JP3983465B2 - 人工軽量骨材の製造方法および製造設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭灰から軽量コンクリートの骨材に適用される人工軽量骨材の製造方法および製造設備に関し、特には頁岩を原料とする人工軽量骨材よりも軽量な絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材の製造方法および製造設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭焚ボイラから排出される石炭灰の有効利用技術の一つとして軽量コンクリートの骨材に適用される人工軽量骨材がある。この石炭灰を利用した人工軽量骨材は、JIS−A5002に規定されており、軽量化の指標となる絶乾比重がM種で1.0〜1.5に設定されている。しかし、現在、市販されている人工軽量骨材の主体は、頁岩を原料とするものであり、その絶乾比重は1.27〜1.35である。従って、石炭灰から製造する人工軽量骨材は、頁岩を原料とするもの以上の品質となるように、絶乾比重が1.25以下であることが要望されている。
【0003】
そこで、特開平11−92191号公報には、石炭灰を分級することによって、粒径10μm以下の微粒子の占める重量割合が15%以下となる粗粉を形成した後、この粗粉の造粒物を焼成して人工軽量骨材とすることにより1.25以下の絶乾比重を達成する製造方法が開示されている。さらに、このような粒径の調整だけでは1.25以下の絶乾比重にならない石炭灰に対しては、粒径の調整後に低比重剤や発泡剤からなる添加剤を加えてから人工軽量骨材とする製造方法も開示されている。これにより、性状の異なる各種の石炭灰を用いた場合でも、絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を確実に製造することが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の製造方法では、充填剤が石炭灰に比較して高価であるため、充填剤を加えて製造された人工軽量骨材の製造原価が高騰し易いという問題がある。そこで、充填剤を使用しなければ、製造原価を容易に抑えることができるが、上述のように粒径の調整のみでは人工軽量骨材の絶乾比重を1.25以下にできない場合がある。また、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子に分級する処理においては、この微粒子の重量割合をできるだけ小さくした方が分級機の小型化やランニングコストの低コスト化を実現する上で望ましい。
【0005】
従って、本発明は、粒径10μm以下の微粒子の重量割合をできるだけ小さくしながら充填剤を用いなくても人工軽量骨材の絶乾比重を確実に1.25以下にすることができる人工軽量骨材の製造方法および製造設備を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉とし、該粗粉を造粒して焼成することによって、絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を製造する人工軽量骨材の製造方法であって、前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足する粗粉を用いて前記人工軽量骨材を製造することを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、石炭灰のみを用いて絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を確実に製造することができるため、充填剤を加えて製造する場合よりも、製造原価を低減することができる。さらに、粒径10μm以下の微粒子の重量割合を10%以下に抑制することができるため、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子に分級するための分級機を小型化したり、ランニングコストを低下させることができる。
【0008】
請求項2の発明は、石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉を得る分級機と、前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足するか否かを判定し、全ての条件を満足した粗粉のみを後段に送給する選別装置と、前記選別装置の後段に配設され、該選別装置から送給された粗粉を混練して解砕することにより生ペレットを形成する生ペレット形成系と、前記生ペレットを焼成して絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を形成する焼成機とを有することを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、石炭灰を選別する選別装置を分級機と生ペレット形成系との間に配設することによって、全ての条件を満足する石炭灰からなる粗粉を用いた人工軽量骨材の製造を高い信頼性で行うことが可能になる。そして、石炭灰のみを用いて絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を確実に製造することができるため、充填剤を加えて製造する場合よりも、製造原価を低減することができる。さらに、粒径10μm以下の微粒子の重量割合を10%以下に抑制することができるため、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子に分級するための分級機を小型化したり、ランニングコストを低下させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る人工軽量骨材の製造設備は、図1に示すように、発電所から排出された石炭灰を風選により分級する分級機11を有している。分級機11は、石炭灰の各粒子を回転させて各粒子に回転流による遠心力と空気流による抗力を与える回転体を備えており、粗粒子を遠心力により回転体の外周方向へ飛ばし、微粒子を空気とともに回転体の内周方向に送り込むことによって、両粒子を選別するように構成されている。そして、分級機11は、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子の占める重量割合が10%以下である粗粉と、その他の細粉とに分級するように、回転体の回転速度やサイズ等が設定されている。
【0011】
ここで、石炭灰の分級に際して、粒径10μm以下の微粒子に着目したのは、粗粉中の細粉が多いと、細粉が粗粉の間に入り込んで、空隙を埋めるからである。また、粒径10μm以下の細粉の量が絶乾比重に大きな影響を及ぼし、粒径10μmを越える細粉の量を規定しても絶乾比重はそれほど変化しないからである。さらに、石炭灰を分級する際の分級効率は粒径10μmを越えると粗粉回収効率が低下し、細粉と粗粉とを分けられなくなるからである。特に石炭灰の場合、細粉はJIS灰として販売できるので、粗粉と細粉との選別比率は、5割±2割以内とするためには、粒径10μm以下の微粒子で分ける必要がある。
【0012】
上記のように石炭灰を分級する分級機11は、石炭灰の微粒子の送出口11aが分岐弁41(選別装置)の流入口41aに接続されている。分岐弁41は、流入口41aに連通された2つの第1流出口41bおよび第2流出口41cと、流入口41aと両流出口41b・41cとの連通状態を切替信号により切替え可能な図示しないバルブ部とを有している。そして、第1流出口41bは、ペレット形成系43の第1ホッパー1に接続されている一方、第2流出口41cは、製造設備の外部に設けられた図示しないホッパーに接続されている。
【0013】
また、分岐弁41と分級機11との間における流路配管には、分級した微粒子を含む粗粉である石炭灰の性状を検査する石炭灰性状測定器42(選別装置)が設けられている。石炭灰性状測定器42は、石炭灰の性状を測定する測定部と、この測定部で得られた測定値が規定値を満足するか否かを判定する判定部と、判定結果に基づいて分岐弁41に対して切替信号を送信する送信部とを備えている。
【0014】
即ち、石炭灰性状測定器42の測定部は、石炭灰の微粒子の平均粒径と粒径10μm以下の微粒子の重量割合と真比重と比表面積とを測定する。判定部は、30μmの平均粒径規定値と10%の重量割合規定値と2.15の真比重規定値と1100cm2 /gの比表面積規定値とを記憶している。そして、判定部は、これらの測定値と測定値とをそれぞれ比較し、平均粒径の測定値が規定値以上であって他の全ての測定値が規定値以下であれば、送信部に対して流入口41aと第1流出口41bとを連通させる旨の切替信号を送信するように指令する一方、これ以外の比較結果であれば、、送信部に対して流入口41aと第2流出口41cとを連通させる旨の切替信号を送信するように指令する。これにより、分岐弁41および石炭灰性状測定器42は、石炭灰の微粒子の平均粒径が30μm以上、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下、真比重が2.15以下、比表面積が1100cm2 /g以下の条件を満たす石炭灰のみをペレット形成系43の第1ホッパー1に流通させる一方、規定値を満足しない石炭灰を外部に排出する。
【0015】
上記のペレット形成系43は、第1〜第4ホッパー1〜4と混練機5と解砕機6とベルトフィーダー7とパン型造粒機8とを上流側からこの順に備えている。第1ホッパー1は、分級機11から分岐弁41を介して送給された石炭灰を一時的に収容する。また、第2〜第4ホッパー2〜4は、第1ホッパー1に並設されている。これらのホッパー2〜4は、低比重剤、発泡化剤および微粉炭をそれぞれ充填剤として収容している。尚、充填剤とは、絶乾比重を低下させる材料を意味する。そして、これらの第1〜第4ホッパー1〜4は、下端部の供給口が相互に連絡されており、石炭灰、低比重剤、発泡化剤および微粉炭を任意の割合で混合し、この混合物を後段の混練機5に供給可能にされている。尚、第2〜第4ホッパー2〜4の充填剤は、規定値を満足しない石炭灰を人工軽量骨材とするときに使用される。
【0016】
ここで、低比重剤には、真比重または見掛比重が主原料である石炭灰よりも軽い物質あるいは燃焼して焼失する成分が含有されている全ての物質を用いることができる。普通の低比重剤には、もみがら、おがくず、シュートくず、バカス、石炭粒、コークス粒、木炭粒、木屑、破砕紙が知られている。尚、低比重剤は、これらの低比重剤が入手の安定性に欠けること、および入手にコストが掛かることから、廃棄物として埋め立て処分される流動床ボイラー灰や下水汚泥焼却灰、建設泥土、重油灰のいずれか一つ以上であって残留炭素を含むものを有効利用することが好ましい。
【0017】
また、下水汚泥焼却灰は、下水処理場で発生する汚泥物を燃焼した際に発生する残留物であり、建設泥土は、建設および土木工事で発生する土砂を主体とする廃棄物である。流動床ボイラー灰は、流動床ボイラー灰で燃焼された石炭の残留物であり、重油灰は重油を燃焼した際に発生する残留物である。特に流動床ボイラー灰はそれ単独では軽量骨材にならず、石炭灰より残留炭素が多いことから、石炭灰を混ぜて絶乾比重を下げるのに適している。ただし、石炭灰100重量部に混ぜる流動床ボイラー灰等の廃棄物系低比重剤は、40重量部を限度として混合する。40重量部を越えると、圧潰強度の低下によって焼成時の歩止まり率が悪化するとともに、絶乾比重の低下が少なくなるからである。
【0018】
また、発泡化剤には、パーライトやシラス、ゼオライト等の発泡性を有する鉱物および石膏の少なくとも何れか1つ以上を用いることができる。シラス、パーライト、ゼオライトは天然に産する鉱物であり、石膏は工業製品または脱硫工程で発生する何れを用いてもよい。尚、発泡化剤は、上記材料に限定されるものではなく、800℃以上の高温域において発泡性を発現するものであればよい。但し、石炭灰に混ぜる発泡化剤は、石炭灰または石炭灰と低比重剤の100重量部に対して20重量部を限度とする。20重量部を越えても、絶乾比重の低下が認められなくなるからである。
【0019】
上記のような各種の添加剤や石炭灰を収容した第1〜第4ホッパー1〜4の後段には、混練機5が配設されている。混練機5は、石炭灰もしくは石炭灰と微粉炭、または、石炭灰と微粉炭および低比重剤と発泡化剤の少なくとも何れか一方との混合物に水5’を加えて混練するように構成されている。そして、混練機5は、混合物を解砕する解砕機6に連絡されており、解砕機6は、ベルトフィーダー7を介してパン型造粒機8に連絡されている。パン型造粒機8は、解砕機6からの混合物を所定粒径の生ペレット65として形成するように設定されている。
【0020】
上記のパン型造粒機8は、火格子を用いる自燃焼成式の直線型移動焼成機12に連絡されている。直線型移動焼成機12は、乾燥−着火−焼成−冷却処理を連続運転により行うことによって、パン型造粒機8から供給された生ペレット65を焼結するように構成されている。
【0021】
即ち、焼成機12は、水平方向(図中矢印A)に移動する無端状の火格子21と、この火格子21の上方に設けられた乾燥・予熱炉22、着火炉23および焼結・保熱炉24と、各炉22・23・24に高熱空気を送り込む熱風管28と、焼結・保熱炉24の下流側に設けられた冷却ゾーン29とを備えている。また、火格子21の下方には、上端が火格子21に向かって開口されたウインドボックス25が設けられており、このウインドボックス25の下端は、排気ダクト26を通してブロアー27の吸い込み側に連結されている。そして、このように構成された直線型移動焼成機12の後段には、焼成機12で生成された生ペレット65の焼結体を導出するシュート30と、焼結体を分離するクラッシャ31と、分離された焼結体を所定形状の製品ペレットにふるい分ける篩機32とがこの順に配設されている。
【0022】
尚、本実施形態においては、分岐弁41と石炭灰性状測定器42とで判別装置を構成し、この判別装置において自動的に分級された石炭灰(粗粉)の性状の適否を判定しているが、オペレータが判定して手動で分岐弁41の切替えを行うようになっていても良い。
【0023】
上記の構成において、製造設備の動作を通じて人工軽量骨材の製造方法を説明する。
先ず、分級機11において、発電所から排出された石炭灰が回転されることによって、石炭灰の各粒子に回転流による遠心力と空気流による抗力とが付与される。これにより、石炭灰の粗粒子が遠心力によって外周方向へ飛ばされる一方、石炭灰の微粒子が空気とともに内周方向に送り込まれることによって、石炭灰が選別される(分級工程)。そして、粒径10μm以下の微粒子の占める重量割合が10%以下となる粗粉である石炭灰が分級により得られると、送出口11aから後段の分岐弁41に送り出される。
【0024】
この際、送給された石炭灰の一部は、石炭灰性状測定器42に取り込まれ、石炭灰性状測定器42において石炭灰の性状が規定値を満足するものであるか否かが判定される。即ち、石炭灰の微粒子の平均粒径と粒径10μm以下の微粒子の重量割合と真比重と比表面積とが測定される。そして、平均粒径の測定値と30μmの平均粒径規定値との比較と、重量割合の測定値と10%の重量割合規定値との比較と、真比重の測定値と2.15の真比重規定値との比較と、比表面積の測定値と1100cm2 /gの比表面積規定値との比較とがそれぞれ行われる。
【0025】
この結果、平均粒径の測定値が30μm以上であってその他の測定項目の測定値が規定値以下である場合には、流入口41aと第1流出口41bとを連通させる旨の切替信号が分岐弁41に送信され、規定値を満足した石炭灰が第1ホッパー1に送り込まれる。一方、石炭灰が規定値を満足しない場合には、流入口41aと第2流出口41cとを連通させる旨の切替信号が分岐弁41に送信され、“その他”の石炭灰として外部に排出される。これにより、第1ホッパー1は、石炭灰の微粒子の平均粒径が30μm以上、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下、真比重が2.15以下、比表面積が1100cm2 /g以下の条件を満たす石炭灰のみを収容することになる(判別工程)。
【0026】
次に、第1ホッパー1から石炭灰が混練機5に供給される。尚、規定値を満足した石炭灰を混練機5に送給するため、第2〜第3ホッパー2〜4から充填剤を混練機5に送給する必要はない。そして、混練機5で水5’が注水されて石炭灰が混練される。この混練物は、解砕機6において解砕され、ベルトフィーダー7により一定の供給量でパン型造粒機8に供給される。そして、パン型造粒機8において所定粒径の生ペレット65とされた後、直線型移動焼成機12に送給される(生ペレット形成工程)。
【0027】
直線型移動焼成機12に送給された生ペレット65は、乾燥−着火−焼成−冷却処理を経て焼結が行われる。即ち、火格子21の上に生ペレット65が定量供給され、この生ペレット65が火格子21に伴って移動し、各炉22,23,24を通過するときに、熱風管28から高熱空気が供給され、これがブロアー27により生ペレットの下方に向かって吸引される(図中矢印B)。尚、生ペレット65の床用として焼結ペレットが敷かれる。そして、この高熱空気により焼成が行われる。詳しくは、乾燥・予熱炉22により生ペレット65の乾燥が行われ、次いで、着火炉23で乾燥ペレット65’中の未燃炭が着火する。更に、焼結・保熱炉24により乾燥ペレット65’中の未燃炭の燃焼が下方へ移行し、全体の焼結が完了し、焼結ペレット65''が形成される(焼成工程)。
【0028】
この後、焼結ペレット65''が冷却ゾーン29に搬送され、ブロアー27の吸い込み空気の一部が焼結ペレット65''の層中を下方(図中矢印C)に向かって通過されることによって、焼結ペレット65''の冷却が行われる。冷却された焼結ペレット65''のペレット塊は、シュート30を経てクラッシャ31に送り込まれて分離される。そして、分離された焼結ペレット65''が篩機32で所定形状の製品ペレットにふるい分けられ、絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材とされる。
【0029】
尚、本実施形態における石炭灰を石炭灰性状測定器42および分岐弁41において選別する際の判定条件は、表1の試験結果に基づいて求めた。具体的には、表1に示すように、平均粒径が16.8〜74.6μmの範囲、10μm以下の微粒子の重量割合が2.1〜33.3%の範囲、比表面積が891〜1100cm2 /gの範囲、真比重が2.07〜2.44の範囲において各種の値に設定された石炭灰(試験No.1〜試験No.21 )を用意した。そして、これらの各石炭灰に対して混練、解砕、造粒および焼結等の処理を同一条件下で行うことにより人工軽量骨材を作成し、各人工軽量骨材の絶乾比重を求めた。
【0030】
【表1】
【0031】
この結果、試験No.5(平均粒径が74.5μm、10μm以下の微粒子の重量割合が2.2%、比表面積が840cm2 /g、真比重が2.12)の場合と、試験No.11 (平均粒径が74.6μm、10μm以下の微粒子の重量割合が6%、比表面積が1092cm2 /g、真比重が2.1)の場合とにおいて、絶乾比重が1.25以下になることが確認された。これにより、石炭灰の微粒子の平均粒径が30μm以上、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下、真比重が2.15以下、比表面積が1100cm2 /g以下である内容を判定条件とすれば、人工軽量骨材の絶乾比重を1.25以下にできることが判明した。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明は、石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉とし、該粗粉を造粒して焼成することによって、絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を製造する人工軽量骨材の製造方法であって、前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足する粗粉を用いて前記人工軽量骨材を製造する構成である。
【0033】
上記の構成によれば、石炭灰のみを用いて絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を確実に製造することができるため、充填剤を加えて製造する場合よりも、製造原価を低減することができる。さらに、粒径10μm以下の微粒子の重量割合を10%以下に抑制することができるため、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子に分級するための分級機を小型化したり、ランニングコストを低下させることができる。
【0034】
請求項2の発明は、石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉を得る分級機と、前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足するか否かを判定し、全ての条件を満足した粗粉のみを後段に送給する選別装置と、前記選別装置の後段に配設され、該選別装置から送給された粗粉を混練して解砕することにより生ペレットを形成する生ペレット形成系と、前記生ペレットを焼成して絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を形成する焼成機とを有する構成である。
【0035】
上記の構成によれば、石炭灰を選別する選別装置を分級機と生ペレット形成系との間に配設することによって、全ての条件を満足する石炭灰からなる粗粉を用いた人工軽量骨材の製造を高い信頼性で行うことが可能になる。そして、石炭灰のみを用いて絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を確実に製造することができるため、充填剤を加えて製造する場合よりも、製造原価を低減することができる。さらに、粒径10μm以下の微粒子の重量割合を10%以下に抑制することができるため、石炭灰を粒径10μm以下の微粒子に分級するための分級機を小型化したり、ランニングコストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工軽量骨材の製造設備の工程図である。
【符号の説明】
1〜4 第1〜第4ホッパー
5 混練機
6 解砕機
7 ベルトフィーダー
8 パン型造粒機
11 分級機
12 直線型移動焼成機
41 分岐弁
42 石炭灰性状測定器
43 ペレット形成系
65 生ペレット
Claims (2)
- 石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉とし、該粗粉を造粒して焼成することによって、絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を製造する人工軽量骨材の製造方法であって、
前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足する粗粉を用いて前記人工軽量骨材を製造することを特徴とする人工軽量骨材の製造方法。 - 石炭灰を分級して、粒径10μm以下の微粒子を含む粗粉を得る分級機と、
前記粗粉の平均粒径が30μm以上であり、10μm以下の微粒子の重量割合が10%以下であり、真比重が2.15以下であり、比表面積が1100cm2 /g以下である全ての条件を満足するか否かを判定し、全ての条件を満足した粗粉のみを後段に送給する選別装置と、
前記選別装置の後段に配設され、該選別装置から送給された粗粉を混練して解砕することにより生ペレットを形成する生ペレット形成系と、
前記生ペレットを焼成して絶乾比重が1.25以下の人工軽量骨材を形成する焼成機と
を有することを特徴とする人工軽量骨材の製造設備。
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