JP3998342B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な硬化性組成物に関する。詳しくは、シーリング材等として有用な、石材周囲汚染性が低く、硬化性、耐埃付着性に優れる硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築用弾性シーリング材として加水分解性シリル基を有するポリイソブチレン(PIB)が用いられているが、しかし、この重合体の硬化物は、配合組成や硬化条件等によっては、硬化物の表面が埃等の付着により汚染され、外観を損なうという問題を持っている。この問題を解決するために、PIBの重合体に酸素硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂、あるいはこれら両方の混合物を配合し、埃付着性を改善する発明が提案されている(特開平8−41138号、特開平8−41356号、特開平8−41357号各公報参照)。
しかしながら、これらの組成物も、埃付着性を十分には改善していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、石材周囲汚染性が低く、かつ、常温で空気中の水分等により速やかに硬化して硬化物の表面が非粘着性に改善され、埃付着性が低い硬化性組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下の(i)〜(x)を提供する。
(i) (1)珪素原子に結合した水酸基または加水分解基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
(2)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.1〜30重量部のエポキシ樹脂、
(3)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.01〜20重量部の光硬化性樹脂、
(4)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.01〜30重量部のケチミンを含有し、
前記ケチミンが、ベンゾフェノン類とアミン類との反応により得られるベンゾフェノン誘導体である硬化性組成物。
(ii) 前記アミン類が、脂環族アミンである上記(i)に記載の硬化性組成物。
(iii) 前記脂環族アミンが、イソフォロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンおよびノルボルナンのジアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(ii)に記載の硬化性組成物。
(iv) 前記ベンゾフェノン類が、下記式(2)で表される上記(i)〜(iii)のいずれかに記載の硬化性組成物。
【化1】
Figure 0003998342
(式中、Yは、アルキルオキシ基、ハロゲン基およびニトロ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
(v) 前記ケチミンが、下記式(A)で表される化合物である上記(i)に記載の硬化性組成物。
【化2】
Figure 0003998342
(vi) 前記飽和炭化水素系重合体の主鎖が、イソブチレン系重合体である上記(i)〜(v)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(vii) 前記加水分解基がアルコキシ基であり、前記珪素含有基が分子末端に結合している上記(i)〜(vi)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(viii) 前記飽和炭化水素系重合体の数平均分子量が、500〜100,000である上記(i)〜(vii)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(ix) 前記光硬化性樹脂が、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類およびアジド化合物樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(i)〜(viii)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(x) 前記不飽和アクリル系化合物が、(CH 2 =CHCOOCH 2 3 CCH 2 CH 3 である上記(ix)に記載の硬化性組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物(以下、本発明の組成物と記す)は、珪素原子に結合した水酸基または加水分解基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(以下、重合体(A)と記す)に、光硬化性樹脂、エポキシ樹脂、および、ケチミンを含有する組成物である。
【0007】
〔1〕 本発明の組成物に含有される重合体(A)は、飽和炭化水素系を主鎖として、珪素原子に結合した水酸基または加水分解基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1つ有する重合体である。
重合体(A)の主鎖は、飽和炭化水素系の重合体であり、飽和炭化水素系とは芳香族炭化水素以外の炭素間の不飽和結合を実質的に含有しないものを指す。このような重合体(A)の主鎖として、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭素数2〜6のオレフィン系炭化水素を主単量体として重合させたもの;上記オレフィン系炭化水素とジエン系炭化水素とを共重合させ更に水素添加したもの;が挙げられる。
これら重合体の中で、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くしやすいという点より、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体が好ましい。
【0008】
イソブチレン系重合体は、その他の単量体として、イソブチレンと共重合する単量体を、イソブチレン系重合体の好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、含有していてもよい。このような単量体としては、例えば、炭素数4〜12のオレフィン系炭化水素、ビニルエーテル系炭化水素、ビニルシラン類、アリルシラン類が挙げられる。
【0009】
水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体に加え、上述の単量体を含有してもよい。
【0010】
また、重合体(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、ブタジエン、イソプレン等のポリエン化合物のように重合後に二重結合が残る単量体を、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、含有していてもよい。
【0011】
重合体(A)は、珪素原子に結合した水酸基または加水分解基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基(以下、反応性珪素基と記す)を少なくとも1個有する。本発明で用いられる反応性珪素基としては、例えば、下記式(1):
【化1】
Figure 0003998342
(式中、R1 、および、R2 は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または、−OSi(R- 3 (R- は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表し、R- は同一でも異なっていてもよい)を表し、R1 、R2 がそれぞれ2つ以上ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Xは、水酸基または加水分解性基を表し、2つ以上ある場合は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。pは、0〜3の整数であり、qは、0〜2の整数であり、rは、0〜19の整数である。ただし、p+rq≧1である。r個の
【化2】
Figure 0003998342
におけるqは、同一でも異なっていてもよい。)で示される基を挙げることができる。
【0012】
式(1)における加水分解性基Xとしては、水素原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;ジメチルケトキシメート基、シクロヘキシルケトキシメート基等のケトキシメート基;アミノ基;アセトアミド等のアミド基;アミノオキシ基;メルカプト基等が挙げられる。これらの中でも、加水分解性が温和で取扱い易いということから、アルコキシ基が好ましい。
【0013】
上記加水分解性基や水酸基は、1個の珪素原子に1〜3個結合することができる。
(p+rq)は、1以上であるが、1〜5であるのが好ましい。
水酸基や加水分解性基が、反応性珪素基に2個以上結合する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよい。
反応性珪素基を形成する珪素原子は、1個でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合により連結された珪素原子の場合には、20個以下であるのが好ましい。特に、下記式:
【化3】
Figure 0003998342
(式中、R2 、X、および、pは、式(1)におけるR2 、X、pと同義である。)で表される反応性珪素基が、入手容易であるので好ましい。
【0014】
反応性珪素基は、重合体(A)の1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個あるのがよい。1個未満であると、硬化性が不十分となり、良好なゴム弾性挙動を発現しがたくなる。
【0015】
反応性珪素基は、重合体(A)の分子末端に結合していてもよく、内部に存在していてもよく、また、両方に存在していてもよい。特に、分子末端に結合している場合は、最終的に形成される硬化物に含まれる重合体(A)成分の有効網目鎖量が多くなるため、強度および伸びに優れたゴム状硬化物が得られやすくなる等の点から好ましい。
これらの反応性珪素基を有する重合体(A)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
重合体(A)の分子量、特にイソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は、500〜100,000程度であるのが好ましく、特に1,000〜30,000程度の液状もしくは流動性を有するものが、取扱作業性の点から好ましい。
【0017】
重合体(A)の製造方法は、特開平8−41356号公報に詳細に記載されている。
このような重合体(A)としては、市販品を利用することもでき、例えば、鐘淵化学工業(株)製のEPION EP505S(分子量約20000)等を用いることができる。
【0018】
〔2〕 本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂は、特に限定されず、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等の任意の公知のエポキシ樹脂を用いることができ、これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を併用してもよい。このようなエポキシ樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート828等を用いることができる。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂としては、液状もしくは流動性を有するものが好ましく、常温で反応性を有するものが好ましい。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂の含有量は、前記重合体(A)100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.1重量部未満であると、埃付着性の改善が十分でなくなり、30重量部超であると硬化物の引張り特性等が損なわれるので好ましくない。
本発明の組成物に含有されるエポキシ樹脂の製造方法としては、フェノール樹脂やノボラック樹脂を、エピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンと反応させてグリシジル化する方法等の公知の製造方法が挙げられる。
また、エポキシ樹脂と同時に酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用してもよい。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩や、アミン化合物等が挙げられる。
【0019】
〔3〕 本発明の組成物に含有される光硬化性樹脂とは、光の作用により短時間で分子構造が化学変化し、硬化等の物理的変化を生じるものである。光硬化性樹脂には、有機単量体、オリゴマー、樹脂、あるいはこれらを含有する組成物等が知られており、具体的には、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂等が挙げられる。
【0020】
不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1個もしくは数個有するモノマー、オリゴマー、あるいはこれらの混合物であって、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ジメタクリレート等の単量体または分子量10000以下のオリゴエステルを挙げることができる。
【0021】
ポリケイ皮酸ビニル類としては、シンナモイル基を感光性基とする感光性樹脂が知られ、ポリビニルアルコールのケイ皮酸エステル化物等のポリケイ皮酸ビニル誘導体が挙げられる。
【0022】
アジド化樹脂としては、アジド基を感光性基とする感光性樹脂が知られ、具体的には、ジアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液等が挙げられる他、「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、第93頁〜、第106頁〜、第117頁〜)に詳細な例示がある。これらの光硬化性樹脂は、単独でも2種以上の混合物としても用いることができる。
【0023】
このような光硬化性樹脂としては、市販品を利用することができ、例えば、東亜合成化学(株)製のアロニックスM−309等が挙げられる。
【0024】
本発明の組成物に含有される光硬化性樹脂の含有量は、前記重合体(A)100重量部に対し、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。0.01重量部未満であると、光硬化の効果が少なく、20重量部超であると、硬化物の表面がひび割れたり物性への悪影響が出るので好ましくない。
【0025】
〔4〕 本発明の組成物に含有されるケチミンとは、ケトンのカルボニル基の酸素がイミノ基で置換された形の化合物、CRR’=NR''をいう。
本発明に用いられるケチミンは、ベンゾフェノン類とアミン類との反応により得られるベンゾフェノン誘導体である。
ベンゾフェノン類は、光増感性を有するケトンであり、光により励起され水素引抜き反応により遊離基を生成する。
ケチミンは、このような光増感性を有するベンゾフェノン類とアミン類との脱水縮合反応により得られる。
本発明の組成物に含有されるケチミンとしては、下記式(2)に示すベンゾフェノン類の誘導体であるケチミンが、特に好ましい。
【化4】
Figure 0003998342
式中、Yは、水酸基、メトキシ基、エトキシ基等のアルキルオキシ基、クロロ基等のハロゲン基、ニトロ基を表す。
ケトンと脱水縮合してケチミンとなるアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ラウリルアミン等の脂肪族アミン;イソフォロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ノルボルナンのジアミン化合物等の脂環族アミン;メタキシリレンジアミン等の芳香族アミン;等のエポキシ樹脂の硬化剤として用いられる公知のアミン化合物が利用可能であり、前述の重合体(A)の構造により適宜選択して用いることができる。これらの中でも、ノルボルナンのジアミン化合物は、硬化性に優れ好ましい。
このような、本発明の組成物に含有されるケチミンは、組成物中で加水分解することにより、ケトンとアミン類とになり、アミン類は、エポキシ樹脂の硬化剤として、ケトンが光増感性を有する場合は、光を吸収して遊離基を効率よく生成し、組成物中の単量体と反応して連鎖重合を開始する物質として振る舞う。光増感性を有するケトンは、脂肪族または芳香族アミン類と共存すると、光増感性を有するケトンの上述の働きの効率が、電子移動、プロトン移動の機構により向上するので好ましい。
これらのケチミンは、単独でも2種以上の混合物としても用いることができる。
【0026】
本発明の組成物に含有されるケチミンの含有量は、前記重合体(A)100重量部に対し、0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。0.01重量部未満であると、光硬化の効果が少なく、30重量部超であると、硬化物の物性が低下するので好ましくない。
【0027】
本発明の組成物は、上記の必須成分に加えて粘度、物性等を調整するために必要に応じて、硬化触媒、充填剤、可塑剤、溶剤、着色剤等を配合してもよい。
【0028】
硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート等のカルボン酸金属塩;有機錫酸化物とエステルとの反応物;テトラブチルチタネート、オルガノシロキシチタン等の有機チタン酸エステル;アミン類;アミン塩;4級アンモニウム塩;グラニジン化合物等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。これらの硬化触媒の添加量は、重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが、硬化速度の観点から好ましい。
【0029】
可塑剤としては、プロセスオイルまたは他の炭化水素類でポリマーと相溶するものであれば特に限定されるものではなく、公知各種の可塑剤が使用可能である。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル;部分水添ターフェニル等の炭化水素油;プロセスオイル類;アルキルベンゼン類等が挙げられる。中でも、プロセスオイル類を使用するのが、ポリマーとの相溶性が良好な点から好ましい。
可塑剤の添加量は、重合体(A)100重量部に対して50〜200重量部であるのが、作業性に適した粘度となるので好ましい。
【0030】
充填剤としては、例えば、通常の炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、シリカ、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、等が挙げられ、これらは、単独または混合して使用できる。
充填剤の添加量は、重合体(A)100重量部に対して、10〜300重量部であるのが、得られる本発明の組成物の物性の点から好ましい。
【0031】
溶剤には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ガソリンから灯油留分に至る石油系溶剤類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエーテルエステル等が挙げられる。
溶剤の添加量は、重合体(A)100重量部に対して0〜50重量部であるのが、作業性と体積収縮の観点から好ましい。
着色剤としては、例えば、酸化チタン、弁柄、酸化クロム等の無機顔料、銅フタロシアニンブルー等の有機顔料等が挙げられる。
【0032】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは上述の各成分を混合ミキサー等の攪拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて組成物とするのがよい。
【0033】
以上のようにして得られる本発明の組成物は、以下の特性を有する。
本発明の組成物は、含有する重合体(A)の有するシリル基が疎水性基により囲まれ、さらに高分子化されているので、石材周囲汚染性が低い。
また、本発明の組成物は、重合体(A)の反応性珪素基が常温で空気中の水分等により加水分解して架橋反応を起こすとともに、同じく含有される光硬化性樹脂が光により、エポキシ樹脂が空気中の酸素により、硬化反応を起し、さらに組成物中にケチミンを含有するので、全体として優れた硬化性を示し、硬化物の表面のタックの減少が著しい。
従って、本発明の組成物の硬化物表面の埃付着性が低い。
また、本発明の組成物に含有されるケチミンとして、光増感性を有するベンゾフェノン等のケトン誘導体を含有する組成物は、特に優れた硬化性を示し、耐埃付着性を示す。
【0034】
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
表1に示される配合量で下記の化合物を配合し、5Lプラネタリー(万能攪拌機)を用いて攪拌混合して、硬化性組成物を得た。
【0035】
実施例と比較例で得られた組成物の特性について、以下の方法により測定評価した。
1)石材周囲汚染性
組成物を製造後、石材間に塗布し、7日間、20℃で養生硬化させた。その後、屋外にて1カ月間暴露し、組成物の周囲の石材に汚染が起こっているかを観察したが、汚染は起こっていなかった。
2)表面タック性
組成物を製造後、20℃で1週間、養生硬化させた後、硬化物表面にポリエチレンテレフタレートを圧着した。表中、○は硬化物の付着がなく残留タックが無かったことを、×はあったことを示す。
3)埃付着性
組成物を製造後、屋外にて硬化させ、1カ月後、硬化物表面に埃が付着しているかを、観察し評価した。表中、○は埃が付着していなかったことを、△は埃の付着が認められたことを、×は硬化物表面の埃による汚染が著しかったことを示す。
結果を表1に示す。
【0036】
Figure 0003998342
表中、化合物の単位は重量部である。
なお、EPION150重量部のうち50重量部はプロセスオイルである。
【0037】
表中に示した、組成物製造に用いた化合物は、以下の通りである。
重合体(A):EPION(EP505S)(PIBオリゴマー;鐘淵化学工業社製、化学構造は下記式により示される)
【化5】
Figure 0003998342
エポキシ樹脂:エピコート828(油化シェルエポキシ社製)
光硬化性樹脂:アロニックスM−309(東亜合成化学(株)社製、化学構造は下記式により示される)
【化6】
Figure 0003998342
ケチミン:ベンゾフェノン誘導体ケチミン、化学構造は下記式により示される)
【化7】
Figure 0003998342
膠質炭酸カルシウム:カルファイン200(丸尾カルシウム社製)
重質炭酸カルシウム:ソフトン3200(備北粉化社製)
プロセスオイル :PAO5004(出光石油化学社製)
オクチル酸錫 :ネオスタンU−28(日東化成社製)
ラウリルアミン :ファーミン20D(花王社製)
酸化チタン :タイベークR−820(石原産業社製)
【0038】
【発明の効果】
本発明の組成物は、石材周囲汚染性を全く示さず、さらに硬化性に優れ表面タックの低減が速やかで、埃付着性が低い。従って、本発明の組成物は、シーリング材等として有用である。

Claims (10)

  1. (1)珪素原子に結合した水酸基または加水分解基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体、
    (2)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.1〜30重量部のエポキシ樹脂、
    (3)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.01〜20重量部の光硬化性樹脂、
    (4)上記飽和炭化水素系重合体100重量部に対して0.01〜30重量部のケチミンを含有し、
    前記ケチミンが、ベンゾフェノン類とアミン類との反応により得られるベンゾフェノン誘導体である硬化性組成物。
  2. 前記アミン類が、脂環族アミンである請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記脂環族アミンが、イソフォロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタンおよびノルボルナンのジアミン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ベンゾフェノン類が、下記式(2)で表される請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
    Figure 0003998342
    (式中、Yは、アルキルオキシ基、ハロゲン基およびニトロ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
  5. 前記ケチミンが、下記式(A)で表される化合物である請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 0003998342
  6. 前記飽和炭化水素系重合体の主鎖が、イソブチレン系重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 前記加水分解基がアルコキシ基であり、前記珪素含有基が分子末端に結合している請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 前記飽和炭化水素系重合体の数平均分子量が、500〜100,000である請求項1 〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記光硬化性樹脂が、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類およびアジド化合物樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 前記不飽和アクリル系化合物が、(CH 2 =CHCOOCH 2 3 CCH 2 CH 3 である請求項9に記載の硬化性組成物。
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