JP3979818B2 - 位置センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出体の位置を検出する位置センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の位置センサとしては、ゴムマット下方に多数のラバー接点をマトリックス状に配置し、被検出体の自重により多数のラバー接点のうちのいずれかを押圧することにより、被検出体の位置を検出するようにしたものや、ラバー接点に替わるものとしてロードセルを採用したものやビームセンサを多数配置したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の位置センサのうち、ラバー接点やロードセルで検出するものにおいては、ラバー接点やロードセルが微少な押圧力では動作しないため、重量がきわめて軽い被検出体については検出できないという問題があった。また、ビームセンサやロードセルで検出するものにおいては、多数のビームセンサやロードセルが必要になるので、コストが嵩むばかりではなく、位置センサ自体が大型化するといった問題があった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、第1の目的は軽量の被検出体の検出を可能にすることにある。また、第2の目的はコストの低減を図ることにある。また、第3の目的は位置センサの小型化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、一面に帯状の抵抗体とこの抵抗体と一端部が電気的に接続され抵抗体の延設方向に並設された多数の接点端子とが形成された第1のシート状部材と、この第1のシート状部材と重ね合わされ一面に前記接点端子のすべての他端部に対応するように前記抵抗体と同じ方向に延設された導体配線を設けた可撓性を有する第2のシート状部材と、前記抵抗体の一端と導通した共通電極と、前記導体配線の一端と導通した可変電極とからなり、前記接点端子と前記導体配線とをわずかな間隔を隔てて対向させ、前記第1のシート状部材と前記第2のシート状部材とを、前記抵抗体を挟んだ両側部の一方の側部において互いに接合したものである。
したがって、第2のシート状部材の任意の部位が被検出体によって押圧されるとその部位が撓み、その部位に対応した導体配線と多数の接点端子のうちの一つが電気的に接続され、被検出体の位置に対応して抵抗体の抵抗値が変わる。また、被検出体により第2のシート状部材が押圧された際、第2のシート状部材の他端部側が接合されていないため、第2のシート状部材の撓みが阻害されない。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記抵抗体の他端と導通した固定電極を備え、この固定電極と前記共通電極との間に前記抵抗体を基準抵抗値として計測する基準回路を設けるとともに、前記可変電極と前記共通電極との間に、前記多数の接点端子のいずれかが前記導体配線に接触することにより形成される前記抵抗体の部分抵抗値を検出する検出回路を設けたものである。
したがって、基準回路における基準抵抗値と、検出回路における抵抗体の部分抵抗値とを比較することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る位置センサを示し、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は上部シートの平面図である。図2は図1(a)におけるII-II 線断面図であって、同図(a)は分解した状態を示し、同図(b)は組付けた状態を示す。図3は図1(a)におけるIII-III 線断面図である。図4は同じく検出回路図である。
【0012】
図1において、全体を符号1で示すものは位置センサであって、細長い長方形に形成された第1のシート状部材としての可撓性を有する下部シート2と、この下部シート2と同じ外形寸法に形成され下部シート2に重ね合わされた第2のシート状部材としての可撓性を有する剛性の小さい材料によって形成した上部シート3と、これらシート2,3間に介装された2枚のスペーサ4A,4Bとによって概略構成されている。
【0013】
下部シート2の表面には、この下部シート2の長手方向に延在する帯状のカーボンによって形成した抵抗体21が設けられているとともに、この抵抗体21に直行しこの抵抗体21に一端部が電気的に接続された多数の接点端子22が抵抗体21の延在方向に互いに平行になるように並設されている。抵抗体21の一端には共通電極23が電気的に接続され、この共通電極23は下部シート2の端部から突出している。
【0014】
同図(c)に示すように、上部シート3の裏面には、この上部シート3の長手方向に延在し前記抵抗体21の全長と略同じ長さに形成された帯状の導体配線31が設けられ、この導体配線31の一端には可変電極32が電気的に接続され、この可変電極32は上部シート3の端部から突出している。また、この上部シート3の表面には、同図(b)に示すように、導体配線31に対応して凸条の押圧部33がUV印刷によって、上部シート3の長手方向に延在するように形成されている。
【0015】
図1(a)に示すように、スペーサ4A,4Bは平面視においてL字状に形成され、下部シート2の外周端縁に位置付けられ、図2に示すように、一方のスペーサ4Aには下端のみに粘着層41が形成され、この粘着層41を介してスペーサ4Aは下部シート2の表面に接合されている。他方のスペーサ4Bは一方のスペーサ4Aよりも厚みが小さく形成され、上下両面に粘着層41,41が形成され、下部シート2と上部シート3とはこのスペーサ4Bを介して接合されている。すなわち、下部シート2と上部シート3とは、抵抗体21を挟んで導体配線31側の側部が互いに接合され、反対側の側部においては上部シート3は下部シート2に接合されていない。
【0016】
このように、上部シート3が下部シート2にスペーサ4Aを介して接合されることにより、上部シート3の導体配線31がすべての接点端子22の他端部に対向し、可変電極32が共通電極23に並設される。また、図2(b)に示すように、スペーサ4A,4Bによって導体配線31と接点端子22との間にわずかな隙間が形成されている。
【0017】
図4において、検出回路51は、共通電極23と、これと一端が電気的に接続された抵抗体21と、この抵抗体21にすべての一端部が電気的に接続された多数の接点端子22と、これら接点端子22にいずれか一つに選択的に導通する導体配線31と、この導体配線31に電気的に接続された可変電極32とによって形成されている。この検出回路51内には、共通電極23と可変電極32とに電圧Veが印加され、検出回路51内の電流を測定する電流計55が設けられている。
【0018】
このような構成において、図1(a)に示すように、抵抗体21の一端21A(基準端21A)側から、n個目の接点端子22nと導体配線31が交差する点Bに対応した部位を、上部シート3の表面から図示を省略した被検出体が押圧力Pによって押圧すると、図2(b)および図3に示すように、接点端子22nと導体配線31とが導通する。このとき、被検出体が押圧する部位に押圧部33が設けられ、この押圧部33を介して導体配線31を接点端子22側に押圧するようにしていることにより、被検出体の押圧力が分散することなく導体配線31に集中するので、導体配線31と接点端子22とが確実に導通する。また、一方のスペーサ4A側において、上部シート3を下部シート2に接合していないことにより、被検出体によって上部シート3を押圧した際に、上部シート3の撓みが阻害されるようなことがないから、導体配線31が接点端子22に確実に電気的に接触するから接触不良を防止できる。
【0019】
導体配線31と接点端子22nとが導通すると、検出回路51が形成され、この検出回路51内の電流が電流計55によって測定される。測定された電流値から抵抗体21の部分抵抗値21bが算出され、抵抗体の抵抗値が長さに比例することにより、算出された部分抵抗値21bから基準端21Aから接点端子22nまでの抵抗体21の長さlが算出される。換言すれば、被検出体の基準端21Aからの距離l、すなわち被検出体の位置を、抵抗体21の部分抵抗値21bから検出することができる。
【0020】
この位置センサ1は、可撓性を有する上部シート3を撓ませることにより、わずかな間隔を隔てた導体配線31と接点端子22とを導通するようにしたので、被検出体の小さな押圧力によっても、導体配線31と接点端子22とが導通するため、軽量の被検出体の検出が可能になる。また、2枚のシート2,3に、それぞれ抵抗体21、接点端子22および導体配線31を形成し、スペーサ4A,4Bを介して2枚のシートを重ね合わせるだけで形成することができるので、製造が容易で、部品点数が削減されるため製造コストが低減できる。さらに、厚みの薄い2枚のシート2,3によって形成されることにより、センサ全体を薄型化かつ小型化できる。
【0021】
また、上述した実施の形態では、図1(b)に実線で示すように、下部シート2を平坦状にして使用する方法を説明したが、同図に二点鎖線で示すように、下部シート2を湾曲させて使用しても、上述した作用効果が得られる。このように、位置センサ1を被検出体の形状に対応して変形させて使用することができるから、使用の範囲が拡がり汎用性が高くなる。
【0022】
図5および図6は本発明の第2の実施の形態を示し、図5は上部シートを取り除いた状態で示す平面図、図6は検出回路図である。なお、図5において、便宜上スペーサ4A,4Bの図示を省略している。
この第2の実施の形態においては、下部シート2の表面に、抵抗体21と平行な導体配線25を形成し、この導体配線25の一端を抵抗体21の他端と電気的に接続し、この導体配線25の他端と導通する固定電極26を共通電極23と並べるようにして下部シート2の端部から突出させた点に特徴を有する。図6において、共通電極23と固定電極26との間に電圧Veを印加し、共通電極23、抵抗体21、導体配線25および固定電極26によって基準回路52を形成し、この基準回路52内の電流を計測する電流計56が設けられている。
【0023】
このような構成とすることにより、電流計56によって計測される電流値から長さLによって形成された抵抗体21の基準抵抗値21aが検出され、この基準抵抗値21aは、被検出体の押圧位置Bにかかわらず一定である。したがって、この基準抵抗値21aと電流計55によって計測される電流値に基づいて算出される抵抗体21の検出回路51における部分抵抗値21bを比較することにより、被検出体の位置だけではなく、被検出体の数を検出することも可能になる。すなわち、例えば、位置センサ1の導体配線31上に多数の被検出体を導体配線31の長手方向に載置し、この被検出体を基準端21A側から1個ずつ取り除いていくような装置の場合、基準抵抗値21aが被検出体の総数に該当するから、部分抵抗値21bから被検出体の残存数を検出することができる。
【0024】
【実施例】
下部シート2および上部シート3を厚さ100μmで、共にポリエステルによって形成した。一方のスペーサ4Aは厚さ50μmで、ポリエステルによって形成し、他方のスペーサ4Bは厚さ25μmでポリエステルによって形成した。粘着層41は厚さ25μmに形成した。抵抗体21は幅が4mmで全長が260mmに形成した。接点端子22間のピッチを0.7mmとし、344個の接点端子22を形成した。
【0025】
なお、本実施の形態では、抵抗体21を直線状に形成したが、円形としてもよく種々の設計変更が可能である。また、接点端子22を等間隔に形成したが、被検出体の検出位置に対応した間隔としてもよい。また、下部シート2を可撓性を有する材料によって形成したが、位置センサ1を平坦な状態で使用するのであれば、必ずしも可撓性を有する材料によって形成する必要はない。また、上部シート3の表面の押圧部33をUV印刷によって形成したが、ゴム等の弾性体を上部シート3の表面に接着することによって形成してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、軽量の被検出体の検出も可能になるとともに、コストの低減を図ることができ、かつ装置の小型化を図ることもできる。また、被検出体により第2のシート状部材が押圧された際、第2のシート状部材の撓みを阻害することがないから、導体配線が接点端子に確実に電気的に接触することにより、接触不良を防止できる。
【0027】
また、請求項2に係る発明によれば、基準抵抗値と可変抵抗値とを比較することができるので、被検出体の位置だけでなく、被検出体の残存数等を検出することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る位置センサを示し、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は上部シートの平面図である。
【図2】 図1(a)におけるII-II 線断面図であって、同図(a)は分解した状態を示し、同図(b)は組付けた状態を示す。
【図3】 図1(a)におけるIII-III 線断面図である。
【図4】 本発明に係る位置センサの検出回路図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態において上部シートを取り除いた状態で示す平面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態の検出回路図である。
【符号の説明】
1…位置センサ、2…下部シート、3…上部シート、4A,4B…スペーサ、21…抵抗体、21a…基準抵抗値、21b…部分抵抗値、22…接点端子、23…共通電極、25,31…導体配線、26…固定電極、32…可変電極、41…粘着層、51…検出回路、52…基準回路。
Claims (2)
- 一面に帯状の抵抗体とこの抵抗体と一端部が電気的に接続され抵抗体の延設方向に並設された多数の接点端子とが形成された第1のシート状部材と、この第1のシート状部材と重ね合わされ一面に前記接点端子のすべての他端部に対応するように前記抵抗体と同じ方向に延設された導体配線を設けた可撓性を有する第2のシート状部材と、前記抵抗体の一端と導通した共通電極と、前記導体配線の一端と導通した可変電極とからなり、前記接点端子と前記導体配線とをわずかな間隔を隔てて対向させ、前記第1のシート状部材と前記第2のシート状部材とを、前記抵抗体を挟んだ両側部の一方の側部において互いに接合したことを特徴とする位置センサ。
- 請求項1記載の位置センサにおいて、前記抵抗体の他端と導通した固定電極を備え、この固定電極と前記共通電極との間に前記抵抗体を基準抵抗値として計測する基準回路を設けるとともに、前記可変電極と前記共通電極との間に、前記多数の接点端子のいずれかが前記導体配線に接触することにより形成される前記抵抗体の部分抵抗値を検出する検出回路を設けたことを特徴とする位置センサ。
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2001
- 2001-10-19 JP JP2001321461A patent/JP3979818B2/ja not_active Expired - Lifetime
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