JP2000348564A - 感圧装置 - Google Patents

感圧装置

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JP2000348564A
JP2000348564A JP11159302A JP15930299A JP2000348564A JP 2000348564 A JP2000348564 A JP 2000348564A JP 11159302 A JP11159302 A JP 11159302A JP 15930299 A JP15930299 A JP 15930299A JP 2000348564 A JP2000348564 A JP 2000348564A
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pressure
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conductive
layers
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JP11159302A
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Mitsuru Saito
充 斎藤
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バインダ樹脂中の導電性粒子の混合比に多少
のバラツキが生じても、抵抗層の比抵抗の変化を極力抑
制することができるようにした感圧装置を提供する。 【解決手段】 可撓性を有する第1の絶縁基板1の一方
の面に形成された第1の導電層2と、この第1の導電層
2上に形成された第1の抵抗層3と、第2の絶縁基板5
の一方の面に形成された第2の導電層6と、この第2の
導電層6上に形成された第2の抵抗層7とを備え、第
1,第2の抵抗層3,7を接触可能に対向させて第1,
第2の絶縁基板1,5を配置し、第1,第2の抵抗層
3,7を、金属酸化物からなる導電性粒子をバインダ樹
脂に分散させて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1,第2の絶縁
基板の対向面に各々形成された抵抗層どうしが接触する
ことにより圧力を検出する感圧装置に係り、特に抵抗層
の材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の感圧装置としては、特開
平10−188724号公報に開示されているものがあ
り、これを図11乃至図16に示す。この感圧装置20
は、可撓性を有する絶縁フィルムよりなる櫛歯型の第
1,第2の絶縁基板21,25及びスペーサ29で構成
され、これら第1,第2の絶縁基板21,25及びスペ
ーサ29は何れも略同一形状に形成されている。
【0003】図12に示すように、第1の絶縁基板21
には、その一方の面に複数の円形の電極部22とこれら
を連結する線状の連結部23とからなる導電パターンが
印刷形成されており、中央の電極部22から延出するリ
ード部24を形成した引出部21aが一体に設けられて
いる。また、図14に示すように、第2の絶縁基板25
には、その一方の面に、第1の絶縁基板21の電極部2
2に対応する複数の円形の電極部26とこれらを連結す
る線状の連結部27とからなる導電パターンが印刷形成
されており、中央の電極部26から延出するリード部2
8を形成した引出部25aが一体に設けれらている。
【0004】また、図13に示すように、スペーサ29
には、帯状の引出部29aが一体に設けられ、第1,第
2の絶縁基板21,25の電極部22,26に対応した
位置に円形孔29bが形成されている。そして、図1
1,図15に示す如く、第1,第2の絶縁基板21,2
5及びスペーサ29は、電極部22,26が円形孔29
bを介して対向する状態で順次積み重ねられ、接着等に
よって一体化されている。
【0005】このように構成された感圧装置20は、例
えば、図16に示すように、車両の座席30に埋設され
て用いられ、この座席30に人が着座すると、この着座
者の荷重により圧力が付与されて、第1,第2の絶縁基
板21,25が互いに近接するように各々矢印A方向と
矢印B方向に弾性変形し、電極部22と電極部26とが
接触して電極部22,26間が導通したスイッチオン状
態となり搭乗者の着座が検出される。このとき、着座者
が大人か子供かなど着座者の荷重によるが、1組の導電
部22,26当たり数10g/cm2〜4kg/cm2程度の圧力
が加わることとなる。また、搭乗者が座席30を離れる
と、上記圧力が解除されて、第1,第2の絶縁基板2
1,25が自らの弾性によって元の状態に復帰し、電極
部22,26が離間してスイッチオフ状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の傾向
としてこの種の感圧装置においては、助手席等に座る着
座者が大人か子供かといった着座者の荷重に応じ、車両
に搭載されたエアバック装置の爆発力を制御するため
に、着座者の荷重を識別する機能が求められている。こ
の要求に対して、前述した従来の感圧装置にあっては、
第1,第2の絶縁基板21,25及びスペーサ29を積
層したシンプルな構造ではあるが、スイッチオン状態と
スイッチオフ状態の2つの状態しか採り得ることができ
ないため、付与された圧力の大きさを検出することがで
きず着座者の荷重を識別できない。
【0007】そこで、本発明者は上記要求に応えるた
め、図10に示すような感圧装置を試作した。この感圧
装置は、可撓性を有する絶縁フィルムよりなる第1,第
2の絶縁基板31,32が絶縁スペーサ33を介して所
定の間隔をもって対向配置されており、第1,第2の絶
縁基板31,32の対向面には、各々第1,第2の導電
層34,35と第1,第2の抵抗層36,37とが順次
積層して形成されている。この第1,第2の抵抗層3
6,37は、導電性粒子であるカーボン粒子をフェノー
ル系のバインダ樹脂に分散させてなるペースト状の抵抗
インクを第1,第2の導電層34,35の表面に塗布
し、これに焼成を施すことによって形成したものであ
る。
【0008】このように構成された感圧装置において、
第1,第2の絶縁基板31,32の第1,第2の抵抗層
36,37と反対面に圧力を作用させると、第1,第2
の絶縁基板31,32が互いに近接するように各々矢印
A方向と矢印B方向に弾性変形し、その圧力の増大に伴
って第1,第2の抵抗層36,37同士の接触面積が漸
次増大していく。また、上記圧力が解除されると、第
1,第2の絶縁基板31,32が自らの弾性によって元
の状態に復帰し、第1,第2の抵抗層36,37が離間
する。すなわち、本発明者は、無加圧状態から加圧状態
となるにつれて第1,第2の抵抗層36,37同士の接
触面積が漸次増大し、第1,第2の抵抗層36,37が
上記圧力の増大に伴って抵抗値を減少させる可変抵抗回
路を形成することに着目し、第1,第2の抵抗層36,
37の接触面積を第1,第2の導電層34,35間の抵
抗値に置き換えることにより、上記圧力の大きさを検出
することを考えた。
【0009】そして、本発明者は、カーボン粒子とバイ
ンダ樹脂の混合比率を変えて上記の如く構成した数台の
感圧装置を試作し、上記圧力が0〜4kg/cm2の範囲で増
大させたときの第1,第2の導電層34,35間の抵抗
値の変化を計測した。その結果、第1,第2の抵抗層3
6,37の比抵抗ρを104〜106Ω・cmとしたとき
に、従来技術で述べた着座者の荷重によって付与される
圧力数10g/cm2〜4kg/cm2において、第1,第2の導
電層34,35間の抵抗値が連続的に変化する良好な感
圧装置を得ることができた。例えば、比抵抗ρが約10
5Ω・cmの場合には、第1,第2の導電層34,35間の
抵抗値が数MΩ〜数10kΩの範囲で良好に変化した。
一方、第1,第2の抵抗層36,37の比抵抗ρが10
7〜108Ω・cmと高いときには、第1,第2の導電層3
4,35間の抵抗値が高過ぎ測定できなかった。また、
第1,第2の抵抗層36,37の比抵抗ρが103Ω・cm
と低いときには、中間の圧力を検出することは難しく実
質的に従来技術と同様、スイッチオン状態とスイッチオ
フ状態の2つの状態しか採り得ることができなかった。
【0010】しかし、第1,第2の抵抗層36,37の
比抵抗ρが104〜106Ω・cmを満足するには、上記抵
抗層中のカーボン粒子の含有率が非常に狭い領域でのみ
しか得られず、バインダ樹脂に対するカーボン粒子の添
加量がわずかに変わっただけでも、また、乾燥した抵抗
層を得るために行う焼成の条件(温度や時間)がわずか
に変わっても比抵抗ρが大きく変化することを本発明者
は見出した。
【0011】本発明は叙上の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、バインダ樹脂中の導電性
粒子の混合比等に多少のバラツキが生じても、抵抗層の
比抵抗の変化(バラツキ)を極力抑制することができる
ようにした感圧装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、可撓性を有する第1の絶縁基板の一方の
面に形成された第1の導電層と、この第1の導電層上に
形成された第1の抵抗層と、第2の絶縁基板の一方の面
に形成された第2の導電層と、この第2の導電層上に形
成された第2の抵抗層とを備え、前記第1,第2の抵抗
層を接触可能に対向させて前記第1,第2の絶縁基板を
配置し、前記第1,第2の抵抗層が、金属酸化物からな
る導電性粒子をバインダ樹脂に分散させてなることを最
も主要な特徴としている。
【0013】また、上記構成において、前記導電性粒子
の粒径を前記抵抗層の厚みよりも小さくした。
【0014】また、上記構成において、前記導電性粒子
を酸化亜鉛粒子とした。
【0015】また、上記構成において、前記第1,第2
の抵抗層中の前記導電性粒子の割合を15〜50体積%
とした。
【0016】また、上記構成において、前記第1の導電
層は前記金属酸化物よりも比抵抗の小さい導電性粒子を
バインダ樹脂に分散させて構成し、前記第1の導電層の
バインダ樹脂と前記第1の抵抗層のバインダ樹脂の少な
くともいずれか一方を熱硬化性樹脂とした。
【0017】さらに、上記構成において、前記第1の絶
縁基板の他方の面に、前記第1の抵抗層の形成箇所に対
応させて熱硬化樹脂からなる補強層を形成した。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感圧装置の第1の
実施形態を図1乃至図6を用いて説明する。
【0019】この感圧装置は、第1の絶縁基板1の一方
の面に設けた第1の導電層2上に第1の抵抗層3を形成
し、第2の絶縁基板5の一方の面に設けた第2の導電層
6上に第2の抵抗層7を形成して、第1,第2の絶縁基
板1,5間にスペーサ4を介設し、第1,第2の抵抗層
3,7を所定の間隔をもって接触可能に対向させて構成
されている。
【0020】第1の絶縁基板1は、PEN(ポリエチレ
ンナフタレート)フィルムを矩形状に形成してなるもの
で、その一方の面には、平面視円形状に形成された第1
の導電層2が所定の間隔を置いて2つ設けられており、
図1,図4に示すように、各第1の導電層2上には第1
の抵抗層3が積層して形成されている(尚、図1では各
第1の抵抗層3に対し斜線帯を付した)。そして、第1
の導電層2の厚さは10±5μmに設定されており、第
1の抵抗層3の厚さは10〜30μmとなっている。
尚、第1の導電層2及び第1の抵抗層3の直径は約15
mmとした。また、第1の絶縁基板1の一側角部には比
較的幅広な延出部1aが帯状に形成されている。
【0021】スペーサ4は、両面粘着テープからなるシ
ートを矩形状に形成してなるもので、図2に示すよう
に、その一側角部に上記延出部1aと同幅の延出部4a
が帯状に形成されており、第1の絶縁基板1の各第1の
絶縁層3に対応する位置に円形の孔4bが穿設されてい
る。そして、このスペーサ4は、延出部4aを上記延出
部1aに対応させて自身の粘着性により第1の絶縁基板
1の一方の面に重ね合わされて接着されており、図4に
示すように、各孔4b内に第1の抵抗層3及び第1の導
電層2が位置した状態となっている。
【0022】第2の絶縁基板5は、第1の絶縁基板1と
同じくPENフィルムを矩形状に形成してなるもので、
その一方の面には、平面視櫛歯状に形成された一対の導
電層6a,6bを噛み合わせるように近接配置させてな
る第2の導電層6が所定の間隔を置いて2つ設けられて
おり、図3,図4に示すように、第2の導電層6の一方
の導電層6a上に抵抗層7aが積層して形成され、他方
の導電層6b上には抵抗層7bが積層形成されて、これ
ら一対の抵抗層7a,7bで第2の抵抗層7を構成して
いる(尚、図3では各第2の抵抗層7に対し斜線帯を付
した)。そして、この第2の抵抗層7は上記第1の抵抗
層3に対応する位置関係にあり、一対の抵抗層7a,7
bの厚さは何れも10〜30μmとなっており、一対の
導電層6a,6bの厚さは両者とも10±5μmに設定
されている。また、第2の導電層6と第2の抵抗層7の
外形は直径約15mmの円形状とした。
【0023】また、第2の絶縁基板5の一側角部には上
記延出部1a,4aと同幅で長さが若干長い延出部5a
が帯状に形成されており、この延出部5aの一方の面に
上記一対の導電層6a,6bから各々引き回された4本
の導電パターン8が互いに近接した状態で形成されてい
る。そして、この第2の絶縁基板5は、延出部5aの根
元を上記延出部1a,4aの根元に対応させて、スペー
サ4の粘着性によって、第1の絶縁基板1と反対側から
スペーサ4に接着されており、第2の導電層6及び第2
の抵抗層7がスペーサ4の孔4b内に位置し、第2の抵
抗層7が孔4bを介して第1の抵抗層3と対向した状態
となっている。
【0024】次に、この感圧装置の組立方法を説明する
が、それに先立ち、第1,第2の絶縁基板1,5に、各
々第1,第2の導電層2,6及び第1,第2の抵抗層
3,7を形成する工程について説明する。これらの形成
に当たってはスクリーン印刷法が用いられ、先ず、ポリ
ウレタン系のバインダ樹脂に導電性粒子である銀粒子を
分散させてなるペースト状の導電インクを、第1,第2
の絶縁基板1,5に印刷塗布し、これに焼成を施して第
1,第2の導電層2,6と4本の導電パターン8とを同
時に形成する。次に、熱硬化性樹脂であるフェノール系
のバインダ樹脂に金属酸化物からなる導電性粒子を分散
してなるペースト状の抵抗インクを、第1,第2の導電
層2,6上に印刷塗布することによって積層し、これに
焼成を施して第1、第2の抵抗層3,7を形成する。
【0025】次に、第1,第2の絶縁基板1,5及びス
ペーサ4を、第1,第2の抵抗層3,7が孔4bを介し
て対向する状態で順次積み重ねる。しかる後、これらの
重なり部位を加圧すると、スペーサ4の粘着性により第
1,第2の絶縁基板1,5及びスペーサ4が接着されて
一体化される。このようにして感圧装置の組立は完了す
るが、組立後においては第1,第2の導電層2,6及び
第1,第2の抵抗層3,7が孔4b内に位置し、第1,
第2の抵抗層3,7が所定間隔離間して対向して配設さ
れた状態となっている。
【0026】このように構成・組み立てられた感圧装置
は、図16に示すように、例えば発泡ポリウレタン等の
クッション部材によって形成される座席中に埋設されて
使用され、第1,第2の絶縁基板1,5の第1,第2の
抵抗層3,7と反対面に圧力を作用させると、第1,第
2の絶縁基板1,5が互いに近接するように各々矢印A
方向と矢印B方向に弾性変形し、その圧力の増大に伴っ
て第1,第2の抵抗層3,7同士の接触面積が漸次増大
していく。また、上記圧力が解除されると、第1,第2
の絶縁基板1,5が自らの弾性によって元の状態に復帰
し、第1,第2の抵抗層3,7が離間する。すなわち、
第1,第2の抵抗層3,7は互いに協力し合って、無加
圧状態から加圧状態となるにつれて一対の導電層6a,
6b間の抵抗値を減少させる可変抵抗回路を形成する。
したがって、一対の導電層6a,6b間に図示せぬプル
アップ抵抗器を介して所定の電圧を印加しておき、第
1,第2の抵抗層3,7の接触部分における抵抗値の変
化を電圧の変化として導電パターン8から取り出すこと
により、上記圧力の大きさを検出することができる。
【0027】そして、本発明者は、上記金属酸化物から
なる導電性粒子として平均粒径が1.5μmの酸化亜鉛
を用い、酸化亜鉛粒子と上記バインダ樹脂の混合比率を
変えて調合した数種類の抵抗インクで上述した工程を経
て第1,第2の抵抗層3,7を形成し、その比抵抗ρや
印刷性を確認した。その結果、上記抵抗層中の酸化亜鉛
粒子の含有率が15体積%未満であると比抵抗ρが10
6Ω・cmを越えてしまい、含有率が50体積%を越える
と、良好な乾燥塗膜が得られなかったことから、含有率
は15〜50体積%が好ましいという結論を得た。そし
て、バインダ樹脂としてフェノール樹脂を用い、乾燥塗
膜(抵抗層)中の割合が25体積%となるように酸化亜
鉛(本荘ケミカル株式会社製の商品名:導電性酸化亜鉛
華)を分散させて、105〜106Ω・cmの比抵抗ρを有
する第1,第2の抵抗層3,7を第1,第2の導電層
2,6上に形成して、上記の如く構成・組み立てた感圧
装置に、第1,第2の絶縁基板1,5の第1,第2の抵
抗層3,7と反対面から圧力を0〜4kg/cm2の範囲で付
与したときの一対の導電層6a,6b間の抵抗値の変化
を計測した結果、図5に示すように、従来技術で述べた
着座者の荷重により付与される圧力0.25〜4kg/cm2
において、一対の導電層6a,6b間の抵抗値が1MΩ
〜65kΩの範囲でほぼ直線的に減少する良好な感圧装
置を得ることができた。
【0028】また、本発明者は、上記金属酸化物からな
る導電性粒子として、平均粒径が1.5μmの酸化チタ
ンの一種であるチタンブラック(商品名、三菱マテリア
ル株式会社製、品番13M)を用い、チタンブラック粒
子と上記バインダ樹脂の混合比率を変えて調合した数種
類の抵抗インクで上述した工程を経て第1,第2の抵抗
層3,7を形成しその比抵抗ρを測定した。その結果、比
抵抗ρが104〜106Ω・cmとなる上記抵抗層中のチタ
ンブラック粒子の含有率の範囲は、酸化亜鉛粒子よりは
狭いがカーボン粒子に比して遥かに広いことが判った。
そして、抵抗層中のチタンブラックの含有率を15体積
%とした第1,第2の抵抗層3,7を第1,第2の導電
層2,6上に形成し、上記と同様にして一対の導電層6
a,6b間の抵抗値の変化を計測したところ、上記と同
じく圧力数100g/cm2〜4kg/cm2において、一対の導電層
6a,6b間の抵抗値が1MΩ〜50kΩの範囲でほぼ
直線的に減少する良好な感圧装置を得ることができた。
【0029】図6は抵抗層中の導電性粒子の含有率に対
する比抵抗ρの計測結果をモデル的に示したものであ
り、これより、第1,第2の抵抗層3,7の比抵抗ρが
104〜106Ω・cmを満足する抵抗層中の導電性粒子の
含有率の領域は、カーボン粒子の領域Cに比べ酸化亜鉛
及びチタンブラックの領域D,Eの方が遥かに広いこと
が見て取れる。したがって、導電性粒子として金属酸化
物を用いると、バインダ樹脂中の導電性粒子の混合比や
焼成条件等に多少のバラツキが生じても、第1,第2の
抵抗層3,7の比抵抗ρの変化を極力抑制することがで
き、良好な感圧装置の製造に適している。
【0030】尚、この感圧装置を従来技術で示した如く
車両の座席に埋設して用いる場合、座席に重量物が積載
された状態で車内が高温となった際に、第1,第2の絶
縁基板1,5は、重量物の荷重と車内の熱の影響を受け
ることとなるが、第1,第2の抵抗層3,7のバインダ
樹脂として熱硬化性樹脂を用いているため耐熱クリープ
性を高めることができる。さらに、両絶縁基板1,5の
抵抗層3,7が形成された箇所の他方の面にフェノール
系等の熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂にカーボンを
混合させてなる補強層あるいは熱硬化性樹脂のみからな
る補強層を予め形成しておくと、いっそう応力緩和が生
じにくくなり耐熱クリープ性を高めることができ、よっ
て、感圧特性が変化しにくくなり好ましい。この場合、
補強層の大きさはスペーサ4の孔4bよりも大きくして
おくと、その効果をさらに高めることができる。
【0031】また、この第1の実施形態のように、上記
金属酸化物からなる導電性粒子の粒径を第1,第2の抵
抗層3,7の厚さよりも小さく設定すると、導電性粒子
の第1,第2の抵抗層3,7の表面から突出量が抑えら
れ、第1,第2の抵抗層3,7の接離による導電性粒子
の摩耗を防止でき、上記圧力に対する一対の導電層6
a,6b間の抵抗値の変化、すなわち感圧特性を長期に
わたって一定に維持することができる。
【0032】また、この第1の実施形態にあっては、4
本の導電パターン8が第2の絶縁基板5の延出部5aに
集約されているので、図示せぬ検出回路に接続するため
に、延出部5aの端部において導電パターン8をコネク
タに接続する場合、接続端子が一列に配設された安価な
コネクタを使用できる。
【0033】次に、本発明の感圧装置の第2の実施形態
を図7乃至図9を用いて説明する。
【0034】この第2の実施形態が第1の実施形態と異
なる点は、第1の絶縁基板1の延出部1aの一方の面に
第1の導電層2から各々引き回された2本の導電パター
ン9を互いに近接した状態で形成した点と、第2の絶縁
基板5に形成される第2の導電層6及び第2の抵抗層7
を第1の導電層2及び第1の抵抗層3と同様の平面視円
形状の積層体で構成し、第2の絶縁基板5の延出部5a
の一方の面に第2の導電層6から各々引き回された2本
の導電パターン10を互いに近接した状態で形成した点
とが異なるのみで、それ以外は第1の実施形態と同様で
ある。
【0035】このように構成された第2の実施形態にあ
っては、図示せぬプルアップ抵抗器及び導電パターン
9,10を介して第1,第2の導電層2,6間に所定の
電圧を加えた状態で使用し、第1,第2の絶縁基板1,
5の第1,第2の抵抗層3,7と反対面に圧力を作用さ
せると、第1,第2の絶縁基板1,5が互いに近接する
ように各々矢印A方向と矢印B方向に弾性変形し、その
圧力の増大に伴って第1,第2の抵抗層3,7同士の接
触面積が漸次増大していく。また、上記圧力が解除され
ると、第1,第2の絶縁基板1,5が自らの弾性によっ
て元の状態に復帰し、第1,第2の抵抗層3,7が離間
する。すなわち、第1,第2の抵抗層3,7は互いに協
力し合って、無加圧状態から加圧状態となるにつれて抵
抗値を減少させる可変抵抗回路を形成する。したがっ
て、第1,第2の抵抗層3,7の接触部分における抵抗
値の変化を電圧の変化として導電パターン9,10から
取り出すことにより、上記圧力の大きさを検出すること
ができる。
【0036】そして、この第2の実施形態の場合、合計
4本の導電パターン9,10を各々第1,第2の絶縁基
板1,5の延出部1a,5aに2本づつに分割して設け
ることができるため、延出部1a,5aの幅が制約を受
ける場合に有効である。
【0037】尚、第1の実施形態と同様に、この感圧装
置を従来技術で示した如く車両の座席に埋設して用いる
場合、座席に重量物が積載された状態で車内が高温とな
った際に、可撓性を有する第1,第2の絶縁基板1,5
は、重量物の荷重と車内の熱の影響を受けることとなる
が、抵抗層のバインダ樹脂として熱硬化性樹脂を用いる
ことにより、耐熱クリープ性を高めることができる。さ
らに、両絶縁基板1,5の他方の面にフェノール系等の
熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂にカーボンを混合し
てなる補強層あるいは熱硬化性樹脂のみからなる補強層
を抵抗層の形成位置に対応させて孔4bよりもひとまわ
り大きく予め形成しておくと、応力緩和がより生じにく
くなり耐熱クリープ性を高めることができる。
【0038】尚、上述した第1,第2の実施形態におい
ては、第1,第2の抵抗層3,7のバインダ樹脂として
フェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂を用いたが、第
1,第2の導電層2,6のバインダ樹脂に熱硬化性樹脂
を用いてもよく、導電層と抵抗層の両者に熱硬化性樹脂
をバインダ樹脂として用いてもよい。また、バインダ樹
脂として用いる熱硬化性樹脂はフェノール樹脂に限られ
るものではなく、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
でも構わない。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0040】可撓性を有する第1の絶縁基板の一方の面
に形成された第1の導電層と、この第1の導電層上に形
成された第1の抵抗層と、第2の絶縁基板の一方の面に
形成された第2の導電層と、この第2の導電層上に形成
された第2の抵抗層とを備え、前記第1,第2の抵抗層
を接触可能に対向させて前記第1,第2の絶縁基板を配
置し、前記第1,第2の抵抗層が、金属酸化物からなる
導電性粒子をバインダ樹脂に分散させてなるので、前記
バインダ樹脂中の前記導電性粒子の混合比等に多少のバ
ラツキが生じても、前記第1,第2の抵抗層の比抵抗の
変化を極力抑制することができ、付与された圧力の大き
さを検出することができる良好な感圧装置を提供するこ
とができる。
【0041】また、前記導電性粒子の粒径を前記抵抗層
の厚みよりも小さくしたので、前記導電性粒子の前記第
1,第2の抵抗層の表面から突出量が抑えられ、長期に
わたって感圧性を一定に維持することができる。
【0042】また、前記導電性粒子を酸化亜鉛粒子とし
た場合には、酸化亜鉛は金属酸化物の中では材料自体の
比抵抗が比較的大きいことから、バインダ樹脂中に多く
の酸化亜鉛を混ぜることができるため、前記バインダ樹
脂中の前記導電性粒子の混合比等に多少のバラツキが生
じても、前記第1,第2の抵抗層の比抵抗の変化をより
抑制することができ、よって感圧特性のバラツキの少な
い感圧装置を得ることができる。
【0043】また、前記第1,第2の抵抗層中の前記酸
化亜鉛からなる導電性粒子の割合を15〜50体積%と
したので、スクリーン印刷用のペーストとして必要な要
件である適切なチクソトロピック性と印刷適性を得るこ
とができる。その結果、スクリーン印刷にともなう例え
ばピンホールの発生や印刷のかすれ等の不具合が生じに
くく、良好な塗膜を得ることができ、よって生産性の向
上を図ることができる。
【0044】また、前記第1の導電層は導電性粒子をバ
インダ樹脂に分散させて構成し、前記第1の導電層のバ
インダ樹脂と前記第1の抵抗層のバインダ樹脂の少なく
ともいずれか一方を熱硬化性樹脂としたので、この感圧
装置の周辺温度が高温状態になっても第1の絶縁基板に
応力緩和が生じにくくなり、第1の絶縁基板の耐熱クリ
ープ性を高めることができる。
【0045】さらに、前記第1の絶縁基板の他方の面に
熱硬化樹脂を主成分として含有する補強層を前記第1の
抵抗層の形成箇所に対応させて形成したので、この感圧
装置の周辺温度が高温状態になっても第1の絶縁基板の
応力緩和をより確実に抑え、第1の絶縁基板の耐熱クリ
ープ性を大きく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る感圧装置の第1
の絶縁基板の裏面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る感圧装置のスペ
ーサの裏面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る感圧装置の第2
の絶縁基板の平面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る感圧装置の断面
図。
【図5】第1,第2の絶縁基板に付与される圧力と一対
の導電層間の抵抗値との関係を示す図。
【図6】抵抗層中の導電性粒子の含有率と抵抗層の比抵
抗との関係を示す図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る感圧装置の第1
の絶縁基板の裏面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る感圧装置の第2
の絶縁基板の平面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る感圧装置の断面
図。
【図10】発明が解決しようとする課題を説明するため
の説明図。
【図11】従来の感圧装置の平面図。
【図12】従来の感圧装置に係る第1の絶縁基板の平面
図。
【図13】従来の感圧装置に係るスペーサの平面図。
【図14】従来の感圧装置に係る第2の絶縁基板の平面
図。
【図15】図11の15−15線に沿う断面図。
【図16】感圧装置の使用形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 第1の絶縁基板 1a 延出部 2 第1の導電層 3 第1の抵抗層 4 スペーサ 4a 延出部 4b 孔 5 第2の絶縁基板 6 第2の導電層 6a 導電層 6b 導電層 7 第2の抵抗層 7a 抵抗層 7b 抵抗層 8 導電パターン 9 導電パターン 10 導電パターン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する第1の絶縁基板の一方の
    面に形成された第1の導電層と、この第1の導電層上に
    形成された第1の抵抗層と、第2の絶縁基板の一方の面
    に形成された第2の導電層と、この第2の導電層上に形
    成された第2の抵抗層とを備え、前記第1,第2の抵抗
    層を接触可能に対向させて前記第1,第2の絶縁基板を
    配置し、前記第1,第2の抵抗層が、金属酸化物からな
    る導電性粒子をバインダ樹脂に分散させてなることを特
    徴とする感圧装置。
  2. 【請求項2】 前記導電性粒子の粒径を前記各抵抗層の
    厚みよりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載
    の感圧装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性粒子が酸化亜鉛粒子からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の感圧装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の抵抗層中の前記導電性
    粒子の割合を15〜50体積%としたことを特徴とする
    請求項3に記載の感圧装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の導電層は前記金属酸化物より
    も比抵抗の小さい導電性粒子をバインダ樹脂に分散させ
    てなり、前記第1の導電層のバインダ樹脂と前記第1の
    抵抗層のバインダ樹脂の少なくともいずれか一方が熱硬
    化性樹脂であることを特徴とする請求項1,2,3又は
    4に記載の感圧装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の絶縁基板の他方の面に熱硬化
    樹脂を含有する補強層を前記第1の抵抗層の形成箇所に
    対応させて形成したことを特徴とする請求項1,2,
    3,4又は5に記載の感圧装置。
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