JP3987248B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置等の電気光学装置の技術分野に属し、特に画像表示領域の額縁領域を規定する遮光膜を備えた透過型の電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
この種の電気光学装置は、データ線や走査線などの各種配線、画素電極、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称する)や薄膜ダイオード(以下適宜、TFDと称する)などのスイッチング素子等が形成された素子アレイ基板と、ストライプ状や全面的に形成された対向電極、カラーフィルタ、遮光膜等が形成された対向基板とが対向配置されている。これら一対の基板間で、液晶等の電気光学物質がシール材により包囲されており、このようにシール材が存在するシール領域よりも中央寄り(即ち、液晶等に面する基板上領域)に、複数の画素電極が配置された画像表示領域が位置している。ここで特に、平面的に見てシール領域の内側輪郭に沿って画像表示領域の額縁領域が、前述の如く対向基板に設けられた遮光膜と同一膜により規定されている。
【0003】
このように、対向基板上の遮光膜により額縁領域が規定された電気光学装置は、画像表示領域に対応する表示窓が設けられたプラスチック製等の遮光性の実装ケース内に、額縁領域の中心線付近に表示窓の縁が位置するように収容される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した電気光学装置によれば、対向基板上のCr(クロム)等からなる遮光膜により額縁領域が規定されているので、素子アレイ基板上にAl(アルミニウム)膜等から形成された配線の対向基板側に向いた表面(即ち、配線の内面)と、対向基板上の遮光膜の素子アレイ基板側に向いた面(即ち、遮光膜の内面)とによる内面反射により、対向基板側から入射され素子アレイ基板から出射する表示用の光に、額縁領域を規定する遮光膜で隠した筈の額縁領域内に位置する配線の有無に対応する明暗パターンを持つ光が混入してしまう。そして最終的には、この配線の内面反射による明暗パターン(例えば、配線が複数配列されている場合には、縞模様等の明暗パターン)が表示画像の縁付近に映し出されてしまうという問題点がある。逆に、このような配線の内面反射により映し出される明暗パターンを隠すためには、隠すべき配線が占める基板上領域よりもかなり広く額縁領域を規定するように幅広の遮光膜を形成する必要が生じてしまう。この結果、限られた基板上領域においてなるべく広い画像表示領域を確保するという当該電気光学装置における基本的要請に応えることが困難となる。特に、このような配線の内面反射による明暗パターンを隠すために幅広の遮光膜を形成しても、実装ケースの表示窓の位置合わせ精度を高めないと、実装ケースと電気光学装置とのずれ方に応じて表示画像の左右や上下のいずれかの辺付近に偏って、このような明暗パターンが映し出されてしまう。従って実装ケースに要求される形状や実装ケースに電気光学装置を収容する際の機械的な位置合わせについては高い精度が要求され、入射光に対して十分なマージンを持ってケースを構成することができない。このように実装ケースの製造には高い寸法精度が要求され、製造コストの上昇を招き、更に画像表示領域を広く確保すると同時に配線の内面反射による明暗パターンが映し出されるのを防ぐことは困難である。加えて、このような配線及び遮光膜の内面反射による悪影響を低減するために、実装ケースの表示窓の端にテーパを付ける技術もあるが、これによれば、製造コストの上昇を加速する一方で、配線の内面反射による明暗パターンを隠すのには十分でない。
【0005】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、表示画像中に配線の内面反射による明暗パターンが映し出されることを防止しつつ画像表示領域を比較的広く確保することが可能な電気光学装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、一対の透明な第1基板及び透明な第2基板間に電気光学物質が挟持され、前記第2基板に光が入射して前記第1基板から表示用の光が出射される電気光学装置であって、前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、画像表示領域に配置された複数の画素電極と、前記複数の画素電極に夫々接続された複数の配線と、前記第1基板と前記配線との間に積層されると共に前記画像表示領域の額縁領域を規定する第1遮光膜とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の電気光学装置によれば、液晶等の電気光学物質が透明な第1基板及び透明な第2基板間に挟持されており、その動作時には、第2基板側から表示用の光が入射され、電気光学物質を介して第1基板側から出射される。即ち、本発明の電気光学装置は、透過型の電気光学装置である。このような電気光学装置の画像表示領域には、複数の画素電極が配置されており、複数の配線がこれら複数の画素電極に夫々接続されている。このことは、配線が電気的接触により画素電極に直接接続されていてもよく、配線と画素電極とが同一導電膜から一体形成されていてもよく、画素スイッチング用TFTやTFDを介して接続されていてもよい意である。ここで特に、第1基板と配線との間に積層された第1遮光膜により額縁領域が規定されている。従って、配線を形成するAl等の導電膜により、第2基板側から入射した光の一部が内面反射されても、この反射光が額縁領域を規定する第1遮光膜により再度内面反射されて第1基板側から出射することはない。即ち、表示用の光に、配線の有無に対応した明暗パターンを持つ光が混じって、最終的にこの明暗パターン映像が表示画像の縁付近に映し出される事態を防止できる。更に本発明によれば、第1基板の裏面で反射された戻り光や第1基板から出射した表示用の光を投射する投射光学系から第1基板への戻り光が、額縁領域を規定する第1遮光膜により内面反射されて、第1基板側から出射されたとしても、第1遮光膜は額縁領域に設けられているので、第1遮光膜の有無に対応した映像は、縞模様等の特殊な明暗パターン模様となることはなく、単純に表示画像の周囲を囲う額縁の映像となるだけである。従って、このような額縁の映像は、表示画像を見る者にとっては何ら気になるものではなく、非常に好都合である。更に、このように第1遮光膜での内面反射による額縁の映像が写ることを気にしないでよいため、電気光学装置を実装ケースに収容する際に、電気光学装置と実装ケースとの機械的位置合わせに高い精度は要求されず、その表示窓の形状や寸法についても高い精度は要求されない。これらの結果、入射光に対して十分なマージンを持って実装ケースを構成できるので、実践上大変有利である。
【0008】
以上の結果、本発明の電気光学装置により、比較的簡単な構成を用いて、額縁領域を規定する遮光膜やAl膜等からなる配線の内面反射による表示画像の品質劣化が低減されており、しかも画像表示領域が比較的広く確保されており、明るく高品位の画像表示が可能な電気光学装置を実現できる。
【0009】
尚、本発明の電気光学装置では、第1遮光膜単独で、額縁領域を全て規定してもよいし、第1遮光膜で、額縁領域を部分的に規定し、残りの部分については他の遮光膜で規定してもよい。後者の場合、第1遮光膜で規定する額縁領域部分の割合が大きくなるにつれて上述の如き本発明による効果は大きくなり、表示画像がより高品位とされる。
【0010】
本発明の他の電気光学装置は、一対の透明な第1基板及び透明な第2基板間に電気光学物質が挟持され、前記第2基板に光が入射して前記第1基板から表示用の光が出射される電気光学装置であって、前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、画像表示領域に配置された複数の画素電極と、前記複数の画素電極に夫々接続された複数の配線とを備えており、前記第2基板と反対側における前記第1基板上に、前記画像表示領域の額縁を規定する第1遮光膜を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の他の電気光学装置によれば、液晶等の電気光学物質が透明な第1基板及び透明な第2基板間に挟持されており、その動作時には、第2基板側から表示用の光が入射され、電気光学物質を介して第1基板側から出射される。このような電気光学装置の画像表示領域には、複数の画素電極が配置されており、複数の配線がこれら複数の画素電極に夫々接続されている。ここで特に、第2基板と反対側における第1基板上に備えられた第1遮光膜により額縁領域が規定されている。従って、配線を形成するAl等の導電膜により、第2基板側から入射した光の一部が内面反射されても、この反射光が額縁領域を規定する第1遮光膜により再度内面反射されて第1基板側から出射することはない。即ち、表示用の光に、配線の有無に対応した明暗パターンを持つ光が混じって、最終的にこの明暗パターン映像が表示画像の縁付近に映し出される事態を防止できる。更に本発明によれば、第1基板から出射した表示用の光を投射する投射光学系から第1基板への戻り光が、額縁領域を規定する第1遮光膜により反射されても、第1遮光膜は額縁領域に設けられているので、第1遮光膜の有無に対応した映像は、縞模様等の特殊な明暗パターン模様となることはなく、単純に表示画像の周囲を囲う額縁の映像となるだけである。従って、このような額縁の映像は、表示画像を見る者にとっては何ら気になるものではなく、非常に好都合である。更に、このように第1遮光膜での反射による額縁の映像が写ることを気にしないでよいため、電気光学装置を実装ケースに収容する際に、電気光学装置と実装ケースとの機械的位置合わせに高い精度は要求されず、その表示窓の形状や寸法についても高い精度は要求されない。これらの結果、入射光に対して十分なマージンを持って実装ケースを構成できるので、実践上大変有利である。
【0012】
以上のように、本発明の他の電気光学装置により、比較的簡単な構成を用いて、額縁領域を規定する遮光膜やAl膜等からなる配線の内面反射による表示画像の品質劣化が低減されており、しかも画像表示領域が比較的広く確保されており、明るく高品位の画像表示が可能な電気光学装置を実現できる。
【0013】
尚、本発明の他の電気光学装置では、第1遮光膜単独で、額縁領域を全て規定してもよいし、第1遮光膜で、額縁領域を部分的に規定し、残りの部分については他の遮光膜で規定してもよい。後者の場合、第1遮光膜で規定する額縁領域部分の割合が大きくなるにつれて上述の如き本発明による効果は大きくなり、表示画像がより高品位とされる。
【0014】
本発明の電気光学装置の一の態様では、前記第1遮光膜は、高融点金属を含む。
【0015】
この態様によれば、第1遮光膜は、高融点金属を含んでおり、例えば、不透明な高融点金属であるTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このような材料から構成すれば、製造プロセスにおいて、第1基板上における第1遮光膜の形成工程の後に行われる高温処理により、第1遮光膜が破壊されたり溶融しないようにできる。即ち、製造プロセス中の高温処理の順番などを考慮せずに、所望の積層位置に当該第1遮光膜を積層できる。
【0016】
本発明の電気光学装置の他の態様によれば、前記額縁領域を横切るように前記配線が配置されている。
【0017】
この態様によれば、額縁領域を横切るように配線が配置されているため、仮に従来例の如く額縁領域を規定する第1遮光膜を第2基板上に或いは配線よりも第2基板に近い側に設けた場合には、額縁領域を横切る配線の平面レイアウトに対応する明暗パターンが表示画像の縁付近に映し出されてしまう。しかしながら、本発明では、第1遮光膜が配線の第1基板側に設けられているので、このような配線の平面レイアウトに対応する明暗パターンが映し出されることはないため、額縁領域内に所望の平面レイアウトで、配線を配置可能であり、装置設計上も有利である。
【0018】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、前記額縁領域内に配置されており前記画素電極を駆動するための周辺回路を更に備えており、該周辺回路は、複数の周辺回路用薄膜トランジスタを含む。
【0019】
この態様によれば、第1基板上に備えられており、複数の周辺回路用薄膜トランジスタを含む周辺回路により、高駆動周波数で画素電極を駆動可能となる。更に、額縁領域内に、周辺回路を配置することで、限られた基板上領域の有効利用を図ることができ、同一面積の基板上に画像表示領域をより広くとることも可能となる。ここで特に、周辺回路は額縁領域内に配置されているため、仮に従来例の如く額縁領域を規定する第1遮光膜を第2基板上に或いは配線よりも第2基板に近い側に設けた場合には、額縁領域内に配置された周辺回路用薄膜トランジスタの平面レイアウトに対応する明暗パターンが表示画像の縁付近に映し出されてしまう。しかしながら、本発明では、第1遮光膜が配線の第1基板側に設けられているので、このような周辺回路用薄膜トランジスタの平面レイアウトに対応する明暗パターンが映し出されることはないため、額縁領域内に所望の平面レイアウトで、周辺回路用薄膜トランジスタを配置可能であり、装置設計上も有利である。
【0020】
この態様では、前記周辺回路は、サンプリング回路であり、前記周辺回路用薄膜トランジスタは、画像信号をサンプリングして前記配線に供給するサンプリングスイッチであってもよい。
【0021】
このように構成すれば、複数の周辺回路用薄膜トランジスタをサンプリングスイッチとして含むサンプリング回路により、より高い駆動周波数で画素電極を駆動可能となる。
【0022】
係る額縁領域内に周辺回路が配置された態様では、前記第1遮光膜は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域に対向する領域に開口部が設けられており、前記開口部は、前記第2基板の側から平面的に見て前記配線の一部により覆われていてもよい。
【0023】
このように構成すれば、周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域に対向する領域に開口部が設けられているので、周辺回路用薄膜トランジスタのトランジスタ特性が、第1遮光膜における電位により変化する事態を未然防止できる。仮に、開口部がないと、第1遮光膜上に設けられたチャネル領域と当該第1遮光膜との間における容量カップリングにより、第1遮光膜の電位により周辺回路用薄膜トランジスタのトランジスタ特性が劣化或いは変化ししてしまいかねない。しかるに第1遮光膜に開口部を設けると、開口部を通過する光の表示画像に対する悪影響が懸念されるが、本発明では、開口部は、第2基板の側から平面的に見て、例えばAl等からなる配線の一部により覆われているので何ら問題は生じない。例えば、開口部に対向する個所で、配線の一部を幅広に形成して覆うようにすれば足り、製造工程の増加や製造プロセスの複雑化を招くことも無いので有利である。
【0024】
係る額縁領域内に周辺回路が配置された態様では、前記第1遮光膜は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともゲートに対向する領域に開口部が設けられており、前記第1基板又は前記第2基板の側から平面的に見て前記開口部を覆う他の遮光膜を更に備える。
【0025】
このように構成すれば、周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域に対向する領域に開口部が設けられているので、周辺回路用薄膜トランジスタのトランジスタ特性が、第1遮光膜における電位により変化する事態を未然防止できる。しかるに第1遮光膜に開口部を設けると、開口部を通過する光の表示画像に対する悪影響が懸念されるが、本発明では、開口部は、第1基板又は第2基板の側から平面的に見て他の遮光膜により覆われているので、何ら問題は生じない。例えば、開口部に対向する個所に島状に、他の遮光膜を形成して覆うようにすれば足りる。
【0026】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記配線は、データ線であり、前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、前記データ線と交差する複数の走査線と、前記データ線、前記走査線及び前記画素電極に電気的に接続された画素スイッチング用薄膜トランジスタとを更に備える。
【0027】
この態様によれば、その動作時には、データ線に画像信号が供給され、走査線に走査信号が供給されて、画素スイッチング用薄膜トランジスタにより画素電極が駆動される。より具体的には、走査信号が走査線から画素スイッチング用薄膜トランジスタに供給されるタイミングで、画像信号がデータ線から画素スイッチング用薄膜トランジスタを介して画素電極に供給される。即ち、本態様の電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の透過型の電気光学装置である。
【0028】
この画素スイッチング用薄膜トランジスタを備えた態様では、本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1遮光膜と同一膜からなり、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を前記第1基板側から見て覆う位置に形成された第2遮光膜を更に備えてもよい。
【0029】
このように構成すれば、第2遮光膜により、画素スイッチング用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域が、第1基板側から見て覆われるので、第1基板の裏面で反射された戻り光や第1基板から出射した表示用の光を投射する投射光学系から第1基板への戻り光が、このチャネル領域に入射することにより画素スイッチング用薄膜トランジスタの特性が変化する事態を防げる。そして特に、このような第2遮光膜は、額縁領域を規定する第1遮光膜と同一膜からなるため、同一工程で両者を製造できるので、製造工程上有利である。
【0030】
或いはこの画素スイッチング用薄膜トランジスタを備えた態様では、前記第1遮光膜は導電性材料から形成されており、前記第1遮光膜と同一膜からなると共に前記画素スイッチング用薄膜トランジスタと前記画素電極とをコンタクトホールを介して中継する中継用導電層を更に備えてもよい。
【0031】
このように構成すれば、画素電極と画素スイッチング用薄膜トランジスタとの層間距離が大きい場合にも、一般にバリア層と称される中継用導電層により、比較的容易に信頼性高く且つ比較的小径のコンタクトホールを用いて両者を電気接続できる。そして特に、このような中継用導電層は、額縁領域を規定する第1遮光膜と同一膜からなるため、同一工程で両者を製造できるので、製造工程上有利である。
【0032】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1遮光膜は導電性材料から形成されており、かつ該第1遮光膜は定電位に固定されている。
【0033】
この態様によれば、導電性材料から形成された第1遮光膜は定電位に固定されるため、当該電気光学装置の動作中における第1遮光膜の電位変動が、該第1遮光膜に重ねられた或いは近接配置された他の配線や素子等に悪影響を及ぼすのを回避できる。
【0034】
この態様では、前記定電位を供給する電源端子と、前記電源端子を介して電源電圧が供給される周辺回路とを有してもよい。
【0035】
このように構成すれば、周辺回路に供給される電源電圧を利用して、第1遮光膜を確実に定電位に固定できる。
【0036】
前述の第2遮光膜を備えた態様では、前記第1遮光膜と前記第2遮光膜とは電気的に接続されていてもよい。
【0037】
このように構成すれば、第1遮光膜及び第2遮光膜を同一定電位に固定することができる。
【0038】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1遮光膜は導電性材料から形成されており、前記第1遮光膜と同一膜からなる他の配線を更に備える。
【0039】
この態様によれば、データ線、走査線、容量線等の冗長配線、第1遮光膜自身を定電位に落とすための定電位配線等として他の配線を利用できる。そして特に、このような他の配線は、額縁領域を規定する第1遮光膜と同一膜からなるため、同一工程で両者を製造できるので、製造工程上有利である。
【0040】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1遮光膜の少なくとも一部に重なり、前記額縁領域を規定する他の遮光膜を更に備える。
【0041】
この態様によれば、他の遮光膜は、第1遮光膜の少なくとも一部に重なっており、少なくとも部分的に額縁領域を冗長的に規定する。このような他の遮光膜の積層位置は、第1遮光膜のように限定されておらず任意である。即ち、前述のスイッチング用薄膜トランジスタを下側から覆う第2遮光膜と同一膜からなる第1遮光膜、前述のスイッチング用薄膜トランジスタと画素電極との間に介在する中継用導電層と同一膜からなる第1遮光膜、第1基板の裏側に設けられた第1遮光膜、第1基板に設けられた他の遮光膜、第2基板に設けられた他の遮光膜等のうち2つ以上を用いて、冗長的に額縁領域を規定することにより、額縁領域にある配線の内面反射による明暗パターンが映し出される事態をより確実に防止し得る。
【0042】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0044】
(電気光学装置の全体構成)
先ず、本実施形態の電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここでは、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の透過型の液晶装置を例にとる。
【0045】
図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
【0046】
図1及び図2において、液晶装置は、透明な第1基板の一例としてのTFTアレイ基板10と透明な第2基板の一例としての対向基板20との間に液晶層50が封入されてなり、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0047】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、当該液晶装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶装置であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が散布されてもよい。或いは、当該液晶装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。
【0048】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する第1遮光膜53がTFTアレイ基板10上に設けられている。
【0049】
シール材52が配置されたシール領域の外側の周辺領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一個所において、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。
【0050】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線、容量線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、ポリイミド系材料からなる配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21が形成された最上層部分(図2で最下に位置する層)に、ポリイミド系材料からなる配向膜が形成されている。これらの一対の配向膜は夫々、製造プロセスにおいてポリイミド系材料を塗布し、焼成した後、液晶層50中の液晶を所定方向に配向させると共に液晶に所定のプレチルト角を付与するように配向処理が施されている。
【0051】
また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0052】
(電気光学装置の回路構成)
本実施形態による電気光学装置の回路構成について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、本実施形態による電気光学装置のブロック図である。
【0053】
図3は、液晶装置のTFTアレイ基板上において画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路及び画像表示領域の周辺に位置する周辺回路を示している。
【0054】
図3において、本実施形態による液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9aを制御するためのTFT30がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、画像信号S1、S2、…、Snを、N(但し、Nは2以上の自然数)個の信号にシリアル−パラレル変換し、N本の画像信号線115から相隣接するN本のデータ線6a同士に対してグループ毎に供給するようにしてもかまわない。
【0055】
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極(図2参照)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9aの電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。尚、蓄積容量70を形成する方法としては、容量を形成するための配線である容量線3bを設けても良いし、前段の走査線3aとの間で容量を形成しても良いことは言うまでもない。
【0056】
図3において、液晶装置は、上述のようにデータ線6a、走査線3a等が形成されたTFTアレイ基板上における画像表示領域の周囲に、周辺回路の例として、データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104及び画像信号をサンプリングするサンプリング回路103を備えている。更に、画像表示領域の周囲には、外部回路接続端子から上述の如きN個にシリアル−パラレル変換された画像信号S1、S2、…、Snを供給するためのN本の画像信号線115が配線されている。画像信号線115には、図示しない制御回路から外部回路接続端子を介してN個にシリアル−パラレル変換された画像信号S1、S2、…、Snが供給される。
【0057】
データ線駆動回路101は、走査線駆動回路104がパルス的に走査線3aに順番に走査信号を送るのに合わせて、サンプリング回路駆動信号線114を介してサンプリング回路駆動信号をサンプリング回路103を構成する各サンプリングスイッチ103aの制御端子に供給する。サンプリング回路103は、このサンプリング回路駆動信号に応じて、画像信号線115上の画像信号をサンプリングして、データ線6aに供給する。
【0058】
尚、サンプリング回路103を構成する各サンプリングスイッチ103aは、製造効率等の観点から好ましくは、画素部におけるTFT30と同一製造プロセスにより製造可能なnチャネル型、pチャネル型、あるいは相補型等のTFTから構成される。
【0059】
次に、図4から図6を参照して、本実施形態における額縁領域を規定する第1遮光膜53について詳述する。ここに、図4は、図1のC−C’断面におけるTFTアレイ基板10側の積層構造を拡大して示す図式的断面図であり、図5は、これに対応する個所における比較例の積層構造を拡大して示す図式的断面図であり、図6(a)は、図5に示した実施形態における入射光及び戻り光を遮光する基本原理を示す図式的概念図であり、図6(b)は、図5に示した比較例における入射光及び戻り光を遮光する基本原理を示す図式的概念図である。
【0060】
図4に示すように、本実施形態では特に、画像表示領域の額縁領域を規定する第1遮光膜53は(図1参照)、TFTアレイ基板10上の積層構造中、TFTアレイ基板10とデータ線6aとの間に積層されている。尚、図4に示した例では、Al等の金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜などから夫々形成されており複数配列されたデータ線6aが額縁領域を横切るように配置されている(即ち、図3に示したサンプリング回路103は、データ線6aよりも周辺側にある額縁領域内か或いは額縁領域の外側に配置されている)ものとする。従って、データ線6aにより、対向基板側から入射した入射光Linの一部Lin1が内面反射されても、この反射光が第1遮光膜53により再度内面反射されてTFTアレイ基板10側から出射することはない。即ち、表示用の出射光Loutに、データ線6aの有無に対応した明暗パターンを持つ光が混じって、最終的にこの明暗パターン映像が表示画像の縁付近に映し出される事態を防止できる。
【0061】
ここで、図5に示した比較例のように、対向基板20上に(或いはデータ線6aよりも対向基板20に近い側に)額縁領域を規定する遮光膜23’を設けた場合には、入射光Linの一部Lin1がデータ線6aと遮光膜23’とで内面反射され、表示用の出射光Loutに、データ線6aの有無に対応した明暗パターンを持つ光Lout1が混じって、最終的に額縁領域におけるデータ線6aの有無に対応した明暗パターンが表示画像の縁付近に映し出される。
【0062】
特に、この例では、額縁領域を横切るように複数のデータ線6aが配置されているが、図6(a)に示すように、本実施形態の構造によれば、データ線6aの下面と第1遮光膜53の上面との内面反射によって発生する複数のデータ線6aの有無に対応する明暗パターンとなる光は、第1遮光膜53の存在により、最終的には、データ線6aの隙間から対向基板20側に出射されるか減衰され、TFTアレイ基板10側から出射光Loutに混入することは、殆どないのである。
【0063】
これに対して、図6(b)に示すように、比較例の構造によれば、入射光Linの一部Lin1がデータ線6aの上面と遮光膜23’の下面との内面反射され、この内面反射によって発生する複数のデータ線6aの有無に対応する明暗パターンとなる光は、データ線6aの間隙及び遮光膜23’の存在により、最終的には、TFTアレイ基板10側に出射されるか減衰され、その一部Lout1が、TFTアレイ基板10側から出射される出射光Loutに混入してしまうのである。この結果、比較例によれば、出射光Loutが投射光学系を介して投射されてなる表示画像200の縁付近において、額縁領域を横切るデータ線6aの平面レイアウトに対応する明暗パターン201が映し出されてしまうのである。
【0064】
しかるに、図4及び図6(a)に示したように、本実施形態では、このようなデータ線6aの平面レイアウトに対応する明暗パターンが映し出されることはないため、額縁領域内に所望の平面レイアウトで、データ線6aや光反射性を若干なりとも有する導電性材料からなる他の配線や素子を配置可能であり、装置設計上も大変有利である。
【0065】
このように比較例との比較から明らかなように、本実施形態によれば、表示画像の品位を格段に向上し得る。
【0066】
更に本実施形態によれば、図4及び図6(a)に示したように、TFTアレイ基板10の裏面で反射された戻り光や、TFTアレイ基板10から出射した表示用の出射光Loutを投射する投射光学系からTFTアレイ基板10への戻り光の一部Lr1が、第1遮光膜53により内面反射されて、TFTアレイ基板10側から出射される(即ち、戻り光の一部Lr1が第1遮光膜53で反射されて、TFTアレイ基板10から出射する表示用の出射光Loutに混入する)。特に、3枚の電気光学装置を組み合わせてカラープロジェクタを構成した際に、3つの出射光を合成するプリズム等の光学系を突き抜けてくる戻り光は、強力であり、このような戻り光Lr1は無視し得ない光強度を持つ場合がある。しかし、このような場合にも、第1遮光膜53は額縁領域に設けられているので、第1遮光膜53の有無に対応した映像は、縞模様等の特殊な明暗パターン模様(図6(b)参照)となることはなく、単純に表示画像の周囲を囲う額縁の映像となるだけである。従って、このような額縁の映像は、表示画像を見る者にとっては何ら気になるものではなく、非常に好都合である。これに対して、比較例では図6(b)に示したように、このような戻り光の一部Lr1も、データ線6aの有無に応じて反射経路が異なるため、最終的にデータ線6aの明暗パターン201を映し出す原因となってしまうのである。
【0067】
更に、本実施形態では、上述のようにデータ線6a及び第1遮光膜53での内面反射による額縁の映像が写ることを気にしないでよいため、電気光学装置を実装ケースに収容する際に、電気光学装置と実装ケースとの機械的位置合わせに高い精度は要求されず、その表示窓の形状や寸法についても高い精度は要求されない。加えて、従来例の如く内面反射対策として、実装ケースの表示窓の縁部にテーパを形成する必要も無くなる。これらの結果、入射光に対して十分なマージンを持って実装ケースを構成できるので、実践上大変有利である。尚、本実施例では額縁領域において、データ線6aから延設された配線部のみの説明をしたが、走査線3aから延設された配線部を遮光する場合も同様の効果があることは言うまでもない。
【0068】
以上の如く額縁を規定する第1遮光膜53は、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜53(及びこれと同一膜からなる後述の画素部における第2遮光膜)の形成工程の後に行われる画素スイッチング用TFT30の形成工程における高温処理により、第1遮光膜53や第2遮光膜が破壊されたり溶融しないようにできる。また、第1遮光膜53はなるべく低反射の膜を用いることが望ましい。これにより、内面反射しても光が減衰しやすいからである。尚、高融点金属を低反射にする方法としては、表面を酸化したり、凹凸を付けて光が散乱するようにしても良い。また、高融点金属上にポリシリコン膜等を積層しても反射を抑える効果がある。
【0069】
次に、第1実施形態の液晶装置の画像表示領域内における画素部の構成について図7及び図8を参照して説明する。図7は、データ線、走査線、画素電極、第2遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図8は、図7のA−A’断面図である。尚、図8においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0070】
図7において、液晶装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等の半導体層1aのうち後述のソース領域に電気接続されており、画素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気接続されている。また、半導体層1aのうち後述のチャネル領域(図中右下りの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されている。そして、図中右上がりの斜線で示した領域に画素部における第2遮光膜11aが設けられている。即ち第2遮光膜11aは、画素部において、半導体層1aのチャネル領域を含むTFTをTFTアレイ基板の側から見て各々覆う位置に設けられている。尚、第2遮光膜11aは、半導体層1aのチャネル領域を覆えば、画素TFTにおける光リークの防止機能は発揮されるが、第2遮光膜11aを定電位にするための配線機能を持たせるためや画素部の開口領域(即ち、光が透過する領域)を規定するため等の理由から、本実施の形態では特に、第2遮光膜11aは、走査線3aに沿って縞状に設けられている。
【0071】
図8に示すように、液晶装置は、TFTアレイ基板10と対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0072】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0073】
TFTアレイ基板10には、各画素電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0074】
対向基板20には、各画素の開口領域以外の領域に、第3遮光膜23を設けても良い。これにより、対向基板20の側から入射光が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル領域1a’やLDD(Lightly Doped Drain)領域である低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに侵入することはない。更に、第3遮光膜23は、コントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有する。
【0075】
画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10と各画素スイッチング用TFT30との間には、第2遮光膜11aが各々設けられている。第2遮光膜11aは、図4及び図5に示したように、TFTアレイ基板10上で額縁領域を規定する第1遮光膜53と同一膜から構成しても良い。これにより、工程の共通化が可能になり、製造コストを抑えることができる。第2遮光膜11aが形成されているので、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等が画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに入射する事態を未然に防ぐことができ、光による電流の発生により画素スイッチング用TFT30の特性が変化することはない。
【0076】
更に、第2遮光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aを第2遮光膜11aから電気的絶縁するために設けられるものである。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、画素スイッチング用TFT30のための下地膜としての機能をも有する。即ち、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。第1層間絶縁膜12は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。第1層間絶縁膜12により、第2遮光膜11aが画素スイッチング用TFT30等を汚染する事態を未然に防ぐこともできる。
【0077】
本実施形態では、走査線3aの一部からなるゲート電極と半導体層1aとの間に設けるゲート絶縁膜2を、走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。
【0078】
画素スイッチング用TFT30は、LDD構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電極9aのうちの対応する一つが接続されている。また、走査線3a、ゲート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。更に、データ線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。前述の画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0079】
画素スイッチング用TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また本実施形態では、画素スイッチング用TFT30の走査線3aの一部からなるゲート電極をソース−ドレイン領域間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。
【0080】
ここで、一般には、半導体層1aのチャネル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c等のポリシリコン層は、光が入射すると電子が励起されることにより光電流が発生してしまい画素スイッチング用TFT30のトランジスタ特性が変化するが、本実施の形態では、走査線3aを上側から重なるようにデータ線6aがAl等の遮光性の金属薄膜から形成されているので、少なくとも半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cへの入射光の照射を効果的に防ぐことが出来る。また、前述のように、画素スイッチング用TFT30の下側には、第2遮光膜11aが設けられているので、少なくとも半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cへの戻り光の入射を効果的に防ぐことが出来る。
【0081】
尚、本実施の形態では特に、第2遮光膜11aは定電位源に電気接続されており、第2遮光膜11aは、定電位とされる。このように第2遮光膜11aを定電位としておけば、画素スイッチング用TFT30に対し第2遮光膜11aの電位変動が実践上悪影響を及ぼすことはない。この場合、定電位源としては、当該液晶装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定電位源等が挙げられるが、本実施の形態では、第2遮光膜11aは走査駆動回路の負電源に接続されるものとする。このように周辺回路等の電源を利用すれば、専用の電位配線や外部回路接続端子を設ける必要なく、第2遮光膜11aを定電位にできる。第1層間絶縁膜12が十分に厚い場合は、第2遮光膜11aを各画素単位毎に島状に形成し、電気的にフローティングになるように構成してもよい。また、額縁領域を規定する第1遮光膜53と第2遮光膜11aは電気的に接続されても良い。これにより、額縁領域を規定する第1遮光膜53が定電位に固定されるため、データ線6aや走査線3aへのノイズの飛び込みを防止できる。
【0082】
尚、図7に示したように本実施形態では、第1遮光膜53及び第2遮光膜11aは導電性を有しており、第2遮光膜11aを定電位に落とすための配線も、これらと同一膜から形成されているが、係る定電位配線だけでなく、第2遮光膜11aを利用して、データ線6a、走査線3a、容量線3b等の冗長配線を形成してもよい。このように構成すれば、額縁領域を規定する遮光膜と配線とを同一膜から同一工程で製造できるので、製造工程上有利である。また、次に説明するその他の実施形態で示す第1遮光膜53についても同様に、導電性材料から形成する場合には、第1遮光膜53と同一膜から各種配線を形成してもよい。但し、第1遮光膜53は、このような配線や中継用導電層として利用しないのであれば、有機膜等の絶縁性材料から形成されてもい。
【0083】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。ここに、図9は、第2実施形態におけるサンプリングスイッチ103a(図3参照)の平面図であり、図10は、図9のB−B’断面図である。尚、図9及び図10において、図1から図8に示した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号を付しその説明は省略する。
【0084】
図9及び図10に示すように、第2実施形態は、図3に示したサンプリング回路103が第1遮光膜53により規定される額縁領域内に配置されており、且つ第1遮光膜53にTFTからなる各サンプリングスイッチ103aに対向して開口部53aが設けられている点が第1実施形態の場合と異なり、更に、開口部53aを対向基板20側から覆うようにAl膜等からなる画像信号線115及びデータ線6aがこの部分で局所的に幅広に形成されている点が第1実施形態の場合と異なり、その他の構成については第1実施形態と同様である。
【0085】
第2実施形態によれば、このように額縁領域内にサンプリング回路103を配置することで、限られた基板上領域の有効利用を図ることができ、同一面積の基板上に画像表示領域をより広くとることも可能となる。更に、図4から図6で示したデータ線6aに対応する明暗パターンが表示されないのと同様に、本実施形態においても、第1遮光膜53がサンプリングスイッチ103aのTFTアレイ基板10側に設けられているので、このようなサンプリングスイッチ103aの平面レイアウトに対応する明暗パターンが映し出されることはない。このため、額縁領域内に所望の平面レイアウトで、サンプリングスイッチ103aを配置可能であり、装置設計上も大変有利である。尚、サンプリング回路103以外の周辺回路(例えば、プリチャージ回路、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)を額縁領域内に配置してもよく、この際、周辺回路を構成するTFTに対向する個所には、図9及び図10に示したTFTの場合と同様に開口部を設けて、遮光性材料からなる配線等により覆うように構成してもよい。
【0086】
第2実施形態では特に、第1遮光膜53には、TFTからなるサンプリングスイッチ103aに対向する領域に開口部53aが設けられているので、半導体層1a”に第1遮光膜53が対向しておらず(図10参照)、このTFTのトランジスタ特性が、第1遮光膜53における電位により変化する事態を未然防止できる。そして、開口部53aは、対向基板20側から平面的に見て、Al膜等からなる画像信号線115の幅広部分により覆われているので、開口部53aを設けたことによる遮光性能の低下は殆ど又は全く生じない。特に、画像信号線115を幅広に形成するために、追加的な工程は必要ないので、製造工程上の不利益も少ない。
【0087】
尚、このように画像信号線115を幅広にして開口部53aを覆う代わりに、開口部53aを他の遮光膜で覆うように構成してもよい。例えば、開口部53aに対向する個所に島状に、他の遮光膜を形成してもよい。このような他の遮光膜としては、TFTアレイ基板10上における積層構造中に専用の遮光膜を追加的に形成してもよいし、TFTアレイ基板10上における積層構造中における他の配線や素子を形成するための遮光性を有するいずれかの膜を利用してもよいし、対向基板20上に別途遮光膜を形成してもよく、或いは、対向基板20上の第3遮光膜23と同一膜から形成してもよい。
【0088】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図11及び図12を参照して説明する。ここに、図11は、第3実施形態における図7のA−A’断面に対応する個所での断面図であり、図12は、第3実施形態における図1のC−C’断面に対応する個所でのTFTアレイ基板10側の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。尚、図11及び図12において、図1から図8に示した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号を付しその説明は省略する。
【0089】
図11に示すように、第3実施形態は、各画素において画素スイッチング用TFT30と画素電極9aとをコンタクトホールを介して中継する中継用導電層の一例たるバリア層80が、2分された第2層間絶縁膜4a及び4b間に積層されている点が第1実施形態の場合と異なり、図12に示すように、額縁領域を規定する第1遮光膜153が、画素スイッチング用TFT30の下側に配置された第2遮光膜11aと同一膜からなるのではなく、バリア層80と同一の導電膜からなる点が第1実施形態の場合と異なり、その他の構成については第1実施形態と同様である。
【0090】
第3実施形態によれば図11において、画素電極9aと画素スイッチング用TFT30との層間距離が大きい場合にも、このようにバリア層80を用いて比較的容易に信頼性高く且つ比較的小径のコンタクトホールを用いて両者を電気接続できる。そして特に、このようなバリア層80と額縁領域を規定する第1遮光膜153とは、例えば高融点金属膜等の同一膜からなるため、同一工程で両者を製造できる。但し、各画素にバリア層80を設けることなく、図12に示したように第1遮光膜153を形成するようにしてもよい。
【0091】
そして図12に示すように、データ線6aを形成するAl等の導電膜により、対向基板20側から入射した入射光Linの一部が内面反射されても、第1実施形態の場合と同様に図6(a)で説明した基本原理に基づき、この反射光が額縁領域を規定する第1遮光膜153により再度内面反射されてTFTアレイ基板10側から出射光Loutに混入して出射することはなく、最終的にこの明暗パターン映像が表示画像の縁付近に映し出される事態を防止できる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図13を参照して説明する。ここに、図13は、第4実施形態における図1のC−C’断面に対応する個所でのTFTアレイ基板10側の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。尚、図13において、図1から図8に示した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号を付しその説明は省略する。
【0093】
図13に示すように、第4実施形態は、額縁領域を規定する第1遮光膜253が、画素スイッチング用TFT30の下側に配置された第2遮光膜11aと同一膜からなるのではなく、TFTアレイ基板10の裏面に形成されている点が第1実施形態の場合と異なり、その他の構成については第1実施形態と同様である。
【0094】
第4実施形態によれば、第1遮光膜253を薄膜形成技術や印刷技術を用いて形成でき、また、電気光学装置がほぼ完成した後にこのような第1遮光膜253を形成することも可能であるので、当該第1遮光膜253をTFT30を形成する際の高温環境に置かないようにできる。このため、温度等の制約を受けない各種の材料から第1遮光膜253を各種の方法で形成することができ便利である。
【0095】
そして、データ線6aを形成するAl等の導電膜により、対向基板20側から入射した入射光Linの一部が内面反射されても、この反射光が額縁領域を規定する第1遮光膜253により再度内面反射されてTFTアレイ基板10側から出射光Loutに混入して出射することはなく、最終的にこの明暗パターン映像が表示画像の縁付近に映し出される事態を防止できる。
【0096】
尚、上述した各実施形態において、例えば、図4等に示した第1遮光膜53と、図11に示したバリア層80と同一膜からなる第1遮光膜153、図12に示したTFTアレイ基板10の裏側に設けられた第1遮光膜253、対向基板20側に設けられた第3遮光膜23と同一膜からなる遮光膜などのうち2つ以上の遮光膜を用いて、少なくとも部分的に額縁領域を冗長的に規定するように構成してもよい。或いは、額縁領域を、これらのうち2つ以上の遮光膜を組み合わせることにより規定してもよい(例えば、額縁領域の一辺は、第1遮光膜53で規定し、他の辺は、第1遮光膜153で規定するように構成してもよい)。
【0097】
他方、第2遮光膜11a、データ線6a、バリア層80等の他の光遮光性を持つ膜を利用して各画素の開口領域の全部或いは一部を規定するように構成すれば、図8及び図11に示した各画素の開口領域を規定する第3遮光膜23は、部分的に或いは全面的に省略することも可能である。或いは、第3遮光膜23で冗長的に各画素の開口領域を規定するように、又は第3遮光膜23を主に入射光に伴う熱遮断用の膜として構成してもよい。
【0098】
また本願発明を、TFTアクティブマトリクス駆動方式以外の、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などいずれの方式の透過型の液晶装置に適用しても、額縁領域におけるデータ線や走査線等の内面反射による明暗パターンが表示画像の端付近に映し出されない本実施形態の基本原理は維持され(図6参照)、本実施形態と同様の効果が期待できる。更に、駆動回路内蔵型の液晶装置(図1及び図2参照)のみならず、駆動回路を外付けする型の液晶装置に、本発明を適用しても、本実施形態と同様の効果は発揮される。
【0099】
以上説明した各実施形態における液晶装置では、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10の外面には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0100】
(電子機器の構成)
上述の実施例の液晶装置を用いて構成される電子機器は、図14に示す表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、表示駆動回路1004、液晶装置などの電気光学装置100、クロック発生回路1008及び電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM、RAMなどのメモリ、テレビ信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、ビデオ信号などの表示情報を出力する。表示情報処理回路1002は、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて表示情報を処理して出力する。この表示情報処理回路1002は、例えば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路あるいはクランプ回路等を含むことができる。表示駆動回路1004は、走査側駆動回路及びデータ側駆動回路を含んで構成され、液晶パネル1006を表示駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に電力を供給する。
【0101】
このような構成の電子機器として、図15に示す投射型表示装置などを挙げることができる。
【0102】
図15は、投写型表示装置の要部を示す概略構成図である。図中、1102は光源、1108はダイクロイックミラー、1106は反射ミラー、1122は入射レンズ,1123はリレーレンズ、1124は出射レンズ、100R,100G,10おBは液晶光変調装置、1112はクロスダイクロイックプリズム、1114は投写レンズを示す。光源1102はメタルハライド等のランプとランプの光を反射するリフレクタとからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1108は、光源1102からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1106で反射されて、赤色光用液晶光変調装置100Rに入射される。一方、ダイクロイックミラー1108で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー1108によって反射され、緑色光用液晶光変調装置100Gに入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー1108も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1122、リレーレンズ1123、出射レンズ1124を含むリレーレンズ系からなる導光手段1121が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置100Bに入射される。各光変調装置により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム1112に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ1114によってスクリーン1120上に投写され、画像が拡大されて表示される。
【0103】
本発明は、上述した各実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう液晶装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電気光学装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】図1の電気光学装置の回路構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態の図1のC−C’断面におけるTFTアレイ基板側の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。
【図5】図1のC−C’断面に対応する個所における比較例の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。
【図6】図5に示した実施形態における入射光及び戻り光を遮光する様子を示す図式的概念図(図6(a))及び図5に示した比較例における入射光及び戻り光を遮光する様子を示す図式的概念図(図6(b))である。
【図7】データ線、走査線、画素電極、第2遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図8】図7のA−A’断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態におけるサンプリングスイッチの平面図である。
【図10】図9のB−B’断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態における図7のA−A’断面に対応する個所での断面図である。
【図12】第3実施形態における図1のC−C’断面に対応する個所でのTFTアレイ基板側の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態における図1のC−C’断面に対応する個所でのTFTアレイ基板側の積層構造を拡大して示す図式的断面図である。
【図14】電子機器の実施例である。
【図15】本実施例を用いた応用例としても投射型表示装置の実施例である。
【符号の説明】
1a…半導体層
1f…第1蓄積容量電極
2…ゲート絶縁膜
3a…走査線
3b…容量線
4…第2層間絶縁膜
5…コンタクトホール
6a…データ線
7…第3層間絶縁膜
8…コンタクトホール
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
10a…画像表示領域
11a…第2遮光膜
12…第1層間絶縁膜
20…対向基板
21…対向電極
23…第3遮光膜
30…TFT
50…液晶層
52…シール材
53、153、253…第1遮光膜
53a…開口部
70…蓄積容量
80…バリア層
101…データ線駆動回路
103…サンプリング回路
103a…サンプリングスイッチ
104…走査線駆動回路
114…サンプリング回路駆動信号線
115…画像信号線

Claims (10)

  1. 一対の透明な第1基板及び透明な第2基板間に電気光学物質が挟持され、前記第2基板に光が入射して前記第1基板から表示用の光が出射される電気光学装置であって、
    前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、画像表示領域に配置された複数の画素電極と、前記複数の画素電極に夫々接続された複数の配線と、前記第1基板と前記配線との間に積層されると共に前記画像表示領域の額縁領域を規定する第1遮光膜と、前記額縁領域内に配置されており前記画素電極を駆動するための複数の周辺回路用薄膜トランジスタを含む周辺回路とを備え、
    前記第1遮光膜は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域に対向する領域に開口部が設けられ、
    前記開口部は、前記第2基板の側から平面的に見て前記配線の一部により覆われていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 一対の透明な第1基板及び透明な第2基板間に電気光学物質が挟持され、前記第2基板に光が入射して前記第1基板から表示用の光が出射される電気光学装置であって、
    前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、画像表示領域に配置された複数の画素電極と、前記複数の画素電極に夫々接続された複数の配線と、前記第1基板と前記配線との間に積層されると共に前記画像表示領域の額縁領域を規定する第1遮光膜と、前記額縁領域内に配置されており前記画素電極を駆動するための複数の周辺回路用薄膜トランジスタを含む周辺回路とを備え、
    前記第1遮光膜は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともゲートに対向する領域に開口部が設けられており、
    前記第1基板又は前記第2基板の側から平面的に見て前記開口部を覆う他の遮光膜を更に備えたことを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記第1遮光膜は、高融点金属を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記額縁領域を横切るように前記配線が配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記周辺回路は、サンプリング回路であり、
    前記周辺回路用薄膜トランジスタは、画像信号をサンプリングして前記配線に供給するサンプリングスイッチであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記配線は、データ線であり、
    前記第2基板に面する側における前記第1基板上に、前記データ線と交差する複数の走査線と、前記データ線、前記走査線及び前記画素電極に接続された画素スイッチング用薄膜トランジスタとを更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の透過型の電気光学装置。
  7. 前記第1遮光膜と同一膜からなり、前記画素スイッチング用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域を前記第1基板側から見て覆う位置に形成された第2遮光膜を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記第1遮光膜は導電性材料から形成されており、
    前記第1遮光膜と同一膜からなると共に前記画素スイッチング用薄膜トランジスタと前記画素電極とをコンタクトホールを介して中継する中継用導電層を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  9. 前記第1遮光膜は導電性材料から形成されており、かつ該第1遮光膜は定電位に固定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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