JP2002301288A - 上下送りミシン - Google Patents

上下送りミシン

Info

Publication number
JP2002301288A
JP2002301288A JP2002026709A JP2002026709A JP2002301288A JP 2002301288 A JP2002301288 A JP 2002301288A JP 2002026709 A JP2002026709 A JP 2002026709A JP 2002026709 A JP2002026709 A JP 2002026709A JP 2002301288 A JP2002301288 A JP 2002301288A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewing
thread tension
thread
sewing machine
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002026709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3986318B2 (ja
Inventor
Shinji Kamakura
新治 鎌倉
Jiro Ishibashi
次郎 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP2002026709A priority Critical patent/JP3986318B2/ja
Publication of JP2002301288A publication Critical patent/JP2002301288A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3986318B2 publication Critical patent/JP3986318B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一連の縫製部でいせ込み量が変化しても、常
に最適な糸張力での縫製が可能な上下送りミシンを提供
する。 【解決手段】 上布を送る上送り手段と、下布を送る下
送り手段とを備え、両送り手段の送り量の差を変化させ
ることで、被縫製物に施すいせ込み量を調節する上下送
りミシンである。電気的な駆動手段により駆動され糸張
力を変更可能な糸調子装置と、糸張力を前記いせ込み量
に応じて変更すべく糸調子装置を制御する制御手段とを
備える。いせ込み量に応じた糸張力の設定値を設定可能
な設定手段を備え、制御手段は、設定手段で設定された
設定値の糸張力となるように、いせ込み量に応じて糸調
子装置を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用ミシン、特
に、袖つけの場合等に、いせ込み(縮縫込み)を施しな
がら縫製を行う上下送りミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】工業用ミシンの中には、袖つけの場合等
に、いせ込み(縮縫込み)を施しながら縫製するための
上下送りミシンがある。ここで、「いせ込みを施す」と
は、例えば、洋服の袖等、立体形状の部分を縫いつける
際に、2枚重ねで縫う生地のうち外側となる生地(上
布)の送り量を多くすることで、外側の生地に余裕を持
たせることである。いせ込みは、一連の縫製部の全体で
均一に施すとは限らず、例えば、袖つけの場合には、袖
山となるほどいせ込み量を多くし、逆に、袖下ではいせ
込みを施さずに縫製することが一般的である。従来、こ
のようないせ込みを行う上下送りミシンでは、いせ込み
量の多少に拘わらず、一連の縫製を一定の糸張力で行う
ようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】いせ込みを施す縫製
は、下糸と上糸を2枚の生地の間で絡ませるようにして
行うが、いせ込み量が多い場合(従って、結果的に2枚
の生地の重ね厚さが大きくなる場合)には、上糸で下糸
を強く引っ張り上げないと、上下の糸が絡み合う位置を
上下の生地間の適当な位置とさせることができない。す
なわち、いせ込みを施す一連の縫製を一定の糸張力で行
うと、いせ込み量が多い部分を縫製する際には糸しまり
が悪くなり(糸張力が不足し)、縫製後の生地を開いて
みると俗に言う「笑う」といった現象(生地と生地の間
に隙間が生じる現象)が観察されたりする。逆に、「笑
う」ことを防止するために糸じまりを強くする(糸張力
を上げる)と、いせ込みを施さない袖下(脇の下)の部
分では必要以上の糸張力で縫製がなされるため、縫製後
の服に袖を通して腕を上げると糸が切れてしまったりす
る。
【0004】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、一連の縫製部でいせ込み量が
均一でない場合でも、常に最適な糸張力での縫製が可能
な上下送りミシンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1に示すよう
に、上布を送る上送り手段と、下布を送る下送り手段と
を備え、両送り手段の送り量の差を変化させることで、
被縫製物に施すいせ込み量を調節する上下送りミシンに
おいて、電気的な駆動手段により駆動され糸張力を変更
可能な糸調子装置と、前記糸張力を前記いせ込み量に応
じて変更すべく前記糸調子装置を制御する制御手段とを
備えることを特徴としている。
【0006】請求項1記載の発明によれば、糸調子装置
がいせ込み量に応じて制御される結果、糸張力がいせ込
み量に応じて変更される。従って、一連の縫製部でいせ
込み量が均一でない場合でも、いせ込み量の程度に応じ
て適当な糸張力に制御して、常に最適な糸張力での縫製
を行うことができる。具体的には、一連の縫製のうち、
いせ込み量の多い部分の縫製に際しては糸張力を上げ、
いせ込み量が少ない、あるいは、いせ込みを施さない部
分の縫製に際しては糸張力を下げるといった制御を行う
ことにより、常に最適な糸張力での縫製が可能となる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の上
下送りミシンにおいて、いせ込み量に応じた糸張力の設
定値を設定可能な設定手段を備え、前記制御手段は、前
記設定手段で設定された設定値の糸張力となるように、
いせ込み量に応じて前記糸調子装置を制御することを特
徴としている。
【0008】ここで、原則として、いせ込み量は、縫製
区間毎に予め設定されているため所与のものである。ま
た、これとは別に、本発明では、設定手段を備えるの
で、いせ込み量に応じて糸張力の設定値を設定できる。
さらに、制御手段は、設定手段で設定された設定値のう
ち、いせ込み量に応じた設定値の糸張力となるように、
縫製区間毎に糸調子装置を制御する。
【0009】請求項2記載の発明によれば、先ず、設定
手段を備えるので、糸張力の設定値を、いせ込み量に応
じて縫製前に設定できる。そして、制御手段が糸調子装
置を制御することで、この設定された設定値となるよう
に糸張力を制御できる。つまり、結果的に、糸張力をい
せ込み量に応じて変更する制御がなされる。つまり、い
せ込みの程度に応じて、所望の糸張力での縫製を行うこ
とができる。
【0010】ここで、往復移動するミシン針が被縫製物
から遠ざかる際(糸が張る方向にミシン針が移動する
際)には、糸調子装置により付与する張力が一定でも、
実際の糸張力は増大するため、縫製が、強すぎる糸張力
でなされたり、糸が切れたりする場合がある。
【0011】そこで、請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載の上下送りミシンにおいて、ミシン針を往復
移動させるミシン主軸の回転位置を検出する回転位置検
出手段を備え、前記制御手段は、前記回転位置検出手段
により検出される回転位置に応じて前記糸調子装置が糸
に付与する張力を制御することを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明によれば、ミシン針の
位置に応じて糸調子装置により付与する張力を制御する
ことができるため、該付与する張力を、ミシン針の位置
に応じて適切に設定することで、糸が切れることを防止
できるとともに、適切な糸張力での縫製が可能となる。
具体的には、ミシン針が被縫製物から遠い場合には、付
与する張力を下げ(全く付与しない場合も含む)、ミシ
ン針が被縫製物に近い場合(被縫製物にミシン針が刺さ
っている場合を含む)には、付与する張力を上げるとい
った制御を行うとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る実施の形態について説明する。先ず、構成を説明す
る。
【0014】図1に主要なブロック構成を示す上下送り
ミシン100は、起動ペダル6の操作に基づき駆動する
ことでミシン主軸(図示略)を回転させるミシンモータ
10を備えている。図示は省略するが、ミシン主軸は、
回転運動を往復運動に変換する変換機構(変換手段)を
介して針棒と連結され、この針棒の先端にはミシン針が
設けられている。そして、ミシンモータ10によりミシ
ン主軸が回転されると、針棒に伴ってミシン針が往復移
動して被縫製物(後述の上布及び下布)を縫製できるよ
うになっている。ここで、ミシン針には上糸が通され、
縫製の際、上糸はミシン針に伴って移動する。そして、
縫製により、上糸は、ボビンから繰り出された下糸と絡
ませられる。上糸の糸張力が強い程、上糸により下糸が
強く引っ張り上げられることとなる。
【0015】さらに、上下送りミシン100は、上布を
送る上送り板(図示略)を駆動する上送りパルスモータ
12と、下布を送る下送り板(図示略)を駆動する下送
りパルスモータ14を備えており、縫製の際には、上布
および下布がそれぞれ所定速度(所定の送り量)で送ら
れるようになっており、これらによって、上送り手段及
び下送り手段が構成される。ここで、上布の送り量を下
布の送り量よりも多くして縫製することで、上布を「い
せ込ませ」ることができ、また、上下の布地の送り量の
差を変化させることで、いせ込み量を調節できるように
なっている。つまり、上布の送り量を下布の送り量より
多くすればするほど、いせ込み量を多くすることができ
る。また、いせ込み量は、縫製の種別により、しかも、
縫製区域ごとに、予め設定されている。上下送りミシン
100では、この設定に基づくいせ込みデータを入力し
ておくことで、自動的に、縫製区域ごとに上下の布地の
送り量の差を変化させた縫製がなされ、従って、いせ込
み量を調節した縫製がなされるようになっている。
【0016】また、布送り(いせ込みのための布送りを
含む)は、ミシン針が被縫製物を貫通した状態では行え
ないため、ミシン針が上死点付近に位置するタイミング
に同期させて行うようになっている。このため、上下送
りミシン100は、ミシン針の所定の位置を検出する針
位置検出センサ1と、ミシン主軸の回転位置(回転角
度)を検出する回転位置検出センサ(例えば、エンコー
ダで角度検出を行うもの)2とを備えている。ここで、
ミシン主軸の回転角度が、0度のときにはミシン針が上
死点に位置し、180度のときには(半周すると)下死
点に位置し、360度のときには(一周すると)再び上
死点に位置する。また、ミシン針が所定の針上位置に到
達したことが針位置検出センサ1により検出された後、
この検出のタイミングから起算してミシン主軸が何度
(0度〜360度)回転したかを、回転位置検出センサ
2が検出するようになっており、この検出角度が所定の
範囲の時(ミシン針が上死点付近の時)に布送りが行わ
れる。すなわち針位置検出センサ1と回転位置検出セン
サ2によって回転位置検出手段が構成される。
【0017】さらに、上下送りミシン100は、糸張力
を変更可能な糸調子装置16を備えている。糸調子装置
16は、図示は省略するが、糸を挟み込んで糸に張力を
付与する糸挟持部と、糸挟持部の挟持動作の駆動源であ
る糸調子モータ等を備えて構成される。このうち、糸調
子モータは、例えば、ボイスコイルモータからなり電気
的に駆動する。この糸調子モータは、後述のCPU7の
制御下で糸調子調整回路15(後述)により駆動電流を
制御することにより、そのモータ軸が所定量移動するよ
うになっている。そして、糸調子モータのモータ軸が移
動すると、その移動量に応じた大きさの張力が、挟持部
で挟持された糸Tに加わるようになっている。
【0018】また、上下送りミシン100は、該上下送
りミシン100を統括制御するCPU7(本発明の制御
手段を構成する)と、このCPU7の制御プログラム等
を格納したROM3と、糸張力の設定値の記憶領域やC
PU7の作業領域を備えるRAM4を備えている。加え
て、上下送りミシン100は、ミシンモータ10を駆動
制御するドライバであるミシンモータ駆動回路9、同じ
く上送りパルスモータ12を駆動制御するドライバであ
る上送り駆動回路11、同じく下送りパルスモータ14
を駆動制御するドライバである下送り駆動回路13、同
じく糸調子装置16を動作制御するドライバである糸張
力調整回路15を備えている。CPU7は、起動ペダル
6からの起動信号を受け取ると、ミシンモータ駆動回路
9、上送り駆動回路11、下送り駆動回路13、糸張力
調整回路15を介して、ミシンモータ10、上送りパル
スモータ12、下送りパルスモータ14、糸調子装置1
6等の動作を制御する。なお、上記の構成のうち、RO
M3、RAM4、CPU7、ミシンモータ駆動回路9、
上送り駆動回路11、下送り駆動回路13、および糸張
力調整回路15は、電装ボックス8内に収容されてい
る。
【0019】また、本発明の上下送りミシン100は、
糸張力をいせ込み量に応じて変更することができるよう
になっている。このことを好適になし得るように、上下
送りミシン100は、いせ込みレベル(いせ込み量)に
応じた糸張力の設定値を設定するための操作パネル5を
備えるとともに、CPU7は、設定された設定値となる
ように糸調子装置16を制御するように構成されてい
る。操作パネル5は、図示しない操作部(入力用のボタ
ン等を備える)と、設定画面表示用の表示部とを備えて
おり、本発明の設定手段を構成している。設定値の設定
は、具体的には、例えば、図2に示す設定画面G1に従
って行われる。本実施の形態の場合、いせ込みレベル
(例えば、レベル0,レベル1,レベル2,レベル
3,...,レベル16)毎に、糸張力の増加量(例え
ば、0%,5%,8%,12%,...,35%)を設定
できるようになっている。また、いせ込みレベル毎に糸
張力の増加量が入力されると、つまり、いせ込みレベル
毎の設定値が入力されると、この入力された設定値はR
AM4に記憶される。なお、ここでは、いせ込みレベル
は、レベル0から数値が大きくなるに従っていせ込み量
が増大するものであるとする。また、糸張力の増加量
は、いせ込みレベルが最小の時に糸調子装置16により
付与される張力と比べた増加率で表される。また、いせ
込みレベルに応じて糸張力を制御するのは上糸のみであ
るとし、下糸の糸張力は常時一定とする。
【0020】さらに、操作パネル5では、例えば、図3
に示す設定画面G2に従って、糸調子装置16により糸
に張力を付与する角度範囲(ミシン主軸の回転角度の範
囲)を設定できるようになっている。すなわち、具体的
には、糸調子装置16による張力の付与を開始する角度
(張力付与開始角度)と、張力の付与を終了する角度
(張力付与終了角度)との入力(設定)が可能となって
いる。この入力された値はRAM4に記憶されるように
なっている。また、CPU7は、設定(入力)された張
力付与開始角度となると糸調子装置16を制御して張力
の付与を開始させ、張力付与終了角度となると張力の付
与を終了させる。
【0021】次に、フローチャート(図4)を参照し
て、本発明の上下送りミシン100による縫製作業を説
明する。
【0022】先ず、ステップS1にて、袖に対する「い
せ込みデータ」を操作パネル5の操作により入力する。
つまり、縫製区域ごとの、いせ込みレベルを入力する。
すると、このいせ込みデータがRAM4に記憶される。
【0023】次に、ステップS2に移行し、いせ込みレ
ベル毎の糸張力の増加量を操作パネル5の操作により設
定する。本実施例の場合、例えば、図2に示すように、
いせ込みレベルがレベル0、レベル1、レベル2、レベ
ル3、...、レベル16である場合の糸張力の増加量
を、それぞれ0%、5%、8%、12%、...、35%
に設定する。ここで、いせ込みレベルが高くなるにつれ
て、糸張力の増加量を増やす設定とする。これは、いせ
込み量が多い場合には2枚の生地の重ね厚さが大きくな
るため、上糸の糸張力を強くして、上糸により下糸を強
く引っ張り上げるようにする必要があるためである。
【0024】ステップS2に続いては、ステップS3に
移行し、張力付与角度範囲を設定する。本実施例の場
合、例えば、図3に示すように、張力付与開始角度を5
0度、張力付与終了角度を270度に設定する。つま
り、ミシン主軸の回転角度が270度〜50度までの範
囲内では(つまり、ミシン針が上死点付近に位置する期
間)には、糸調子装置16により上糸に張力を付与しな
い設定とする。糸調子装置16による張力の付与がなく
ても、上死点付近ではミシン針が被縫製物から遠ざかる
ため糸が張ってしまうが、このように、上死点付近で張
力を付与しない設定とすることで、上死点付近での糸張
力増大が防止される。
【0025】次に、ステップS4にて、起動ペダル6が
踏まれたと判定されるまで、ミシンモータ10を駆動待
機させ、踏まれたと判定されるとステップS5に移行
し、起動ペダル6の踏み込み量に応じたミシンモータ1
0の駆動制御を行う。
【0026】続くステップS6では、ステップS1にて
設定されたいせ込みデータのいせ込みレベルを読み込ん
でステップS7に移行し、ステップS7では、縫製を開
始する。このステップS7での縫製の際には、先のステ
ップS1にて入力したいせ込みデータのいせ込みレベル
(いせ込み量)となるように、上下送りパルスモータ1
2,14の駆動制御を行う。
【0027】続くステップS8では、ミシン主軸の回転
角度が張力付与開始角度(本実施形態の場合、例えば、
50度)になったか否かの判定を行い、張力付与開始角
度になったと判定される場合には、ステップS9に移行
する。ステップS9では、糸調子装置16を制御するこ
とで、いせ込みレベルに応じて糸張力を付与する。すな
わち、いせ込みレベルがレベル1であれば、糸張力の増
加量を5%にする、といった制御を行う。これにより、
いせ込みレベルに応じて、つまり、いせ込み量に応じて
適当な(予め設定した通りの)糸張力が制御される。
【0028】ステップS9に続いて、あるいは、ステッ
プS8で張力付与開始角度になっていないと判定される
場合には、ステップS10に移行して、張力付与終了角
度(本実施形態の場合、例えば、270度)になったか
否かの判定を行い、張力付与終了角度になったと判定さ
れる場合には、ステップS11に移行して糸調子装置1
6による張力の付与を終了する。
【0029】ステップS11に続いて、あるいは、ステ
ップS10で張力付与終了角度になっていないと判定さ
れる場合には、ステップS12に移行し、起動ペダルが
踏まれているか否かの判定を行う。ステップS12にて
踏まれていると判定される場合には、ステップS5以下
の処理を行う一方、踏まれていないと判定される場合に
は、縫製を終了する。
【0030】以上要するに、本発明の上下送りミシン1
00によれば、縫製区域ごとに予め設定したいせ込みレ
ベルに応じて、糸張力を制御して縫製することができる
ため、常に最適な糸張力での縫製を行うことができる。
従って、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない場合で
も、いせ込み量の程度に応じて適宜、適当な糸張力に制
御して縫製を行うことができる。具体的には、糸張力
は、各いせ込みレベルと対応して予め設定された設定値
となるように制御される。
【0031】また、糸調子装置16により糸に張力を付
与するミシン主軸の回転角度を設定することができるの
で、上死点付近を避けて糸に張力を付与する設定とする
ことで、ミシン針が被縫製物から遠ざかる際に糸張力が
増加し過ぎてしまうことを防止できる。
【0032】なお、上記の実施の形態では、ボイスコイ
ルモータを駆動源とした糸調子装置を用いることとした
が、これに限らず、シリンダ、ソレノイド、ステッピン
グモータなどを駆動源とした糸調子装置としてもよい。
また、本実施の形態においては、上送り手段及び下送り
手段をパルスモータで駆動し、パルスモータの駆動量の
差に応じて糸調子装置が糸に付与する張力を変更してい
るが、各送り手段による送り量の設定を機械的に行う周
知の機構を備えた上下送りミシンに適用することも可能
である。すなわち、機械的な送り量の設定機構に連動す
る可変抵抗器等を設け、その可変抵抗器の抵抗値により
各送り手段による送り量を検出して、その検出量の差に
応じて糸調子装置が糸に付与する張力を変更するように
構成しても良い。さらに、本実施の形態においては、回
転位置検出手段により検出される回転位置が所定の回転
位置になった場合に、糸調子装置による張力の付与を開
始あるいは終了させているが、回転位置に応じて段階的
に糸張力を増減して付与するように構成しても良い。あ
るいは、回転位置による張力付与の開始、終了の制御は
行わず、単に所定の縫製エリア(例えば、袖付けの場合
は、袖山、袖山近く、袖下等)ごとにいせ込みレベルを
設定し、それぞれの縫製エリアに設定されたいせ込みレ
ベルに応じた張力を回転位置にかかわらず付与するよう
に構成しても良い。また、糸張力の増減をパーセント
(割合)による設定としたが、糸張力値(グラム等)に
よる設定を行うようにしても良い。また、布地の厚さに
応じて糸張力を制御する構成としても本発明と同様の効
果が得られる。
【0033】さらに、布地は、地の目部分では伸びやす
いものであるため、上下送りパルスモータ12,14に
よる送り量の差が同じ条件下であっても、地の目部分以
外の縫製を行う場合と比べて、いせ込みが入りやすい
(いせ込み量が多くなる)という事情がある。そこで、
布地の地の目部分では、糸張力を増加させるといった制
御を行うこととすれば、地の目部分の縫製を、適切な糸
張力で行うことができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る上下送りミシ
ンによれば、糸張力を、いせ込み量に応じて制御可能と
なる。従って、一連の縫製部でいせ込み量が均一でない
場合でも、いせ込み量の程度に応じて適当な糸張力に制
御して、常に最適な糸張力での縫製を行うことができ
る。
【0035】請求項2記載の発明に係る上下送りミシン
によれば、設定手段を備えるので、糸張力の設定値を、
予定されたいせ込み量に応じて縫製前に設定できる。そ
して、この設定された設定値となるように糸調子装置の
糸張力が制御手段により制御される。
【0036】請求項3記載の発明に係る上下送りミシン
によれば、ミシン針の位置に応じて糸張力を制御するこ
とができるため、ミシン針の位置に応じて適切な糸張力
に設定することで、糸が切れることを防止できるととも
に、適切な縫いを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る上下送りミシンの要部の構成を示
すブロック図である。
【図2】いせ込み量に応じた糸張力の設定画面を示す図
である。
【図3】糸張力を変化させるミシン主軸の角度範囲の設
定画面を示す図である。
【図4】いせ込み量に応じた糸張力の制御を説明するた
めのフローチャートである。
【符号の説明】
1 針位置検出センサ(回転位置検出手段を構成す
る) 2 回転位置検出センサ(回転位置検出手段を構成す
る) 3 ROM(制御手段を構成する) 4 RAM(設定手段を構成する) 5 操作パネル(設定手段を構成する) 7 CPU(制御手段を構成する) 11 上送り駆動回路(上送り手段を構成する) 12 上送りパルスモータ(上送り手段を構成する) 13 下送り駆動回路(下送り手段を構成する) 14 下送りパルスモータ(下送り手段を構成する) 15 糸張力調整回路(制御手段) 16 糸調子装置 100 上下送りミシン
フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA01 BA10 CB03 CB13 CD01 CD03 CE24 DE02 DE06 DE11 DE14 DE17 DE19 DE27 FD07 GD14 GD22 GF02 GF03 JA03 JA07 LA02 LA17 LA82 LA88 LA89 LB01 MA02 NA14 NA16 NA47 NB04 NB05 NB15 NC03 NC06 NC11 QA06 QA07 QA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上布を送る上送り手段と、下布を送る下送
    り手段とを備え、両送り手段の送り量の差を変化させる
    ことで、被縫製物に施すいせ込み量を調節する上下送り
    ミシンにおいて、 電気的な駆動手段により駆動され糸張力を変更可能な糸
    調子装置と、 前記糸張力を前記いせ込み量に応じて変更すべく前記糸
    調子装置を制御する制御手段とを備えることを特徴とす
    る上下送りミシン。
  2. 【請求項2】いせ込み量に応じた糸張力の設定値を設定
    可能な設定手段を備え、 前記制御手段は、前記設定手段で設定された設定値の糸
    張力となるように、いせ込み量に応じて前記糸調子装置
    を制御することを特徴とする請求項1記載の上下送りミ
    シン。
  3. 【請求項3】ミシン針を往復移動させるミシン主軸の回
    転位置を検出する回転位置検出手段を備え、 前記制御手段は、前記回転位置検出手段により検出され
    る回転位置に応じて前記糸調子装置が糸に付与する張力
    を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の上下
    送りミシン。
JP2002026709A 2001-02-02 2002-02-04 上下送りミシン Expired - Lifetime JP3986318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002026709A JP3986318B2 (ja) 2001-02-02 2002-02-04 上下送りミシン

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027071 2001-02-02
JP2001-27071 2001-02-02
JP2002026709A JP3986318B2 (ja) 2001-02-02 2002-02-04 上下送りミシン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002301288A true JP2002301288A (ja) 2002-10-15
JP3986318B2 JP3986318B2 (ja) 2007-10-03

Family

ID=26608860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002026709A Expired - Lifetime JP3986318B2 (ja) 2001-02-02 2002-02-04 上下送りミシン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3986318B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105887370A (zh) * 2014-10-15 2016-08-24 Ykk株式会社 缝制机及左右基底片对合缝制方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4555497B2 (ja) * 2001-04-05 2010-09-29 Juki株式会社 上下送りミシン

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105887370A (zh) * 2014-10-15 2016-08-24 Ykk株式会社 缝制机及左右基底片对合缝制方法
CN105887370B (zh) * 2014-10-15 2019-01-04 Ykk株式会社 缝制机及左右基底片对合缝制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3986318B2 (ja) 2007-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5339110B2 (ja) ミシンの糸供給装置
KR100850385B1 (ko) 재봉틀의 실텐션 장치
JP5427438B2 (ja) ミシン
EP1012367A1 (en) Electronically geared sewing machine
JP2592785Y2 (ja) 閂止め縫い目構造
US7980188B2 (en) Cloth-holder frame transfer apparatus for sewing machine
JP2002301288A (ja) 上下送りミシン
JP3913842B2 (ja) ミシンの布押え圧力制御装置
CN108796850B (zh) 缝纫机
JPH06134163A (ja) オーバーロックミシンの自動糸調子装置
JP4261674B2 (ja) 電子式送りミシン
JP2910121B2 (ja) ミシンの糸繰出し装置
JP2000153085A (ja) ミシンの送り制御装置
JPS5913232B2 (ja) 縫製装置
JPH026935Y2 (ja)
AU592234B2 (en) Automatic needle thread supply control system
JP4737814B2 (ja) ミシンの制御装置及びミシンの制御方法
JP2003260281A (ja) ミシン
JPS6337024Y2 (ja)
JP3757296B2 (ja) 縫製装置
JPH01212591A (ja) 電子制御式ジグザグミシン
JP2022157390A (ja) ミシンの糸供給装置
JPH06287854A (ja) 多針刺繍ミシンの上糸制御装置
JPH10249084A (ja) 糸繰り出し装置を備えたミシン
JP2007159705A (ja) ミシン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070425

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3986318

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term