JP2018002563A - 水硬性石灰及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】火山噴出物堆積鉱物を原料した水硬性石灰及びその有利な製造方法。【解決手段】石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、遊離CaO、ビーライト、ワラストナイト及びゲーレナイトから選ばれる少なくとも1種を含有する水硬性石灰。好ましくは、前記火山堆積物かシラスであり、更に前記火山堆積鉱物から、少なくとも2個のサイクロンにより粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14にて粗粒を、細粒回収用のサイクロン分級機15にて細粒を、微粉回収用集塵機16にて微粉を回収し、回収された微粉を前記原料とすることが好ましい、水硬性石灰の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、火山噴出物堆積鉱物、例えば普通シラスを原料とする水硬性石灰及びその製造方法に関するものである。
水硬性石灰は、水と混合することで硬化する石灰であり、水硬性であるため気硬性の消石灰に比べて高強度を有し、また、空気中での炭酸化により時間とともに石灰石に戻り、高い耐久性能が得られる。水硬性石灰は天然水硬性石灰(Natural Hydraulic Lime)として入手されるが、水硬性石灰は産地が限られ、日本では海外からの輸入品が用いられているように入手性が十分ではない。また、品質にもばらつきがある。
石灰石の製造工程において生じる石灰石水洗廃水を原料として水硬性石灰を製造する方法がある(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の方法は、石灰石水洗廃水のリサイクルに関する技術であり、水硬性石灰の大量生産には不向きである。
沈殿又はゲル化により調製される合成ケイ素化合物又は天然ケイ素を化学処理、熱処理、又はその他の物理的処理を行うことにより調製される合成ケイ素化合物をポゾラン材料として含む水硬性石灰組成物がある(特許文献2)。しかし、特許文献2に記載の水硬性石灰組成物は、ポゾラン材料が天然ケイ素を化学処理、熱処理、又はその他の物理的処理を行うためにコスト高になり、大量生産には不向きである。
特開2007−204282号公報 特許第5687716号
ところで、シラスは、南九州に広く分布する火山噴出物堆積鉱物の1種であって、大量に入手可能な資源であることから、シラスから水硬性石灰が得られれば天然水硬性石灰の代わりになり、また、天然水硬性石灰よりも優れた品質の水硬性石灰となり得る。
しかしながら、普通シラス、すなわち、南九州のシラス台地を形成するもので、天然のままで加工されていないシラスは、粗粒から微粉までの広い粒度分布にわたる粒径を有しているので、水硬性石灰の原料とするには粉砕する工程を必要とし、粉砕に労力が嵩む。また、普通シラスは硬質な結晶鉱物を多く含むので、粉砕時に粉砕機の損耗が大きく、また粉砕物に結晶鉱物が混入するので水硬性石灰の品質の低下を招く。
本発明は、火山噴出物堆積鉱物を原料した水硬性石灰及びその有利な製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、火山噴出物堆積鉱物、例えば普通シラスから分離された火山ガラスの微粉を原料の一つとし、これと石灰とを900〜1150℃で焼成することにより、遊離CaO、ビーライト、ワラストナイト及びゲーレナイトから選ばれる少なくとも1種を含有する水硬性石灰が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
本発明の一側面は、石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、遊離CaO、ビーライト、ワラストナイト及びゲーレナイトから選ばれる少なくとも1種を含有する水硬性石灰である。
上記発明において、火山噴出物堆積鉱物は普通シラスとすることができる。
本発明の別の側面は、石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、900〜1150℃で焼成することを特徴とする水硬性石灰の製造方法である。
上記発明において、火山噴出物堆積鉱物が普通シラスであることが好ましい。
火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉を分離する一つの方法は、火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を常温又は高温の気流に搬送させ、循環する気流経路に接続された少なくとも2個のサイクロン分級機を有する粗粒回収用のサイクロン分級機群と、このサイクロン分級機群に連結した細粒回収用のサイクロン分級機と、このサイクロン分級機に連結した微粉回収用の集塵機とを有する気流分級装置により、粗粒回収用サイクロン分級機群にて粗粒を、細粒回収用サイクロン分級機にて細粒を、微粉回収用集塵機にて微粉を回収し、回収された微粉を前記原料とすることである。
火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉を分離する別の方法は、前記火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板を振動させつつ下方から多孔板に向けて送風するエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とに選別して、選別された集塵分を前記原料とすることである。
火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉を分離する別の方法は、前記火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を常温又は高温の気流に搬送させ、循環する気流経路に接続された少なくとも2個のサイクロン分級機を有する粗粒回収用のサイクロン分級機群と、このサイクロン分級機群に連結した細粒回収用のサイクロン分級機と、このサイクロン分級機に連結した微粉回収用の集塵機とを有する気流分級装置により、粗粒回収用のサイクロン分級機群にて粗粒を、細粒回収用のサイクロン分級機にて細粒を、微粉回収用の集塵機にて微粉を回収し、
回収された粗粒を水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板を振動させつつ下方から多孔板に向けて送風するエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とに選別して、
前記微粉及び前記集塵分を前記原料とすることである。
上述したサイクロン分級機群を用いる場合に、前記粗粒回収用のサイクロン分級機群のうちの一つのサイクロン分級機は、上部が円錐形状を有し、この円錐形状の頂部で管路と接続することが好ましく、また、前記微粉の粒径が、0.05mm未満であることが好ましい。更に、分級された粗粒を粉砕して微粉にすることもできる。
上述したエアテーブル式の比重差選別装置を用いる場合に、エアテーブル式の比重差選別装置により選別された多孔板落下分を、作業条件が異なる同一又は別のエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、少なくとも重比重分と、軽比重分と、集塵分とに更に選別して、
更に選別された集塵分を前記原料とすることが好ましい。
上記の更に選別する場合、重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とに選別することが好ましい。また、一段目のエアテーブル式の比重差選別装置と二段目のエアテーブル式の比重差選別装置とを組み合わせて用いる場合に、一段目のエアテーブル式の比重差選別装置における軽比重分や集塵分を、二段目のエアテーブル式の比重差選別装置に供給することができる。また、前記集塵分の粒径が0.05mm未満であることが好ましい。更に、軽比重分を更に粉砕して微粉にすることもできる。
本発明の水硬性石灰は、モルタルを製造する原料に用いることができ、本発明の水硬性石灰の製造方法は、モルタルの製造方法に用いることができる。
本発明によると、火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材を原料とした水硬性石灰及びその製造方法を得ることができる。
本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例の概略図である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である 図1の変形例である。 図2の変形例である。 図3の変形例と図4の変形例との組み合わせの例である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。 比重差選別装置の原理を説明する模式図である。 図6の変形例である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。 図9の変形例である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。 本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。 実施例4のX線回折図である。 比較例9の徳之島石灰岩のみを1000℃で加熱した焼成石灰のX線回折図である。
以下、図面に従って、本発明の水硬性石灰及び水硬性石灰の製造方法の実施形態を、火山噴出物堆積鉱物の一種である普通シラスを原料に用いた例で説明する。
(実施形態1)
本実施形態では、普通シラスから火山ガラス材の微粉を分離する。分離するための乾式分離方法及び装置の一実施形態を説明する。
図1は、本発明に適用する乾式分離方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。
図1に示す乾式分離装置は、気流分級装置10を備えている。この気流分級装置10は、粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14と、細粒回収用のサイクロン分級機15と、サイクロン分級機に連結した微粉回収用のバグフィルタ16とを有している。
図示した乾式分離装置において、普通シラスは、ベルトフィーダ3からふるい4に供給され、ふるい4により、粒径5mm超の礫分が、ふるい上として除去され、残部がふるい下として気流分級装置10に供給される。図示した例では、粒径5mm超の礫分の除去のためにふるい4を用いているが、ふるい4の代わりに、原料である普通シラスの粒径を5mm以下に粉砕する機械を用いることもできる。また、5mm以下に粉砕する機械を用いて粉砕することにより、普通シラスに含まれる軽石の内部が露出し、分離されて回収された軽石製品の白色度が向上するという利点もある。粉砕された軽石が回収された、小さな軽石や火山ガラス粒子は、軽石粒子内部のガラス表面が露出しており、焼成して膨張発泡させて製造した発泡軽石や、概ね0.15mm以上のパーライト同等品や、概ね0.15mm以下のシラスバルーンの白色度が、粉砕工程を経ていない軽石や火山ガラス粒子起源の発泡軽石やパーライト相当品やシラスバルーン相当品に比べて白色度が高くなるという利点がある。
気流分級装置10は、複数のサイクロン解砕機11A、11B、11Cと複数のサイクロン分級機12〜15と、バグフィルタ16とを備えるとともに、これらを接続する管路17A〜17Iを備えている。
気流分級装置10において、ふるい下として分級された粒径5mm以下の普通シラスを、まずサイクロン解砕機11Aに導き、サイクロン解砕機11Aから管路17Aを経由してサイクロン解砕機11Bに導き、サイクロン解砕機11Bから管路17Bを経由してサイクロン解砕機11Cに導く。サイクロン解砕機11Aの投入口では、排気ブロワ18に起因する管路17A〜17Iへの吸引力が働き、大量の吸気Gが、サイクロン解砕機11Aの最外周に設置された角パイプの引き込み口から導入されて下方向への螺旋状の旋回流となり、上方から少量の吸気と共にシラス原料が投下されると、螺旋状の下方向への気流の流れに乗って凝集体が分散されて配管内壁をなぞるようにして次のサイクロン解砕機11Bに送られ、詰まりのないスムーズな、大量の原料投入が可能となっている。原料の搬送及び乾燥、単粒子化、分離に必要な主なエネルギーは、排気ブロワ18の吸引力を動力源としており、サイクロン解砕機とサイクロン分級機を立体的に組み合わせて、コンパクトながら経路の直線距離以上に原料粒子の移動距離を最大化する構造を有しており、原料と空気の接触が多くなることにより、気流乾燥と粒子の単粒子化を効率よく発現できる。
サイクロン解砕機11A〜11Cは、普通シラス粒の凝集を遠心力により分散するためのサイクロンである。サイクロン解砕機11A〜11Cを経て分散された普通シラスを、管路17Cを経てサイクロン分級機12に導く。11A〜11Cを経るサイクロン解砕機とそれらを繋ぐ管路内では、付着粒子や凝集粒子のサイクロン解砕機内壁面や管路内壁への衝突、摩擦、接触やそれら粒子同士の衝突、摩擦、接触が強制的に働き、粗粒に付着した細粒や微粉の剥離、解離と凝集体の解砕が促進され、粒子に付着した水分や粒子間に介在している水分が空気との接触により空気へ移動し、粒子の乾燥が進む。したがって、原料の普通シラスが概ね4パーセント以上の水分を含んでいる場合には、サイクロン解砕機11A〜11Cを有しサイクロン解砕機11A〜11Cにて乾燥させる本実施形態の乾式分離装置を用いることが好ましい。
サイクロン解砕機11A〜11Cによる剥離、解砕、乾燥の相乗効果により、粗粒、細粒及び微粉の単粒子化が促進する。サイクロン解砕機11Cに接続しているサイクロン分級機12は、普通シラスから粗粒と、粗粒以外とに分級する。粗粒、細粒及び微粉の単粒子化を促進するため、図3や図5に示すようにサイクロン解砕機を合計4個や5個やそれを超える数のサイクロン解砕機を設けてもよい。
サイクロン分級機12の上部は円錐形状を有し、この円錐形状の頂部で管路17Dと接続している。サイクロン分級機12の上部は円錐形状を有していることにより、サイクロン分級機12から上方へ上昇する旋回気流の流れをスムーズにして、所定の粒径の粗粒をサイクロン分級機12の下方に落下させ、粗粒よりも小さな粒径のものはサイクロン分級機12から上方へ上昇する気流に乗って管路17Dに搬送されるようにしている。
サイクロン分級機12の下方に接続する管路には、開口12aを備えている。この開口12aは吸気調整手段であり、開口12aの大きさを調整することにより、開口12aを備える管路内の上昇気流の流速を調整することができる。より具体的には開口12aを大きくしてサイクロン分級機12の下方から上方に向かう上昇気流の流速を速くすることにより、ひいては粗粒中における密度2.5g/cm以上のものの割合を向上させることができる。開口12aは、例えばフランジ継手の間の隙間であり、この隙間の間隔を厚さの異なるワッシャー等で調整することにより、開口12aから取り込まれる吸気Hの空気量を調整し、サイクロン分級機12の下方から上方に向かう上昇気流の流速を調整することができる。
サイクロン分級機12の下方に接続する管路には、開口12aよりも下方に、2個の開閉弁12bを有している。図示した乾式分離装置の作業中に、粗粒はサイクロン分級機12の下方に接続する管路内に堆積する。この粗粒を作業中に回収するために、まず上側の開閉弁12bを開いて下側の開閉弁12bを閉じ、これにより粗粒を上側の開閉弁12bと下側の開閉弁12bとの間に落下させ、次に上側の開閉弁12bを閉じて下側の開閉弁12bを開き、これにより上側の開閉弁12bと下側の開閉弁12bとの間の粗粒を回収する。ここで、開閉弁12bの代わりに同じ機能を有するロータリーバルブを用いることもできる。
単粒子化した粗粒の収率を高めるために、サイクロン分級機13及び管路17D、管路17Eを設け、サイクロン分級機12のオーバーフロー分を、管路17Dを経由してサイクロン分級機13に導き、このサイクロン分級機13のアンダーフロー分を、管路17Cに接続した管路17Eを経由してサイクロン分級機12に導く一番目の循環経路を形成している。また、単粒子化した粗粒の収率を更に高めるために、サイクロン分級機14及び管路17F、管路17Gを設け、サイクロン分級機13のオーバーフロー分を、管路17Fを経由してサイクロン分級機14に導き、このサイクロン分級機14のアンダーフロー分を、管路17Dに接続した管路17Gを経由してサイクロン分級機13に導く二番目の循環経路を形成している。これらの気流の循環経路内を循環することにより、付着粒子や凝集粒子のサイクロン分級機内壁面や管路内壁への衝突、摩擦、接触やそれら粒子同士の衝突、摩擦、接触が強制的に働き、粗粒に付着した細粒や微粉の剥離と凝集体の解砕が促進され、粒子に付着した水分や粒子間に介在している水分が空気との接触により空気へ移動し、粒子の乾燥が進む。これらの剥離、解砕、乾燥の相乗効果により、粗粒、細粒及び微粉の単粒子化が促進する。以上の効果により、管路内及びサイクロン分級機内が常温の気流であっても普通シラスは水分が低減されて乾燥する。サイクロン解砕機11Aに導入される吸気Gが、乾燥した空気又は温風であれば、更にシラスの乾燥と単粒子化が促進する。
図1に示した本実施形態では、2つの循環経路を形成するためにサイクロン分級機13及びサイクロン分級機14を設けているが、循環経路を3個や4個やそれを超える数で形成し、そのために図4や図5に示すように合計3個や4個やそれを超える数のサイクロン分級機を設けてもよい。
サイクロン分級機14のオーバーフロー分を、管路17Hを経由してサイクロン分級機15に導く。サイクロン分級機15は、サイクロン分級機14のオーバーフロー分から細粒と、細粒以外の微粉とに分級する。細粒は、粒径が0.05〜0.30mmであり、後述するふるいに供給される。なお、サイクロン分級機15により分級された細粒の粒径の値0.05〜0.30mmは、概略値である。また、吸気調整手段としてサイクロン分級機15の下側の管路に備えられた開口15aの大きさを調整することにより、細粒の粒径の値又は回収率は調整可能である。
サイクロン分級機15の下方に接続する管路には、開口15aを備えている。この開口15aは吸気調整手段であり、開口15aの大きさを調整することにより、開口15aを備える管路内の上昇気流の流速を調整することができ、ひいては細粒の粒度分布又は平均粒径又は回収率を調整することができる。開口15aは、例えばフランジ継手の隙間であり、この隙間の間隔を厚さの異なるワッシャー等で調整することにより、開口15aから取り込まれる吸気Iの空気量を調整し、サイクロン分級機15の下方から上方に向かう上昇気流の流速を調整することができる。
サイクロン分級機15の下方に接続する管路には、開口15aよりも下方に、2個の開閉弁15bを有している。図示した乾式分離装置の作業中に、細粒はサイクロン分級機15の下方に接続する管路内に堆積する。この細粒を作業中に回収するために、まず上側の開閉弁15bを開いて下側の開閉弁15bを閉じ、これにより細粒を上側の開閉弁15bと下側の開閉弁15bとの間に落下させ、次に上側の開閉弁15bを閉じて下側の開閉弁15bを開き、これにより上側の開閉弁15bと下側の開閉弁15bとの間の細粒を回収する。ここで、開閉弁15bの代わりに同じ機能を有するロータリーバルブを用いることもできる。
回収された細粒を、ふるい19によりふるい分けする。ふるいの網目は300μmであり、粒径0.3mmを超える細粒はふるい上に、粒径0.3mm以下の細粒はふるい下に分離される。サイクロン分級機15のアンダーフロー分として分級された細粒は、主に火山ガラスであり、粒径0.3mm以上の軽石を含んでいる。この粒径0.3mm以上の軽石は、軽量骨材として有用である。そこで、ふるい19により粒径0.3mmでふるい分けすることで、軽量骨材を回収することができる。
また、ふるい19のふるい下は、粒径0.3mm未満の火山ガラス材である。特に火山噴出物堆積鉱物が本実施形態のようにシラスである場合には、粒径0.3mm未満の火山ガラス材は、加熱により発泡するので、パーライト原料又はシラスバルーン原料として有用である。また、粒径0.3mm未満の火山ガラス材を粉砕することにより、本発明の水硬性石灰の原料として又は混和材として用いることができる。本実施形態の乾式分離方法は、粒径が0.05mm以下の微粉をサイクロン分級機15のオーバーフロー分として分級していることから、ふるい19のふるい下は微粉をほとんど含んでいない。したがって、ふるい19のふるい下は粒径が概略0.05mm〜0.3mmの、粒径が整った火山ガラス材B2を得ることができる。
サイクロン分級機15のオーバーフロー分として、細粒以外の微粉を、管路17Iを経由してバグフィルタ16に導く。バグフィルタ16は、微粉Cを回収する。微粉Cは、粒径が0.05mm以下である。なお、微粉Cの粒径の値0.05mm以下は、概略値である。微粉Cは、主に火山ガラスよりなり、本発明の水硬性石灰の原料として、又はポゾラン効果を有する混合セメント原料、より具体的には混和材又はその原料として有用である。ここで、バグフィルタ16の部分は、電気集塵装置に取り替えても同様に機能する。
バグフィルタ16には排気ブロワ18が接続され、バグフィルタ16のろ布を通過した気流は、排気ブロワ18で排気Jが排出される。また、サイクロン解砕機11A、11B、11C及びサイクロン分級機12〜15は、この排気ブロワ18により駆動され、搬送気流は排気ブロワ18より外部に排出される。
図1に示した本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置によれば、普通シラスを粗粒Aと細粒Bと微粉Cとに分離することができ、更に細粒Bを粒径0.3mm超え(B1)と粒径0.3mm以下(B2)に分離することができる。このうちの微粉C又は微粒B2を粉砕したものを本発明の水硬性石灰の原料とする。また、本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置によれば、粉砕工程を必要とせず、粉砕した場合でも硬質な結晶鉱物をほとんど含まないので粉砕時に粉砕機の損耗が少なく、不純物となる結晶鉱物をほとんど含まないので火山ガラス成分率が高い水硬性石灰を得ることができる。
(実施形態2)
本発明に適用する乾式分離方法及び装置の別の実施形態を説明する。
図2は、本発明に適用する乾式分離方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。なお、図2において、図1と同一部材については同一符号を付している。したがって、本実施形態において、先に実施形態1で説明したのと同一の部材についての重複する説明は省略する。また、図示したふるい4の代わりに、原料である普通シラスの粒径を5mm以下に粉砕する機械を用いることもできる。
図2に示した乾式分離装置が図1に示した乾式分離装置と相違する点は、粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14に普通シラスを供給するロータリーフィーダ20を有している点である。原料の普通シラスの水分が概ね4パーセント未満である場合には、サイクロン解砕機11A〜11Cを経由して乾燥させなくても、粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14内をスムーズに循環させることができ、粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14内を循環する過程で乾燥させることができる。そこで、定量的に供給が可能なロータリーフィーダ20により普通シラスを、サイクロン分級機13の頂部に供給する。
ロータリーフィーダ20は、密閉性が高く、空気による搬送を必要とせずにシラス原料を定量的に供給できる。ロータリーフィーダ20からサイクロン分級機13の上部に投入された普通シラスは、管路17Fから気流に乗って、サイクロン分級機14に送られる。サイクロン分級機14で遠心分離により単粒子化した微粉は、オーバーフロー分として上方の管路17Hに搬送される。細粒と微粉が分離しきれず、それらが付着した粗粒や凝集体は、解砕した単粒子とともに管路17Dを経て、サイクロン分級機13で遠心分離される。サイクロン分級機13において、下方に落下した粗粒は、サイクロン解砕機11Aの吸気口から導入されてサイクロン解砕機11A〜11Cを経て流れてきた気流と接触し、管路17Cを経て、サイクロン分級機12に送られる。その後は、実施形態1で述べたのと同様に、サイクロン分級機の循環経路システムにより、管路中で普通シラスの解砕と分離を繰り返してサイクロン分級機12から細骨材が分離される。
原料の普通シラスの水分が概ね4パーセント未満である場合に、普通シラスの供給はロータリーフィーダ20に限るものではない。普通シラスの一部又は全部をサイクロン解砕機群11A〜11Cを経由させることもできる。また、原料の普通シラスの水分が概ね4パーセント以上である場合に、普通シラスはサイクロン分級機群12〜14を経由させることに限るものではない。普通シラスの一部をロータリーフィーダ20から供給することもできる。
図2に示した本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置によれば、図1に示した実施形態1の乾式分離方法及び乾式分離装置と同様に、普通シラスを粗粒と細粒と微粉とに分離することができ、更に細粒を粒径0.3mm超えと粒径0.3mm以下に分離することができる。このうちの微粉C又は微粒B2を粉砕したものを水硬性石灰の原料とする。本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置によれば、粉砕工程を必要とせず、粉砕した場合でも硬質な結晶鉱物をほとんど含まないので粉砕時に粉砕機の損耗が少なく、不純物となる結晶鉱物をほとんど含まないので火山ガラス成分率が高い水硬性石灰を得ることができる。
図3は、図1の変形例であり、サイクロン解砕機を、サイクロン解砕機11A、11B、11C、11D及び11Eの合計5個を有する例である。図1及び図3から分かるように本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置において、サイクロン解砕機の個数は問わない。
図4は、図2の変形例であり、サイクロン分級機を、サイクロン分級機12、13、14、31及び32の合計5個を有する例である。図2及び図4から分かるように本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置において、サイクロン分級機の個数は2個以上であれば問わない。
図5は、図3の変形例と図4の変形例との組み合わせの例であり、サイクロン解砕機を、サイクロン解砕機11A、11B、11C、11D及び11Eの合計5個を有し、サイクロン分級機を、サイクロン分級機12、13、14、31及び32の合計5個を有する例である。
(実施形態3)
本発明に適用する火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法の一実施形態を説明する。
図6は、本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。図6において、先に図面を用いて説明したのと同じ部材については同一符号を付しており、以下では重複する説明を省略する。
図6に示す乾式分離装置は、エアテーブル式の比重差選別装置21を備えている。比重差選別装置21は、多孔板21a及び振動装置21gを有し、水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板21aを振動装置21gにより振動させつつ下方から多孔板21aに向けて風胴21h内の送風ファン21bにより送風するエアテーブル式の比重差選別装置である。比重差選別装置21の原理を図7に示す模式図を用いて説明する。
多孔板21aは、水平方向から所定の角度で傾斜している。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は、おおよそ3〜20mmである。また多孔板21aには所定形状の孔を多数有している。多孔板21aは、偏心クランクによる振動装置21gにより下手側から上手側に向けてサイクロイド又はそれに近似した曲線状に送り出してすぐ引っ込めるような独特の前後長±3〜7mmの独特な振動運動が可能であり、鋸刃状の凹部に引っかかった重比重分を上方に押し出す力を加えることが可能になっている。振動装置21gにより多孔板21aを振動させつつ多孔板21aの孔に向けて風胴21h内の送風ファン21bにより送風可能になっている。なお,送風ファン21bは,風胴内蔵式としているが,風胴に空気を導入する能力を有する外付けの送風ファンでもよい。多孔板21aの上面に複数比重粉の混合物が供給されると、比重の重たい粉(図7中の黒丸印で示す)、多孔板21aの上面の鋸刃状の凹凸に引っ掛かりつつ、振動装置21gによる多孔板21aの振動により多孔板21aの上手に向かって移動する。比重の軽い粉は多孔板21aの孔を通した気流により舞い上がる。舞い上がった比重の軽い粉のうち、比較的比重が重たい粉(図7中の白丸印で示す)は多孔板21aの下手に向かって移動する。舞い上がった比重の軽い粉のうち、比較的比重が軽い粉(図7中の黒点で示す)は気流に乗って比重差選別装置21外に搬送される。
したがって、比重差選別装置21に、普通シラスを供給して、多孔板21aを振動させつつ下方から多孔板21aに向けて送風することにより、多孔板21aの上手側に重比重分を、下手側に軽比重分を選別することができる。また、多孔板21aに供給された普通シラスのうちの粒度が小さいもの(以下「集塵分」という。)は、送風により多孔板21aから浮上する。また、多孔板21aに供給された普通シラスの一部は多孔板21aの孔を通って落下する。
多孔板21aは、普通シラスのうち密度2.5g/cm以上のものを重比重分として選別するように作業条件を設定する。作業条件の設定は、例えば時間当たりの原料供給量、送風量、多孔板21aの傾斜角度、多孔板21aの孔の大きさ、孔の形状、孔の数、多孔板の凹凸の形状、多孔板21aの振動数、排出口21eに係る吸出風量等の少なくとも一つを調整することにより行う。
多孔板21aで選別された重比重分を、比重差選別装置21の排出口21cから排出させて回収する。回収された重比重分は、密度2.5g/cm以上である。この重比重分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm以上を満たし、そのまま細骨材として使用することができる。
多孔板21aで選別された多孔板落下分は、排出口21fから排出させて回収する。回収された多孔板落下分は、原料や作業条件によって密度2.5g/cm以上とすることができる。この多孔板落下分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm以上を満たす場合には、そのまま細骨材として使用することができる。
多孔板21aで選別された多孔板落下分が、密度2.5g/cm以下である場合には、JIS A5308の「砂」で規定する細骨材として使用することはできない。この場合には、後述するように、多孔板落下分を更に比重差選別装置で比重分離を行うことができる(図9、10参照)。
多孔板21aで選別された軽比重分を、比重差選別装置21の排出口21dから排出させる。排出された軽比重分は、ベルトコンベア6及びベルトフィーダ9を経由して後述するふるい23にかけられる。
多孔板21aから浮上した集塵分を、比重差選別装置21の排出口21eに接続する管路7Aを経てサイクロン分級機22に導く。サイクロン分級機22は、集塵分から、より軽量な微粉をオーバーフロー分として分級する。アンダーフロー分のサイクロン回収分を、シラスバルーン原料または混和材原料として回収する。アンダーフロー分のサイクロン回収分は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として用いることもできる。また、サイクロン分級機22のオーバーフロー分の微粉を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて回収する。回収された微粉Fを水硬性石灰の原料とする。バグフィルタ16については、既に説明したとおりである。
ふるい23は、所定の網目の大きさを有している。ふるい23の網目は例えば300μmとすることができる。ふるい23に、比重差選別装置21の軽比重分を導いて、ふるい上とふるい下とに分ける。
比重差選別装置21の軽比重分は粒径0.3mm以上の軽石を含んでいる。この粒径0.3mm以上の軽石は、軽量骨材として有用である。そこで、ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けすることで、軽量骨材を回収することができる。
また、ふるい23のふるい下は、粒径0.3mm未満の火山ガラス材である。特に火山噴出物堆積鉱物が本実施形態のようにシラスである場合には、粒径0.3mm未満の火山ガラス材は、加熱により発泡するので、パーライト原料又はシラスバルーン原料として有用である。また、粒径0.3mm未満の火山ガラス材を粉砕することにより、本発明の水硬性石灰の原料として又は混和材として用いることができる。本実施形態の乾式分離方法は、比重差選別装置21により粒径が0.05mm以下の微粉を予め分級していることから、ふるい23のふるい下は微粉をほとんど含んでいない。したがって、ふるい23のふるい下は発泡性が良好なシラスバルーン原料を得ることができる。
比重差選別装置21の軽比重分における粒径0.3mm未満の火山ガラスを活用するに当たり、必ずしもふるい23にかけることを要しない。図8は、図6の変形例である。図8に示す乾式分離装置は、ふるい23を有してない。
図8に示すように、軽比重分は、ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けしなくても、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合する場合には、ふるい23を省いて、簡素化して軽量骨材を回収することができる。
図6及び図8に示した本実施形態の乾式分離方法及び装置によれば、比重差選別装置21又は21Dを用いて普通シラスを重比重分Dと軽比重分Eと微粉Fとに分離することができ、更に軽比重分をふるい23により例えば粒径0.3mm超え(E1)と粒径0.3mm以下(E2)に分離することができる。この微粉Fを水硬性石灰の原料とする。E2を粉砕して水硬性石灰の原料とすることもできる。また、本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置によれば、粉砕工程を必要とせず、粉砕した場合でも硬質な結晶鉱物をほとんど含まないので粉砕時に粉砕機の損耗が少なく、不純物となる結晶鉱物をほとんど含まないので火山ガラス成分率が高い水硬性石灰を得ることができる。また、密度2.5g/cm以上の細骨材は重比重分D中に含まれているから、重比重分Dを回収することにより密度が2.5g/cm以上の細骨材の収率を高めることができる。
本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置は、実施形態1や実施形態2の乾式分離方法で用いたサイクロン解砕機やサイクロン分級機を有していないため、サイクロン解砕機やサイクロン分級機による原料の乾燥はあまり期待できない。もっとも、原料をふるい4で礫分を分離する前に、乾燥機による強制乾燥により多大なコストを費やして含水率を概ね2%未満に乾燥させなくても、太陽光の差し込む屋内に数cm敷き詰めて数日以上放置して、一定間隔をおいて天地返しをして乾燥させるなど、別の経済的な乾燥手段により原料をある程度乾燥させ、原料の普通シラスの含水率を概ね2%以下に低減することにより、本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置を効率よく実施することができる。ここで、原料の普通シラスの含水率が2%を超す場合でも、本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置を実施することができるが、十分に乾燥した普通シラスの原料に比べて、分離効率は低減し、原料の普通シラスの含水率が多いほど、それらの分離効率は低減する。
(実施形態4)
本発明に適用する乾式分離方法の一実施形態を、図9を用いて説明する。
図9は、本発明に適用する乾式分離方法に用いられる乾式分離装置の一例を示す概略図である。図9において、先に図面を用いて説明したのと同じ部材については同一符号を付しており、以下では重複する説明を省略する。
図9に示す乾式分離装置は、一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Aと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Bとの合計2台の比重差選別装置を備えている。一段目の比重差選別装置21Aは実施形態3で説明した比重差選別装置21と同じ構造及び作業条件とすることができる。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aの孔を通って落下した粗粒は、その孔径以下に粒径制御されているが、密度2.5g/cm以上の重鉱物を含む重比重分を主成分とする場合が多く、火山ガラス分と若干の軽石分と微粉を含んでいるので、原料や分離条件によって密度2.5g/cm以下となる場合がある。
この場合、この多孔板落下分から密度2.5g/cm以上の重鉱物を選別するために、二段目のエアテーブルで比重選別する。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aから落下した多孔板落下分を、ベルトフィーダ8を経由して二段目の比重差選別装置21Bに供給して選別する。二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aは、普通シラスのうち密度2.5g/cm以上のものを重比重分として選別するように作業条件を設定する。もっとも、二段目の比重差選別装置21Bは、一段目の比重差選別装置21Aとは、作業条件を異ならせることができる。例えば時間当たりの原料供給量、送風量、多孔板21aの傾斜角度、多孔板21aの孔の大きさ、孔の形状、孔の数、多孔板の凹凸の形状、多孔板21aの振動数、排出口21eに係る吸出風量等の少なくとも一つを一段目の比重差選別装置21Aとは異ならせることができる。具体的に、本実施形態では一段目の多孔板の孔径を1mm(1mmメッシュ)としているのに対して、二段目の多孔板の孔径を105μm(150メッシュ)としている。
ただし、一段目の多孔板に関しては、1mmの孔径に限定されるものでなく、2〜0.5mmの孔径を選択することができる。また、二段目の多孔板の孔径に関しても、105μmに限定されるものでなく、75〜500μmの孔径を選択することができる。
本実施形態の乾式分離方法は、二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aで選別された重比重分を、比重差選別装置21Bの排出口21cから排出させて回収する。回収された重比重分は、密度2.5g/cm以上である。この重比重分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm以上を満たし、そのまま細骨材として使用することができる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aで選別された軽比重分を、比重差選別装置21Bの排出口21dから排出させる。排出された軽比重分は、ベルトフィーダ9を経由して後述するふるい23にかけられる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aから浮上した集塵分を、比重差選別装置21Bの排出口21eに接続する管路7Bを経てサイクロン分級機22に導く。サイクロン分級機22は、既に説明したとおりである。サイクロン分級機22のオーバーフロー分の微粉を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて回収する。回収された微粉Fを水硬性石灰の原料とする。アンダーフロー分のサイクロン回収分は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として用いることができる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔を通って落下した多孔板落下分を、比重差選別装置21Bの排出口21fから排出させて、シラスバルーン原料としてまたは混和材原料として回収する。回収された多孔板落下分は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として用いることもできる。二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔径などの作業条件の違いや原料の種類によっては、多孔板21aの孔を通って落下し、排出口21fから排出した多孔板落下分が、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合する場合があり、この場合には、当該多孔板落下分を軽量骨材として回収することができる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔を通って排出口21fから排出された多孔板落下分は、原料や作業条件によっては、密度2.5g/cm以上のものが回収される場合がある。この場合は、多孔板落下分を細骨材Dに混ぜて使用することができる。
ふるい23は、所定の網目の大きさを有している。ふるい23の網目は例えば300μmとすることができる。ふるい23に、一段目の比重差選別装置21Aの軽比重分と、二段目の比重差選別装置21Bの軽比重分とを導いて、ふるい上とふるい下とに分ける。
一段目の比重差選別装置21Aの軽比重分及び二段目の比重差選別装置21Bの軽比重分は粒径0.3mm以上の軽石を含んでいる。この粒径0.3mm以上の軽石は、軽量骨材として有用である。そこで、ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けすることで、軽量骨材を回収することができる。
また、ふるい23のふるい下は、粒径0.3mm未満の火山ガラス材である。特に火山噴出物堆積鉱物が本実施形態のようにシラスである場合には、粒径0.3mm未満の火山ガラス材は、加熱により発泡するので、パーライト原料又はシラスバルーン原料として有用である。また、粒径0.3mm未満の火山ガラス材を粉砕することにより、本発明の水硬性石灰の原料として又は混和材として用いることができる。本実施形態の乾式分離方法は、一段目の比重差選別装置21Aと二段目の比重差選別装置21Bの排出口21eにより粒径が概ね0.05mm以下の微粉を予め多く分級していることから、ふるい23のふるい下は微粉をほとんど含んでいない。したがって、ふるい23のふるい下は発泡性が良好なパーライト原料又はシラスバルーン原料を得ることができる。
一段目の比重差選別装置21Aの軽比重分及び二段目の比重差選別装置21Bの軽比重分における粒径0.3mm未満の火山ガラスを活用するに当たり、必ずしもふるい23にかけることを要しない。図10は、図9の変形例であり、実施形態5で後述する。図10に示す乾式分離装置は、ふるい23を有してない。
図10に示すように、軽比重分は、ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けしなくても、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合する場合には、ふるい23を省いて、簡素化して軽量骨材を回収することができる。
図9及び図10に示した本実施形態の乾式分離方法によれば、図6、図8で示した実施形態3の効果を有するばかりでなく、一段目の比重差選別装置21A及び二段目の比重差選別装置21Bを使用することにより、収率及び選別能力を高めることができる。よって回収された重比重分Dや微粉Fやふるい下の軽比重分及び/又はサイクロン回収分E2の割合を向上させることができ、ひいては密度が2.5g/cm以上の細骨材の収率をより高めることができる。
二段目の比重差選別装置21Bは、必ずしも別個の装置である場合に限られない。一段目の比重差選別装置21Aを用いて所定量の乾式分離作業を行ったのち、その比重差選別装置21Aの多孔板を交換して、二段目の比重差選別装置21Bの代わりに用いることもできる。
(実施形態5)
実施形態5を、図10を用いて説明する。先に図9に示した乾式分離装置では一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aから浮上した集塵分と二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aから浮上した集塵分を、排出口21eに接続する管路7A及び7Bを経て一つのサイクロン分級機22に導き、火山ガラス材細粒E2を分離回収し、バグフィルタ16により微粉Fを分離回収している。
一段目の比重差選別装置21Aと二段目の比重差選別装置21Bは、同じ性能の装置を図9のように2段連結して用いる場合もあるが、投入する原料の性質や装置として多孔板21aの傾斜角度、多孔板21aの孔の大きさ、孔の形状、孔の数、多孔板の凹凸の形状、多孔板21aの振動数、排出口21eに係る吸出風量等の少なくとも1つ以上の作業条件を変更して用いる場合が多い。そのため、二段式の比重差選別装置からなる比重分離をより高精度に行うためには、上記の作業条件を細かく高精度に制御する必要がある。
比重差選別装置における分離性能は、排出口21eに係る吸出風量にも影響を受けることが分かっている。図9における排出口21eに係る管路7Aと管路7Bに係る吸出風量は、サイクロン分級機22とバグフィルタ16及び排気ブロワ18の性能と運転条件により、配管内に設置されたバタフライバルブなどで7Aまたは7Bに係る吸出風量をいずれか調整しようとするとお互いに影響してしまい、一段目と二段目の吸出風量の微調整が困難な場合がある。そこで、一段目と二段目でそれぞれ独立してサイクロン分級機とバグフィルタ及び排気ブロワが操作できれば、高精度な比重分離が可能となる。そこで、図9の二段式の比重分離装置に、サイクロン分級機22Bとバグフィルタ16Bと排気ブロワ18Bを1セット追加した本実施形態の変形例を図10に示す。
図10において、一段目の比重差選別装置を21D、二段目の比重差選別装置を21Eとしている。一段目の比重差選別装置21Dの軽比重分及び二段目の比重差選別装置21Eの軽比重分は、粒径0.3mm以下の火山ガラスを含んでいるが、図10においては、ふるい23によるふるい分けをしていない。ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けしなくても、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合する場合には、ふるい23を省いて、図10に示した変形例のように簡素化して軽量骨材E1を回収することができる。もっとも、図10において、ふるい23により例えば粒径0.3mmでふるい分けをしてもよい。
また、図10において、二段目の比重差選別装置21Eの作業条件によっては、排出口21fから排出される多孔板落下分の排出量をゼロにすることも可能であり、この場合、二段目の比重差選別装置21Eでは多孔板落下分を選別する必要がなく、二段目の比重差選別装置21Eとそれに連結させたサイクロン分級機22Bとバグフィルタ16Bにより、重比重分、軽比重分、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)の合計4分割の選別にして簡素化することができる。
(実施形態6)
本発明に適用する火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法の一実施形態を、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。図11において、先に図面を用いて説明したのと同じ部材については同一符号を付しており、以下では重複する説明を省略する。
図11に示す乾式分離装置は、一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Dと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Eとの合計2台の比重差選別装置を備えている。一段目の比重差選別装置21Dは実施形態3で説明した比重差選別装置21と同じ構造及び作業条件とすることができる。
原料や作業条件によって、一段目の比重差選別装置21Dの排出口21dから排出される軽比重分に、密度2.5g/cm以上の細骨材が混入している場合がある。この場合には、図11に示した本実施形態のように、一段目の比重差選別装置21Dで選別された軽比重分を、二段目の比重差選別装置21Eに供給して、当該比重差選別装置21Eで、重比重分、多孔板落下分、軽比重分、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)に分離回収することができる。
また、図11において、二段目の比重差選別装置21Eの作業条件によっては、排出口21fから排出される多孔板落下分の排出量をゼロにすることも可能であり、この場合、二段目の比重差選別装置21Eでは多孔板落下分を選別する必要がなく、二段目の比重差選別装置とそれに連結させたサイクロン分級機22Bとバグフィルタ16Bにより、重比重分、軽比重、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)の合計4分割の選別にして簡素化することができる。
ここで、二段目の比重差選別装置21Eは実施形態3で説明した比重差選別装置21と同じ構造及び作業条件とすることができる。
(実施形態7)
本発明に適用する火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法の一実施形態を、図12を用いて説明する。
図12は、本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。図12において、先に図面を用いて説明したのと同じ部材については同一符号を付しており、以下では重複する説明を省略する。
図12に示す乾式分離装置は、一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Dと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Eとの合計2台の比重差選別装置を備えている。一段目の比重差選別装置21Dは実施形態3で説明した比重差選別装置21と同じ構造及び作業条件とすることができる。
原料や作業条件によって、一段目の比重差選別装置21Dの排出口21eから排出されるサイクロン回収分に、粒径0.3mm以上の軽石が混入している場合がある。この場合には、図12に示した本実施形態のように、一段目の比重差選別装置21Dで選別された集塵分のうちサイクロン分級機で回収されたサイクロン回収分を、二段目の比重差選別装置21Eに供給して、当該二段目の比重差選別装置21Eで、重比重分、多孔板落下分、軽比重分、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)に分離回収することができる。
また、二段目の比重差選別装置21Eの作業条件によっては、排出口21fから排出される多孔板落下分の排出量をゼロにすることも可能であり、二段目の比重差選別装置とそれに連結させたサイクロン分級機22Bとバグフィルタ16Bにより、重比重分、軽比重、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)の合計4分割の選別にして簡素化することができる。
火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法に用いられる乾式分離装置は、図9に示した例では一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Aと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Bとの合計2台の比重差選別装置21を備えている。また、図10から図12に示した例では一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Dと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Eとの合計2台の比重差選別装置21を備えている。もっとも、本発明に適用する乾式分離方法及び乾式分離装置は、比重差選別装置が合計2台に限定されず、合計3台以上であってもよい。例えば、1段目の比重差選別装置による重比重分Dの密度が2.5g/cm以上にならなかった場合や、2段目の比重差選別装置による重比重分Dまたは多孔板落下分の密度が2.5g/cm以上にならなかった場合等においては、3段目の比重差選別装置によって重比重分Dの密度を2.5g/cmを確実にすることができるので好ましい。また、水硬性石灰の原料に用いられる微粉Fやふるい下の軽比重分及び/又はサイクロン回収分の収率及び選別能力をより高めることができるので好ましい。また、原料の水分が多い場合や、1段目又は2段目の比重差選別装置において重比重分と軽比重分との分離が不十分な場合や、原料の鉱物組成(結晶質と火山ガラス質の比率)が実施例と大きく異なる場合等においても、3段目の比重差選別装置又はそれ以上の比重差選別装置を備える乾式分離装置を用いて乾式分離方法を行うことができる。
(実施形態8)
本発明に適用する火山噴出物堆積鉱物の乾式分離方法及び乾式分離装置の一実施形態を説明する。図13は、本発明の水硬性石灰の製造方法に用いて好適な乾式分離装置の一例を示す概略図である。図13において、先に図面を用いて説明したのと同じ部材については同一符号を付しており、以下では重複する説明を省略する。
図13に示す乾式分離装置は、気流分級装置10を備えている。この気流分級装置10は、粗粒回収用のサイクロン分級機群12〜14と、細粒回収用のサイクロン分級機15と、サイクロン分級機に連結した微粉回収用のバグフィルタ16とを有している。より詳しくは、気流分級装置10は、複数のサイクロン解砕機11A、11B、11Cと複数のサイクロン分級機12〜15と、バグフィルタ16とを備えるとともに、これらを接続する管路17A〜17Iを備えている。この乾式分離装置は、更に一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Aと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Bとの合計2台の比重差選別装置21を備えている。
図13に示した気流分級装置10は、実施形態1及び実施形態2で説明した気流分級装置10と同じである。なお、サイクロン解砕機の個数は図示した3個に限られず、また、粗粒回収用のサイクロン分級機群のサイクロン分級機の個数も図示した3個に限られない。
気流分級装置10は、ロータリーフィーダ20を有していて、普通シラスの水分に応じて、ロータリーフィーダ20からサイクロン分級機13に普通シラスを供給するか、サイクロン解砕機11Aに普通シラスを供給するか、又は両方から普通シラスを供給するかを選択できるようにしている。普通シラスは乾燥させない場合、20%程度の水分を有している。原料の普通シラスが10〜20%程度の水分を有する場合には、サイクロン解砕機11Aに普通シラスを供給して、サイクロン解砕機11A〜11Cで解砕及び乾燥させるのが好ましい。原料の普通シラスが4〜10%程度の水分を有する場合には、サイクロン解砕機11A〜11Cを用いたり、ロータリーフィーダ20とサイクロン解砕機11A〜11Cとを併用したりすることができる。原料の普通シラスが4%未満の水分を有する場合には、ロータリーフィーダ20から普通シラスを供給してサイクロン分級機13に供給することができる。
図示したふるい4により粒径5mm超の礫分が、ふるい上として除去され、残部がふるい下として気流分級装置10に供給される。ふるい4の代わりに、原料である普通シラスの粒径を5mm以下に粉砕する機械を用いることもできる。
気流分級装置10による普通シラスの分級は、実施形態1及び実施形態2で説明した気流分級装置10と同じであり、サイクロン分級機12により粒径0.3〜5mm程度の粗粒を回収し、サイクロン分級機15により粒径が0.05〜0.3mm程度(平均粒径0.1mm程度)の細粒を回収し、バグフィルタ16により粒径0.05mm以下(平均粒径0.033mm程度)の微粉を回収する。回収された微粉Fを水硬性石灰の原料とする。また、粒径が0.05〜0.3mm程度の細粒は、後述するようにベルトフィーダ9を経由して後述するふるい23にかけられる。
粗粒は、一段目の比重差選別装置21Aに供給する。一段目の比重差選別装置21Aと二段目の比重差選別装置21Bは、実施形態4で説明した一段目の比重差選別装置21A及び二段目の比重差選別装置21Bと同様の構造及び作業条件とすることができる。
本実施形態の乾式分離方法に用いられる乾式分離装置は、図13に示した例では一段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Aと二段目のエアテーブル式の比重差選別装置21Bとの合計2台の比重差選別装置21を備えている。もっとも、本実施形態の乾式分離方法及び乾式分離装置は、比重差選別装置が合計2台に限定されず、合計3台以上であってもよい。例えば、1段目の比重差選別装置による重比重分Dの密度が2.5g/cm以上にならなかった場合や、2段目の比重差選別装置による重比重分Dまたは多孔板落下分の密度が2.5g/cm以上にならなかった場合等においては、3段目の比重差選別装置によって重比重分Dの密度を2.5g/cmを確実にすることができるので好ましい。また、原料の水分が多い場合や、1段目又は2段目の比重差選別装置において重比重分と軽比重分との分離が不十分な場合や、原料の鉱物組成(結晶質と火山ガラス質の比率)が実施例と大きく異なる場合等においても、3段目の比重差選別装置又はそれ以上の比重差選別装置を備える乾式分離装置を用いて乾式分離方法を行うことができる。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aで選別された重比重分を、比重差選別装置21Aの排出口21cから排出させて回収する。回収された重比重分Dは、密度2.5g/cm以上である。この重比重分Dは、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm以上を満たし、そのまま細骨材として使用することができる。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aで選別された軽比重分を、比重差選別装置21Aの排出口21dから排出させる。排出された軽比重分は、ベルトコンベア6及びベルトフィーダ9を経由して後述するふるい23にかけられる。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aから浮上した集塵分を、比重差選別装置21Aの排出口21eに接続する管路7Aを経てサイクロン分級機22に導く。サイクロン分級機22は、集塵分から、より軽量な微粉をオーバーフロー分として分級する。アンダーフロー分のサイクロン回収分を、シラスバルーン原料又は混和材原料E2として回収する。また、サイクロン分級機22のオーバーフロー分の微粉を、管路17Iに接続する管路7Cを経てバグフィルタ16に導いて回収する。バグフィルタ16については、既に説明したとおりである。回収された微粉Fを水硬性石灰の原料とする。
一段目の比重差選別装置21Aの多孔板21aから落下した普通シラスを、二段目の比重差選別装置21Bに供給して選別する。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aで選別された重比重分Dを、比重差選別装置21Bの排出口21cから排出させて回収する。回収された重比重分Dは、密度2.5g/cm以上である。この重比重分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm以上を満たし、そのまま細骨材として使用することができる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aで選別された軽比重分を、比重差選別装置21Bの排出口21dから排出させる。排出された軽比重分は、ベルトフィーダ9を経由して後述するふるい23にかけられる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aから浮上した集塵分を、比重差選別装置21Bの排出口21eに接続する管路7Bを経てサイクロン分級機22に導く。サイクロン分級機22は、既に説明したとおりである。サイクロン分級機22のオーバーフロー分の微粉を、管路17Iに接続する管路7Cを経てバグフィルタ16に導き、バグフィルタ16により微粉Fを回収する。微粉Fは、主に火山ガラスよりなり、ポゾラン効果を有する混合セメント原料、より具体的には混和材又はその原料として有用である。したがって、微粉Fは本発明の水硬性石灰の原料に好適である。アンダーフロー分のサイクロン回収分は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として用いることができる。
二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔を通って落下した多孔板落下分を、比重差選別装置21Bの排出口21fから排出させて、シラスバルーン原料又は混和材原料E2として回収する。回収された多孔板落下分は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として用いることもできる。二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔径によっては、多孔板21aの孔を通って落下し、排出口21fから排出した多孔板落下分が、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合する場合があり、この場合には、当該多孔板落下分を軽量骨材として回収することができる。また、二段目の比重差選別装置21Bの多孔板21aの孔を通って排出口21fから排出された多孔板落下分は、原料や作業条件によっては、密度2.5g/cm以上のものが回収される場合がある。この場合は、多孔板落下分を細骨材Dに混ぜて使用することができる。
ふるい23は、所定の網目の大きさを有している。ふるい23の網目は例えば300μmとすることができる。ふるい23に、気流分級装置10のサイクロン分級機15のアンダーフロー分の細粒と、一段目の比重差選別装置21Aの軽比重分と、二段目の比重差選別装置21Bの軽比重分とを導いて、ふるい上とふるい下とに分ける。
気流分級装置10のサイクロン分級機15のアンダーフロー分として分級された細粒は、主に火山ガラスであり、粒径0.3mm以上の軽石を含んでいる。この粒径0.3mm以上の軽石は、軽量骨材E1として有用である。また、一段目の比重差選別装置21Aの軽比重分及び二段目の比重差選別装置21Bの軽比重分もまた、粒径0.3mm以上の軽石を含んでいる。この粒径0.3mm以上の軽石は、軽量骨材E1として有用である。そこで、ふるい23により粒径0.3mmでふるい分けすることで、軽量骨材E1を回収することができる。
また、ふるい23のふるい下は、粒径0.3mm未満の火山ガラスである。特に火山噴出物堆積鉱物が本実施形態のようにシラスである場合には、粒径0.3mm未満の火山ガラスは、加熱により発泡するので、パーライト原料又はシラスバルーン原料又は混和材原料E2として有用である。本実施形態の乾式分離方法は、気流分級装置10により粒径が0.05mm以下の微粉を予め分級していることから、ふるい23のふるい下は微粉をほとんど含んでいない。したがって、ふるい23のふるい下は発泡性が良好なシラスバルーン原料E2を得ることができる。パーライト原料又はシラスバルーン原料E2は、更に粉砕して微粉Fにして、混和材に使用することができる。したがって、ふるい23のふるい下は、粉砕して本発明の水硬性石灰の原料にすることができる。
本実施形態の乾式分離方法は、普通シラスを気流分級装置10により粗粒と、細粒と、微粉とに分級し、次いで当該粗粒をエアテーブル式の一段目の比重差選別装置21Aにより重比重分と、軽比重分と、多孔板落下分と集塵分とに選別し、次いで二段目の比重差選別装置21Bにより重比重分と、軽比重分と、多孔板落下分と集塵分とに選別し、細粒と軽比重分とをふるい分けすることにより、普通シラスを重比重分Dと、ふるい上E1と、ふるい下E2と、微粉Fとの4つに分離することができる。重比重分Dは、主に結晶鉱質よりなり、火山ガラスをほとんど含んでいない。したがって、重比重分Dは、密度が高く、2.5g/cmを超える。また、ふるい上E1と、ふるい下E2と、微粉Fとは、主に火山ガラスよりなり、結晶鉱質をほとんど含んでいない。したがって、重比重分となり得る結晶鉱質が、ふるい上E1と、ふるい下E2と、微粉Fとに、ほとんど混入していない。よって、本実施形態の乾式分離方法によれば、粉砕工程を必要とせず、粉砕した場合でも硬質な結晶鉱物をほとんど含まないので粉砕時に粉砕機の損耗が少なく、不純物となる結晶鉱物をほとんど含まないので火山ガラス成分率が高い水硬性石灰の原料を得ることができる。また、本実施形態の乾式分離方法によれば、密度が2.5g/cm以上の細骨材の収率を高めることができる。また、重比重分は、粒径0.15mm以下の集塵分の含有量が少なく、JIS A5308の「砂」に規定された、0.15mm〜5mmの幅広い粒度分布の要求を満たしている。更に、重比重分は、吸水率の高い軽石のような多孔質粒子をほとんど含んでいないので、吸水率が細骨材として求められるJIS A5308の「砂」の基準を満たしている。
また、本実施形態の乾式分離方法によれば、重比重分Dは、細骨材として、ふるい上E1は火山ガラスのうちの軽量骨材として、ふるい下E2は火山ガラスのうちのパーライト原料又はシラスバルーン原料として更には粉砕して本発明の水硬性石灰の原料として、微粉Fは本発明の水硬性石灰の原料として又は火山ガラスのうちの混和材又はポゾラン効果を有する混合セメント原料として、それぞれ有効活用でき、換言すれば、不要残分がない。
本実施形態の乾式分離方法によれば、比重差選別装置21で選別する前に、予め気流分級装置10により表面乾燥した粗粒と、細粒と、微粉とに分級していることから、比重差選別装置21に供給する粗粒には、多孔板21aの目詰まりを招く微粉がほとんど含まれておらず、よって目詰まりによる操業トラブルの発生を抑制することができる。また、比重差選別装置21による比重差選別は、選別する粉粒物の粒度分布幅が狭いほど選別し易いところ、本実施形態の乾式分離方法によれば、予め気流分級装置10により分級された粗粒のみを当該比重差選別装置21による比重差選別で選別することから、比重差選別装置21の選別能を高めることができる。
従来技術では、普通シラスの整粒に関して、2006年発行の「シラスを細骨材として用いるコンクリートの施工マニュアル(案)」でも、実用上、普通シラスの整粒が困難である理由が記載され、粒径0.15mm以下の集塵分を除去しない普通シラスの利用方法を提案していることからも、普通シラスの整粒は採算が合わないものであることが半ば常識化していたが、本発明により、低コストで高付加価値の整粒物を同時に多種類生産できた。
(火山ガラス材)
上述した各実施形態の乾式分離方法により細骨材を分離して得られた残余の火山ガラス材は、ふるい分け及び集塵によって粒径別に0.3mm超え、0.05mm〜0.3mm、0.05mm未満の3種に分離することができる。このうち0.3mm超えのものは軽量骨材として使用でき、0.05mm〜0.3mmのものはパーライト原料又はシラスバルーン原料として又は更に粉砕して本発明の水硬性石灰原料として使用でき、0.05mm未満のものは、そのまま又は更に粉砕して本発明の水硬性石灰原料として使用できる。0.05mm〜0.3mmのものを更に粉砕した混和材や、0.05mm未満のものを更に粉砕した混和材は、よりポゾラン効果を有している。これらの粒径の火山ガラス材の粉砕をする装置は、振動ミルを例示することができる。振動ミルの他、ローラミル、JETミルなどの各種ミルを用いることもできる。
火山ガラス材のうち微粉回収用のバグフィルタによって回収された粒径0.05mm未満のもの及び火山ガラス材を粉砕したものは、密度が2.4g/cm以下であり、かつ、強熱減量が3.5%以下である。
普通シラスを上述した乾式分離方法により分離して得られた粒径0.05mm未満のもの、分離して得られた粒径0.05mm〜0.3mmのものを粉砕したもの、得られた粒径0.05mm未満のものを更に粉砕して超微細にしたものと、石灰とを900〜1150℃で焼成することにより、遊離CaO、ビーライト、ワラストナイト及びゲーレナイトから選ばれる少なくとも1種を含有する水硬性石灰、好ましくはビーライトを3〜35質量%含有する水硬性石灰が得られる。
よって、本発明の好適な水硬性石灰は、石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、ビーライトを3〜35質量%含有する水硬性石灰である。換言すれば、本発明の水硬性石灰は、石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを配合して作製され、ビーライトを3〜35質量%含有する水硬性石灰である。石灰と火山噴出物堆積鉱物との配合割合は、重量比で85:15〜45:55の範囲が好ましい。石灰と火山噴出物堆積鉱物との配合物の焼成温度は900〜1150℃の範囲が好ましい。900℃に満たないとビーライトを所定量で含む焼成物が得られず、1150℃を超えると焼成物が硬い塊状になるおそれがある。焼成時間は石灰と火山噴出物堆積鉱物との配合物の量にもよるが、電気炉を用いる場合は,概ね1〜104時間程度とすることができる。電気炉以外にもロータリーキルンや流動床炉を用いることができ,焼成炉の性能や仕様に影響されるので,焼成時間は1〜104時間に限定されるものでない。本発明の水硬性石灰は、出発原料はいずれも天然素材であり、リサイクル可能な水硬性石灰である。したがって、天然水硬性石灰NHLのように産地が限定されず、普通シラスを出発素材とするため安価に水硬性石灰が得られる。そして、天然水硬性石灰NHLと同等以上の強度を有する白色系の硬化体が得られる。
また、シラスは火山堆積物が長年の風化を経たものであり、火山ガラスを主体としており、幅広い粒度分布を特徴とし、多孔質であり、易粉砕性となっているため、粉砕に要するエネルギーが少ない。シラスは天然の資源であり、有害物質を含まず、リサイクルが可能である。シラスは比表面積の大きく、粒径が小さな粒子を使うことで反応性が高いので、低い温度で合成が可能となり、加熱に必要なエネルギーが低減され、また、地球温暖化の原因となるCOの発生が抑えられる。これに対し、現行ポルトランドセメントの製造においては1450℃での加熱焼成が行われており、地球温暖化対策としてCO発生抑制のために低温化が検討されているが進んでいない。
更に、本発明は低温合成するため合成物は塊状物とはならず、粉砕が容易である。したがって、合成物粉砕時において、粉砕機から混入する重金属(Cr、Niなど)の混入が少ない。現在使われているセメントは1400℃以上の温度にて焼成しクリンカーを生成させているが、このクリンカーを微粉砕してセメントの製品が造られている。この粉砕および微粉回収にも多大なエネルギーが使われている。また、高温焼成および粉砕機の構造材からの摩耗成分の混入は避けられない。
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
実施例1〜6、比較例1〜3は、石灰とシラスの配合比率(質量%)の影響を見た。
図13に示した装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとして、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率4.6%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものから、粒径0.05mm未満の微粉を得た。この微粉の平均粒径は0.033mm、含水率は3.0%、密度は2.48g/cmであった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Cの質量百分率は2.4%であった。
この微粉と、徳之島石灰とを表1に示す種々の割合で配合し、所定の焼成温度、焼成時間で焼成した。
Figure 2018002563
微粉と徳之島石灰は、焼成前にφ15mmのアルミナボールを用いた遊星ボールミルで混合粉砕を行った。焼成前の混合物の遊星ミル粉砕後の平均粒度は0.006mmであった。次に磁製皿に移し、電気炉にて1000℃で5時間又は20時間保持後、炉から取り出し急冷した。得られた焼成物は粉末X線回折にて生成物を調査した。
[焼成物]
(外観検査)
実施例1〜5は焼成後に塊はなく、緑色を帯びた粉末が得られた。
実施例6では硬い粒が生成しており、色調も緑が消え赤みを帯びていた。
この傾向は比較例1、2では強くなった。
(粉末X線回折結果)
ビーライト(β−CaSiO)、遊離CaO、ワラストナイト(CaSiO)、ゲーレナイト(CaAlSiO)、ガラス相の生成が確認された。一例として、図14に実施例4で合成した水硬性石灰のX線回折図を示す。
生成物のうち、ビーライト(β−CaSiO)は、実施例5で最も回折ピーク強度が高く、シラス添加量が更に増えると回折ピーク強度は低くなった。
遊離CaOは、シラスの比率が高くなると回折ピークが小さくなり、比較例2では消失した。
ワラストナイト(CaSiO)は、実施例5から回折ピークが観られ、シラス比率が高くなると成長した。
ゲーレナイト(CaAlSiO)は、実施例5から急激に成長した。
実施例2の組成において、焼成時間5時間を20時間に延長することでビーライトの回折ピークが、強くなり、保持時間を長くすることで合成反応が進むことが分かった
(モルタル試験)
モルタル試験を行うにあたり、一般に水硬性石灰は粉末化が必要であるところ、実施例1から5は凝集粒がなく粉砕は不要であった。実施例6及び比較例1、2は、乳鉢を用いて粉砕し粉末化した。
上記焼成物と標準砂とを1:3の割合で混合し、流し込み可能なペーストとなるまで水を添加した。水の添加においては、遊離のCaOを含むため水との反応で発熱し蒸発することから、様子を見ながら少量ずつ添加し、最終的にペーストミキサー(JAPAN UNIX製)でペーストを作製した。得られたペーストをプラスティック型に流し込んだ。
成形後、湿度90%以上の環境下で2日間保持した後、水中に28日間浸漬した後、型から脱型し室温にて1週間放置乾燥後、島津製作所製オートグラフ/AG−10TA)強度測定機にて圧縮強度を測定した。
比較例3として焼成物の代わりに天然水硬性石灰NHL5(仏 BOEHM社)を用いた。
その結果を表2に示す。
Figure 2018002563
各実施例、比較例は、遊離のCaOを含有するため、CaOが消化してCa(OH)となるための水量が必要であり、ペースト化するための水の量がCaOの残存量により少しずつ変化している。消化とは、CaOに水を加えることによりCa(OH)を生成する反応をいう。
実施例1〜6は水中養生により硬化し、またその圧縮強度はNHL5(比較例3)より高強度を示した。また、実施例1〜6の色調は白色を呈した。この結果より、本発明の水硬性石灰は、高強度天然水硬性石灰と知られているNHL5(比較例3)と同等以上の強度を有することが分かった。
これに対して、比較例1及び比較例2は、水中養生で固まらず脱型することができず、試料の圧縮強度を測定できなかった。
(実施例7〜12)
実施例7〜12は、1000℃焼成の保持時間の影響を見た。
実施例1〜6と同様にして粒径0.05mm未満のシラス微粉を得た。この微粉と、徳之島石灰とを、徳之島石灰とシラスとの比(徳之島石灰:シラス)を70:30として配合し、φ15mmのアルミナボールを用いた遊星ボールミルで混合粉砕を行った。徳之島石灰は、徳之島のサンゴ石灰岩を粉砕、分級した微粉のものである。焼成前の混合物の遊星ミル粉砕後の平均粒度は0.006mmであった。次に磁製皿に移し、電気炉にて1000℃の焼成温度、表3に示す1〜104時間の種々の焼成時間で焼成した。得られた焼成物は粉末X線回折にて生成物を調査した。
次いで、実施例1〜6と同様のモルタル調合を行って、圧縮強度を調べた。
Figure 2018002563
(焼成物の粉末X線解析結果)
実施例7〜12の焼成物の粉末X線解析結果から、焼成時間が長くなるに伴い、遊離のCaOは減少するのに対し、ビーライトの回折ピークは強くなり合成が進んでいることが分かった。また、同時にワラストナイトやゲーレナイトの回折ピークも高くなった。焼成時間が104時間と最も焼成時間が長い実施例12では、ビーライトが多く生成しているがワラストナイトやゲーレナイトも多く生成し、かつその反応の為にCaOが消費され遊離のCaOが少なくなっていた。
(強度試験結果)
表3から、焼成時間が1時間の実施例7においても、水中養生で硬化し8MPa以上の強度を有した。焼成時間が短いと、水硬性物質のビーライトの生成は少ないが、未反応の遊離CaOが多く存在し消化によって生じる水酸化カルシウムと未反応のシリカ成分とがポゾラン反応して硬化したものと考えられる。
(実施例13)
実施例13は、焼成物の事前消化の影響を見た。
先に述べた実施例1〜12では、モルタル作製の際に焼成物(本発明の水硬性石灰)に対して標準砂と共に水を添加して、生石灰(CaO)の消化と同時に砂との混合を行っているが、先に焼成物の消化を行ったものに対して標準砂および水を添加してペーストを作製することもできる。そこで以下に述べる実施例13は、焼成物の消化を行ったものに対して標準砂および水を添加してペーストを作製する例である。
焼成物の原料は実施例1〜6と同じである。徳之島石灰とシラスとの比を70:30(重量比)の割合で混合し、実施例9と同様に1000℃で20時間焼成した。得られた焼成物に水を噴霧し24時間、密閉容器中で室温放置した。放置後、CaOは消失し、Ca(OH)が生成していることを粉末X線解析にて確認した。噴霧した水の量は、焼成物重量の約30%であった。
消化後、標準砂および水を表4に示す割合で添加してペーストを作製し、得られたペーストを実施例9と同様にプラスティック型に流し込んだ。成形後、湿度90%以上の環境下で2日間保持した後、水中に28日間浸漬した型から脱型し室温にて1週間放置乾燥後、島津製作所製オートグラフ(AG−10TA)強度測定機にて圧縮強度を測定した。
モルタル調合の組成比と成形物の圧縮強度を表4に示す。表4から、焼成物の消化を行ったものに対して標準砂および水を添加してペーストを作製した実施例13においても、高い圧縮強度が得られた。
Figure 2018002563
(実施例14、比較例4)
実施例14、比較例4では、焼成温度の影響を見た。
焼成物の原料は実施例1〜6と同じである。徳之島石灰とシラスとの比を70:30(重量比)の割合で混合し、850℃及び1150℃で8時間焼成した。得られた焼成物は粉末X線回折にて生成物を調査した。
焼成条件を表5に示す。
Figure 2018002563
粉末X線解析結果の結果、焼成温度が850℃だった比較例4は、遊離CaOの回折ピークのみが現れ、ビーライトの回折ピークが観られなかった。これに対して、焼成温度が1150℃であった実施例14は、ゲーレナイトの生成が増えたが、その焼成物の微粉は水硬性を発揮した。
(実施例15、16、比較例5〜7)
実施例15、16は、標準砂の代わりにシラス細粒を用いた例である。
実施例4と同じ焼成物に、図13に示した装置及び方法を用いて普通シラス(串良シラス)を分級した粒径0.18〜0.85mmのシラス細粒を用いてモルタルを作製した。作製の際に、実施例15は水中養生を4週間、実施例16は水中養生を8週間実施した。
なお、シラス細粒は標準砂に比べて、かさ比重が軽いため、モルタル組成は、標準砂と同一容積になるように定めた。標準砂とシラス細粒とは、重量比ではおよそ表6に示すとおりである。
Figure 2018002563
焼成前の徳之島石灰とシラス微粉との調合組成、焼成時間、モルタル調合組成、水中養生期間、成形体の圧縮強度を表7に示す。
また、比較例5、6として、実施例15、16の原料の徳之島石灰及びシラス微粉の代わりに、市販試薬Ca(OH)を加熱分解して得られたCaOを用いて、実施例15、16と同様にしてモルタルを作製した。また、比較例7として、実施例15、16の原料の徳之島石灰及びシラス微粉の代わりに、徳之島石灰を900℃で1時間加熱し分解(CaCO→CaO+CO)した焼成物を用いた。
Figure 2018002563
実施例15及び実施例16は、圧縮強度が高かった。実施例15と実施例16とを対比すると、水中養生が長くなるに伴い、成形体の色調は白っぽくなり、脱型した表面は型の接触面の平滑状況を写し取っており、非常に滑らかな表面を有していた。
これに対して、比較例5及び比較例6は水中養生後、形状は保つものの非常に脆く、強度測定までは到らなかった。また、比較例7は、焼成物の粉末X線解析によりCaCOは認められず、生石灰CaOとなっていることを確認した。このCaOの消化による発熱のため添加した水が蒸発し、型に流し込みペースト化するために多くの水を要した。比較例7の成形体は固化したものの強度の弱いものであった。
実施例15、16と、比較例5〜7との結果より、実施例15、16の圧縮強度が高いのは、Ca(OH)とSiOとのポゾラン反応による硬化だけではなく、焼成物中に含まれる水硬性物質ビーライトの硬化に加え、ガラス相に含まれるSiO成分が活性であり、よりポゾラン反応による硬化を促進するものと考えられる。
(実施例17、18、比較例8)
実施例17、18は、水溶性石灰のペースト試験を行った例である。標準砂や上記のシラス細粒を添加せずに、実施例10及び実施例11の焼成物、すなわち徳之島石灰70%シラス30%組成の混合物を1000℃にて40時間及び64時間焼成した合成水硬性石灰を用いた。この合成水硬性石灰に水のみを添加してペーストミキサーにてペーストを作製し、上述の各実施例と同様にプラスティック型に流し込んで成形物を得た。成形後は上述の各実施例と同様にして圧縮強度を見た。
比較例8として、市販ポルトランドセメントに水を添加してペーストを作製し、プラスティック型に流し込んで成形物を得た。
表8に、モルタル調合組成、水中養生時間、成形物の圧縮強度を示す。
表8より、実施例17、18の合成水硬性石灰は、比較例8のポルトランドセメントには圧縮強度で劣るものの、ペースト硬化体も十分な強度を有することが分かった。
Figure 2018002563
(実施例19、20)
実施例19、20は、実施例1等に添加された普通シラスに代わり、火山堆積物を多量に含む鹿屋地域の風化軽石(実施例19)、および桜島火山灰(実施例20)を出発素材として、実施例1等と同様なプロセスで分級した微粉を用いて水硬性石灰の合成を行った。
実施例19は、鹿屋土であって、風化軽石の乾燥時の集塵機回収粉を用いた。回収した微紛は平均粒径0.026mmであった。実施例20は桜島火山灰であって、噴出した新しい火山灰は溶解性の火山ガラスを多量に含むことが知られていて、それを用いた。回収した微粉は平均粒径0.031mmであった。
徳之島石灰と微粉とを表9に示す割合(重量比)で配合し、所定の焼成温度、焼成時間で焼成した。得られた焼成物にモルタル試験を行った。モルタル調合組成、水中養生時間、成形物の圧縮強度を表9に併記する。
表9より、火山噴出物堆積鉱物として鹿屋土や桜島火山灰を用いた実施例19、20においても、強度の高い成形物が得られた。
Figure 2018002563
(焼成物の粉末X線回折結果)
上述した実施例1〜20、比較例1〜4について徳之島石灰と火山噴出物堆積鉱物微粉との配合物を焼成して得られた焼成物中の生成物のピーク強度比率について表10に示す。なお、数値化に当たり、以下のようなルールを設定して求めた。各化合物(4種)の回折ピークで他の化合物と重ならない回折ピークを選び、その回折ピークの強度値と4種の回折ピーク強度値の合計値との比率を求めた。
選択した回折ピークの2θは、次のとおりである。
生石灰CaO 2θ=37.3°
ビーライトβ−2CaO・SiO 2θ=41.2°
ゲーレナイトCaAlSiO 2θ=31.3°
ワラストナイトCaSiO 2θ=30.0°
Figure 2018002563
表10の粉末X線回折ピーク強度判定の結果から、普通シラス等を気流分級して得た微粉をシリカ源として、当該シラス等の微粉と徳之島石灰微粉との混合粉の焼成物の構成物比率の好適な範囲は、
生石灰(CaO):5〜95質量%、
ビーライト:3〜35質量%、
ゲーレナイト:<50質量%、
ワラストナイト:<50質量%、
であった。
また、実施例1〜20、比較例1〜8の結果から、徳之島石灰微粉とシラス微粉との重量比は85:15〜45:55の範囲が好適であり、焼成温度は900℃〜1150℃の範囲が好適であった。
(実施例21〜23)
実施例21〜23では、徳之島石灰とシラス微粉との焼成を、ロータリーキルン又は流動床焼成で短時間焼成し、焼成物を評価した。ロータリーキルンは筒状加熱帯を転がしながら焼成していくものであり連続的に焼成物が得られ量産性に優れる。また、流動床焼成は熱媒体下より高温燃焼ガスを吹き上げ、熱媒体が流動している中で焼成する方法であり、コンパクトな加熱手段である。
実施例1〜6のように、電気炉において磁製皿で原料混合粉を焼成する場合は、加熱中に原料のシラス粒子と徳之島石灰粒子とは常に近接しており、粒子接触点を通して化学反応が進む。これに対し、ロータリーキルンは、筒状加熱帯を転がりながら移動していくため、混合粉の分離や、各原料粒子の接触点が少なく反応が進み難い。また、流動床焼成では、下方からの高温燃焼ガスにより混合粉が噴上げられてしまう。そこで、下記の実施例21のように混合粉を造粒して焼成を行った。
また、焼成物のモルタル試験において、標準砂に替わりにシラスをフルイ分級して得られた粒径0.18〜0.85mmの粒子を細骨材として用いた。焼成物との混合比率は1:2(重量比率)とした。理由は、標準砂とこのシラス細骨材との嵩密度の違いから、焼成物に対する容積比率を、標準砂を用いた場合に合わせるためである。
(実施例21)ロータリーキルンでの焼成
・焼成前混合粉作製
分級して得られたシラス微粉(平均粒径0.0384mm)と徳之島石灰粉とを30:70の割合でV型ミルにて混合した。なお、この後に実施例1で実施した遊星ミルでの粉砕はしなかった。この混合粉100重量部に対しポリビニルアルコール8%水溶液18重量部を添加し、万能攪拌機にて攪拌造粒した。造粒体を50℃で乾燥させた後、目開き3mmのフルイにて分け、フルイを通過したものを焼成用原料とした。
・ロータリーキルンでの焼成
内径148mm、長さ2000mmのSUS炉芯管を有する光洋サーモシステム製のロータリーキルンにて1000℃での焼成を実施した。原料投入より炉出までの時間は約1時間であり、焼成物は造粒形状を維持しており、淡黄土色を呈していた。
(粉末X線解析結果)
遊離CaO以外にワラストナイト、ゲーレナイトの生成が確認され、ビーライトの回折線角度付近ではベースラインの盛り上がりがあり、また、石英の微弱回折線も見られた。加熱時間が短いために、ビーライト相が成長しきれず、また、未反応の石英が残っていると考えられる。
(実施例22、23)流動床での焼成
実施例21のロータリーキルン焼成と同じ造粒体を原料として、伊藤忠セラテック製の1.7mm以下のムライト質熱媒体を用いたガス加熱流動床での焼成を実施した。1000℃焼成時のガストータル(プロパンガス+空気)流量は50Nm/hであった。
投入された造粒体は流動床上で浮遊しながら加熱され、数分で炉口より赤熱した粒子が排出されSUS容器にて冷却した(実施例22)。飛び出した粒子の中には造粒体が熔着した黒色の凝集粒子となっているものもあった。加熱炉から加熱ガスと共に流出した微粒はサイクロンにより回収した。その回収粉は淡黄土色の微粉末であった(実施例23)。
(粉末X線解析結果)
遊離CaOと加熱分解前のカルサイト(Calcite):CaCO、及び石英(Quartz):SiOの回折線が確認された。加熱時間が極端に短いため、徳之島石灰も完全には分解しておらず、また、CaOとSiOとの反応も不十分な粉末となっている。
(モルタル試験)
ロータリーキルン焼成物、流動床焼成で得られた焼成物および流動床焼成時の微粒をサイクロンで回収した回収物について、モルタル試験を行った。細骨材と混合する前に、ロータリーキルン焼成物と、凝集粒を含む流動床焼成物は乳鉢を用いて粉砕し粉末化した。
また、モルタル試験に用いる細骨材は、普通シラスをJIS#80と#20のフルイを用いて分級した0.18〜0.85mmのシラス粉末とした。
上記3種の焼成物又は回収物とシラス細骨材とを1:2の割合で混合し、流し込み可能なペーストとなるまで水を添加した。水の添加においては、遊離CaOを含むため水との反応で発熱し蒸発することから、様子を見ながら少量ずつ添加し、最終的にペーストミキサー(JAPAN UNIX製)でペーストを作製した。得られたペーストをプラスティック型に流し込んだ。
成形後、湿度90%以上の環境下で2日間保存した後、水中に28日間浸漬した型から脱型し室温にて1週間放置乾燥後、島津製作所製オートグラフ(AG−10TA)強度測定機にて圧縮強度を測定した。
比較例9として、焼成物として比較例7と同じく徳之島石灰を900℃で1時間加熱し分解(CaCO→CaO+CO)した焼成物を用いて、比較例7と同様にしてモルタルを作製した。比較例9の焼成物のX線回折図を図15に示す。
実施例21〜23、比較例9の圧縮強度の結果を表11に示す。
Figure 2018002563
表11から分かるように、実施例21〜23は水中養生により硬化し、またその圧縮強度は比較例9の徳之島石灰を加熱分解して得られた焼成石灰より高強度を示した。また、実施例21〜23は圧縮強度試料のX線回折において、ケイ酸カルシウム系水和物の生成が確認された。
実施例21〜23に用いた焼成物は、いずれもX線回折において明確なビーライトの回折線が見られず、水硬性物質であるビーライトの生成は明確ではない。しかしながら、合成途中の段階であり、焼成物は活性化された状態にある。また、比較例9との強度の違いは、水硬性の発現機構であるポゾラン反応によるケイ酸カルシウム水和物の生成度合いの差であり、シラス微粉と徳之島石灰を原料とする焼成物は活性であるため、ポゾラン反応が進み、ケイ酸カルシウム水和物による結合が強固になったものと考えられる。
3、5、8、9 ベルトフィーダ
6 ベルトコンベア
4、19、23 ふるい
7A〜7C 管路
10 気流分級装置
11A〜11E サイクロン解砕機
12〜15、22、31、32 サイクロン分級機
12a、15a 開口
12b、15b 開閉弁
16、16A、16B バグフィルタ
17A〜17O 管路
18、18B 排気ブロワ
20 ロータリーフィーダ
21 比重差選別装置
21a 多孔板
21b 送風ファン
21c、21d、21f、21e 排出口
21g 振動装置
21h 風胴
A 粗粒
B1 細粒のふるい上(軽石)
B2 細粒のふるい下(火山ガラス)
C 微粉
D 重比重分
E1 ふるい上(軽比重分)
E2 ふるい下(軽比重分および又は火山ガラス)
F 微粉
G、H、I 吸気
J 排気

Claims (17)

  1. 石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、遊離CaO、ビーライト、ワラストナイト及びゲーレナイトから選ばれる少なくとも1種を含有する水硬性石灰。
  2. 前記火山噴出物堆積鉱物が普通シラスである請求項1記載の水硬性石灰。
  3. 石灰と火山噴出物堆積鉱物から分離された火山ガラス材の微粉とを原料とし、900〜1150℃で焼成することを特徴とする水硬性石灰の製造方法。
  4. 前記火山噴出物堆積鉱物が普通シラスである請求項3記載の水硬性石灰の製造方法。
  5. 前記火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を常温又は高温の気流に搬送させ、循環する気流経路に接続された少なくとも2個のサイクロン分級機を有する粗粒回収用のサイクロン分級機群と、このサイクロン分級機群に連結した細粒回収用のサイクロン分級機と、このサイクロン分級機に連結した微粉回収用の集塵機とを有する気流分級装置により、粗粒回収用サイクロン分級機群にて粗粒を、細粒回収用サイクロン分級機にて細粒を、微粉回収用集塵機にて微粉を回収し、回収された微粉を前記原料とする請求項3又は4記載の水硬性石灰の製造方法。
  6. 前記火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板を振動させつつ下方から多孔板に向けて送風するエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とに選別して、選別された集塵分を前記原料とする請求項3又は4記載の水硬性石灰の製造方法。
  7. 前記火山噴出物堆積鉱物から粒径5mm超の礫分を除去し、残部を常温又は高温の気流に搬送させ、循環する気流経路に接続された少なくとも2個のサイクロン分級機を有する粗粒回収用のサイクロン分級機群と、このサイクロン分級機群に連結した細粒回収用のサイクロン分級機と、このサイクロン分級機に連結した微粉回収用の集塵機とを有する気流分級装置により、粗粒回収用のサイクロン分級機群にて粗粒を、細粒回収用のサイクロン分級機にて細粒を、微粉回収用の集塵機にて微粉を回収し、
    回収された粗粒を水平方向から所定の角度で傾斜させた多孔板を振動させつつ下方から多孔板に向けて送風するエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とに選別して、
    前記微粉及び前記集塵分を前記原料とする請求項3又は4記載の水硬性石灰の製造方法。
  8. 前記粗粒回収用のサイクロン分級機群のうちの一つのサイクロン分級機は、上部が円錐形状を有し、この円錐形状の頂部で管路と接続する請求項5又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  9. 前記微粉の粒径が0.05mm未満である請求項5又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  10. 前記細粒を更に粉砕して得られた微粉を前記原料とする請求項5又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  11. 前記エアテーブル式の比重差選別装置により選別された多孔板落下分を、作業条件が異なる同一又は別のエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、少なくとも重比重分と、軽比重分と、集塵分とに更に選別して、
    更に選別された集塵分を前記原料とする請求項6又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  12. 前記エアテーブル式の比重差選別装置により選別された軽比重分を、作業条件が異なる同一又は別のエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、少なくとも重比重分と、軽比重分と、集塵分とに更に選別して、
    更に選別された集塵分を前記原料とする請求項6又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  13. 前記エアテーブル式の比重差選別装置により選別された集塵分を、作業条件が異なる同一又は別のエアテーブル式の比重差選別装置に供給して、少なくとも重比重分と、軽比重分と、集塵分とに更に選別して、
    更に選別された集塵分を前記原料とする請求項6又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  14. 前記集塵分の粒径が0.05mm未満である請求項6又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  15. 前記軽比重分を更に粉砕して得られた微粉を前記原料とする請求項6又は7記載の水硬性石灰の製造方法。
  16. 請求項1又は2記載の水硬性石灰を原料とするモルタル。
  17. 請求項3〜13に記載の製造方法により得られた水硬性石灰を原料とすることを特徴とするモルタルの製造方法。
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