JP2012167215A - 変性ジエン系ゴム及びその製造方法並びにそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性がバランス良く優れ、簡単な方法で低コストに生産できる変性ジエン系ゴム及びその製造方法並びにそれを用いたゴム組成物を提供する。
【解決手段】原料ジエン系ゴムに、エポキシ化触媒を添加してエポキシ化ジエン系ゴムを得るエポキシ化工程と、該エポキシ化ジエン系ゴムを完全に乾燥させずに、下記式(1)で示される構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得る変性工程とを備えた変性ジエン系ゴムの製造方法である。
Figure 2012167215

【選択図】なし

Description

本発明は、変性ジエン系ゴム及びその製造方法並びにそれを用いたゴム組成物に関する。
近年、環境問題への意識が高まり、自動車の燃費向上を目的とした低燃費タイヤ用ゴム材料の開発が盛んに行われている。このような低燃費を目的としたタイヤ用ゴム材料は、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性に優れていることが望まれており、その実現のため、フィラーであるシリカの分散性を向上させ、ゴム分子間の摩擦やシリカとゴム分子間の摩擦を低減させて発熱を減らす技術が知られている。そして、シリカの分散性を向上させるために、その材料となるゴムをエポキシ化変性させる技術が多数開発されている(特許文献1)。また、エポキシ化ジエン系ゴムのエポキシ基と反応しうる化合物を反応させ、変性ジエン系ゴムを得る技術も存在する(特許文献2及び3)。
特許3363539号公報 特許3681854号公報 特許3452519号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたタイヤトレッドゴム組成物は、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性が必ずしも十分でない。また、特許文献2及び3に記載の変性ジエン系ゴムは、製造時に用いた溶媒を除去したり、廃液が生じるなどの問題がある。そこで、本発明は、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性がバランス良く優れ、簡単な方法で低コストに生産できる変性ジエン系ゴム及びその製造方法並びにそれを用いたゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、変性ジエン系ゴムの製造方法において、得られたエポキシ化ジエン系ゴムを完全に乾燥させずに、特定の構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得ると、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性をバランスよく向上させることができ、簡単な方法で低コストに生産できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、原料ジエン系ゴムに、エポキシ化触媒を添加してエポキシ化ジエン系ゴムを得るエポキシ化工程と、該エポキシ化ジエン系ゴムを完全に乾燥させずに、特定の構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得る変性工程とを備えた変性ジエン系ゴムの製造方法に関する。
また、本発明は、原料ジエン系ゴムに、エポキシ化触媒を添加してエポキシ化ジエン系ゴムを得るエポキシ化工程と、該エポキシ化ジエン系ゴムに、特定の構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得る変性工程とを備えた変性ジエン系ゴムの製造方法において、前記エポキシ化工程において製造されるエポキシ化ジエン系ゴムと、前記変性工程において使用されるエポキシ化ジエン系ゴムとの重量変化率が特定の範囲であることを特徴とする変性ジエン系ゴムの製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記変性ジエン系ゴムの製造方法によって製造された変性ジエン系ゴム及び、該変性ジエン系ゴムとシリカとを含有することを特徴とする変性ジエン系ゴム組成物に関する。
以上のように、本発明によれば、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性がバランス良く優れ、簡単な方法で低コストに生産できる変性ジエン系ゴム及びその製造方法並びにそれを用いたゴム組成物を提供することができる。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法において、原料となるジエン系ゴムは、特に制限はなく、公知のものを使用することができる。例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム(VCR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムなどである。この中でも、特にブタジエンゴムが好ましい。上記ジエン系ゴムは、1種類単独、または2種類以上を組み合わせて使用してもよいが、2種類以上の組合せでは、そのうち1種類のみに変性が偏る可能性がある点から1種類の単独重合体が好ましい。
上記原料ジエン系ゴムは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ法)による重量平均分子量(Mw)が5万〜200万、さらに20万〜100万、特には40万〜80万であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万未満になると、機械強度が低くなり、200万を超えると、加工性が低下するので好ましくない。
また、上記原料ジエン系ゴムは、エポキシ化工程においてエポキシ化されるが、そのエポキシ化率は、0.1%以上15%未満が好ましく、0.2%〜5%がより好ましく、0.5%〜2%が特に好ましい。
上記原料ジエン系ゴムのエポキシ化の方法としては、特に制限はなく、例えば、モノ過フタル酸を用いる方法(特開昭51−060292号公報)、有機過酸またはカルボン酸その無水物とともに過酸化水素水を用いる方法(特開平05−214014号公報)、タングステン酸系触媒とリン酸化合物および相間移動触媒と過酸化水素水を用いる方法(特許03942927号公報)等に記載の公知の方法が用いられる。
また、生産効率の観点から、有機溶媒を用いることなく、過酸または過酸化水素水と触媒および原料となるジエン系ゴムを、機械的混練を用いてエポキシ化を行ってもよい。機械的混練に用いられる混練機は、機械的せん断力を与えて溶融樹脂を混練できる装置であれば特に制限はなく、ロール混練機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、2軸テーパー押出機等、樹脂加工に用いられる一般的な混練機械を用いることができる。
この場合、過酸化水素水に含まれる水分、あるいは過酸化水素からエポキシ化反応の結果として発生する水分の除去を目的とした乾燥が行われる。乾燥は、真空乾燥のような一般的な乾燥方法の他に次のような乾燥方法を取ることができる。ロール混練機を用いる場合、混練過程で自然に水分の除去が行われるため、乾燥を兼ねる。また、一軸押出機、二軸押出機を用いる場合、エポキシ化のための混練ゾーンに続き、ベント口を設けた混練ゾーンを設け、減圧下で水分を除去するようなスクリューの構成として乾燥を行うことができる。あるいは、エポキシ化後に水分を含んだエポキシ化ジエン系ゴムを一軸押出機または二軸押出機で熱して押出し、水蒸気が一気に抜けることで多孔体になったものを熱風乾燥する手法を取ることができる。
また、上記エポキシ化の際に、エポキシ化率を調整する方法としては、例えば過酸化水素水の添加量を調整する、反応温度を調製する、反応時間を調整する等の通常の方法が挙げられる。エポキシ化率が0.1%未満では、下記式(1)で示される構造を有する化合物と反応するエポキシ基の数が不足する点で好ましくない。また、エポキシ化率が15%以上では、不飽和結合が少なくなってゴム弾性が低下する点や、硫黄加硫を用いた場合に加硫戻りを生じやすく、機械的性質が低下する点で好ましくない。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法において、変性工程は、上記エポキシ化工程によって得られたエポキシ化ジエン系ゴムを完全に乾燥させずに下記式(1)で示される構造を有する化合物を加えることが好ましい。
Figure 2012167215
エポキシ化ジエン系ゴムを、完全に乾燥させないとは、少なくとも水分を除去しても良く、エポキシ化剤として用いた過酸化水素およびその他過酸等のエポキシ化剤を残しても良いということである。具体的には、エポキシ化工程において製造されるエポキシ化ジエン系ゴムと、変性工程において式(1)で示される構造を有する化合物を加える前のエポキシ化ジエン系ゴムとの重量変化率が0.01%以上5%以下、好ましくは0.1%以上3%以下、特に好ましくは0.3%以上2%以下とすることである。重量変化率が5%以上であると、残存するエポキシ化剤から生じるラジカルのためエポキシ化ジエン系ゴムが架橋しゲル化するため、好ましくない。重量変化率が0.01%以下であると、後述する変性工程において、添加する二次変性剤(シラン変性剤)による変性が充分行われないため好ましくない。ここで、「エポキシ化工程において製造されるエポキシ化ジエン系ゴムと、変性工程において式(1)で示される構造を有する化合物を加える前のエポキシ化ジエン系ゴムとの重量変化率」とは、エポキシ化工程後のエポキシ化ジエン系ゴムを50℃以上100℃以下の真空乾燥機中で1時間以上乾燥した場合の重量減少を、乾燥前の重量に対して百分率で示したものである。
上記式(1)に示される構造を有する化合物において、R〜Rは、アルコキシ基又はアルキル基であり、好ましくは、炭素数1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、より好ましくは、炭素数2以上3以下のアルキル基またはアルコキシ基である。炭素数が小さいと、アルコキシ基同士の反応による架橋が起きやすく、製品の粘度を一定にしたまま保存することが困難になる。一方、炭素数が大き過ぎると変性剤重量当たりのSiの量が減るため、物性の改善効果が現れにくい。
また、上記式(1)に示される構造を有する化合物において、Rは、炭素数1以上のアルキレン基であり、好ましくは、炭素数2以上5以下のアルキレン基、より好ましくは、炭素数3のプロピレン基である。炭素数が小さいと、アルコキシ基同士の反応による架橋が起きやすく、製品の粘度を一定にしたまま保存することが困難になる。一方、炭素数が大き過ぎると変性剤重量当たりのSiの量が減るため、物性の改善効果が現れにくい。
さらに、上記式(1)に示される構造を有する化合物において、Aは、40〜140℃の範囲でエポキシ化剤に対し、安定な官能基のみを含む化学構造が好ましく、水素、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、芳香族環、ハロゲン基、ニトロ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、及びエポキシ基のいずれか1以上の官能基から構成され、かつエポキシ化剤と反応しない化学構造である。その中でも特に、極性基や不飽和結合が過酸化水素や過酸との反応の結果生じる官能基がエポキシ化剤に対する安定性と変性後の無機フィラーとの反応性を同時に有しているため好ましい。具体的にこのような極性官能基としては、不飽和二重結合が過酸化水素や過酸と反応してできるグリシジル基、グリシジルオキシ基、エポキシ基を含む化学構造等が挙げられる。
上記式(1)に示される構造を有する化合物は、具体的には、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ基を有するもの、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのハロゲン基を有するもの、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランなどのエポキシ基またはグリシジル基を有するもの等が挙げられる。これらの化合物の中では、特に反応後の性能が優れる点から、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシジル基またはエポキシ基を持つアルコキシシランが好適に使用される。
さらにまた、上記式(1)に示される構造を有する化合物として、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、エチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシランなどが挙げられる。これらの化合物の中では、特に添加効果とコストの両立の点から、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランが好適に使用される。
上記式(1)に示される構造を有する化合物は、1種類単独、または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
これら上記式(1)に示される構造を有する化合物の使用量は、好ましくはエポキシ化ジエン系ゴム100gに対して0.001〜0.3モル、より好ましくは0.002〜0.25モル、特に好ましくは0.003〜0.1モルである。使用量が0.001モル未満では、満足すべき変性効果が現れない。一方、使用量が0.3モルを超えると、エポキシ化ジエン系ゴム中に未反応の上記式(1)に示される構造を有する化合物が残存し、その除去に手間がかかり、化合物の無駄にもなり、さらに顕著な物性の改善効果が現れにくい。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法において、上記変性工程は、機械的混練によって反応させることが好ましい。例えば、あらかじめ加熱した混練機を用いて、エポキシ化ジエン系ゴムに上記式(1)に示される構造を有する化合物を練り込むことによって反応させることができる。
上記反応の反応温度としては、20℃〜140℃が好ましく、より好ましくは40℃〜120℃である。20℃未満ではエポキシ基と上記式(1)に示される構造を有する化合物の反応が起きず、140℃を超えるとジエン系ゴムの熱劣化が起きるため、好ましくない。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法において、機械的混練とは、機械的せん断力を与えて溶融樹脂を混練することであり、その混練に用いられる混練機は、機械的せん断力を与えて溶融樹脂を混練できる装置であれば特に制限はなく、ロール混練機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、2軸テーパー押出機等、樹脂加工に用いられる一般的な混練機械を用いることができる。
機械的混練は溶媒を使用しないことを特徴とし、エポキシ化工程後に溶媒分離等の工程を行わないことを前提とする。このため製造条件によってはエポキシ化ゴム中に過酸化水素または過酸が残存し、保存中に粘度上昇を招くという問題点がある。さらに、このような状態でエポキシ基と反応しうる変性剤を投入し二次変性を行おうとすると、架橋反応が進行しゲル化するという問題点がある。しかしながら、本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法によれば、変性工程において、上記式(1)で示される構造を有する化合物を用いることで、残存するエポキシ化剤を除去する工程を設けることなく、二次変性を効率的に行い、ゴム組成物に適した変性ゴムを得ることができる。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法において、変性工程は、機械的混練のあと、加熱処理することが好ましい。加熱処理の温度としては、60℃〜140℃が好ましい。また、加熱時間は10分間〜2時間が好ましい。
本発明に係る変性ジエン系ゴムの製造方法によって得られた変性ジエン系ゴムによれば、機械的性質、低エネルギーロス性及び耐摩耗性をバランス良く向上させることができる。
次に、本発明に係る変性ジエン系ゴムを用いたゴム組成物について説明する。本発明に係るゴム組成物は、上記変性ジエン系ゴムと、シリカとを含有することを特徴とする。
本発明に係るゴム組成物においては、上記変性ジエン系ゴムの他にそれ以外のゴムを加えて、ゴム組成物として使用することもできる。それ以外の加えられるゴムとしては、特に制限はなく、公知のものを使用することができる。例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム(BR)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム(VCR)、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系単量体の重合体;アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ニトリルクロロプレンゴム、ニトリルイソプレンゴムなどのアクリロニトリル−ジエン共重合ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンクロロプレンゴム、スチレンイソプレンゴムなどのスチレン−ジエン共重合ゴム;エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが挙げられる。この中で、ブタジエンゴム、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン含有のブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴムが好ましい。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明に係るゴム組成物において、シリカの含有量は、上記変性ジエン系ゴムとそれ以外のゴム成分100重量部に対して10重量部〜120重量部、より好ましくは30重量部〜90重量部、特に好ましくは50重量部〜80重量部である。シリカが10重量部より少ないと、本発明の変性ジエン系ゴムを用いなくても充分なシリカの分散が得られるため、本発明の効果がなく、120重量部より多いと加工性が著しく悪くなり、かつ耐摩耗性も低下し、好ましくない。
また、本発明に係るゴム組成物は、ゴム補強剤を加えることができる。ゴム補強剤としては、上記シリカの他、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等などが挙げられる。なかでも、好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックであり、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAF等が用いられ、特に好ましくは、低発熱性や低燃費性の観点から粒子径の小さいISAFである。
ゴム補強剤に用いるカーボンブラックとシリカは混合するとより加工性と低エネルギーロス性や摩耗性などの両立が可能となる。特に、両者の重量比がカーボンブラック/シリカが90/10〜10/90が良く、より好ましくは、80/20〜20/80、特に好ましくは70/30〜30/70である。シリカが10%より少ないと、エネルギーロスが大きくなり、90%より多いと加工性や摩耗性が悪くなる欠点がある。
また、本発明に係るゴム組成物は、更に、加硫剤、加硫促進剤を添加することができる。
加硫剤としては、硫黄、加熱により硫黄を生成させる化合物、有機過酸化物、酸化マグネシウム等の金属酸化物、多官能性モノマー、シラノール化合物等が挙げられる。加熱により硫黄を生成させる化合物としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類等が挙げられ、より具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ジンクジ−n−ブチルジチオカーバイト(ZnBDC)、ジンクジメチルジチオカーバイト(ZnMDC)等が挙げられる。
また、本発明に係るゴム組成物は、その他、必要に応じて、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル等、通常ゴム組成物に用いられる公知の添加剤を添加することができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系等の老化防止剤が挙げられる。より具体的には、老化防止剤としてはフェノール系の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、リン系のトリノニルフェニルフォスファイト(TNP)、硫黄系の4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(TPL)等が挙げられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有磯充填剤が挙げられ、プロセスオイルとしては、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のプロセスオイルが挙げられる。
さらに、本発明に係るゴム組成物は、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては特にエポキシ基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤が好ましい。
エポキシ基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤として、市販で利用できるものは、例えば、以下のものが含まれるが、決してこれらに限定されるものではない。3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシエチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシプロピルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシブチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリエトキシシランなどがある。この中でも特に、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシランが好ましい。
エポキシ基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤の添加量は、エポキシ化ジエン系ゴムのもつエポキシ基数に対し0.1〜1モル当量が好ましい。当該シランカップリング剤の添加量が0.1モル当量未満では、tanδおよび耐摩耗性の改善効果が少なくなる傾向がある。また、当該シランカップリング剤の添加量が1モル当量を超えると、経済的に好ましくない傾向がある。
シランカップリング剤を用いたゴム組成物は、シリカなどのゴム補強剤との混合により、ゴム補強剤のゴムマトリクス中での分散性を向上させる働きがある。その結果、低燃費性などの効果にもつながる。
本発明に係るゴム組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール混練機、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練時の最高温度がシランカップリング剤とエポキシ基の反応温度以上となる条件で混練りすることで得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
(参考例1)
195gのポリブタジエン(UBEPOL 150L:宇部興産(株)製)に5gのステアリン酸を練りこみ、ついで、10.5gの過酸化水素水(H 30%)を練りこみ、6インチロール、60℃、ギャップ2mmで202gになるまで混練した。用いた6インチロールは安田精機製6インチロール混練機である。得られた変性ゴムのエポキシ化率は0.8%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は40.9、精製後のSi含量は54ppmであった。このエポキシ化ポリブタジエンゴムを以降EBR1と仮称する。
なお、エポキシ化率および精製後のSi含量は次のように測定した。
(エポキシ化率)
JIS K7236に準じて測定した。なお、JIS K7236と異なる点は、エポキシ化ゴムの量を0.6g〜0.9gとしたこと、エポキシ化ゴムの溶解時に用いるクロロホルムをシクロへキサンに変更したことである。また、JIS K7236では測定直前に20mlの酢酸を加えることとなっているが、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液に含まれる酢酸以外に加えなかったことである。エポキシ化率の低いゴムは規格量の酢酸を加えると塊状に析出し、滴定できなかった。酢酸量を減じた場合、当量点が分かりにくくなるが、析出した試料が油膜状に測定液上に広がり時間をかければ滴定可能となった。その他の試薬調整等はJIS K7236に述べられている通りである。
また、ここでエポキシ化率は、下記計算式数1を用いて計算した。エポキシ当量とはエポキシ基1モルに相当するエポキシ化樹脂の質量(g)であり、JIS K7236に述べられている方法で求められる。100%エポキシ化ポリブタジエンの場合はブタジエン分子量+酸素1原子量である。
Figure 2012167215
(精製後のSi含量)
サンプルを24時間静置した後、約5gを取りシクロヘキサン100mlに溶解し、エタノールで析出させる操作を2回行った。得られた試料を再び90℃、1時間乾燥させ、ICP分析によりSiの含量を測定した。
(実施例1)
参考例1で作製したEBR1を30gを取り、3インチロール(温度:60℃、ロール間隔:0.8mm)に巻きつけて混練した。3インチロールは、日新科学株式会社製テストロール機(HR−2型)を用いた。次に、GOPTMS(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)(東京化成製:試薬)0.3gをピペットを用いてロール上のEBR1垂らし、さらに5分間練り込んだ。この変性ポリブタジエンゴムを混練後、真空乾燥機(90℃)で1時間熱処理し、実施例1に係る変性ポリブタジエンゴムを得た。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は72.8であった。なお、当該ムーニー粘度は表1中では、MLと略記している(以下の実施例、比較例に関しても同様)。また、参考例1と同様にしてエポキシ化率を測定した。さらに、参考例1と同様にして精製後のSi含量を測定した。なお、変性を行う場合、精製後のSi含量が多いほど、変性率が高いことを示す。エポキシ化率は0.45%、精製後Si含量は1200ppmであった。結果を表1に示す。
(比較例1)
参考例1で作製したEBR1から30gを取り、真空乾燥機(90℃)で1時間、熱処理した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は93.7で、溶媒に対し不溶化したため、エポキシ化率および精製後のSi含量は測定することができなかった。結果を表1に示す。
(比較例2)
参考例1で作製したEBR1から30gを取り、0.3gのGOPTMSを加え、3インチロールで3分間混練し、約50時間静置した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は118、エポキシ化率は0.85%、精製後のSi含量は290ppmであった。結果を表1に示す。
(比較例3)
参考例1で作製したEBR1から30gを取り、0.3gのMPTMS(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)を加え、3インチロールで5分間混練した。混練後、真空乾燥機(90℃)で1時間、熱処理した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は154、溶媒に不溶解化したため、エポキシ化率および精製後のSi含量は測定しなかった。結果を表1に示す。
(比較例4)
参考例1で作製したEBR1から30gを取り、0.3gのAPTMS(3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を加え、3インチロールで5分間混練した。混練後、真空乾燥機(90℃)で1時間、熱処理した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は95.9であった。溶媒に対する不溶解分が存在したが、そのままエポキシ化率および精製後のSi含量を測定した。エポキシ化率は0.60%、精製後Si含量は1200ppmであった。結果を表1に示す。
(比較例5)
ポリブタジエン30gにGOPTMS(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)を0.3g加え、3インチロールで5分間混練した。混練後、真空乾燥機(90℃)で1時間、熱処理した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は40.9、エポキシ化率は0.40%、精製後のSi含量は72ppmであった。結果を表1に示す。
Figure 2012167215
以上より、実施例に係る変性ポリブタジエンは、ムーニー粘度が低く、精製後のSi含量が多かったが、比較例に係る変性ポリブタジエンは、シクロへキサンおよびクロロホルムへの不溶解分が存在し、ムーニー粘度も高かった。
(参考例2)
390gのポリブタジエン(UBEPOL 150L:宇部興産(株)製)に6インチロールを用いて10gのステアリン酸を練りこみ、ついで、21gの過酸化水素水(H 30%)を練りこみ、60℃、ギャップ2mmで405gになるまで混練した。6インチロールは、安田精機製6インチロール混練機を用いた。ついで、酸化防止剤(Irganox1520L)を0.4g練りこんだ。この変性ゴムを以降EBR2と仮称する。
(実施例2)
参考例2で作製したEBR2から100gを取り、6インチロールを用いて、GOPTMSを1g練りこみ、真空乾燥機中(90℃)で1時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)41.2および精製後Si含量は1100ppmであった。結果を表2に示す。
(比較例6)
参考例2で作製したEBR2から100gを取り、真空乾燥機中(50℃)で2時間乾燥した。乾燥前後の重量変化は約1.5%であった。さらに90℃で1時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)102および精製後Si含量は19ppmであった。結果を表2に示す。
(比較例7)
参考例2で作製したEBR2から100gを取り、真空乾燥機中(50℃)で2時間乾燥した。乾燥前後の重量変化は約1.5%であった。6インチロールを用いて、GOPTMSを1g練りこみ、真空乾燥機中(90℃)で1時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)105および精製後Si含量は170ppmであった。結果を表2に示す。
(比較例8)
参考例2で作製したEBR2から100gを取り、真空乾燥機中(50℃)で2時間乾燥した。乾燥前後の重量変化は約1.5%であった。6インチロールを用いて、APTMSを1g練りこみ、真空乾燥機中(90℃)で1時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)162および精製後Si含量は870ppmであった。結果を表2に示す。
Figure 2012167215
(比較例9)
宇部興産(株)製UBEPOL 150Lを表3に示す配合でゴム加硫物とした。具体的には、180ccのバンバリータイプのプラストミルを予め90℃に加温し、ポリブタジエンゴム(UBEPOL 150L:宇部興産(株)製)30重量部と、スチレン−ブタジエンゴム(旭化成製SBR:アサプレンE15)70重量部をプラストミルに投入して30秒混練した。続けてシリカ(ニップシール AQ)75重量部にシランカップリング剤(Si69)を6重量部、プロセスオイル(サンセンオイル4240)21.5重量部、亜鉛華3重量部、老化防止剤(アンチゲン6C:住友化学製)を1重量部、ステアリン酸1重量部を混合し、そのうち半分をプラストミルに投入し、1分間混練した。次に、残り半分を投入し約3分30秒混練した。混練を開始してから合計で5分間経過した後、混練物をプラストミルより取り出した。次に、6インチロールに取り出した混合物を巻きつけてロール混練しながら、加硫剤である硫黄を1.4重量部と加硫促進剤ノクセラーCZ1.7重量部およびノクセラーD2重量部を添加した。ロールの温度は60℃とし、約5分間の間に硫黄と加硫促進剤を混合した。次に、後述する試験に必要な加硫成型体を得るため、加硫成型を行った。熱プレスにセットした金型を用い、金型内に混合物を入れて温度160℃、約20〜25分間加熱加圧することで加硫成型を行った。
(参考例3)
390gのポリブタジエン(UBEPOL 150L:宇部興産(株)製)に6インチロールを用いて、10gのステアリン酸を練りこみ、ついで、21gの過酸化水素水(H 30%)を練りこみ、6インチロール、60℃、ギャップ2mmで405gになるまで混練した。ついで酸化防止剤(Irganox1520L)を1.2g練りこんだ。この変性ゴムを以降EBR3と仮称する。
(比較例10)
参考例3で作製したEBR3から100gを取り、真空乾燥機中(50℃)で2時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は50.6であった。このようにして得られた変性ゴムを比較例9と同様にして表3に示す配合で比較例10に係るゴム加硫物を作製した。
(実施例3)
参考例3で作製したEBR3から100gを取り、6インチロールを用いて、GOPTMS1gを練りこみ、真空乾燥機中(90℃)で1時間乾燥した。ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は52.8、精製後Si含量は1200ppmであった。このようにして得られた変性ゴムを比較例9と同様にして表3に示す配合で実施例3に係るゴム加硫物を作製した。
Figure 2012167215
得られた比較例9、10及び実施例3に係るゴム加硫物について、下記に示す方法で物性を測定した。結果を表4に示す。
(加硫物tanδ)
EPLEXOR 100N(GABO社製)を用いて、初期歪み10%、動歪み0.3%、周波数16Hz、温度50℃の測定条件で各配合物のtanδを測定し、比較例1のtanδを100とし、下記計算式数2で指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗特性が優れることを示す。
Figure 2012167215
(引張試験)
JIS K6251に準拠して測定し、引張強度(TB)、破壊伸度(EB)、(TB×EB)/2を下記計算式数3で指数表示した。一般的に指数が大きい程、ゴム組成物として有利である。また、(TB×EB)/2は破壊までに費やされたエネルギーのおおよその大きさを示し、一般に数値が大きいほど破壊しにくく、ゴム組成物として有利である。
(反発弾性試験)
反発弾性は、JIS K6251に規定されている測定法に従って、トリプソ式で測定し、下記計算式数3で指数表示した。一般的に指数が大きい程、ゴム組成物として有利である。
Figure 2012167215
Figure 2012167215
以上の実施例および比較例から以下のことが分かった。
(1)混練法によりエポキシ化を行い、エポキシ化剤の除去を行わない場合、高温の処理によって架橋反応が進行する可能性がある。その理由としては、残存したエポキシ化剤から、ゴム加硫で行われる過酸化物架橋と同様のラジカルが発生して、ジエン系ゴムの主鎖が架橋するためであると考えられる。
(2)エポキシ化剤の除去を行わない場合、ニ次変性にアミノ基やメルカプト基のようにエポキシ化剤と反応する可能性のある官能基を有するシラン変性剤を使用するとさらに架橋反応が進行する場合がある。その理由としては、残存したエポキシ化剤によって、アルコキシシラン構造側と式(1)のA側の双方が活性化され、主鎖のエポキシ基に付加する反応が起き、シラン変性剤が架橋剤として作用するためであると考えられる。
(3)エポキシ化剤の除去を行わない場合、グリシジル基のようにエポキシ化剤に対し安定な官能基を有するシラン化合物を使用すると、エポキシ化剤の存在により、変性率が高まり、かつ架橋反応も抑制される。その理由としては、アルコキシシラン構造側のみが活性化されて付加反応が起きるので変性率が高まり、同時に残存するエポキシ化剤も消費されるのでラジカルによる架橋反応も抑制されると考えられる。
(4)また、エポキシ化工程と変性工程の間の乾燥が過ぎると、エポキシ化剤が消滅し、アルコキシシラン構造側の付加反応もなくなるため、変性率が下がるものと考えられる。

Claims (5)

  1. 原料ジエン系ゴムに、エポキシ化触媒を添加してエポキシ化ジエン系ゴムを得るエポキシ化工程と、
    該エポキシ化ジエン系ゴムを完全に乾燥させずに、下記式(1)で示される構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得る変性工程とを備えた変性ジエン系ゴムの製造方法。
    Figure 2012167215
  2. 原料ジエン系ゴムに、エポキシ化触媒を添加してエポキシ化ジエン系ゴムを得るエポキシ化工程と、
    該エポキシ化ジエン系ゴムに、下記式(1)で示される構造を有する化合物を加え、その後加熱処理して変性ジエン系ゴムを得る変性工程を備えた変性ジエン系ゴムの製造方法において、
    前記エポキシ化工程において製造されるエポキシ化ジエン系ゴムと、前記変性工程において下記式(1)で示される構造を有する化合物を加える前のエポキシ化ジエン系ゴムとの重量変化率が1.5%未満であることを特徴とする変性ジエン系ゴムの製造方法。
    Figure 2012167215
  3. 前記変性工程は、機械的混練によって反応させることを特徴とする請求項1又は2記載の変性ジエン系ゴムの製造方法。
  4. 請求項1乃至3いずれか記載の変性ジエン系ゴムの製造方法によって製造された変性ジエン系ゴム。
  5. 請求項4記載の変性ジエン系ゴムとシリカとを含有することを特徴とする変性ジエン系ゴム組成物。

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