JP4177935B2 - 反応性ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、架橋性シリル基とも言う)を少なくとも一個有するビニル系重合体を含有してなる、反応性ホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくは、塗布工程、接着工程は通常のホットメルト接着剤と同様に扱え、接着後に硬化することにより耐熱接着性(負荷耐熱性)が向上する、低温で熱活性接着可能な反応性ホットメルト接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のホットメルト接着剤の場合、90℃以上の耐熱性を得るためには、120℃以上で熱活性接着させる必要があり、また80℃以下で熱活性接着できるものは40〜50℃程度の耐熱性しか得られないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ホットメルト接着剤の耐熱性を向上させようと、エチレン−酢酸ビニル共重合体に架橋性シリル基を有するビニル系モノマーをグラフト重合することが試みられている(例えば特開平1−301740、特公平2−50147など)。しかし反応の制御が難しい、加熱時の熱安定性が悪い、反応速度にばらつきが多いなどのために実用化されないままに終わっているのが現状である。本発明は、加熱時の熱安定性、特に粘度安定性に優れ、任意の反応速度を設定し得る、低温で熱活性接着が可能、かつ耐熱性のある反応性ホットメルト接着剤を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を反応性ホットメルト接着剤の主成分として用いることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、一般式1で示される架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分として用いる反応性ホットメルト接着剤であり、その特徴としては下記の2点が挙げられる。
(1)塗布後に空気中などの湿気により硬化する湿気硬化型であり、硬化後は高い耐熱性を示す。
(2)溶融粘度が低く低温塗布が可能なため、熱に弱い材料の接着が可能である。また、粘度安定性が良い。
−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
上記Yで示される加水分解性基としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体的には、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという点から、アルコキシ基が特に好ましい。該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+mb、すなわち、加水分解性基の総和は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合するときは、それらは同一であっても、異なっていてもよい。架橋性ケイ素化合物を構成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合により連結されたケイ素原子の場合は20個程度まであってもよい。
【0006】
一般式1の架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の主鎖を構成するモノマーとしては特に制約はなく、各種のものを用いることができる。本発明のビニル系重合体の主鎖の製造に用いられるビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
【0007】
一般式1の架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体で、上記のモノマーの中で(メタ)アクリル酸系モノマーを40重量%以上用いて合成することにより得られた(メタ)アクリル系重合体が、物性面からより好ましい。
【0008】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の分子量については特に制限はないが、500〜100000の範囲にあるのが好ましい。分子量が500以下であると、ビニル系重合体の本来の特性が発現されにくく、また、100000以上であると、取り扱いが困難になる。
【0009】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の分子量分布、すなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比については特に制限はない。しかし、反応性ホットメルト接着剤とした際の溶融粘度を低く抑えて取扱いを容易にし、なおかつ十分な硬化物物性を得るためには、分子量分布は狭いのが好ましい。分子量分布の値としては1.8未満が好ましく、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。
【0010】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、その方法は特に限定されない。しかし、モノマーの汎用性、制御の容易性の点からラジカル重合法によって、直接架橋性シリル基を導入したり、1段階あるいは数段階の反応で架橋性シリル基に変換できる特定の官能基を有するビニル系重合体を得、この特定の官能基を架橋性シリル基に変換することにより架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を得る方法がより好ましい。
【0011】
ラジカル重合法による架橋性シリル基を含む特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法は、アゾ系化合物や過酸化物などを重合開始剤としてビニル系モノマーを重合する際に、特定の官能基を有するモノマーを単に共重合する「一般的なラジカル重合法」と特定の官能基を末端などの制御された位置に導入する「制御ラジカル重合法」に分類できる。
【0012】
「制御ラジカル重合法」は、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いることにより末端に官能基を有するビニル系重合体を得る「連鎖移動剤法」と開始剤末端が生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体を得る「リビングラジカル重合法」に分類できる。
【0013】
「一般的なラジカル重合法」は、簡便な方法ではあり本発明でも使用可能であるが、特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるため、特定の官能基を有する重合体を得ることは可能であるが、問題点もある。
【0014】
「連鎖移動剤法」においても、官能化率の高い重合体を得ることは可能であり、本発明でも使用可能であるが、その場合には開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の一般的なラジカル重合法と同様、分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0015】
リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことを示すが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、コバルトポルフィリン錯体(J.Am.Chem.Soc.1994、116、7943)やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの(Macromolecules、1994、27、7228)、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすく、制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、リビングラジカル重合では停止反応が起こりにくいため、分子量分布の狭い(Mw/Mn=1.1〜1.5)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
【0016】
「リビングラジカル重合法」は、その特性上、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入可能であることから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましい。
【0017】
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」(例えば、Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614,Macromolecules 1995,28,7901,Science 1996,272,866、あるいはSawamotoら、Macromolecules 1995,28,1721を参照)は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。
【0018】
このリビングラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。
【0019】
上記リビングラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属錯体としては、周期表第7族、8族、9族、10族、11族元素を中心金属とする錯体が用いることができる。好ましいものとしては、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として好適である。
【0020】
この重合において用いられるビニル系のモノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
【0021】
上記重合反応は、無溶剤又は各種の溶剤中で行うことができる。溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、上記重合は、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
【0022】
一般式1で示される架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、以下に例示する方法を利用して得ることが可能であるがこれらに限定されるわけではない。
【0023】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法としては、(A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法(B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に1分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法;などがあげられる。
【0024】
(A)の方法で用いるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られる。以下に合成方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
【0025】
(A−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式2に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R3)−R4−R5−C(R6)=CH2 (2)
(式中、R3は水素またはメチル基を示し、R4は−C(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示し、R5は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R6は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0026】
(A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなどのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応させる方法。
【0027】
(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
【0028】
(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式3に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
M+C−(R7)(R8)−R9−C(R6)=CH2 (3)
(式中、R6は上記に同じ、R7、R8はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R9は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。また、M+としては、アルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオンが好ましい。
【0029】
(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
【0030】
(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式4あるいは5に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
2C=C(R6)−R10−O−M+ (4)
(式中、R6、M+は上記に同じ。R10は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
2C=C(R6)−R11−C(O)O−M+ (5)
(式中、R6、M+は上記に同じ。R11は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
などが挙げられる。
【0031】
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は例として、
(E−a)特開平4−132706に示されるような、例えば四塩化炭素、塩化エチレン、四臭化炭素、臭化メチレンようなハロゲン化物を連鎖移動剤に用いる方法(連鎖移動剤法)。
【0032】
(E−b)前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法;などが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
【0033】
またアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
【0034】
(A−h)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。
【0035】
(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法。
【0036】
(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が挙げられる。
【0037】
本発明では(A−a)(A−b)のようなアルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(A−b)の方法がさらに好ましい。
【0038】
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(A−f)の方法がさらに好ましい。
【0039】
また、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示すと、一般式6で示される化合物が例示される。
H−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (6)
(式中、R1、R2、a、b、m、Yは前記に同じ。)
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式7
H−Si(R23-a(Y)a (7)
(式中、R2、Y、aは前記に同じ)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
【0040】
上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられる。
【0041】
(B)および(A−g)〜(A−j)の方法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0042】
(B−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式8に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R3)−R4−R5−OH (8)
(式中、R3、R4、R5は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0043】
(B−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
【0044】
(B−c)例えば特開平5−262808に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
【0045】
(B−d)例えば特開平6−239912、特開平8−283310に示されるような過酸化水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
【0046】
(B−e)例えば特開平6−116312に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
【0047】
(B−f)例えば特開平4−132706などに示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
【0048】
(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式9に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
M+C−(R7)(R8)−R9−OH (9)
(式中、R7、R8、R9、は上記に同じ)
7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
【0049】
(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
【0050】
(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式10あるいは11に示されるような水酸基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO−R10−O−M+ (10)
(式中、R10およびM+は前記に同じ)
HO−R11−C(O)O−M+ (11)
(式中、R11およびM+は前記に同じ)
等が挙げられる。
【0051】
本発明では(B−a)〜(B−e)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(B−b)の方法がさらに好ましい。
【0052】
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(B−i)の方法がさらに好ましい。
【0053】
また、一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、必要により一般に知られているウレタン化反応の触媒を使用できる。
【0054】
(C)の方法で用いる一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物としては、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどのような、下記一般式12で示すものが挙げられる。
2C=C(R3)−R4−R12−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (12)
(式中、R1、R2、R3、R4、Y、a、b、mは上記に同じ。R12は、直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。)
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0055】
(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤としては例えば特公平3−14068、特公平4−55444に示される、架橋性シリル基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有するヒドロシランなどが挙げられる。
【0056】
(E)の方法で用いられる、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体は前述のとおり(E−a)〜(E−b)の方法で得ることができる。一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持つ化合物としては一般式13で示すものが挙げられる。
M+C−(R7)(R8)−R13−C(H)(R14)−CH2−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (13)
(式中、R1、R2、R7、R8、Y、a、b、m、は前記に同じ。R13は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R14は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
7、R8の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
【0057】
一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0058】
また、架橋性シリル基が少なくとも1個分子鎖の末端に有するビニル系重合体を、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒として用いる重合法で得るためには、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。それらの具体例としては、
【0059】
【化1】
Figure 0004177935
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20アリール基、または炭素数7〜20アラルキル基を表す。C64は、フェニレン基を表す。nは0〜20の整数を表す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表す。)
【0060】
【化2】
Figure 0004177935
(式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。nは0〜20の整数を表す。C64は、フェニレン基を表す。)等があげられる。
【0061】
架橋性シリル基を少なくとも1個分子鎖の末端に有するビニル系重合体は上記のほかにも、得ることができる。
【0062】
架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤として用いれば、片末端に架橋性シリル基を有し、他の末端が一般式2の構造を有するビニル系重合体が得られる。このようにして得られる重合体の停止末端のハロゲンを架橋性シリル基含有置換基に変換すれば、両末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得ることができる。その変換方法としては、既に記載した方法を使用することができる。
【0063】
架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に制限はないが、例えば一般式14、15に示す構造を有するものが例示される。
1516C(X)−R17−R18−C(H)(R19)CH2−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (10)
(式中、R1、R2、a、b、m、X、Yは上記に同じ。R15、R16は、独立して水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基、または他端において相互に連結したもの、R17は−C(O)O−、−C(O)−、または、o−,m−,p−フェニレン基を示す。R18は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R19は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
(R23-a(Y)aSi−[OSi(R12-b(Y)bm−CH2−C(H)(R19)−R18−C(R15)(X)−R17−R16 (15)
(式中、R1、R2、R15、R16、R17、R18、R19、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤として用いると、片末端が架橋性シリル基、他の末端がハロゲンである重合体が得られるが、この重合体のハロゲンを置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以上有する化合物を用いて、ハロゲン末端どうしをカップリングさせることによっても、両末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得ることができる。
【0064】
末端ハロゲンを置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以上有する化合物としては特に制限はないが、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリチオール、およびそれらの塩、アルカリ金属硫化物等が好ましい。
【0065】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤に用いれば、片末端にアルケニル基を有し、他の末端がハロゲンである重合体が得られる。このようにして得られる重合体の末端のハロゲンをアルケニル含有置換基に変換すれば、両末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得ることができ、このアルケニル基を上述の方法などで架橋性シリル基に変換すれば、両末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得ることができる。
【0066】
ゴム的な性質が要求される用途においては、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性シリル基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましく、全て分子鎖末端にあるのがさらに好ましい。
【0067】
従って、架橋性シリル基の少なくとも1個有するビニル系重合体を合成する際に用いる、水酸基、ハロゲンあるいはアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、これらの官能基が分子鎖の末端に存在するものであることが好ましい。
【0068】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体、中でも(メタ)アクリル系重合体を製造する方法は、例えば特公平3−14068、特公平4−55444、特開平6−211922などに開示されているが、これらの方法は「連鎖移動剤法」を用いているので、これらの架橋性シリル基は比較的高い割合で末端に存在するが、得られる重合体の分子量分布が一般的には2以上と広く、溶融粘度が高くなるという問題がある。従って分子量分布の狭い、溶融粘度の低い、高い割合で末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得るにはリビングラジカル重合法を用いるのが好ましい。
【0069】
一般式1で示す架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は初期接着性の点から軟化点が比較的高い方が望ましく、0℃以上、より好ましくは20℃以上の軟化点を有するものが良い。
【0070】
初期接着性を改善するために、高軟化点の樹脂を使用することができる。高軟化点の樹脂は特に限定されないが、例えばロジン系樹脂(ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル)フェノール樹脂、テルペンーフェノール樹脂等の変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、低分子量スチレン樹脂、低分子量アクリル樹脂、などが挙げられる。
【0071】
本発明の組成物を硬化させるにあたっては縮合触媒を使用してもしなくてもよい。縮合触媒としてはテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オクチル酸鉛、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビシクロ(5,4,6)ウンデセン−7等のアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸から得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング剤、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等の公知のシラノール触媒1種または2種以上を必要に応じて用いればよい。使用量は末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体に対し、0〜10重量%で使用するのが好ましい。加水分解性基Yとしてアルコキシ基が使用される場合は、この重合体のみでは硬化速度が遅いので、硬化触媒を使用することが好ましい。
【0072】
本発明の反応性ホットメルト接着剤には、機械物性の調整を目的として、各種の充填材を配合することができる。充填材としてはフュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラックのような補強性充填材;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華およびシラスバルーンなどのような充填材;石綿、ガラス繊維およびフィラメントのような繊維状充填材が使用できる。これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華などから選ばれる充填材を添加できる。また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛およびシラスバルーンなどから選ばれる充填材を添加できる。これら充填材は1種類で使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0073】
本発明において、物性の調整、性状の調節等の目的により可塑剤を使用することができる。該可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油等を単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
【0074】
本発明における配合組成物では充填剤、可塑剤、縮合触媒が主に使用されるが、フェノール樹脂、硫黄、シランカップリング剤などの接着付与剤;シラノール基または加水分解性基を含有するポリシロキサンなどの変成剤;紫外線硬化性樹脂等のタックおよび耐候性改良剤、顔料、老化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などのような添加剤も任意に使用してよい。
【0075】
垂れ防止材としてはポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられ、使用目的によって適宜使用できる。
【0076】
着色剤としては必要に応じて通常の無機顔料、有機顔料、染料等が使用できる。
【0077】
物性調整剤としては各種シランカップリング剤、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が必要に応じて添加される。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。
【0078】
接着促進剤は、本発明による重合体自体がガラス、ガラス以外のセラミック類、金属等に対して接着性を有し、また各種プライマーを用いれば広範囲の材料に対し接着させることが可能であるので必ずしも必要ではないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、各種シランカップリング剤、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等を1種または2種以上用いることによりさらに多種類の被着体に対しても接着性を改善することができる。
【0079】
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調整することもできる。
【0080】
また、ポリエチレン系、ポリアミド系、ポリビニルブチラール系、ポリ酢酸ビニル系、エチレンー酢酸ビニル共重合体系などのホットメルト接着剤の耐熱性改良剤として、これらのホットメルト系接着剤に添加して使用することもできる。
【0081】
上記のような方法で得られる、一般式1で示す架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分とする反応性ホットメルト接着剤組成物の塗工方法は特に限定はなく、通常のホットメルト接着剤用のコーターを使用できる。本発明の反応性ホットメルト接着剤は、従来のホットメルト接着剤と同様な使用方法で木工、合板、包装建材、自動車内外装、電気部品組み立てなど種々の分野で使用できる。
【0082】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0083】
下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0084】
下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
(製造例1)
還流管および攪拌機付きの10Lのセパラブルフラスコに、CuBr(7.75g、0.0541mol)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(117mL)を加え、オイルバス中70℃で30分間攪拌した。これにアクリル酸エチル(234mL、2.16mol)、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル(48.7g、0.135mol)、ペンタメチルジエチレントリアミン(1.41mL、1.17g、6.76mmol)(これ以降トリアミンと表す)を加え、反応を開始した。70℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸エチル(937mL)を340分かけて連続的に滴下した。アクリル酸エチルの滴下途中にトリアミン(2.10mL、1.76g、10.1mmol)を追加した。反応開始より420分経過後に1,7−オクタジエン(240mL、179g、1.62mol)、トリアミン(5.60mL、4.68g、27.0mmol)を加え、引き続き70℃で210分加熱攪拌した。さらにCuBr(3.80g、0.0270mol)、トリアミン(5.60mL、4.68g、27.0mmol)を加え、引き続き70℃で300分加熱攪拌した。
【0085】
反応混合物をヘキサンで希釈し、活性アルミナカラムを通した後、揮発分を減圧留去することによりアルケニル基末端重合体(重合体[1])を得た。重合体[1]の数平均分子量は14000、分子量分布は1.3であった。
【0086】
還流管付2Lセパラブルフラスコに、重合体[1](1.00kg)、安息香酸カリウム(66.0g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(1.0L)を仕込み、窒素気流下70℃で28時間加熱攪拌した。加熱減圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トルエンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよび余剰な安息香酸カリウム)を活性アルミナカラムで濾過した。ろ液の揮発分を減圧留去することにより重合体[2]を得た。
【0087】
還流管付2Lセパラブルフラスコに、重合体[2](1.0kg)、珪酸アルミ(200g、協和化学製、キョーワード700PEL)、トルエン(1.0L)を仕込み、窒素気流下100℃で5時間加熱攪拌した。珪酸アルミを濾過により除去した後、ろ液のトルエンを減圧留去することによりビニル基末端重合体(重合体[3])を得た。得られた重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により11000、分子量分布は1.26であった。重合体1分子当たりに導入された平均のビニル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約2.0個であった。
【0088】
この重合体[3]にジメトキシメチルヒドロシランとオルトぎ酸メチル、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を加え、ヒドロシリル化を行ない、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル基末端重合体(重合体[4])を得た。
(実施例1)
製造例1で得られた重合体[4]100gと、予め脱水した膠質炭カル(丸尾カルシウム製:カルファイン200M)70g、および脱水剤ビニルトリメトキシシラン(日本ユニカー製:A−171)2gと接着付与剤N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー製:A−1120)2gとを混練し、更にこの配合物に硬化触媒としてジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成:U−220)1gを混ぜて1成分系組成物を得た。この組成物を80℃にて加熱し、3mm厚のアルミ型枠に充填塗布した後、50℃で3日硬化養生させ硬化物を作製した。なお、この硬化前の1成分系組成物は室温では粘度が高く、容易には形状が変化しない。
(比較例1)
重合体[]の代わりに末端が加水分解性シリル基で変性された分子量約1万のポリオキシプロピレングリコールを用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を作製した。
【0089】
実施例1と比較例1で作製した硬化物を180℃にてその耐熱性を目視により観察した。その結果を表1に示した。
【0090】
【表1】
Figure 0004177935
【0091】
【発明の効果】
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分とする反応性ホットメルト接着剤を用いることにより、塗布工程、接着工程は通常のホットメルト接着剤と同様に扱え、接着後に硬化することにより耐熱接着性(負荷耐熱性)が向上する。

Claims (5)

  1. 一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分とする反応性ホットメルト接着剤であって、
    −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1)
    {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R')3SiO−(R'は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR'は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
    一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体が、以下の工程:
    (1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することにより、ビニル系重合体を製造し、
    (2)続いて1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、又は1,9−デカジエンを反応させることにより末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を製造し、
    (3)末端アルケニル基に一般式1で示す架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を反応させてシリル基含有置換基に変換する;
    により得られる重合体であり、かつ
    ビニル系重合体が(メタ)アクリル系重合体である、反応性ホットメルト接着剤。
  2. 一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分とする反応性ホットメルト接着剤であって、
    −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1)
    {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R')3SiO−(R'は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR'は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
    一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体が、以下の工程:
    (1)有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することによりハロゲンを末端に有するビニル系重合体を製造し、
    (2)一般式3に示されるアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換することにより、末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を製造し、
    (3)一般式1で示す架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を反応させる;
    により得られる重合体である、反応性ホットメルト接着剤。
    +-(R7)(R8)−R9−C(R6)=CH2 (3)
    (式中、R6は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。R7、R8はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、又は、一方が前記電子吸引基で、他方が水素、炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基を示す。前記電子吸引基は、−CO2R、−C(O)R又は−CNを表す。R9は直接結合又は炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを示す)
  3. 一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体を主成分とする反応性ホットメルト接着剤であって、
    −[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a (1)
    {式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R')3SiO−(R'は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR'は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
    一般式1で示される架橋性シリル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体が、以下の工程:
    (1)有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することによりハロゲンを末端に有するビニル系重合体を製造し、
    (2)一般式4又は5に示されるアルケニル基を有するオキシアニオン又はカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換することにより、末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を製造し、
    (3)一般式1で示す架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を反応させる;
    により得られる重合体である、反応性ホットメルト接着剤。
    2C=C(R6)−R10−O-+ (4)
    (式中、R6は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。M+は、アルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを示す。R10は、炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。)
    2C=C(R6)−R11−C(O)O-+ (5)
    (式中、R6は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。M+は、アルカリ金属イオン又は4級アンモニウムイオンを示す。R11は、直接結合、又は、炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。)
  4. ビニル系重合体が(メタ)アクリル系重合体である請求項2又は3に記載の反応性ホットメルト接着剤。
  5. ビニル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比が1.8未満である請求項1〜4のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤。
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