JP2015145881A - 圧力センサ - Google Patents

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康夫 國吉
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吉幸 大村
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Takashi SAGISAKA
隆志 鷺坂
晶彦 長久保
Masahiko Nagakubo
晶彦 長久保
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Taisuke Kimura
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Abstract

【課題】フレキシブル回路基板の構成要素で成形でき、しかも、屈曲時の低計測誤差、高い柔軟性、小型高密度性、耐熱性などに優れる圧力センサを提供する。【解決手段】一つ以上の電極を有する導電体パターン4が設けられたベースフィルム2と、導電体パターン4の電極を覆うようにベースフィルム2に積層されるカバーフィルム5と、カバーフィルム5とベースフィルム2間に設けられ、電極とカバーフィルム5の間に所定の隙間を有する中空部6を構成するスペーサ7と、電極とスペーサ7との間に土手8、を備え、カバーフィルム5の中空部6に対応する部分は、圧力に応じて電極に接離する方向に変形可能で、電極との接触圧に応じて接触抵抗が変化し、接触抵抗の変化によって圧力を検出する構成で、前記ベースフィルムの前記一つ以上の電極が形成された面の裏側に補強板13を構成している。【選択図】図1

Description

本発明は、フレキシブル回路基板に一体的に形成可能で、球状曲面を含む柔軟曲面に用いる圧力分布の計測に適した圧力センサに関する。
市販されている一般的な圧力分布センサは、基本的に四角形状の薄いシートから構成されている。シート形状なので、筒状曲面での計測は可能であるが、球状曲面を含む柔軟曲面での計測には適さない。これは、(N×M)点の圧力点を(N+M)本の配線で信号収集する省配線技術(マトリクス配線)と関係しており、縦横する配線のため計測領域形状が四角形状などに制約されるためである。
また、これらの圧力分布センサは、PETフィルムと印刷配線で実装されたものが主流となっているが、配線の印刷精度やマイグレーションのため配線密度が低く、また配線に柔軟性がなく曲げ屈曲耐性がない。さらに、半田リフローにも適さないため、部品実装が困難であり、信号処理装置と大型コネクタで接続しなければならない問題も抱えている。
これらの問題に対し、多様な曲面上でも圧力分布を計測可能な触覚センサを実現するものとして、帯状部を備えたツリー状基板からなり、またマトリクス配線ではなく、アナログ−デジタル変換や通信ができる小型ICなどをセンサシート上に部品実装したIC型省配線に基づく技術が提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1のツリー状基板では、帯状部に沿って圧力検出部と配線を敷設するため、スペースが狭く高密度配線が必要であり、またIC型省配線のために電子部品を基板上に直接実装する必要がある。
そのため、圧力検出は、上記したような一般的なPETフィルムと印刷配線による方法ではなく、一般的な電子機器に利用されているフレキシブル回路基板の利用が適している。
特許文献1では、圧力検出部に適用される圧力センサの構成は任意としているが、既存の圧力センサによると、計測誤差が生じ、柔軟性を高くできない、小型化が困難といった問題がある。
たとえば、一般的な圧力分布センサに用いられる圧力検出機構は、2枚のフィルムに感圧抵抗素材や弾性誘電体を挟み込んだ構造が主流となっている(たとえば、ニッタ(株)のFlexiForce(商品名)やTekscan(商品名)等)。
しかし、このタイプの圧力分布センサは、屈曲すると内部圧力が発生してしまい、外部圧が作用した場合と区別がつかず、計測誤差が生じる。これは、各層の曲率が異なるため、屈曲部において互いに近づこうとしてセンサシートの法線方向に内部圧力が発生するもので、曲率が大きいほどその値は大きくなる。
スペーサとカバーフィルムの接着工程の際、接着剤がセンサ部へ流れ込むことで、電極の導電性を損ない、センサ特性を悪化させる。このため、小型化が困難である。特に、複数のセンサを高密度で実装する場合、限られた接着面積を有効活用し、かつ、電極部の中空構造を維持することが困難な課題である。
感圧抵抗素材を塗布する方式では、屈曲時にフィルム面に沿った伸張力が生じて誤差になることもある。屈曲時、特に動的に曲率が変化する場合、この内部圧力と本来計測したい外部圧力を区別することは非常に困難で、柔軟曲面における圧力分布計測の大きな誤差要因となっている。
また、マトリクス配線を使ったセンサや、弾性誘電体を挟み込んだ静電容量方式では、上下のフィルムに電極や配線が必要となるためセンサが厚くなり、屈曲性が悪化する問題
がある。これは、センサの屈曲自体に外力を要することを意味し、本来計測したい外力に対する誤差にもなる。
圧力検出部には、このような感圧素材などを挟み込んだ方式以外に、部品として圧力検出素子を実装する方法もあるが、この場合、半田リフローや導電接着剤により取付けすることになるが、半田や接着剤の硬さ、屈曲による剥がれなど耐久性が低い。また、接着は実装コストが高い、などと言った問題がある。特に、半田の場合、パッド部やカバーレイの開口部のサイズ、取り付け誤差など、半田メッキ周辺に要する余分な領域が大きく、小型高密度化が難しいといった問題もある。
さらに、一般的な感圧抵抗は、導電粉をゴムなどのバインダーに分散したものが主流であるが、これらは耐熱性が高いとは言えない。カバーフィルムの接着工程やIC型省配線に必要な半田リフローと共存するには、一定の耐熱性も必要となるため、素材には注意が必要となる。
特開2007−78382号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、フレキシブル回路基板の構成要素で成形でき、しかも、屈曲時の低計測誤差、高い柔軟性、小型高密度性、耐熱性などに優れる圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の圧力センサは、
一つ以上の電極を有する導電体パターンが設けられたベースフィルムと、
該導電体パターンの電極を覆うようにベースフィルムに積層されるカバーフィルムと、
該カバーフィルムとベースフィルム間に設けられ、前記電極とカバーフィルムの間に所定の隙間を有する中空部を構成するスペーサと、を備え、
前記カバーフィルムの前記中空部に対応する部分は、圧力に応じて前記電極に接離する方向に変形可能で、前記電極との接触圧に応じて接触抵抗が変化し、接触抵抗の変化によって圧力を検出する構成となっているとともに、
前記ベースフィルムの前記一つ以上の電極が形成された面の裏側に、補強板を構成することを特徴とする。
このようにすれば、センサが屈曲しても、屈曲変形は中空部によって吸収されるので、内部圧力の発生を軽減でき、計測誤差を低くすることができる。
また、電極を含む導電体パターンはベースフィルムだけで、厚さは薄く、柔軟で屈曲性がよいので、屈曲自体に要する外力は小さく、計測誤差をより低くできる。
電極を含む導電体パターンは、通常のフレキシブル回路基板の配線層と同様に成形できるので、小型で配線密度を高くすることができる。
さらに、接触抵抗方式としているので、耐熱性が高く、IC型省配線に必要なリフロー工程にも適している。
また、電極が形成された面の裏側に、補強板を構成すれば、圧力センサのセンシング性能を向上させることができる。
前記補強板は、少なくとも、前記一つ以上の電極が形成された領域よりも大きな面積で形成されていることが好適である。
また、補強板は、前記電極と同じ金属からなることが好適であり、特に、銅またはアルミニウムの金属箔からなることが好適である。
また、補強板は、エッチング加工によって形成されることが好適である。
さらに、補強板は、電気的に絶縁されていることが好適である。
また、前記電極と前記スペーサの間に土手を設ければ、スペーサ上にカバーフィルムを接着する際に、中空部への、溶けた接着剤の流れ込みを防止することができ、接着剤による影響を排除できる。
前記電極が前記ベースフィルムに並べて配置される一対の電極として構成してもよいし、前記ベースフィルムに1つとし、感圧部と電気的に接続されている構成とすることもできる。
ベースフィルムは帯状構成で、前記中空部はベースフィルムの一方の側縁に片側開放される構成とすれば、より柔軟性が高くなり、計測誤差を低くすることができる。
前記導電体パターンの中空部に露出する部分に、酸化防止用の金メッキ等の金属導体のメッキを施しておけば、電極の酸化による劣化を防止することができる。
また、メッキには、メッキマスクが必要であるが、感光性カバー等のスペーサで覆われた部分にはメッキがつかないため、感光性カバーと金属メッキによって、完全に銅箔等で形成される導電体パターンを保護することができる。
前記カバーフィルムに、屈曲時の引張り力を軽減するための切れ込みを設けておけば、屈曲時の内部圧力の発生をより一層軽減することができ、計測誤差を一層低くすることができる。
また、感圧部はカバーフィルムに成膜された感圧用薄膜としておけば、一般のフレキシブル回路基板の生産ライン内でラミネートできるので、特殊な実装工程を減らすことができ、低コスト化が実現できる。
前記スペーサまたは/および土手を、感光性カバーから構成すれば、マスクを使用した露光・現像によって微細な形状に加工できるため、任意に、覆う部分と覆わない部分を選択、作製でき、中空部や土手を、高精度に形成することができる。
カバーフィルム上に突起を付けておけば、カバーフィルムが中空部に押し込まれやすくなり、初期感度を高める効果が生まれる。
また、前記圧力センサの製造方法は、ベースフィルム上に一対の電極を備えた導電体パターンを形成し、
該ベースフィルムに感光性カバーを積層すると共に、少なくとも前記導電体パターンの一対の電極に対応する部分を除去して露出させ、感光性カバーの残存部分によって導電体パターンの残りの部分を覆い、
前記導電体パターンの一対の電極を含む露出部分について酸化防止用の金属メッキ処理を施し、
その後、前記電極との接触圧によって接触抵抗が変化する感圧部が予め形成されたカバーフィルムを積層し、前記感光性カバーの残存部分と接着剤にて貼り合わせることで、前記感光性カバーの除去した一対の電極に対応する部分に中空部を形成すればよい。
感光性カバーの一対の電極に対応する部分を除去する際に、感光性カバーを利用し、前記中空部の手前に、中空部への接着剤の流れ込みを防止する土手を造形し、該土手にはカバーフィルムは非接着とすることができる。
また、他の製造方法は、ベースフィルム上に一つの電極を備えた導電体パターンを形成し、
該ベースフィルムに感光性カバーを積層すると共に、少なくとも前記導電体パターンの電極に対応する部分を除去して露出させ、感光性カバーの残存部分によって導電体パターンの残りの部分を覆い、
前記導電体パターンの電極を含む露出部分について酸化防止用の金属メッキ処理を施し、
その後、前記電極との接触圧によって接触抵抗が変化する感圧部および前記感圧部に電
気的に接続された電極が予め形成されたカバーフィルムを積層し、前記感光性カバーの残存部分と接着剤にて貼り合わせることで、前記感光性カバーの除去した電極に対応する部分に中空部を形成することもできる。
また、上記製造方法において、前記感光性カバーの前記ベースフィルム上の前記電極に対応する部分を除去する際に、感光性カバーを利用し、前記中空部の手前に、中空部への接着剤の流れ込みを防止する土手を造形し、該土手にはカバーフィルムは非接着とすることが好適である。
また、圧力検出モジュールとして、1つ又は複数の帯状部を有するフレキシブル回路基板と、フレキシブル回路基板を構成する1つ又は複数の帯状部に配置された上記した圧力センサと、を備えた構成とすることができる。
このように、圧力センサをフレキシブル回路基板に組み込むことで、球状曲面などの立体的な形状に対しても圧力センサを密接させることができ、圧力分布を正確に検出することができる。
また、複数の帯状部を階層的に分岐しているツリー構造から構成し、各分岐帯状部の末端部位に圧力センサを設ければ、圧力センサの検出部位をより高密度に配置できる。
また、フレキシブル回路基板には、1つ以上の通信用端子と、フレキシブル回路基板に設けられた配線によって前記圧力センサ及び通信用端子に電気的に接続され、各圧力センサにより取得された情報を受信し、当該情報を通信用端子に送信する通信機能を有する1つ以上の電子回路部と、を備えた構造とすることもできる。
以上説明したように、本発明によれば、中空部が形成されているので、高い柔軟性が得られ、屈曲の影響が少なく、計測誤差を小さくできる。
また、導電体パターンは、従来のフレキシブル回路基板の配線層と同様に高密度性を実現でき、小型化を図ることができる。
さらに、接触抵抗を利用しているので、耐熱性にも優れ、半田リフロー等にも適用可能である。
また、フレキシブル回路基板に用いられる材料で構成されるので、従来のフレキシブル回路基板の製造設備によって、容易に製造することができる。
さらに、電極が形成された面の裏側に、補強板を構成しているので、圧力センサのセンシング性能を向上させることができる。
本発明の圧力センサの概略構成を示すもので、(A)はフィルムカバーを外して中空部を露出させた状態の概略分解斜視図、(B)はフィルムカバーを閉じた状態の概略分解斜視図、(C)は各部の厚さを誇張して示す概略断面図である。 (A)乃至(D)は図1の圧力センサの各層構成を分解して示す平面図。 (A)乃至(E)は図1の圧力センサの各層構成を分解して示す断面図。 (A)乃至(D)は切り込みパターン例を示す説明図、(E)及び(F)は切れ込み位置と電極の接触状態の関係を示す説明図。 圧力センサに切れ込みを入れた例を示す説明図。 本発明の圧力センサの導電体パターン、感光性カバーの被覆パターン及びフィルムカバーの切れ込みパターンのパターン例1を示す図。 圧力と抵抗値変化の一例を示すグラフ。 本発明の圧力センサの導電体パターン、感光性カバーの被覆パターン及びフィルムカバーの切れ込みパターンのパターン例2を示す図。 本発明の圧力センサの導電体パターン、感光性カバーの被覆パターン及びフィルムカバーの切れ込みパターンのパターン例3を示す図。 本発明の圧力センサの導電体パターン、感光性カバーの被覆パターン及びフィルムカバーの切れ込みパターン例4を示す図。 (A)は本発明の圧力センサの他の電極の他のパターンを示す図、(B)は本発明の圧力センサに補強板を設ける場合のパターン例を示す図。 (A)は本発明の圧力センサが適用される圧力検出モジュールを示す図、(B)は本発明の圧力検出モジュールの適用例を示す図、(C)は他の圧力検出モジュールを示す図。 本発明の圧力センサの別の概略構成を示すもので、(A)は接着シートの端面をスペーサとしての感光性カバーより後退させた例を示す概略断面図、(B)は感光性カバーを土手としてのみ用いる例を示す概略断面図である。
[概念構成]
まず、本発明を実施するための概念構成について説明する。
本発明の圧力センサは、接触抵抗方式にもとづく検出原理を導入し、これをフレキシブル回路基板の内部に直接埋め込んだ構造とする。
具体的には、圧力センサを、ベースフィルム、フィルムカバー、感光性カバー(PSC:Photo−Sensitive Cover)など、汎用的なフレキシブル回路基板の構成素材で構築することで、フレキシブル回路基板の内部に圧力センサを埋め込む構造を実現する。
この圧力センサは、土手による接着剤の電極への流れ込み防止によって圧力検出部を小型に構成できるため高密度化に適するだけでなく、中空構造を導入することで、屈曲時の内部圧力を抑制する。さらに、電極を片面に集約することで、薄さや柔軟性を高める。また、接触抵抗方式は耐熱性があり、IC型省配線に必要なリフロー工程にも適している。これにより、薄さと柔軟性が高まり計測精度が向上するだけでなく、半田パッドなどの取付け部位を不要とし、小型高密度化や耐久性を高める。
さらに、圧力センサについて、既存のフレキシブル回路基板の製造工程を大きく変更することなく、低コストで実現できるようにする。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施の形態]
<1:圧力センサの概略構成>
図1を参照して、本実施の形態に係る圧力センサ1の概略構成について説明する。
図1(A)はカバーフィルムを外して示す模式的斜視図、(B)は(A)のカバーフィルムを積層した状態の模式的斜視図、(C)は模式的断面図である。
[基本構成]
図1に示すように、本実施形態に係る圧力センサ1は、フレキシブル回路基板を構成する導電体パターン4が形成されたベースフィルム2とカバーフィルム5の任意の位置に、中空部6を構成し、その内部に一対の電極41、42を構成したものである。そして、カバーフィルム5の電極41,42と対面する面に、感圧用薄膜3を成膜することで、圧力がかかったときの接触抵抗の変化を検出する圧力検出部を構成する。
中空部6を構成するために、ベースフィルム2とカバーフィルム5の間に、中空部6を取り囲むように土手8、さらにそれを囲むようにスペーサ7が介装されている。
このように、圧力センサ1を構成するためには、ポリイミドフィルム等のベースフィルム2とカバーフィルム5の、2枚のフィルムで、電極41,42を挟み込み、スペーサ7に接着する。
スペーサ7は、カバーフィルムを接着する接着剤、もしくは、非接着性のスペーサ素材に接着剤を積層させたものなどで構成される。
カバーフィルム5を相手材に貼り合わせる場合、予め接着剤を塗布あるいは形状加工した接着剤シートを貼り合わせた積層体を構成し、温度・圧力をかけて相手材とのラミネートを行う。これによって一度に、大面積かつ高精度に多数の圧力センサを製造することができる。
ところが、接着剤はラミネート時の熱により接着剤が軟化し周辺部に流れ出し出すため中空構造にしたい部分に流れ出し、その中空部6を塞いだり、狭くしてしまったりという問題があるために、感光性カバーや印刷インクなどを利用して土手8を造形し、土手8によって接着剤の流れ込みを防止する。
また、ベースフィルム2やカバーフィルム5として、フレキシブル回路基板の一般的な材料であるポリイミドは、水分や酸素を透過するため、電極等41,42を含む導電体パターン4をスペーサ7、メッキ9のいずれかによって保護することにより、製造工程中および使用時に酸化してしまうということを防ぐことができる。
[各部詳細構成]
次に、ここで挙げた各層についてさらに詳しく説明する。
[ベースフィルム2、カバーフィルム5について]
ベースフィルム2及びカバーフィルム5には、ポリイミドフィルムが用いられる。もちろん、ポリイミドフィルムに限られず、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、環状ポリオレフィン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマーから選ばれる1種からなるフィルム、又は複数の樹脂フィルムを積層した積層フィルムを用いることができる。
なお、ベースフィルム2及びカバーフィルム5の厚さは5〜100μmが好ましく、特に5〜50μmであるとよい。
ベースフィルム2及びカバーフィルム5に用いられる材料は、同じ材料であってもよいし、それぞれ異なる材料が選択されてもよい。
[導電体パターン]
図2に示すように、積層されるベースフィルム2とカバーフィルム5は同一幅の細い帯状構成で、電極41,42は、ベースフィルム2の長手方向に所定隙間を介して互いに離間して直列に配置された平面電極によって構成されている。また、他方の側縁側には、複数本の配線層43が延びている。
電極41,42が設けられる中空部6は、ベースフィルム2の一方の電極41,42側の側縁に片寄った位置に設けられ、側縁に開放されている。この例では、ベースフィルム2の長手方向に長い矩形状で、一方の長辺が開放側の側縁で、長手方向両端の端辺が開放側の側縁に対して直角に延びており、他方の長辺が開放側の側縁と平行に延びている。
電極41,42は、銅や銀、アルミニウム等の公知の金属又はカーボンなどの導体によって導電体パターン4として一体的に構成される。この実施例では、導電体パターン4は、ベースフィルム2の表面に、接着層11を介して積層した圧延銅箔又は電解銅箔をエッチング加工する、所謂サブトラクティブ法にて形成する。その他の導電体パターン4の形成方法としては、ベースフィルム2上に、銅のような金属を用いて、蒸着またはスパッタ、湿式メッキ等の方法の他、銀またはナノカーボン等を含む導電性ペーストの印刷により形成することもできる。
接着層11は、熱可塑性ポリイミド等の公知の熱可塑性樹脂、またはシアネートエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、ナフタレン樹脂、ユリア
樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ケイ素樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びポリウレタン樹脂等の公知の熱硬化性樹脂を用いて形成される。あるいは、接着層12は、上述の有機樹脂に、シリカまたはアルミナ等の無機フィラーを分散させたもので形成することもできる。
[接触抵抗方式の導入]
この実施例では、感圧部として、カバーフィルム5に感圧用薄膜3が成膜されている。この感圧用薄膜3は、有機、無機材料を問わず電極と接触することにより接触抵抗変化を生じる材料により構成されている。
この例では、ポリイミドフィルムからなるカバーフィルム5上に酸化銅や硫化銅などの感圧用薄膜3を形成したものと、FPCの銅配線を利用した電極41、42の表面に金メッキを施した導体を組み合わせることで、圧力センサを構成している。
すなわち、導電体同士には接触抵抗が存在するが、一般に圧力の増減で接触抵抗が増減するため、圧力検出に利用できる。しかし、銅と銅の接触抵抗では、わずかな圧力で抵抗値が大きく低下するため、ダイナミックレンジがでず、圧力検出用として利用するのは難しい。
これに対し、硫化銅や酸化銅などの半導体と、銀や金といった導体の組み合わせによる接触抵抗では、低圧力時の接触抵抗が数KΩ 〜数MΩ であり、圧力が増すにつれて数Ω 〜数KΩ へと変化するため、非常にダイナミックレンジが大きくできるという特徴がある。
そこで、カバーフィルム5に感圧用薄膜3を成膜したフィルムを用意すれば、一般のFPCの生産ライン内でラミネートでき、特殊な実装工程を減らすことができ、低コスト化が実現できる。
フィルムに感圧用薄膜3を形成する手法としては、ポリイミドフィルムに酸化銅などをスパッタリングや蒸着などで皮膜化する方法や、ポリイミドフィルム上に貼り合わせた銅箔を酸化することで表面を酸化銅にする方法、あるいは銅インクや亜酸化銅インクを印刷または塗布して大気中で加熱することで酸化銅を形成することができる。
このように、感圧用薄膜3を成膜したカバーフィルム5を用意すれば、一般のFPCの生産ライン内でラミネートでき、特殊な実装工程を減らすことができ、低コスト化が実現できる。
[スペーサ7]
スペーサ7は、感光性カバーや印刷インクなどとし、スペーサ7とカバーフィルム5の間は接着層12により接着される。スペーサ7を接着剤とし、接着層12と同一のものとしても構成できる。
感光性カバーは、高精度に銅配線の上に保護膜を形成することができるが、2枚のポリイミドフィルムを接着するためには使われない光硬化樹脂である。
一般的には、カバーレイとして、ポリイミドフィルム等のフィルムカバーと感光性カバーとは目的に合わせ別々に使用される。機械的あるいは化学的な強度が要求される場合は、フィルムカバーが使用され、実装部品周辺部の寸法公差が要求され、機械的あるいは化学的な強度がそれほど要求されない場合に、感光性カバーが使用される。合わせて使用される場合は、フィルムカバーをラミネートし、カバーされていない領域に感光性カバーが部分的に使用される場合がある。
本実施の形態では、カバーレイとして、ポリイミドのカバーフィルム5とスペーサ7として作用する感光性カバーの二層構造として使用し、まず、中空構造内部に構成する電極部を除いて感光性カバーによって電極41,42を含む導電体パターン4の露出領域を保護する。
感光性カバーは、マスクを使用した露光・現像によって微細な形状に加工できるため、任意に、覆う部分と覆わない部分を選択、作製でき、高い寸法精度も実現できる。
[導電体パターン4の露出部のメッキ]
感圧用薄膜3と対向する電極41,42は、劣化を防ぐために金メッキなどメッキを施すのが望ましい。通常、金メッキ等のメッキ処理は、カバーレイなどが施された最終に近い段階で行われるが、本方式の場合、カバーフィルム5を張り合わせる前の段階で行う。この場合、電極41,42以外の配線部分も露出しているため全面に金メッキがなされる。全面が金メッキされると、コストがかかり、Niメッキでは、柔軟性が損なわれ、耐久性が悪化する。
そのため、電極41、42以外の配線部分はメッキから保護するのが望ましい。通常は粘着シールなどでマスクするが、高分解能な小型の圧力検出素子を構成するためには、粘着シールでのマスクは位置精度がでないため困難である。そこで、薄い感光性カバーによりカバーする方法を導入する。
スペーサ7として感光性カバーを用いた場合には、それをメッキマスクとして使用することもできる。
[土手の構造(接着剤流入防止)]
スペーサ7が被覆されたベースフィルム2に、カバーフィルム5が接着剤12によって貼り合わされて、電極露出領域に中空部6が構成される。接着層12は常温では固体だが高温化で流動化させ2枚のフィルムに密着させた状態で熱硬化することで接着される。
接触抵抗方式では、感圧用薄膜3と電極41,42が分離している必要があるが、圧力検知部以外では2枚のフィルムは接着されている必要がある。この場合、圧力検知部のみ接着層を取り除いてから2枚のフィルムを熱接着すればよいが、高温状態では接着層が流動化し感圧検知部に流れ込んでしまう。
そこで、前もって圧力検知部の周りに土手8によって囲いを作ることにより、液状化した接着剤が流れ込んでくるのを防ぐことができる。本実施の形態のように、感光性カバーを用いると加工精度や位置精度を高く土手の構造を作製できる。
また、このような土手8のような構造は、圧力検知部が無負荷時に電極41,42に接触してしまうのを防ぐ役目も果たすことができる。
この例では、矩形状の中空部の3辺を取り囲むように、コ字形状に形成される。
このように構成した圧力センサ1における感光性カバーによるスペーサ7、導電体パターンの保護、土手8による接着剤流入防止等の使用方法、構造は、本発明独自の技術であり、量産性を損なうことなく実現でき、従来にない大面積、高密度で安価な圧力センサを製造できる。
[センサ部に突起]
本センサはフィルムのように薄型という特徴を持っているが、中空構造のために、初期加重が必要となる。より高い感度が要求される場合には、中空部の上のカバーフィルム上に小さな突起をつけると、カバーフィルムが中空部分に押し込まれやすくなり、初期感度を高める効果が生まれる。
圧力検出部のカバーフィルム5の感圧用薄膜3の裏面上部に数μm〜数十μm高さの突起を形成し、その突起が外部から押されることでわずかな圧力でも検知できるよう高感度化も可能である。
突起は、突起は、印刷、樹脂、接着剤、エッチングした銅箔、フィルムのパンチングなどにより形成する方法が考えられる。
[対極構造]
以上の説明では、電極41、42をベースフィルム2上のみに構成する例を示したが、1つの電極をベースフィルム2、もう1つの電極をカバーフィルム5に電極の上に感圧用薄膜3を構成することもできる。この場合、屈曲性は悪くなるが、電極の面積を大きくすることができ、感度を高めることが可能となる。
[囲み]
側面の片側開放構造のみならず、中空部が密閉する構成もあり得る。
同様に、土手8は、コの字形状のみならず、電極をすべて囲むものでもよい。
[製造方法]
本発明の圧力センサは、次のように製造される。
電極との接触圧によって接触抵抗が変化する感圧用薄膜3が予め形成されたカバーフィルム5を予め準備しておく。
まず、ベースフィルム2上に一対の電極41,42及び各種配線層43を含む導電体パターン4を形成する(図2(A)、(B)、図3(A)、(B)参照)。
次に、導電体パターン4が形成されたベースフィルム2に、スペーサ7となる感光性カバーを積層する。そして、少なくとも導電体パターン6の一対の電極41,42に対応する部分を露出させるため感光性カバーを露光・現像し、感光性カバーの残存部分によって導電体パターン4の残りの部分を被覆する(図2(C)、図3(C)参照)。
次いで、導電体パターン4の一対の電極41,42を含む露出部分について酸化防止用の金属メッキ処理を施す(図示せず)。
次に、予め準備したカバーフィルム5を積層し、スペーサ7を被覆したベースフィルム2と接着剤12にて貼り合わせることで、スペーサ7を除去した一対の電極41、42の露出部に中空部6を形成する(図2(D)、(E)、図3(D)、(E)参照)。
また、スペーサ7の露出部を除去する際に、中空部6を取り囲むように土手8を造形しておき、中空部6への接着剤12の流れ込みを防止する。土手8はカバーフィルム5と非接着とする。
[圧力センサの作用]
次に、本実施の形態に係る圧力センサの作用について説明する。
一対の電極41,42には不図示の電流源に接続されている。圧力が作用していない状態では、カバーフィルム5の中空部6に対応する感圧部分51と電極42とは離れており、電極41、42間には電流は流れない。
所定の圧力が作用すると、中空部6に対応する感圧部分51がたわみ変形して感圧用薄膜3が電極41,42に接触し、接触圧に応じて接触抵抗が変化し、電極間に流れる電流が変化する。
感圧用薄膜3に感圧抵抗素材を用いた場合は、接触抵抗に加えて、感圧用薄膜3自身の圧力による電気抵抗の変化により、抵抗値が大きく変化し、この電気抵抗の変化を電気信号として取り出し、圧力を検出する。
また、単純に屈曲して感圧部分51が変形したとしても、中空部6の初期隙間によってある程度変形が吸収されるので、屈曲による計測誤差は軽減される。
ベースフィルムは帯状構成で、前記中空部はベースフィルムの一方の側縁に片側開放されているので、感圧部分51が圧力変化に応じて変形しやすい。また、中空部6内の空気は外部と流通するので、感圧部分51の変形を阻害しない。
[切れ込みによる内部圧力の低減化]
次に、カバーフィルム5に切れ込み10を入れた形態について説明する。
カバーフィルム5に切れ込み10を入れることで、屈曲時のカバーフィルム5に作用する引張力を軽減する。カバーフィルム5に切れ込み10を入れてあると引張力を減少できるため、結果として屈曲による内部圧力が減少することになる。
図4には、圧力センサのカバーフィルム5をI字カットする場合と、L字状のカットする場合を模式的に示している。
図4(A)、(B)は、I字カットの例である。
切れ込み10は、中空部に対応する矩形状の感圧部分51を、開放側の側縁から直角に直線状にカットしている。引張力が完全にキャンセルできない。その代わり、製造自体は簡単と言える。図4では切れ込み10が反対側縁まで突っ切っていないが、突っ切りとすることも可能である。
図4(C)、(D)は、L字カットの例である。
切れ込み10はL字形状で、中空部に対応する矩形状の感圧部分51を、開放側の側縁から直角に延びる横スリット10aと、横スリット10bとによって構成される。
このようにL型に切れ込み10を入れると、中空部に対応する感圧部分51が、片持ち状態となり、屈曲時の内部圧力をほぼゼロにすることが可能である。内部圧力を完全にキャンセルできる半面、切れ込み加工が難しく、状況に応じて、両者を使い分ける。
図5は、図1の圧力センサに、切れ込みを入れた例を示している。
図5(A)はI字形状の切れ込みを設けた例、図5(B)は、L字形状の切れ込みを入れた例である。
[切れ込みと電極形状との関係]
図4(E)、(F)には、切れ込み10と電極41,42の位置関係を示している。
電極形状には、通常はクシ同士が噛み合うような形態の櫛型が利用される場合が多いが、形状が小さくなってくると、櫛型では接触領域の有効面積が小さくなるので、小型の圧力センサの場合は、単純な2つの平行した電極41、42が適している。
また、電極サイズが小さくなってくると、電極41,42のサイズに対して接着層などの厚みが有意に影響力を持つようになる。つまり、中空部6に対応する感圧部分51を上から押した場合、切れ込み10近辺から接触が始まり、徐々に根元側に接触面が広がるように推移することになる。
そのため、電極の分割位置を単純に中心に設定してしまうと、図4(E)に示すように、片当たりしてしまうおそれがある。そこで、図4(F)に示すように、2つの電極41,42を切れ込み10に寄せる形で設定することが好ましい。
同様の理由で、圧力検知領域の感圧部分51を長手方向に平行に2分割すると根元側の電極がほとんど接触できなくなってしまうため、直角に2分割する形状にする必要がある。
図6,8乃至図10は、本発明の圧力センサの導電体パターン、感光性カバーの被覆パターン及びフィルムカバーの切れ込みパターンの各種変形例を示している。
基本的な構成は、上記実施の形態で説明した圧力センサと同じであり、同一の構成部分については、同一の符号を付して、説明は省略する。
変形例1
図6は、変形例1を示している。
この変形例1は、(A)カバーフィルム5の切れ込み10がL字の代わりとしてT字形状であり、(B)接着剤12によって、(C)スペーサ7が被覆された、(D)ベースフィルム2に貼りつけた時に、中空部6に対応する感圧部分51が片持ち構造となり、自由端が土手8の上に当接する構成(E)となっている。
受圧変形する感圧部分51の自由端が土手8に乗ることで、電極41、42とカバーフィルム5の予期せぬ接触を防ぐ効果がある。
土手8の側辺部と電極41,42との距離が短いことから、感光性カバーで被覆が必要な配線層43の領域を広くとることができ、同じ幅のベースフィルム2に対して配線数を増やすことができる。
この測定に使用した圧力センサは、ポリイミドシートのカバーフィルム5に、感圧用薄膜3として、スパッタリングで酸化銅薄膜を形成し、予め形状加工した接着シート12を貼り合わせした材料を準備する。ベースフィルム2に積層した銅箔をエッチング加工して導電体パターン4を形成し、感光性カバーをラミネートして露光・現像する。その後、電極41,42表面にニッケルと金をメッキして、カバーフィルム5をラミネートし圧力セ
ンサを試作した。
図7は、この圧力センサの圧力検知特性の測定例を示している。横軸が力(ログスケール)、縦軸が、抵抗値である。圧力に応じて抵抗変化が発生し、再現性よく圧力および圧力分布の測定ができることが確認された。
変形例2
図8は、変形例2を示している。
この変形例2は、(A)カバーフィルム5の切れ込み10がI字形状の突っ切りであり、(B)接着剤によって、(C)スペーサ7が被覆された(D)ベースフィルム2に、(E)中空構造となっている感圧部分51が、縦横2辺で接着される構造である。中空構造となっている感圧部分51の自由端が、土手8の上に乗ることで、予期せぬ電極41,42とカバーフィルム5との接触を防ぐことができる。
変形例3
図9は、変形例3を示している。
この変形例3は、(A)カバーフィルム5の切り込み10がT字形状であり、(B)接着剤によって、カバーフィルム5を(C)スペーサ7が被覆された(D)ベースフィルム2に貼りつけた時に、(E)中空構造となっている圧力を受圧する感圧部分が片持ち構造となっているが、自由端が土手8の上に乗っていない。
電極41,42と、中空構造となっている感圧部分51が接触しやすくなるため、高感度化が実現できる。また、電極41,42を囲む土手8が大きくなるため、配線領域、接着面積が少なくなる。
変形例4
図10は、変形例4を示している。
この変形例4は、(A)カバーフィルム5の切れ込み10がI字形状であり、(B)接着剤によって、(C)スペーサ7が被覆された(D)ベースフィルム2に、(E)中空構造となっている感圧部分51が、縦横2辺で接着される構造であるが、感圧部分51が土手8の上に乗らない構造となっている。
これにより、電極41,42とカバーフィルム5との接触がしやすくなるため、高感度化が実現できる。I字カットによって、構造が単純化し、配線領域、接着面積について広くとることができる。
また、上記各種変形例それぞれの構造において、電極41,42の形状について、図11(A)に示すような櫛形電極とすることが可能である。
さらに、図11(B)に示すように、圧力センサ1の裏側に、銅のパターンを残して補強板13とすることもできる。このように補強すれば、圧力センサ1のセンシング性能を向上させることができる。
[電子部品実装によるモジュール化]
図12(A)から(C)は、本発明の圧力センサを用いた圧力検出モジュールを示している。図12(C)に示す圧力検出モジュールは、単一の帯状部111を有するフレキシブル回路基板110と、フレキシブル回路基板を構成する帯状部に複数配置された上述した本発明の圧力センサ1と、を備えた構成となっている。圧力センサ1は、各帯状部111の側縁に並べられている。
圧力検出モジュール100は、さらに、フレキシブル回路基板110に設けた1つ以上の通信用端子120と、フレキシブル回路基板110に設けられ、圧力センサ1の情報を通信用端子に送信する通信機能を有する1つ以上の電子回路部140と、を備えた構成となっている。
図12(C)に示した形状は単一の帯であるが、これが複数の帯からなるツリー状でも
よいし、帯の形状が波状であってもよい。
このようにフレキシブル配線板は耐熱性を持ち、部品実装が可能で有り、必要な個所に電子部品やICを搭載できる。これによって、圧力センサの周辺での信号処理や通信制御が可能になる。外部の基板に接続の必要がないため、省配線、軽量化が可能であり、必要であれば温度センサや他のセンサを実装して複合的なセンサモジュールとしての利用も考えられる。
図12(A)に示す圧力検出モジュール100は、複数の帯状部111を有するフレキシブル回路基板110と、フレキシブル回路基板を構成する帯状部に配置された上述した本発明の圧力センサ1と、を備えた構成となっている。複数の帯状部111は階層的に分岐しているツリー構造から構成されており、圧力センサ1は、各帯状部111の末端部位に設けられている。特に、圧力センサ1の間の配線部分について、柔軟な面に対してより追従して変形しやすくなるように、ツリー構造の帯状部は、ジグザグ形状部112によって接続された構成となっている。
圧力検出モジュール100は、さらに、フレキシブル回路基板110に設けた1つ以上の通信用端子120と、フレキシブル回路基板110に設けられ、フレキシブル回路基板100を延出する配線130によって通信用端子120に電気的に接続され、複数の圧力センサ1の情報を通信用端子に送信する通信機能を有する1つ以上の電子回路部140と、を備えた構成となっている。
圧力検出モジュールの形態は、適用部位に応じて、種々の構成とすることができる。たとえば、図12(B)は、帯状のフレキシブル回路基板110の任意箇所に圧力センサが一体的に形成される。
圧力センサ及び圧力検出モジュールを、大面積、高密度、かつ安価に製造する構造、手法としては全圧力検知部をロールツーロール形式で、一度にラミネートし製作する方法だけでなく、カットしたシート形態による貼り合わせ、または部分的にラミネート、あるいは個々に検知部を実装することも有効である。
個々に検知部を実装するには予め検知部を製作する必要があるが、これによって、1 種類のセンサだけでなく他のセンサとの組み合わせで複合的なセンサシステムが構成できる。
さらに、任意の箇所だけのセンサ搭載が出来きるので予め標準的なセンサマトリックス構造を作製し、必要な箇所だけに検知部を実装することで非常に効率的にセンサシステムを構築できる。
ただし、実装のためセンサマトリックス部と検知部に電極構造が必要であり、若干のコストアップと厚さが増加してしまう。目的によって一括ラミネート、部分ラミネート、部分実装方式をとることが推奨される。
なお、上記実施の形態の説明では、圧力センサが帯状構成で、片側開放の中空部を有する場合について説明したが、帯状構成でなくてもよいし、中空部については開放していなくてもよい。要するに、フレキシブル回路基板を構成するベースフィルムとカバーフィルムの任意の箇所に中空部を形成し、電極を設け、電極を囲む土手を有し、圧力に応じて中空部に対応する感圧用薄膜が接触し、接触抵抗方式によって圧力を検出できる構成であればよい。
たとえば、図13(A)に示すように、土手8を設けず、接着シート12の端面を感光性カバーよりなるスペーサ7の端面より後退させ、熱圧着時に流動化した接着剤が中空部に流れ込まないように保持する領域を確保することも可能である。図13(B)に示すように、感光性カバーを土手8としてのみ用い、それ以外の部分では厚い接着シート12でカバーフィルム5とベースフィルム2を貼るようにして、スペーサ7を兼用させても良い。圧力センサを小型化しても、接着剤の流れ込みによる圧力センサの性能への影響を免れ
るためには、接着剤が中空部に流れ込まないように構成することが、重要である。
本発明の圧力センサ及び圧力検出モジュールは、主として、様々な球状曲面を含む曲面、特に曲率が小さく動的な曲率変化も起こりえる柔軟な曲面(以降、柔軟曲面と表現する)、などの圧力分布計測において、低計測誤差や高分解能性を要する用途に適する。
例えば、人間やロボットの体表面、あるいは、それらと接する物体表面が代表的な計測対象となる。主たる適用分野は、手指や足裏用触覚センサ(情報機器の入力装置、手にする製品の開発評価)、ロボットハンドや義手の触覚センサ、イスやベッドの面圧分布計測(医療福祉、製品開発評価)、胴体や手足の圧力分布計測(医療、運動計測用、服飾開発)等に広く適用可能である。
1…圧力センサ、2…ベースフィルム、3…感圧用薄膜、4…導電体パターン、5…カバーフィルム、41,42…電極、6…中空部、7…感光性カバー、8…土手、9…メッキ、10…切れ込み、100…圧力検出モジュール、111…帯状部

Claims (6)

  1. 一つ以上の電極を有する導電体パターンが設けられたベースフィルムと、
    該導電体パターンの電極を覆うようにベースフィルムに積層されるカバーフィルムと、
    該カバーフィルムとベースフィルム間に設けられ、前記電極とカバーフィルムの間に所定の隙間を有する中空部を構成するスペーサと、を備え、
    前記カバーフィルムの前記中空部に対応する部分は、圧力に応じて前記電極に接離する方向に変形可能で、前記電極との接触圧に応じて接触抵抗が変化し、接触抵抗の変化によって圧力を検出する構成となっているとともに、
    前記ベースフィルムの前記一つ以上の電極が形成された面の裏側に、補強板を構成することを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記補強板は、少なくとも、前記一つ以上の電極が形成された領域よりも大きな面積で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記補強板は、前記電極と同じ金属からなることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 前記補強板は、銅またはアルミニウムの金属箔からなることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記補強板は、エッチング加工によって形成されることを特徴とする請求項4に記載の圧力センサ。
  6. 前記補強板は、電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の圧力センサ。
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