JP2000273126A - アルコキシシリル基含有ジエン共重合体、及び該重合体を含んでなる組成物 - Google Patents

アルコキシシリル基含有ジエン共重合体、及び該重合体を含んでなる組成物

Info

Publication number
JP2000273126A
JP2000273126A JP2000006211A JP2000006211A JP2000273126A JP 2000273126 A JP2000273126 A JP 2000273126A JP 2000006211 A JP2000006211 A JP 2000006211A JP 2000006211 A JP2000006211 A JP 2000006211A JP 2000273126 A JP2000273126 A JP 2000273126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hydrogen atom
carbon atoms
substituted
less carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000006211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3452519B2 (ja
Inventor
Eunkyoung Kim
銀慶 金
Kyoshuku Cho
亨淑 趙
Eihitsu Kin
栄必 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
Original Assignee
Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT filed Critical Korea Research Institute of Chemical Technology KRICT
Publication of JP2000273126A publication Critical patent/JP2000273126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3452519B2 publication Critical patent/JP3452519B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F36/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • C08F36/14Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated containing elements other than carbon and hydrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/42Introducing metal atoms or metal-containing groups
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82BNANOSTRUCTURES FORMED BY MANIPULATION OF INDIVIDUAL ATOMS, MOLECULES, OR LIMITED COLLECTIONS OF ATOMS OR MOLECULES AS DISCRETE UNITS; MANUFACTURE OR TREATMENT THEREOF
    • B82B3/00Manufacture or treatment of nanostructures by manipulation of individual atoms or molecules, or limited collections of atoms or molecules as discrete units
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/25Incorporating silicon atoms into the molecule
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた物性を有するアルコキシシリル基含有
ジエン共重合体、該共重合体の製造方法等、を提供す
る。 【解決手段】 本発明にかかるアルコキシシリル基含有
ジエン共重合体は、エポキシ基またはヒドロキシ基が導
入されたジエン共重合体とアルコキシシランとを反応さ
せることで製造される。このアルコキシシリル基含有ジ
エン共重合体は、有機溶媒に対する溶解度が高く、低温
硬化が可能である。加えて、反応性シリル基としてのア
ルコキシシリル基を含有しているため、カップリング剤
との反応性が高く、無機充填材との相溶性にも優れてい
る。それ故、上記のアルコキシシリル基含有ジエン共重
合体を含んでなる組成物は、例えば、ゴム複合体等の原
料として好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシシラン
で置換されたジエン共重合体(アルコキシシリル基が導
入されたジエン共重合体、すなわちアルコキシシリル基
含有ジエン共重合体)、該共重合体を含んでなる組成
物、及び該共重合体の製造方法に関するものである。さ
らには、上記の共重合体または組成物を加工してなる加
工物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高分子材料の物性、例えば、その耐熱
性、耐摩耗性、接着性、並びに相溶性等を改善するため
に、1)他の共単量体との間で共重合体(ブロック共重
合体、グラフト共重合体等も含む)を形成させる方法
や、2)他の作用基を重合体に導入する方法等の化学的
改質法を用いて、相異なる構造単位が含まれてなる高分
子材料を提供する技術が開発されてきた。
【0003】このようにして得られる改質された高分子
材料(ここでは熱可塑性エラストマーを例に挙げる)
は、弾性等の機械的特性には優れており、例えば、タイ
ヤ、履き物、パッキング部材、ホース、シート、及び衝
撃吸収/防震材(耐震材)等の材料として、並びに、添
加剤等として、様々な分野で使用される。しかし、上記
の熱可塑性エラストマーでは、改質処理が原因となって
耐熱性や強度等の機械的特性に関しては低下するという
問題を有していた。このような問題を補完するために、
有機素材である高分子素材(例えば、上記の重合体や共
重合体を指す)に、例えばシリカ(二酸化ケイ素)やガ
ラス繊維のような無機素材を配合してなる有機−無機混
成素材(複合高分子材料の一例)を開発する方向で研究
が進められてきた。
【0004】これと関連して、韓国特許公開第95−0
00784号公報には、ポリスチレン樹脂にポリジメチ
ルシロキサンを添加してなる複合高分子材料に関し開示
されている。また、韓国特許公開第94−019797
号公報には、スチレン系重合体にポリジメチルシロキサ
ンを分散させてなるスチレン系樹脂組成物を用いて、耐
摩耗性、耐寒性、及び耐衝撃性とが著しく向上された複
合高分子材料が得られる点につき開示されている。ま
た、韓国特許公告第96−001622号公報により、
(a)官能基を有しないスチレン系重合体100重量
部、(b)エポキシ基を有するスチレン系重合体0.0
1〜30重量部、並びに、(c)シラン化合物またはチ
タン化合物で表面処理された無機充填剤1〜550重量
部、を含んでなるスチレン系樹脂組成物が公知となって
いる。しかし、上記ポリジメチルシロキサンやシラン化
合物等が分散されてなる有機高分子樹脂複合体(複合高
分子材料)はいずれも、1)ポリジメチルシロキサンや
シラン化合物等と、ポリスチレン樹脂やスチレン系重合
体(有機高分子樹脂、有機素材)との間に共有結合が形
成されないので相分離が起きやすいという問題が発生し
た。加えて、2)上記のシラン化合物自体に極性基また
は親水性基がない場合、該化合物により表面処理がなさ
れた上記無機充填剤を添加しても、有機素材に対するそ
の親和力が低く相溶性が低下するという問題が発生し
た。
【0005】すなわち、有機−無機混成素材等の複合高
分子材料を開発するためには、これをなす異種の構成物
相互の混和性を増進させる必要がある。そして、混和性
を増進させるためには通常、反応が容易な有機素材に対
する化学的改質が行われる。例えば、韓国特許公開第9
5−704405号公報にはリビングポリマーブロック
(有機素材)の末端に、ヘキサメチルクロロトリシロキ
サンを重合させる例が開示されている。この場合、ポリ
ジメチルシロキサンと有機素材との間の相分離の問題は
多少解決されるが、上述した発明と同様に、ポリジメチ
ルシロキサン自体には作用基に該当する極性基または親
水性基がないので、無機充填剤との親和力が低く相溶性
が低下するという問題は依然解決されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、極性を有する
含ケイ素化合物またはシラノール基(silanol group :
すなわちシラノール系水酸基)がジエンポリマー(diene
polymers)に導入された形態のゴム複合体(高分子材
料)に関する研究が近年関心を集めている。その一例と
して、高岸等(Takagishi、 etc. : 日本国公開特許公
報、特開平9−208632号公報( JP09208632A2
):公開日1997年8月12日)は、ブタジエン、
スチレンのようなビニル誘導体混合物と、γ- メタクリ
ルオキシプロピルトリプロポキシシラン(g-methacrylox
ypropyltripropoxysilane)のようなSi含有ビニル単量
体(含ケイ素化合物)とを重合させる方法を開示してい
る。また、ヨーロッパ特許公開第786493号公報に
は、ラバウゼ(Labauze) とゲラルド(Gerard)とにより、
末端Si−OH基(terminal SiOH group) または−OH
(水酸基すなわちヒドロキシル基)で終結されるシロキ
サンブロックを有するジエン重合体に、DR6 Si(O
7 3-p (R8 p で表されるアルコキシシラン(式
中R6 〜R8 は、アルキル基、アリール基またはアラル
キル基を表す;Dは、アミン、ポリアミン、またはイミ
ノ基を表す; p は、0〜2の整数を表す)を配合してな
る組成物が、優秀な履歴特性(hysteresis properties)
および加硫性(S-vulcanizable)を有し、特にタイヤ製造
に有用な組成物であるとして開示されている。しかし末
端Si−OH基またはアルコキシル基で終結されたシロ
キサン(alkoxy-terminated siloxane)ブロックを有する
ジエン重合体は、ゲル化が起きやすいため保存安全性が
低く、工業的利用上の問題点となっていた。
【0007】そこで、アルコキシシリル基のような極性
を有するケイ素含有基を含有し、例えば、シリカまたは
伝導性カーボンのような無機充填剤と相溶可能であると
ともに、保存安全性にも優れた新規なジエン共重合体の
開発が切実に要求されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記説明の問題点を解決
するために、本発明者等は、極性を有するケイ素含有基
が導入されてなるジエン共重合体、及びこれを製造する
方法に関して研究を行い、例えば、1)ジエン共重合体
のブロックをエポキシ化し、これを例えばアミノ基を有
するシラン化合物と反応させる方法、または、2)エポ
キシ化されたジエン共重合体と水とを反応(水化)させ
た後、さらに反応性シラン化合物と反応させる方法、等
により、上記のケイ素含有基(すなわちアルコキシシリ
ル基)が導入されてなる新規なジエン共重合体が製造さ
れることを発見して本発明を完成するに至った。
【0009】また、上記の新規なジエン共重合体に、例
えば、シリカ、アルコキシシランまたはこれらの誘導
体、及びその他添加剤を添加してなる組成物は、白色ま
たは有色タイヤ製造に有用であり、特に、電気伝導性カ
ーボンまたはカーボン繊維などと混合されると導電性ゴ
ム複合体として応用可能なことが判明した。特に、基板
またはモールド上に上記組成物を塗布して、これを室温
を超える温度、より好ましくは常温(ここでは20℃を
指す)〜170℃の範囲内の温度で加工(加熱処理)す
ると、有機・無機混成複合体;無機粒子が充填された複
合体薄膜;または成形品(加工物と総称する);が得ら
れることを発見して本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明にかかるアルコキシシリ
ル基含有ジエン共重合体は、上記の課題を解決するため
に、上記一般式(1)で表される化学構造を有すること
を特徴としている。
【0011】また、本発明にかかる他のアルコキシシリ
ル基含有ジエン共重合体は、上記の課題を解決するため
に、上記一般式(7)、一般式(8)で表される構造単
位の双方を繰り返し単位として含んでなることを特徴と
している。
【0012】本発明にかかるアルコキシシリル基含有ジ
エン共重合体の製造方法は、上記の課題を解決するため
に、上記一般式(2)または一般式(3)で表されるジ
エン共重合体の少なくとも一方と、上記一般式(4)で
表されるアルコキシシランとを反応させる工程を含んで
なることを特徴としている。
【0013】本発明にかかる組成物は、上記の課題を解
決するために、上記のアルコキシシリル基含有ジエン共
重合体(Aと称する)と、アルキレングリコール、クロ
ロホルム、ヘキサン、アセトン、アセトニトリル、炭素
数10以下の低級アルコール類、炭素数10以下のケト
ン類、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムアミ
ド、水、ジメチルスルホキシド、スルホラン、トルエ
ン、キシレン、3−ニトロ−α,α,α−トリフルオロ
ベンゼン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレ
ン、クロロナフタレン、ジフェニルエタン、キノリン、
ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、1,2,3−ト
リクロロプロパン、プロピレンカーボネート、下記一般
式(2)または一般式(3)で表されるジエン共重合
体、ジエン重合体、ポリビニルアルコール、ポリオレフ
ィン、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメチルメタアクリル酸エステル及びポリウレタンより
なる群から選択される1種類または2種類以上の化合物
(Bと称する)とを、質量比にして(A):(B)が
1:99〜95:5の範囲内となるように含んでなるこ
とを特徴としている。
【0014】本発明にかかる組成物は、上記の課題を解
決するために、さらに、アセチレンブラック、炭素短繊
維(SCF) 、カーボンブラック、シリカ、テトラアルコキ
シシラン、チタンアルコキシド、ガラス繊維、LiCoO2
LiMn2O4 、硫黄、上記一般式(5)または(6)で表さ
れるアルコキシシラン誘導体、電気伝導性高分子、カッ
プリング剤、アルコキシシラン変性強化カーボンブラッ
ク、増粘剤、硬化剤、酸化防止剤、顔料、染料及び液体
電解質よりなる群から選択される1種類または2種類以
上の添加物が添加されてなることを特徴としている。
【0015】本発明にかかる加工物は、上記の課題を解
決するために、上記のアルコキシシリル基含有ジエン共
重合体を、室温〜170℃の範囲内の温度で加工するこ
とにより得られることを特徴としている。
【0016】本発明にかかる加工物はまた、上記の課題
を解決するために、上記の組成物を室温〜170℃の範
囲内の温度で加工することにより得られることを特徴と
している。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明にかかるアルコキシシリル
基含有ジエン共重合体とは、例えば、ジエン共重合体と
アルコキシシランとを反応させることにより、アルコキ
シシリル基が導入されてなる下記一般式(1)
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R1 、R2 、R3 は、互いに独立
して水素原子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アル
キル基、または、その水素原子が置換されていてもよい
フェニル基であり、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 は、
互いに独立して水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル
基、炭素数10以下の低級アルキル基、その水素原子が
置換されていてもよいフェニル基、炭素数10以下のエ
ーテル基、炭素数10以下のエステル基、または、ビニ
ル基またはアクリロイル基の少なくとも一方により水素
原子が置換されてなるアルキル基であり、R9 は、E
[(C(R102n (R9 において、EはCOまたは
CONHCOであり、R10は、水素原子、フルオロ基、
炭素数10以下の低級アルキル基、または、その水素原
子が置換されていてもよいフェニル基であり、n は0〜
10の整数である)であり、x は0以上の整数であり、
y およびz は1以上の整数であり、m は0〜2の整数で
ある)で表される化学構造を有する新規なジエン共重合
体を指すものとする。尚、上記一般式(1)においてア
ルコキシシリル基とは、酸素原子に結合されてなる、
(R2 m SiR9 (OR3 3-m 部分を指すものとす
る。また、ジエン二重結合を有する構造単位部分(yブ
ロックと称する)は、その二重結合に水素添加がなされ
てCH2CH(R5)CH(R6)CH2で表される化学構造となっている
ものが一部含有されていても良い。
【0020】上記一般式(1)で表されるアルコキシシ
リル基含有ジエン共重合体の製造方法は特に限定される
ものではないが、具体的には、例えば、下記一般式
(2)または一般式(3)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R1 は、水素原子、フルオロ基、
炭素数10以下の低級アルキル基、または、その水素原
子が置換されていてもよいフェニル基であり、R4 、R
5、R6 、R7 、R8 は、互いに独立して水素原子、ハ
ロゲン基、ヒドロキシル基、炭素数10以下の低級アル
キル基、その水素原子が置換されていてもよいフェニル
基、炭素数10以下のエーテル基、炭素数10以下のエ
ステル基、または、ビニル基またはアクリロイル基の少
なくとも一方により水素原子が置換されてなるアルキル
基であり、x は0以上の整数であり、y およびzは1以
上の整数である)で表されるジエン共重合体の少なくと
も一方と、下記一般式(4) (R2 m Si(OR3 3-m [(C(R102 n 11・・・・ (4) (式中、R2 、R3 、R10は、互いに独立して水素原
子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、ま
たは、その水素原子が置換されていてもよいフェニル基
であり、R11は、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ビニル
基、アクリロイル基、カルボキシル基、イソシアネート
基、またはアミノ基であり、m は0〜2の整数であり、
n は0〜10の整数である)で表されるアルコキシシラ
ン(シラン化合物)とを反応させることで製造すること
ができる。
【0023】上記アルコキシシリル基含有ジエン共重合
体は、例えば、有機溶媒に対する溶解性及び保存安全性
に共に優れており、加えて、基板等に対する接着性にも
優れている。さらに、保存安定性に優れているので、常
温で長期間保管してもゲル化が起きる虞がない。
【0024】すなわち、本発明にかかるアルコキシシリ
ル基含有ジエン共重合体は、有機溶媒に対する溶解度が
高く、かつ、保存安定性に優れた、アルコキシシランで
改質されたジエン共重合体であり、以下にも説明するよ
うに、極性を有するケイ素含有基(アルコキシシリル
基)が導入された上記ジエン共重合体を含む有機・無機
ハイブリッド(有機−無機複合)組成物は、例えば、白
色・有色ゴム組成物や導電性ゴム組成物等として、好適
に使用可能である。
【0025】ジエン二重結合の1〜70%に酸素が付加
されてエポキシ基となったジエン共重合体(例えば、上
記一般式(2)で示される共重合体)の製造方法は公知
であり、例えば、過酸化水素や3−クロロペルオキシ安
息香酸(3-chloro peroxybenzoic acid) などの過酸化物
と、ジエン共重合体とを反応させて製造する方法等を挙
げることができる(PCT国際出願公開第970229
6号公報;PCT国際出願公開第9828338号公
報;日本特公平10−001564号公報;Polymer.19
87.28.1977、等参照) 。
【0026】ジエン二重結合の一部に対してヒドロキシ
ル基が導入されたジエン共重合体(例えば、上記一般式
(3)で示される共重合体)の製造方法も公知であり、
例えば、上記一般式(2)で示される共重合体を有機溶
媒に溶解させた後、これをLiAlH4 のような金属水
素化物 (metal hydride)により還元することで製造する
方法、等を挙げることができる(Polymer.1987.28.1977
、等参照) 。
【0027】本発明にかかる組成物とは、上記アルコキ
シシリル基含有ジエン共重合体を含んでなる組成物のこ
とを指す。
【0028】本発明の組成物は、より具体的には、
(A)上記一般式(1)で表されるアルコキシシリル基
含有ジエン共重合体と、(B)アルキレングリコール、
クロロホルム、ヘキサン、アセトン、アセトニトリル、
炭素数10以下の低級アルコール類、炭素数10以下の
ケトン類、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホルムア
ミド、水、ジメチルスルホキシド、スルホラン、トルエ
ン、キシレン、3−ニトロ−α,α,α−トリフルオロ
ベンゼン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレ
ン、クロロナフタレン、ジフェニルエタン、キノリン、
ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、1,2,3−ト
リクロロプロパン、プロピレンカーボネート、等の溶
媒;上記一般式(2)または一般式(3)で表されるジ
エン共重合体、ジエン重合体、ポリビニルアルコール、
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニルブチラー
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリル酸
エステル(ポリアクリレート)、ポリメチルメタアクリ
ル酸エステル及びポリウレタン、等の重合体(樹脂);
よりなる群から選択される1種類または2種類以上の化
合物とを、質量比にして(A):(B)が1:99〜9
5:5の範囲内となるように含んでなるものである。
【0029】上記組成物にはさらに、シリカ、電気伝導
性カーボン及び/またはカップリング剤などの添加物を
混合することもできる。
【0030】上記添加物の例として、具体的には、例え
ば、アセチレンブラック;炭素短繊維(short carbon fi
ber : SCF);カーボンブラック;シリカ;テトラアルコ
キシシラン;チタンアルコキシド;ガラス繊維;LiCo
O2;LiMn2O4 ;硫黄;下記一般式(5)または(6) (R1O) m1 Si(R2)3-m1 -R3-(R4O) m2 Si(R5)3-m2 ・・・・(5) (RO) k Si(R')4-k ・・・・(6) (式中、R1 、R4 は、互いに独立に水素原子、フルオ
ロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、または、その
水素原子が置換されていてもよいフェニル基であり、R
2 、R5 は、互いに独立に水素原子、ハロゲン基、ヒド
ロキシル基、炭素数10以下の低級アルキル基、その水
素原子が置換されていてもよいフェニル基、炭素数10
以下のエーテル基、炭素数10以下のエステル基、また
は、ビニル基またはアクリロイル基の少なくとも一方に
より水素原子が置換されてなるアルキル基であり、R3
は、E[(C(R6 2 n1(R3 において、EはCO
またはCONHCOであり、R6 は水素原子、フルオロ
基、炭素数10以下の低級アルキル基、または、その水
素原子が置換されていてもよいフェニル基であり、n1
は0〜10の整数である)であり、Rはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、またはブチル基であり、R’はアル
キレン基であり、m1、m2は互いに独立に0〜2の整
数であり、k は0〜4の整数である)で表されるアルコ
キシシラン誘導体;ポリアニリン、ポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリアセチレン、等の電気伝導性高分子;
カップリング剤;アルコキシシラン変性強化カーボンブ
ラック(alkoxysilane modified reinforcing carbon bl
ack);増粘剤;硬化剤;酸化防止剤;顔料;染料;液体
電解質;等を挙げることができる。これらの添加物は、
1種類のみを用いてもよく、必要に応じて2種類以上を
同時に用いてもよい。
【0031】尚、上記のカップリング剤とは、具体的に
は、例えば、T(CH2) b X(CH2X)2[(CH2) b G]( 以下、T
(CH2) b X(CH2X) 2[(CH2)b 、をQ で示す) ; Q2S d ; X
(CH2) a (CH2) c G( 以下、 X(CH2) a (CH2) c をQ1で
示す); Q12S d; QS d Q1 ; または('RO)3Si(CH2) a S
d R " e −Z ; 等を指す。上記式で、 Xは-OH 、アミノまたはカルボキ
シル基であり、T は-Hまたは-OH であり、G は- OH、 -
SH、 -CN、エポキシ基、アリル基、ビニル基、ジチオカ
ルバミン酸塩(dithiocarbamate) 基またはベンゾチアゾ
リル(benzothiazolyl)基であり、’Rはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、またはブチル基であり、R”はアル
キレン基であり、bとeとは互いに独立に0〜6の整数
であり、dは1〜6の整数であり、a は1〜5の整数で
あり、c は0〜3の整数であり、 ZはSP(:O)(OR)2 また
はSP(:S)(OR)2 である。
【0032】このような有機・無機ハイブリッド組成物
は、低温でも硬化が可能な特徴を有する。
【0033】本発明にかかる加工物とは、上記アルコキ
シシリル基含有ジエン共重合体、または、組成物を、真
空または無真空下で(すなわち雰囲気圧とは無関係に)
室温〜170℃の範囲内の温度に保って加工して製造さ
れる、複合膜、成形品及び高分子ナノ複合体、を指す。
特に、シリカまたはカーボンブラック等が充填(添加)
されてなる成形品は、長期間使用しても一定な引張強度
と弾性とを維持し、好適な物性を有するゴム状物とな
る。このような成形品の例として、白色または有色タイ
ヤ、導電性ゴム複合体等が挙げられる。また、上記「高
分子ナノ複合体」というのは、本発明にかかるアルコキ
シシリル基含有ジエン共重合体及び/または組成物にナ
ノメートル単位の粒径を有する物質を添加して作られた
複合体を意味する。
【0034】以下、本発明にかかるアルコキシシリル基
含有ジエン共重合体(アルコキシシリル基が導入された
ジエン共重合体)、それを含んでなる組成物、並びに、
これらを用いた複合膜と成形品との製造方法をより詳細
に説明する。
【0035】まず、アルコキシシリル基含有ジエン共重
合体は、1)例えば1〜70%のジエン共重合体のブロ
ックがエポキシ基またはヒドロキシル基で置換された
(すなわち、含まれる全ジエン二重結合部分の1〜70
%がエポキシ基とされた、または、ヒドロキシル基が導
入された)ジエン共重合体を有機溶媒に溶解させた後、
2)上記一般式(4)に示す化合物(アルコキシシラ
ン)と反応させることで製造される。反応温度は特に限
定されないが、望ましくは30℃〜100℃であり、さ
らに望ましくは50℃〜80℃である。反応時間は1時
間ないし3日であることが望ましい。一例として、トリ
エトキシシリル基が導入されたスチレン−ブタジエン共
重合体を、本発明にかかるアルコキシシリル基含有ジエ
ン共重合体として挙げることができる。これは、例え
ば、1)全ジエン二重結合部分の50%程度に対しヒド
ロキシル基が導入されたスチレン−ブタジエン共重合体
を、有機溶媒であるTHF (テトラヒドロフラン)に溶解
させた後、2)触媒としてジブチルジラウラトスズ(dib
utyltin dilaurate)を少量添加し、3)次に3−(トリ
エトキシシリル)プロピルイソシアナート(3-(Trietho
xysilyl)propyl isocyanate )0.5ml(2mmo
l)を入れて反応を行い、4)反応後、反応液を12時
間還流することで、精製・製造される。
【0036】高分子複合体組成物(組成物の一つ)は、
上記一般式(1)に示すジエン共重合体を有機溶媒に溶
解し、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲ
ン基などの反応性基が導入(で置換)された重合体また
は共重合体から選択される1種以上の重合体を添加し、
該ジエン共重合体と重合体とを完全に、または部分的に
架橋させることで製造することができる。
【0037】本発明にかかる上記組成物を加工すること
により、改質されたジエン共重合体複合体(加工物)を
製造することもできる。また上記の組成物にさらに、無
機充填材、電気伝導性化合物(以下に説明する電気伝導
性粒子等に相当)などを添加して機能性複合体(加工
物)を製造することもできる。一例として、1)トリエ
トキシシリルプロピルカルバメート(で置換されてな
る)構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体10g
をテトラヒドロフラン(THF) に溶解し、2)ジエン二重
結合部分の一部にヒドロキシル基が導入されたスチレン
−ブタジエン共重合体2gを加えた後に常温で撹拌し、
3)得られた組成物をガラス基板上に塗布し、これを減
圧・50℃の条件下で12時間加熱することにより弾性
の薄膜(複合膜)が製造される。
【0038】また、上記のアルコキシシランで改質され
たジエン共重合体を、上記一般式(5)または(6)に
示すアルコキシシラン誘導体と混合することにより、有
機・無機混成組成物(有機・無機ハイブリッド組成物)
が製造される。そして、これを基板に塗布あるいはモー
ルドに入れて、常温〜120℃で加工すると白色の有機
・無機ゴム複合体(加工物)が製造される。
【0039】一例として、酸化ケイ素(シリカ等)が充
填されたジエン共重合体の製造方法を説明すると、上記
のトリエトキシシリルプロピルカルバメート(で置換さ
れた)構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体をテ
トラエトキシシランと混合した後、その他添加剤と一緒
に粉砕器(miller)に入れて70℃の温度で粉砕・加工す
ることにより有機・無機複合体が製造される。
【0040】また、上記の組成物をTHF30mlに溶
解した後にガラス基板上に塗布し、真空オーブン中50
℃の条件で乾燥させるとシリカで改質されたスチレン−
ブタジエン共重合体薄膜が製造される。上記の組成物に
対し、さらに応用的にシリカ(粒子サイズ: ナノメート
ル〜マイクロメートル単位)、硫黄または電気伝導性高
分子などを添加することができ、また、上記説明のカッ
プリング剤、その他増粘剤、硬化剤、酸化防止剤等、加
硫工程で一般に使用される試薬中から選択される1種ま
たは2種以上の物質を添加する場合もある。
【0041】特に、導電性ゴム複合体となる組成物とし
ては、(a)上記一般式(1)で示すジエン共重合体を
5〜95重量部の範囲内で、(b)SCF 、アセチレンブ
ラック、ファーネスカーボンブラック及び電気伝導性高
分子から選択される1種類または2種類以上の電気伝導
性粒子を5〜30重量部の範囲内で、(c)上記一般式
(2)または(3)で表されるジエン共重合体、ジエン
重合体、シリコンゴム等から選択される1種または2種
以上の重合体(樹脂)を0〜90重量部の範囲内で含ん
でなる組成物であることが特に好ましい。このような組
成物を上記の加工方法と類似した方法で加工すると導電
性部品または薄膜(それぞれ加工物)が製造される。
【0042】一例として、シリカで改質されたスチレン
−ブタジエン共重合体100gにアセチレンブラック3
0gを加えてなる組成物を基板に塗布して乾燥させる
と、電気伝導度が9×10-1S/cm以上の導電性ゴム
膜が形成される。上記の組成物(導電性ゴム組成物)に
は、LiCoO2、 LiMn2O4、 DMCT 、伝導性高分子( ポリア
ニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレ
ン等) 、上記一般式(5)または(6)に示すアルコキ
シシラン誘導体、アルコキシシラン変性強化カーボンブ
ラック(alkoxysilane modified reinforcing carbon bl
ack)、溶媒、増粘剤、硬化剤、酸化防止剤等、加硫工程
で一般に使用される試薬から選択される1種または2種
以上の物質(化合物または添加物)を添加する場合もあ
る。
【0043】上記一般式(1)で表されるアルコキシシ
リル基含有ジエン共重合体は、高反応性の反応性シリル
基(アルコキシシリル基)を含んでいるために、上記説
明のカップリング剤との反応性が高く、無機充填材等と
の相溶性にも優れている。従って、上記のアルコキシシ
リル基含有ジエン共重合体を用いることで、各種物性に
優れたジエン重合体含有組成物の提供が可能となる。
【0044】また、上記のアルコキシシリル基含有ジエ
ン共重合体をゾル−ゲル反応物に添加すると穏やかな反
応条件でも置換反応が円滑に起きるので、一定な単量体
の反復単位でなる高分子のブロックに第3の作用基を導
入することができる。一例として、1)ポリオキシエチ
レンで置換されたトリアルコキシシラン、および、 (Et
O)3SCH2CH2CH2NHCO-O-(CH2CH2O) n CH3 と上記トリエト
キシシリルプロピルカルバメートとで置換されたスチレ
ン−ブタジエン共重合体、をTHF に溶解した後、2)こ
れに、塩酸水溶液、リチウムトリフルオロスルホン酸塩
を加えて常温で12時間撹拌して得られた溶液を、減圧
下で濃縮するとイオン伝導性の組成物が製造される。製
造された組成物をガラス基板上に塗布し、オーブン中7
0℃で12時間乾燥すると、常温で10-6S/cmのイ
オン伝導度を有するイオン伝導膜が製造される。上記イ
オン伝導性の組成物には、イオン伝導の効果を高めたり
機械的特性を向上させるために、低分子量(200〜1000以
下) ポリエチレングリコールまたはその誘導体、上記一
般式(5)または(6)で表されるアルコキシシラン誘
導体、液体電解質等から選択される1種類または2種類
以上の化合物または添加物をさらに添加することができ
る。尚、上記のイオン伝導度とは、以下に示す実施例に
おける伝導度と同一のものを指す。
【0045】上記アルコキシシランで改質されたジエン
共重合体(アルコキシシリル基含有ジエン共重合体)は
極性結合などの方法で、シリカ及び無機充填剤等との錯
体を形成する。したがって、両者の相溶性は優れたもの
となる。
【0046】特に、本発明のアルコキシシランで改質さ
れたジエン共重合体(アルコキシシリル基含有ジエン共
重合体)は、キシレン、 THF、アセトニトリル、スルホ
ラン、プロピレンカーボネート、アセトン等の一般的な
有機溶媒(化合物)に非常によく溶け、これを含む組成
物からシリカで改質化されたエラストマー等を製造でき
る。したがって、導電性ゴム、タイヤ、粘・接着剤、シ
ーラント、塗料、電解質膜、電池、チップサイズパッケ
ージ半導体装置(chip size package semiconductor dev
ice)、トランジスタ等多様な用途に応用可能なジエン共
重合体および組成物を提供することが可能となる。
【0047】また本発明にかかるアルコキシシリル基含
有ジエン共重合体は、上記説明のように、エポキシ基ま
たはヒドロキシ基が導入されたジエン共重合体とアルコ
キシシランとを反応させることで製造される。このアル
コキシシリル基含有ジエン共重合体は、有機溶媒に対す
る溶解度が高く、低温硬化が可能である。加えて、反応
性シリル基を含有しているため、カップリング剤との反
応性が高く、無機充填材との相溶性にも優れている。そ
れ故、上記のアルコキシシリル基含有ジエン共重合体を
含んでなる組成物は、例えば、ゴム複合体等の原料とし
て好適に使用できる。さらに、該アルコキシシリル基含
有ジエン共重合体をゾルーゲル反応物に添加すると、温
和な反応条件においても置換反応が円滑に起きて一定な
単量体の反復単位でなる高分子のブロックに第3の作用
基を導入できるのみならず、一つの高分子に有機・無機
が結合された混成高分子を製造できる。
【0048】なお、本発明にかかるアルコキシシリル基
含有ジエン共重合体は、下記一般式(7)、一般式
(8)
【0049】
【化7】
【0050】(式中、R2 、R3 は、互いに独立して水
素原子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アルキル
基、または、その水素原子が置換されていてもよいフェ
ニル基であり、R5 、R6 、R7 、R8 は、互いに独立
して水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、炭素数1
0以下の低級アルキル基、その水素原子が置換されてい
てもよいフェニル基、炭素数10以下のエーテル基、炭
素数10以下のエステル基、または、ビニル基またはア
クリロイル基の少なくとも一方により水素原子が置換さ
れてなるアルキル基であり、R9 は、E[(C(R10
2 n (R9 において、EはCOまたはCONHCOで
あり、R10は、水素原子、フルオロ基、炭素数10以下
の低級アルキル基、または、その水素原子が置換されて
いてもよいフェニル基であり、n は0〜10の整数であ
る)であり、m は0〜2の整数である)で表される構造
単位の双方を繰り返し単位として含んでなるものであっ
てもよい。
【0051】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例を
通じてより詳細に説明するが、本発明の範囲は下記実施
例および比較例により何ら限定されるものではない。
【0052】以下に説明する実施例および比較例に使用
された3−クロロ過安息香酸、 LiAlH4 、ジブチルジラ
ウラトスズ、 (トリエトキシシリル) プロピルイソシア
ナートは、アルトリヒ社(Aldrich Co.) から購入して使
用したものである。また電気伝導度は、4探子型(four
probe type) の伝導度測定機器を用いて、被測定物(各
実施の形態ではアルコキシシリル基含有ジエン共重合体
に相当)のペレットにおける電流変化による電圧降下を
測定することにより算出した。上記の伝導度測定機器と
しては、ケイトリ(KEITHLEY)社の181ナノボルトメー
ター(NANOVOLTMETER) と220プログラミング可能電流
源(PROGRAMMABLE CURRENT SOURCE) とを使用した。
【0053】〔実施例1〕始めに、以下に説明する方法
に従い、ジエン二重結合の一部がエポキシ基とされたス
チレン−ブタジエン共重合体(共重合体Aと称する)を
製造した。容量1000mlの3口丸底フラスコに、原
料としてのスチレン−ブタジエン共重合体(スチレンの
重量(質量)含有量31%)10gを入れさらにメチレ
ンクロライド150mlを入れて溶かし、溶液を調製し
た。続いて、3−クロロペルオキシ安息香酸16g(9
2mmol)をメチレンクロライド160mlに溶かし
て得た溶液を上記の丸底フラスコに入れて二種の溶液を
混合した後に、この混合溶液を撹拌しながら5時間還流
した。還流後、室温に保ってさらに16時間撹拌した。
次に、この混合溶液をろ過し、得られたろ液に多量のメ
タノールを加えて生成された沈殿物をろ過、洗浄後、乾
燥させることによりエポキシ基が導入されたスチレン−
ブタジエン共重合体を固形の沈殿物として得た(歩留
り:85%)。元素分析の結果、この沈澱物における酸
素原子[O]の含有量は11.23%であり、スチレン
−ブタジエン共重合体が含むジエン二重結合のうちの4
9%がエポキシ基とされたことが判った。この元素分
析、1HNM・IRの測定結果は、 元素分析: %C:%H:%O=74.72 :14.05 :11.2
31 HNMR(CDCl3) : 1.5-2.1ppm(CH-CH2、CH2)、2.6-2.9ppm
(CHOCH) 、5.4ppm(CHCH) 、 6.5-7.2ppm(C6H5) IR : 1255cm -1(CHOCH) であった。
【0054】また、原料としての上記スチレン−ブタジ
エン共重合体の使用量、及び3−クロロペルオキシ安息
香酸の使用量を変更した以外は、上記共重合体Aの製造
方法と同様の方法で、ジエン二重結合部分の一部がエポ
キシ基とされたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合
体B・Cと称する)を製造した。より具体的には、共重
合体Bは、スチレン−ブタジエン共重合体(原料)を3
2g、3−クロロペルオキシ安息香酸を16g使用して
製造され、共重合体Cは、スチレン−ブタジエン共重合
体(原料)を32g、3−クロロペルオキシ安息香酸を
6g使用して製造された。得られた共重合体B、共重合
体Cを元素分析したところ、酸素原子[O]の含有量は
順に、5.8%、2.0%であった。
【0055】続いて、上記の共重合体Aを用いて、トリ
エトキシシリルプロピルアミン基が導入されたスチレン
−ブタジエン共重合体(アルコキシシリル基含有ジエン
共重合体)の製造を行った。エポキシ基が導入された上
記の共重合体A2g(6mmol)を250mlの3口
丸底フラスコに入れ、さらにTHF80mlを入れて溶
解させた後、触媒としてのジブチルジラウラトスズを少
量添加した。次に、3−(トリエトキシシリル)プロピ
ルアミン0.5ml(2mmol)を入れた後、12時
間還流した。そして反応溶液を室温まで冷却後、該反応
溶液を濃縮し、ここに多量のヘキサンを加えると白色沈
殿が生成した。上記の反応溶液をろ過してこの沈殿を取
り出し、洗浄、乾燥することにより、トリエトキシシリ
ルプロピルカルバメート(で置換された)構造を有する
スチレン−ブタジエン共重合体(アルコキシシリル基含
有ジエン共重合体Aと称する)が80%の歩留りで製造
された。このIRの測定結果は、 IR : 3350-3400cm-1(-NH-)、 2800-2980cm-1(CH)、 126
0cm -1(Si-CH) であった。
【0056】〔実施例2〕始めに、以下に説明する方法
に従い、ジエン二重結合部分にヒドロキシル基が導入さ
れたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合体D)を製
造した。エポキシ基が導入されたスチレン−ブタジエン
共重合体(上記実施の形態で説明の共重合体A)5g
を、容量1000mlの3口丸底フラスコに入れさらに
THF400mlを入れて溶解した後に、さらに LiAlH
4 0.6g(0.015mol)を入れて3時間還流し
た。反応終了後、この溶液に塩酸(塩化水素水溶液)を
加えて未反応のLiAlH4を分解し、続いてメチレンクロラ
イドを用いた抽出工程、並びに水洗工程を行った。得ら
れた溶液を濃縮後、ここに多量のメチルアルコールを加
えると沈殿が生成した。そして上記の溶液をろ過してこ
の沈澱を取り出し、洗浄、乾燥することにより、ヒドロ
キシル基が導入されたスチレン−ブタジエン共重合体
(共重合体D)が固形物として製造された(歩留り4
g)。この1HNM、IRの測定結果は、1 HNMR(CDCl3) : 1.5-2.1ppm(CH-CH2、CH2)、3.7ppm(CH-
OH) 、5.4ppm(CHCH)、6.5-7.2ppm(C6H5) IR : 3394cm -1(-OH) であった。
【0057】続いて、上記の共重合体Dを用いて、トリ
エトキシシリルプロピルカルバメート(で置換された)
構造を有するスチレン−ブタジエン共重合体(アルコキ
シシリル基含有ジエン共重合体)の製造を行った。ヒド
ロキシル基が導入されたスチレン−ブタジエン共重合体
2g(6mmol)を250mlの3口丸底フラスコに
入れさらにTHF80mlを入れて溶解した。続いて、
ここに触媒としてジブチルジラウラトスズを少量添加し
た。次に、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシ
アナート0.5ml(2mol)を加えた後、反応液を
12時間還流した。そして反応液を室温まで冷却後、該
反応液を濃縮し、ここに多量のヘキサンを加えると白色
沈殿が生成した。上記の反応液をろ過してこの沈殿を取
り出し、洗浄、乾燥することにより、トリエトキシシリ
ルプロピルカルバメート(で置換された)構造を有する
スチレン−ブタジエン共重合体(アルコキシシリル基含
有ジエン共重合体Bと称する)が90%の歩留りで製造
された。この重合体のIRの測定結果は、 IR : 3350-3400cm-1(-NH-)、 2800-2980cm-1(CH)、 173
6cm -1(C=O) 、1260cm -1(Si-CH) であった。製造された重合体は6ケ月以上室温で保管し
てもゲル化が起きなかった。
【0058】〔実施例3〕上記実施例2で製造された、
アルコキシシリル基含有ジエン共重合体B10gをテト
ラヒドロフランに溶解し、上記実施例2で説明の共重合
体D2gを加えた後、常温で撹拌し混合液を得た。続い
て、この混合液をろ過して不溶固形物を除去し、本発明
にかかる組成物を得た。この組成物をガラス基板上に塗
布し、これを減圧・50℃の条件下で12時間加熱し、
弾性の薄膜(加工物)を製造した。この薄膜の引張強度
(tensile strength)は 21.9MPaであった。なお、引張強
度の測定は、ASTM D412の記載に従って行っ
た。
【0059】〔実施例4〕本発明にかかる組成物として
の導電性ゴム組成物、および該組成物を用いてなる導電
性ゴムの製造を以下に示す方法により行った。
【0060】すなわち、上記実施例2で製造された、ア
ルコキシシリル基含有ジエン共重合体B10gをアセト
ニトリルに溶解し、さらにアセチレンブラック3gを加
えた後、常温で撹拌して混合液を得た。続いて、この混
合液をろ過して不溶固形物を除去し、得られたろ液を減
圧下で蒸留して濃縮し、その重量が20%減少した時点
で粘度が高い組成物が得られた。この組成物をガラス基
板上に塗布し、これを減圧・50℃の条件下で12時間
加熱することで、室温における電気伝導度が0.832
S/cmである薄膜が製造された。
【0061】〔実施例5〜12〕以下の表1に示す、ア
ルコキシシリル基含有ジエン共重合体、付加物、溶媒、
の組合せを使用して本発明にかかる組成物を製造し、続
いて、該組成物を表1に示す加工条件(真空:温度/時
間)にて加工して得られる導電性薄膜につき、その電気
伝導度の測定を行った。この測定結果も表1に示す。
【0062】〔比較例1、2〕以下の表1に示す、ジエ
ン共重合体、付加物、溶媒、の組合せを使用して組成物
を製造し、続いて、該組成物を表1に示す加工条件(真
空:温度/時間)にて加工して得られる加工品につき、
その電気伝導度の測定を行った。この測定結果も表1に
示す。
【0063】
【表1】
【0064】上記表1に示す結果より、本発明にかかる
組成物を用いることで、比較例1、2にかかる組成物と
比較して、極めて良好な電気伝導性を有する薄膜(導電
性薄膜)が得られることが判った。
【0065】〔実施例13〕本発明にかかる加工物とし
ての、シリカ−ジエン共重合体複合体(有機・無機ハイ
ブリッド複合体)の製造を以下に示す方法で行った。す
なわち、上記実施例2で製造されたアルコキシシリル基
含有ジエン共重合体B60g、42gのテトラエトキシ
シラン、110gのエチルアルコール、および、180
gのDMFを混合した後に撹拌し、12時間経過後40
gの塩酸(0.15mol/l)を加え、さらに1日間
常温で撹拌した。続いて反応温度を50℃に上げて、こ
の反応溶液を12時間撹拌した。そして、該反応溶液を
減圧下で蒸留して濃縮し、その重量が20%減少した時
点で粘度が高い組成物が得られた。製造された組成物を
ガラス基板上に塗布し、これを減圧・110℃の条件下
で22時間加熱することで、数十ナノメートルの粒径の
シリカが充填された、スチレン−ブタジエン重合体複合
体(加工物)が製造された。
【0066】〔実施例14〕本発明にかかる加工物とし
ての、シリカ−ジエン共重合体複合体(有機・無機ハイ
ブリッド複合体)、より具体的には白色ゴム、の製造を
以下に示す方法で行った。すなわち、上記実施例2で説
明の共重合体D50g、該実施例2で得られたアルコキ
シシリル基含有ジエン共重合体B50g、シリカ30
g、SI69(シランカップラー)8g、硫黄1.8g、芳
香族オイル(arom.oil)5g、ZnO 2.5g、ステア
リン酸(stearic acid)1.5g、抗酸化剤(antioxidan
t) 1.9g、パラフィンワックス1.5g、および、
スルフェンアミド(sulfenamide) 1.4gをツイン粉砕
器(twin-miller) を使用して粉砕・混合し、続いて15
0℃で15分間加熱処理することで架橋形成をうながし
て有機・無機ハイブリッドゴム試片(有機・無機ハイブ
リッド複合体)を製造した。製造されたゴム試片の引張
強度は室温において22.1Mpa であり、3ケ月間室温放置
してもそれほど変化しなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明にかかるアルコキシシリル基含有
ジエン共重合体は、上記一般式(1)に示す化学構造を
有してなり、有機溶媒に対する溶解度が高く、また、低
温硬化(低温加工)が可能であるという効果を奏する。
また、上記アルコキシシリル基含有ジエン共重合体は反
応性シリル基(アルコキシシリル基)を含有しているた
め、例えば、カップリング剤との反応性や無機充填材と
の相溶性に優れるという効果を奏する。それ故、上記の
ジエン共重合体に無機充填材及び/またはカップリング
剤などを混合して得られる組成物は、例えば、白色また
は有色ゴム複合体及び導電性ゴム複合体(加工物)等の
原料として好適に使用できるという効果を奏する。
【0068】さらに、本発明にかかるアルコキシシリル
基含有ジエン共重合体をゾルーゲル反応物に添加する
と、温和な反応条件においても置換反応が円滑に起き
て、1)一定な単量体の反復単位でなる高分子のブロッ
クに第3の作用基を導入できるのみならず、2)一つの
高分子に有機・無機素材が結合されてなる混成高分子及
び高分子ナノ複合材(加工物)を製造できるという効果
を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 230:08)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 は、互いに独立して水素原
    子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、ま
    たは、その水素原子が置換されていてもよいフェニル基
    であり、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 は、互いに独立
    して水素原子、ハロゲン基、ヒドロキシル基、炭素数1
    0以下の低級アルキル基、その水素原子が置換されてい
    てもよいフェニル基、炭素数10以下のエーテル基、炭
    素数10以下のエステル基、または、ビニル基またはア
    クリロイル基の少なくとも一方により水素原子が置換さ
    れてなるアルキル基であり、R9 は、E[(C(R10
    2n (R9 において、EはCOまたはCONHCOで
    あり、R10は、水素原子、フルオロ基、炭素数10以下
    の低級アルキル基、または、その水素原子が置換されて
    いてもよいフェニル基であり、n は0〜10の整数であ
    る)であり、x は0以上の整数であり、y およびzは1
    以上の整数であり、m は0〜2の整数である)で表され
    る化学構造を有することを特徴とするアルコキシシリル
    基含有ジエン共重合体。
  2. 【請求項2】アルコキシシリル基含有ジエン共重合体を
    製造する方法であって、 下記一般式(2)または一般式(3) 【化2】 (式中、R1 は、水素原子、フルオロ基、炭素数10以
    下の低級アルキル基、または、その水素原子が置換され
    ていてもよいフェニル基であり、R4 、R5、R6 、R
    7 、R8 は、互いに独立して水素原子、ハロゲン基、ヒ
    ドロキシル基、炭素数10以下の低級アルキル基、その
    水素原子が置換されていてもよいフェニル基、炭素数1
    0以下のエーテル基、炭素数10以下のエステル基、ま
    たは、ビニル基またはアクリロイル基の少なくとも一方
    により水素原子が置換されてなるアルキル基であり、x
    は0以上の整数であり、y およびzは1以上の整数であ
    る)で表されるジエン共重合体の少なくとも一方と、 下記一般式(4) (R2 m Si(OR3 3-m [(C(R102 n 11・・・・ (4) (式中、R2 、R3 、R10は、互いに独立して水素原
    子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、ま
    たは、その水素原子が置換されていてもよいフェニル基
    であり、R11は、ハロゲン基、ヒドロキシル基、ビニル
    基、アクリロイル基、カルボキシル基、イソシアネート
    基、またはアミノ基であり、m は0〜2の整数であり、
    n は0〜10の整数である)で表されるアルコキシシラ
    ンとを反応させる工程を含んでなることを特徴とするア
    ルコキシシリル基含有ジエン共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のアルコキシシリル基含有ジ
    エン共重合体(A)と、 アルキレングリコール、クロロホルム、ヘキサン、アセ
    トン、アセトニトリル、炭素数10以下の低級アルコー
    ル類、炭素数10以下のケトン類、1,2−ジクロロエ
    タン、ジメチルホルムアミド、水、ジメチルスルホキシ
    ド、スルホラン、トルエン、キシレン、3−ニトロ−
    α,α,α−トリフルオロベンゼン、α−メチルナフタ
    レン、メトキシナフタレン、クロロナフタレン、ジフェ
    ニルエタン、キノリン、ジクロロベンゼン、ジクロロト
    ルエン、1,2,3−トリクロロプロパン、プロピレン
    カーボネート、下記一般式(2)または一般式(3) 【化3】 (式中、R1 は、水素原子、フルオロ基、炭素数10以
    下の低級アルキル基、または、その水素原子が置換され
    ていてもよいフェニル基であり、R4 、R5、R6 、R
    7 、R8 は、互いに独立して水素原子、ハロゲン基、ヒ
    ドロキシル基、炭素数10以下の低級アルキル基、その
    水素原子が置換されていてもよいフェニル基、炭素数1
    0以下のエーテル基、炭素数10以下のエステル基、ま
    たは、ビニル基またはアクリロイル基の少なくとも一方
    により水素原子が置換されてなるアルキル基であり、x
    は0以上の整数であり、y およびzは1以上の整数であ
    る)で表されるジエン共重合体、ジエン重合体、ポリビ
    ニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ
    ビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリエステル、
    ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタアクリル酸エ
    ステル及びポリウレタンよりなる群から選択される1種
    類または2種類以上の化合物(B)とを、質量比にして
    (A):(B)が1:99〜95:5の範囲内となるよ
    うに含んでなることを特徴とする組成物。
  4. 【請求項4】さらに、アセチレンブラック、炭素短繊
    維、カーボンブラック、シリカ、テトラアルコキシシラ
    ン、チタンアルコキシド、ガラス繊維、LiCoO2、LiMn2O
    4 、硫黄、下記一般式(5)または(6) (R1O) m1 Si(R2)3-m1 -R3-(R4O) m2 Si(R5)3-m2 ・・・・(5) (RO) k Si(R')4-k ・・・・(6) (式中、R1 、R4 は、互いに独立に水素原子、フルオ
    ロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、または、その
    水素原子が置換されていてもよいフェニル基であり、R
    2 、R5 は、互いに独立に水素原子、ハロゲン基、ヒド
    ロキシル基、炭素数10以下の低級アルキル基、その水
    素原子が置換されていてもよいフェニル基、炭素数10
    以下のエーテル基、炭素数10以下のエステル基、また
    は、ビニル基またはアクリロイル基の少なくとも一方に
    より水素原子が置換されてなるアルキル基であり、R3
    は、E[(C(R6 2 n1(R3 において、EはCO
    またはCONHCOであり、R6 は水素原子、フルオロ
    基、炭素数10以下の低級アルキル基、または、その水
    素原子が置換されていてもよいフェニル基であり、n1
    は0〜10の整数である)であり、Rはメチル基、エチ
    ル基、プロピル基、またはブチル基であり、R’はアル
    キレン基であり、m1、m2は互いに独立に0〜2の整
    数であり、k は0〜4の整数である)で表されるアルコ
    キシシラン誘導体、電気伝導性高分子、カップリング
    剤、アルコキシシラン変性強化カーボンブラック、増粘
    剤、硬化剤、酸化防止剤、顔料、染料及び液体電解質よ
    りなる群から選択される1種類または2種類以上の添加
    物が添加されてなることを特徴とする請求項3に記載の
    組成物
  5. 【請求項5】請求項1に記載のアルコキシシリル基含有
    ジエン共重合体を、室温〜170℃の範囲内の温度で加
    工することにより得られることを特徴とする加工物。
  6. 【請求項6】請求項3または4に記載の組成物を室温〜
    170℃の範囲内の温度で加工することにより得られる
    ことを特徴とする加工物。
  7. 【請求項7】一般式(7)、一般式(8) 【化4】 (式中、R2 、R3 は、互いに独立して水素原子、フル
    オロ基、炭素数10以下の低級アルキル基、または、そ
    の水素原子が置換されていてもよいフェニル基であり、
    5 、R6 、R7 、R8 は、互いに独立して水素原子、
    ハロゲン基、ヒドロキシル基、炭素数10以下の低級ア
    ルキル基、その水素原子が置換されていてもよいフェニ
    ル基、炭素数10以下のエーテル基、炭素数10以下の
    エステル基、または、ビニル基またはアクリロイル基の
    少なくとも一方により水素原子が置換されてなるアルキ
    ル基であり、R9 は、E[(C(R102 n (R9
    おいて、EはCOまたはCONHCOであり、R10は、
    水素原子、フルオロ基、炭素数10以下の低級アルキル
    基、または、その水素原子が置換されていてもよいフェ
    ニル基であり、n は0〜10の整数である)であり、m
    は0〜2の整数である)で表される構造単位の双方を繰
    り返し単位として含んでなることを特徴とするアルコキ
    シシリル基含有ジエン共重合体。
JP2000006211A 1999-03-23 2000-01-11 アルコキシシリル基含有ジエン共重合体、及び該重合体を含んでなる組成物 Expired - Fee Related JP3452519B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1019990009872A KR100312176B1 (ko) 1999-03-23 1999-03-23 알콕시 실란으로 치환된 디엔 공중합체 및 유기·무기 하이브리드 조성물
KR99-9872 1999-03-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000273126A true JP2000273126A (ja) 2000-10-03
JP3452519B2 JP3452519B2 (ja) 2003-09-29

Family

ID=19577430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000006211A Expired - Fee Related JP3452519B2 (ja) 1999-03-23 2000-01-11 アルコキシシリル基含有ジエン共重合体、及び該重合体を含んでなる組成物

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6462141B1 (ja)
JP (1) JP3452519B2 (ja)
KR (1) KR100312176B1 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007040252A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-12 Jsr Corporation 変性共役ジエン系重合体の製造方法、その方法によって得られた変性共役ジエン系重合体とそのゴム組成物
WO2008050851A1 (fr) * 2006-10-25 2008-05-02 Jsr Corporation Procédé de production d'un polymère modifié, polymère modifié obtenu par ce procédé et composition de caoutchouc contenant celui-ci
WO2012090437A1 (en) * 2010-12-28 2012-07-05 Canon Kabushiki Kaisha Copolymer, composite particles containing copolymer, optical material containing composite particles, and optical element containing optical material
WO2015015679A1 (ja) * 2013-07-31 2015-02-05 東洋ゴム工業株式会社 ゴム-シリカ複合体及びその製造方法、並びにゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2015030756A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 ゴム−シリカ複合体及びその製造方法
JP2015030757A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5720082B2 (ja) * 2005-03-18 2015-05-20 Jsr株式会社 変性重合体の製造方法、その方法によって得られた変性重合体とそのゴム組成物
WO2022181498A1 (ja) * 2021-02-26 2022-09-01 三井化学株式会社 光硬化性樹脂組成物、液晶シール剤、ならびにこれを用いた液晶表示パネルおよびその製造方法

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6921796B2 (en) 2002-07-29 2005-07-26 Illinois Tool Works, Inc. Fluoroelastomer compositions, their preparation, and their use
DE602004013672D1 (de) * 2003-05-22 2008-06-26 Jsr Corp Verfahren zur Herstellung eines modifizierten, konjugierten Dienpolymers und dieses enthaltende Elastomerzusammensetzung
KR100542282B1 (ko) * 2003-09-08 2006-01-11 금호타이어 주식회사 전도성이 향상된 실리카 고무조성물
EP2102246B1 (en) 2006-12-17 2015-03-04 Bridgestone Corporation Hybrid polymer and method for making
KR100925853B1 (ko) * 2007-12-27 2009-11-06 한국화학연구원 이중결합을 갖는 폴리비닐알코올을 함유한 유-무기하이브리드 코팅 조성물
TWI426090B (zh) * 2011-05-31 2014-02-11 Tsrc Corp 製造環氧化聚合物的方法
US9725590B2 (en) 2012-09-17 2017-08-08 Korea Institute Of Industrial Technology Epoxy compound having alkoxysilyl group, method for preparing the same, composition including the same, cured product made from the composition, and use of the composition
US9212239B2 (en) 2013-05-30 2015-12-15 The Goodyear Tire & Rubber Company Method of making functionalized elastomer
US8962759B2 (en) 2013-05-30 2015-02-24 The Goodyear Tire & Rubber Company Functionalized elastomer
EP2937351B1 (en) * 2014-04-22 2017-11-15 Evonik Degussa GmbH Azocarbonyl-functionalized silanes
KR101864015B1 (ko) * 2015-06-24 2018-06-04 주식회사 엘지화학 공액 디엔계 중합체 제조용 촉매 조성물 및 이를 이용하여 제조된 공액 디엔계 중합체
KR20170000757A (ko) 2015-06-24 2017-01-03 주식회사 엘지화학 공액 디엔계 중합체 제조용 촉매 조성물 및 이를 이용하여 제조된 공액 디엔계 중합체
US9580532B1 (en) 2016-07-12 2017-02-28 The Goodyear Tire & Rubber Company Functionalized elastomer via allylboration
US10692820B2 (en) * 2017-11-22 2020-06-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Hybrid composite film, method of fabricating the same, and integrated circuit device including hybrid composite film
KR102232340B1 (ko) 2019-11-15 2021-03-26 한국생산기술연구원 알콕시실릴기를 갖는 에폭시 수지의 조성물 및 이의 복합체
WO2023128366A1 (ko) * 2021-12-30 2023-07-06 한국화학연구원 겔 전해질 조성물 및 이를 포함하는 이차 전지

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09263607A (ja) * 1996-03-28 1997-10-07 Daicel Chem Ind Ltd ポリエン、その製造方法及びそれを含有する硬化性組成物

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3445278A (en) * 1965-11-15 1969-05-20 Chevron Res Chlorosilyl substituted polymers as waterproofing agents
JPS5277194A (en) * 1975-12-23 1977-06-29 Shin Etsu Chem Co Ltd Preparation of polybutadiene derivatives
US4287326A (en) * 1980-03-03 1981-09-01 Toray Silicone Company, Ltd. Siloxane-modified epoxy resin compositions
JPS6250346A (ja) * 1985-08-30 1987-03-05 Bridgestone Corp タイヤ用ゴム組成物
DE3751856T3 (de) * 1986-10-03 2001-04-19 Ppg Ind Ohio Inc Organisch-anorganisches Hybridpolymer
GB9223628D0 (en) * 1991-11-15 1992-12-23 Ici Plc Polymerisable compositions
KR960007316B1 (ko) 1993-02-01 1996-05-30 동부화학주식회사 내한 충격성이 우수한 고무 변성 스티렌계 수지 조성물 및 그의 제조방법
KR960011092B1 (ko) 1993-06-30 1996-08-20 제일모직 주식회사 내마모성이 우수한 스티렌계 수지조성물
JP3681412B2 (ja) * 1993-09-20 2005-08-10 住友ゴム工業株式会社 シラン変性ジエンゴム、加硫ゴム組成物およびシラン変性ジエンゴムの製造方法
KR0125713B1 (ko) 1994-06-21 1997-12-26 배순훈 전자렌지의 착탈식 히터
US5580935A (en) * 1995-01-13 1996-12-03 Exxon Chemical Patents Inc. Functionalized polymer and method to obtain functionalized polymer
KR100448562B1 (ko) 1995-07-03 2004-11-16 다이셀 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 에폭시화블록공중합체,그제법과조성물
JPH0987426A (ja) * 1995-09-20 1997-03-31 Bridgestone Corp ゴム組成物の製造方法
FR2744127A1 (fr) 1996-01-26 1997-08-01 Michelin & Cie Composition de caoutchouc a base d'un polymere dienique ayant une fonction silanol et comprenant un derive organosilane
JP3656670B2 (ja) 1996-01-31 2005-06-08 日本ゼオン株式会社 ゴム組成物
JP3707504B2 (ja) 1996-01-31 2005-10-19 日本ゼオン株式会社 タイヤ用ゴム組成物
JP3599215B2 (ja) 1996-06-13 2004-12-08 株式会社ブリヂストン ゴム組成物
US5789512A (en) 1996-12-23 1998-08-04 Sartomer Company Method for the epoxidation of unsaturated polymers

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09263607A (ja) * 1996-03-28 1997-10-07 Daicel Chem Ind Ltd ポリエン、その製造方法及びそれを含有する硬化性組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5720082B2 (ja) * 2005-03-18 2015-05-20 Jsr株式会社 変性重合体の製造方法、その方法によって得られた変性重合体とそのゴム組成物
WO2007040252A1 (ja) * 2005-10-05 2007-04-12 Jsr Corporation 変性共役ジエン系重合体の製造方法、その方法によって得られた変性共役ジエン系重合体とそのゴム組成物
US7893153B2 (en) 2005-10-05 2011-02-22 Jsr Corporation Process for producing modified conjugated diene polymer, modified conjugated diene polymer obtained by the process, and rubber composition containing the same
JP5657855B2 (ja) * 2005-10-05 2015-01-21 Jsr株式会社 変性共役ジエン系重合体の製造方法、その方法によって得られた変性共役ジエン系重合体とそのゴム組成物
WO2008050851A1 (fr) * 2006-10-25 2008-05-02 Jsr Corporation Procédé de production d'un polymère modifié, polymère modifié obtenu par ce procédé et composition de caoutchouc contenant celui-ci
JP2008106118A (ja) * 2006-10-25 2008-05-08 Jsr Corp 変性重合体の製造方法、その方法により得られた変性重合体とそのゴム組成物
WO2012090437A1 (en) * 2010-12-28 2012-07-05 Canon Kabushiki Kaisha Copolymer, composite particles containing copolymer, optical material containing composite particles, and optical element containing optical material
WO2015015679A1 (ja) * 2013-07-31 2015-02-05 東洋ゴム工業株式会社 ゴム-シリカ複合体及びその製造方法、並びにゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2015030756A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 ゴム−シリカ複合体及びその製造方法
JP2015030757A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 東洋ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
US9976013B2 (en) 2013-07-31 2018-05-22 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Rubber-silica composite and method for producing same, and rubber composition and pneumatic tire
WO2022181498A1 (ja) * 2021-02-26 2022-09-01 三井化学株式会社 光硬化性樹脂組成物、液晶シール剤、ならびにこれを用いた液晶表示パネルおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100312176B1 (ko) 2001-11-14
KR20000061084A (ko) 2000-10-16
US6462141B1 (en) 2002-10-08
JP3452519B2 (ja) 2003-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3452519B2 (ja) アルコキシシリル基含有ジエン共重合体、及び該重合体を含んでなる組成物
EP2826793B1 (en) Method for preparing conjugated diene-based polymer, composition containing polymer, and tire comprising composition
Sun et al. Structure and properties of silicone rubber/styrene–butadiene rubber blends with in situ interface coupling by thiol-ene click reaction
US9708435B2 (en) Compatibilized tire tread compositions
JP2005503337A (ja) 特にカップリング剤として使用できるポリスルフィドオルガノキシシラン、それらを含有するエラストマー組成物及びそのような組成物から製造されたエラストマー製物品
JP2007536418A (ja) アルコキシシリル官能性粒子を含有する湿分架橋性の組成物
JP6293480B2 (ja) シリル化ポリウレタン/ポリオルガノシロキサン混合物、ならびにそれを含有するシーラント組成物およびヒュームドシリカ組成物
WO1991013927A1 (fr) Composition polymerisable
KR101240602B1 (ko) 유기 실리카 함유 마스터 배치 탄성체 및 그 제조방법
US20230096128A1 (en) Method for manufacturing room-temperature-curable organopolysiloxane composition, room-temperature-curable organopolysiloxane composition, and article
CN101874071A (zh) 通过金属盐水合物的脱水原位产生水的用于聚烯烃的湿交联的方法
Ambilkar et al. In situ zirconia: A superior reinforcing filler for high-performance nitrile rubber composites
WO1991015533A1 (fr) Composition de resine vulcanisable
JP4022639B2 (ja) 有機・無機ハイブリッド材料及びその製造方法
KR102411541B1 (ko) 고분자 필름 형성용 조성물, 이로부터 제조된 고분자 필름 및 상기 고분자 필름을 포함한 전자 소자
EP2531512A1 (de) Verwendung von polyorganosiloxanen bei der verarbeitung und vulkanisation von kautschuk
WO2007116988A1 (en) Curable silicone coating agent
WO2023068094A1 (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、接着剤、シール剤及びコーティング剤
JPS63265913A (ja) カ−ボンブラツクグラフトポリマ−の製造方法
Yeh et al. Effects of substituting polyisoprenyl carbanions for ethoxyl groups of Bis-[3-(triethoxysilyl) propyl] tetrasulfide on the properties of carbon black and silica-reinforced NR/SSBR
KR101539661B1 (ko) 고분자 수지의 가공성, 분산성 개선과 내화학성 향상을 위한 첨가제 및 이를 포함하는 고분자 수지 조성물
CN114080423A (zh) 固化性组合物以及固化物
JP2016027088A (ja) チクソトロピック性に優れた硬化性組成物
Ponnupandian et al. Modification of specialty elastomers using POSS derivatives
BRPI0708861A2 (pt) processo para preparar composiÇço de borracha, composiÇço de borracha obtida a partir do mesmo, e uso da mesma

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees