JP2004244528A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)重合体末端に反応性ケイ素基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体、および(B)重合体末端に反応性ケイ素基を1分子あたり1個有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる硬化性組成物により解決する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性組成物に関し、詳しくは、汚染性に優れた硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
末端に反応性ケイ素基を少なくとも1個有するポリオキシプロピレン系重合体(以下、ポリオキシプロピレン系重合体)は建築用シーリング材に広く利用されているが、このポリオキシプロピレン系重合体に各種の可塑剤を配合して用いると、可塑剤は移行性があるため、シーリング材表面へのブリードやシーリング目地周辺の汚染を引き起こすという問題があった。また、シーリング材表面に塗料を塗布した場合は塗料が汚染されるという問題があった。
【0003】
この問題に対して、可塑剤を用いる代わりに、一方の末端が有機基で封鎖されかつ他方の末端が反応性ケイ素基である直鎖ポリエーテルを用いる方法(特許文献1)、1分子あたりの平均の反応性ケイ素基含有量が多いポリエーテルに、1分子あたりの平均の反応性ケイ素基含有量が少ないポリエーテルを組合わせる方法(特許文献2、3、4)が提案されている。しかし、これらの方法はポリエーテルの片末端を封止するための工程が必用であったり、反応性ケイ素基を全く有しない非反応性のポリエーテルを少なからず含み移行性を解消し得ない等の欠点があった。
【0004】
【特許文献1】特開平4−57850 号公報
【0005】
【特許文献2】特開平5−59267 号公報
【0006】
【特許文献3】特開平9−95609 号公報
【0007】
【特許文献4】特開平9−95619 号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、組成物の粘度が実用上問題なく作業性良好であって、その硬化物が柔軟性を有し、シーリング材に使用した場合のシーリング目地周辺の汚染や、シーリング材表面に塗料が塗られた場合の塗料汚染がない硬化性組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下記からなる硬化性組成物に関する。
(1)(A)末端に反応性ケイ素基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体、および(B)末端に反応性ケイ素基を1分子あたり1個有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる硬化性組成物。
(2)重合体(B)の分子量分布が1.5以下である(1)に記載の硬化性組成物。
(3)重合体(B)の分子量分布が1.3以下である(2)に記載の硬化性組成物。
(4)上記いずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の成分(A)のポリオキシアルキレン系重合体における重合体主鎖を構成する単位としては、一般式(1):
−R−O− (1)
(式中、Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表わされるものが使用できるが、入手性が容易な点から、ポリオキシプロピレン系重合体がより好ましい。
【0011】
ポリオキシアルキレン系重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、適度に低粘度である点や適度な柔軟性を有する硬化物を与える点から、上記式で表わされる構成単位が、ポリオキシアルキレン系重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0012】
本発明の成分(A)における重合体主鎖の製造方法は特に限定されることはなく、開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得る方法が例示できる。具体的には、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、例えば,特開昭61−215623号公報に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体に代表される遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、例えば、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号各公報に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、例えば、特開平11−60723号公報に示されるフォスファゼンを用いた重合法等があげられる。中でも複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、フォスファゼンを用いた重合法は、着色が殆どなく、また、高分子量であっても分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができるために高分子量ながら低粘度のポリオキシアルキレン系重合体が得られる特徴があるので好ましい。
【0013】
この他にも、本発明の成分(A)の重合体主鎖は、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。また、2官能や3官能のイソシアネート化合物によって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を鎖延長する方法等もあげられる。
【0014】
本発明の成分(A)が含有する反応性ケイ素基は特に限定されるものではなく、代表的なものを示すと、例えば、一般式(2)で表される基があげられる。
−[Si(R1 2−b)(Yb)O]mSi(R2 3−a)Ya (2)
(式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときは、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2、または3を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。また、m個の一般式(3):
−Si(R1 2−b)(Yb)O− (3)
におけるbは異なっていてもよい。mは0〜19の整数を示す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする。)
上記Yで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であれば好適に使用できる。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やかで取り扱い易いという点から、メトキシ基などのアルコキシ基が特に好ましい。
【0015】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素中に2個以上存在する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。反応性ケイ素基中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あってもよいが、シロキサン結合などによりケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよい。
【0016】
反応性ケイ素基としては、特に制限されないが、加水分解活性の高い点と加水分解性が穏やかで取り扱い易い点から、ジメチルモノメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジイソプロペニルオキシシリル基およびトリイソプロペニルオキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
反応性ケイ素基を本発明の成分(A)の重合体末端に導入する方法としては、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。特に、アルケニル基を末端に有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基含有ヒドロシラン化合物とを8族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
【0018】
これ以外にも水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体への反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物の添加や、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基含有アミン化合物との反応、イソシアネート基末端ポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基含有メルカプタン化合物との反応等によっても得ることができる。
【0019】
アルケニル基を末端に有するポリオキシアルキレン系重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体にアルケニル基を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合等により結合させる方法等が挙げられる。例えば、エーテル結合によりアルケニル基を導入する場合は、ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等)を生成した後、アルケニル基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
【0020】
上記アルケニル基含有化合物としては、特に反応性の点から、CH2=CH−CH2−Cl、CH2=C(CH3)−CH2−Clが好ましい。
【0021】
不飽和基の導入方法としては、これ以外にCH2=CH−CH2−基やCH2=C(CH3)−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボン酸、エポキシ化合物を用いることもできる。
【0022】
8族遷移金属触媒としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等の8族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が使用される。例えば、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2等のような化合物が使用できるが、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
【0023】
この様な製造法は、例えば、特許公報第1396791号、特許公報第1727750号、特許公報第2135751号、特開平3−72527号公報に示されている。
【0024】
本発明の成分(A)の分子量には特に制限はないが、GPC測定におけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000であることが好ましい。更には取り扱いの容易さ等から1,000〜70,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると硬化物が脆くなるため好ましくなく、100,000を越えると重合体の粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
【0025】
本発明の成分(B)は、(メタ)アクリルアクリル酸エステル系単量体を主として重合して製造される。ここで「主として」とは、重合体を構成する単量体単位のうち50重量%以上、好ましくは70重量%以上が上記単量体であることを意味する。これらの単量体としては特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系単量体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系単量体、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系単量体、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類、エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコ−ル等があげられる。これらは1種類で用いても、2種類以上を用いてもよい。
【0026】
本発明においては、これらの好ましい単量体を他の単量体と共重合、更にはブロック共重合させても良い。その場合、これらの好ましい単量体が40重量%以上含まれていることが好ましい。
【0027】
本発明の成分(B)の数平均分子量は特に制限はないが、GPC測定でのポリスチレン換算で、3,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上がさらに好ましい。分子量が小さいと、硬化物の高伸びが発現されにくい場合がある。また、取り扱いの容易さの点から、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。
【0028】
本発明の成分(B)の分子量分布は特に限定されないが、成分(A)および成分(B)を配合した組成物の粘度、作業性の点から、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.3以下である。
【0029】
本発明の成分(B)における重合体主鎖の製造方法は特に限定はされないが、制御ラジカル重合が好ましく、分子末端への官能基導入のし易さからリビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。特に分子量分布を1.5以下とするためにはリビングラジカル重合がより好ましく、さらに分子量分布を1.3以下とするためには原子移動ラジカル重合が特に好ましい。
【0030】
制御ラジカル重合法は、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行なうことにより末端に官能基を有する重合体が得られる連鎖移動剤法と、重合成長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計通りの分子量の重合体が得られるリビングラジカル重合法とに分類することができる。
【0031】
ここで、連鎖移動剤法は官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。またフリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0032】
一方、リビングラジカル重合法は重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすい。このため、制御が難しいラジカル重合ではあるが、分子量分布の狭い(分子量分布が1.1〜1.5程度)重合体を得ることができる。また、単量体と開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。従って、リビングラジカル重合法では、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、本発明の成分(B)のような特定の官能基を重合体末端に有する重合体の製造方法としては特に好ましい。
【0033】
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
【0034】
リビングラジカル重合法は、例えば、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティ−(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
【0035】
リビングラジカル重合法の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系単量体を重合する原子移動ラジカル重合法はリビングラジカル重合法の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。
この原子移動ラジカル重合法としては、例えば、Matyjaszewskiら,ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年,117巻,5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年,28巻,7901頁、サイエンス(Science)1996年,272巻,866頁、WO96/30421号公報、WO97/18247号公報、WO98/01480号公報、WO98/40415号公報、あるいはSawamotoら,マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年,28巻,1721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報などがあげられる。
【0036】
原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。具体的に例示するならば、C6H5−CH2X、C6H5−C(H)(X)CH3、C6H5−C(X)(CH3)2(ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)、R3−C(H)(X)−CO2R4、R3−C(CH3)(X)−CO2R4、R3−C(H)(X)−C(O)R4、R3−C(CH3)(X)−C(O)R4(式中、R3、R4は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは前記に同じ)、R3−C6H4−SO2X(式中、R3、Xは前記に同じ)等があげられる。
【0037】
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、アルケニル基、反応性ケイ素基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等があげられる。
【0038】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物は、特に限定されるものではないが、例えば、一般式(4)に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (4)
(式中、R5は水素、またはメチル基、R6、R7は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、R8は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエ−テル結合を含んでいても良い、Xは前記に同じ)
置換基R6、R7の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等があげられる。R6とR7は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
【0039】
一般式(4)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
【0040】
【化1】
(各式中、Xは前記に同じ、nは0〜20の整数)、
XCH2C(O)O(CH2)kO(CH2)nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nCH=CH2、
【0041】
【化2】
(各式中、X、nは前記に同じ、kは1〜20の整数)、
o−,m−,p−XCH2−C6H4−(CH2)k−CH=CH2、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)k−CH=CH2、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)k−CH=CH2(各式中、X、kは前記に同じ)、
o−,m−,p−XCH2−C6H4−(CH2)k−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)k−O−(CH2)n−CH=CH2、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)k−O−(CH2)nCH=CH2(各式中、X、n、kは前記に同じ)、o−,m−,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2(各式中、X、nは前記に同じ)、o−,m−,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)k−O−(CH2)n−CH=CH2、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)k−O−(CH2)n−CH=CH2、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)k−O−(CH2)n−CH=CH2(各式中、X、n、kは前記に同じ)などがあげられる。
【0042】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(5)で示される化合物があげられる。
H2C=C(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (5)
(式中、R5、R6、R7、R9、Xは上記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
R8は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R10としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R9が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R10としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0043】
一般式(5)の化合物を具体的に例示するならば、CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R11、CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5(各式中、Xは前記に同じ、R11は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)等があげられる。
【0044】
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例をあげるならば、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X(各式中、X、nは前記に同じ)等である。
【0045】
反応性ケイ素基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式(6)に示す構造を有するものが例示される。
R6R7C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R12 2−b)(Yb)O]m−Si(R13 3−a)Ya (6)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、X、Y、a,b,mは前記に同じ、R12、R13は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は前記に同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R15またはR16が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
一般式(6)の化合物を具体的に例示するならば、XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2(各式中、X、nは前記に同じ)、XCH2C(O)O(CH2)kO(CH2)nSi(OCH3)3、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nSi(OCH3)3、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nSi(OCH3)3、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)nSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)kO(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)n−Si(CH3)(OCH3)2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)n−Si(CH3)(OCH3)2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)kO(CH2)n−Si(CH3)(OCH3)2(各式中、X、k、nは前記に同じ)、o−,m−,p−XCH2−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o−,m−,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o−,m−,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o−,m−,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3(各式中、Xは前記に同じ)等があげられる。
【0046】
反応性ケイ素基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(7)で示される構造を有するものが例示される。
(R13 3−a)(Ya)Si−[OSi(R12 2−b)(Yb)]m−CH2−C(H)(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (10)
(式中、R5、R6、R7、R9、R10、R11、R12、R13、a、b、m、X、Yは前記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5(各式中、X、R11は前記に同じ)等があげられる。
【0047】
ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO−(CH2)k−OC(O)C(H)(R14)(X)
(式中、X、kは前記に同じ、R14は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
H2N−(CH2)k−OC(O)C(H)(R14)(X)
(上記の各式において、X、R14、kは前記に同じ)
エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、化3のようなものが例示される。
【0048】
【化3】
(X、R14、kは前記に同じ)
この重合において用いられるビニル系単量体としては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されるものではないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、または2価のニッケルの錯体があげられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等があげられる。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2’−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。好ましい配位子は、含窒素化合物であり、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合物であり、さらに好ましい配位子は、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンである。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh3)3)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh3)2)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh3)2)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu3)2)も、触媒として好ましい。
【0050】
重合は無溶剤または各種の溶剤中で行なうことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等があげられ、単独または2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
また、限定はされないが、重合は0℃〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
【0052】
本発明の原子移動ラジカル重合には、いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も含まれる。リバース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(II)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平衡状態を生み出す方法である(Macromolecules 1999,32,2872参照)。
【0053】
本発明の成分(B)の末端に導入される反応性ケイ素基は特に限定されるものではなく代表的なものを示すと、例えば、一般式(8)で表される基があげられる。
【0054】
−[Si(R15 2−b)(Yb)O]mSi(R16 3−a)Ya (8)
(式中、Y、a、b、mは前記に同じ、R15、R16はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は前記に同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R15またはR16が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
上記Yで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基が使用できる。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏やかで取り扱い易いという点から、メトキシ基などのアルコキシ基が特に好ましい。
【0055】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(a+mb)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。反応性ケイ素基中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以上あってもよいが、シロキサン結合などによりケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には、20個程度あってもよい。
【0056】
反応性ケイ素基としては、特に制限されないが、加水分解活性の高い点と加水分解性が穏やかで取り扱い易い点から、ジメチルモノメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジイソプロペニルオキシシリル基及びトリイソプロペニルオキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0057】
本発明の成分(B)は重合体末端に反応性ケイ素基を1分子あたり1個有するものである。従って、リビングラジカル重合法、特に、原子移動ラジカル重合法を用いることが、高い割合で分子鎖末端に反応性ケイ素基を有し、分子量分布が狭く、粘度の低いビニル系重合体が得られるので好ましい。
【0058】
本発明の成分(B)の重合体末端への反応性ケイ素基導入法については、例えば、下記に示す方法を使用することができる。なお、末端官能基変換により反応性ケイ素基、アルケニル基、水酸基を導入する方法において、これらの官能基はお互いに前駆体となりうるので、反応性ケイ素基を導入する方法から溯る順序で記述する。
(1)アルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法、
(2)水酸基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一分子中に反応性ケイ素基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を併せ持つ化合物を反応させる方法、
(3)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一分子中に反応性ケイ素基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法、
などがあげられる。
【0059】
(1)の方法で用いるアルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体は種々の方法で得られる。以下に製造方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
(1−1)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
(1−2)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、一般式(9)にあげられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
M+C−(R17)(R18)−R19−C(R20)=CH2 (9)
(式中、R17、R18はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R19は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R20は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。M+はアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
R17、R18の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(1−3)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
(1−4)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体に、例えば一般式(10)あるいは(11)に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
H2C=C(R20)−R21−O−M+ (10)
(式中、R20、M+は前記に同じ。R21は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエ−テル結合を含んでいてもよい)
H2C=C(R20)−R22−C(O)O−M+ (11)
(式中、R20、M+は前記に同じ。R22は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
などがあげられる。
【0060】
上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0061】
またアルケニル基を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体は、水酸基を分子鎖末端に少なくとも1個有する重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。
【0062】
水酸基を分子鎖末端に少なくとも1個有する重合体の水酸基に、
(1−5)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法、
(1−6)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法、
(1−7)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法、
(1−8)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法、
などがあげられる。
【0063】
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を1分子当たり1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系単量体をラジカル重合(原子移動ラジカル重合)することにより得られる末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を分子鎖末端に1分子当たり1個有する重合体を用いることが好ましい。
【0064】
また、反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示すと、一般式(12)で示される化合物が例示される。
H−[Si(R15 2−b)(Yb)O]m−Si(R16 3−a)Ya (12)
(式中、R15、R16、Y、a,b,mは前記に同じ。R15またはR16が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(13)
H−Si(R13 3−a)Ya (13)
(式中、R13、Y、aは前記に同じ)
で示される反応性ケイ素基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
【0065】
上記の反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等があげられる。
【0066】
本発明における成分(A)及び成分(B)の混合割合は、モジュラス、伸びの点から成分(A)と成分(B)の重量比が95:5〜20:80であることが好ましい。 本発明の硬化性組成物には、硬化促進触媒として一般的なシラノール縮合触媒が使用できる。この様な硬化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩、若しくはアミン化合物との併用、又は非スズ系化合物がある。
【0067】
有機スズ化合物を具体的に例示すれば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合物による反応混合物、およびこれらジアルキル錫オキシド誘導体のオキシ誘導体などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩を具体的に例示すれば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸スズなどの2価錫カルボン酸塩類があげられる。これら2価錫カルボン酸塩類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。
【0069】
非スズ系化合物の硬化促進触媒として、有機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン酸、酸性リン酸エステル類等があげられる。有機カルボン酸として、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、オクチル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげられるが、触媒活性の点から、脂肪族カルボン酸が好ましい。有機スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルとして以下に示すような有機酸性リン酸エステルがあげられる。有機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触媒活性の点で好ましい。
【0070】
有機酸性リン酸エステル化合物としては、(Q−O)d−P(=O)(−OH)3−d(式中、dは1または2、Qは有機残基を示す。)で表され、以下に、具体的に例示すると、(CH3O)2−P(=O)(−OH)、(CH3O)−P(=O)(−OH) 2、(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、(C2H5O)−P(=O)(−OH) 2、(C3H7O)2−P(=O)(−OH)、(C3H7O)−P(=O)(−OH) 2、(C4H9O)2−P(=O)(−OH)、(C4H9O)−P(=O)(−OH) 2、(C8H17O)2−P(=O)(−OH)、(C8H17O)−P(=O)(−OH) 2、(C10H21O)2−P(=O)(−OH)、(C10H21O)−P(=O)(−OH)2、(C13H27O)2−P(=O)(−OH)、(C13H27O)−P(=O)(−OH)2、(C16H33O)2−P(=O)(−OH)、(C16H33O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C6H12O)2−P(=O)(−OH)、(HO−C6H12O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)、(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)2、[(CH2OH)(CHOH)O]2−P(=O)(−OH)、[(CH2OH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)2、[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]2−P(=O)(−OH)、[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]−P(=O)(−OH)2などがあげられるが、例示物質に限定されるものではない。
【0071】
これら有機酸類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミンの併用系は、触媒活性がより高く、速硬化性の観点で好ましい。
【0072】
アミン化合物としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等があげられる。
【0073】
非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチル酸やオレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカルボン酸成分とするカルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエート)等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類があげられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズと同様、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点から、より好ましい。
【0074】
有機非スズの金属系化合物として、3B族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物等が活性の点から好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0075】
前記有機チタネート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等のキレート化合物などがあげられる。
【0076】
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート類等があげられる。
【0077】
前記有機ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテトラ−n−プロピレート、ジルコニウム−n−ブチレートなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナ−トビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニウムキレート類などがあげられる。
【0078】
これら有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物等は、それぞれ併用も可能であるが、特に、前記アミン化合物、又は酸性リン酸エステル化合物との併用により活性を高めることが可能であり、触媒の使用量を低減できる観点から上記化合物と併用することが好ましく、更に高温での硬化性と常温での可使時間の調整の観点からも望ましい。
【0079】
これらの硬化促進剤の使用量は、目的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、本発明の成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、更にはコストの点から0.1〜10重量部であることがより好ましく、クリープ特性等の力学特性と硬化性のバランスから0.25〜5重量部であることが特に好ましい。
【0080】
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
【0081】
充填剤としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量は本発明の成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計量100重量部に対して、5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性と粘度のバランスから10〜150重量部の範囲がより好ましい。
【0082】
その他の添加剤としては、たとえば水添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色剤、老化防止剤、接着付与剤などがあげられる。
【0083】
また、本発明の硬化性組成物には、接着性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤を1種または2種以上併用して配合することができる。また、これらをあらかじめ反応させて得た反応生成物も配合することができる。
【0084】
粘性改良剤としては、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール等のゲル化剤、アマイドワックス等の脂肪酸アミド化物を例示できる。
【0085】
本発明の硬化性組成物は、シーリング材として有用であり、特に耐候性が必要とされる用途に有用である。
【0086】
【実施例】
以下に、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0087】
(合成例1)
攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、主鎖骨格が複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られたものであり、末端がアリル基である数平均分子量10,000の直鎖状ポリプロピレンオキシド500g、ヘキサン10gを加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換し、これに対して塩化白金酸触媒20μl(白金換算で5重量%のイソプロパノール溶液)を加え、撹拌しながらDMS(ジメトキシメチルシラン)18gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去して、1分子あたり平均1.6個の反応性ケイ素基を有するポリマー(P1)を得た。粘度(23℃:B型粘度計)は7Pa・sであった。
【0088】
(合成例2)
攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、主鎖骨格が複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られたものであり、末端がアリル基である数平均分子量20,000の直鎖状ポリプロピレンオキシド500g、ヘキサン10gを加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換し、これに対して塩化白金酸触媒20μl(白金換算で5重量%のイソプロパノール溶液)を加え、撹拌しながらDMS(ジメトキシメチルシラン)5.2gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去して1分子あたり平均1.8個の反応性ケイ素基を有するポリマー(P2)を得た。粘度(23℃:B型粘度計)は53Pa・sであった。
【0089】
(合成例3)
500mLフラスコに臭化銅(I)1.50g(10.46mmol)、アセトニトリル10mLを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱攪拌した。これに2−ブロモプロピオン酸メチル10.47g(53.7mmol)、アクリル酸ブチル100mL(0.70mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.11mL(1.05mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.036mL(0.35mmol)追加した。80℃で加熱攪拌を続け、この間にトリアミン0.036mL(0.35mmol)を追加した。反応開始から180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応開始から240分後、アセトニトリル60mL、1,7−オクタジエン126mL(0.85mol)、トリアミン0.36mL(3.49mmol)添加し、引き続き80℃で加熱攪拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去して重合体を得た。得られた重合体とキョ−ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)、キョ−ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で減圧下、12時間加熱脱揮した。重合体とキョ−ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)、キョ−ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。5時間後、珪酸アルミをろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体(P3A)を得た。
重合体(P3A)の数平均分子量は2500、分子量分布は1.3であり、1H−NMR分析より求めた重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の個数は1.0個であった。
【0090】
次に、500mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(P3A)(100.0g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(14.80mL、120.0mmol)、オルトぎ酸ジメチル(4.38mL、40.0mmol)、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体(P3A)のアルケニル基に対して、モル比で2×10−4当量とした。反応混合物を100℃で30分加熱した。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端に反応性ケイ素基を有するポリアクリル酸−n−ブチルの重合体(P3)を得た。得られた重合体(P3)の数平均分子量は2500、分子量分布は1.3であり、1H−NMR分析より求めた重合体1分子当たりに導入された平均の反応性ケイ素基の個数は0.9個であった。
【0091】
(合成例4)
500mLフラスコに臭化銅(I)0.75g(5.23mmol)、アセトニトリル10mLを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱攪拌した。これに2−ブロモプロピオン酸メチル3.40g(17.4mmol)、アクリル酸ブチル100mL(0.70mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.11mL(1.05mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.036mL(0.35mmol)追加した。80℃で加熱攪拌を続け、この間にトリアミン0.036mL(0.35mmol)を追加した。反応開始から180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応開始から240分後、アセトニトリル30mL、1,7−オクタジエン12.9mL(87.2mol)、トリアミン0.36mL(3.49mmol)添加し、引き続き80℃で加熱攪拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去して重合体を得た。得られた重合体とキョ−ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)、キョ−ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で減圧下、12時間加熱脱揮した。重合体とキョ−ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)、キョ−ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。5時間後、珪酸アルミをろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体(P4A)を得た。
【0092】
重合体(P4A)の数平均分子量は6550、分子量分布は1.2であり、1H−NMR分析より求めた重合体1分子当たりに導入された平均のアルケニル基の個数は1.2個であった。
【0093】
次に、500mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(P4A)(60.0g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(3.97mL、32.2mmol)、オルトぎ酸ジメチル(1.17mL、10.7mmol)、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体(P4A)のアルケニル基に対して、モル比で2×10−4当量とした。反応混合物を100℃で30分加熱した。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端に反応性ケイ素基を有するポリアクリル酸−n−ブチルの重合体(P4)を得た。得られた重合体(P4)の数平均分子量は7700、分子量分布は1.3であり、1H−NMR分析より求めた重合体1分子当たりに導入された平均の反応性ケイ素基の個数は0.9個であった。
【0094】
(合成例5)
攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、主鎖骨格が複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られたものであり、末端がアリル基である数平均分子量3,000の直鎖状ポリプロピレンオキシド500g、ヘキサン10gを加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換し、これに対して塩化白金酸触媒20μl(白金換算で5重量%のイソプロパノール溶液)を加え、撹拌しながらDMS(ジメトキシメチルシラン)21gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去して1分子あたり平均1.1個の反応性ケイ素基を有するポリマー(P5)を得た。粘度(23℃:B型粘度計)は0.6Pa・sであった。
【0095】
(実施例1〜3、比較例2)
合成例で得られたポリマー(P1〜P5)を表1の通り混合した。この混合ポリマー155重量部に対して、炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:CCR)120重量部、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:R−820)20重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:D−6500)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部を計量、混合して充分混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通した。この後、ビニルトリメトキシシラン2重量部、アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1120)3重量部、硬化促進剤(日東化成(株)製、商品名:U−220)2重量部を加えて混練した。得られた配合物の粘度(23℃:BS型粘度計1rpm)を測定するとともに、ダンベル(JIS3号形)引張試験用に厚さ3mmのシートを作製し、23℃3日+50℃4日間養生して、硬化後の物性(50%モジュラス、破断強度、伸び)を測定した。また、塗料汚染性の評価方法として、作製した厚さ3mmのシートを23℃3日間養生後に市販の7種類の塗料をシート表面に塗布した。その3日後の塗料の汚染状態を、火山灰をかけ、その付着状態を観察することによって評価した(良好:汚うれがほとんど目立たない、やや不良:汚れがやや目立つ、不良:汚れ付着が多く、汚れが目立つ)。さらに、大理石目地に施工し2ヶ月経過後の目地周辺大理石の汚染状態を観察し、汚染部分の幅を測定した。
【0096】
(比較例1)
上記実施例1〜3、比較例2において、ポリマー混合物155部を用いる代わりに、ポリマー(P1)を110重量部、数平均分子量3000の直鎖状ポリプロピレンオキシドを45重量部用いた以外は実施例1〜3、比較例2と同様にして評価を行った。
【0097】
【表1】
以上の結果から、本発明の実施例の配合組成物では、実用上問題のない作業性が得られ、その硬化物が柔軟性を有し、さらに目地周辺の汚染や、シーリング材表面に塗料が塗られた場合の塗料汚染がない硬化性組成物であることが分かる。
【0098】
【発明の効果】
本発明は、組成物の粘度が実用上問題なく作業性良好であって、その硬化物が柔軟性を有し、シーリング材に使用した場合のシーリング目地周辺の汚染や、シーリング材表面に塗料が塗られた場合の塗料汚染がない硬化性組成物である。
Claims (4)
- (A)末端に反応性ケイ素基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体、および(B)末端に反応性ケイ素基を1分子あたり1個有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる硬化性組成物。
- 重合体(B)の分子量分布が1.5以下である請求項1に記載の硬化性組成物。
- 重合体(B)の分子量分布が1.3以下である請求項1に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材組成物。
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