JP3986318B2 - 上下送りミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用ミシン、特に、袖つけの場合等に、いせ込み(縮縫込み)を施しながら縫製を行う上下送りミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
工業用ミシンの中には、袖つけの場合等に、いせ込み(縮縫込み)を施しながら縫製するための上下送りミシンがある。
ここで、「いせ込みを施す」とは、例えば、洋服の袖等、立体形状の部分を縫いつける際に、2枚重ねで縫う生地のうち外側となる生地(上布)の送り量を多くすることで、外側の生地に余裕を持たせることである。
いせ込みは、一連の縫製部の全体で均一に施すとは限らず、例えば、袖つけの場合には、袖山となるほどいせ込み量を多くし、逆に、袖下ではいせ込みを施さずに縫製することが一般的である。
従来、このようないせ込みを行う上下送りミシンでは、いせ込み量の多少に拘わらず、一連の縫製を一定の糸張力で行うようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
いせ込みを施す縫製は、下糸と上糸を2枚の生地の間で絡ませるようにして行うが、いせ込み量が多い場合(従って、結果的に2枚の生地の重ね厚さが大きくなる場合)には、上糸で下糸を強く引っ張り上げないと、上下の糸が絡み合う位置を上下の生地間の適当な位置とさせることができない。
すなわち、いせ込みを施す一連の縫製を一定の糸張力で行うと、いせ込み量が多い部分を縫製する際には糸しまりが悪くなり(糸張力が不足し)、縫製後の生地を開いてみると俗に言う「笑う」といった現象(生地と生地の間に隙間が生じる現象)が観察されたりする。
逆に、「笑う」ことを防止するために糸じまりを強くする(糸張力を上げる)と、いせ込みを施さない袖下(脇の下)の部分では必要以上の糸張力で縫製がなされるため、縫製後の服に袖を通して腕を上げると糸が切れてしまったりする。
【0004】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない場合でも、常に最適な糸張力での縫製が可能な上下送りミシンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、例えば、図1に示すように、上布を送る上送り手段と、下布を送る下送り手段と、縫製区域ごとに予めいせ込み量を入力する設定手段とを備え、前記縫製区域ごとに前記入力されたいせ込み量を読み出して自動的に両送り手段の送り量の差を変化させることで、被縫製物に施すいせ込み量を調節する上下送りミシンにおいて、電気的な駆動手段により駆動され糸張力を変更可能な糸調子装置と、いせ込み縫製中に前記読み出されたいせ込み量に応じて自動的に両送り手段の送り量の差を変化させると共に、いせ込み量の多い部分の縫製に際しては糸張力を上げ、いせ込み量が少ない、あるいは、いせ込みを施さない部分の縫製に際しては糸張力を下げるように変更すべく前記糸調子装置を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、糸調子装置がいせ込み量に応じて制御される結果、糸張力がいせ込み量に応じて変更される。
従って、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない場合でも、いせ込み量の程度に応じて適当な糸張力に制御して、常に最適な糸張力での縫製を行うことができる。
具体的には、一連の縫製のうち、いせ込み量の多い部分の縫製に際しては糸張力を上げ、いせ込み量が少ない、あるいは、いせ込みを施さない部分の縫製に際しては糸張力を下げるといった制御を行うことにより、常に最適な糸張力での縫製が可能となる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の上下送りミシンにおいて、
いせ込み量に応じた糸張力の設定値を設定可能な設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段で設定された設定値の糸張力となるように、いせ込み量に応じて前記糸調子装置を制御することを特徴としている。
【0008】
ここで、原則として、いせ込み量は、縫製区間毎に予め設定されているため所与のものである。
また、これとは別に、本発明では、設定手段を備えるので、いせ込み量に応じて糸張力の設定値を設定できる。
さらに、制御手段は、設定手段で設定された設定値のうち、いせ込み量に応じた設定値の糸張力となるように、縫製区間毎に糸調子装置を制御する。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、先ず、設定手段を備えるので、糸張力の設定値を、いせ込み量に応じて縫製前に設定できる。
そして、制御手段が糸調子装置を制御することで、この設定された設定値となるように糸張力を制御できる。つまり、結果的に、糸張力をいせ込み量に応じて変更する制御がなされる。
つまり、いせ込みの程度に応じて、所望の糸張力での縫製を行うことができる。
【0010】
ここで、往復移動するミシン針が被縫製物から遠ざかる際(糸が張る方向にミシン針が移動する際)には、糸調子装置により付与する張力が一定でも、実際の糸張力は増大するため、縫製が、強すぎる糸張力でなされたり、糸が切れたりする場合がある。
【0011】
そこで、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の上下送りミシンにおいて、
ミシン針を往復移動させるミシン主軸の回転位置を検出する回転位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記回転位置検出手段により検出される回転位置に応じて前記糸調子装置が糸に付与する張力を制御することを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、ミシン針の位置に応じて糸調子装置により付与する張力を制御することができるため、該付与する張力を、ミシン針の位置に応じて適切に設定することで、糸が切れることを防止できるとともに、適切な糸張力での縫製が可能となる。
具体的には、ミシン針が被縫製物から遠い場合には、付与する張力を下げ(全く付与しない場合も含む)、ミシン針が被縫製物に近い場合(被縫製物にミシン針が刺さっている場合を含む)には、付与する張力を上げるといった制御を行うとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態について説明する。
先ず、構成を説明する。
【0014】
図1に主要なブロック構成を示す上下送りミシン100は、起動ペダル6の操作に基づき駆動することでミシン主軸(図示略)を回転させるミシンモータ10を備えている。
図示は省略するが、ミシン主軸は、回転運動を往復運動に変換する変換機構(変換手段)を介して針棒と連結され、この針棒の先端にはミシン針が設けられている。そして、ミシンモータ10によりミシン主軸が回転されると、針棒に伴ってミシン針が往復移動して被縫製物(後述の上布及び下布)を縫製できるようになっている。
ここで、ミシン針には上糸が通され、縫製の際、上糸はミシン針に伴って移動する。そして、縫製により、上糸は、ボビンから繰り出された下糸と絡ませられる。上糸の糸張力が強い程、上糸により下糸が強く引っ張り上げられることとなる。
【0015】
さらに、上下送りミシン100は、上布を送る上送り板(図示略)を駆動する上送りパルスモータ12と、下布を送る下送り板(図示略)を駆動する下送りパルスモータ14を備えており、縫製の際には、上布および下布がそれぞれ所定速度(所定の送り量)で送られるようになっており、これらによって、上送り手段及び下送り手段が構成される。
ここで、上布の送り量を下布の送り量よりも多くして縫製することで、上布を「いせ込ませ」ることができ、また、上下の布地の送り量の差を変化させることで、いせ込み量を調節できるようになっている。つまり、上布の送り量を下布の送り量より多くすればするほど、いせ込み量を多くすることができる。
また、いせ込み量は、縫製の種別により、しかも、縫製区域ごとに、予め設定されている。
上下送りミシン100では、この設定に基づくいせ込みデータを入力しておくことで、自動的に、縫製区域ごとに上下の布地の送り量の差を変化させた縫製がなされ、従って、いせ込み量を調節した縫製がなされるようになっている。
【0016】
また、布送り(いせ込みのための布送りを含む)は、ミシン針が被縫製物を貫通した状態では行えないため、ミシン針が上死点付近に位置するタイミングに同期させて行うようになっている。
このため、上下送りミシン100は、ミシン針の所定の位置を検出する針位置検出センサ1と、ミシン主軸の回転位置(回転角度)を検出する回転位置検出センサ(例えば、エンコーダで角度検出を行うもの)2とを備えている。
ここで、ミシン主軸の回転角度が、0度のときにはミシン針が上死点に位置し、180度のときには(半周すると)下死点に位置し、360度のときには(一周すると)再び上死点に位置する。
また、ミシン針が所定の針上位置に到達したことが針位置検出センサ1により検出された後、この検出のタイミングから起算してミシン主軸が何度(0度〜360度)回転したかを、回転位置検出センサ2が検出するようになっており、この検出角度が所定の範囲の時(ミシン針が上死点付近の時)に布送りが行われる。すなわち針位置検出センサ1と回転位置検出センサ2によって回転位置検出手段が構成される。
【0017】
さらに、上下送りミシン100は、糸張力を変更可能な糸調子装置16を備えている。
糸調子装置16は、図示は省略するが、糸を挟み込んで糸に張力を付与する糸挟持部と、糸挟持部の挟持動作の駆動源である糸調子モータ等を備えて構成される。
このうち、糸調子モータは、例えば、ボイスコイルモータからなり電気的に駆動する。この糸調子モータは、後述のCPU7の制御下で糸調子調整回路15(後述)により駆動電流を制御することにより、そのモータ軸が所定量移動するようになっている。そして、糸調子モータのモータ軸が移動すると、その移動量に応じた大きさの張力が、挟持部で挟持された糸Tに加わるようになっている。
【0018】
また、上下送りミシン100は、該上下送りミシン100を統括制御するCPU7(本発明の制御手段を構成する)と、このCPU7の制御プログラム等を格納したROM3と、糸張力の設定値の記憶領域やCPU7の作業領域を備えるRAM4を備えている。
加えて、上下送りミシン100は、ミシンモータ10を駆動制御するドライバであるミシンモータ駆動回路9、同じく上送りパルスモータ12を駆動制御するドライバである上送り駆動回路11、同じく下送りパルスモータ14を駆動制御するドライバである下送り駆動回路13、同じく糸調子装置16を動作制御するドライバである糸張力調整回路15を備えている。
CPU7は、起動ペダル6からの起動信号を受け取ると、ミシンモータ駆動回路9、上送り駆動回路11、下送り駆動回路13、糸張力調整回路15を介して、ミシンモータ10、上送りパルスモータ12、下送りパルスモータ14、糸調子装置16等の動作を制御する。
なお、上記の構成のうち、ROM3、RAM4、CPU7、ミシンモータ駆動回路9、上送り駆動回路11、下送り駆動回路13、および糸張力調整回路15は、電装ボックス8内に収容されている。
【0019】
また、本発明の上下送りミシン100は、糸張力をいせ込み量に応じて変更することができるようになっている。
このことを好適になし得るように、上下送りミシン100は、いせ込みレベル(いせ込み量)に応じた糸張力の設定値を設定するための操作パネル5を備えるとともに、CPU7は、設定された設定値となるように糸調子装置16を制御するように構成されている。
操作パネル5は、図示しない操作部(入力用のボタン等を備える)と、設定画面表示用の表示部とを備えており、本発明の設定手段を構成している。設定値の設定は、具体的には、例えば、図2に示す設定画面G1に従って行われる。本実施の形態の場合、いせ込みレベル(例えば、レベル0,レベル1,レベル2,レベル3,...,レベル16)毎に、糸張力の増加量(例えば、0%,5%,8%,12%,...,35%)を設定できるようになっている。
また、いせ込みレベル毎に糸張力の増加量が入力されると、つまり、いせ込みレベル毎の設定値が入力されると、この入力された設定値はRAM4に記憶される。
なお、ここでは、いせ込みレベルは、レベル0から数値が大きくなるに従っていせ込み量が増大するものであるとする。また、糸張力の増加量は、いせ込みレベルが最小の時に糸調子装置16により付与される張力と比べた増加率で表される。
また、いせ込みレベルに応じて糸張力を制御するのは上糸のみであるとし、下糸の糸張力は常時一定とする。
【0020】
さらに、操作パネル5では、例えば、図3に示す設定画面G2に従って、糸調子装置16により糸に張力を付与する角度範囲(ミシン主軸の回転角度の範囲)を設定できるようになっている。すなわち、具体的には、糸調子装置16による張力の付与を開始する角度(張力付与開始角度)と、張力の付与を終了する角度(張力付与終了角度)との入力(設定)が可能となっている。この入力された値はRAM4に記憶されるようになっている。
また、CPU7は、設定(入力)された張力付与開始角度となると糸調子装置16を制御して張力の付与を開始させ、張力付与終了角度となると張力の付与を終了させる。
【0021】
次に、フローチャート(図4)を参照して、本発明の上下送りミシン100による縫製作業を説明する。
【0022】
先ず、ステップS1にて、袖に対する「いせ込みデータ」を操作パネル5の操作により入力する。つまり、縫製区域ごとの、いせ込みレベルを入力する。すると、このいせ込みデータがRAM4に記憶される。
【0023】
次に、ステップS2に移行し、いせ込みレベル毎の糸張力の増加量を操作パネル5の操作により設定する。
本実施例の場合、例えば、図2に示すように、いせ込みレベルがレベル0、レベル1、レベル2、レベル3、...、レベル16である場合の糸張力の増加量を、それぞれ0%、5%、8%、12%、...、35%に設定する。
ここで、いせ込みレベルが高くなるにつれて、糸張力の増加量を増やす設定とする。これは、いせ込み量が多い場合には2枚の生地の重ね厚さが大きくなるため、上糸の糸張力を強くして、上糸により下糸を強く引っ張り上げるようにする必要があるためである。
【0024】
ステップS2に続いては、ステップS3に移行し、張力付与角度範囲を設定する。
本実施例の場合、例えば、図3に示すように、張力付与開始角度を50度、張力付与終了角度を270度に設定する。つまり、ミシン主軸の回転角度が270度〜50度までの範囲内では(つまり、ミシン針が上死点付近に位置する期間)には、糸調子装置16により上糸に張力を付与しない設定とする。糸調子装置16による張力の付与がなくても、上死点付近ではミシン針が被縫製物から遠ざかるため糸が張ってしまうが、このように、上死点付近で張力を付与しない設定とすることで、上死点付近での糸張力増大が防止される。
【0025】
次に、ステップS4にて、起動ペダル6が踏まれたと判定されるまで、ミシンモータ10を駆動待機させ、踏まれたと判定されるとステップS5に移行し、起動ペダル6の踏み込み量に応じたミシンモータ10の駆動制御を行う。
【0026】
続くステップS6では、ステップS1にて設定されたいせ込みデータのいせ込みレベルを読み込んでステップS7に移行し、ステップS7では、縫製を開始する。
このステップS7での縫製の際には、先のステップS1にて入力したいせ込みデータのいせ込みレベル(いせ込み量)となるように、上下送りパルスモータ12,14の駆動制御を行う。
【0027】
続くステップS8では、ミシン主軸の回転角度が張力付与開始角度(本実施形態の場合、例えば、50度)になったか否かの判定を行い、張力付与開始角度になったと判定される場合には、ステップS9に移行する。
ステップS9では、糸調子装置16を制御することで、いせ込みレベルに応じて糸張力を付与する。すなわち、いせ込みレベルがレベル1であれば、糸張力の増加量を5%にする、といった制御を行う。
これにより、いせ込みレベルに応じて、つまり、いせ込み量に応じて適当な(予め設定した通りの)糸張力が制御される。
【0028】
ステップS9に続いて、あるいは、ステップS8で張力付与開始角度になっていないと判定される場合には、ステップS10に移行して、張力付与終了角度(本実施形態の場合、例えば、270度)になったか否かの判定を行い、張力付与終了角度になったと判定される場合には、ステップS11に移行して糸調子装置16による張力の付与を終了する。
【0029】
ステップS11に続いて、あるいは、ステップS10で張力付与終了角度になっていないと判定される場合には、ステップS12に移行し、起動ペダルが踏まれているか否かの判定を行う。
ステップS12にて踏まれていると判定される場合には、ステップS5以下の処理を行う一方、踏まれていないと判定される場合には、縫製を終了する。
【0030】
以上要するに、本発明の上下送りミシン100によれば、縫製区域ごとに予め設定したいせ込みレベルに応じて、糸張力を制御して縫製することができるため、常に最適な糸張力での縫製を行うことができる。
従って、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない場合でも、いせ込み量の程度に応じて適宜、適当な糸張力に制御して縫製を行うことができる。
具体的には、糸張力は、各いせ込みレベルと対応して予め設定された設定値となるように制御される。
【0031】
また、糸調子装置16により糸に張力を付与するミシン主軸の回転角度を設定することができるので、上死点付近を避けて糸に張力を付与する設定とすることで、ミシン針が被縫製物から遠ざかる際に糸張力が増加し過ぎてしまうことを防止できる。
【0032】
なお、上記の実施の形態では、ボイスコイルモータを駆動源とした糸調子装置を用いることとしたが、これに限らず、シリンダ、ソレノイド、ステッピングモータなどを駆動源とした糸調子装置としてもよい。
また、本実施の形態においては、上送り手段及び下送り手段をパルスモータで駆動し、パルスモータの駆動量の差に応じて糸調子装置が糸に付与する張力を変更しているが、各送り手段による送り量の設定を機械的に行う周知の機構を備えた上下送りミシンに適用することも可能である。すなわち、機械的な送り量の設定機構に連動する可変抵抗器等を設け、その可変抵抗器の抵抗値により各送り手段による送り量を検出して、その検出量の差に応じて糸調子装置が糸に付与する張力を変更するように構成しても良い。
さらに、本実施の形態においては、回転位置検出手段により検出される回転位置が所定の回転位置になった場合に、糸調子装置による張力の付与を開始あるいは終了させているが、回転位置に応じて段階的に糸張力を増減して付与するように構成しても良い。
あるいは、回転位置による張力付与の開始、終了の制御は行わず、単に所定の縫製エリア(例えば、袖付けの場合は、袖山、袖山近く、袖下等)ごとにいせ込みレベルを設定し、それぞれの縫製エリアに設定されたいせ込みレベルに応じた張力を回転位置にかかわらず付与するように構成しても良い。
また、糸張力の増減をパーセント(割合)による設定としたが、糸張力値(グラム等)による設定を行うようにしても良い。
また、布地の厚さに応じて糸張力を制御する構成としても本発明と同様の効果が得られる。
【0033】
さらに、布地は、地の目部分では伸びやすいものであるため、上下送りパルスモータ12,14による送り量の差が同じ条件下であっても、地の目部分以外の縫製を行う場合と比べて、いせ込みが入りやすい(いせ込み量が多くなる)という事情がある。そこで、布地の地の目部分では、糸張力を増加させるといった制御を行うこととすれば、地の目部分の縫製を、適切な糸張力で行うことができる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明に係る上下送りミシンによれば、糸張力を、いせ込み量に応じて制御可能となる。従って、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない場合でも、いせ込み量の程度に応じて適当な糸張力に制御して、常に最適な糸張力での縫製を行うことができる。
【0035】
請求項2記載の発明に係る上下送りミシンによれば、設定手段を備えるので、糸張力の設定値を、予定されたいせ込み量に応じて縫製前に設定できる。そして、この設定された設定値となるように糸調子装置の糸張力が制御手段により制御される。
【0036】
請求項3記載の発明に係る上下送りミシンによれば、ミシン針の位置に応じて糸張力を制御することができるため、ミシン針の位置に応じて適切な糸張力に設定することで、糸が切れることを防止できるとともに、適切な縫いを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上下送りミシンの要部の構成を示すブロック図である。
【図2】いせ込み量に応じた糸張力の設定画面を示す図である。
【図3】糸張力を変化させるミシン主軸の角度範囲の設定画面を示す図である。
【図4】いせ込み量に応じた糸張力の制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 針位置検出センサ(回転位置検出手段を構成する)
2 回転位置検出センサ(回転位置検出手段を構成する)
3 ROM(制御手段を構成する)
4 RAM(設定手段を構成する)
5 操作パネル(設定手段を構成する)
7 CPU(制御手段を構成する)
11 上送り駆動回路(上送り手段を構成する)
12 上送りパルスモータ(上送り手段を構成する)
13 下送り駆動回路(下送り手段を構成する)
14 下送りパルスモータ(下送り手段を構成する)
15 糸張力調整回路(制御手段)
16 糸調子装置
100 上下送りミシン
Claims (3)
- 上布を送る上送り手段と、下布を送る下送り手段と、縫製区域ごとに予めいせ込み量を入力する設定手段とを備え、前記縫製区域ごとに前記入力されたいせ込み量を読み出して自動的に両送り手段の送り量の差を変化させることで、被縫製物に施すいせ込み量を調節する上下送りミシンにおいて、
電気的な駆動手段により駆動され糸張力を変更可能な糸調子装置と、
いせ込み縫製中に前記読み出されたいせ込み量に応じて自動的に両送り手段の送り量の差を変化させると共に、いせ込み量の多い部分の縫製に際しては糸張力を上げ、いせ込み量が少ない、あるいは、いせ込みを施さない部分の縫製に際しては糸張力を下げるように変更すべく前記糸調子装置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする上下送りミシン。 - いせ込み量に応じた糸張力の設定値を設定可能な設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段で設定された設定値の糸張力となるように、いせ込み量に応じて前記糸調子装置を制御することを特徴とする請求項1記載の上下送りミシン。 - ミシン針を往復移動させるミシン主軸の回転位置を検出する回転位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記回転位置検出手段により検出される回転位置に応じて前記糸調子装置が糸に付与する張力を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の上下送りミシン。
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