JPH09263607A - ポリエン、その製造方法及びそれを含有する硬化性組成物 - Google Patents

ポリエン、その製造方法及びそれを含有する硬化性組成物

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JPH09263607A
JPH09263607A JP9944296A JP9944296A JPH09263607A JP H09263607 A JPH09263607 A JP H09263607A JP 9944296 A JP9944296 A JP 9944296A JP 9944296 A JP9944296 A JP 9944296A JP H09263607 A JPH09263607 A JP H09263607A
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JP
Japan
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polyene
group
component
epoxy group
double bond
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JP9944296A
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English (en)
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Masami Shinohara
雅美 篠原
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に高強度、高伸長率のゴム状硬化物の得ら
れる室温硬化性組成物の基体樹脂として有用であり、架
橋性などに優れ、塗料、接着剤、光硬化性の樹脂として
用いられる新規なポリエン、その製造方法及びこのポリ
エンを含有する硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 数平均分子量が500〜100,000
の範囲であり、分子鎖中にエポキシ基および二重結合を
ランダムに有し、側鎖に加水分解性シリル基を有するこ
とを特徴とするポリエン(X)、および数平均分子量が
500〜100,000の範囲にあり分子鎖中に二重結
合およびエポキシ基を有しかつ1,2−ビニル基を1個
以上有するポリエン(A)と、Si−H基を有する有機
ケイ素化合物(B)とを原料とし、第8族遷移金属化合
物触媒(C)の存在下にヒドロシリル化反応を行わせる
ことを特徴とする前記ポリエン(X)の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子鎖中にエポキ
シ基、二重結合を有し、分子末端に加水分解性シリル基
を有する新規なポリエン、その製造方法及びこのポリエ
ンを含有する硬化性組成物に関する。本発明に係るポリ
エンは、特に高強度、高伸長率のゴム状硬化物の得られ
る室温硬化性組成物の基体樹脂として有用であり、架橋
性などに優れ、塗料、接着剤、光硬化性の樹脂などの用
途がある。
【0002】
【従来の技術】従来、分子末端に加水分解性シリル基を
有する液状の有機高分子としては、主鎖がポリエーテル
である重合体、又はブタジエン骨格を有するものが知ら
れている。主鎖がポリエーテルである重合体(特開昭5
0−156599号公報等)をベースとした室温硬化性
組成物は、建造物の目地部や輸送機械接合部などのシー
リング材として使用されている(特開昭52−7399
8号公報等)。
【0003】しかし、この種のものは、本質的に接着性
を有しておらず、また硬化後の強度が低いため、大きな
負荷が加わる部分には使用できないという欠点があっ
た。さらに、これらの問題点を解決するために、ベース
樹脂に加水分解性シリル基で分子末端が閉塞されたポリ
ブタジエン(特開平2−132104号公報等)が有効
であることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
状況に鑑み、架橋性に優れ、架橋密度が十分で、硬化後
に優れた強度を発揮し、塗料、接着剤、光硬化性の樹脂
などとして有用なポリエンを提供すべく鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至った。本発明の目的は、本質
的に接着性を有し、高伸長率のゴム状硬化物が得られ、
さらにその硬化物が優れた強度を発揮し、室温硬化性組
成物のベースポリマーとして有用なポリエン、その製造
方法、及びこのポリエンを含有する室温硬化性組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第一によれば、分子鎖中にエポキシ基およ
び二重結合を有し、分子末端に加水分解性シリル基を有
するポリエンが提供される。
【0006】また、本発明の第二によれば、分子鎖中に
二重結合およびエポキシ基を有するポリエン{成分
(A)}と、Si−H基を有する有機ケイ素化合物{成
分(B)}とを原料とし、第8族遷移金属化合物触媒
{成分(C)}の存在下にヒドロシリル化反応を行わせ
る前記ポリエンの製造方法が提供される。
【0007】さらに、本発明の第三によれば、分子鎖中
にエポキシ基および二重結合を有し、分子末端に加水分
解性シリル基を有するポリエンを有効成分として含む硬
化性組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の第一に係るポリエン(X)、すなわち、分子鎖
中にエポキシ基および二重結合を有し、分子末端に加水
分解性シリル基を有するポリエンは、本発明の第二によ
り、分子鎖中に二重結合およびエポキシ基を有するポリ
エン(A)、Si−H基を有する有機ケイ素化合物
(B)を原料とし、第8族遷移金属化合物触媒(C)を
触媒として、製造することができる。以下、各成分につ
き説明する。
【0009】成分(A)は、分子鎖中に二重結合および
エポキシ基を有するポリエンである。成分(A)は、本
発明のポリエン(X)を塗料、接着剤、光硬化性の樹脂
として使用した際に、優れた接着性と、硬化後に高伸長
率のゴム状硬化物としての優れた強度を発揮する機能を
果たす。二重結合およびエポキシ基を有するポリエンで
ある成分(A)の製造原料となるポリエンの具体例とし
ては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、その他分子中
にブタジエン又はイソプレン構造を有した共重合ポリエ
ン、シリコーンゴム等をいう。共重合ポリエンとして
は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、クロロプレンゴ
ム、イソブチレン−イソプレン共重合物等が挙げられ
る。中でも、ポリブタジエン又はポリイソプレンが好ま
しい。
【0010】原料ポリエンの数平均分子量は、500〜
100,000、特に1,000〜5,000の範囲の
ものが好ましい。数平均分子量が500より小さいと、
最終の塗料や硬化物において高伸長率のゴム状硬化物が
得らず、一方、数平均分子量が100,000より大き
いと、粘度が高くなりすぎて作業性が悪くなり、いずれ
も好ましくない。なお、ここで数平均分子量とは、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によ
る測定値を、標準ポリスチレンに換算した値をいう。
【0011】成分(A)は、分子鎖中にエポキシ基を有
している必要がある。上記原料ポリエンにエポキシ基を
導入するには、従来公知の方法によることができる。す
なわち、(1)原料ポリエンに、エポキシ化剤を加えて加
熱する方法、(2)原料ポリエンに、反応系でエポキシ化
剤となり得る2種の化合物を組合わせて添加して加熱す
る方法、などが挙げられる。
【0012】上記(1)の方法で使用されるエポキシ化剤
としては、例えば過酢酸、過ギ酸、過プロピオン酸、m
−クロロ過安息香酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸
等の有機過酸、t−ブチルハイドロパーオキシド、クミ
ルハイドロパーオキシド、テトラリルハイドロパーオキ
シド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド等
のハイドロパーオキシド類、過酸化水素等が挙げられ
る。上記(2)の反応系でエポキシ化剤となり得る2つの
化合物としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸などのカル
ボン酸類と、過酸化水素との組合わせが挙げられる。
【0013】このエポキシ化反応は、溶媒の不存在下に
行うこともできるが、エポキシ化剤などに不活性な溶媒
の存在下に行うのが好ましい。エポキシ化反応を行う際
に使用できる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、四
塩化炭素などのハロゲン化炭化水素が挙げられる。
【0014】上記ポリエンのエポキシ化は、ポリエンの
分子鎖中に存在する二重結合基の総てをエポキシ化する
必要はなく、エポキシ化の程度をオキシラン酸素濃度で
表すと、好ましい範囲は3〜12重量%の範囲である。
3重量%未満であると、最終的に得られる硬化性組成物
の硬化後の密着性が不十分となり、他方、12重量%を
越えるとポリエンの分子鎖中に残存する二重結合が少な
くなり、硬化不良を起こしやすくなり、いずれも好まし
くない。上記ポリエンの内部構造については、二重結合
のうち50重量%以上が1,2ビニル基であることがヒ
ドロシリル化反応性の点で好ましい。
【0015】成分(B)は、Si−H基を有する有機ケ
イ素化合物であり、一般式(I)で表される化合物をい
う。この成分(B)により導入される加水分解性シリル
基は、本発明のポリエンを塗料、接着剤、光硬化性の樹
脂として使用した際に、硬化反応速度を調節する機能を
果たす。
【0016】
【化1】
【0017】入手の容易さ、反応性、加水分解生成物の
金属への腐食性のないことから、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ヘキシルオキシ
基等の炭素数アルコキシ基、及び2−メトキシエトキシ
基が適し、硬化反応性の速さなどから、メトキシ基、エ
トキシ基が特に好ましい。従って成分(B)としては、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメ
トキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルメト
キシシラン、ジメチルエトキシシラン等が挙げられる。
【0018】成分(C)は第8遷移金属化合物であっ
て、成分(A)と成分(B)とを反応させる際の触媒の
機能を果たす。成分(C)としては、従来公知のヒドロ
シリル化用触媒が挙げることができ、特に、Pt(白
金)、Rh、Ru、Coを含む化合物が好ましい。中で
も、白金系触媒が特に好ましい。これらの遷移金属化合
物は、固体のまま使用してもよいし、アルコール類、芳
香族類、ハロゲン化炭化水素などの溶媒で希釈して使用
してもよい。
【0019】本発明に係るポリエン(X)は、エポキシ
基および1,2−ビニル基を有する成分(A)と、前記
一般式(I)で表される成分(B)とを、遷移金属化合
物成分(C)の存在下に反応させることによって製造さ
れる。反応させる際の条件は、次の通りである。まず、
モル比{成分(A)中のビニル基/成分(B)}は、
0.1〜5.0の範囲とすることが好ましい。0.1未
満では収率が著しく悪くなり、他方、5.0を越えると
目的物も高価なものになるという不利があり、いずれも
好ましくない。この中でより好ましいモル比は、0.3
〜3.0の範囲である。
【0020】反応を行う際には、溶媒を使用することが
できる。使用できる溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、等の芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類などが挙げられる。反応
温度、反応時間など、原料にモル比、溶媒の有無・種
類、触媒の種類・量などによって変わるが、30〜15
0℃の温度範囲で、0.5〜20時間の間で選ぶのが好
ましい。
【0021】反応方法としては、(1)反応槽に原料の成
分(A)、成分(B)及び成分(C)を一括して仕込ん
で反応させる方法、(2)反応槽に成分(B)と成分
(C)との両者を仕込んでおき、ここに成分(A)を滴
下して反応させる方法、又は、(3)成分(A)と成分
(C)との両者を仕込んでおき、ここに成分(B)を滴
下して反応させる方法等が挙げられる。これら3つの反
応方法の中では、(3)の方法が好ましい。
【0022】上記のヒドロシリル化反応によって得られ
たポリエンは、1H−NMR分析法により、分子鎖中の
エポキシ基、二重結合を有無、二重結合の種類(1,2
−ビニル基)、分子末端の加水分解性シリル基の有無を
確認することができる。また、エポキシの程度はオキシ
ラン酸素濃度を測定することにより、確認することがで
きる。
【0023】本発明の第一に係るポリエン(X)は、硬
化性組成物の用途に好適に使用される。この用途に使用
される際には、用途により種々の割合で無機質充填剤
(D)や硬化触媒(E)が配合される。
【0024】無機質充填剤{成分(D)}は、硬化性組
成物に適度な非流動性や補強性を付与する成分である。
この成分(D)の具体例としては、煙霧質シリカ、沈澱
シリカ、粉砕シリカ、ケイソウ土、炭酸カルシウム、酸
化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、タ
ルク、クレーなどが例示される。このような成分(D)
の使用量は、ポリエン成分{(X)}100重量部に対
して3〜300重量部、好ましくは5〜200重量部の
範囲で選ばれる。成分(D)の配合量が3重量部より少
ないと、非流動性や補強性が得られず、300重量部よ
り多いと、組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する
ことになり、いずれも好ましくない。
【0025】本発明の硬化性組成物で使用される硬化触
媒{成分(E)}としては、例えば、オクチル酸スズな
どのカルボン酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブ
チルスズジマレエート、ジブチルスズフタレート等の有
機スズカルボン酸塩、有機スズ酸化物、及びそのエステ
ルとの反応物、テトラブチルチタネートのような有機チ
タン酸エステル、アミン塩、4級アンモニウム塩、グア
ニジン化合物等が挙げられる。成分(E)の配合量は、
ポリエン(X)100重量部に対して0.001〜20
重量部の範囲とするのが好ましい。0.001重量部未
満であると硬化反応が遅すぎ、20重量部を越えると無
意味であるばかりでなく、滲出したり析出してしまう恐
れがあり、いずれも好ましくない。
【0026】本発明の硬化性組成物は、優れた接着性を
有しているために、通常使用の際には、接着性付与のた
めのシランカップリング剤を使用する必要はない。しか
し、さらに補強するためにこれらを用いたり、又は一液
型で長時間保存可能にすることを目的として、それらを
含めた加水分解性シランを添加することができる。この
際添加できる加水分解性シランとしては、次の様な化合
物が挙げられる。これら化合物は、単独でも2種類以上
の混合物であってもよい。
【0027】
【化2】
【0028】一液型での長期間の保存安定性を向上させ
るためには、上記(X)成分と(D)成分とからなる組
成物に、メタノールやエタノールのような1価の第1級
アルコールを添加することもできる。また、本発明の硬
化性組成物には、水添ヒマシ油のようなチクソトロピッ
ク性付与剤や、オクチルフタレート、ブチルベンジルフ
タレート、塩素化パラフィンのような可塑剤、染料、顔
料などの着色剤などを添加することもできる。本発明の
硬化性組成物は、前述のような一液型で用いることがで
き、また、(X)成分と(D)成分とからなる成分と、
(E)成分との二成分に分けて保存し、使用前に両者を
混合する二液型とすることもできる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の
記載例に限定されるものではない。なお、実施例、比較
例中にある部というのは重量部を意味する。
【0030】[実施例1]攪拌機、冷却管、温度計、加
熱ジャケット、滴下ロートを装備した容量2リッターの
フラスコに、窒素雰囲気下、数平均分子量が2850、
水素末端であるポリブタジエン(日本石油化学(株)製
「B−1500」)300g、酢酸エチル150gを仕
込んだ。窒素雰囲気下、フラスコ内容物を攪拌し、反応
温度を40℃に維持しながら、滴下ロートで過酢酸/酢
酸エチル溶液(過酢酸濃度:29.5%)655gをフ
ラスコに滴下し、ポリブタジエンのエポキシ化反応を行
った。
【0031】反応終了後、反応生成物を450gの水で
4回水洗を行った後、エバポレーターで70℃/5〜1
0Torrで減圧濃縮を行い、反応生成物中に含まれる
溶剤、少量の水を除去した。生成物の重量は313.5
gであり、このものについて各種分析を行った結果、オ
キシラン酸素濃度8.15重量%、酸価0.77KOH
mg/gのエポキシ基含有ポリブタジエンであることが
分かった。
【0032】次に、ジムロート式冷却器、温度計、滴下
ロートを備えた容量1リットルのフラスコに、上記の方
法で得られたエポキシ化ポリブタジエン100g、トル
エン100g、塩化白金酸1%含有ブタノール溶液0.
56g(1.0×10-5モル)とを仕込んだ。窒素雰囲
気下、フラスコ内容物を攪拌し、内温を60℃に昇温
し、この温度に維持しながら、フラスコにトリメトキシ
シラン130.8g(1.072モル)をゆっくりと滴
下した。内温を60℃で3時間維持した後、低沸点物を
減圧蒸留によって除去し、202.5gの生成物を得
た。
【0033】得られた生成物は、1H−NMR分析法に
よる分析の結果、エポキシ基含有ポリブタジエン中の
4.9ppm〜5.1ppm付近の1,2−ビニル基に
由来するピークが消失し、3.6ppm付近のメトキシ
基に由来するピークが生成していることより、目的物で
ある、分子鎖中にエポキシ基、二重結合を有し、加水分
解性シリル基を有するポリエン(P−1)が生成してい
ることが確認された。
【0034】[実施例2]攪拌機、冷却管、温度計、加
熱ジャケット、滴下ロートを装備した容量2リットルの
フラスコに、窒素雰囲気下、数平均分子量が2850、
水素末端であるポリブタジエン(日本石油化学(株)製
「B−100」0)300g、酢酸エチル150gを仕
込んだ。窒素雰囲気下、フラスコ内容物を攪拌し、反応
温度を40℃に維持しながら、滴下ロートで過酢酸/酢
酸エチル溶液(過酢酸濃度:29.5%)748gをフ
ラスコに滴下し、ポリブタジエンのエポキシ化反応を行
った。
【0035】反応終了後、反応生成物を450gの水で
4回水洗を行った後、エバポレーターで70℃/5〜1
0Torrで減圧濃縮を行い、反応生成物中に含まれる
溶剤、少量の水を除去した。生成物の重量は333gで
あり、このものについて各種分析を行った結果、オキシ
ラン酸素濃度9.40%、酸価1.18KOHmg/g
のエポキシ基含有ポリブタジエンであることが分かっ
た。
【0036】次に、ジムロート式冷却器、温度計、滴下
ロートを備えた容量1リットルのフラスコに、上記の方
法で得られたエポキシ化ポリブタジエン100g、トル
エン100g、塩化白金酸1%含有ブタノール溶液0.
56g(1.0×10-5モル)とを仕込んだ。窒素雰囲
気下、フラスコ内容物を攪拌し、内温を60℃に昇温
し、この温度に維持しながら、フラスコにトリメトキシ
シラン130.2g(1.067モル)をゆっくりと滴
下した。内温を60℃で3時間維持した後、低沸点物を
減圧蒸留によって除去し、193gの生成物を得た。
【0037】得られた生成物は、1H−NMR分析法に
よる分析の結果、エポキシ基含有ポリブタジエン中の
4.9ppm〜5.1ppm付近の1,2−ビニル基に
由来するピークが消失し、3.6ppm付近のメトキシ
基に由来するピークが生成していることより、目的物で
ある、分子鎖中にエポキシ基、二重結合を有し、加水分
解性シリル基を有するポリエン(P−2)が生成してい
ることが確認された。
【0038】[比較例1]攪拌機、冷却管、温度計、加
熱ジャケット、滴下ロートを装備した容量2リットルの
フラスコに、窒素雰囲気下、数平均分子量が1100、
末端グリシジル基で閉塞されたポリブタジエン550
g、n−ブチルアミン73g、及びメタノ−ル55gを
加え、窒素雰囲気下、60℃で加熱攪拌した。17時間
加熱攪拌後、1H−NMR分析によりエポキシ基に由来
する2.7ppm付近のピークが消失した。次に、γ−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン221g
を加え、10時間加熱攪拌した。 1H−NMR分析によ
りエポキシ基に由来するピークが消失していることが確
認されたため、反応を終了し、脱低沸を行い、末端が加
水分解性シリル基で閉塞されたポリブタジエン(P−
3)を得た。
【0039】[実施例3〜4、比較例2]上記の実施例
1〜2及び比較例1で得られたポリマ−(P−1)ない
し(P−3)を各100部と、表−1に示す種類、量の
充填材、無機顔料、及びチクソトロピック性付与剤を各
所定量秤量した。この秤量物を、3本のロールよりなる
ロール混合機上で均一に混合させ、さらに表−1に示す
種類、量のスズ化合物(硬化触媒)を加え混合し、3種
類の試料を調製した。次に調製した試料を、各々2mm
厚のシート状に硬化させ、さらに14日間常温で養生し
た後、硬化シートからJIS2号ダンベル試験片を打ち
抜き、この試験片につき引張試験を行った。原料の種類
・配合量(重量部)、評価結果を、表−1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】なお、物性の評価方法は、以下に記載の方
法で行ったものである。 (1)硬さ:JIS−K5400に準拠して測定した。 (2)引張強さ:JIS−K5400 8.8に準拠して
測定した。測定値の単位は、Kgf/cm2である。 (3)伸び率(%):JIS−K5400 8.8に準拠
して測定した。
【0042】表−1より、次のことが明らかになる。 1.本発明に係るポリエン(X)を有効成分として含む
硬化性組成物は、常温での養生のみで、十分に優れた物
性(硬度、引張強さ、伸び率)の製品が得られる(実施
例3〜実施例4参照)。 2.これに対して、本発明の要件を満たさないポリブタ
ジエンを有効成分として含む硬化性組成物は、十分に優
れた物性を発揮しない(比較例2参照)。
【0043】<硬化組成物の接着試験>ガラス(厚さ3
mm)、アルミニウム板(厚さ1.6mm)、及び塩化
ビニル鋼板(鋼厚さ1.6mm、塩化ビニル0.1m
m)を準備し、それぞれ25mm×80mmの大きさの
試験片を作成し、実施例1〜2及び比較例1で得られた
ポリマーP−1ないしP−3を、これら試験片の一片に
厚さ2mm、長さ20mmに亘って塗布し、この塗布面
に他の試験片の端部を、二片が直線を形成するように重
ね合わせて接着し、接着面に1kg/cm2の荷重を負
荷し、室温で8時間放置して養生した。得られた、試験
片につき次に記載の試験法でせん断接着力を測定した。
【0044】(4)せん断接着力:JIS−K6850に
準拠して測定した。
【0045】
【表2】
【0046】表−2より、次のことが明らかになる。 (1)本発明に係るポリエン(X)を有効成分として含む
硬化性組成物は、常温での養生のみで、十分に優れた接
着強度を発揮する(実施例3〜実施例4参照)。 (2)これに対して、本発明の要件を満たさないポリブタ
ジエンを有効成分として含む硬化性組成物は、十分に優
れた接着強度を発揮しない(比較例2参照)。
【0047】
【発明の効果】本発明は、次のような有利な効果を奏
し、その産業上の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係るポリエン(X)は、分子鎖中に不飽和
二重結合成分、反応性エポキシ基、側鎖に加水分解性シ
リル基を有することによって、本質的に接着性を有し、
高伸長率のゴム状硬化物が得られ、さらにその硬化物が
優れた強度を発揮するなど、独特の性能を有し、プライ
マーなどの表面処理剤、接着剤、塗料などへの添加剤、
又はシーリング材を得ることができる。 2.本発明に係る硬化性組成物は、接着性付与のための
シランカップリング剤を使用しなくても、室温で速やか
に硬化反応を起こし、優れた強度を発揮する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が500〜100,000
    の範囲であり、分子鎖中にエポキシ基および二重結合を
    ランダムに有し、側鎖に加水分解性シリル基を有するこ
    とを特徴とするポリエン(X)。
  2. 【請求項2】 主鎖がポリブタジエンに由来するもので
    あることを特徴とする請求項1記載のポリエン(X)。
  3. 【請求項3】 主鎖がポリイソプレンに由来するもので
    あることを特徴とする請求項1記載のポリエン(X)。
  4. 【請求項4】 オキシラン酸素濃度が3〜12重量%の
    範囲であることを特徴とする請求項1記載のポリエン
    (X)。
  5. 【請求項5】 数平均分子量が500〜100,000
    の範囲にあり分子鎖中に二重結合およびエポキシ基を有
    しかつ1,2−ビニル基を1個以上有するポリエン
    (A)と、Si−H基を有する有機ケイ素化合物(B)
    とを原料とし、第8族遷移金属化合物触媒(C)の存在
    下にヒドロシリル化反応を行わせることを特徴とする請
    求項1記載のポリエン(X)の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエン(A)が、ポリブタジエン又は
    ポリイソプレンにエポキシ基を導入したものであること
    を特徴とする請求項5記載のポリエン(X)の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 ポリエン(A)のオキシラン酸素濃度が
    3〜12重量%の範囲であることを特徴とする請求項5
    記載のポリエン(X)の製造方法。
  8. 【請求項8】 第8族遷移金属化合物触媒(C)が白金
    系触媒であることを特徴とする請求項5記載のポリエン
    (X)の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のポリエン(X)を有効成
    分として含むことを特徴とする硬化性組成物(Y)。
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