出することはないため、一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710における抽選結果を導出する共通図柄として機能する。これにより、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710の両方によって抽選が行われていながらも、遊技者から見れば非常に明瞭な構成となり、興趣の低下を抑制することができる。
なお、共通図柄表示領域115cに表示される一つの図柄群は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出する演出と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出演出とを、異なる態様で演出を実行している。
具体的には、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合には、複数の変動演出パターンの中からいずれか一つの変動演出パターンが選択されて実行される。この選択された変動演出パターンに基づいて変動演出が行われる。
なお、選択された変動演出パターンがリーチとならない外れ変動である場合には、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数に応じて変動演出パターンが設定される。例えば、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が3以上の場合であれば比較的変動時間が長い外れ変動演出が行われ、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が2以下であれば、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数が3以上の場合よりも変動時間が短い外れ変動演出が行われる。ここで「外れ変動」とは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れであって且つリーチ演出も行われない変動である。
一方、第2の特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合には、予め定められた特定の変動演出パターンに基づいて変動演出が行われる。本実施形態では、この特定の変動演出パターンはリーチ演出を伴った変動(以下、「リーチ変動」と称する)である。ただし、普通図柄抽選手段720による抽選が遊技者に有利な抽選が行われる所謂「時短遊技状態」が発生している場合には、リーチ変動とは異なる他の変動演出が行われる。
このように、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合とでは、遊技者が共通図柄表示領域115cに惹かれる興味の度合いが異なることとなる。即ち、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が共通図柄表示領域115cに導出される場合にはリーチ演出が行われる。従って、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合と第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を共通図柄表示領域115cに導出する場合とで一つの図柄群の変動態様が異なるので、単調な遊技を回避でき、興趣の低下を抑制できる。
保留表示領域1150は、演出表示装置115の右下領域に配置されており、第1の保留表示領域1151と第2の保留表示領域1152とを有している。また、第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152は互いに隣接している。
第1の保留表示領域1151は、左右方向に一列に配列された第1の保留記憶表示部1151a〜第4の保留記憶表示部1151dの4つの保留記憶表示部を有している。第2の保留表示領域1152は、左右方向に一列に配列された第5の保留記憶表示部1152a〜第8の保留記憶表示部1152dの4つの保留記憶表示部を有している。即ち、第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部および第2の保留表示領域1152の保留記憶表示部の和と第1特別図柄保留カウンタ703による保留の上限値(第1所定数)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留の上限値(第2所定数)の和とが同数である。さらに具体的に言えば、第1の保留表示領域1151の保留記憶表示部の数と第1所定数とが同じであり、且つ第2の保留表示領域1152の保留表示部の数と第2所定数とが同じである。
また、第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151b、第3の保留記憶表示部1151c、第4の保留記憶表示部1151d、第5の保留記憶表示部1152a、第6の保留記憶表示部1152b、第7の保留記憶表示部1152cおよび第8の保留記憶表示部1152dは、この順で左右方向に規則的に並んでおり、共通図柄表示領域115cへの導出は、このように並んだ順序で導出される。これにより、共通図柄表示領域115cに導出される順序を明確に把握することができる。
第1の保留表示領域1151の各保留記憶表示部1151a〜1151dは、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能であることを示す第1の表示態様、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを示す第2の表示態様、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の表示態様のうちいずれかの表示態様で表示される。
第2の保留表示領域1152の各保留記憶表示部1152a〜1152dは、第1の表示態様、第2の表示態様および第3の表示態様のいずれかの表示態様で表示可能であると共に、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713における保留数に関わる情報を非表示とされる場合もある。
各表示態様について説明すると、図24において、第1の保留記憶表示部1151a、第2の保留記憶表示部1151b、第5の保留記憶表示部1152aおよび第7の保留記憶表示部1152cの表示態様が第3の表示態様であり、第3の保留記憶表示部1151c、第4の保留記憶表示部1151d、第6の保留記憶表示部1152bおよび第8の保留記憶表示部1152dの表示態様が第2の表示態様である。
本実施形態では、第1の表示態様は枠(枠内は灰色)が表示され、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留可能であることを意味している。第2の表示態様は青色が表示され、第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味している。第3の表示態様は赤色が表示され、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味している。このように、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを意味する表示態様と第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されていることを意味する表示態様とで、表示態様が異なっている。
なお、本実施形態では、各惑星をモチーフとした惑星ステージが複数設けられており、通常遊技時(すなわち、大当たり遊技や時短遊技が行なわれていない状態)には、いずれかの惑星ステージのもとで遊技が進行する。例えば、地球をモチーフとした「地球ステージ」や火星をモチーフとした「火星ステージ」などである。そして、共通図柄表示領域115cには、図柄群の背景演出として現在の惑星ステージに対応するステージ画像が表示される。なお、これらのステージ画像も、画像ROM686に記憶されている。そして、所定条件の成立に応じて現在の惑星ステージに変えて他の惑星ステージが選択実行される場合には、当該他の惑星ステージに対応するステージ画像が共通図柄表示領域115cの背景演出として表示され、以降は当該他の惑星ステージのもとで遊技が進行される。なお、図24に示す演出表示装置115は「地球ステージ」の場合を例示しており、共通図柄表示領域115cには「地球ステージ」に対応するステージ画像が表示されている。
[表示装置制御基板の機能的な構成について]
図25は、周辺基板における表示装置制御基板の機能的な構成を示すブロック図である。図25に示すように、表示装置制御基板116は、第1特別図柄画像表示制御手段851と、第2特別図柄画像表示制御手段852と、演出画像表示制御手段800と、併合保留表示制御手段860と、併合保留順記憶手段870と、第1特別図柄保留数記憶手段872と、第2特別図柄保留数記憶手段874と、演出保留カウント手段855とを有している。併合保留表示制御手段860は、さらに、保留可能情報画像表示制御手段8601、第1保留情報画像表示制御手段8602、第2保留情報画像表示制御手段8603、識別符号画像表示制御手段8604および併合保留順画像表示制御手段8605を含んでいる。なお、表示装置制御基板116は、周辺制御基板662のコマンド受信手段750を介して主制御基板131から送信されたコマンドを受信する。
第1特別図柄画像表示制御手段851は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を第1判定結果表示領域115aにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
第2特別図柄画像表示制御手段852は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を第2判定結果表示領域115bにおいて所定の演出を行ったのちに導出表示する。
演出画像表示制御手段800は、コマンド受信手段750が主制御基板131から「第1始動口390に入賞したこと」および「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを受信した順番に基づいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果のうちいずれかの抽選結果を、共通図柄表示領域115cに導出表示する。
なお、共通図柄表示領域115cにおいて、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出(即ち、図柄の変動表示)を行っているときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。また、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するための所定の演出を行っているときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を導出するための所定の演出は行われない。
併合保留表示制御手段860は、共通図柄表示領域115cにおいて導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されている保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている保留数情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。
また、併合保留表示制御手段860は、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留関連情報を、保留表示領域1150において認識可能に表示制御する。
ここで、「保留関連情報」とは、例えば、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留されている数を示す保留数情報、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713によって保留可能であることを示す保留可能情報並びに第1特別図柄保留カウンタ703による保留に基づく抽選結果(即ち、第1の特別図柄抽選手段700による抽選結果)および第2特別図柄保留カウンタ713による保留に基づく抽選結果(即ち、第2の特別図柄抽選手段710による抽選結果)が共通図柄表示領域115cに導出される順序を示す保留導出順序等が相当する。
また、保留可能情報画像表示制御手段8601は、保留関連情報の一つである保留可能情報について、第1特別図柄保留カウンタ703および第2特別図柄保留カウンタ713のそれぞれが、予め定められた第1所定数(例えば4個)および第2所定数(例えば4個)の上限まで保留可能であるにも拘わらず、第1特別図柄保留カウンタ703による保留が第1所定数まで保留可能であることのみを、保留表示領域1150に表示する。
第1保留情報画像表示制御手段8602および第2保留情報画像表示制御手段8603は、それぞれ、いずれも保留関連情報の一つである第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報を、保留表示領域1150に表示する。
識別符号画像表示制御手段8604は、第1保留情報画像表示制御手段8602および第2保留情報画像表示制御手段8603によって表示される第1特別図柄保留カウンタ703にかかる保留数情報および第2特別図柄保留カウンタ713にかかる保留数情報に、所定の識別符号を付して表示する。
併合保留順画像表示制御手段8605は、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数および第2特別図柄保留カウンタ713による保留数のいずれもが1以上であるときに、共通図柄表示領域115cに導出される導出順序を認識可能に表示する。
併合保留順記憶手段870は、共通図柄表示領域115cに導出される第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出順序を記憶する。具体的には、コマンド受信手段750が各始動口390,392,394に入賞したことを特定するための情報を主制御基板131から受信した順番に基づいて記憶する。
第1特別図柄保留数記憶手段872は、コマンド受信手段750が「第1始動口390に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第1特別図柄保留カウンタ703における保留数に対応する。
第2特別図柄保留数記憶手段874は、コマンド受信手段750が「第2、第3始動口392,394に入賞したこと」を特定するためのコマンドを主制御基板131から受信し且つ未だ共通図柄表示領域115cに抽選結果の導出表示が行われていない個数を記憶する。なお、この個数は、第2特別図柄保留カウンタ713における保留数に対応する。
演出保留カウント手段855については、詳細は後述するが、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留に基づく変動が行われるまで、特殊演出の表示を保留するためのカウンタである。
次に、パチンコ機1の遊技進行に応じて主基板600で実行される種々の制御処理について説明する。
[メインシステム処理]
まず、図26に基づいて説明する。図26は、主基板の主制御基板に搭載されるCPUが実行するメインシステム処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すように、パチンコ機1へ電源が供給されると、CPU602(図21参照)は、まず電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、RAM606(図21参照)に記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM606に記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM606に記憶されているバックアップデータを消去してCPU602に関連するデバイス設定(通常の初期設定や割込タイミングの設定等)を行う。なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM606に現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM606に記憶されているバックアップデータの消去を指示するRAM消去スイッチがオンであれば、RAM606をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理にて主制御基板131に搭載されるRAM606にバックアップデータが保存されていない場合には、RAM606をクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときに周辺制御基板662(図22参照)に主制御基板131(図21参照)が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板131が起動したことを周辺制御基板662に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM606にバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
電源投入時処理(ステップS10)が終了すると、CPU602は、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、CPU602は、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判断する(ステップS20)。なお、この実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成される。即ち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に電源を供給している。そして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板131に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS20で主制御基板131に搭載されるCPU602により停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS40)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(この実施の形態では24V)復旧した場合に(以下、「復電」と称する)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM606にバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS20で停電予告信号が検知されていない場合(ステップS20におけるNO)、即ち、外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる乱数を更新する非当落乱数更新処理を行う(ステップS30)。なお、非当落乱数更新処理にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生処理]
図27は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、電源断発生時処理(ステップS40)は、メインシステム処理において、停電予告信号が検出された時に(ステップS20におけるYES)実行される処理である。CPU602は、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS42)。そして、RAM606のチェックサムを算出し、RAM606の所定領域に保存する(ステップS44)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM606の内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次いで、CPU602は、RAM606の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS46)。以上の処理を終えると、CPU602は、RAM606へのアクセスを禁止し(ステップS48)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のCPU602には、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図27の無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでCPU602が起動することになる。
[タイマ割込処理]
図28は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、メインシステム処理の実行中に主基板600の主制御基板131に搭載されるCPU602により4ms毎にタイマ割込処理が実行される。タイマ割込処理において、CPU602は、レジスタの待機処理を実行した後(ステップS50)、ステップS60からステップS270の処理を実行する。
ステップS60のセンサ監視処理では、上述した各種のセンサ(ゲートセンサ630、第1始動口センサ644、第2始動口センサ646、第3始動口センサ648、大当たり遊技用開閉装置カウントセンサ640等)の検出信号を監視する処理を実行する。
ステップS70の当落乱数更新処理では、遊技で用いられる乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施形態では、当落乱数更新処理にて更新される乱数と、上述した非当落乱数更新処理にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、当落乱数更新処理にて更新される乱数を非当落乱数更新処理でも更新するようにしてもよい。
また、ステップS80の払出制御処理では、センサ監視処理(ステップS60)にて検出された信号に基づいて払出制御基板197に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを送信する。
ステップS90の普通図柄・普通電動役物制御処理では、センサ監視処理処理(ステップS60)にてゲートセンサ630から検出された信号に基づいて普通図柄表示器82に関わる制御処理を実行するとともに、一対の可動片396の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS100の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄の変動開始から当たり遊技の開始までの一連の処理を実行するとともに、大当たり遊技用大入賞口400a(いずれも図10参照)の開閉制御を行うための処理を実行する。
ステップS260の出力データ設定処理では、特別図柄・特別電動役物制御処理(ステップS100)等において定まる情報に基づいて、主制御基板131から周辺制御基板662に送信するコマンドを生成する処理を実行する。
ステップS270のコマンド送信処理では、出力データ設定処理(ステップS260)において設定されたコマンドを周辺制御基板662に送信する処理が行われる。ステップS60からステップS270の処理を実行すると、レジスタ復帰処理(ステップS280)を実行して、タイマ割込処理を終了する。
ここで、上述した非当落乱数更新処理(ステップS30)および当落乱数更新処理(ステップS70)で主制御基板131に搭載されるCPU602により更新される各種乱数について説明する。本実施形態において、遊技にて用いられる各種乱数として、大当たり遊技の開始または小当たり遊技の開始をさせるか否かの判定に用いられる当否判定用乱数、大当たり遊技を開始させると判定されたときに確変大当たりとするか否かの判定に用いられる図柄乱数、大当たり判定にて確変大当たり遊技、非確変大当たり遊技および小当たり遊技を開始させないと判定されたときにリーチ変動とするか否かの判定に用いられるリーチ判定用乱数、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86に表示されている特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる変動パターン乱数、一対の可動片396を開放状態に制御するか否かの判定(普通図柄当たり判定)に用いられる普通図柄当たり判定用乱数、等がある。
なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動パターンを決定するとともに、演出表示装置115にて表示制御される装飾図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
これらの乱数のうち、当落乱数更新処理では、大当たり遊技または小当たり遊技の開始に関わる当否判定用乱数、図柄乱数、および、一対の可動片396を、遊技球を受け入れやすい開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当たり判定用乱数の更新を行う。即ち、大当たり遊技の開始および一対の可動片396を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は一定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(当たり遊技を開始させると判定する確率、一対の可動片396を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止できる。
一方、非当落乱数更新処理では、当たり遊技状態の発生および普通図柄の表示結果に関わらないリーチ判定用乱数、並びに、変動パターン乱数の更新を行う。なお、主制御基板131で更新される乱数は、上記したものに限られず、非当落乱数更新処理では、当否判定用乱数を更新するカウンタが1周したときに次にカウントを開始させる当否判定用乱数の初期値を決定するための初期値決定乱数等の更新も行う。
なお、本実施例においては当否判定用乱数を取得するための手段として、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702と第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712の2つの手段を設けるが、これを一つ設ける構成としてもよい。
[特別図柄・特別電動役物制御処理]
次に、図29に基づいて特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。図29は、特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄・特別電動役物制御処理では、まず、第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行う。具体的には後述するが、第1始動口390、第2始動口392、第3始動口394に遊技球が受け入れられたか否か判別し、これに基づいて一連の処理を行う。第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を行うと、次に、処理フラグを確認し(ステップS120〜ステップS230)、処理フラグに対応する処理を行う。
第1・第2・第3始動口入賞処理(ステップS110)を終えると、先ず、処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120)、処理フラグが0であれば(ステップS120におけるYES)変動開始処理(ステップS130)を実行する。変動開始処理(ステップS130)では、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判断を行い、処理フラグを「1」に更新する。一方、ステップS120において処理フラグが0でなければ(ステップS120におけるNO)ステップS140に進む。
ステップS140に進むと、処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140)。処理フラグが1であれば(ステップS140におけるYES)変動パターン設定処理(ステップS150)を実行する。この変動パターン設定処理では、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に表示される特別図柄および演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンに対応して設定される変動時間(第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかにおいて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、処理フラグを「2」に更新する。一方、ステップS140において処理フラグが1でなければ(ステップS140におけるNO)、ステップS170に進む。
ステップS170に進むと、処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS170)。処理フラグが2であれば(ステップS170におけるYES)変動中処理(ステップS180)を実行する。この変動中処理では、変動パターン設定処理(ステップS150)で設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86における特別図柄の変動表示を停止させる。このとき、変動開始処理(ステップS130)にて大当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、小当たりとする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たりおよび小当たりとする判定のいずれもなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。一方、ステップS170において処理フラグが2でなければ(ステップS170におけるNO)、ステップS190に進む。
ステップS190に進むと、処理フラグが3かどうか判断する(ステップS190)。処理フラグが3であれば(ステップS190におけるYES)大当たり遊技開始処理(ステップS200)を実行する。この大当たり遊技開始処理では、大当たり種別(長当たりか短当たりか)を判断し、その大当たり種別に応じて大当たり遊技用大入賞口400aの開閉動作を制御するためのラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数をセットし、処理フラグを「5」に更新する。一方、ステップS190において処理フラグが3でなければ(ステップS190におけるNO)、ステップS210に進む。
ステップS210に進むと、処理フラグが4かどうか判断する(ステップS210)。処理フラグが4であれば(ステップS210におけるYES)小当たり遊技処理(ステップS220)を実行する。この小当たり遊技処理では、大当たり遊技用大入賞口400aの開放動作を制御するための開放回数および開放時間をセットし、処理フラグを「6」に更新する。一方、処理フラグが4でなければ(ステップS210におけるNO)、ステップS230に進む。
ステップS230に進むと、処理フラグが5かどうか判断する(ステップS230)。処理フラグが5であれば(ステップS230におけるYES)特別電動役物大当たり制御処理(ステップS240)を実行する。この特別電動役物大当たり制御処理では、大当たり遊技開始処理(ステップS200)においてセットしたラウンド回数、開放時間および遊技球の入賞制限個数に基づいて大当たり遊技用大入賞口400aの開閉動作を制御し、大当たり遊技が終了する場合には、確率変動機能および時短機能を作動させるか否か判断させるとともに処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
一方、ステップS230において処理フラグが5でなければ(ステップS230におけるNO)特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)を実行する。この特別電動役物小当たり制御処理(ステップS250)では、小当たり遊技処理(ステップS220)においてセットした開放回数、開放時間および制限個数に基づいて、大当たり遊技用大入賞口400aの開閉動作を制御し、小当たり遊技が終了する場合には、処理フラグを「0」に更新する処理を行う。
ステップS130からステップS250の各種処理のいずれかを実行すると特別図柄・特別電動役物制御処理を終了する。
[特別図柄用乱数記憶手段]
次に図30に基づいて、保留順記憶手段による記憶方式について説明する。図30は、保留順に拘わる記憶領域の一例を示す図である。主制御基板131のCPU602に設けられたRAM606(図21参照)は、特別図柄用乱数記憶領域6061と処理領域6062とを有する。遊技球が第1始動口センサ644に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)、および、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648に検出されたことに基づいて取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)は、遊技球が検出された順序で、保留順記憶手段790によって特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。この特別図柄用乱数記憶領域6061は、第1記憶領域6061aから第8記憶領域6061hまでの8つの記憶領域に分かれており、第1記憶領域6061a、第2記憶領域6061b、第3記憶領域6061c、第4記憶領域6061d、第5記憶領域6061e、第6記憶領域6061f、第7記憶領域6061g、第8記憶領域6061hの順に記憶させる。
第1記憶領域6061aから第8記憶領域6061hまでの8つの各記憶領域および処理領域6062は、いずれも、当否判定用乱数記憶領域、確変判定用乱数記憶領域および特別図柄種別記憶領域の3つの記憶領域を有している。当否判定用乱数記憶領域は、大当たり遊技または小当たり遊技を開始させるか否かの判定に用いる当否判定用乱数を記憶する領域である。また、確変判定用乱数記憶領域は、大当たりの場合に第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86の停止図柄の態様を確変図柄とするか否かの判定に用いる図柄乱数を記憶する領域である。また、特別図柄種別記憶領域は、当否判定用乱数および図柄乱数が、第1始動口センサ644に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648に遊技球が検出されたことによって取得されたデータであるのか、を記憶する領域である。本実施形態においては、当否判定用乱数および図柄乱数が第1始動口センサ644による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第1特別図柄種別を、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648による遊技球の検出により抽出されたものである場合には第2特別図柄種別を記憶する。
第1始動口センサ644による遊技球の検出があると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702が当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、保留順記憶手段790により当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第1特別図柄種別が記憶される。
第2始動口センサ646または第3始動口センサ648による遊技球の検出があると、第1始動口センサ644による遊技球の検出があった場合と同様に、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により当否判定用乱数および図柄乱数を抽出する。抽出された当否判定用乱数および図柄乱数は、それぞれ、当否判定用乱数記憶領域および確変判定用乱数記憶領域に記憶される。また、特別図柄種別記憶領域には、第2特別図柄種別が記憶される。
また、処理領域6062は、各種データの判定結果を第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出する際に読み込まれる領域である。本実施形態においては、特別図柄用乱数記憶領域6061の各領域6061a〜6061hに記憶される各種データの読み込みが制限されており、処理領域6062に記憶されている各種データが判定され、その判定結果が、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86に導出される。
なお、処理領域6062については必ずしも有している必要はない。例えば、特別図柄用乱数記憶領域6061の各記憶領域6061a〜6061hに記憶される各種データの読み込みを通常制限すると共に、特別図柄の変動を開始する際にのみ、第1記憶領域6061aに記憶される各種データのみを読み込み可能としても良い。
また、特別図柄の変動が開始される際には、各記憶領域に記憶されている各種データのシフト処理が行われる。このシフト処理の詳細については後述する。
[第1・第2・第3始動口入賞処理]
次に、第1・第2・第3始動口入賞処理について図31に基づいて説明する。図31は、第1・第2・第3始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU602は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1101)。具体的には、第2始動口センサ646または第3始動口センサ648から検出信号が出力されたか否かを判断する。このとき、第2始動口センサ646から検出信号が出力された場合には第2始動口392に遊技球が入賞したと判断し、第3始動口センサ648から検出信号が出力された場合には第3始動口394に遊技球が入賞したと判断する。第2始動口センサ646および第3始動口センサ648のいずれからも検出信号が出力されていなければ、第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していない(ステップS1101におけるNO)と判断する。
ステップS1101において第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したときには、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM606に設けられている第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1102)。なお、当否判定用乱数は、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって取得される。
ステップS1101において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限の4未満であると判断すると(ステップS1102におけるYES)、CPU602は、第2保留記憶処理を行う(ステップS1103)。この第2保留記憶処理は、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶すると共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域6061の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1103の第2保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データは、第1記憶領域6061a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域6061aが空き領域であれば第1記憶領域6061aに、第1記憶領域6061aが空き領域でなく且つ第2記憶領域6061bが空き領域であれば第2記憶領域6061bに、第1記憶領域6061aおよび第2記憶領域6061bが空き領域でなく且つ第3記憶領域6061cが空き領域であれば第3記憶領域6061cに、それぞれ、CPU602が各種データを記憶し、ステップS1104に進む。
CPU602が、ステップS1101において第2始動口392および第3始動口394のいずれにも遊技球が入賞していないと判別したとき(ステップS1101におけるNO)、および、ステップS1102において第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値の4に達していると判別したとき(ステップS1102におけるNO)は、いずれもステップS1104に進む。
ステップS1104では、CPU602は、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS1104)。具体的には、第1始動口センサ644から検出信号が出力されたか否かを判断し、第1始動口センサ644から検出信号が出力された場合には第1始動口390に遊技球が入賞した(ステップS1104におけるYES)と判断する。第1始動口センサ644から検出信号が出力されていなければ第1始動口390に遊技球が入賞していない(ステップS1104におけるNO)と判断する。
ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞したと判断したときには、各種乱数(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を取得し、RAM606に設けられている第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値である4未満であるか否かを判断する(ステップS1105)。なお、当否判定用乱数は、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって取得される。
ステップS1104において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限の4未満であると判別すると(ステップS1105におけるYES)、CPU602は、第1保留記憶処理を行う(ステップS1106)。この第1保留記憶処理は、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)を特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶すると共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に1を加算する処理である。より詳しくは、特別図柄用乱数記憶領域6061の当否判定用乱数記憶領域には当否判定用乱数を、確変判定用乱数記憶領域には図柄乱数を、特別図柄種別記憶領域には特別図柄種別を、それぞれ、記憶する。
ステップS1106の第1保留記憶処理において特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データは、第1記憶領域6061a〜第n記憶領域(nは整数)の空き領域のうち最もnが小さい領域に記憶され、その後、ステップS1104に進む。例えば、第1記憶領域6061aが空き領域であれば第1記憶領域6061aに、第1記憶領域6061aが空き領域でなく且つ第2記憶領域6061bが空き領域であれば第2記憶領域6061bに、第1記憶領域6061aおよび第2記憶領域6061bが空き領域でなく且つ第3記憶領域6061cが空き領域であれば第3記憶領域6061cに、それぞれ、CPU602が各種データを記憶し、処理を終了する。
CPU602が、ステップS1104において第1始動口390に遊技球が入賞していないと判断したとき(ステップS1104におけるNO)、および、ステップS1105において第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値の4に達していると判断したとき(ステップS1105におけるNO)は、いずれも処理を終了する。
なお、第1特別図柄保留カウンタ703または第2特別図柄保留カウンタ713に記憶されるカウンタ値は、ステップS1104またはステップS1101で取得した特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データの数(即ち、8の記憶領域6061a〜6061hのうち各種データが記憶されている記憶領域の数)を示すカウンタ値である。
また、ステップS1102およびステップS1105において、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値であるとき、および、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値であるときは、いずれも、ステップS1101またはステップS1104で取得した各種データを破棄する。
なお、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したと判断したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1101で行う必要はなく、ステップS1101〜ステップS1103の間で行えばよい。例えば、ステップS1101で各種データを取得せずに、ステップS1102で第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値が上限値未満であることを判定した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1103の第2保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
同様に、第1始動口390に遊技球が入賞したと判定したとき、各種データ(当否判定用乱数、図柄乱数、特別図柄種別)の取得は、必ずしもステップS1104で行う必要はなく、ステップS1104〜ステップS1106の間で行えばよい。例えば、ステップS1104で各種データを取得せずに、ステップS1102で第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値が上限値未満であることを判別した後に各種データを取得してもよいし、ステップS1106の第1保留記憶処理で取得するようにしてもよい。
このように、第1・第2・第3始動口入賞処理では、CPU602は、先ず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したか否かを判断し、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント値が上限未満であれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行う。そして、その後、第1始動口390に遊技球が入賞したか否かを判断し、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント値が上限未満であれば、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データの記憶処理を行い、一連の処理を終了する。従って、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時(同じ4ms割込処理内)に行われた場合には、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことによって取得した各種データが、第1始動口390に遊技球が入賞したことによって取得した各種データよりも先に特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される。即ち、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合には、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定が、第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行われ、その結果、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が第1特別図柄当否判定手段704による判定結果よりも先に第2特別図柄表示器86および共通図柄表示領域115cに表示される。とくに、時短遊技中、普通図柄抽選手段720による抽選が遊技者に有利な抽選が行われるので、一対の可動片396の開閉動作が頻繁に行われ、第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。しかし、第1始動口390への遊技球の入賞と、第2始動口392または第3始動口394への遊技球の入賞とがほぼ同時に行われた場合に、第2特別図柄当否判定手段714による大当たり判定を第1特別図柄当否判定手段704による大当たり判定よりも先に行うことによって、時短遊技中、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したにも拘わらず、取得した各種データが破棄されるといったことを極力回避でき、興趣の低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、CPU602が、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行したのちに、ステップS1104〜1106の一連の処理を実行しているが、これに代えて、ステップS1104〜ステップS1106の一連の処理を実行したのちに、ステップS1101〜ステップS1103の一連の処理を実行する態様であっても良い。
また、本実施形態において、特別図柄用乱数記憶領域6061に記憶される各種データの数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値と第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値との和)を「始動記憶数」と称する。
[変動開始処理]
次に、変動開始処理について図32に基づいて説明する。図32は、変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS130)では、CPU602は、先ず、始動記憶数が0であるか否かを判断する(ステップS1301)。始動記憶数が0でなければ(ステップS1301におけるNO)、特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行う(ステップS1302)。このシフト処理は、第1記憶領域6061aに記憶されている各種データを処理領域6062に記憶させると共に、第n記憶領域(2≦n≦8)に記憶されている各種データを、それぞれ、第(n−1)記憶領域(2≦n≦8)に記憶させる処理である。なお、第1記憶領域6061aのみに各種データが記憶されている場合(第2記憶領域6061b〜第8記憶領域6061hが空き領域の場合)には、第1記憶領域6061aに記憶されている各種データを処理領域6062に記憶させる処理のみが行われる。なお、ステップS1301において始動記憶が0であれば(ステップS1301におけるYES)処理を終了する。
ステップS1302においてシフト処理を行ったのち、CPU602は、処理領域6062の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第2特別図柄種別であるか否かを判別する(ステップS1303)。このとき、第2特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるYES)、第2特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1303)と共に、第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値を1減算して(ステップS1305)、ステップS1308に進む。また、ステップS1303において判定した処理領域6062の特別図柄種別記憶領域に記憶されている種別が第1特別図柄種別であれば(ステップS1303におけるNO)、第1特別図柄フラグをON状態にする(ステップS1306)と共に、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値を1減算して(ステップS1307)、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、CPU602は、確率変動機能が作動中であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740による確変遊技が実行されているか否かを判別する(ステップS1308)。確率変動機能が作動中であれば(ステップS1308におけるYES)、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708が選択され(ステップS1309)、確率変動機能が未作動であれば(ステップS1308におけるNO)、特別図柄通常時当たり判定用テーブル706が選択される(ステップS1310)。そして、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと、処理領域6062に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)。
なお、ステップS1311における大当たり判定は、第1特別図柄フラグがON状態であれば第1特別図柄当否判定手段704によって行われ、第2特別図柄フラグがON状態であれば第2特別図柄当否判定手段714によって行われる。
CPU602が、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりであると判定すると(ステップS1311におけるYES)、大当たりフラグをON状態にして(ステップS1311)、次に、長当たりか否かの判定を行う(ステップS1313)。具体的には、ステップS1309またはステップS1310において選択された判定テーブルと当否判定用乱数とを参照して大当たり判定の結果が長当たりであるか否か判定する。長当たりであると判定されると(ステップS1313におけるYES)、長当たりフラグをONして(ステップS1314)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1313において長当たりでないと判定されると(ステップS1313におけるNO)、短当たりフラグをONして(ステップS1315)、その後、処理フラグを「1」に更新し(ステップS1318)、処理を終了する。また、ステップS1311における大当たり判定にて大当たりでないと判定すると(ステップS1311におけるNO)、小当たり判定が表1に基づいて行われる(ステップS1316)。小当たり判定において小当たりであると判定すると(ステップS1316におけるYES)、小当たりフラグをON状態にして(ステップS1317)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。小当たり判定において小当たりでないと判定すると(ステップS1316におけるNO)、ステップS1318に進み、処理フラグを「1」に更新し、処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS1302において特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行ったのち、ステップS1310において選択された判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と、処理領域6062に記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定が行われる(ステップS1311)が、これに限られない。例えば、判定テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)と第1記憶領域6061aに記憶されている当否判定用乱数とを参照して大当たり判定を行い、その後、特別図柄用乱数記憶領域6061のシフト処理を行っても良い。このとき、第1記憶領域6061aに記憶されている当否判定用乱数を参照できるのは、変動開始時のみである。
また、大当たり判定および小当たり判定についての詳細は、表1および表2を参照して上述したとおりである。
[変動パターン設定処理]
次に、変動パターン設定処理について図33〜図47に基づいて説明する。図33は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図34は、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図35は、第1特別図柄長当たり時パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図36は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図37は、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図38は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図39は、小当たり時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図40は、短当たり時変動パターンテーブル設定処理および小当たり時変動パターンテーブル設定処理において選択される変動パターンを示す一覧表図である。図41は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図42は、図41のAから続くフローチャートである。図43は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図44は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。図45は、図44のCから続くフローチャートである。図46は、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断された場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。図47は、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理および第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてリーチと判断されない場合に選択される変動パターンを示す一覧表図である。
なお、図35、図37、図40、図43、図46および図47に示すテーブルには、変動番号に対応させて、コマンド、抽選結果、変動時間、変動名称(変動内容)および当該変動番号の変動内容が選択される確率が記憶されている。また、「変動内容」とは、演出表示装置115に表示される演出の内容およびこの演出内容に対応させてスピーカー18,57から出力される効果音や楽曲のことである。
図33の変動パターン設定処理では、先ず、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1510)。即ち、今回の特別図柄の変動によって大当たりを導出するか否かを判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1510におけるYES)、次に、長当たりフラグONか否か判断する(ステップS1520)。即ちステップS1510で判断した大当たりが長当たりであるか否かを判断する。長当たりフラグONであると判断すると(ステップS1520におけるYES)、次に第1特別図柄フラグがONか否か判断する(ステップS1530)。即ち、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことに基づいて抽出された当否判定乱数にもとづくものであるか否か判断する。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1530におけるYES)、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)を行う。第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1540)では、時短機能作動中であるか否か(即ち、時短遊技実行手段742により時短遊技が実行されているか否か)、確率変動機能作動中であるか否か(即ち、確変遊技実行手段740により確変遊技が実行されているか否か)、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第1特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1530におけるNO)、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)を行う。第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1550)では、時短機能作動中であるか否か、確率変動機能作動中であるか否か、および、確変図柄での長当たりであるか否かに応じて、第2特別図柄長当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1520において、長当たりフラグONでない(即ち、短当たりである)と判断すると(ステップS1520におけるNO)、短当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1560)を行う。短当たり時変動パターンテーブル設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた短当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1520において長当たりでない(即ち短当たり)と判断した場合には、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて短当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
ステップS1510において大当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1510におけるNO)、小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1570)。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1570におけるYES)、小当たり時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1580)を行う。小当たり時変動パターン設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断し、それぞれの遊技状態に応じた小当たり時の変動パターンテーブルを選択する。
なお、ステップS1570において小当たりであると判断した場合には、ステップS1520において長当たりでないと判断した場合と同様に、今回の変動が第1始動口センサ644により遊技球が検出されたことにもとづくものであるのか否かは判断しない。従って、第1始動口390に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、および、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことに応じて小当たりが発生した場合、のいずれであっても、同じ変動パターンテーブルが選択されることになる。
小当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1570におけるNO)、第1特別図柄フラグがONであるか否かを判断する(ステップS1590)。第1特別図柄フラグがONであると判断すると(ステップS1590におけるYES)、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1600)を行う。第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、まず時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断したのち、リーチ変動を行うか否かを抽選する(以下、この抽選を「リーチ抽選」と称する)。リーチ抽選では、リーチ判定用乱数を取得し、取得したリーチ判定用乱数をRAM606に記憶するとともに、予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値と取得したリーチ判定用乱数とが一致するか否かによって、リーチ変動を行うか否かを判断する。そして判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第1特別図柄保留カウンタ703(図23参照)によるカウンタ値とに基づいて、第1特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
ステップS1590において第1特別図柄フラグがONでないと判断すると(ステップS1590におけるNO)、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理(ステップS1610)を行う。第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、時短機能作動中であるか否かおよび確率変動機能作動中であるか否かを判断する。時短機能が未作動のときであれば、常にリーチ変動が行われるリーチ変動パターンテーブルが選択される。時短作動時であれば、リーチ判定用乱数を取得してRAM606に記憶するとともに、取得したリーチ判定用乱数と予め定められたリーチ判定テーブルに設定されている判定値とが一致するか否かによって、リーチ変動とするか否かを判断する。そして、判断された時短機能作動中であるか否かと、確率変動機能作動中であるか否かと、リーチ変動を行うか否かと、第2特別図柄保留カウンタ713(図23参照)によるカウンタ値とに応じて、第2特別図柄外れ時の変動パターンテーブルを選択する。
各変動パターンテーブルを設定するとステップS1620に進み、変動パターンを決定する。変動パターンの決定では、先ず、変動表示乱数を取得する。そして、この取得した変動表示乱数に基づいて、ステップS1540、ステップS1550、ステップS1560、ステップS1580、ステップS1600またはステップS1610で設定された変動パターンテーブルに設定されている変動パターンのなかからいずれか一つの変動パターンを決定する(ステップS1620)。
各変動パターンには、変動時間およびコマンドが対応して設定されており、変動パターンを決定すると(ステップS1620)、この決定された変動パターンを選択値としてセットする(ステップS1630)。そして、選択値としてセットされた変動パターンに対応するコマンドを、周辺制御基板662に送信される演出コマンドとしてセットする。変動パターンを選択値としてセットすると(ステップS1630)、セットされた変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする(ステップS1640)。即ち、特別図柄の変動時間を、主制御基板131に搭載されるRAM606に設けられたタイマにセットする。その後、処理フラグを「2」に更新して(ステップS1650)変動パターン設定処理を終了する。
次に、図34および図35に基づいて第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図34の第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15401)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15401におけるYES)、時短機能が未作動の場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15402)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル1を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル2を選択する(図35参照)。
ステップS15401において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15401におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15403)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15403におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15404)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル3を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル4を選択する。
ステップS15403において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15403におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15405)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル5を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル6を選択する。
ステップS15402、ステップS15404、ステップS15405においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル1が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号10のノーマル長当たり、変動番号13の惑星リーチAノーマル長当たり、変動番号15の惑星リーチAロング長当たり、変動番号17の惑星リーチB(惑星リーチA経由)長当たり、変動番号19の惑星リーチC(惑星リーチA経由)長当たり、変動番号21の惑星リーチD(惑星リーチA経由)長当たり、変動番号26の惑星リーチB前半長当たり、変動番号28の惑星リーチB後半長当たり、変動番号33の惑星リーチC前半長当たり、変動番号35の惑星リーチC後半長当たり、変動番号40の惑星リーチD前半長当たり、変動番号42の惑星リーチD後半長当たり、および、変動番号45のチャンス目(確変長当たり)、のうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の500、64000分の3500、64000分の5000、64000分の8000、64000分の10000、64000分の10000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、および、64000分の3000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の500の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド0AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21500msをタイマにセットする。このノーマル長当たりを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、スーパーリーチ演出を実行することなく、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてし、さらに選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル2が選択されると、テーブル1と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号26、28、33、35、40、42が選択される確率は、テーブル1では64000分の4000であるのに対し、テーブル2では64000分の4500である。また、変動番号45が選択される確率は、テーブル1では64000分の3000であるのに対し、テーブル2では選択されない。そして、テーブル1が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル3が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の惑星リーチB前半長当たり、変動番号28の惑星リーチB後半長当たり、変動番号33の惑星リーチC前半長当たり、変動番号35の惑星リーチC後半長当たり、変動番号40の惑星リーチD前半長当たり、および、変動番号42の惑星リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の10500、64000分の11000、および、64000分の11000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチB前半長当たりを64000分の10500の確率で選択したとき、惑星リーチB前半長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。この惑星リーチB前半長当たりを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行すると共に、惑星パターン(B)を背景にキャラクタ(宇宙人)がダンスを行なう態様のスーパーリーチ演出をし、その後、停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル4が選択されると、テーブル3と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。そして、テーブル3が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル5が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の惑星リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の惑星リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の惑星リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の惑星リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の惑星リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の惑星リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の惑星リーチC扉2枚目復活長当たり、および、変動番号63の惑星リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の惑星リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の惑星リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の惑星リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の惑星リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の30000、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、、64000分の5500、64000分の10000、64000分の250、64000分の250、および、64000分の5500の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチB完走長当たりを64000分の30000の確率で選択したとき、惑星リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル6が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の惑星リーチB完走当たりの変動パターンを選択する。そして、惑星リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。この惑星リーチB完走当たりは、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、惑星パターン(B)に伴ってキャラクタ(宇宙人)がダンスを行なう態様のスーパーリーチを表示し、その後、当該キャラクタ(宇宙人)を被覆するように左右方向から扉が閉まるものの、キャラクタ(宇宙人)によるダンスが中断されない演出を3回繰り返し、キャラクタ(宇宙人)によるダンスが終了したのちに停止図柄が長当たり態様となるように表示する。
このように、テーブル6が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル5が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル5で選択される可能性がある惑星リーチB扉1枚目復活長当たり、惑星リーチB扉2枚目復活長当たり、惑星リーチB扉3枚目復活長当たり、惑星リーチC完走当たり、惑星リーチC扉1枚目復活長当たり、惑星リーチC扉2枚目復活長当たり、惑星リーチC扉3枚目復活長当たり、惑星リーチD完走当たり、惑星リーチD扉1枚目復活長当たり、惑星リーチD扉2枚目復活長当たり、および、惑星リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル6で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図36および図37に基づいて第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図36の第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15501)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15501におけるYES)、時短機能が未作動である場合における長当たり図柄の種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15502)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル7を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル8を選択する(図37参照)。
ステップS15501において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15501におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15503)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15503におけるYES)、時短機能作動時であって且つ低確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15504)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル9を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル10を選択する。
ステップS15503において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS15503におけるNO)、時短機能作動時であって且つ高確率時における長当たり種別に応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS15505)。具体的には、図柄乱数を用いて長当たり図柄の種別が確変時短付長当たりの図柄であるか通常長当たりの図柄であるかを判別し、確変時短付長当たりの図柄である場合にはテーブル11を選択し、通常長当たりの図柄である場合にはテーブル12を選択する。
ステップS15502、ステップS15504、ステップS15505においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル7が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号75のノーマル長当たり、変動番号78の惑星リーチAノーマル長当たり、変動番号80の惑星リーチAロング長当たり、変動番号82の惑星リーチB(惑星リーチA経由)長当たり、変動番号84の惑星リーチC(惑星リーチA経由)長当たり、および、変動番号86の惑星リーチD(惑星リーチA経由)長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の900、64000分の3800、64000分の6000、64000分の12000、64000分の20000、および、64000分の21300の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとしてノーマル長当たりを64000分の900の確率で選択したとき、ノーマル長当たりの変動パターンに対応するコマンド51Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15400msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル8が選択されると、テーブル7と同じ変動パターンを同じ確率で選択する。ただし、変動番号82が選択される確率は、テーブル7では64000分の12000であるのに対し、テーブル8では64000分の15000である。また、変動番号86が選択される確率は、テーブル7では64000分の21300であるのに対し、テーブル8では64000分の18300である。そして、テーブル7が選択された場合と同様に、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル9が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号51の惑星リーチB完走当たり(共通)、変動番号52の惑星リーチB扉1枚目復活長当たり、変動番号53の惑星リーチB扉2枚目復活長当たり、変動番号54の惑星リーチB扉3枚目復活長当たり、変動番号60の惑星リーチC完走当たり(確変)、変動番号61の惑星リーチC扉1枚目復活長当たり、変動番号62の惑星リーチC扉2枚目復活長当たり、変動番号63の惑星リーチC扉3枚目復活長当たり、変動番号69の惑星リーチD完走当たり(確変)、変動番号70の惑星リーチD扉1枚目復活長当たり、変動番号71の惑星リーチD扉2枚目復活長当たり、および、変動番号72の惑星リーチD扉3枚目復活長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の26500、64000分の500、64000分の500、64000分の1000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、64000分の2000、64000分の15000、64000分の250、64000分の500、および、64000分の2000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチB完走長当たりを64000分の26500の確率で選択し、選択した惑星リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル11が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号26の惑星リーチB前半長当たり、変動番号28の惑星リーチB後半長当たり、変動番号33の惑星リーチC前半長当たり、変動番号35の惑星リーチC後半長当たり、変動番号40の惑星リーチD前半長当たり、および、変動番号42の惑星リーチD後半長当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の13750、64000分の13750、64000分の10000、64000分の10000、64000分の8250、および、64000分の8250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドをセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチB長当たりを64000分の13750の確率で選択したとき、惑星リーチB長当たりの変動パターンに対応するコマンド1AHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として41100msをタイマにセットする。
第2特別図柄長当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル10が選択されると、変動パターン乱数を取得することなく、常に変動番号51の惑星リーチB完走長当たりの変動パターンを選択する。そして、惑星リーチB完走長当たりの変動パターンに対応するコマンド33Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として55000msをタイマにセットする。
このように、テーブル10が選択された場合の変動パターンの内容は、テーブル9が選択された場合の変動パターンの内容と異なる。即ち、テーブル9で選択される可能性がある惑星リーチB扉1枚目復活長当たり、惑星リーチB扉2枚目復活長当たり、惑星リーチB扉3枚目復活長当たり、惑星リーチC完走当たり、惑星リーチC扉1枚目復活長当たり、惑星リーチC扉2枚目復活長当たり、惑星リーチC扉3枚目復活長当たり、惑星リーチD完走当たり、惑星リーチD扉1枚目復活長当たり、惑星リーチD扉2枚目復活長当たり、および、惑星リーチD扉3枚目復活長当たりは、いずれもテーブル10で選択されることはないので、これらの変動パターンが演出表示装置115において表示された場合には、確変時短付長当たりが確定する。
次に、図38および図39に基づいて短当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図38の短当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15601)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15601におけるYES)、時短機能が未作動である場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15602)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル13を選択する(図40参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS15601におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない状態であるか否かを判断する(ステップS15603)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15603におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15604)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル14を選択する(図40参照)。
ステップS15601において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15603におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15605)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル15を選択する(図40参照)。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル13が選択されると、変動番号43のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2BHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。チャンス目(短当たり)では、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴わずに長当たりとは異なる短当たりの態様で装飾図柄を停止表示する。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の短当たり表示態様のみが、後述する表示態様記憶手段830(図55参照)に記憶されている。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル14が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号23の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号30の惑星リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の惑星リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の24000、64000分の20000、および、64000分の20000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチBイントロ外れを64000分の24000の確率で選択したとき、惑星リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド17Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この惑星リーチBイントロ外れを選択すると、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って惑星パターン(B)を表示するものの、キャラクタ(宇宙人)がダンスを始める前に、装飾図柄を長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。また、惑星リーチCイントロ外れおよび惑星リーチDイントロ外れの変動パターンも同様に64000分の20000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド1EHおよび25Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24100msをタイマにセットする。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル15が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号47の惑星リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の惑星リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の惑星リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の惑星リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の惑星リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の惑星リーチD扉3枚目短当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の14000、64000分の4000、64000分の19000、64000分の4000、64000分の19000、および、64000分の4000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチB扉1枚目短当たりを64000分の14000の確率で選択したとき、惑星リーチB扉1枚目短当たりの変動パターンに対応するコマンド2FHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この惑星リーチB扉1枚目短当たりを選択すると、演出表示装置115に装飾図柄を変動表示した後、惑星パターン(B)を表示するとともにキャラクタ(宇宙人)がダンスを行なう態様のスーパーリーチを表示し、その後、当該キャラクタ(宇宙人)を被覆するように左右方向から扉が閉まり、装飾図柄を長当たりとは異なる短当たりの態様で停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、対応する変動時間値をタイマにセットする。
次に、図39および図40に基づいて小当たり時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図39の小当たり時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS15801)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS15801におけるYES)、時短機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15802)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていない場合には、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かに拘わらず、テーブル16を選択する(図40参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15801におけるNO)、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS15803)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS15803におけるYES)、時短機能作動時且つ確率変動機能が未作動の場合における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15804)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されていない場合には、テーブル17を選択する(図40参照)。
ステップS15801において時短機能が未作動でないと判断すると(ステップS15803におけるNO)、時短機能作動且つ確率変動機能作動時における変動パターンテーブルを選択する(ステップS15805)。即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されており且つ確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されている場合には、テーブル18を選択する(図40参照)。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル16が選択されると、変動番号44のチャンス目の変動パターンを100%の確率で(即ち常に)選択する。そして、コマンド2CHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として24600msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号44のチャンス目の変動パターンは、変動番号43のチャンス目の変動パターンと同じ態様である。このように、時短機能未作動および確変機能未作動の通常遊技状態時においては、チャンス目の1種類の小当たり表示態様のみが、後述する表示態様記憶手段830(図55参照)に記憶されている。
小当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル17が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号24の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号31の惑星リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の惑星リーチDイントロ外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチBイントロ外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した惑星リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド18Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号24の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号31の惑星リーチCイントロ外れ、および、変動番号38の惑星リーチDイントロ外れは、それぞれ、変動番号23の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号30の惑星リーチCイントロ外れ、および、変動番号37の惑星リーチDイントロ外れの変動パターンと同じ態様である。
短当たり時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル18が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号49の惑星リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の惑星リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の惑星リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の惑星リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の惑星リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の惑星リーチD扉2枚目小当たりのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の17000、64000分の14500、64000分の5000、64000分の11250、64000分の5000、および、64000分の11250の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチB扉1枚目小当たりを64000分の17000の確率で選択したとき、惑星リーチB扉1枚目小当たりの変動パターンに対応するコマンド31Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。なお、本実施形態において、変動番号49の惑星リーチB扉1枚目小当たり、変動番号50の惑星リーチB扉2枚小当たり、変動番号58の惑星リーチC扉1枚目小当たり、変動番号59の惑星リーチC扉2枚目小当たり、変動番号67の惑星リーチD扉1枚目小当たり、および、変動番号68の惑星リーチD扉2枚目小当たりの変動パターンは、それぞれ、変動番号47の惑星リーチB扉1枚目短当たり、変動番号48の惑星リーチB扉3枚目短当たり、変動番号56の惑星リーチC扉1枚目短当たり、変動番号57の惑星リーチC扉3枚目短当たり、変動番号65の惑星リーチD扉1枚目短当たり、および、変動番号66の惑星リーチD扉3枚目短当たりの変動パターンと同じ態様である。
次に、図41、図42、図43および図47に基づいて第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図41および図42の第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16001)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16001におけるYES)、次に、変動開始直後の第1特別図柄の保留数(即ち第1特別図柄保留カウンタ703(図23参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16002)。第1特別図柄の保留数がゼロであると判断すると(ステップS16002におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16003)。具体的には、0から240までのリーチ乱数のなかからリーチ乱数を一つ取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値(本実施形態においては0から25まで)に該当するか否かを判定する所謂リーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16003におけるYES)、テーブル19(図43参照)を選択する(ステップS16004)。
なお、「第1特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得するものの第1特別図柄当否判定手段704による当否判定を保留しているため、この第1特別図柄当否判定手段704による当否判定の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702による当否判定用乱数の取得の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。さらに、第1始動口390に遊技球が入賞したときに第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得すると共に第1特別図柄当否判定手段704によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第1特別図柄表示器84に表示することを保留しても良い。この場合、第1特別図柄当否判定手段704による判定結果の第1特別図柄表示器84への表示の保留数が、第1特別図柄の保留数に相当する。
ステップS16003においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16003におけるNO)、テーブル25(図47参照)を選択する(ステップS16005)。
また、ステップS16002において第1特別図柄の保留数がゼロでないと判断すると(ステップS16002におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が1であるか否かを判断する(ステップS16006)。ここで、第1特別図柄の保留数が1であると判断すると(ステップS16006におけるYES)、第1特別図柄の保留数が1の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16007)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16007におけるYES)、テーブル19(図43参照)を選択する(ステップS16008)。ただし、第1特別図柄の保留数が1の場合におけるリーチ判定値は0から23までなので、第1特別図柄の保留数が0の場合(リーチ判定値は0から25)に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16007においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16007におけるNO)、テーブル25(図47参照)を選択する(ステップS16009)。
また、ステップS16006において第1特別図柄の保留数が1でないと判断すると(ステップS16006におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2であるか否かを判断する(ステップS16010)。ここで、第1特別図柄の保留数が2であると判断すると(ステップS16010におけるYES)、第1特別図柄の保留数が0および1の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16011)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16011におけるYES)、テーブル19(図43参照)を選択する(ステップS16012)。ただし、第1特別図柄の保留数が2の場合におけるリーチ判定値は0から21までなので、第1特別図柄の保留数が0および1の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16011においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16011におけるNO)、テーブル26(図47参照)を選択する(ステップS16013)。
また、ステップS16010において第1特別図柄の保留数が2でないと判断すると(ステップS16014におけるNO)、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3であると判断し、第1特別図柄の保留数が0、1および2の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16014)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16014におけるYES)、テーブル19(図43参照)を選択する(ステップS16015)。ただし、第1特別図柄の保留数が3の場合におけるリーチ判定値は0から15までなので、第1特別図柄の保留数が0、1および2の場合に比べてリーチ抽選における当選確率が低い。
ステップS16014においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16014におけるNO)、テーブル27(図47参照)を選択する(ステップS16013)。
このように、時短機能が未作動である場合、第1特別図柄の保留数とリーチ抽選における当選確率との間には、第1特別図柄の保留数が少ないほどリーチ抽選に当選しやすく、第1特別図柄の保留数が多いほどリーチ抽選に当選し難いといった相関関係がある。これにより、第1特別図柄の保留数が例えば3であるときにリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まるので、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16001において時短機能が未作動でない、即ち時短遊技状態であると判断すると(ステップS16001におけるNO)、図42に示す処理が行われる。具体的には、先ず、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740による確変遊技が実行されていない状態か否かを判断する(ステップS16017)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16017におけるYES)、リーチ変動を実施する否かを判断する(ステップS16018)。このリーチ変動を実行するか否かの判断は、時短機能が未作動の場合におけるリーチ変動を実行するか否かの判断(ステップS16003、ステップS16007、ステップS16011、ステップS16014)と同様にリーチ抽選の結果により行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16018におけるYES)、テーブル20(図43参照)を選択する(ステップS16019)。
ステップS16018においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16018におけるNO)、テーブル28(図47参照)を選択する(ステップS16020)。
また、ステップS16017において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16017におけるNO)、時短機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16021)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16021におけるYES)、テーブル21(図43参照)を選択する(ステップS16022)。ただし、時短機能作動時且つ確変機構未作動、即ち、確変遊技状態でない時短遊技状態の場合にはリーチ判定値が0および1のみでなので、時短機能が未作動の場合と比べると、リーチ変動が実行される確率が極めて低い。これにより、時短機能作動時且つ確変機構未作動である場合にリーチ変動が実行されると、長当たり、短当たりまたは小当たりに当選している期待感が高まり、興趣の低下を抑制できる。
ステップS16021においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16021におけるNO)、テーブル29(図47参照)を選択する(ステップS16023)。
ステップS16004、ステップS16005、ステップS16008、ステップS16009、ステップS16012、ステップS16013、ステップS16015、ステップS16016、ステップS16019、ステップS16020、ステップS16022およびステップS16023においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル19(図43参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号9のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号11の惑星リーチA外れ(アンコール前)、変動番号12の惑星リーチA外れ(アンコール後)、変動番号14の惑星リーチAロング外れ、変動番号16の惑星リーチB(惑星リーチA経由)外れ、変動番号18の惑星リーチC(惑星リーチA経由)外れ、変動番号20の惑星リーチD(惑星リーチA経由)外れ、変動番号22の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号25の惑星リーチB前半外れ、変動番号27の惑星リーチB後半外れ、変動番号29の惑星リーチCイントロ外れ、変動番号32の惑星リーチC前半外れ、変動番号34の惑星リーチC後半外れ、変動番号36の惑星リーチDイントロ外れ、変動番号39の惑星リーチD前半外れ、および、変動番号41の惑星リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の19000、64000分の14000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の4000、64000分の300、64000分の300、64000分の300、64000分の7000、64000分の2100、64000分の2100、64000分の3000、64000分の225、64000分の225、64000分の3000、64000分の225、および、64000分の225の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動番号8のノーマル外れ(1図柄前)を64000分の19000の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド08Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として15600msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル20(図43参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号25の惑星リーチB前半外れ、変動番号27の惑星リーチB後半外れ、変動番号29の惑星リーチCイントロ外れ、変動番号32の惑星リーチC前半外れ、変動番号34の惑星リーチC後半外れ、変動番号36の惑星リーチDイントロ外れ、変動番号39の惑星リーチD前半外れ、および、変動番号41の惑星リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、惑星リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この惑星リーチBイントロ外れを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴って惑星パターン(B)が表示されるものの、キャラクタ(宇宙人)によるダンスが行なわれる前に、装飾図柄を、大当たりおよび小当たりのいずれとも異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンのコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターン対応する変動時間値をタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル21(図43参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の惑星リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の惑星リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の惑星リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、惑星リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この惑星リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出表示装置115(図10参照)に表示される装飾図柄の変動開始後、惑星パターン(B)が表示されるとともにキャラクタ(宇宙人)がダンスを行なう態様のスーパーリーチを表示し、その後、当該キャラクタ(宇宙人)を被覆するように左右方向から扉が閉まり、装飾図柄を長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれ異なる所謂リーチ外れの態様で停止表示する。また、惑星リーチC扉1枚目外れおよび惑星リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、選択した変動パターンのコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル25(図47参照)が選択されると常に変動番号1の通常変動の変動パターンを選択し、テーブル26(図47参照)が選択されると常に変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル27(図47参照)が選択されると常に変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル28(図47参照)が選択されると常に変動番号7の時短短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル29(図47参照)が選択されると常に変動番号5の時短短縮変動1の変動パターンを選択する。
即ち、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄の保留数(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、変動開始直後の第1特別図柄の保留数が0または1である場合は、変動番号1の通常変動を選択し、コマンド01Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として11800msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が2である場合は、変動番号2の短縮変動1の変動パターンを選択し、コマンド02Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として6000msをタイマにセットする。変動開始直後の第1特別図柄の保留数が3である場合は、変動番号3の短縮変動2の変動パターンを選択し、コマンド03Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2900msをタイマにセットする。なお、通常変動、短縮変動1および短縮変動2では、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ演出を伴わずに、長当たり、短当たりおよび小当たりと異なる態様で装飾図柄を停止表示する。
また、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短作動時であれば、第1特別図柄の保留数に拘わらず、確率変動機能が作動しているか否か、即ち、確変遊技実行手段740により確変遊技が実行されているか否かに応じて変動パターンを選択することとなる。従って、確率変動機能が未作動である場合は、変動番号7の時短短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2300msをタイマにセットする。確率変動機能作動時である場合は、変動番号5の時短短縮変動1を選択し、コマンド05Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2200msをタイマにセットする。
次に、図44、図45、図46および図47に基づいて第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理について説明する。図44および図45の第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、CPU602は、先ず、時短機能が未作動であるか否か、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16101)。時短機能が未作動であると判断すると(ステップS16101におけるYES)、テーブル22を選択する(ステップS16102)。なお、詳細は後述するが、テーブル22には、リーチ演出を伴わない外れ変動パターンは設定されていないため、テーブル22が選択された場合には常にリーチ演出を行うこととなる。
ステップS16101において時短機能が未作動でない、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていると判断すると(ステップS16101におけるNO)、図45に示す処理が行われる。具体的には、先ず、確率変動機能が未作動であるか否か、即ち、確変遊技実行手段740によって確変遊技が実行されているか否かを判断する(ステップS16103)。確率変動機能が未作動であると判断すると(ステップS16103におけるYES)、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16104)。具体的には、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理におけるリーチ抽選と同様に、ゼロから240までのリーチ乱数を取得し、当該取得したリーチ乱数が予め定められたリーチ判定値(本実施形態においては0および1)に該当するか否かを判定するリーチ抽選を行う。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16104におけるYES)、テーブル23(図46参照)を選択する(ステップS16105)。
ステップS16104においてリーチ変動を行わないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなかったとき(ステップS16104におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図23参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16106)。変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0であると判断すると(ステップS16106におけるYES)、テーブル30を選択し(ステップS16107)、第2特別図柄の保留数が0でないと判断すると(ステップS16106におけるNO)、テーブル31を選択する(ステップS16108)。
なお、「第2特別図柄の保留数」とは、本実施形態では、第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を意味する。即ち、本実施形態では、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得するものの第2特別図柄当否判定手段714による当否判定を保留しているため、この第2特別図柄当否判定手段714による当否判定の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。なお、これに代えて、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得を保留しても良い。この場合、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712による当否判定用乱数の取得の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。さらに、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときに第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得すると共に第2特別図柄当否判定手段714によって取得した当否判定用乱数の当否判定を行うものの、当該判定結果を第2特別図柄表示器86に表示することを保留しても良い。この場合、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果の第2特別図柄表示器86への表示の保留数が、第2特別図柄の保留数に相当する。
また、ステップS16103において確率変動機能が未作動でない、即ち確変遊技状態であると判断すると(ステップS16103におけるNO)、確率変動機能が未作動の場合と同様に、リーチ変動を実行するか否かを判断する(ステップS16109)。このリーチ抽選において当選すればリーチ変動を実行すると判断し(ステップS16109におけるYES)、テーブル24(図46参照)を選択する。ただし、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理の時短機能作動且つ確率変動機能作動時の場合におけるリーチ判定値は0のみである。
ステップS16109においてリーチ変動を実行しないと判断したとき、即ち、リーチ抽選に当選しなければ(ステップS16109におけるNO)、変動開始直後の第2特別図柄の保留数(即ち第2特別図柄保留カウンタ713(図23参照)によるカウンタ値)が0であるか否かを判断する(ステップS16111)。変動開始直後の第2特別図柄の保留数がゼロであると判断すると(ステップS16111におけるYES)、テーブル32を選択し(ステップS16112)、第2特別図柄の保留数がゼロでないと判断すると(ステップS16111におけるNO)、テーブル33を選択する(ステップS16113)。
ステップS16102、ステップS16105、ステップS16107、ステップS16108、ステップS16110、ステップS16112およびステップS16113においてそれぞれの変動パターンテーブルを選択すると、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理を終了する。
なお、時短機能が未作動のとき、即ち、時短遊技実行手段742によって時短遊技が実行されていない場合には、図41と図44とを対比すると分かるように、第1特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、リーチ抽選を行い(ステップS16003)、このリーチ抽選に当選したことに応じてリーチ演出のみが変動パターンとして設定されたテーブル19が選択される(ステップS16004)のに対し、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理では、リーチ抽選を行うことなく、リーチ演出のみが変動パターンとして設定されたテーブル22を選択している(ステップS16102)。これにより、時短機能が未作動のときに第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したときは、常にリーチ変動が実行されることになる。これにより、時短機能が未作動のときには、第2始動口392および第3始動口394が第1始動口390よりもプレミア的な存在となり、興趣の低下を抑制できる。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル22(図46参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号73のノーマル外れ(1図柄前)、変動番号74のノーマル外れ(1図柄後)、変動番号76の惑星リーチA外れ(アンコール前)、変動番号77の惑星リーチA外れ(アンコール後)、変動番号79の惑星リーチAロング外れ、変動番号81の惑星リーチB(惑星リーチA経由)外れ、変動番号83の惑星リーチC(惑星リーチA経由)外れ、変動番号85の惑星リーチD(惑星リーチA経由)外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の27500、64000分の27500、64000分の2000、64000分の2000、64000分の4400、64000分の400、64000分の100、および、64000分の100の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、ノーマル外れ(1図柄前)を64000分の27500の確率で選択したとき、ノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンに対応するコマンド49Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として9500msをタイマにセットする。このノーマル外れ(1図柄前)の変動パターンを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動開始後、リーチ変動を実行し、その後、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない態様であって、リーチ図柄の1つ前の図柄(例えば図柄7でリーチとなっている場合は図柄6)で装飾図柄を停止表示する。他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル23(図46参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号22の惑星リーチBイントロ外れ、変動番号25の惑星リーチB前半外れ、変動番号27の惑星リーチB後半外れ、変動番号29の惑星リーチCイントロ外れ、変動番号32の惑星リーチC前半外れ、変動番号34の惑星リーチC後半外れ、変動番号36の惑星リーチDイントロ外れ、変動番号39の惑星リーチD前半外れ、および、変動番号41の惑星リーチD後半外れのうち、いずれかの変動パターンを、それぞれ64000分の100、64000分の25000、64000分の25000、64000分の50、64000分の3450、64000分の3450、64000分の50、64000分の3450、および、64000分の3450の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、惑星リーチBイントロ外れを64000分の100の確率で選択したとき、惑星リーチBイントロ外れの変動パターンに対応するコマンド16Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として25700msをタイマにセットする。この惑星リーチBイントロ外れの変動パターンを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、リーチ演出を伴って惑星パターン(B)が表示されるものの、キャラクタ(宇宙人)によるダンスが行なわれる前に、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、他の変動パターンも同様にそれぞれの確率で選択し、選択した変動パターンを対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間値をタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理においてテーブル24(図46参照)が選択されると、変動パターン乱数を取得し、この取得した変動パターン乱数に基づいて、変動番号46の惑星リーチB扉1枚目外れ、変動番号55の惑星リーチC扉1枚目外れ、および、変動番号64の惑星リーチD扉1枚目外れのいずれかの変動パターンを、それぞれ、64000分の40000、64000分の12000、および、64000分の12000の確率で選択する。そして、選択した変動パターンに対応するコマンドを演出コマンドとしてセットすると共に、選択した変動パターンに対応する変動時間をタイマにセットする。例えば、変動パターンとして惑星リーチB扉1枚目外れを64000分の40000の確率で選択したとき、選択した惑星リーチB扉1枚目外れの変動パターンに対応するコマンド2EHを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として21800msをタイマにセットする。この惑星リーチB扉1枚目外れを選択すると、演出表示装置115に表示される装飾図柄を変動表示した後、惑星パターン(B)が表示されるとともにキャラクタ(宇宙人)がダンスを行なう態様のスーパーリーチを表示し、その後、当該キャラクタ(宇宙人)を被覆するように左右方向から扉が閉まり、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。また、惑星リーチC扉1枚目外れおよび惑星リーチD扉1枚目外れの変動パターンも同様に64000分の12000の確率で選択し、変動パターンに対応するコマンド37Hおよび40Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として18600msをタイマにセットする。
第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、テーブル30(図47参照)が選択されると常に変動番号6の時短通常変動2の変動パターンを選択し、テーブル31(図47参照)が選択されると常に変動番号7の時短短縮変動2の変動パターンを選択し、テーブル32(図47参照)が選択されると常に変動番号4の時短通常変動1の変動パターンを選択し、テーブル33(図47参照)が選択されると常に変動番号5の時短短縮変動1の変動パターンを選択し、テーブル33(図47参照)が選択されると常に変動番号6の時短通常変動2の変動パターンを選択する。
即ち、第2特別図柄外れ時変動パターンテーブル設定処理において、時短作動時であれば、第2特別図柄の保留数(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値)に応じて変動パターンを選択することとなる。従って、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0である場合であって且つ確率変動機能が未作動であれば変動番号6の時短通常変動2を選択し、コマンド06Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として5200msをタイマにセットする。
また、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が0である場合であって且つ確率変動機能作動時であれば変動番号4の時短通常変動1を選択し、コマンド04Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として4800msをタイマにセットする。一方、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が1、2または3であって且つ確率変動機能が未作動であれば変動番号7の時短短縮変動2を選択し、コマンド07Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2300msをタイマにセットする。また、変動開始直後の第2特別図柄の保留数が1、2または3であって且つ確率変動機能作動時であれば変動番号5の時短短縮変動1を選択し、コマンド05Hを演出コマンドとしてセットすると共に、変動時間値として2200msをタイマにセットする。
このように、確率変動機能が未作動のときには、変動番号6が選択されたときは変動番号7が選択されたときよりも変動時間が長くなり、また、確率変動機能作動時には、変動番号4が選択されたときは変動番号5が選択されたときよりも変動時間が長くなる。従って、確率変動機能が作動しているか否かに拘わらず、時短機能が作動していれば、変動時間は、第2特別図柄の保留数が1、2または3のときよりも0のときに長くなる。これにより、時短機能が作動していれば、変動時間は、第2特別図柄の保留数が1、2または3のときよりも0のときに長くなるので、装飾図柄の変動が行われないことによる興趣の低下を抑制できる。即ち、時短作動時には、一対の可動片396の開閉動作が行われるので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390よりも第3始動口394に入賞し易くなる。時短機能作動時には、第1特別図柄の保留数よりも第2特別図柄の保留数が多くなるのが一般的であるから、第2特別図柄の保留数が0であれば第1特別図柄の保留数も0である可能性が高い。よって、第2特別図柄の保留数が0のときに変動時間を長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。なお、変動番号4、5、6および7では、いずれも、演出表示装置115に表示される装飾図柄の変動を開始した後、リーチ演出を伴わず、且つ、装飾図柄を、長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれとも異なる態様で停止表示する。
このように、図33〜図47を参照して説明した変動パターン設定処理についてまとめると、後述する第1表示態様決定手段810および第2表示態様決定手段820(図55参照)がそれぞれ行う処理は以下の通りである。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル1〜6のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり表示態様のなかから所定の長当たり表示態様に選択決定する(ステップS1540)。なお、テーブル1〜6には、いずれも複数の長当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル13〜15のうちいずれかのテーブル)に記憶された短当たり表示態様のなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。なお、テーブル13〜15には、いずれも複数の短当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したとき、第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル16〜18のうちいずれかのテーブル)に記憶された小当たり表示態様のなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。なお、テーブル16〜18には、いずれも複数の小当たり表示態様が記憶されている。
第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル19およびテーブル25〜27のうちいずれかのテーブル)に記憶された外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様のなかから所定の外れ表示態様またはリーチ外れ表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したとき、リーチ演出を行うか否かの抽選(ステップS16003、ステップS16007、ステップS16011、ステップS16014)を行い、このリーチ抽選に外れたときは、第1特別図柄保留カウンタ703のカウンタ値に基づいてテーブル25〜27のうちいずれかのテーブルが選択され(ステップS16005、ステップS16009、ステップS16013、ステップS16016)、リーチ抽選に当選したときはテーブル19が選択される(ステップS16004、ステップS16008、ステップS16012、ステップS16015)。即ち、リーチ抽選に落選したときは、保留数に基づいてテーブル25〜27のいずれかが選択され、当該選択されたテーブルに記憶された外れ表示態様が表示される。そして、リーチ抽選に当選したときは、テーブル19に記憶された複数のリーチ外れ表示態様のなかから所定のリーチ外れ表示態様に選択決定される。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが長当たりであるとき、第2表示態様決定手段820は、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、長当たりに当選したときの遊技状態と長当たりの種別(確変時短付長当たりまたは通常長当たり)とに基づいて決定されたテーブル(テーブル7〜12のうちいずれかのテーブル)に記憶された長当たり特別表示態様のなかから所定の長当たり特別表示態様に選択決定する(ステップS1550)。なお、テーブル7〜12には、いずれも複数の長当たり特別表示態様が記憶されている。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりにも落選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、当該抽選が行われたとき(即ち抽選結果が外れとなったとき)の遊技状態に基づいて決定されたテーブル(テーブル22〜24およびテーブル30〜33のうちいずれかのテーブル)に記憶されたリーチ外れ特別表示態様または外れ特別表示態様のなかから所定のリーチ外れ特別表示態様または外れ特別表示態様に決定する(ステップS1600)。具体的には、抽選結果が外れである抽選が行われたときに時短機能が未作動であればテーブル22が選択され、このテーブル22に記憶された複数のリーチ外れ特別表示態様のなかから所定のリーチ外れ特別表示態様に決定される。一方、抽選結果が外れである抽選が行われたときに時短機能が作動していれば、リーチ抽選を行い、このリーチ抽選に当選すれば遊技状態に基づいてテーブル23またはテーブル24が選択される(ステップS16105、ステップS16110)。また、リーチ抽選に落選すれば遊技状態および第2特別図柄保留カウンタ713のカウンタ値に基づいてテーブル30〜33のいずれかに決定される(ステップS16107、16108、ステップS16112、ステップS16113)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに当選し、この当選した大当たりが短当たりであるときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が短当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、短当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル13〜15のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の短当たり表示態様に選択決定する(ステップS1560)。
第2特別図柄抽選手段710による抽選において大当たりに落選し、さらに小当たりに当選したときは、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに表示する表示態様を、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が小当たりとのきに第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115cに表示される表示態様と同様に、小当たりに当選したときの遊技状態に基づいてテーブル16〜18のうちいずれかのテーブルに決定され、この決定されたテーブルのなかから所定の小当たり表示態様に選択決定する(ステップS1580)。
なお、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選に基づく場合と第2特別図柄抽選手段710による抽選に基づく場合とで全く同一の表示態様であることに限られず、例えば変動時間が僅かに異なるにすぎない等、互いに極似する表示態様であっても良い。
なお、本実施例において変動開始直後とは、変動開始処理(ステップS130)において第1特別図柄カウンタまたは第2特別図柄カウンタを減算処理した直後を意味する。
[変動中処理]
次に、図48に基づいて、変動中処理について説明する。図48は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。変動中処理では、先ず、特別図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS1801)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のいずれかが変動中であるか否かを判断する。特別図柄が変動中でないと判断すると(ステップS1801におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。
ステップS1801において特別図柄が変動中であると判断すると(ステップS1801におけるYES)、ステップS1802に進み、変動時間が終了しているか否かを判断する。即ち、変動パターン設定処理においてタイマにセットした変動時間が経過したか否かを判断する。変動時間が経過していないと判断すると(ステップS1802におけるNO)、そのまま、変動中処理を終了する。変動時間が経過したと判断すると(ステップS1802におけるYES)、特別図柄の変動を停止する(ステップS1803)。即ち、第1特別図柄表示器84または第2特別図柄表示器86のうち変動中の表示器において、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710(いずれも図23参照)の抽選結果を導出表示するとともに、周辺制御基板662に変動停止コマンドを出力する。
特別図柄の変動を停止すると(ステップS1803)、大当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1804)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、大当たり遊技を開始するか否を判断する。大当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1804におけるYES)、処理フラグを「3」に更新し(ステップS1805)、変動中処理を終了する。大当たりフラグがONでないと判断すると(ステップS1804におけるNO)、次に小当たりフラグがONであるか否かを判断する(ステップS1806)。即ち、今回の変動が停止して抽選結果が導出された結果、小当たり遊技を開始するか否かを判断する。小当たりフラグがONであると判断すると(ステップS1806におけるYES)、処理フラグを「4」に更新し(ステップS1807)、変動中処理を終了する。小当たりフラグONでないと判断すると(ステップS1806におけるNO)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS1808)、変動中処理を終了する。
[大当たり遊技開始処理]
次に、図49に基づいて、大当たり遊技開始処理の一例について説明する。図49は、大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この大当たり遊技開始処理では、先ず、確率変動機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS2001)。具体的には、確変遊技実行手段740が第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714を制御しているか否か、即ち、第1特別図柄当否判定手段704および第2特別図柄当否判定手段714(いずれも図23参照)による当否判定が、特別図柄確変時当たり判定用テーブル708に基づいて判定するか否かを判断する。ここで、確率変動機能が作動中であると判断すると(ステップS2001におけるYES)、確率変動機能の作動を停止して(ステップS2002)、ステップS2003に進む。一方、確率変動機能が作動中でないと判断すると(ステップS2001におけるNO)、そのままステップS2003に進む。
ステップS2003では、時短機能作動中であるか否かを判断する。具体的には、時短遊技実行手段742が普通図柄当否判定手段724(いずれも図23参照)を制御しているか否か、即ち、普通図柄当否判定手段724による当否判定が、普通図柄時短時当たり判定用テーブルに基づいて判定するか否かを判断する。ここで、時短機能作動中であると判断すると(ステップS2003におけるYES)、時短機能の作動を停止して(ステップS2004)、ステップS2005に進む。一方、時短機能作動中でないと判断すると(ステップS2003におけるNO)、そのまま、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONか否か確認して、ONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2005におけるYES)、長当たり用のラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば15ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば30秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開閉装置を大当たり遊技用開閉装置400にセットする。長当たりでないと判断すると短当たり用ラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数をセットするとともに、開放する開閉装置をセットする。具体的には、ラウンド回数が例えば2ラウンド、1ラウンド当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開閉装置を大当たり遊技用開閉装置400にセットする。
ステップS2006およびステップS2007のいずれかでラウンド回数、1ラウンド当たりの開放時間、制限個数および開放する開閉装置をセットすると、その後、処理フラグを「5」に更新して(ステップS2008)、大当たり遊技開始処理を終了する。
[小当たり遊技開始処理]
次に、図50に基づいて、小当たり遊技開始処理の一例について説明する。図50は、小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。この小当たり遊技開始処理では、先ず、小当たり用の開放回数、1回当たりの開放時間、制限個数をセットすると共に、開放する開放装置をセットする(ステップS2201)。具体的には、開放回数が例えば2回、1回当たりの開放時間が例えば0.3秒、制限個数が例えば9個とセットすると共に、開放する開放装置を大当たり遊技用開閉装置400にセットする。その後、処理フラグを「6」に更新して小当たり遊技開始処理を終了する。
[特別電動役物大当たり制御処理]
次に、図51に基づいて、特別電動役物大当たり制御処理の一例について説明する。図51は、特別電動役物大当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。先ず、特別電動役物大当たり制御処理においては、大当たり遊技用開閉装置400が開放中であるか否かを判断する(ステップS2401)。大当たり遊技用開閉装置400が開放中であると判断すると(ステップS2401におけるYES)、次に、予め定められた大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過したか否かを判断する(ステップS2402)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間に達したか否かを判断する。大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2402におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置400を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2402において大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2402におけるNO)、予め定められた制限個数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置400に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2403)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数の遊技球が、開放動作が実行されている大当たり遊技用開閉装置400に受け入れられたか否かを判断する。開放動作が実行されている大当たり遊技用開閉装置400に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2403におけるYES)、当該大当たり遊技用開閉装置400を閉鎖して(ステップS2404)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。また、大当たり遊技用開閉装置400に制限個数の遊技球が受け入れられていないと判断すると(ステップS2403におけるNO)、そのまま、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2401において大当たり遊技用開閉装置400が開放中でないと判断すると(ステップS2401におけるNO)、予め定められたラウンド回数に達したか否かを判断する(ステップS2405)。具体的には、大当たり遊技開始処理においてセットされたラウンド回数に達したか否かを判断する。予め定められたラウンド回数に達していないと判断されると(ステップS2405におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置400を開放し(ステップS2406)、特別電動役物大当たり制御処理を終了する。
ステップS2405において予め定められたラウンド回数に達したと判断すると(ステップS2405におけるYES)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2407)、今回の大当たりが確率変動を伴うものであるか否かを判断する(ステップS2408)。具体的には、図柄乱数を用いて判定した結果が確率変動であると判定した場合には確率変動を伴うものであると判断する。確率変動を伴う大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるYES)確率変動機能を作動し(ステップS2409)、次に、長当たりであるか否かを判断する。具体的には、長当たりフラグがONであれば長当たりであると判断する。長当たりであると判断すると(ステップS2410におけるYES)、長当たりフラグをOFFにして(ステップS2411)、その後、時短機能を作動し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2401において長当たりでないと判断すると(ステップS2410におけるNO)、短当たりフラグをOFFして(ステップS2413)、その後、時短機能作動中の当選であるか否かを判断する(ステップS2414)。即ち、短当たりであるときには短当たりフラグをOFFにして、ステップS2414に進んで時短機能作動中であるか否かを判断する。時短機能作動中の当選であると判断すると(ステップS2414におけるYES)、時短機能の作動を開始し(ステップS2412)、ステップS2418に進む。
ステップS2408に戻って、確率変動を伴わない大当たりであると判断すると(ステップS2408におけるNO)、長当たりフラグをOFFにし(ステップS2415)、時短機能の作動を開始し(ステップS2416)、時短機能の作動規定回数(例えば100回)を設定して(ステップS2417)、ステップS2418に進む。
ステップS2418に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別図柄電動役物大当たり制御処理を終了する。なお、特別電動役物は、大当たり遊技用開閉装置400、大当たり遊技用開閉装置開閉ソレノイド642を含む概念である。
[特別電動役物小当たり制御処理]
次に、図52に基づいて、特別電動役物小当たり制御処理の一例について説明する。図52は、特別電動役物小当たり制御処理の一例を示すフローチャートである。この特別電動役物小当たり制御処理では、まず、予め定められた制限個数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置400に受け入れられたか否かを判断する(ステップS2501)。具体的には、小当たり遊技開始処理においてセットされた制限個数(例えば9個)の遊技球が大当たり遊技用開閉装置400に受け入れられたか否かを判断する。制限個数の遊技球が大当たり遊技用開閉装置400に受け入れられていないと判断すると(ステップS2501におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置400が開放中であるか否かを判断する(ステップS2502)。大当たり遊技用開閉装置400が開放中でないと判断すると(ステップS2502におけるNO)、大当たり遊技用開閉装置400を開放し(ステップS2503)、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2502において大当たり遊技用開閉装置400が開放中であると判断すると(ステップS2502におけるYES)、予め定められた大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過したか否か判断する(ステップS2504)。具体的には小当たり遊技開始処理においてセットされた開放時間(例えば0.3秒)が経過したか否かを判断する。予め定められた大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過していないと判断すると(ステップS2504におけるNO)、そのまま、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
ステップS2504において予め定められた大当たり遊技用開閉装置400の開放時間が経過したと判断すると(ステップS2504におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置400を閉鎖し(ステップS2505)、予め定めた開放回数に達したか否かを判断する(ステップS2506)。具体的には大当たり遊技用開閉装置400を開放した回数が小当たり遊技開始処置においてセットされた開放回数(例えば2回)に達したか否かを判断する。このとき、予め定められた開放回数に達していないと判断すると(ステップS2506におけるNO)、そのまま、電動役物小当たり制御処理を終了する。一方、大当たり遊技用開閉装置400を開放した回数が予め定めた開放回数に達したと判断すると(ステップS2506におけるYES)、ステップS2509に進む。
ステップS2501に戻って、大当たり遊技用開閉装置400に制限個数の遊技球が受け入れられたと判断すると(ステップS2501におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置400が開放中であるか否かを判断する(ステップS2507)。大当たり遊技用開閉装置400が開放中であると判断すると(ステップS2507におけるYES)、大当たり遊技用開閉装置400を閉鎖して(ステップS2508)、ステップS2509に進む。ステップS2507に戻って、大当たり遊技用開閉装置400が開放中でないと判断すると(ステップS2507におけるNO)、そのままステップS2509に進む。
ステップS2509に進むと処理フラグを「0」に更新して、特別電動役物小当たり制御処理を終了する。
なお、本実施例において大当たり遊技用開閉装置400の開放時間は例えば0.3秒が設定されている。ステップS2501において大当たり遊技用開閉装置400に最大入賞数(例えば9個)入賞したか否か判断し、最大入賞数入賞している場合には予め定められた開放回数(例えば2回)に達していなくても小当たり遊技を終了する。しかし、小当たり遊技における大当たり遊技用開閉装置400の開放時間は最大入賞数入賞することが極めて困難となるように設定されているので、ほとんどの場合には、最大入賞数入賞せずに予め定められた開放回数(例えば2回)大当たり遊技用開閉装置400が開放することとなる。
[変動時間について]
次に、図53に基づいて、時短機能未作動時の外れの変動パターンにかかる変動時間の一例について説明する。図53は、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間を示すタイミングチャートである。図53(A)は、第1特別図柄の保留数が0または1の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号1の通常変動の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は11800msである。図53(B)は、第1特別図柄の保留数が2の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号2の短縮変動1の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は6000msである。図53(C)は、第1特別図柄の保留数が3の場合における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号3の短縮変動2の場合の変動時間)を示している。この場合の変動時間は2900msである。以上より、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間は、第1特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。時短機能未作動時、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390に入賞することよりも第2始動口392または第3始動口394に入賞することの方が困難なので、第1特別図柄の保留数が0になると、第2特別図柄の保留数も0である可能性が高い。第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、時短機能未作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第1特別図柄の変動時間を、第1特別図柄の保留数が少ないほど長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。
図53(D)および(E)は、第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号73および変動番号74の場合の変動時間)を示している。時短機能未作動時であって且つ第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が外れの場合には、第2特別図柄の保留数に拘わらず、図53(D)および(E)のうちいずれかの変動時間となる。従って、第2特別図柄の保留数と第2特別図柄の変動時間との間に相関関係がなく、第2特別図柄の変動時間は、第2特別図柄の保留数に拘わらず決定される。また、第2特別図柄当否判定手段714による判定結果が外れ(長当たり、短当たりおよび小当たりのいずれでもない)の場合には、変動番号73または変動番号74が選択されるので、常にリーチ変動が実行される。また、時短機能未作動時には一対の可動片396が閉状態なので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が第3始動口394に入賞することはほぼ不可能である。また、第2始動口392に遊技球が入賞することは第1始動口390に遊技球が入賞することよりも困難なので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が第2始動口392に入賞したときに常にリーチ変動を行うことによって、第2始動口392への入賞にプレミア感を持たせることができ、興趣の低下を抑制できる。なお、図53(D)の場合の変動時間は9500msであり、図53(E)の場合の変動時間は11300msである。
次に、図54に基づいて、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間について説明する。図54は、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの変動パターンにかかる変動時間を示すタイミングチャートである。図54(A)は、確変機能作動時における第1特別図柄の変動時間(即ち、変動番号5の時短短縮変動1)を示している。この場合の変動時間は2200msである。図54(B)は、確変機能未作動時における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号7の時短短縮変動2)を示している。この場合の変動時間は2300msである。従って、第1特別図柄の変動時間は、確変機能が未作動であるか作動しているかによって異なるものの、第1特別図柄の保留数と第1特別図柄の変動時間との間には相関関係がなく、第1特別図柄の保留数に拘わらず決定される。
図54(C)は、確変機能作動時であって且つ第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号4の時短通常変動1)を示している。この場合の変動時間は4800msである。図54(D)は、確変機能作動時であって且つ第2特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号5の時短短縮変動1)を示している。この場合の変動時間は2200msである。図54(E)は、確変機能が未作動であって且つ第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号6の時短通常変動2)を示している。この場合の変動時間は5200msである。図54(F)は、確変機能が未作動であって且つ第2特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間(即ち、変動番号7の時短短縮変動2)を示している。この場合の変動時間は2300msである。以上より、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第2特別図柄の変動時間は、第2特別図柄の保留数が少ないほど長くなる。より具体的には、第2特別図柄の保留数が0のときは、第2特別図柄の保留数が1以上の場合よりも長くなる。時短機能作動時、一対の可動片396の開閉動作が実行されるので、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球は、第1始動口390に入賞することよりも極めて容易に第3始動口394に入賞可能となる。従って、第2特別図柄の保留数が0になると、第2特別図柄の保留数も0である可能性が高い。第1特別図柄の保留および第2特別図柄の保留のいずれも0になってしまうと、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動も行われなくなってしまい、興趣が低下する。従って、時短機能作動時のリーチ演出を伴わない外れの場合、第2特別図柄の保留数が0の場合における第2特別図柄の変動時間を、第2の特別図柄の保留数が1以上の場合における第2特別図柄の変動時間よりも長くすることによって、興趣の低下を抑制できる。
[演出表示装置に表示される装飾図柄の変動態様について]
次に、図24を参照しつつ、演出表示装置115に表示される装飾図柄1153の変動態様について説明する。
図24に示すように、演出表示装置115(共通図柄表示領域115c)に表示される装飾図柄1153は複数の図柄列で構成されており、本実施形態では、遊技者から見て左側に表示される左図柄列1153a、遊技者から見て真ん中に表示される中図柄列1153b、および、遊技者から見て右側に表示される右図柄列1153cの3列の図柄列で構成されている。そして、装飾図柄1153の変動は、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
まず、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を演出表示装置115に導出する場合における、装飾図柄1153の変動態様を説明する。この場合、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cの各停止図柄が全く関連性のない異なる図柄で停止する変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴わない外れ変動」である。一方、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが同じとなった場合はリーチが導出され、さらに中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」である。また、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止する場合における装飾図柄1153の変動が、本実施形態における「大当たり変動」である。
なお、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、時短機能が作動しているか否かに拘わらず、縦方向にスクロールするスクロール変動である。
次に、時短機能未作動時に第2特別図柄抽選手段による抽選結果を演出表示装置115に導出する場合における、装飾図柄1153の変動態様を説明する。この場合、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが、変動開始前の停止位置とほぼ同じ位置にとどまりつつ表裏面を交互に表示するように回転表示すると共に、中図柄列1153bが縦方向にスクロールするスクロール変動する。そして、左図柄列1153aと右図柄列1153cとがほぼ同時に回転停止し、その後、中図柄列1153bが停止する。
そして、左図柄列1153aの停止図柄と右図柄列1153cの停止図柄とが常に同じ図柄となってリーチが導出され、さらに中図柄列1153bのみがスクロール変動する。その結果、中図柄列1153bの停止図柄のみが異なる場合は、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「リーチ演出を伴う外れ変動」である。なお、このスクロール変動によって、左図柄列1153a、右図柄列1153cおよび中図柄列1153bの全てが同じ図柄で停止すれば、当該装飾図柄1153の変動は本実施形態における「大当たり変動」である。
ここで、時短機能作動時に第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とほぼ同様である。即ち、装飾図柄1153の変動が、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動である。そして、左図柄列1153a、右図柄列1153c、中図柄列1153bの順で停止する。
このように、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが異なる。一方、時短機能が作動していれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合における装飾図柄1153の変動態様とが、ほぼ同じ態様となる。
以上より、時短機能が未作動であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合とで、装飾図柄1153の変動態様が異なる。一方、時短機能作動時であれば、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合と、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が演出表示装置115に導出される場合とで、装飾図柄1153の変動態様は、ほぼ同じ態様となる。
なお、各特別図柄抽選手段による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合は、当該抽選が第1特別図柄抽選手段700によるものであっても第2特別図柄抽選手段710によるものであっても両者は同じテーブル13を選択するので、同様の変動態様を行う。ただし、短当たりまたは小当たりの場合は、以下のような特別な変動態様が行なわれる。
まず、先述と同様に、左図柄列1153a、中図柄列1153bおよび右図柄列1153cのいずれも縦方向(より詳しくは、遊技者から見て上から下に向かう方向)にスクロールするスクロール変動が行なわれる。そして、左図柄列1153aおよび右図柄列1153cが中図柄列1153bの表示よりも大きく表示されたのち、左図柄列1153aに所定の図柄(例えば、「1」図柄)が停止し、その後、右図柄列1153cに所定の図柄(例えば、「2」図柄)が停止する。左図柄列1153aに「1」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「2」図柄が停止表示し、中図柄列1153bのみが縦方向にスクロールする態様は、短当たりまたは小当たりに当選している可能性があるリーチ変動である。そして、中図柄列1153bに所定の図柄(例えば、「3」図柄)が停止すると、短当たり遊技状態または小当たり遊技状態の発生が確定する。
次に、図55および図56に基づいて、装飾図柄1153の変動態様について説明する。図55は、主制御基板の機能的な構成のうち、とくに表示態様決定に係る機能を主体として示す機能ブロック図である。図56は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示態様について時系列で表したタイムチャートである。
図55に示すように、遊技球が第1始動口390に入賞し第1始動口センサ644に検出されると、上述のとおり第1特別図柄抽選手段700による抽選が行われる。具体的には、遊技球が第1始動口390に入賞すると第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702によって当否判定用乱数を取得し、当該取得した乱数値と当否判定用テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)とに基づいて、第1特別図柄当否決定手段704によって第1特別図柄の当否判定が行われる。
また、主制御基板131は、第1表示態様決定手段810および第2表示態様決定手段820を有している。第1表示態様決定手段810は、第1特別図柄画像表示制御手段851(図25参照)によって演出表示装置115に導出する表示態様を、表示態様記憶手段830に記憶される複数種類(2種以上)の表示態様のなかから選択決定する。第2表示態様決定手段820は、第2特別図柄画像表示制御手段852(図25参照)によって演出表示装置115に導出する表示態様を、表示態様記憶手段830に記憶される複数種類(2種以上)の表示態様のなかから選択決定する。
そして、第1特別図柄当否決定手段704または第2特別図柄当否決定手段714による当否判定結果に基づいて、表示態様記憶手段830に記憶された複数の表示態様のうち、いずれか一つの表示態様に選択決定し、コマンド送信手段749によって周辺制御基板662にコマンド送信する。かかるコマンドを受信した周辺制御基板662は、演出画像表示制御手段800によって選択決定された表示態様を演出表示装置115に表示制御する。
具体的には、第1表示態様決定手段810が、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が当たりであるか否かを判断する。一方、第2表示態様決定手段820が、第2特別図柄抽選手段710による抽選が当たりであるか否かを判断する。
第1表示態様決定手段810は、第1表示態様決定選択手段811、リーチ外れ表示態様選択決定手段812、当たり表示態様選択決定手段813、外れ表示態様決定手段814および有利遊技状態外れ表示態様決定手段815を有している。
外れ表示態様決定手段814は、通常遊技状態において、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が0または1のときは、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れの場合にのみ外れ表示態様に決定し、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が2のときは短縮変動1に決定し、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数が最大の3であるときは短縮変動2に決定する。
有利遊技状態外れ表示態様決定手段815は、時短遊技状態において、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数に拘わらず、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れの場合にのみ、時短短縮変動1(確変機能作動時)または時短短縮変動2(確変機能未作動時)に決定する。
第1表示態様決定選択手段811は、共通図柄表示領域115cに導出する表示態様を、外れ表示態様決定手段814および有利遊技状態外れ表示態様決定手段815のうちいずれによって決定するかを選択する。この第1表示態様決定選択手段811は、有利遊技状態である場合には有利遊技状態外れ表示態様決定手段815を選択すると共に、有利遊技状態から通常遊技状態への移行に伴って、有利遊技状態外れ表示態様決定手段815に代えて外れ表示態様決定手段814を選択する。
リーチ外れ表示態様選択決定手段812は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れであって、且つ第1特別図柄抽選手段700による抽選とは異なる抽選においてリーチ外れ表示態様による表示を行うことを選択決定した場合にのみ、2種以上のリーチ外れ表示態様のなかからさらにいずれか一つのリーチ外れ表示態様を選択決定する。また、当たり表示態様選択決定手段813は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が当たりである場合に、2種以上の長当たり表示態様のなかからいずれか一つの長当たり表示態様を選択決定する。
第2表示態様決定手段820は、第2表示態様決定選択手段821、リーチ外れ特別表示態様選択決定手段822、当たり特別表示態様選択決定手段823、外れ特別表示態様決定手段824および有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段825を有している。
リーチ外れ特別表示態様選択決定手段822は、第2特別図柄抽選手段710による抽選が外れであるときに、2種以上のリーチ外れ特別態様のなかからいずれか一つのリーチ外れ特別表示態様を選択決定する。
当たり特別表示態様選択決定手段823は、第2特別図柄抽選手段710による抽選が当たりである場合に、2種以上の当たり特別表示態様のなかからいずれか一つの当たり特別表示態様を選択決定する。
外れ特別表示態様決定手段824は、通常遊技状態において、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数に拘わらず、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れの場合にのみ、短リーチ外れ特別表示態様または長リーチ外れ特別表示態様に決定する。
有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段825は、時短遊技状態において、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が0のときは、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れの場合にのみ、時短通常変動1(確率変動作動時)または時短通常変動2(確率変動未作動時)に決定すると共に、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が1〜3のいずれかのときは、時短短縮変動1(確率変動作動時)または時短短縮変動2(確率変動未作動時)に決定する。
第2表示態様決定選択手段821は、共通図柄表示領域115cに導出する表示態様を、外れ特別表示態様決定手段824および有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段825のうちいずれによって決定するかを選択する。この第2表示態様決定選択手段821は、有利遊技状態である場合には有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段825を選択すると共に、有利遊技状態から通常遊技状態への移行に伴って、有利遊技状態短縮外れ表示態様決定手段825に代えて外れ特別表示態様決定手段824を選択する。
一方、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞すると、上述のとおり第2特別図柄抽選手段710による抽選が行われる。具体的には、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞すると第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712によって当否判定用乱数を取得し、当該取得した乱数値と当否判定用テーブル(特別図柄通常時当たり判定用テーブル706または特別図柄確変時当たり判定用テーブル708)とに基づいて、第2特別図柄当否決定手段714によって第2特別図柄の当否判定が行われる。そして、第2特別図柄当否決定手段714による当否判定結果に基づいて、表示態様記憶手段830に記憶された複数の表示態様のうち、いずれか一つの表示態様に選択決定し、コマンド送信手段749によって周辺制御基板662にコマンド送信する。かかるコマンドを受信した周辺制御基板662は、演出画像表示制御手段800によって選択決定された表示態様を演出表示装置115に表示制御する。
第1特別図柄抽選手段700による抽選結果は、第1特別図柄画像表示制御手段851によって共通図柄表示領域115c(図24参照)に導出される。また、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果は、第2特別図柄画像表示制御手段852によって共通図柄表示領域115cに導出される。なお、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果は、いずれも、共通図柄表示領域115cにおいて、表示態様記憶手段830に記憶されたテーブル1〜33のうちいずれかのテーブルに基づいて装飾図柄1153を変動表示させたのちに導出される。
第1特別図柄による抽選結果を導出するための装飾図柄1153の変動(以下、「第1特別図柄の変動」と称する)の表示態様には、2種以上の長当たり表示態様、長リーチ外れ表示態様、短リーチ外れ表示態様、短当たり表示態様、小当たり表示態様、および、外れ表示態様がある。なお、これらの各表示態様には、それぞれ、複数のパターンがあり、いずれも、表示態様記憶手段830のテーブル1〜33のいずれかに記憶されている。
長当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が大当たりであって、当該大当たりが長当たりのときにのみ選択決定される表示態様であり、テーブル1〜6(図35参照)に示すように、6パターン(6種類)の表示態様が記憶されている。また、図56に示すように、長当たり表示態様は、図柄変動期間と、長リーチ変動期間とからなっている。
第1特別図柄の変動では、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順で停止表示する。図柄変動期間は、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始してから右図柄が停止するまで(即ち、最終停止図柄となる中図柄のみの変動となるまで)の期間を意味する。長リーチ変動期間は、図柄変動期間の終了後にリーチとなった場合に、いかにも長当たりに当選したかのような期待を遊技者に与える変動時間が長い長リーチ(一般的にはスーパーリーチと称される)が行われる期間であって、最終停止図柄となる中図柄が停止表示するまでの時間を意味する。
なお、装飾図柄1153の図柄数は3個に限られない。例えば装飾図柄1153の数が複数であれば、この複数の装飾図柄1153のうちN個(Nは2以上)の図柄の変動表示を開始する。そして、N個の図柄のうち(N−1)個の図柄を停止表示するまでが図柄変動期間となる。
また、図56において、「左」は左図柄の停止表示を意味し、「右」は右図柄の停止表示を意味し、「中」は中図柄の停止表示を意味する。
長リーチ外れ表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル19〜21(図43参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段830に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、長当たり表示態様における表示パターンと対応している。例えば、長当たり表示態様が選択決定されるテーブル1(図35参照)では、変動番号19の「惑星リーチC(惑星リーチA経由)長当たり」が記憶されており、長リーチ外れ表示態様が選択決定されるテーブル19(図43参照)では、変動番号19に対応する変動番号18の「惑星リーチC(惑星リーチA経由)外れ」が記憶されている。なお、複数の図柄(本実施形態では3つの図柄)が停止するときは、これら複数の図柄が全て一致する態様で停止表示される。これにより、遊技者は、長当たりに当選したことを把握できる。
また、長リーチ外れ表示態様は、対応する長当たり表示態様と経時的に通じて極似する表示態様となっている。具体的には、長当たり表示態様とほぼ同じ図柄変動期間と、長当たり表示態様とほぼ同じ長リーチ変動期間とを有している。これにより、長リーチ外れ表示態様は、長当たり表示態様と経時的に通じて極似している。このように、長リーチ外れ表示態様を、長当たり表示態様と経時的に極似する表示態様とすることによって、中図柄が停止表示されるまで、遊技者に第1特別図柄抽選手段700による抽選に当選したのではないかといった期待感を抱かせることができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、「経時的に通じて極似している」とは、演出表示装置115に表示される変動態様のみならず、時間的な表示態様も極めて似ていることを意味する。即ち、x秒経過後における表示態様がほぼ同じであることを意味する。また、「極似」とは、遊技者から見て違いを認識できない程度に似ていることを意味し、「同一」も含む概念である。
短リーチ外れ表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、長リーチ外れ表示態様のうち経時的な一部と極似する表示態様を有している。具体的には、短リーチ外れ表示態様は、長当たり表示態様および長リーチ表示態様の一部である図柄変動期間とほぼ同じ図柄変動期間と、長リーチ表示態様の一部である長リーチ変動期間と経時的に極似する長リーチ変動期間とを有している。なお、複数の図柄のうち他の図柄と異なるタイミングで最後に停止表示する最終停止図柄(中図柄)のみが他の図柄(左図柄、右図柄)と異なるリーチ態様で停止表示される。
外れ表示態様は、短リーチ外れ表示態様のうちの一部である図柄変動期間と経時的に極似する表示態様である。なお、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。
短当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに当選し、当該当選した大当たりが短当たりのときに選択決定される表示態様であって、長当たり表示態様の一部である図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動期間を変動態様の一部に含んでいる。具体的には、短当たり表示態様は、長当たり表示態様の図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動短期間と短当たりリーチ変動期間とを有している。短当たりリーチ変動期間は、長リーチ変動期間よりも変動時間が短いので、短当たり変動態様全体の変動時間は、長当たり表示態様全体の変動時間よりも短い時間となっている。なお、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。これにより、遊技者に付与される遊技価値が長当たりに当選した場合よりも小さい短当たりに当選した場合であっても、遊技者に不必要な期待感を与えることがなく、興趣の低下を抑制できる。
小当たり表示態様は、第1特別図柄抽選手段700による抽選において大当たりに落選し、且つ小当たりに当選したときに選択決定される表示態様であって、短当たり表示態様に経時的に通じて極似している。具体的には、小当たり表示態様は、長当たり表示態様の図柄変動期間と経時的に極似する図柄変動短期間と小当たりリーチ変動期間とを有している。小当たりリーチ変動期間は、短当たりリーチ変動期間と経時的に通じて極似している。これにより、小当たり表示態様全体が短当たり表示態様全体と経時的に極似することとなる。また、小当たりリーチ変動期間は短当たりリーチ変動期間とほぼ同じ変動時間なので、長リーチ変動期間よりも変動時間が短くなる。これにより、小当たり変動態様全体の変動時間は、長当たり表示態様全体の変動時間よりも短い時間となっている。なお、短当たり表示態様と同様に、複数の図柄のうち少なくとも一つの図柄(本実施形態では右図柄または左図柄)が他の図柄と異なると共に、リーチ態様とは異なる態様で停止表示される。これにより、遊技者に付与される遊技価値が長当たりに当選した場合よりも小さい小当たりに当選した場合であっても、遊技者に不必要な期待感を与えることがなく、興趣の低下を抑制できる。
また、第2特別図柄による抽選結果を導出するための装飾図柄1153の変動(以下、「第2特別図柄の変動」と称する)の表示態様には、長当たり特別表示態様、長リーチ外れ特別表示態様、短リーチ外れ特別表示態様、短当たり表示態様、および、小当たり表示態様がある。なお、これらの各表示態様には、それぞれ、複数のパターンがあり、いずれも、表示態様記憶手段830のテーブル1〜33のいずれかに記憶されている。
ここで、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、いずれも、第1特別図柄の変動における表示態様と第2特別図柄の変動における表示態様とが同じ表示態様である。なお、短当たり表示態様および小当たり表示態様は、必ずしも同じ表示態様であることに限られず、両態様が互いに近似する態様であっても良い。
長当たり特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が当たりのときにのみ選択決定される表示態様であって、テーブル7〜12(図37参照)に示すように、6パターンの表示態様が記憶されている。また、長当たり特別表示態様は、図柄変動短期間と、長リーチ変動期間とからなっている。なお、複数の図柄(本実施形態では3つの図柄)が停止するときは、これら複数の図柄が全て一致する態様で停止表示される。これにより、遊技者は、長当たりに当選したことを把握できる。
第2特別図柄の変動では、3個の装飾図柄1153のうち左図柄および右図柄が、第1特別図柄におけるスクロール変動とは異なる回転変動を行うと共に、中図柄がスクロール変動を行う。そして、左図柄と右図柄とがほぼ同時に停止表示し、その後、中図柄が停止表示する。
図柄変動短期間は、3個の装飾図柄1153の全てについて変動を開始してから左図柄および右図柄が停止するまで(即ち、最終停止図柄となる中図柄のみの変動となるまで)の期間を意味する。この図柄変動短期間は、第1特別図柄の変動における図柄変動期間よりも変動時間が短い変動となっている。長リーチ変動期間は、第1特別図柄の変動における長リーチ変動期間と極似する変動期間である。この長リーチ変動期間における演出は、大当たり遊技が発生するかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせるため、遊技者にとって印象深く記憶される。これにより、長当たり特別表示態様は、遊技者にとって第1特別図柄の長当たり表示態様と極似する表示態様となる。なお、長当たり特別表示態様の変動時間は、長当たり特別表示態様の変動期間における長リーチ変動期間と長当たり表示態様における長リーチ変動期間とがほぼ同じ時間である一方、図柄変動短期間における時間が図柄変動期間における時間よりも短いため、長当たり表示態様の変動時間よりも短くなる。
長リーチ外れ特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル22〜24(図46参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段830に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、長当たり特別表示態様における表示パターンと対応している。例えば、長当たり特別表示態様が選択決定されるテーブル7(図37参照)では、変動番号82の「惑星リーチB(惑星リーチA経由)長当たり」が記憶されており、長リーチ外れ特別表示態様が選択決定されるテーブル22では、変動番号82に対応する変動番号81の「惑星リーチB(惑星リーチA経由)外れ」が記憶されている。なお、複数の図柄のうち他の図柄と異なるタイミングで最後に停止表示する最終停止図柄(中図柄)のみが他の図柄(左図柄、右図柄)と異なるリーチ態様で停止表示される。
また、長リーチ外れ特別表示態様は、対応する長当たり特別表示態様と経時的に極似する表示態様からなっている。具体的には、長リーチ外れ特別表示態様は、長当たり特別表示態様とほぼ同じ図柄変動短期間と、長当たり特別表示態様とほぼ同じ長リーチ変動期間とを有している。これにより、長リーチ外れ特別表示態様は、長当たり特別表示態様と経時的に極似している。このように、長リーチ外れ特別表示態様を、長当たり特別表示態様と経時的に極似する表示態様とすることによって、中図柄が停止表示されるまで、遊技者に第1特別図柄抽選手段700による抽選に当選したのではないかといった期待感を抱かせることができ、興趣の低下を抑制できる。
なお、「経時的に極似している」とは、演出表示装置115に表示される変動態様のみならず、時間的な表示態様も極めて似ていることを意味する。即ち、x秒経過後における表示態様がほぼ同じであることを意味する。また、「極似」とは、遊技者から見て違いを認識できない程度に似ていることを意味し、「同一」も含む概念である。
短リーチ外れ特別表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が外れのときに選択決定される態様であって、テーブル22〜24(図46参照)に示すように複数の表示パターンが表示態様記憶手段830に記憶されている。そして、これらの各表示パターンは、長当たり特別表示態様と対応している。例えば、長当たり特別表示態様が選択決定されるテーブル7(図37参照)では、変動番号75の「ノーマル長当たり」が記憶されており、短リーチ外れ特別表示態様が選択決定されるテーブル22(図46参照)では、変動番号75に対応する変動番号73の「ノーマル外れ(1図柄前)」と変動番号74の「ノーマル外れ(1図柄後)」とが記憶されている。
また、短リーチ外れ特別表示態様は、対応する長当たり特別表示態様のうち経時的な一部と極似する表示態様を有している。具体的には、長当たり特別表示態様の図柄変動短期間、および、第1特別図柄の短リーチ外れ変動期間の短リーチ変動期間を有している。また、短リーチ外れ特別表示態様の変動時間は、第1特別図柄の外れ表示態様の変動時間とほぼ同じ時間である。これにより、変動時間を長くすることなくリーチを発生させることができる。即ち、本実施形態では、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞したとき、時短機能未作動であれば常にリーチが発生する。通常、リーチが発生すると、リーチが発生しない外れ時における変動時間よりも長くなってしまう。従って、時短未作動時に、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞する度にリーチが発生すると変動時間が長くなり、遊技の進行が遅くなり、興趣が低下する。そこで、時短未作動時に、第2特別図柄の表示態様として短リーチ外れ特別表示態様を表示するときは、第1特別図柄の表示態様として外れ表示態様の変動時間とほぼ同じ変動時間とすることによって、遊技の進行が遅くなることに起因する興趣の低下を抑制できる。
また、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の短リーチ変動期間と短リーチ外れ特別表示態様の短リーチ変動期間とは経時的にほぼ同じ時間である。また、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の変動時間は、第1特別図柄の外れ変動表示態様の変動時間よりも、ほぼ短リーチ変動期間に要する時間分だけ長い。従って、短リーチ外れ特別表示態様全体の変動時間は、第1特別図柄の短リーチ外れ表示態様の変動時間よりも、短リーチ変動期間に要する時間分だけ短い時間となる。
また、本実施形態では、第2特別図柄の短リーチ特別表示態様の図柄変動短時間における装飾図柄1153の変動態様は、左図柄および右図柄が回転変動する点において、第1特別図柄の外れ変動表示における装飾図柄1153の変動態様と明確に異なる。従って、短リーチ外れ特別表示態様の場合、装飾図柄1153の変動表示が開始すると同時に第2特別図柄の変動であることを遊技者は把握できる。これにより、外れ表示態様、短リーチ外れ表示態様、および、長リーチ外れ表示態様の場合に、変動中に外れであることを把握できないので、興趣の低下を抑制できる。
即ち、リーチが発生する表示態様(例えば短リーチ外れ表示態様)における変動時間と、リーチが発生しない表示態様(例えば外れ表示態様)における変動時間とをほぼ同じ時間にすることによっても、リーチの発生による遊技の進行が遅くなることを抑制できる。しかし、かかる場合には、リーチが発生する表示態様であればリーチが発生すべき時間が経過してもなおリーチが発生しない場合には、もはやリーチが発生することがない(即ち、大当たりとなることもない)ことを変動中に分かってしまうため、興趣が低下する。そこで、従来からある第1始動口390に入賞することによって行われる第1特別図柄抽選手段700による抽選とは別に、所定時に常にリーチが発生する第2特別図柄抽選手段710による抽選を設けることによって、リーチが発生することがないことを変動中に分かってしまうことに起因する興趣の低下を抑制できる。とくに本実施形態の場合、第1特別図柄の図柄変動期間における変動の態様と、第2特別図柄の図柄変動短期間における変動の態様とが明確に異なるので、リーチが発生することがないことを変動中に分かってしまうことをより顕著に抑制できる。
なお、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合における変動にかかる表示態様は、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりまたは小当たりの場合における変動にかかる表示態様と同じ変動態様となる。
[サブメイン処理について]
次に、周辺制御基板662に搭載されるCPU664によって実行される処理について説明する。図57は、サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。
図57に示すように、サブメイン処理では、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御基板662は、初期設定処理を行う(ステップS310)。この初期設定処理では、周辺制御基板662に搭載されるRAM668をクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS310)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS312)。
この実施形態では、CPU664は、2ms毎に割込を発生させ、2ms定常処置を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、即ち、16msを経過したときに16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS312で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS314)、16ms定常処理を行う(ステップS316)。
この16ms定常処理では、主制御基板131から受信したコマンドに基いて、演出表示装置115およびパネル装飾ランプ690等を、それぞれ、表示装置制御基板116およびランプ駆動基板688を介して制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS312に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に(即ち16ms毎に)、上述したステップS314およびステップS316を繰り返し行う。一方、ステップS312で16ms経過フラグTがセットされていないとき(16ms経過フラグTが「0」のとき)には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図58は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、CPU664は、ステップS320〜ステップS420の処理を実行する。ステップS320のコマンド解析処理では、主制御基板131から受信したコマンドを解析する。ステップS340の演出制御処理では、コマンド受信手段750により受信した変動パターンにかかる演出コマンドに基いて演出表示装置115に関わる制御処理を実行する。
また、ステップ360の音制御処理では、効果音(例えばBGMや音声)を発生させるための、スピーカー18,57に関わる制御処理を実行する。なお、この音制御処理では、遊技状態または演出表示装置115に表示される演出の態様に応じてBGMを変更する処理が行われる。
ステップS380のランプ制御処理では、パネル装飾ランプ690、センター装飾ランプ304に関わる制御処理が行われる。ステップS400の情報出力処理では、変動パターンにかかるコマンド、各始動口390,392,394への始動入賞にかかるコマンド
その他の表示コマンドを、表示装置制御基板116に送信すると共に、各ランプの点灯・消灯コマンドをランプ駆動基板688に送信する。ステップS420の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS340)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS320〜ステップS420の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上要したとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときにすぐに16ms定常処理を最初(ステップS320のコマンド解析処理)から実行しない。即ち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS312で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS330)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図59は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、CPU664は、先ず、主制御基板131からコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS321)。この実施形態では、主制御基板131からコマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御基板662に搭載されるRAM668における受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。そして、受信コマンド格納領域の内容を確認し、受信コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の受信コマンドを読み出す(ステップS322)。
読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであるか判別し(ステップS323)、読み出した受信コマンドが始動口入賞コマンドであれば(ステップS323におけるYES)、第1始動口有効入賞か否か判別される(ステップS324)。第1始動口有効入賞であれば(ステップS324におけるYES)、第1始動口有効入賞フラグをONする(ステップS325)。そして、コマンド解析処理を終了する。
ステップS324において、第1始動口有効入賞でなければ(ステップS324におけるNO)、第2・第3始動口有効入賞か否かを判別し(ステップS326)、第2・第3始動口有効入賞であれば(ステップS326におけるYES)、第2・第3始動口有効入賞フラグをONする(ステップS327)。そして、コマンド解析処理を終了する。
なお、第1始動口有効入賞と判断されるのは、主制御基板131から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第1始動口390に入賞したことを示すコマンドであるか否かを判断し、当該主制御基板131から受信した始動口入賞コマンドが第1始動口390に入賞したことを示すコマンドであるときに、第1特別図柄保留数記憶手段872(図57参照)によって記憶されている第1特別図柄の保留数が上限の第1所定数(本実施形態では4)未満であると判断されたときである。即ち、第1始動口390に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第1特別図柄保留カウンタ703によってカウントされたか否か(即ち、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウント数が第1所定数に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板131(コマンド送信手段749)から送信された第1始動口390に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第1特別図柄保留数記憶手段872に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であれば、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数に1加算され、第1始動口有効入賞となる。一方、第1特別図柄保留数記憶手段872に記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していれば、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第1始動口390に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第1始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板662(コマンド受信手段750)は、第1始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第1始動口390に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数未満であると(即ち1加算されると)第1始動口有効入賞となり、第1特別図柄保留数記憶手段872によって記憶されている第1特別図柄の保留数が第1所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第1特別図柄保留カウンタ703によるカウンタ値と第1特別図柄保留数記憶手段872による保留数とは同じ値である。
同様に、第2・第3始動口有効入賞とは、第1始動口有効入賞と同様に、主制御基板131から受信した始動口入賞コマンド(ステップS323参照)が第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを示すコマンドであって、且つ第2特別図柄保留数記憶手段874(図57参照)によって記憶される第2特別図柄の保留数が加算されることを意味する。即ち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられると、コマンド受信手段750は、第2特別図柄保留カウンタ713によってカウントされたか否か(即ち、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント数が第2所定数(本実施形態では4)に達しているか否か)に拘わらず、主制御基板131(コマンド送信手段749)から送信された第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたこと(入賞したこと)を示すコマンドを受信する。このとき、第2特別図柄保留数記憶手段874に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であれば、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数に1加算され、第2始動口有効入賞となる。一方、第2特別図柄保留数記憶手段874に記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していれば、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数をそのまま維持する(即ち加算しない)。このとき、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が受け入れられたことを示すコマンドを受信したとしても、第2始動口有効入賞とはならない。このように、周辺制御基板662(コマンド受信手段750)は、第2始動口有効入賞であるか否かに拘わらず、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞したことを示すコマンドを受信する。そして、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数未満であると(即ち1加算されると)第2始動口有効入賞となり、第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が第2所定数に達していると(即ち加算されなければ)有効入賞とならない。また、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値と第2特別図柄保留数記憶手段874による保留数とは同じ値である。
ステップS323において、受信したコマンドが始動口入賞コマンドでなければ(ステップS323におけるNO)、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであるか否かが判別される(ステップS328)。ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドであれば(ステップS328におけるYES)、変動パターン受信フラグをONし(ステップS329)、コマンド解析処理を終了する。一方、ステップS321において受信したコマンドが演出コマンドでなければ(ステップS328におけるNO)、受信したコマンドに対応するフラグをONし(ステップS330)、コマンド解析処理を終了する。
図60は、演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理において、CPU664は、ステップS342〜ステップS348の処理を実行する。
ステップS342の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理では、第1始動口390への有効入賞の有無に基いて第1特別図柄保留数を記憶し、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の有無に基づいて第2特別図柄保留数を記憶すると共に第2、第3始動口有効入賞に関わる演出処理を実行する。なお、詳細は後述する。
ステップS344の装飾図柄変動開始処理では、演出コマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、演出コマンドに応じて装飾図柄の変動パターンおよび停止図柄を決定する。なお、詳細は後述する。
ステップS346の装飾図柄変動停止処理では、主制御基板131から変動確定コマンドを受信したときに、表示装置制御基板116に表示コマンドを送信して演出表示装置115における装飾図柄の変動表示を確定させる制御を行う。
ステップS348の大当たり表示処理では、主制御基板131から送信される大当たり開始コマンドに応じて、演出表示装置115に大当たり遊技状態の開始を示す表示や大当たり遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
図61は、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理の一例を示すフローチャートである。図61の第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理において、CPU664は、先ず、第1始動口有効入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3421)。即ち、ステップS325において、第1始動口有効入賞フラグがONされていれば第1始動口有効入賞フラグがONと判別される。第1始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3421におけるYES)、第1特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3422)、第1特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第1特別図柄保留数記憶手段872(図29参照)に記憶される第1特別図柄の保留数をセットする(ステップS3423)。そして、第1始動口有効入賞フラグをOFFにする(ステップS3424)。
ステップS3424において第1始動口有効入賞フラグをOFFにしたのち、または、ステップS3421において第1始動口有効入賞フラグがOFFであれば(ステップS3421におけるOFF)、次に、第2・第3始動口入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3425)。即ち、ステップS327において、第2・第3始動口有効入賞フラグがONされていれば第2・第3始動口有効入賞フラグがONと判別される。第2・第3始動口有効入賞フラグがONであれば(ステップS3425におけるYES)、第2特別図柄保留数を1つ加算し(ステップS3426)、第2特別図柄保留数表示コマンド、即ち、第2特別図柄保留数記憶手段874(図25参照)に記憶される第2特別図柄の保留数をセットする(ステップS3427)。そして、第2・第3始動口有効入賞演出処理(ステップS3428)を行ったのち、第2・第3始動口有効入賞フラグをOFFにして(ステップS3429)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。なお、ステップS3425において、第2・第3始動口有効入賞フラグがOFFであるときも(ステップS3425におけるNO)、第1・第2・第3始動口有効入賞記憶処理を終了する。
ここで、ステップS3428の第2・第3始動口有効入賞演出処理について、図62を参照しつつ説明する。図62は、第2・第3始動口有効入賞演出処理の一例を示すフローチャートである。
第2・第3始動口有効入賞演出処理では、先ず、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判別する(ステップS34281)。現在の遊技状態が時短遊技状態でなければ(ステップS34281におけるYES)、演出ポイントPが上限の10ポイント未満であるか否かを判別する(ステップS34282)。このとき、演出ポイントPが10ポイント未満であれば(ステップS34282におけるYES)、現在の演出ポイントPに1ポイントをさらに貯留(即ち演出ポイントPを1ポイント加算または蓄積)する(ステップS34283)と共に、演出ポイントPの表示をセットする(ステップS34284)。なお、時短遊技状態でない遊技状態とは、本実施形態では、通常遊技状態および確変機能のみが作動し時短機能が作動していない遊技状態(例えば短当たり遊技終了後の遊技状態)が相当する。
ところで、先述のように、時短遊技状態でない遊技状態では、第2始動口392および第3始動口394よりも第1始動口390の方に遊技球が入賞しやすい一方、時短遊技状態中は第1始動口390よりも第3始動口394に遊技球が入賞しやすくなる。そして、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合は、第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないようにしている(ステップS34281におけるNO)。これは、かかる時短遊技状態中における第2始動口392および第3始動口394への入賞まで演出ポイントPの付与対象とすると、後述するように遊技球が入賞しにくい始動口への入賞に対する特典としての演出ポイントPの意味が没却するためである。
なお、演出ポイントPとは、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞することに応じて貯留されるポイントである。本実施形態では、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が1球入賞する毎に1ポイント貯留される。即ち、演出ポイントPは、特殊演出が表示されるための期待値を定量的に表したものである。言い換えれば、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞するごとに演出ポイントPが1ずつ加算されて増加していき、貯留後の演出ポイントPは所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)まで貯留可能である。
ここで、特殊演出は、特殊第1演出と特殊第2演出とから構成されており、本発明における特別演出遊技態様に相当する。特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときに演出表示装置115に表示される演出であり、特殊第2演出は、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった(言い換えれば、貯留後の演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった)第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで表示される演出である。即ち、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントになったとき、当該第2・第3始動口有効入賞に基づく変動パターンが表示されるタイミングで特殊演出を行うためである。従って、第2・第3始動口有効入賞したときに、第1特別図柄保留数記憶手段872または第2特別図柄保留数記憶手段874による保留数が1以上であって且つ演出ポイントPが10ポイントになった場合には、特殊第1演出は、演出ポイントPが10ポイントになったときにすぐに表示される一方、特殊第2演出は、第2・第3始動口有効入賞したときに保留されていた変動表示が終了したのちに表示される。これにより、演出ポイントPが10ポイント貯留された時点で、ステップS3201において受信した当該演出コマンドよりも先に受信した演出コマンドが受信コマンド格納領域に保存されている場合には、当該先に受信した演出コマンドにかかる変動表示が行われている間、特殊第1演出が継続して行われることとなる。
ステップS34284において演出ポイントPの表示をセットしたのち、演出ポイントPが10ポイント貯留されたか否かを判別する(ステップS34285)。ここで、演出ポイントPが10ポイント貯留されていれば(ステップS34285におけるYES)、演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットする(ステップS34286)と共に、特殊第1演出フラグをONにして(ステップS34287)、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
なお、ステップS34286において演出保留カウンタに第2特別図柄保留数をセットするのは、演出ポイントPが10ポイント貯留される基となった第2・第3始動口有効入賞の変動表示が行われるタイミングで特殊第2演出を行うようにするためである。
また、ステップS34281において時短遊技状態であると判別されたとき(ステップS34281におけるNO)、ステップS34282において演出ポイントPが10であると判別されたとき(ステップS34282におけるNO)、ステップS34285において演出ポイントPが10でないと判別されたとき(ステップS34285におけるNO)は、いずれも、第2・第3始動口有効入賞演出処理を終了する。
[装飾図柄変動開始処理]
次に図63〜図65に基づいて、装飾図柄変動開始処理および当該処理において実行される処理について説明する。
図63は、装飾図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。図64は、装飾図柄変動開始処理における特殊演出抽選処理の一例を示すフローチャートである。図65は、演出ポイント貯留処理を実行するか否かを決定するためのテーブルの一例を示す図である。本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて演出ポイントPを1つ加算する態様(ステップS34283参照)の他、装飾図柄変動開始処理においても演出ポイントPが加算されることがある。
図63の装飾図柄変動開始処理において、CPU664は、先ず、変動パターン受信フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3441)。変動パターン受信フラグがONであれば(ステップS3441におけるYES)、時短遊技状態でないか否かを判別する(ステップS3442)。
ステップS3442において時短遊技状態でないと判別すると(ステップS3442におけるYES)特殊演出抽選処理を行い(ステップS3443)、ステップS321において受信した演出コマンドにかかる変動パターンが、当たりの変動パターンであるか否かを判別する(ステップS3444)。
一方、ステップS3442において時短遊技状態であると判別すると(ステップS3442におけるNO)、特殊演出抽選処理を省略してステップS3444に進む。特殊演出抽選処理についての詳細は後述する。なお、先述のように、時短遊技状態中は第2始動口392および第3始動口394に遊技球が入賞しても演出ポイントPを貯留しないため、ステップS3442において時短遊技状態である場合は、演出ポイントPに関する各種演出を行うための特殊演出抽選処理を省略するようにしている。なお、時短遊技状態中は演出ポイントPを貯留しないばかりでなく、演出ポイントPの貯留状況の表示すらも行わない。これにより、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントPが貯留されないことによる興趣の低下を抑制できる。
ステップS3444において、当たりの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるYES)対応する当たりの停止図柄決定処理を行う(ステップS3445)。この停止図柄決定処理では、長当たりであれば確変大当たりフラグがセットされているか否かを判別し、確変大当たりフラグがセットされていれば所定の確率で確変図柄用の停止図柄に決定し、確変大当たりフラグがセットされていなければ常に非確変図柄用の停止図柄に決定する。また、短当たりまたは小当たりであれば、短当たり・小当たり用の停止図柄に決定する。一方、外れの変動パターンであると判別すれば(ステップS3444におけるNO)外れ図柄の停止図柄を決定する(ステップS3446)。
ステップS3445またはステップS3446において停止図柄を決定すると、受信した変動パターンをセットする(ステップS3447)。この変動パターン決定およびAモード設定処理については後述する。続いて、変動パターン受信フラグをOFFにする(ステップS3448)。その後、演出保留カウンタが0であるか否かを判別し(ステップS3449)、演出保留カウンタが0でなければ(ステップS3449におけるYES)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS3450)。
ステップS3450において、これから開始される変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であれば(ステップS3450におけるYES)、演出保留カウンタから1つ減算して(ステップS3451)、装飾図柄変動開始処理を終了する。
一方、ステップS3449において演出保留カウンタが0であると判別したとき(ステップS3449におけるNO)、および、ステップS3450において当該変動が第1始動口有効入賞に基づく変動であると判断されたとき(ステップS3450におけるNO
は、演出保留カウンタの減算処理(ステップS3451)を行うことなく、装飾図柄変動開始処理を終了する。
なお、ステップS3441において変動パターン受信フラグがOFFであれば(ステップS3441におけるNO)、そのまま装飾図柄変動開始処理を終了する。
[特殊演出抽選処理]
図64の特殊演出抽選処理において、CPU664は、先ず、演出保留カウンタが1でないか否かを判別する(ステップS34431)。ここで、演出保留カウンタが1でないと判別されれば(ステップS34431におけるYES)、演出ポイントが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であるか否か、即ち、7ポイント以上且つ9ポイント以下であるか否かを判別する(ステップS34432)。なお、演出保留カウンタが1より大きければ演出ポイントが10ポイントであり、演出保留カウンタが0であれば演出ポイントが10未満である。
ステップS34432において、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であると判別されると(ステップS34432におけるYES)、特殊演出条件が成立しているか否かを判別する(ステップS34433)。一方、演出ポイントPが0ポイント〜6ポイントまでの範囲内であるとき(0ポイントおよび6ポイントを含む)、または、10ポイントであるとき(ステップS34432におけるNO)は、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。即ち、演出ポイントが10ポイントに至っていれば、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段874のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示が行われるよりも先に行われる変動表示においては、特殊演出条件が成立しているか否かを判別することなく特殊演出抽選処理を終了する。これにより、当該10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留カウンタ713によるカウント(第2特別図柄保留数記憶手段874のよる第2特別図柄の保留)に基づく変動表示における特殊演出を無駄にすることなく、複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となる。
なお、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が、長当たりである場合、または、外れではあるもののリーチとなる場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。具体的には、図65に示すように、変動番号11〜21,25〜28,32〜35,39〜42,76〜86の場合に、演出ポイントP貯留抽選を行う。このとき、演出ポイントP貯留抽選に当選する確率は、図65に示されるように、例えば2分の1に設定されている。
このように、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターン(即ち、第1特別図柄画像表示制御手段851または第2特別図柄画像表示制御手段852によって表示される変動パターン)が特定の変動パターンであるときに、選択的に(即ち演出ポイントP貯留抽選に当選したときに)、特殊演出条件が成立する。よって、第2始動口392に遊技球が入賞することに基づいて演出ポイントが貯留され、当該貯留された演出ポイントが10ポイントに至ることよりも、特殊演出条件が成立して演出ポイントが10ポイントに至る頻度の方が少なくなる。
ステップS34433において特殊演出条件が成立すると(ステップS34433におけるYES)、演出ポイントP貯留処理を行う(ステップS34444)。
演出ポイントP貯留処理(ステップS34444)では、貯留後の演出ポイントPが上限の10ポイントになるように貯留処理される。即ち、貯留前の演出ポイントPが7ポイントであれば3ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが8ポイントであれば2ポイント貯留され、貯留前の演出ポイントPが9ポイントであれば1ポイント貯留される。言い換えれば、先述の特殊演出条件を満たすと、演出ポイントPが所定の上限値(本実施形態では、10ポイント)に至るのに必要な数量が加算されて、貯留後の演出ポイントPは当該所定の上限値まで増加する。
そして、演出ポイント貯留処理(ステップS34444)が行われたのち、特殊第1演出フラグおよび特殊第2演出フラグをONにして(ステップS34445)、特殊演出抽選処理を終了する。
なお、ステップS34432において演出ポイントが7ポイント未満または10ポイントであると判別されたとき(ステップS34432におけるNO)、および、ステップS34433において特殊演出条件が不成立であると判別されたとき(ステップS34433におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
一方、ステップS34431において演出保留カウンタが1であると判別されたとき(ステップS34431におけるNO)、当該変動表示(即ち、これから開始される変動表示)が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であるか否かを判別する(ステップS34446)。ここで、当該変動表示が第2・第3始動口有効入賞に基づく変動であると判別すると(ステップS34446におけるYES)、特殊第2演出フラグをONする(ステップS34447)と共に、演出保留カウンタをリセットする(ステップS34448)。なお、ステップS34446において当該変動表示が第1始動口有効入賞に基づく変動であるときは(ステップS34446におけるNO)、特殊演出抽選処理を終了する。
このように、図64の特殊演出抽選処理では、演出保留カウンタが1である場合は(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているから、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づき変動表示が行われるときは(S34446におけるYES)、特殊第2演出を行うためのフラグがONにセットされて演出保留カウンタがリセットされる(S34447およびS34448)。
一方、演出保留カウンタが0である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されていない場合)であっても(S34431におけるNO)、演出ポイントPが6ポイントより大きく且つ10ポイント未満であれば(S34432におけるYES)、第1・第2・第3有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)に(S34433におけるYES)、特殊第1演出および特殊第2演出を行うために演出ポイントPが上限値まで貯留されて特殊演出フラグがONにセットされる(S34444およびS34445)。
また、演出保留カウンタが2以上である場合(つまり、演出ポイントPが10ポイントまで貯留されているが、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞よりも先に第1・第2・第3有効入賞が保留されており、且つ、当該先に保留された有効入賞に基づく変動表示がまだ行われていない場合)であれば(S34431におけるYES)、演出ポイントPが10ポイントであるから(S34432におけるNO)、各特殊演出フラグはONにセットされることなくOFFのままとなる。そして、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされると演出保留カウンタが1となり(S34431におけるNO)、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるのに対応して、特殊第2演出がONにセットされる(S34436におけるYES〜S34448)。
言い換えれば、当該既に保留されている他の第1・第2・第3有効入賞の全てについて変動表示がなされるまで、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示およびこれに対応する特殊第2演出の実行が留保(待機)される。そのため、先述のように演出ポイントPが10ポイントに達すると特殊第1演出が行われるところ(図62のS34287)、演出ポイントPが10ポイントまで貯留された時点で既に他の有効入賞が保留されている場合は、その保留されている他の有効入賞について全て変動表示(いわゆる、保留の消化)されるまで特殊第2演出が実行されないため、特殊第1演出の表示と特殊第2演出の表示とに時間差が発生することになる。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
さらに、第2・第3有効入賞に基づいて演出ポイントPが10ポイントまで貯留されたときに、既に他の第1・第2・第3有効入賞が保留されている場合は、当該先に保留された有効入賞に基づいて特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)であっても、演出ポイントPの貯留や特殊演出フラグのONセットは実行されない。そのため、先に保留された有効入賞が特殊演出条件を成立させるものであっても、特殊第2演出は当該先に保留された有効入賞に基づいて行われるのではなく、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づいて実行される。これにより、先の保留が全て消化されるまでの間は複数の変動表示間に亘って特殊第1演出のみが表示されることになるため、遊技者はこの特殊第1演出によって演出ポイントPが上限値に達したことを余裕をもって正確に確認でき、また特殊第2演出が実行されるまでの間は期待感をもって遊技できるため、興趣の低下を抑制することができる。
以上より、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には、当該演出ポイントP貯留抽選が行われる基となった有効入賞が第1始動口有効入賞または第2・第3始動口有効入賞に拘わらず特殊演出が行われる。一方、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われるときは、有効入賞が第2・第3始動口有効入賞であるときにのみ特殊演出が行われる。
しかも、特殊第1演出および特殊第2演出が行われるタイミングは、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合には両演出が同一変動において表示されるのに対し、演出ポイントP貯留抽選が行わることなく演出ポイントPが10ポイントに達したことによって特殊演出が行われる場合には、演出ポイントPが10ポイントに達したときの第1特別図柄保留数記憶手段872および第2特別図柄保留数記憶手段874によって保留される保留数如何によって、両演出が同一変動において表示されるとは限らない。具体的には、演出ポイントPが10ポイントに達したときに特殊第1演出の表示が開始され、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2・第3有効入賞に基づく変動表示が行われるときに特殊第2演出が開始される。
上述のように、本実施形態では、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて演出ポイントPを貯留(加算)し、この演出ポイントPが上限値に達したときに特殊演出フラグ(特殊第1演出フラグおよび/または特殊第2演出フラグ)をONにしているが、これに限られない。例えば、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてパズルを組み合わせていき、このパズルが完成したときに特殊演出フラグをセットするようにしてもよい。また、第2・第3始動口有効入賞フラグがセットされていることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて複数ある所定のミッションを一つずつクリアしていき、当該所定のミッション全てをクリアしたときに特殊演出フラグをONするようにしてもよい。即ち、特殊演出フラグがセットされるための条件が設定されており、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることまたは演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じてこの条件をクリアする方向に近づいていく構成であればよい。
なお、本実施形態では、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果の導出は変動表示によって行い、この変動表示とは別個に特殊演出を別個に表示しているが、これに限られない。例えば、特殊演出によって、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を導出するようにしてもよい。
[演出ポイントの貯留表示態様について]
次に、演出表示装置115において演出ポイントPが貯留表示される態様について、図66を参照しつつ説明する。図66は、演出ポイントの貯留表示態様および浮遊体の浮遊動作を説明するためのセンター役物の正面図である。
図66に示すように、センター役物300の開口部301から視認可能な演出表示装置115は、演出ポイント表示領域1154を有している。演出ポイント表示領域1154には、10個の枠からなる演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jが表示されており、演出ポイントPが貯留される毎に枠内の表示色が変化する。そのため、遊技者は演出ポイント表示領域1154を参照することで、演出ポイントPを貯留可能な最大値である達成上限と、現在貯留されている演出ポイントPの累計値である進捗状況との両方を同時に把握できるようになっている。例えば、演出ポイントPが0の場合は、10個の表示部の枠内が全て背景色と同じ色に表示されている。
この演出ポイント表示領域1154には、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞するのに応じて演出ポイントPが1ポイントずつ貯留表示されるが、第2特別図柄保留数記憶手段874の保留数およびその最大保留数(ここでは、4個)とは関係なく、演出ポイントPを10個まで貯留表示可能である。
先ず、第2・第3始動口有効入賞フラグがONであることに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について説明する。
遊技球が第1始動口390に入賞すると、保留表示領域1150では、第1特別図柄保留カウンタ703によって保留されていることを示す第3の表示態様に表示される。一方、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内は全て表示色が維持される。これは、演出ポイントPが0に維持されることを示す。
遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が加算されて第2の表示態様が表示されると共に、演出ポイント1表示部1154aの枠内の表示色が変化する。なお、演出ポイント2表示部1154b〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色は維持されたままである。これにより、遊技者は、演出ポイントPが1であることを把握できる。
このように、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合には演出ポイントPが1ポイントずつ貯留され、貯留された演出ポイントPをインジケータで表示する。一方、遊技球が第1始動口390に入賞した場合には演出ポイントPは貯留されない。すなわち、第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞した場合には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また第2始動口392または第3始動口394に入賞したことを目で確認できる。つまり、遊技者が第2始動口392または第3始動口394へ遊技球を入賞させると、その入賞が当たり判定や変動表示などの内部処理の契機となるだけでなく、遊技者自らが遊技球を入賞させて貯留させた演出ポイントPを視覚的に把握可能であるため、遊技者の期待感や安心感を維持することができる。
さらに、第2始動口392または第3始動口394には第1始動口390よりも遊技球が入賞しにくいため(時短遊技状態を除く。)、これらの第2始動口392または第3始動口394に遊技球を入賞させた場合に、遊技者に対する特典として演出ポイントPが貯留されるようにしている。これにより、遊技球が入賞しにくい第2始動口392または第3始動口394に入賞した場合の期待感を向上させることができる。
なお、演出ポイント表示領域1154の表示は、始動口390、392、394への遊技球の入賞に応じて演出ポイントPの貯留状況(特殊演出が行われるための進捗状況)が、特殊演出が行われる所定の達成上限まで表示されればよい。そのため、第1始動口390に遊技球が入賞すると演出ポイントPが増加するようにしてもよいし、特別図柄保留数記憶手段872、874によって保留されなくても演出ポイントPが増加するようにしてもよい。
そして、演出ポイントPが9ポイントである場合は、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント9表示部1154iの枠内の表示色が変化しており、演出ポイント10表示部1154jのみ枠内の表示色が背景色と同じ色である。このとき、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞すると、図66に示すように、演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化する。これにより、遊技者は、演出ポイントPが上限値である10ポイントに達したことを把握できる。また、保留表示領域1150では、第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が貯留された態様で表示される。
なお、演出ポイントPが10ポイントに達すると、演出ポイント表示領域1154の上方にキャラクタが出現する。そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまで、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける。また、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続けている間、演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント10表示部1154jの枠内の表示色が変化した表示態様となる。即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの間、特殊演出が未だ表示されていないにも拘わらず、特殊演出が導出されるための導出進捗状況(即ち、演出ポイント数)の表示が継続される。換言すれば、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに、第2特別図柄保留カウンタ713によるカウンタ値が1以上であったとしても(即ち第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留数が1以上であったとしても)、演出ポイント数の表示が維持されつつ、当該カウンタ値(当該保留)に基づく変動表示が行われる。これにより、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が行われるまでの複数の変動表示に跨って、遊技者に期待感を与え続けることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
そして、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が開始されると、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出表示装置115のほぼ中央部に移動して拡大表示されたのちに、当該キャラクタの表示が消失するとともに浮遊体駆動装置20によって当該キャラクタと略同一の浮遊体Zが表出して浮遊動作する。このようなキャラクタによる一連の演出が、本実施形態の特殊演出に相当する。
なお、本実施形態では、演出ポイント表示領域1154の上方でキャラクタが踊り続ける態様が特殊第1演出に相当し、演出ポイント表示領域1154の上方で踊っていたキャラクタが演出表示装置115のほぼ中央部に拡大表示されたのちに、浮遊体駆動装置20により浮遊体Zが浮遊動作される態様が特殊第2演出に相当する。従って、特殊第1演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときの保留数に拘わらずすぐに表示される。一方、特殊第2演出は、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが10ポイントに達したときに当該第2始動口392または第3始動口394への有効入賞の他に有効入賞が保留されていれば、当該保留に基づく変動表示が終了したのちに表示されることとなる。
このように、第2始動口392または第3始動口394への有効入賞によって演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されたときに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出を表示するようにしたので、遊技者は特殊演出の特典を獲得したことを容易に把握することができ、遊技の興趣を維持することができる。さらに、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことに基づいて、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出が行われるため、興趣の低下を抑制できる。
そして、特殊第1演出および特殊第2演出の両方が終了すると、即ち、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2始動口392または第3始動口394への有効入賞に基づく保留の変動表示が終了すると、演出ポイントPがリセットされて0になると共に、演出ポイント表示領域1154に演出ポイントPが0である態様で表示される。
また、本実施形態では、大当たり遊技(より詳しくは長当たり遊技)が開始されたときにも演出ポイントPがリセットされ、当該大当たり遊技終了後には、演出ポイントPの貯留が0から開始される。これにより、大当たり遊技を契機として、遊技者は、新たな気持ちで遊技に臨むことが可能となる。また、大当たり遊技中は、第2始動口392に遊技球が入賞しても演出ポイントの貯留を行わないため、演出ポイントの貯留状況の表示も行わない。従って、大当たり遊技終了後に新たに表示される演出ポイントが0となるため、大当たり遊技終了後は遊技者が気分を一新して遊技を再スタートすることができる。
次に、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントPの貯留表示態様について説明する。
遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、保留表示領域1150では、第1特別図柄保留カウンタ703による保留数(第1特別図柄保留数記憶手段872による保留数)が加算された態様で表示される。なお、遊技球が第1始動口390に有効入賞すると、CPU664は主制御基板131から演出コマンドを受信して変動パターン受信フラグがONされるが(図59のステップS329を参照)、このとき、特殊演出条件が成立すれば、演出ポイントP貯留処理(図64のステップS34444参照)を行う。ここで、特殊演出条件とは、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであること、および、ステップS321において受信した演出コマンドが特定の変動パターンであることに応じて行われる演出ポイントP貯留抽選に当選することである。なお、演出ポイントが所定の閾値(本実施形態では7ポイント)以上であって且つ達成上限値(10ポイント)未満であることは、特殊演出条件が成立するための前提条件である。
ここで、「所定の閾値以上」とは、第2始動口392にあと僅かに遊技球が入賞すれば、所定の達成上限値に至る程度の値を意味する。本実施形態では、達成上限値が10ポイントであるため、3球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限値に至る値、即ち、7ポイントが所定の閾値となる。また、所定の達成上限が例えば100ポイントであるときは、3〜5球程度の遊技球が第2始動口392に入賞することによって達成上限に至る値、即ち、5〜7ポイント程度が所定の閾値となる。即ち、貯留されている演出ポイントと所定の達成上限との差があまりにも大きい場合には、遊技者は、所定の達成上限に至ることがないと思って遊技を行っているが、あと少しで所定の達成上限に至るというときであれば、第2始動口392に遊技球が入賞することに注意が惹かれ、遊技球の動向に興味が惹かれる。このとき、第2始動口392に1球が入賞したのみでは所定の達成上限に至らないと感じるのが常であるが、このようなときに演出ポイントが2ポイントや3ポイントといったまとめて貯留されることにより、遊技者に不意打ちとなる喜びを与え、これにより、大きな期待感を遊技者に与えることが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
演出ポイントP貯留処理では、演出ポイントP貯留処理が行われる基となった第1始動口390への入賞に基づく保留の変動表示を開始する際に、演出ポイントPが上限値である10ポイントに至るまで貯留表示されると共に、特殊第1演出が行われる。そして、この同じ変動表示において、特殊第1演出に引き続いて特殊第2演出が行われる。なお、演出ポイント表示領域1154における演出ポイントPの表示は、演出特典としての最終態様である特殊第2演出まで表示される。
このように、演出ポイントPが所定の上限値(ここでは、10ポイント)まで貯留されていないときであっても、演出ポイントPが所定値(ここでは、7ポイント)以上であって、且つ、特殊演出条件が成立する場合(すなわち、所定の長当たりやリーチに基づく変動表示がなされる場合)には、所定の特殊演出を表示させるための演出ポイントPが貯留されるように構成されている。言い換えれば、貯留された演出ポイントPと所定の上限値(ここでは、10ポイント)との差が2以上であっても、その差が3以下という微差の範囲内であれば、特殊演出条件が成立すれば演出ポイントPが貯留されることを意味する。そして、この貯留された演出ポイントPは、演出ポイント表示領域1154において遊技者が視認できるインジケータで、所定の達成上限に向けて近づく態様で貯留表示される。
そのため、遊技者は所定の特殊演出まで必要な残りのポイント数を確認することができ、また始動口390、392、394への遊技球の入賞に基づいて特殊演出条件が成立したことを目で確認できる。そして、演出ポイントPが所定の達成上限に至ったことを教唆する特殊第1演出と、抽選結果の導出に関する特殊な演出特典である特殊第2演出とが一連の特殊演出として表示される。よって、遊技者は演出ポイントPが所定の上限値まで貯留されていなくても一連の特殊演出(第1特殊演出および特殊第2演出)の特典を獲得する期待感を有することができるので、遊技の興趣を維持および向上させることができる。
なお、演出ポイントP貯留抽選に当選したことに応じて行われる演出ポイントP貯留処理について、本実施形態では、遊技球が第1始動口390に有効入賞したことに基づいて受信した演出コマンドが特定の変動パターンを示す演出コマンドであるときに演出ポイントP貯留抽選を行っているが、これに限られない。例えば、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に有効入賞したことに基づく演出コマンドが特定の変動パターンを示すコマンドであるときに、演出ポイントP貯留抽選を行うことなく常に演出ポイント貯留処理を行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が短当たりまたは小当たりであるとき、短当たり遊技または小当たり遊技が実行されたのちの遊技状態において浮遊体駆動装置20による浮遊体Zを用いた演出が行われる。この浮遊体駆動装置20による浮遊体Zを用いた演出は、短当たり遊技または小当たり遊技が終了したのち、すぐに行われるとは限らない。従って、短当たり遊技または小当たり遊技が終了してから浮遊体駆動装置20による浮遊体Zを用いた演出が行われるまでの間に、演出ポイントPが10ポイントになった場合、または、演出ポイントP貯留抽選に当選した場合であっても、特殊演出が行われる。
なお、上述のとおり、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、当該演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874による保留に基づく変動表示が行われるまで、特殊演出の表示が保留される。
このように、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874による保留に基づく変動表示は、演出保留カウント手段855により管理されている。詳述すると、演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、このときに第2特別図柄保留数記憶手段874(図25参照)に記憶されている第2特別図柄の保留数を演出保留カウンタ値として記憶する。そして、第2特別図柄画像表示制御手段852(図25参照)による変動表示が行われる毎に、演出保留カウンタ値から1ずつ減算する。そして、演出保留カウンタ値が1になると、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった第2特別図柄保留数記憶手段874によって記憶されている第2特別図柄の保留に基づく変動表示が行われると認識し、第2特殊演出の表示を行う。なお、第1特殊演出は、演出ポイントPが10ポイントに至ったときに行う。
[遊技演出態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において実行される遊技演出態様(装飾図柄1153の変動態様を含む。)のうちで、浮遊体駆動装置20による演出が行なわれるものを、図面を参照して説明する。なお、「遊技演出態様」とは、演出表示装置115による演出(装飾図柄1153の変動態様を含む。)、浮遊体駆動装置20による演出、スピーカー18,57から出力される効果音等の音声、大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作など、遊技状態に応じて実行される各種演出態様を含む概念である。
[ステージ移行特典態様について]
まず、本実施形態のパチンコ機1において、演出ポイント表示領域1154にて演出ポイントPが10ポイントに至ったとき、複数の惑星ステージのうちでいずれかの惑星ステージを選択決定する演出が行なわれる「ステージ移行特典態様」について、図67および図68を参照して説明する。図67および図68は、「ステージ移行特典態様」の実行時に、演出表示装置で表示される態様を示す正面図である。なお、図67および図68では、浮遊体駆動装置20で浮遊動作する浮遊体Zについても、演出表示装置115に重複して表している。
なお、以下の「ステージ移行特典態様」は、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留に基づく変動表示に際して実行されるものとする。また、「ステージ移行特典態様」は、第2始動口392または第3始動口394に入賞して演出ポイントPが10ポイントに至った場合、および、演出ポイントP貯留抽選に当選して演出ポイントPが10ポイントに至った場合、のいずれにおいても共通に実行される。ここでは、第2始動口392または第3始動口394に入賞して演出ポイントPが10ポイントに至った場合に実行される「ステージ移行特典態様」を例示して説明する。
まず、図67(A)に示すように、演出表示装置115では、保留表示領域1150(第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152)において、第1の保留記憶表示部1151a,第3の保留記憶表示部1151c,第4の保留記憶表示部1151dに第3の表示態様が表示され、第2の保留記憶表示部1151bに第2の表示態様が表示され、第5の保留記憶表示部1152aに第1の表示態様が表示されており、計4つの保留が存在することを示している。また、演出ポイント表示領域1154では、演出ポイントPが演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント9表示部1154iに表示されており、演出ポイントPが9ポイント貯留されていることを示している。また、装飾図柄1153(左図柄列1153a,中図柄列1153b,右図柄列1153c)が変動表示中であることを示している。
ここで、図67(A)に示す状態で第2始動口392または第3始動口394に遊技球が入賞すると、図67(B)に示すように、演出表示装置115では、保留表示領域1150では第2特別図柄保留カウンタ713による保留数が加算される。ここでは、第5の保留記憶表示部1152aに第1の表示態様に代えて第2の表示態様が表示されるとともに、第6の保留記憶表示部1152bに第1の表示態様が表示される。それとともに、演出ポイント表示領域1154では演出ポイントPが演出ポイント10表示部1154jに表示されて、演出ポイントPが10ポイントに至ったことが示される。
そして、演出ポイントPが10ポイントに至ると、演出表示装置115(詳細には、共通図柄表示領域115c)では、先述の「第1特殊演出」が実行される。すなわち、図67(B)に示すように、演出ポイント表示領域1154の上方で発光表示されたのちに、図67(C)に示すように、その発光表示の中からキャラクタ(ここでは、UFO)が現れる演出が表示される。さらに、図67(D)に示すように、演出ポイント表示領域1154の上方に現れたキャラクタが、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留を示す保留記憶表示部(ここでは、第5の保留記憶表示部1152a)の上方まで移動したのちに停止表示される。なお、装飾図柄1153の図柄変動が終了すると、図67(E)に示すように、通常と同様にして装飾図柄1153が停止表示される。
図67(B)〜(D)に示す「第1特殊演出」により、遊技者は演出ポイントPが10ポイント貯留されたことを把握できるとともに、引き続いて実行される「第2特殊演出」への期待感を持って遊技を継続することとなる。さらに、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留を特定することができ、遊技者は「第2特殊演出」の実行タイミングを把握することができる。
なお、演出表示装置115では、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留よりも先の保留に基づいて装飾図柄1153の変動表示(いわゆる、保留の消化)が順次実行されるのに伴って、保留表示領域1150の保留表示はそれぞれ先の保留記憶表示部にシフト表示される。具体的には、図67(E)に示す状態から4つの保留に基づいて装飾図柄1153の変動表示が順次実行されると、図67(F)に示すように、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留(すなわち、第5の保留記憶表示部1152aにおける第2の表示態様)は、第1の保留記憶表示部1151aにおける第2の表示態様としてシフト表示されることになる。これに伴って、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留の上方に表示されるキャラクタも、保留表示領域1150での各保留のシフト表示に伴って移動するため、図67(F)に示すように、キャラクタは第1の保留記憶表示部1151aの上方に表示される。このように、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留表示に伴ってキャラクタの表示位置も移動するため、各保留に基づく装飾図柄1153の変動表示(保留消化)が順次行われても、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留を常に特定可能である。
そして、図67(G)に示すように、演出表示装置115では、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留の直前の保留(すなわち、1つ前の保留)に基づいて装飾図柄1153の変動表示が終了すると、さらに、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留(すなわち、第1の保留記憶表示部1151aにおける第2の表示態様)に基づいて装飾図柄1153の変動表示が行われる。このとき、先述の「第2特殊演出」として図67(H)および図68(A)〜(D)に示すような演出が実行される。なお、「ステージ移行特典態様」における「第1特殊演出」および「第2特殊演出」の一連の演出を、「ステージ抽選演出」とよぶ。
まず、図67(H)に示すように、演出表示装置115では、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留(すなわち、第1の保留記憶表示部1151aにおける第2の表示態様)の上方に表示されたキャラクタが、演出表示装置115のほぼ中央部に移動して徐々に拡大表示される。それとともに、スピーカー18,57からの徐々に音量が大きくなるような飛行音を出力することで、遠方に位置するキャラクタが徐々に手前側に向かって近づいてきて、キャラクタがあたかも演出表示装置115から正面側に飛び出すような印象を与える演出を行なう。このような遊技者の意表を突く演出によって、遊技者は「アッ!」と驚かされるとともに、その後の演出の展開により強い関心を持つこととなる。
なお、図67(H)に示すキャラクタ演出の実行時には、演出ポイント表示領域1154に貯留表示された演出ポイントPは10ポイントから0ポイントにリセットされる。これにより、遊技者は演出ポイントPが10ポイント貯留されたことに基づく演出特典が付与されたことを確実に把握できる。また、「第2特殊演出」の実行時には、装飾図柄1153は、正面視で共通図柄表示領域115cの右上部分に縮小表示されたうえで変動表示が継続される。そのため、遊技者は「第2特殊演出」の実行時であっても、装飾図柄1153およびその変動態様を視認することができ、保留に基づく装飾図柄1153の図柄変動が、遊技者から視認不可能な内部処理として無駄に消費されていないことを把握でき、安心感を得ることができる。
さらに、図67(H)に示すキャラクタ演出の実行後は、図68(A)に示すように、演出表示装置115のほぼ中央部に拡大表示されたキャラクタが消失するような表示制御がなされる。すると、せっかく表示されたキャラクタが消失してしまうことで、遊技者は大きく落胆することになる。ここで、図68(B)に示すように、浮遊体駆動装置20の駆動によって、浮遊体隠蔽領域202に位置する浮遊体Zが浮遊体表示領域201に表出して浮遊動作する。そのため、正面視、演出表示装置115に表示される画像を背景として、浮遊体駆動装置20による浮遊体Zの浮遊動作が遊技者から視認可能となる。このように、一旦消失したキャラクタと酷似する浮遊体Zが表出することで、遊技者は落胆から一転して大きな期待感を抱くため、より一層気分が高揚することになる。
ここで、演出表示装置115においては、先述のように、装飾図柄1153の背景演出として、複数の惑星ステージに対応するステージ画像が各々設けられている。例えば、地球に対応するステージ画像が表示される「地球ステージ」、火星に対応するステージ画像が表示される「火星ステージ」、木星に対応するステージ画像が表示される「木星ステージ」など、各惑星ステージに応じたステージ画像が用意されており、いずれかのステージ画像が表示された状態で遊技が進行する。ここでは、図67(A)〜(H)で表示されている背景演出(ステージ画像)を「地球ステージ」とする。
そして、図68(A)に示すように、上記「第2特殊演出」の開始に際して、現在のステージ画像に代えて宇宙画像(ステージ抽選画像)が背景演出として表示される。そのため、図68(B)に示すように、浮遊体表示領域201に移動して視認可能となった浮遊体Zは、遊技者からはあたかも宇宙空間を飛行しているように見える。なお、この「ステージ抽選画像」は、少なくとも複数の惑星を画像として含むものであり、各惑星が移行先の惑星ステージとしての「火星ステージ」や「地球ステージ」などに対応付けられている。
そして、図68(C)〜(D)に示すように、浮遊体Zは、浮遊体表示領域201を略ランダムに浮遊動作したのち、正面視で、「ステージ抽選画像」に表示されるいずれかの惑星と重なり合う位置に向かって移動するとともに、演出表示装置115では、浮遊体Zと重複表示される惑星の画像が徐々に拡大表示される。それとともに、スピーカー18,57からの徐々に音量が大きくなるような飛行音を出力することで、浮遊体Zが遠方に位置する当該惑星に徐々に近づいているような印象を与える演出を行なう。さらに、演出表示装置115に当該惑星のみが示された画像が表示されたのちに、浮遊体駆動装置20では浮遊体Zを徐々に下降するように動作させる。そして、最終的には、浮遊体Zを浮遊体隠蔽領域202まで移動させて視認できないようにすることで、浮遊体Zが当該惑星に着陸したような印象を与える演出を行なう。
以上のように、演出表示装置115および浮遊体駆動装置20では、あらかじめ選択決定された惑星ステージに対応する惑星に向けて、浮遊体Zが着陸するような演出がなされるように制御される。言い換えれば、浮遊体Zが着陸したような演出がなされた惑星に対応して、移行先の惑星ステージが選択決定されるようにみせることができる。例えば、浮遊体Zが着陸したとされる惑星が「地球」である場合、ステージ移行先として「地球ステージ」が選択される。また、浮遊体Zが着陸したとされる惑星が「火星」に対応している場合、ステージ移行先として「火星ステージ」が選択される。そして、以降は、この浮遊体駆動装置20のステージ抽選演出により選択された惑星ステージに対応するステージ画像が、演出表示装置115に表示されて遊技が進行する。
具体的には、上記「ステージ抽選演出」の実行中は、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留に基づく装飾図柄1153の変動表示が画面右上で行われているところ、「ステージ抽選演出」の終了後に、図67(A)に示す通常の演出態様と同様にして、当該装飾図柄1153が画面中央で停止表示されて第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が導出されることになる。ただし、演出表示装置115では、「ステージ抽選演出」により選択決定された惑星ステージ(例えば、「火星ステージ」)に対応するステージ画像を背景演出として、当該装飾図柄1153が停止表示されることになる。そして、以降は「火星ステージ」のもとで、図67(A)と同様にして遊技が進行されることになる。
ところで、この「ステージ移行特典態様」では、その演出開始時に内部的な抽選によって移行先となる惑星ステージが選択決定される。そして、浮遊体駆動装置20はキャリッジモータ24およびファンモータ25の駆動制御によって、ステージ移行先に相当する惑星に向けて浮遊体Zが浮遊動作するように、演出表示装置115に表示される当該惑星に対応する位置まで当該浮遊体Zを移動させる。
ただし、浮遊体駆動装置20において、風力によって浮遊動作される浮遊体Zが不具合によって途中で落下してしまうと、当該浮遊体Zをステージ移行先に相当する惑星に対して着陸演出させることができないため、この場合はステージ移行を行なわない。すなわち、現在の惑星ステージに相当するステージ画像をそのまま継続表示して、その後の遊技を進行させる。ここで、「浮遊体Zが途中落下する不具合」とは、例えば、浮遊体Zの傾きによって均等に風力を付与できなかった場合や、キャリッジ285の搬送位置にズレが生じた場合などがある。なお、浮遊体Zの落下の有無は、先述の距離センサ26によって検出可能である。
なお、内部的な抽選によって選択決定されたステージ移行先となる惑星ステージが現在の惑星ステージと同一である場合には、浮遊体駆動装置20において意図的に浮遊体Zを途中落下させることで、ステージ移行を行なわないことを明示するような演出を行なってもよい。
また、上記の「ステージ移行特典態様」は、第2始動口392または第3始動口394に入賞して演出ポイントPが10ポイントに至った場合を例示したが、演出ポイントP貯留抽選に当選して演出ポイントPが10ポイントに至った場合も同様である。ただし、後者の場合は、演出ポイントPが10ポイントに至る契機となった保留に基づく図柄変動が既に開始されているため、当該図柄変動が開始されるまで「第2特殊演出」を留保する演出(具体的には、図67(D)〜(G))は省略される。そのため、演出ポイント表示領域1154の上方にキャラクタが表示されたのち(図67(C)参照)、すぐさま当該キャラクタが画面中央で拡大表示される演出が行われることになる(図67(H)参照)。
このように、本実施形態の「ステージ移行特典態様」では、浮遊体駆動装置20のステージ抽選演出が行われるため、ステージ移行への期待感を向上させることができる。そして、現在の惑星ステージを他の惑星ステージに切り替えることで、遊技者が遊技に飽きることを防止するとともに遊技者の気分を一新させて、さらに興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、浮遊体駆動装置20によって浮遊体Zが浮遊動作されて、この浮遊体Zを用いてステージ移行の演出が行われる。これにより、演出表示装置115に表示される演出画像と、物理的な役物である浮遊体Zとを重ね合わせて表示することができ、より多様でインパクトのある演出が可能となる。さらに、浮遊体Zは風力によって様々な方向に自由移動することができ、遊技者は一見では浮遊体Zの動作原理を把握できないため、より強く遊技者の関心を惹くことができ、ひいては興趣の低下を抑制できる。
[チャンス目特殊態様について]
次に、本実施形態のパチンコ機1において、小当たりまたは短当たりを導出するとともに、遊技者に有利である可能性が高いモードへの移行を演出する特殊演出を伴う遊技演出態様である「チャンス目特殊態様」について、図69および図70を参照して説明する。図69および図70は、「チャンス目特殊態様」の実行時に、演出表示装置で表示される態様を示す正面図である。なお、図69および図70では、浮遊体駆動装置20で浮遊動作する浮遊体Zについても、演出表示装置115に重複して表している。
なお、以下の「チャンス目特殊態様」は、変動番号43の「チャンス目(短当たり)」または変動番号44の「チャンス目(小当たり)」に基づく変動時に実行されるものとする。すなわち、「チャンス目特殊態様」は演出ポイントPの数量に関係なく実行される演出である。
まず、図69(A)に示すように、演出表示装置115では、保留表示領域1150(第1の保留表示領域1151および第2の保留表示領域1152)において、第1の保留記憶表示部1151a,第3の保留記憶表示部1151c,第4の保留記憶表示部1151dに第3の表示態様が表示され、第2の保留記憶表示部1151bに第2の表示態様が表示され、第5の保留記憶表示部1152aに第1の表示態様が表示されており、計4つの保留が存在することを示している。また、演出ポイント表示領域1154では、演出ポイントPが演出ポイント1表示部1154a〜演出ポイント9表示部1154iに表示されており、演出ポイントPが9ポイント貯留されていることを示している。また、装飾図柄1153(左図柄列1153a,中図柄列1153b,右図柄列1153c)が変動表示中であることを示している。
ここで、図69(A)に示す状態で短当たりまたは小当たりに当選した場合には、図69(B)に示すように、左図柄列1153aに「1」図柄が停止表示し、右図柄列1153cに「2」図柄が停止表示し、中図柄列1153bに「3」図柄が停止することで、短当たりまたは小当たりが導出される。そして、装飾図柄1153の変動停止後、短当たり遊技状態または小当たり遊技状態が実行される。すなわち、先述のように、「短当たり」または「小当たり」として大当たり遊技用開閉装置400の開閉動作が2回実行される。
そして、モード移行チャンスを実行するか否かの抽選が行われる。そして、モード移行チャンスを実行することが決定された場合は、以下の浮遊体駆動装置20による演出を伴うモード移行チャンスが実行される。なお、本実施形態のモード移行チャンスは、必ずしも次変動によって実行されるわけではなく、上記抽選により選択された回数分の保留変動の実行後に発動される。一方、モード移行チャンスを実行しないことが決定された場合は、モード移行チャンスは実行されないため、浮遊体駆動装置20による演出も実行されない。
ここで、モード移行チャンスについて説明する。遊技者は大当たり遊技用開閉装置40の開閉動作のみでは小当たりまたは短当たりのいずれに該当するかを判断できないところ、本実施形態における「モード移行チャンス」によって、短当たりによって確変遊技状態に移行したか(言い換えれば、小当たりによって通常遊技状態のままか)を、ある程度判断できるようにして遊技者の期待感を向上させている。
まず、モード移行チャンスが発動されると、モード移行チャンスの発動を導出する演出が表示されたのちに、後述の浮遊体駆動装置20による演出とともに、複数のモードのうちでいずれのモードに移行するかを抽選する演出が表示される。本実施形態では、移行先の複数のモードとして、確変遊技状態である可能性が高い第1モードと、第1モードよりも確変遊技状態である可能性が高い第2のモードとを有する。また、このモード移行チャンスでは、モードが移行せずに通常遊技状態である場合(本実施の形態では、「外れ」)が選択される場合もある。
ここで、モード移行チャンスに実行される演出表示装置115および浮遊体駆動装置20による「モード抽選演出」について説明する。まず、図69(C)に示すように、演出表示装置115に現在の惑星ステージ画像に代えて宇宙画像(モード抽選画像)が背景演出として表示される。そして、図69(D)に示すように、浮遊体駆動装置20では、浮遊体隠蔽領域202に位置して隠蔽されている浮遊体Zが風力によって浮遊体表示領域201に移動される。すると、浮遊体Zが遊技者から視認可能となるため、遊技者からは浮遊体Zが宇宙空間を飛行しているように見える。この「モード抽選画像」は、少なくとも複数の惑星を画像として含むものであり、各惑星がモード移行先としての「第1モード」または「第2のモード」に対応付けられている。
そして、図70(A)〜(B)または図70(D)〜(E)に示すように、浮遊体Zは、浮遊体表示領域201を略ランダムに浮遊動作しながら、正面視で、「モード抽選画像」に表示されるいずれかの惑星と重なり合う位置に向かって移動するとともに、演出表示装置115では、浮遊体Zと重複表示される惑星の画像が徐々に拡大表示される。それとともに、スピーカー18,57からの徐々に音量が大きくなるような飛行音を出力することで、浮遊体Zが遠方に位置する当該惑星に徐々に近づいているような印象を与える演出を行なう。さらに、演出表示装置115に当該惑星のみが示された画像が表示されたのちに、浮遊体Zを徐々に下降するように動作させて、最終的には浮遊体Zを浮遊体隠蔽領域202まで移動させて視認できないようにすることで、浮遊体Zが当該惑星に着陸したような印象を与える演出を行なう。
以上のように、演出表示装置115および浮遊体駆動装置20では、あらかじめ選択決定されたモードに対応する惑星に向けて、浮遊体Zが着陸するような演出がなされるように制御される。言い換えれば、浮遊体Zが着陸したような演出がなされた惑星に対応して、移行先のモードが選択決定されるようにみせることができる。例えば、浮遊体Zが着陸したとされる惑星が「第1モード」に対応している場合、モード移行先として「第1モード」が選択される。また、浮遊体Zが着陸したとされる惑星が「第2モード」に対応している場合、モード移行先として「第2モード」が選択される。また、浮遊体Zが着陸したとされる惑星が「ハズレ」に対応している場合、モード移行先として「通常モード(通常遊技状態)」が選択される。
そして、図70(C)に示すように、モード抽選演出により「第1モード」が選択されると、「第1モード」に移行したことを導出する演出が実行される。例えば、この「第1モード」では、演出表示装置115に表示される背景演出が通常モードとは異なっており(例えば、宇宙人のような特殊なキャラクタ演出が表示される等)、以降はかかる演出のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性が高い「第1モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
一方、図69(J)に示すように、モード抽選演出により「第2モード」が選択されると、「第2モード」に移行したことを導出する演出が実行される。例えば、この「第2モード」では、演出表示装置115に表示される背景演出が通常モードおよび「第1モード」とは異なっており(例えば、コスモポリスのような特殊な背景演出が表示される等)、以降はかかる演出のもとで装飾図柄1153のスクロール変動が実行される。よって、確変遊技状態である可能性がより高い「第2モード」を実行することで、遊技者に当たりへの期待感を向上させることができる。
なお、浮遊体駆動装置20のモード抽選演出により「通常モード(通常遊技状態)」が選択されると、モード移行はなされずに、現在の惑星ステージに対応するステージ画像がそのまま表示される(図69(A)参照)。
ところで、この「モード移行チャンス」では、その演出開始時に内部的な抽選によってモード移行先が選択決定される。そして、浮遊体駆動装置20はキャリッジモータ24およびファンモータ25の駆動制御によって、モード移行先に相当する惑星に浮遊体Zが停止表示されるように、演出表示装置115に表示される当該惑星に対応する位置まで浮遊体Zを移動させる。
ただし、浮遊体駆動装置20において、風力によって浮遊動作される浮遊体Zが不具合によって途中で落下してしまった場合は、当該浮遊体Zをモード移行先に相当する惑星に着陸演出させることがないため、この場合はモード移行を行なわない。すなわち、現在のモードに相当する背景演出をそのまま継続表示して、その後の遊技を進行させる。ここで、「浮遊体Zが途中落下する不具合」とは、例えば、浮遊体Zの傾きによって均等に風力を付与できなかった場合や、キャリッジ285の搬送位置にズレが生じた場合などがある。また、浮遊体Zの落下の有無は、先述の距離センサ26によって検出可能である。
なお、内部的な抽選によって選択決定されたモード移行先が現在のモードと同一である場合には、浮遊体駆動装置20において意図的に浮遊体Zを途中落下させることで、モード移行を行なわないことを明示するような演出を行なってもよい。
このように、本実施形態の「チャンス目特殊態様」では、小当たりまたは短当たりが導出されるのみならず、浮遊体駆動装置20のモード抽選演出が行われるため、当たりやモード移行への期待感を向上させて興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、浮遊体駆動装置20によって浮遊体Zが浮遊動作されて、この浮遊体Zを用いてモード移行の演出が行われる。これにより、演出表示装置115に表示される演出画像と、物理的な役物である浮遊体Zとを重ね合わせて表示することができ、より多様でインパクトのある演出が可能となる。さらに、浮遊体Zは風力によって様々な方向に自由移動することができ、遊技者は一見では浮遊体Zの動作原理を把握できないため、より強く遊技者の関心を惹くことができ、ひいては興趣の低下を抑制できる。
[その他]
上記実施形態では、「ステージ移行特典態様」にて浮遊体Zの浮遊動作で移行先の惑星ステージを選択する演出と、「チャンス目特殊態様」にて浮遊体Zの浮遊動作で移行先のモードを選択する演出とを例示した。しかしながら、浮遊体駆動装置20は、浮遊体Zの浮遊動作で他の態様の演出を行うことができる。
例えば、演出表示装置115における装飾図柄1153の変動時に、浮遊体Zの浮遊動作によって「大当たり」または「ハズレ」を導出するようにしてもよい。具体的には、左図柄列1153aと右図柄列1153cとが同一図柄で停止表示され、中図柄列1153bのみが変動表示されるリーチ状態において、浮遊体駆動装置20の駆動により浮遊体Zを浮遊体表示領域201に表出させる。そして、浮遊体駆動装置20によって浮遊動作される浮遊体Zが、演出表示装置115に表示される宇宙人と戦闘するような演出を実行する。このような演出のもとで、内部的な抽選結果が大当たりの場合には、浮遊体Zが宇宙人との戦闘に勝利して所定の惑星に到達するような演出を行なったのちに、中図柄列1153bを左図柄列1153aおよび右図柄列1153cと同一図柄で停止表示させて大当たりを導出し、大当たり遊技を実行する。一方、内部的な抽選結果がハズレの場合には、浮遊体Zが宇宙人との戦闘に敗北して墜落するような演出を行なったのちに、中図柄列1153bを左図柄列1153aおよび右図柄列1153cとは異なる図柄で停止表示させてハズレを導出する。このように、大当たりまたはハズレの抽選結果を浮遊体Zの浮遊動作によって導出することで、遊技者により大きな期待感と従来にない興趣を付与することができる。
また、大当たり遊技の終了に際して、浮遊体Zの浮遊動作によって確変遊技が行なわれるか否かを導出するようにしてもよい(所謂、通常大当たりから確変大当たりへの昇格演出)。具体的には、装飾図柄1153により通常大当たりが導出されたことに基づく15ラウンドの大当たり遊技終了に際して、浮遊体駆動装置20の駆動により浮遊体Zを浮遊体表示領域201に表出させる。そして、浮遊体駆動装置20によって浮遊動作される浮遊体Zが、演出表示装置115に表示される宇宙人と戦闘するような演出を実行する。このような演出のもとで、内部的な抽選結果が確変大当たりの場合には、浮遊体Zが宇宙人との戦闘に勝利して所定の惑星に到達するような演出を行なったのちに、確変遊技を実行する。一方、内部的な抽選結果がハズレの場合には、浮遊体Zが宇宙人との戦闘に敗北して墜落するような演出を行なったのちに、通常遊技を実行する。このように、通常大当たりから確変大当たりへの昇格演出を浮遊体Zの浮遊動作によって導出することで、遊技者により大きな期待感と興趣を付与することができる。
上述した本実施形態の遊技機は、以下の手段を備える。なお、以下の手段は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。
手段1.遊技領域を有し、当該遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を打ち込むための発射装置と、
前記発射装置による遊技球の打ち込みを指示するための操作手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
装飾図柄の変動表示を含む演出表示を行うための演出画像表示装置と、
前記変動表示のパターンである複数の変動パターンを記憶する変動情報記憶手段と、
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態とに変化可能な特別入賞口と、
少なくとも前方から視認可能な役物演出空間と、
前記役物演出空間に配置される役物として、リンク機構を介さず独立してなる可動演出部材と、
前記役物演出空間において、前記可動演出部材を移動可能な演出部材移動手段と、
前記始動口への遊技球の入球があったか否かの判断を行う始動判断手段、
前記始動判断手段により遊技球の入球が判断されることに基づき、内部的な抽選を行う抽選手段、
前記抽選手段による抽選に当選すると、前記特別入賞口の開閉動作を行う特別遊技を実行する特別遊技実行手段、
を少なくとも有する主制御手段と、
前記主制御手段に電気的に接続され、
前記抽選手段による抽選結果に応じ前記変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づく演出表示を前記演出画像表示装置に行う演出画像表示制御手段、
前記演出部材移動手段を介し前記遊技盤に沿って二次元的に前記可動演出部材の位置をコントロールする演出部材制御手段、
を少なくとも有する副制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
ここで、本実施形態の遊技盤5が「遊技盤」に相当し、発射装置ユニット194が「発射装置」に相当し、操作ハンドル32が「操作手段」に相当する。また、本実施形態の第1始動口390、第2始動口392及び第3始動口394が「始動口」に相当し、演出表示装置115が「演出画像表示装置」に相当し、主制御基板131のROM604が「変動情報記憶手段」に相当し、大当たり遊技用大入賞口400aが「特別入賞口」に相当し、主基板600が「主制御手段」に相当し、周辺基板660が「副制御手段」に相当する。そして、本実施形態の浮遊体移動領域200が「役物演出空間」に相当し、浮遊体Zが「可動演出部材」に相当し、ファン動作部28が「演出部材移動手段」に相当し、浮遊体駆動基板500が「演出部材制御手段」に相当する。
手段1では、少なくとも前方から視認可能な役物演出空間が設けられている。役物演出空間にはリンク機構を介さず独立してなる可動演出部材(役物)が配置されており、演出部材移動手段により移動可能となっている。そして、演出部材制御手段により、可動演出部材の位置が遊技盤に沿って二次元的にコントロールされる。つまり、従来は役物を可動させる場合は何らかのリンク機構を備えているが、ここでは、独立した役物をリンク機構を介さずにコントロールするのである。リンク機構にて役物をコントロールすると役物の動きがある程度予想されるものとなってしまうおそれがあるの対し、ここではリンク機構を介さないため、可動演出部材の動きが制限されず自在にコントロールすることができる。これにより、可動演出部材の動きが予想不可能なものとなり、可動演出部材の動きが単調となることを抑制でき、その演出に幅を持たせることができる。その結果、役物を用いた興趣の高い演出が実現でき、遊技の単調性の解消に寄与して、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
手段2.手段1に記載の遊技機において、
前記役物演出空間は、遊技領域に設けられていること
を特徴とする遊技機。
従来は、役物を動かすためにリンク機構が必要であったため、役物の配置場所が制限されている。これに対し、本発明では、リンク機構を介さず役物をコントロールするため、特に手段2に示すように、役物演出空間を遊技領域に設けるようにしてもよい。このようにすれば、遊技領域に役物が単独で現出することとなり、役物を用いた演出が際立つ。
手段3.手段2に記載の遊技機において、
前記役物演出空間は、当該役物演出空間を通して前記演出画像表示装置における演出表示が視認可能となるよう当該演出画像表示装置の前方に設けられていること
を特徴とする遊技機。
手段3によれば、役物演出空間を通して演出画像表示装置における演出表示が視認可能となるよう当該演出画像表示装置の前方に役物演出空間が設けられているため、可動演出部材が演出画像の手前に単独で現出することになる。これにより、役物を用いた演出がさらに、際立つ。
手段4.手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機において、
前記演出部材制御手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じ前記変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づき、前記可動演出部材の位置をコントロールすること
を特徴とする遊技機。
手段4によれば、抽選手段による抽選結果に応じ変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づき、役物演出空間における可動演出部材の位置がコントロールされる。これにより、演出表示に合わせた可動演出部材のコントロールが比較的容易となる。
手段5.遊技領域を有し、当該遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を打ち込むための発射装置と、
前記発射装置による遊技球の打ち込みを指示するための操作手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
装飾図柄の変動表示を含む演出表示を行うための演出画像表示装置と、
前記変動表示のパターンである複数の変動パターンを記憶する変動情報記憶手段と、
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態とに変化可能な特別入賞口と、
少なくとも前方から視認可能な役物浮遊空間と、
前記役物浮遊空間に浮遊させられる役物としての浮遊体と、
前記役物浮遊空間において前記浮遊体を浮上させるための上昇気流を発生させる送風手段と、
前記役物浮遊空間における前記送風手段による前記上昇気流の発生位置を遊技盤に沿って左右方向へ移動させる移動手段と、
前記始動口への遊技球の入球があったか否かの判断を行う始動判断手段、
前記始動判断手段により遊技球の入球が判断されることに基づき、内部的な抽選を行う抽選手段、
前記抽選手段による抽選に当選すると、前記特別入賞口の開閉動作を行う特別遊技を実行する特別遊技実行手段、
を少なくとも有する主制御手段と、
前記主制御手段に電気的に接続され、
前記抽選手段による抽選結果に応じ前記変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づく演出表示を前記演出画像表示装置に行う演出画像表示制御手段、
前記送風手段による前記上昇気流の風力を制御すると共に前記移動手段を介し前記上昇気流の発生位置を制御することにより、前記浮遊体を前記遊技盤に沿って二次元的にコントロールする浮遊体制御手段、
を少なくとも有する副制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
ここで、本実施形態の遊技盤5が「遊技盤」に相当し、発射装置ユニット194が「発射装置」に相当し、操作ハンドル32が「操作手段」に相当する。また、本実施形態の第1始動口390、第2始動口392及び第3始動口394が「始動口」に相当し、演出表示装置115が「演出画像表示装置」に相当し、主制御基板131のROM604が「変動情報記憶手段」に相当し、大当たり遊技用大入賞口400aが「特別入賞口」に相当し、主基板600が「主制御手段」に相当し、周辺基板660が「副制御手段」に相当する。そして、本実施形態の浮遊体移動領域200が「役物浮遊空間」に相当し、浮遊体Zが「浮遊体」に相当し、ファン動作部28が「送風手段」及び「移動手段」に相当し、浮遊体駆動基板500が「浮遊体制御手段」に相当する。これらは、以下の手段でも同様である。
手段5では、送風手段により、役物浮遊空間において浮遊体を浮上させるための上昇気流が発生させられる。また、移動手段により、役物浮遊空間における上昇気流の発生位置が遊技盤に沿って左右方向へ移動させられる。役物浮遊空間は、少なくとも前方から視認できるようになっている。例えば、少なくとも前面が透明あるいは半透明のパネルで覆われているという具合である。そして、浮遊体制御手段によって、送風手段による上昇気流の風力が制御されると共に、移動手段を介し上昇気流の発生位置が制御される。その結果、浮遊体の位置が、遊技盤に沿って二次元的にコントロールされる。所定条件を満たす形状・重量の役物及びその役物に合わせた気流を用いれば、ベルヌーイの定理により、役物を上昇気流で浮上させてコントロールすることができる。このように役物としての浮遊体は、気流によって浮上して位置を変えるものとなっており、リンク機構を介さずに移動させられる。これにより、役物の動きが単調となることを抑制でき、役物を用いた演出に幅を持たせることができる。その結果、役物を用いた興趣の高い演出が実現でき、遊技の単調性の解消に寄与して、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、気流によって小さな物体を吹き飛ばすことで、例えば雪が舞い上がる様子をイメージさせるような演出を行うことも考えられる。しかし、この場合の演出は、あくまでも、雪が舞い上がるという演出でしかない。これに対し、本発明の技術思想は、上昇気流によって浮遊体の位置をコントロールするという点において大きく異なっている。浮遊体の位置をコントロールするからこそ、上述したように、演出に幅を持たせることができるのである。
手段6.手段5に記載の遊技機において、
前記送風手段は、
気流を発生させるファン部と、
前記ファン部により発生する気流を上昇気流に変える略筒状の風導部とを少なくとも有していること
を特徴とする遊技機。
ここで、本実施形態の送風ファン284が「ファン部」に相当し、風導部22が「風導部」に相当する。
手段6によれば、送風手段が、気流を発生させるファン部と、当該ファン部により発生する気流を上昇気流に変える略筒状の風導部とを少なくとも有する構成となっている。これにより、上昇気流を容易に作り出すことができ、上昇気流を発生させる構成が比較的簡単になる。
手段7.遊技領域を有し、当該遊技領域に向けて遊技球が打ち込まれる遊技盤と、
前記遊技領域に向けて遊技球を打ち込むための発射装置と、
前記発射装置による遊技球の打ち込みを指示するための操作手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
装飾図柄の変動表示を含む演出表示を行うための演出画像表示装置と、
前記変動表示のパターンである複数の変動パターンを記憶する変動情報記憶手段と、
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ困難な閉状態と当該閉状態よりも遊技球を受け入れ容易な開状態とに変化可能な特別入賞口と、
少なくとも前方から視認可能な役物浮遊空間と、
前記役物浮遊空間に浮遊させられる役物としての浮遊体と、
前記浮遊体を浮遊させるための気流を発生させるファン部及び、前記ファン部により発生する気流を上昇気流に変える略筒状の風導部を少なくとも有する送風手段と、
前記役物浮遊空間における前記送風手段による前記上昇気流の発生位置を遊技盤に沿って左右方向へ移動させる移動手段と、
前記始動口への遊技球の入球があったか否かの判断を行う始動判断手段、
前記始動判断手段により遊技球の入球が判断されることに基づき、内部的な抽選を行う抽選手段、
前記抽選手段による抽選に当選すると、前記特別入賞口の開閉動作を行う特別遊技を実行する特別遊技実行手段、
を少なくとも有する主制御手段と、
前記主制御手段に電気的に接続され、
前記抽選手段による抽選結果に応じ前記変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づく演出表示を前記演出画像表示装置に行う演出画像表示制御手段、
前記送風手段による前記上昇気流の風力を制御すると共に前記移動手段を介し前記上昇気流の発生位置を制御することにより、前記浮遊体を前記遊技盤に沿って二次元的にコントロールする浮遊体制御手段、
を少なくとも有する副制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段7では、送風手段により、役物浮遊空間において浮遊体を浮上させるための上昇気流が発生させられる。また、移動手段により、役物浮遊空間における上昇気流の発生位置が遊技盤に沿って左右方向へ移動させられる。役物浮遊空間は、少なくとも前方から視認できるようになっている。例えば、少なくとも前面が透明あるいは半透明のパネルで覆われているという具合である。そして、浮遊体制御手段によって、送風手段による上昇気流の風力が制御されると共に、移動手段を介し上昇気流の発生位置が制御される。その結果、浮遊体の位置が、遊技盤に沿って二次元的にコントロールされる。所定条件を満たす形状・重量の役物及びその役物に合わせた気流を用いれば、ベルヌーイの定理により、役物を上昇気流で浮上させてコントロールすることができる。このように役物としての浮遊体は、気流によって浮上して位置を変えるものとなっており、リンク機構を介さずに移動させられる。これにより、役物の動きが単調となることを抑制でき、役物を用いた演出に幅を持たせることができる。その結果、役物を用いた興趣の高い演出が実現でき、遊技の単調性の解消に寄与して、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、送風手段が、気流を発生させるファン部と、当該ファン部により発生する気流を上昇気流に変える略筒状の風導部とを少なくとも有する構成となっている。これにより、上昇気流を容易に作り出すことができ、気流を発生させる構成が比較的簡単になる。
手段8.手段7に記載の遊技機において、
前記風導部は、前記役物浮遊空間にて前記左右方向に連続して設けられる前記上昇気流の発生位置に対応した複数の流路を有し、
前記移動手段は、前記風導部の前記流路に合わせて前記ファン部を移動させることにより、前記上昇気流の発生位置を遊技盤に沿って左右方向へ移動させること
を特徴とする遊技機。
手段8によれば、上昇気流の発生位置に対応する風導部の流路に合わせてファン部を移動させることで、上昇気流の発生位置が遊技盤に沿って左右方向へ移動させられる。これにより、上昇気流を比較的容易に左右方向へ移動させることができる。
手段9.手段5乃至8のいずれかに記載の遊技機において、
前記移動手段は、移動量を把握可能な駆動部を有していること
を特徴とする遊技機。
手段9によれば、移動手段が移動量を把握可能な駆動部を有している。例えば、駆動部にステッピングモータを採用することが例示される。このようにすれば、上昇気流の発生位置を比較的容易に把握でき、浮遊体の左右方向への確実なコントロールが可能となる。
手段10.手段5乃至9のいずれかに記載の遊技機において、
前記役物浮遊空間は、前記浮遊体が通過不可能なメッシュ状の下板部の上方空間として形成されていること
を特徴とする遊技機。
手段10によれば、浮遊体が通過不可能なメッシュ状の下板部の上方空間として役物浮遊空間が形成されているため、常に気流を発生させて浮遊体を浮遊させる必要がなくなる。また、何らかの要因で浮遊体が気流から外れてしまった場合であっても、役物浮遊空間の下方へ浮遊体が落下してしまうことがない。
手段11.手段5乃至10のいずれかに記載の遊技機において、
前記役物浮遊空間は、前記浮遊体が通過不可能なメッシュ状の上板部の下方空間として形成されていること
を特徴とする遊技機。
手段11によれば、浮遊体が通過不可能なメッシュ状の上板部の下方空間として役物浮遊空間が形成されているため、流入した空気が外部へ抜けるようになっており、気流の乱れを抑制することができる。その結果、浮遊体のコントロールが比較的容易となる。また、何らかの要因で浮遊体が役物浮遊空間の上方まで上昇してしまうことがない。
手段12.手段5乃至11のいずれかに記載の遊技機において、
前記役物浮遊空間は、遊技領域に設けられていること
を特徴とする遊技機。
従来は、役物を動かすために例えば回動軸等の構成が必要であったため、役物の配置場所が制限されている。これに対し、本発明では、リンク機構を介さずに役物をコントロールするため、特に手段12に示すように、役物浮遊空間を遊技領域に設けるようにしてもよい。このようにすれば、遊技領域に浮遊体が浮遊することとなり、浮遊体を用いた演出が際立つ。
手段13.手段12に記載の遊技機において、
前記役物浮遊空間は、当該役物浮遊空間を通して前記演出画像表示装置における演出表示が視認可能となるよう当該演出画像表示装置の前方に設けられていること
を特徴とする遊技機。
手段13によれば、役物浮遊空間を通して演出画像表示装置における演出表示が視認可能となるよう当該演出画像表示装置の前方に役物浮遊空間が設けられているため、浮遊体が演出画像の手前を浮遊することになる。これにより、役物を用いた演出がさらに際立つ。
手段14.手段5乃至13のいずれかに記載の遊技機において、
前記浮遊体制御手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じ前記変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づき、前記役物浮遊空間における前記浮遊体の位置をコントロールすること
を特徴とする遊技機。
手段14によれば、抽選手段による抽選結果に応じ変動情報記憶手段から読み出される変動パターンに基づき、役物浮遊空間における浮遊体の位置がコントロールされる。これにより、演出表示に合わせた浮遊体のコントロールが比較的容易となる。
また、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態における演出画像表示装置は、液晶表示装置に限られず、EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、本発明を適用することができる。なお、パチスロ機への本発明の適用を考え、上記各構成にある「遊技球」を「遊技媒体」としてもよい。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、第1の表示態様、第3の表示態様および第2の表示態様を表示可能であると共に、これらのいずれの態様も非表示可能であれば、その態様は限られない。