JPH11100433A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH11100433A
JPH11100433A JP21209298A JP21209298A JPH11100433A JP H11100433 A JPH11100433 A JP H11100433A JP 21209298 A JP21209298 A JP 21209298A JP 21209298 A JP21209298 A JP 21209298A JP H11100433 A JPH11100433 A JP H11100433A
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silyl group
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雅幸 藤田
Masato Kusakabe
正人 日下部
Yoshiki Nakagawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂の接着強度を保ちつつ、硬くて
もろい性質を改善し、耐候性のレベルを改良し、硬質か
ら軟質に至る幅広い弾性体を与える低粘度の硬化性組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)架橋性シリル基を少なくとも1個
有するビニル系重合体、(B)エポキシ樹脂、を必須成
分とする硬化性組成物を用い、硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋性シリル基を少
なくとも1個有するビニル系重合体により改質された硬
化性組成物に関する。さらに詳しくは、エポキシ樹脂に
ブレンドすることにより、硬化後に種々の基材に対して
強固に密着するとともに、弾性的な性質を有し、特に弾
性接着剤として有用な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂系接着剤は、金属、プラス
チック、木材、ガラス、セラミック、石材、コンクリー
トなど広範囲の材料への優れた接着強度や耐久性に対す
る信頼性から、自動車、車輌、航空機、造船、エレクト
ロニクス、建築、土木など広範囲な工業分野で用いられ
ている。しかしその硬化物は一般的に弾性率が高くエネ
ルギー吸収能力が低いため、硬くて脆い欠点がある。こ
のため、線膨張係数の大きく異なる材料の接着や、建築
材料のようにヒートサイクルにより繰り返し変位を受け
るような部材の接着には問題を残している。
【0003】この問題を解決するために、エポキシ樹脂
に架橋性シリル基少なくとも1個有するポリエーテル系
重合体をブレンドしたいわゆる変成シリコーン系弾性接
着剤が広く用いられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のエポキ
シ樹脂とポリエーテル系重合体のブレンドによる弾性接
着剤は種々の問題点を有している。まず、エポキシ樹脂
と架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体は相溶
性が悪く、通常ポリエーテル重合体のマトリックス中に
エポキシ樹脂が微分散した構造の軟質弾性体は得られる
ものの、逆にエポキシマトリックス中にポリエーテル重
合体が分散した硬質タイプのものを得ることができな
い。また、ポリエーテル系重合体は主鎖構造に3級水素
基を有することから一般的に耐候性、耐熱性が要求され
る分野には使用できないという問題がある。
【0005】これらの点を解決するために、耐候性に優
れ、またエポキシ樹脂との相溶性のよい架橋性シリル基
含有(メタ)アクリル系重合体を第3成分としてブレン
ドした、エポキシ−ポリエーテル−(メタ)アクリルの
3元系が提案されている(特開平2−214759)。
しかし、ここで用いられる(メタ)アクリル系重合体は
フリーラジカル重合によって合成されているため、分子
量分布が広く高粘度であり、エポキシ樹脂との混合物も
また高粘度になってしまうという問題がある。また、架
橋性シリル基を高い比率で導入することができないため
に、ポリエーテル系重合体をブレンドすることによって
せっかく得られた弾性的性質が損なわれてしまうという
問題もある。
【0006】従って本発明においては、エポキシ樹脂の
接着強度を保ちつつ、その硬くて脆い性質を改善すると
ともに、耐候性のレベルも改良し、さらに、硬質から軟
質にいたる幅広い弾性体を与える低粘度な硬化性組成物
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】架橋性シリル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体とエポキシ樹脂を必須成
分とする硬化性組成物を用いることにより、上記課題が
解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用される(I)
成分のビニル系重合体は、下記一般式(1)で示される
架橋性シリル基を少なくとも1個有する。 −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1) {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素
数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は
同一であってもよく、異なっていてもよい)で示される
トリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以
上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、
Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。} 上記Yで示される加水分解性基としては特に限定され
ず、従来公知のものを用いることができ、具体的には、
水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、
ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ
基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、
加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという点から、
アルコキシ基が特に好ましい。該加水分解性基や水酸基
は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することが
でき、a+mb、すなわち、加水分解性基の総和は1〜
5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性ケ
イ素基中に2個以上結合するときは、それらは同一であ
っても、異なっていてもよい。架橋性ケイ素化合物を構
成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であっても
よいが、シロキサン結合により連結されたケイ素原子の
場合は20個程度まであってもよい。
【0009】一般式(1)の架橋性シリル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体の主鎖を構成するモノマー
としては特に制約はなく、各種のものを用いることがで
きる。本発明のビニル系重合体の主鎖の製造に用いられ
るビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のも
のを用いることができる。例示するならば、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n
−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル
酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オク
チル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、
(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェ
ニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル
酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)
アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオ
キシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル
酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸ト
リフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリ
フルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフ
ルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メ
タ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アク
リル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパー
フルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メ
タ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メ
タ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メ
タ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等
の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレ
ンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パー
フルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビ
ニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含
有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マ
レイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステ
ル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジ
アルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エ
チルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミ
ド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシ
ルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイ
ミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノ
マー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニト
リル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタク
リルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香
酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレ
ン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレ
ン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩
化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これら
は、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わ
ない。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
【0010】一般式(1)の架橋性シリル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体で、上記のモノマーの中で
(メタ)アクリル酸系モノマーを40重量%以上用いて
合成することにより得られた(メタ)アクリル系重合体
が、物性面からより好ましい。架橋性シリル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体の分子量については特に
制限はないが、500〜100000の範囲にあるのが
好ましい。分子量が500以下であると、ビニル系重合
体の本来の特性が発現されにくく、また、100000
以上であると、取り扱いが困難になる。
【0011】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)につい
ては特に制限はない。しかし、硬化性組成物とした際の
粘度を低く抑えて取扱いを容易にし、なおかつ十分な硬
化物物性を得るためには、分子量分布は狭いのが好まし
い。分子量分布の値としては1.8未満が好ましく、よ
り好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以
下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは
1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。
【0012】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、
その方法は特に限定されない。しかし、モノマーの汎用
性、制御の容易性の点からラジカル重合法によって、直
接架橋性シリル基を導入したり、1段階あるいは数段階
の反応で架橋性シリル基に変換できる特定の官能基を有
するビニル系重合体を得、この特定の官能基を架橋性シ
リル基に変換することにより架橋性シリル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体を得る方法がより好まし
い。
【0013】架橋性シリル基を含む特定の官能基を有す
るビニル系重合体を合成する方法において用いられるラ
ジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸
化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビ
ニル系モノマーとを単に共重合させるする「一般的なラ
ジカル重合法」と末端などの制御された位置に特定の官
能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に
分類できる。「一般的なラジカル重合法」は、簡便な方
法であり本発明でも使用可能である。しかしこの方法で
は、特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合
体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得よ
うとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必
要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入さ
れない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。
またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く
粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0014】「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の
官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうこと
により末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる
「連鎖移動剤法」と重合生長末端が停止反応などを起こ
さずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重
合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類す
ることができる。
【0015】「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合
体を得ることが可能であり、本発明でも使用可能である
が、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する
連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題が
ある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、
フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度
の高い重合体しか得られないという問題点もある。これ
らの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」
は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなど
による停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされ
るラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにく
く、分子量分布の狭い重合体(Mw/Mnが1.1〜
1.5程度)が得られるとともに、モノマーと開始剤の
仕込み比によって分子量は自由にコントロールすること
ができる。
【0016】従って「リビングラジカル重合法」は、分
子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる
上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任
意の位置に導入することができるため、上記特定の官能
基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ま
しいものである。なお、リビング重合とは狭義において
は、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく
重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化された
ものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長し
ていく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義
も後者である。
【0017】「リビングラジカル重合法」は近年様々な
グループで積極的に研究がなされている。その例として
は、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、19
94年、116巻、7943頁に示されるようなコバル
トポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュール
ズ(Macromolecules)、1994年、2
7巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物
などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物
等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラ
ジカル重合」(Atom Transfer Radi
cal Polymerization:ATRP)な
どがあげられる。
【0018】「リビングラジカル重合法」の中でも、有
機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を
開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを
重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビ
ングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応
に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒
の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有す
るビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。
この原子移動ラジカル重合法としては例えばMatyj
aszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・
ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.So
c.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレ
キュールズ(Macromolecules)1995
年、28巻、7901頁,サイエンス(Scienc
e)1996年、272巻、866頁、WO96/30
421号公報,WO97/18247号公報あるいはS
awamotoら、マクロモレキュールズ(Macro
molecules)1995年、28巻、1721頁
などが挙げられる。
【0019】この原子移動ラジカル重合では、有機ハロ
ゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有す
る有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有する
カルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤
として用いられる。上記原子移動ラジカル重合の触媒と
して用いられる遷移金属錯体としては、周期表第7族、
8族、9族、10族、11族元素を中心金属とする錯体
が用いることができる。好ましいものとしては、0価の
銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価の
ニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好
ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩
化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一
銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を
用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリ
ジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及び
その誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメ
チルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−
アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加
される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェ
ニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒
として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用い
る場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類
が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホス
フィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケ
ルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(P
Ph32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホ
スフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒とし
て好適である。
【0020】この重合において用いられるビニル系のモ
ノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをす
べて好適に用いることができる。上記重合反応は、無溶
剤又は各種の溶剤中で行うことができる。溶剤として
は、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール
系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニ
トリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
これらは、単独又は2種以上を混合して用いることがで
きる。また、上記重合は、0〜200℃の範囲で行うこ
とができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
【0021】一般式1で示される架橋性シリル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体は、以下に例示する方
法を利用して得ることが可能であるがこれらに限定され
るわけではない。架橋性シリル基を少なくとも1個有す
るビニル系重合体の合成方法としては、 (A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重
合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、
ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法(B)水酸
基を少なくとも1個有するビニル系重合体に一分子中に
架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反
応し得る基を有する化合物を反応させる方法(C)ラジ
カル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子
中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ
化合物を反応させる方法(D)ラジカル重合によりビニ
ル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連
鎖移動剤を用いる方法(E)反応性の高い炭素−ハロゲ
ン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に1分子
中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合
物を反応させる方法;などがあげられる。
【0022】(A)の方法で用いるアルケニル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られ
る。以下に合成方法を例示するが、これらに限定される
わけではない。 (A−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成す
る際に、例えば下記の一般式(2)に挙げられるような
一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケ
ニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応さ
せる方法。 H2C=C(R3)−R4−R5−C(R6)=CH2 (2) (式中、R3は水素またはメチル基を示し、R4は−C
(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示
し、R5は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有
機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。R6は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低い
アルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限
はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質
を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノ
マーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させる
のが好ましい。
【0023】(A−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサ
ジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンな
どのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個
有する化合物を反応させる方法。 (A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくと
も1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブチ
ル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアル
ケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハ
ロゲンを置換する方法。
【0024】(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式
(3)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化
カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+-(R7)(R8)−R9−C(R6)=CH2 (3) (式中、R6は上記に同じ、R7、R8はともにカルバニ
オンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一方
が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10の
アルキル基、またはフェニル基を示す。R9は直接結
合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカ
リ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す) R7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0025】(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンや
アセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化
合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケ
ニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を
有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電
子化合物と反応させる方法。
【0026】(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一
般式(4)あるいは(5)に示されるようなアルケニル
基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートア
ニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 H2C=C(R6)−R10−O-+ (4) (式中、R6、M+は上記に同じ。R10は炭素数1〜20
の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいて
もよい) H2C=C(R6)−R11−C(O)O-+ (5) (式中、R6、M+は上記に同じ。R11は直接結合、また
は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル
結合を含んでいてもよい)などが挙げられる。
【0027】上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を
少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は例とし
て、 (E−a)ラジカル重合において特開平4−13270
6に示されるような、例えば四塩化炭素、塩化エチレ
ン、四臭化炭素、臭化メチレンようなハロゲン化物を連
鎖移動剤に用いる方法(連鎖移動剤法)。
【0028】(E−b)前述のような有機ハロゲン化物
等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラ
ジカル重合法;などが挙げられるがこれらに限定される
わけではない。またアルケニル基を少なくとも1個有す
るビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示す
る方法が利用できるがこれらに限定されるわけではな
い。水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水
酸基に、 (A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用さ
せ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物
と反応させる方法。
【0029】(A−h)アリルイソシアネート等のアル
ケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。 (A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケ
ニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に
反応させる方法。 (A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸
を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が挙げられる。
【0030】本発明では(A−a)(A−b)のような
アルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しな
い場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系
重合体を合成することが好ましい。制御がより容易であ
る点から(A−b)の方法がさらに好ましい。反応性の
高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル
系重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基
を導入する場合は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を
少なくとも1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲ
ン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒と
してビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移
動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭
素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合
体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から
(A−f)の方法がさらに好ましい。
【0031】また、架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示
すと、一般式(6)で示される化合物が例示される。 H−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (6) (式中、R1、R2、a、b、m、Yは前記に同じ。) これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(7) H−Si(R23-a(Y)a (7) (式中、R2、Y、aは前記に同じ)で示される架橋性
基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
【0032】上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属
触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例え
ば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等
の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、
白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメ
チルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の
触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhC
3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3
PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられ
る。
【0033】(B)および(A−g)〜(A−j)の方
法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合
体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これ
らの方法に限定されるものではない。 (B−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成す
る際に、例えば下記の一般式(8)に挙げられるような
一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化
合物を第2のモノマーとして反応させる方法。 H2C=C(R3)−R4−R5−OH (8) (式中、R3、R4、R5は上記に同じ) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ
持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビ
ングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には
重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後
に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0034】(B−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセ
ノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのような
アルケニルアルコールを反応させる方法。 (B−c)例えば特開平5−262808に示される水
酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤
を多量に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる
方法。 (B−d)例えば特開平6−239912、特開平8−
283310に示されるような過酸化水素あるいは水酸
基含有開始剤を用いてビニル系モノマーをラジカル重合
させる方法。 (B−e)例えば特開平6−116312に示されるよ
うなアルコール類を過剰に用いてビニル系モノマーをラ
ジカル重合させる方法。 (B−f)例えば特開平4−132706などに示され
るような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少
なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを加水
分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることによ
り、末端に水酸基を導入する方法。 (B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくと
も1個有するビニル系重合体に、一般式(9)に挙げら
れるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応さ
せてハロゲンを置換する方法。 M+-(R7)(R8)−R9−OH (9) (式中、R7、R8、R9、は上記に同じ) R7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0035】(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド
類、又はケトン類を反応させる方法。 (B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくと
も1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(10)
あるいは(11)に示されるような水酸基を有するオキ
シアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応さ
せてハロゲンを置換する方法。 HO−R10−O-+ (10) (式中、R10およびM+は前記に同じ) HO−R11−C(O)O-+ (11) (式中、R11およびM+は前記に同じ) 等が挙げられる。
【0036】本発明では(B−a)〜(B−e)のよう
な水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場
合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合
体を合成することが好ましい。制御がより容易である点
から(B−b)の方法がさらに好ましい。反応性の高い
炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重
合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する
場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニ
ル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系
モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重
合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン
結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるの
が好ましい。制御がより容易である点から(B−i)の
方法がさらに好ましい。
【0037】また、一分子中に架橋性シリル基とイソシ
アネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合
物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキ
シシラン等が挙げられ、必要により一般に知られている
ウレタン化反応の触媒を使用できる。
【0038】(C)の方法で用いる一分子中に重合性の
アルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物として
は、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリ
レート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アク
リレートなどのような、下記一般式(12)で示すもの
が挙げられる。 H2C=C(R3)−R4−R12−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R2 3-a (Y)a (12) (式中、R1、R2、R3、R4、Y、a、b、mは上記に
同じ。R12は、直接結合、または炭素数1〜20の2価
の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。) 一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併
せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特
にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場
合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終
了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好まし
い。(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル
基を有する連鎖移動剤としては例えば特公平3−140
68、特公平4−55444に示される、架橋性シリル
基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有するヒド
ロシランなどが挙げられる。
【0039】(E)の方法で用いられる、反応性の高い
炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重
合体は前述のとおり(E−a)〜(E−b)の方法で得
ることができる。一分子中に架橋性シリル基と安定化カ
ルバニオンを併せ持つ化合物としては一般式(13)で
示すものが挙げられる。 M+-(R7)(R8)−R13−C(H)(R14)−CH2−[Si(R12-b (Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (13) (式中、R1、R2、R7、R8、Y、a、b、m、は前記
に同じ。R13は直接結合、または炭素数1〜10の2価
の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い、R14は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す。) R7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0040】また、架橋性シリル基が少なくとも1個分
子鎖の末端に有するビニル系重合体を、有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移
金属錯体を触媒として用いる重合法で得るためには、開
始点となる反応性の高い炭素−ハロゲン結合を2個以上
有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル
化合物を開始剤として用いるのが好ましい。それらの具
体例としては、
【0041】
【化1】
【0042】(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20アリール基、または炭素数7〜20
アラルキル基を表す。C64は、フェニレン基を表す。
nは0〜20の整数を表す。Xは塩素、臭素、またはヨ
ウ素を表す。)
【0043】
【化2】
【0044】(式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表
す。nは0〜20の整数を表す。C64は、フェニレン
基を表す。)等があげられる。架橋性シリル基を少なく
とも1個分子鎖の末端に有するビニル系重合体は上記の
ほかにも、得ることができる。
【0045】架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物
を開始剤として用いれば、片末端に架橋性シリル基を有
し、他の末端が一般式2の構造を有するビニル系重合体
が得られる。このようにして得られる重合体の停止末端
のハロゲンを架橋性シリル基含有置換基に変換すれば、
両末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得る
ことができる。その変換方法としては、既に記載した方
法を使用することができる。
【0046】架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物
としては特に制限はないが、例えば一般式(14)、
(15)に示す構造を有するものが例示される。 R1516C(X)−R17−R18−C(H)(R19)CH2−[Si(R12-b( Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (14) (式中、R1、R2、a、b、m、X、Yは上記に同じ。
15、R16は、独立して水素、または炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素
数7〜20のアラルキル基、または他端において相互に
連結したもの、R 17は−C(O)O−、−C(O)−、
または、o−,m−,p−フェニレン基を示す。R18
直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R19は水素、
または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の
アリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示
す。) (R23-a(Y)aSi−[OSi(R12-b(Y)bm−CH2−C(H)( R19)−R18−C(R15)(X)−R17−R16 (15) (式中、R1、R2、R15、R16、R17、R18、R19
a、b、m、X、Yは上記に同じ) 架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤とし
て用いると、片末端が架橋性シリル基、他の末端がハロ
ゲンである重合体が得られるが、この重合体のハロゲン
を置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以
上有する化合物を用いて、ハロゲン末端どうしをカップ
リングさせることによっても、両末端に架橋性シリル基
を有するビニル系重合体を得ることができる。
【0047】末端ハロゲンを置換できる、同一または異
なった官能基を合計2個以上有する化合物としては特に
制限はないが、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン
酸、ポリチオール、およびそれらの塩、アルカリ金属硫
化物等が好ましい。アルケニル基を有する有機ハロゲン
化物を開始剤に用いれば、片末端にアルケニル基を有
し、他の末端がハロゲンである重合体が得られる。この
ようにして得られる重合体の末端のハロゲンをアルケニ
ル含有置換基に変換すれば、両末端にアルケニル基を有
するビニル系重合体を得ることができ、このアルケニル
基を上述の方法などで架橋性シリル基に変換すれば、両
末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得るこ
とができる。
【0048】ゴム的な性質が要求される本用途において
は、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大
きくとれるため、架橋性シリル基の少なくとも1個は分
子鎖の末端にあることが好ましく、全て分子鎖末端にあ
るのがさらに好ましい。従って、架橋性シリル基の少な
くとも1個有するビニル系重合体を合成する際に用い
る、水酸基、ハロゲンあるいはアルケニル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体は、これらの官能基が分子
鎖の末端に存在するものであることが好ましい。
【0049】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体、中でも(メタ)アクリル系重合体を製造
する方法は、例えば特公平3−14068、特公平4−
55444、特開平6−211922などに開示されて
いるが、これらの方法は「連鎖移動剤法」を用いている
ので、これらの架橋性シリル基は比較的高い割合で末端
に存在するが、得られる重合体の分子量分布が一般的に
は2以上と広く、粘度が高くなるという問題がある。従
って分子量分布の狭い、粘度の低い、高い割合で末端に
架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得るにはリビ
ングラジカル重合法を用いるのが好ましい。
【0050】本発明における(II)成分であるエポキ
シ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグ
リシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、p−オキ
シ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹
脂、m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジ
フェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ
樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジル
アニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、ト
リグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンのような多価ア
ルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキ
シ樹脂、石油樹脂などのような不飽和重合体のエポキシ
化物などが例示されるが、これらに限定されるものでは
なく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得
る。
【0051】これらのエポキシ樹脂の中でもエポキシ基
を一分子中に少なくとも1個有するものが、硬化に際
し、反応性が高く硬化物が3次元的網目を作りやすいな
どの点から好ましい。具体的にはビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂類、ノボラック型エポキシ樹脂類がより好ま
しく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂類が更に好まし
い。これらエポキシ樹脂は単独もしくは2種以上を混合
して用いることができる。
【0052】また、エポキシ樹脂の各種硬化剤を併用す
ると一層効果が出る場合もあり、各種硬化剤の併用も本
発明に包含される。そのような硬化剤を例示するなら
ば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N
−アミノエチルピペラジン、BASF社製ラミロンC−
260、CIBA社製Araldit HY−964、
ロームアンドハース社製メンセンジアミン、イソホロン
ジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、m−キシ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の1級ア
ミン、(CH32N(CH2nN(CH32(式中nは
1〜10の整数)で示される直鎖状ジアミン、(C
32−N(CH2n−CH3(式中nは0〜10の整
数)で示される直鎖第3級アミン、テトラメチルグアニ
ジン、N{(CH2nCH33(式中nは1〜10の整
数)で示されるアルキル第3級モノアミン、トリエタノ
ールアミン、ピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジ
ン、トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、ジア
ザビシクロウンデセン、ベンジルジメチルアミン、2−
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第2級ま
たは第3級アミン、無水フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸等の酸無水物、各種ポリアミド樹脂、ジシアン
ジアミドおよびその誘導体、各種イミダゾール類、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシランなどの一分子中にアミノ基と加水分解性シリル
基を有する化合物、アミン化合物とカルボニル化合物と
の縮合反応により得られるケチミン等が挙げられる。ケ
チミン化合物の具体例としては例えば特開平7−242
737号公報などが挙げられる。
【0053】またこの硬化性樹脂組成物に、一般式
(1)で示される架橋性シリル基とエポキシ基の両方に
反応可能な基を有する化合物を添加すると強度がより向
上するので好ましい。その具体例としては、例えばN−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシランなどが挙げられる。
【0054】本発明の硬化性組成物において、(I)成
分の架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重
合体と(II)成分のエポキシ樹脂の混合比は、重量比
で100/1〜1/100の範囲が好ましいが、100
/5〜5/100の範囲にあることがさらに好ましい。
またこの硬化性組成物は線膨張係数の異なる材料の接着
や、ヒートサイクルにより繰り返し変位を受けるような
部材の接着に用いる弾性接着剤として用いるのがさらに
好ましい。
【0055】本発明の架橋性シリル基を少なくとも1個
有するビニル系重合体を硬化させるにあたっては縮合触
媒を使用してもしなくてもよい。縮合触媒としてはテト
ラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチ
タン酸エステル;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫
ジアセチルアセトナート、ジブチル錫マレエート、ジブ
チル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチ
ル錫オキシドとカルボン酸エステルあるいはカルボン酸
あるいは水酸基含有化合物の反応物、オクチル酸錫、ナ
フテン酸錫等の有機錫化合物;アルミニウムトリスアセ
チルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトア
セテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセト
アセテートなどの有機アルミニウム化合物;ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトナートジルコニウムテトライソ
プロポキサイド、ジルコニウムテトラブトキサイドなど
の有機ジルコニウム化合物;オクチル酸鉛などの有機鉛
化合物;、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、シ
クロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノ
プロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジ
アミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モル
ホリン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビシク
ロ(5,4,6)ウンデセン−7等のアミン系化合物あ
るいはそれらのカルボン酸塩;ラウリルアミンとオクチ
ル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物
と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリア
ミンと多塩基酸から得られる低分子量ポリアミド樹脂;
過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物;アミ
ノ基を有するシランカップリング剤、例えば、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の公知の
シラノール触媒1種または2種以上を必要に応じて用い
ればよい。使用量は架橋性シリル基を少なくとも1個有
するビニル系重合体100重量部に対し、0〜10重量
部使用するのが好ましい。加水分解性基Yとしてアルコ
キシ基が使用される場合は、この重合体のみでは硬化速
度が遅いので、硬化触媒を使用することが好ましい。
【0056】本発明の硬化性組成物の機械物性を調整す
る目的で充填材を添加できる。具体的には、フュームド
シリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸および
カーボンブラックのような補強性充填材;炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレ
ー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナ
イト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華およびシラス
バルーンなどのような充填材;石綿、ガラス繊維および
フィラメントのような繊維状充填材が使用できる。これ
ら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒ
ュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ
酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、
焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華などから選ばれる
充填材を架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル
系重合体100重量部に対して1〜200重量部の範囲
で添加すれば好ましい結果が得られる。また、低強度で
伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛お
よびシラスバルーンなどから選ばれる充填材を、架橋性
シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体100
重量部に対して1〜200重量部の範囲で添加すれば好
ましい結果が得られる。これら充填材は1種類で使用し
てもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0057】また物性および粘度の調整のために可塑剤
を添加できる。具体的には、ジブチルフタレート、ジヘ
プチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレー
ト、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレー
ト等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジ
オクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコール
のエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチル
ホスフェート等のリン酸エステル類;ポリエリレングリ
コール、ポリプロピレングリコールあるいはこれらの水
酸基を変換したポリエーテル類;塩化パラフィン類;ア
ルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素
系油等が挙げられ、これらを単独、または2種以上混合
して使用することができるが、必ずしも必要とするもの
ではない。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合す
ることも可能である。可塑剤量は、架橋性シリル基を少
なくとも1個有するビニル系重合体100重量部に対し
て0〜100重量部の範囲で添加すれば好ましい結果が
得られる接着促進剤は、本発明による重合体自体がガラ
ス、ガラス以外のセラミック類、金属等に対して接着性
を有していたり、各種プライマーを使用することにより
広範囲の材料に対して接着させることが可能であるので
必ずしも必要ではないが、各種被着体に対する安定的な
接着性を得るために用いるのが好ましい。
【0058】接着促進剤としては、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシノール、アルキルフェノ
ール、変性フェノール(たとえば、カシューオイル変性
フェノール、トールオイル変性フェノールなど)などの
フェノール系化合物とホルマリン、パラホルムアルデヒ
ドなどのアルデヒド系化合物との反応により得られるレ
ゾール型またはノボラック型のフェノール樹脂;硫黄;
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂
などのエポキシ樹脂;テトラブチルチタネートなどのア
ルキルチタネート類、トリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシ
アネート;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)―γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)―γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)―γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランなどのような一分子中にア
ミノ基と架橋性シリル基有する化合物;γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシランなどのような一分子中にエポキシ
基と架橋性シリル基有する化合物;γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシランなどのような一分子中にメルカプト基と架橋
性シリル基有する化合物;γ−イソシアナートプロピル
トリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリ
エトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジ
メトキシシランなどのような一分子中にイソシアナート
基と架橋性シリル基有する化合物;上記のような一分子
中にアミノ基と架橋性シリル基有する化合物と一分子中
にエポキシ基と架橋性シリル基有する化合物あるいは一
分子中にイソシアナート基と架橋性シリル基有する化合
物の反応物;γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランなどのような一分子中に(メタ)
アクリロキシ基と架橋性シリル基有する化合物と上記の
ような一分子中にアミノ基と架橋性シリル基有する化合
物の反応物;などが挙げられる。これらは単独で使用し
ても2種類以上併用しても良い。なかでも物性および接
着性の制御が比較的容易な一分子中にアミノ基と架橋性
シリル基有する化合物、一分子中にエポキシ基と架橋性
シリル基有する化合物、一分子中にメルカプト基と架橋
性シリル基有する化合物、一分子中にアミノ基と架橋性
シリル基有する化合物と一分子中にエポキシ基と架橋性
シリル基有する化合物の反応物、一分子中に(メタ)ア
クリロキシ基と架橋性シリル基有する化合物と一分子中
にアミノ基と架橋性シリル基有する化合物の反応物など
のような一分子中に窒素、酸素、硫黄原子のうちの少な
くとも一つを有する有機基と架橋性シリル基を有する化
合物が好ましい。接着性の高さから、上記の窒素、酸
素、硫黄原子のうちの少なくとも一つを有する有機基
が、アミノ基、イソシアネート基あるいはこれらが反応
することにより生成する基である、一分子中に窒素原子
を有する有機基と架橋性シリル基を有する化合物がさら
に好ましい。
【0059】上記接着促進剤は、架橋性シリル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体100重量部に対し、
0.01から20重量部使用されるのが好ましい。0.
01重量部では接着性の改善効果が発現しにくく、20
重量部越えると硬化物の物性に悪影響を与える。接着促
進剤の添加量は、好ましくは0.1〜10重量部、さら
に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0060】硬化性組成物を硬化させた時の硬度を上げ
たり、硬度を下げて伸びを出したりして物性を制御する
ために、物性調整剤を用いることができる。物性調整剤
としては例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシ
ラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルト
リイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジイソプロペノキシシランなどのアルキルイソプ
ロペノキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルメチルジメトキシシランなどの各種シランカップリン
グ剤、シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が必要
に応じて添加される。架橋性シリル基を少なくとも1個
有するビニル系重合体100重量部に対し、0〜20重
量部の範囲で添加すれば好ましい結果が得られる。
【0061】硬化性組成物の硬化速度を速めたり、遅ら
せたりするために硬化性調整剤を、また貯蔵中の増粘を
抑えるために貯蔵安定性改良剤を添加することができ
る。硬化性調整剤あるいは貯蔵安定性改良剤としては、
メタノール、エタノールなどのアルコール類;オルトギ
酸メチルナドノオルトエステル類;テトラエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ランなどの架橋性シリル基有する化合物;2−エチルヘ
キサン酸などのカルボン酸類などが挙げられる。架橋性
シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体100
重量部に対し、0〜20重量部の範囲で添加すれば好ま
しい結果が得られる。
【0062】本発明の硬化性組成物はその他に、トルエ
ン、メチルエチルケトンなどの各種溶剤;各種シランカ
ップリング剤、架橋性シリル基を有するポリシロキサン
などの各種変性剤;ポリアミドワックス、水添ヒマシ
油、金属石鹸などのレオロジー特性調整剤;紫外線硬化
性樹脂、酸素硬化性樹脂などの表面特性および/あるい
は耐候性改良剤;顔料、染料などの着色剤;老化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、難燃化剤などのような
添加剤も任意に使用してもよい。本発明の硬化性組成物
は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空
気中の湿分を吸収することにより硬化する1成分型とし
て調製することも可能である。また、架橋性シリル基を
少なくとも1個有するビニル系重合体とその硬化触媒、
エポキシ樹脂とその硬化剤あるいは硬化触媒をそれぞれ
別に配合しておき、使用前に混合する多成分型として調
整することも可能である。さらに架橋性シリル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体とエポキシ樹脂の硬化
剤あるいは硬化触媒を主成分とするA液、エポキシ樹脂
と架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合
体の硬化触媒を主成分とするB液をそれぞれ別に配合し
ておき、使用前に混合する2成分型として調製すること
も可能である。取り扱いが容易で、施工時のミスも少な
い1成分型がより好ましい。以下に本発明を実施例に基
づき説明するが、下記実施例に限定されるものではな
い。 (合成例1)末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチ
ル)の合成 50mlフラスコに臭化第一銅0.63g(4.4mm
ol)、ペンタメチルジエチレントリアミン0.76g
(4.4mmol)、アセトニトリル5ml、2,5−
ジブロモアジピン酸ジエチル1.6g(4.4mmo
l)、アクリル酸ブチル44.7g(349mmol)
を仕込み、凍結脱気をおこなった後、窒素雰囲気下で7
0℃7時間反応させた。活性アルミナのカラムを通して
銅触媒を除去精製することにより末端にBr基を有する
重合体を得た。得られた重合体の数平均分子量はGPC
測定(移動相クロロホルム、ポリスチレン換算)で10
700、分子量分布1.15であった。末端にアルケニル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブ
チル)の合成 窒素雰囲気下、200mlフラスコに上記で得た末端に
ハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)35
g、ペンテン酸カリウム2.2g(16.1mmo
l)、DMAc35mLを仕込み、70℃で4時間反応
させた。反応混合液中の未反応のペンテン酸カリウムお
よび生成した臭化カリウムを水抽出精製により除去し、
末端にアルケニル基を有する重合体を得た。得られた重
合体の数平均分子量はGPC測定(移動相クロロホル
ム、ポリスチレン換算)で11300、分子量分布1.
12であった。また1H−NMR分析より求めた重合体
1分子あたりのアルケニル基の個数は1.82個であっ
た。末端に架橋性シリル基を有するポリ(アクリル酸−n−
ブチル)の合成 200mL耐圧反応管に上記で得た末端にアルケニル基
を有する重合体15g、メチルジメトキシシラン1.8
mL(14.5mmol)オルトギ酸メチル0.26m
L(2.4mmol)、白金ビス(ジビニルテトラメチ
ルジシロキサン)10-4mmolを仕込み、100℃で
4時間反応させ、末端に架橋性シリル基を有する重合体
を得た。得られた重合体の粘度は44Pa・sであり、
数平均分子量はGPC測定(移動相クロロホルム、ポリ
スチレン換算)で11900、分子量分布1.12であ
った。また1H−NMR分析により重合体1分子あたり
の架橋性ケイ素基の個数は1.46個であった。 (参考例1)合成例1のポリマー硬化物の物性測定 合成例1で得た末端に架橋性シリル基を有する重合体1
00重量部に対し、ジブチルスズジアセチルアセトナー
ト1重量部を混合し、型枠に流し込んで、減圧乾燥器を
用いて室温で脱泡した。50℃で20時間加熱硬化させ
ることにより、均一なゴム状硬化物シートが得られた。
トルエン抽出により求めたゲル分率は95%であった。
ゴム状硬化物シートから2(1/3)号形ダンベル試験
片を打ち抜き、オートグラフを用いて引っ張り試験を行
った(200mm/min)ところ破断強度は0.26
MPa、破断伸びは84%であった。 (比較合成例1)架橋性ケイ素基含有モノマーを用いた架橋性シリル基を
有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)の合成 トルエン400g、アクリル酸ブチル385g、メタク
リル酸メチルジメトキシシリルプロピル15g、アゾビ
スイソブチロニトリル6gを1Lフラスコ中で窒素バブ
リングしながら105℃で7時間重合した。トルエンを
留去することにより架橋性シリル基を有するポリ(アク
リル酸−n−ブチル)が得られた。この重合体の粘度は
74Pa・sであり、数平均分子量はGPC測定(移動
相クロロホルム、ポリスチレン換算)により、850
0、分子量分布は2.47であった。また1H−NMR
分析より求めた重合体1分子あたりの平均の水酸基の個
数は1.40個であった。 (比較参考例1)比較合成例1のポリマー硬化物の物性測定 合成例1で得た末端に架橋性シリル基を有する重合体1
00重量部に対し、ジブチルスズジアセチルアセトナー
ト1重量部を混合し、型枠に流し込んで、減圧乾燥器を
用いて室温で脱泡した。50℃で20時間加熱硬化させ
ることにより、均一なゴム状硬化物シートが得られた。
トルエン抽出により求めたゲル分率は78%であった。
ゴム状硬化物シートから2(1/3)号形ダンベル試験
片を打ち抜き、オートグラフを用いて引っ張り試験を行
った(200mm/min)ところ破断強度は0.14
MPa、破断伸びは69%であった。 (比較合成例2)水酸基末端ポリプロピレンオキサイドの合成 オートクレーブにヘキサシアノコバルト酸亜鉛−グライ
ム錯体0.04g、ジプロピレングリコール2.0gの
THF溶液、プロピレンオキサイド9.6gを添加し、
窒素雰囲気下、76℃で反応させた。その後プロピレン
オキサイド145.2gを反応系に追加した。未反応モ
ノマーと溶媒を回収、精製し、油状物150gを得た。
生成物はGPC分析で単一ピークを示し、分子量分布
(Mw/Mn)は1.14であった。またその水酸基価
は、11.8mgKOH/gであった。不飽和基末端ポリプロピレンオキサイドの合成 上記で得られた水酸基末端ポリプロピレンオキサイド1
20gにナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28
wt%)5.8g(30.2mmol)を加え、オート
クレーブ中で130℃で1時間反応させた後、減圧脱揮
した。窒素雰囲気下に戻し、塩化アリル2.8g(3
6.2mmol)を添加し、2時間反応させた。この反
応混合物をヘキサンに溶解し、ケイ酸アルミニウムで吸
着処理した後ヘキサンを減圧留去することにより不飽和
基末端ポリプロピレンオキサイドを得た。 架橋性シリル基末端ポリプロピレンオキサイドの合成 上記の合成で得られた不飽和基末端ポリプロピレンオキ
サイド120gを耐圧ガラス製反応容器に仕込み、塩化
白金酸のイソプロパノール溶液(25gのH2PtCl6
・6H2Oを500gのイソプロパノールに溶解したも
の)0.02gを添加後、30分攪拌した。メチルジメ
トキシシラン2.1g(20.2mmol)を滴下し9
0℃で2時間反応させた。減圧することにより揮発分を
除去し、架橋性シリル基末端ポリプロピレンオキサイド
を得た。この重合体の粘度は6Pa・sであり、数平均
分子量はGPC測定(移動相クロロホルム、ポリスチレ
ン換算)により、17300、分子量分布は1.14で
あった。 (実施例1)合成例1で得た末端に架橋性シリル基を有
するポリ(アクリル酸−n−ブチル)とエピコート82
8(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、油化シェルエポ
キシ製)を重量比2:1および1:1で混合し遠心脱泡
して泡を抜いた。静置7日後に混合液の様子を観察し、
相溶性を判定した。結果を表1に示した。 (比較例1、2)合成例1で得た重合体の代わりに比較
合成例1および2で得た重合体を用いた他は実施例1と
同様にして、相溶性の判定をおこなった。結果を表1に
あわせて示した。
【0063】
【表1】
【0064】実施例1および比較例1はいずれの系でも
ビニル系重合体とエポキシ樹脂は相溶していた一方で、
比較例2のポリエーテル系重合体は2:1では相溶する
ものの1:1では2相に分離しており、ビニル系重合体
とエポキシ樹脂の相溶性の高いことがわかる。 (実施例2)合成例1で得たビニル系重合体100重量
部に対し、エピコート828を50重量部、シラノール
縮合触媒(#918、三共有機製)2重量部、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを5重
量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン2重量部、水1重量部を混合し、遠
心脱泡後に平型型枠に混合液を流し込み室温で1日、5
0℃で3日養生し、硬化物のシートを作製した。硬化物
のシートから2(1/3)号形ダンベル試験片を打ち抜
き、オートグラフを用いて引っ張り試験をおこない30
%伸長時応力(M30)測定した(200mm/mi
n)。またA1050Pのアルミニウム試験片に塗布
し、室温で3日50℃で4日養生した。JIS K68
50に基づき引っ張りせん断接着強さ試験をおこなっ
た。結果を合わせて表2に示した。 (比較例3、4)合成例1で得た重合体の代わりに比較
合成例1および2で得た重合体を用いた他は実施例2と
同様にして、物性を測定した。結果を合わせて表2に示
した。
【0065】
【表2】
【0066】実施例2は高モジュラスでせん断強度も高
いものである。比較例3の配合混合物は実施例2のもの
よりも高粘度であり、取扱いにくいものであった。また
硬化物はモジュラスもせん断強度も低く、接着剤として
不十分な物性であった。比較例4はせん断強度は十分で
あるがモジュラスが低いため、接着部での変形量が大き
くなりすぎて不適切である。 (実施例3)合成例1で得たビニル系重合体100重量
部に対し、エピコート828を100重量部、シラノー
ル縮合触媒(#918、三共有機製)2重量部、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを
10重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン2重量部、水1重量部を混合
し、A1050Pのアルミニウム試験片に塗布し、室温
で3日50℃で4日養生した。JIS K6850に基
づき引っ張りせん断接着強さ試験をおこなった。結果を
表3に示した。 (比較例5、6)合成例1で得た重合体の代わりに比較
合成例1および2で得た重合体を用いた他は実施例3と
同様にして、物性を測定した。結果を合わせて表3に示
した。
【0067】
【表3】
【0068】比較例5の配合混合物は実施例3のものよ
りも高粘度であり、取扱いにくいものであった。実施例
3および比較例6は十分な強度を有していた。しかし比
較例6は比較例2で示したように相溶しない組成である
ので、物性の安定的な発現という点から不適切である。
比較例5の強度は不足していた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の二成分:(I)一般式(1)で示さ
    れる架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重
    合体、(II)エポキシ樹脂、を必須成分とする硬化性
    組成物。 −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1) {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
    アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素
    数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は
    同一であってもよく、異なっていてもよい)で示される
    トリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以
    上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっ
    ていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、
    Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよ
    く、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
    を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
    の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
    するものとする。}
  2. 【請求項2】(I)成分のビニル系重合体のゲルパーミ
    エーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子
    量と数平均分子量の比が1.8未満である請求項1記載
    の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】(I)成分のビニル系重合体が(メタ)ア
    クリル系重合体である請求項1〜2のうちいずれか1項
    に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(I)成分のビニル系重合体の製造法がリ
    ビングラジカル重合法であることを特徴とする請求項1
    〜3のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(I)成分のビニル系重合体の製造法が原
    子移動ラジラル重合法であることを特徴とする請求項1
    〜4のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】(I)成分の一般式(1)で示される架橋
    性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有する請求項
    1〜5のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(I)成分の一般式(1)で示される架橋
    性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体が以
    下の工程: (1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル
    化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モ
    ノマーをラジカル重合することによりハロゲンを末端に
    有するビニル系重合体を製造し、(2)アルケニル基を
    有するオキシアニオンを反応させてハロゲンを置換する
    ことにより、末端にアルケニル基を有するビニル系重合
    体を製造し、(3)一般式(1)で示す架橋性シリル基
    を有するヒドロシラン化合物を反応させる;により得ら
    れる重合体である、請求項1〜6のうちいずれか1項に
    記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】(I)成分の一般式(1)で示される架橋
    性シリル基を有するビニル系重合体が以下の工程: (1)ビニル系モノマーをリビングラジカル重合法によ
    り重合することにより、ビニル系重合体を製造し、
    (2)続いて重合性の低いアルケニル基を少なくとも2
    個有する化合物を反応させることにより末端にアルケニ
    ル基を有するビニル系重合体を製造し、末端アルケニル
    基を一般式1で示す架橋性シリル基を有するヒドロシラ
    ン化合物を反応させることによりシリル基含有置換基に
    変換する;により得られる重合体である、請求項1〜6
    のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】(II)成分のエポキシ樹脂がビスフェノ
    ールA型エポキシ樹脂である、請求項1〜8のうちいず
    れか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のうちいずれか1項に記載
    の硬化性組成物を用いた弾性接着剤。
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