JP7213921B2 - せん断力センサー及びせん断力センサー用の検出部 - Google Patents

せん断力センサー及びせん断力センサー用の検出部 Download PDF

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Description

本発明は、せん断力センサー及びせん断力センサー用の検出部に関し、特に静電容量によりせん断力を検出するせん断力センサー及びせん断力センサー用の検出部に関する。
特許文献1(特許第6823100号公報)には、せん断力分布を測定できる静電容量検出装置が開示されている。特許文献1の静電容量検出装置を用いてせん断力の分布を測定する場合には、電極間の局所的な距離の変動または面積の変動による静電容量の変化を検出することが要求される。
特許第6823100号公報
特許文献1に記載されているように、電極間の局所的な距離の変動などからせん断力を検出するには、電極間に柔軟性の高い材料を使用する必要があるため、電極間に配置する材料として適用可能な材料が少なく、せん断力を検出する装置に高い耐久性を持たせることが難しい。
また、せん断力の分布を測定するために、特許文献1に記載の静電容量検出装置は異なる方向のせん断力を検出する検出電極を異なる層に形成しなければならず、異なる方向の検出感度に差が生じたり、積層方向の厚さが増したりするという問題が生じる。
本発明の課題は、複数方向のせん断力を検出するせん断力センサーの検出部を薄く丈夫なものとすることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るせん断力センサーは、互いに対向する第1電極層及び第2電極層と、第1電極層と第2電極層との間に在って両電極層を電気的に絶縁するとともに、第1電極層の第1面内方向に弾性変形可能な絶縁弾性体層と、第1電極層及び第2電極層に接続されている検出回路とを備えている。第1電極層には、第1分離溝で互いに絶縁されている第1駆動電極及び第2駆動電極が形成されている。第1電極層には、第2分離溝で互いに絶縁されている第3駆動電極及び第4駆動電極が形成されている。第1分離溝が第1面内方向の中で第1方向に延びる第1部分を有し、第2分離溝が第1面内方向の中で第2方向に延びる第2部分を有し、第1方向と第2方向が互いに交差する方向である。第2電極層には、第1面内方向と直交する第1法線方向に見て、第1駆動電極、第1分離溝の第1部分及び第2駆動電極と重なる第1検出電極が形成されている。第2電極層には、第1法線方向に見て、第3駆動電極、第2分離溝の第2部分及び第4駆動電極と重なる第2検出電極が形成されている。検出回路は、第1面内方向において第1方向と直交する第1せん断方向に掛かる第1せん断力を、第1駆動電極と第1検出電極の間に生じる第1容量の変化と第2駆動電極と第1検出電極の間に生じる第2容量の変化に基づいて検出し、第1面内方向において第2方向と直交する第2せん断方向に掛かる第2せん断力を、第3駆動電極と第2検出電極の間に生じる第3容量の変化と第4駆動電極と第2検出電極の間に生じる第4容量の変化に基づいて検出する。
このような構成を有するせん断力センサーは、絶縁弾性体層を挟む第1電極層と第2電極層の2つの電極層で第1せん断方向と第2せん断方向を検出する検出部を構成でき、せん断力センサーの検出部を薄くすることができる。また、第1電極層と第2電極層の2つの電極層の比較的広い領域で第1せん断方向と第2せん断方向の2つのせん断力を検出することができ、比較的伸縮性の小さい材料も絶縁層の材料として用いることができるので、絶縁弾性体の材料に比較的耐久性が高い材料を選択することが可能になり、丈夫なせん断力センサーを提供することができる。
上述のせん断力センサーは、第2駆動電極が、第3駆動電極を兼ねてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、第2駆動電極が第3駆動電極を兼ねることで駆動電極の数を減らすことができる。
また、上述のせん断センサーは、第2駆動電極が第3駆動電極を兼ねるとともに、第1駆動電極が第4駆動電極を兼ねるように構成してもよい。このように構成されたせん断力センサーは、駆動電極を2つ減らすことができる。
上述のせん断力センサーは、第1分離溝の延びる方向を複数回変更することにより第1部分が複数箇所に設けられ、第1検出電極が、第1法線方向に見て、複数の第1部分と重なる形状を有しているように構成されてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、第1分離溝が直線である場合に比べて第1部分の合計長さを増やし易くなり、せん断力センサーの感度を容易に向上させることができる。
上述のせん断力センサーは、第1駆動電極と第1分離溝と第2駆動電極と第1検出電極の組みが複数組み設けられてもよい。このように第1駆動電極と第1分離溝と第2駆動電極と第1検出電極が複数組み形成されるせん断力センサーは、一組だけ形成される場合に比べて、第1検出電極の合計の面積を増やし易くなり、せん断力センサーの感度を容易に向上させることができる。
上述のせん断力センサーは、絶縁弾性体層が、第1法線方向に弾性変形可能であり、検出回路が、第1容量、第2容量、第3容量及び第4容量の変化に基づき、第1法線方向の押圧力を検出するように構成されてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、せん断力だけでなく、押圧力も検出することができる。
上述のせん断力センサーは、第1絶縁層、第1シールド層、第2絶縁層及び第2シールド層をさらに備え、第1法線方向において、第1シールド層、第1絶縁層、第1電極層、絶縁弾性体層、第2電極層、第2絶縁層、第2シールド層の順に配置され、第1シールド層及び第2シールド層は、第1法線方向に見て第1電極層及び第2電極層の全面とそれぞれ重なるシート状導電体からなり、第1絶縁層及び第2絶縁層は、それぞれ、第1電極層と第1シールド層との間を絶縁し、第2電極層と第2シールド層との間を絶縁するように構成されてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、第1シールド層及び第2シールド層により、電界が第1電極層または第2電極層に与える影響を減少させて、ノイズによる影響を小さくすることができる。
上述のせん断力センサーは、第1法線方向において、第1電極層と重なるタッチセンサーを備え、検出回路は、タッチセンサーによる接触を検出できるように構成されてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、せん断力を検出できない場合でもせん断力センサーに対する接触の認識を行うことができる。
上述のせん断力センサーは、検出回路と第1電極層及び第2電極層とを接続する配線部をさらに備え、配線部が、第1電極層及び第2電極層と絶縁弾性体層とを含む検出部よりも変形容易である柔軟部を有してもよい。このように構成されたせん断力センサーは、柔軟部の変形によってせん断力の検出に生じる誤差を小さくすることができる。
上述のせん断力センサーは、第1電極層、第2電極層及び絶縁弾性体層が曲がっており、絶縁弾性体層は、第1面内方向とは異なる第2面内方向にも弾性変形可能であり、第1電極層には、第2面内方向に延びる第3分離溝で互いに絶縁され且つ第2面内方向に広がっている第5駆動電極及び第6駆動電極が形成されており、第3分離溝が第2面内方向の中で第3方向に延びる第3部分を有し、第2電極層には、第2面内方向と直交する第2法線方向に見て、第5駆動電極、第3分離溝の第3部分及び第6駆動電極と重なる第3検出電極が形成されており、検出回路は、第2面内方向において第3方向と直交する第3せん断方向に掛かる第3せん断力を、第5駆動電極と第3検出電極の間に生じる第5容量の変化と第6駆動電極と第3検出電極の間に生じる第6容量の変化に基づいて検出する、ように構成されてもよい。このように構成されたせん断力センサーは、第1せん断力及び第2せん断力の生じている第1面内方向とは異なる第2面内方向の第3せん断力を検出することができる。
本発明の一見地に係るせん断力センサー用の検出部は、互いに対向する第1電極層及び第2電極層と、第1電極層と第2電極層との間に在って両電極層を電気的に絶縁するとともに、第1電極層の第1面内方向に弾性変形可能な絶縁弾性体層とを備える。第1電極層には、第1分離溝で互いに絶縁されている第1駆動電極及び第2駆動電極が形成されている。第1電極層には、第2分離溝で互いに絶縁されている第3駆動電極及び第4駆動電極が形成されている。第1分離溝が第1面内方向の中で第1方向に延びる第1部分を有し、第2分離溝が第1面内方向の中で第2方向に延びる第2部分を有し、第1方向と第2方向が互いに交差する方向である構成になっている。そして、当該せん断力センサー用の検出部においては、第2電極層には、第1面内方向と直交する第1法線方向に見て、第1駆動電極、第1分離溝の第1部分及び第2駆動電極と重なる第1検出電極が形成されている。第2電極層には、第1法線方向に見て、第3駆動電極、第2分離溝の第2部分及び第4駆動電極と重なる第2検出電極が形成されている。
本発明のせん断力センサーによれば、第1せん断力方向と第2せん断力方向の複数方向のせん断力を検出するための第1電極層、絶縁弾性体層及び第2電極層を含む検出部を薄く丈夫なものとすることができる。
第1実施形態に係るせん断力センサーの検出部でのせん断力の検出を説明するための斜視図である。 せん断力センサーの第1電極層と第2電極層のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 図2のI-I線で切断した検出部の断面図である。 せん断力センサーの検出回路の動作を説明するためのフローチャートである。 検出部の静電容量を説明するための模式的な断面図である。 検出部のX単位セル及びY単位セルを説明するための模式的な平面図である。 第1電極層及び第2電極層の他のパターンの例を示す模式的な平面図である。 第1電極層及び第2電極層の他のパターンの例を示す模式的な平面図である。 第1電極層及び第2電極層の他のパターンの例を示す模式的な平面図である。 分離溝の幅の決定方法を説明するための模式的な断面図である。 配線部の平面形状を説明するための模式的な平面図である。 配線部の断面形状の一例を示す模式的な断面図である。 配線部の断面形状の他の例を示す模式的な断面図である。 第3実施形態に係る検出部を説明するための模式的な断面図である。 第4実施形態に係るせん断力センサーの第1シールド層と第1電極層と第2電極層のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 曲面に沿ってせん断力センサーを固定する場合のパターン設計を説明するための模式図である。 第6実施形態に係るせん断力センサーの第1電極層と第2電極層のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 第7実施形態に係るせん断力センサーの構成を説明するための模式図である。 第7実施形態に係るせん断力センサーの第1電極層と第2電極層のパターンの一例を示す模式的な平面図である。 第8実施形態に係る円柱に適用されたせん断力センサーを説明するための模式的な斜視図である。
<第1実施形態>
(1)せん断力センサーの構成の概要
図1には、せん断力センサー1の検出部2の表面2aを、人の手指90が擦っている状態が示されている。このせん断力センサー1は、支持台80に固定されており、手指90と表面2aとの間で発生する摩擦力を検出する。ここでは、せん断力センサー1による簡単なせん断力の検出について説明している。このようなせん断力センサー1は、例えば、ロボットアームなどの機器の可動部分に加わる力を測定する力覚センサーに適用することができる。また、せん断力センサー1は、ユーザインタフェースの操作端末に適用することができる。ユーザインタフェースの操作端末には、例えば、マウス、タッチパッド、ジョイステックがある。図2には、せん断力センサー1の第1電極層20と第2電極層30の平面構造と、第1電極層20と第2電極層30に接続されている検出回路3が示されている。図3には、図2のI-I線でせん断力センサー1の検出部2を切断したときの検出部2の断面構造が示されている。
図3に示されているように、検出部2は、第1電極層20及び第2電極層30と絶縁弾性体層10とを含んでいる。第1電極層20と第2電極層30とは、互いに対向している。絶縁弾性体層10は、第1電極層20と第2電極層30との間に在って、第1電極層20と第2電極層30を電気的に絶縁している。絶縁弾性体層10は、第1電極層20の第1面内方向ID1に弾性変形可能に設けられている。第1面内方向ID1は、図3に矢印で示されている第1電極層20の面に平行な方向である。例えば、図3に示されている第1電極層20と絶縁弾性体層10と第2電極層30の断面に対して垂直な方向も、第1面内方向ID1に含まれる。この絶縁弾性体層10は、電気的な絶縁性と、弾性とを備える絶縁弾性体からなる層である。
(2)第1電極層20
第1電極層20は、全面が第1絶縁層41で覆われ、第2電極層30は、全面が第2絶縁層42で覆われている。第1絶縁層41及び第2絶縁層42は、例えば樹脂製のフィルム基材である。ここでは、第2絶縁層42が支持台80に固定されており、第1絶縁層41に力が加わる場合について説明する。従って、この場合、図1の検出部2の表面2aは、第1絶縁層41の表面になる。
図2に示されているように、検出部2と検出回路3は、配線部4によって接続されている。
検出部2の第1電極層20には、第1分離溝202で互いに絶縁されている第1駆動電極201と第2駆動電極203が形成されている。同様に、第1分離溝206で互いに絶縁されている第1駆動電極205と第2駆動電極207、第1分離溝210で互いに絶縁されている第1駆動電極209と第2駆動電極211、及び第1分離溝214で互いに絶縁されている第1駆動電極213と第2駆動電極215が形成されている。このように、第1電極層20には、4本の第1分離溝202,206,210,214と、4つの第1駆動電極201,205,209,213と、4つの第2駆動電極203,207,211,215が形成されている。第1分離溝202,206,210,214は、第1駆動電極201,205,209,213と第2駆動電極203,207,211,215を構成している導電膜を除去することにより形成される。
第1電極層20には、3本の第2分離溝204,208,212が形成されている。第2分離溝204,208,212は、第1駆動電極201,205,209,213と第2駆動電極203,207,211,215を構成している導電膜を除去することにより形成される。
第2分離溝204,208,212のそれぞれの両側には、第3駆動電極と第4駆動電極が形成されている。ここでは、第2駆動電極203,207,211が第3駆動電極を兼ねており、第1駆動電極205,209,213が第4駆動電極を兼ねている。第2分離溝204で互いに絶縁されている第3駆動電極(第2駆動電極203)と第4駆動電極(第1駆動電極205)が形成されている。同様に、第2分離溝208で互いに絶縁されている第3駆動電極(第2駆動電極207)と第4駆動電極(第1駆動電極209)、及び第2分離溝212で互いに絶縁されている第3駆動電極(第2駆動電極211)と第4駆動電極(第1駆動電極213)が形成されている。このように、第1電極層20には、3本の第2分離溝204,208,212と、3つの第3駆動電極を兼ねている3つの第2駆動電極203,207,211と、3つの第4駆動電極を兼ねている3つの第1駆動電極205,209,213が形成されている。
ここでは、検出部2の面積を小さくするために第2駆動電極203,207,211が第3駆動電極を兼ねる場合について説明したが、第2駆動電極と第3駆動電極は別々に形成してもよい。また、検出部2の面積を小さくするために第1駆動電極205,209,213が第4駆動電極を兼ねる場合について説明したが、第1駆動電極と第4駆動電極は別々に形成してもよい。また、第2駆動電極が第3駆動電極を兼ねる場合及び第1駆動電極が第4駆動電極を兼ねる場合の少なくとも一方の場合には、検出部2の面積を小さくすることに加え、駆動処理すべき電極数を削減することができる。駆動処理すべき電極数を削減することで、引き回すべき配線を削減して、検出エリアの周囲及び配線部4の幅を狭くすることができ且つ端子数を削減できるためせん断力センサー1の設計及び検出回路3の制御が容易になる。
第1分離溝202,206,210,214は、それぞれ、第1面内方向ID1の中でX方向(第1方向)に延びる第1部分252,256,260,264を有している。第1分離溝202,206,210,214の延びる方向を複数回変更することにより第1部分252,256,260,264がそれぞれ複数箇所に設けられている。ここでは、第1分離溝202,206,210,214は、それぞれ延びる方向を複数回変更して蛇行している。そして、複数の第1部分252,256,260,264に配置された第1検出電極301,303,305,307がそれぞれ第1法線方向ND1に見て、複数の第1部分252,256,260,264と重なる形状を有している。言い換えると、複数の第1部分252,256,260,264と重なっている第1検出電極301,303,305,307の部分が数珠つなぎに接続されている。
第2分離溝204,208,212は、それぞれ、第1面内方向ID1の中でY方向(
第2方向)に延びる第2部分254,258,262を有している。第1方向であるX方向と第2方向であるY方向は、互いに交差する方向であり、この場合には、第1方向と第2方向が互いに直交する方向である。
従って、第1部分252,256,260,264は、X方向(第1方向)に直交するY方向(第1せん断方向)のせん断力を検出するために設けられている部分であり、第2部分254,258,262は、Y方向(第2方向)に直交するX方向(第2せん断方向)のせん断力を検出するために設けられている部分である。
図6には、第1部分252と第1せん断方向(矢印Ar1で示されている方向)との関係が示されている。第1部分252は、第1分離溝202のうちのX方向(第1方向)に延びている部分である。第1駆動電極201と第1部分252と第2駆動電極203がY方向に並んでいるので、第1部分252と重なっている第1検出電極301により、Y方向(矢印Ar1の方向)のせん断力を検出することができる。
また、図6には、第2部分254と第2せん断方向(矢印Ar2で示されている方向)との関係が示されている。第2部分254は、第2分離溝204のうちのY方向(第2方向)に延びている部分である。第3駆動電極を兼ねる第2駆動電極203と第2部分254と第4駆動電極を兼ねる第1駆動電極205がX方向に並んでいるので、第2部分254と重なっている第2検出電極302により、X方向(矢印Ar2の方向)のせん断力を検出することができる。
図6に示されているのは、1つの第1部分252を用いたY単位セルUYの例であり、1つの第2部分254を用いたX単位セルUXの例である。
(3)第2電極層30
第2電極層30には、第1法線方向ND1(図3参照)に見て、第1駆動電極201、第1分離溝202の第1部分252及び第2駆動電極203と重なる第1検出電極301が形成されている。同様に、第2電極層30には、第1法線方向ND1に見て、第1駆動電極205、第1分離溝206の第1部分256及び第2駆動電極207と重なる第1検出電極303が形成され、第1駆動電極209、第1分離溝210の第1部分260及び第2駆動電極211と重なる第1検出電極305が形成され、並びに第1駆動電極213、第1分離溝214の第1部分264及び第2駆動電極215と重なる第1検出電極307が形成されている。
第2電極層30には、第1法線方向ND1に見て、第3駆動電極(第2駆動電極203)、第2分離溝204の第2部分254及び第4駆動電極(第1駆動電極205)と重なる第2検出電極302が形成されている。同様に、第2電極層30には、第1法線方向ND1に見て、第3駆動電極(第2駆動電極207)、第2分離溝208の第2部分258及び第4駆動電極(第1駆動電極209)と重なる第2検出電極304が形成され、第3駆動電極(第2駆動電極211)、第2分離溝212の第2部分262及び第4駆動電極(第1駆動電極213)と重なる第2検出電極306が形成されている。
図2に示されているせん断力センサー1には、第1駆動電極201,205,209,213と第1分離溝202,206,210,214と第2駆動電極203,207,211,215と第1検出電極301,303,305,307の組みが4組み設けられている。ここでは、せん断力センサー1に第1駆動電極と第1分離溝と第2駆動電極と第1検出電極の組みが4組み設けられる場合について説明したが、せん断力を測定するためには、1組み以上設けられればよく、4組みより多くてもよく、また4組みよりも少なくてもよい。
図2に示されているせん断力センサー1には、第3駆動電極を兼ねる第2駆動電極203,207,211と第2分離溝204,208,212と第4駆動電極を兼ねる第1駆動電極205,209,213と第2検出電極302,304,306の組みが3組み設けられている。ここでは、せん断力センサー1に第3駆動電極と第2分離溝と第4駆動電極と第2検出電極の組みが3組み設けられる場合について説明したが、せん断力を測定するためには、1組み以上設けられればよく、3組みより多くてもよく、また3組みよりも少なくてもよい。
(4)検出回路3
図2に示されているように、検出回路3は、ドライブ回路3aとセンス回路3bとを含んでいる。配線部4は、第1配線4a、第2配線4b、第3配線4c及び第4配線4dを含んでいる。
ドライブ回路3aは、第1配線4aにより、第1駆動電極201,205,209,213に接続されている。また、ドライブ回路3aは、第2配線4bにより、第2駆動電極203,207,211,215に接続されている。センス回路3bは、第3配線4cにより、第1検出電極301,303,305,307に接続されている。また、センス回路3bは、第4配線4dにより、第2検出電極302,304,306に接続されている。
ドライブ回路3aとセンス回路3bによるせん断力の測定を説明するに際し、第1駆動電極201,205,209,213の全体を第1駆動電極Tx1と呼び、第2駆動電極203,207,211,215の全体をTx2と呼ぶ。また、第1検出電極301,303,305,307の全体を第1検出電極Ryと呼び、第2検出電極302,304,306の全体を第2検出電極Rxと呼ぶ。
ドライブ回路3aは、せん断力を測定するときに、第1駆動電極Tx1と、第2駆動電極Tx2に異なるタイミングで、交流電圧を印加する。センス回路3bは、第1駆動電極Tx1に電圧が印加されているタイミング、及び第2駆動電極Tx2に電圧が印加されているタイミングで、それぞれ第1検出電極Ryと第2検出電極Rxにより検出される電荷に基づき、検出回路3が静電容量を測定する。
検出回路3によるせん断力の測定について、図4のフローチャートに沿って説明する。
検出回路3は、図5(a)に示されているように、せん断力が加わっていない状態で、キャリブレーションのための静電容量Cx1c,Cy1c,Cx2c,Cy2cの測定を行う。
まず、検出回路3のドライブ回路3aは、第1駆動電極Tx1を駆動する(ステップST1)。第1駆動電極Tx1の駆動によって第1検出電極Ryと第1駆動電極Tx1の間に生じる電荷を、検出回路3のセンス回路3bが測定する(ステップST2)。同時に、第1駆動電極Tx1の駆動によって第2検出電極Rxと第1駆動電極Tx1の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST2)。
検出回路3は、測定した電荷に基づき、キャリブレーションに用いる静電容量Cx1c,Cy1cを算出する(ステップST3)。
さらに、ドライブ回路3aは、第2駆動電極Tx2を駆動する(ステップST4)。第2駆動電極Tx2の駆動によって第1検出電極Ryと第2駆動電極Tx2の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST5)。同時に、第2駆動電極Tx2の駆動によって第2検出電極Rxと第2駆動電極Tx2の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST5)。
検出回路3は、測定した電荷に基づき、キャリブレーションに用いる静電容量Cx2c,Cy2cを算出する(ステップST6)。
検出回路3は、図5(b)に示されているように、例えば手指90によってせん断力が加わった状態で、静電容量Cx1,Cy1,Cx2,Cy2の測定を行う。
検出回路3のドライブ回路3aは、第1駆動電極Tx1を駆動する(ステップST7)。第1駆動電極Tx1の駆動によって、変位した第1検出電極Ryと第1駆動電極Tx1の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST8)。同時に、第1駆動電極Tx1の駆動によって、変位した第2検出電極Rxと第1駆動電極Tx1の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST8)。
検出回路3は、測定した電荷に基づき、変化した静電容量Cx1,Cy1を算出する(ステップST9)。
さらに、ドライブ回路3aは、第2駆動電極Tx2を駆動する(ステップST10)。第2駆動電極Tx2の駆動によって、変位した第1検出電極Ryと第2駆動電極Tx2の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST11)。同時に、第2駆動電極Tx2の駆動によって、変位した第2検出電極Rxと第2駆動電極Tx2の間に生じる電荷を、センス回路3bが測定する(ステップST11)。
検出回路3は、測定した電荷に基づき、変化した静電容量Cx2,Cy2を算出する(ステップST12)。
検出回路3は、測定した静電容量Cx1c,Cy1c,Cx2c,Cy2c,Cx1,Cy1,Cx2,Cy2からせん断力Fx,Fyを算出する(ステップST13)。
検出回路3は、次の式(1)によりX方向のせん断力Fxを算出する。ただし、Kxは、定数である。
Fx=Kx・{Cx1/(Cx1+Cx2)-Cx1c/(Cx1c+Cx2c)} ・・・(1)
検出回路3は、次の式(2)によりY方向のせん断力Fyを算出する。ただし、Kyは、定数である。
Fy=Ky・{Cy1/(Cy1+Cy2)-Cy1c/(Cy1c+Cy2c)} ・・・(2)
(5)詳細構成
(5-1)絶縁弾性体層10
絶縁弾性体層10の材料には、例えば、エラストマー、樹脂、ゲル、粘性流体のうちの少なくとも一つを用いることができる。エラストマーとしては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴムがある。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂がある。ゲルとしては、例えば、シリコーンゲルがある。絶縁弾性体層10の材質としては、耐熱性及び耐寒性に優れ、広い温度帯域で弾力を保ち且つ復元性に優れたシリコーンゲル、シリコーンエラストマーが好ましい。絶縁弾性体層10の厚みは、例えば、2μm~5mmの範囲から適宜選択される。
第1面内方向ID1のせん断力を検出し、押圧力を検出しない第1実施形態の絶縁弾性体層10の材料は、圧縮変形が小さい材料が好ましい。圧縮による変形を小さくするには、ポアソン比の高い材料、例えばゲルを選択するのが好ましい。ゲルを選択する場合、例えば、圧縮に対し押圧方向に変形しにくいように感圧面を広くしたり、外周に押圧力で変形しない剛直な囲いを設けたりするとよい。なお、圧縮により第1駆動電極Tx1と第1検出電極Ryの距離及び第2駆動電極Tx2と第1検出電極Ryの距離が等しく縮まるのであれば、また第1駆動電極Tx1と第2検出電極Rxの距離及び第2駆動電極Tx2と第2検出電極Rxの距離が等しく縮まるのであれば、X方向、Y方向のせん断力の測定値が押圧力による静電容量の値の変化から受ける影響を小さくすることができる。
(5-2)第1電極層20及び第2電極層30
第1電極層20及び第2電極層30の材料は、導電性を有するものである。第1電極層20及び第2電極層30の材料としては、例えば、金属膜、導電性セラミック膜、導電ペースト膜、導電性高分子膜が挙げられる。金属膜としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、パラジウムの膜がある。導電性セラミック膜としては、例えば、酸化インジムスズ、酸化亜鉛の膜がある。導電ペースト膜としては、金属粒子を樹脂バインダーに分散させたものがある。導電性高分子膜としては、ポリへキシルチオフェン、ポリジオクチルフルオレン、ペンタセン、テトラベンゾポルフィリンの膜がある。第1電極層20及び第2電極層30に、第1駆動電極201,205,209,213、第2駆動電極203,207,211,215、第1検出電極301,303,305,307、及び第2検出電極302,304,306を形成するには、例えば、導電膜を層全体に形成した後にエッチングによりパターニングする方法がある。導電膜を層全体に形成するには、例えば、圧延した導電膜の貼合、メッキ、スパッタリング、蒸着またはイオンプレーティングを用いることができる。また、導電ペースト膜の場合には、スクリーン、グラビア、オフセットなどの印刷法等で直接パターン形成する方法を用いることができる。第1電極層20及び第2電極層30の厚みは、例えば0.1μm~5mmの範囲から適宜選択される。
第1駆動電極201,205,209,213、第2駆動電極203,207,211,215、第1検出電極301,303,305,307、及び第2検出電極302,304,306の形状は、例えば図7及び図8に示されているように、四角形を組み合わせた形状に限られるものではない。また、これらの形状は、同じパターンの繰り返しでなくてもよい。なお、図7及び図8に示されている検出部2の第1電極層20の第1駆動電極と第2駆動電極及び第2電極層30の第1検出電極と第2検出電極は、図2の検出部2の第1電極層20及び第2電極層30の一部のパターンに対応している。
また、第1検出電極Ry及び第2検出電極Rxは、X方向及びY方向に延びるように配置されていなくてもよい。例えば、図9に示されているように、第1検出電極Ry及び第2検出電極Rxが、X方向及びY方向に対して45度傾いて延びるように配置されてもよい。さらには、第1検出電極Ry及び第2検出電極Rxが規則的に配置されていなくてもよく、例えばランダムに配置されていてもよい。
図10に示されているように、せん断力の検出のためには、せん断力印加時に第1検出電極Ryと第1駆動電極Tx1及び第2駆動電極間Tx2の静電容量の値が検出可能である必要がある。すなわち、力が加わる上部電極(第1検出電極Ryまたは第1駆動電極Tx1及び第2駆動電極Tx2)の移動後も、第1検出電極Ryと第1駆動電極Tx1及び第2駆動電極Tx2との間の重なり幅W3が負にならないことが必要である。なお、第2検出電極Rxでも第1検出電極Ryと同様に考えることができる。
第1検出電極Ryの幅をW5、分離溝SGの幅をW4、第1検出電極Ryと第1駆動電極Tx1及び第2駆動電極Tx2の重なり幅をW3、最大移動量Δwとしたとき、W3-Δw>0の関係を満たす必要がある。前式を変形して示すと、(W5-W4)/2-Δw>0の関係を満たす必要があるということである。
さらにΔwは、絶縁弾性体層10の厚さtに依存する。Δw>tとなると、絶縁弾性体層10に大きなせん断応力がかかり、絶縁弾性体層10が破壊、もしくは、絶縁弾性体層10と第1絶縁層41または第2絶縁層42の間で剥離が生じるリスクが大きくなる。したがって、t≧Δwであることが好ましい。すなわち、分離溝SGの幅W4は、(W5-W4)/2-t>0の関係を満たすことが好ましい。
(5-3)第1絶縁層41及び第2絶縁層42
第1絶縁層41及び第2絶縁層42の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート、または紫外線硬化型樹脂シートがある。熱可塑性樹脂シート及び熱硬化性樹脂シートの材質としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィンがある。また、紫外線硬化型樹脂シートの材質としては、シアノアクリレートがある。
(5-4)配線部4
配線部4は、主に検出部2の第1駆動電極Tx1に接続されている第1配線4a、第2駆動電極Tx2に接続されている第2配線4b、第1検出電極Ryに接続されている第3配線4c及び第2検出電極Rxに接続されている第4配線4dが配置されている柔軟部5、並びに端子部6を含んでいる。せん断力センサー1は、絶縁弾性体層10が応力によって変形することでせん断力を検出することが可能になる。従って、検出部2に加えられるせん断力は、柔軟部5を伝播して端子部6にまで及ぶ。検出部2にせん断力が加わるとき、端子部6と検出部2が大面積で接続されている場合、端子部6に過剰な応力が掛かり、端子部6が外れたり、断線したりするリスクが高くなる。また、固定された端子部6から延びた柔軟部5に束縛されて、絶縁弾性体層10の変形、換言すると第1電極層20または第2電極層30の変位が制限されることになる。前述の不具合を緩和するため、柔軟部5は、第1電極層20及び第2電極層30と絶縁弾性体層10とを含む検出部2よりも変形容易に構成されている。
図11(a)~図11(f)には、6種類の異なる柔軟部5a~5fを有する配線部4の平面形状が示されている。配線部4は、図11(a)~図11(f)のいずれかの形状に形成されることが好ましい。
図11(a)に示されている柔軟部5aは、検出部2の幅W1よりも細い幅W2で且つ楔形またはC字形にすることによって柔軟性を付与している。幅W2は、幅W1の5分の1以下であることが好ましく、以下の図11(b)~図11(e)の説明においても同じである。幅W2は、例えば、3mm以下であることが好ましい。
図11(b)に示されている柔軟部5bは、検出部2の幅W1よりも細い幅W2で且つL字形にすることによって柔軟性を付与している。
図11(c)に示されている柔軟部5cは、検出部2の幅W1よりも細い幅W2で且つI字形にすることによって柔軟性を付与している。
図11(d)に示されている柔軟部5dは、検出部2の幅W1よりも細い幅W2で且つZ字形にすることによって柔軟性を付与している。
図11(e)に示されている柔軟部5eは、検出部2の幅W1よりも細い幅W2で且つ2本の楔形にすることによって柔軟性を付与している。図11(e)に示されているように、柔軟部5eは、複数本であってもよい。
また、図11(f)に示されている柔軟部5fは、検出部2の幅W1と同じ幅であるが、複数のスリット7を形成することによって柔軟性を付与している。言い換えると、柔軟部5fは、網状に形成されている。
なお、図11(a)~図11(f)以外の形状、例えば、蛇腹構造、リング形状であってもよい。
また、柔軟部5は、図12に示されているように、第1法線方向ND1に曲がった構造とすることが好ましい。図12には、柔軟部5が断面視でアーチ状である場合が示されているが、柔軟部5を曲げた断面形状はアーチ状には限られない。柔軟部5を第1法線方向ND1に曲げた断面形状としては、例えば蛇腹状であってもよい。
第1面内方向ID1に沿って広がる柔軟部5の2つの表面は、同一の平面形状でなくてもよい。例えば、支持台80などに固定される側の検出部2の表面に繋がっている柔軟部5の表面よりも、固定されない側の検出部2の表面(せん断応力により変位する側の表面)に繋がっている柔軟部5の表面を小さくしてもよい。また、柔軟部5の固定されない側の表面にのみ屈曲構造を適用したり、柔軟部5の2つの表面が互いに束縛されない構造にしたりしてもよい。
柔軟部5が第1法線方向ND1に折り曲げられて実装されると、第1電極層20と第2電極層30の間の絶縁弾性体層10の厚み分だけ応力が掛かり、第1電極層20と第2電極層30において断線のリスクが大きくなる。このような断線のリスクを小さくするために、図13(a)及び図13(b)に示されている断面構造を持つ柔軟部5を採用してもよい。図13(a)及び図13(b)に示されている断面構造では、柔軟部5のうちの応力が集中する部分である折り曲げ部Pa1は、絶縁弾性体層10が取り除かれている。折り曲げ部Pa1には、絶縁弾性体層10が存在しないので、折り曲げ部Pa12の第1電極層20と第2電極層30に係る応力が低減される。絶縁弾性体層10が取り除かれた折り曲げ部Pa1には、発生する応力が絶縁弾性体よりも小さく且つ第1電極層20と第2電極層30の絶縁が可能な絶縁体を充填してもよい。
<第2実施形態>
(6)第2実施形態のせん断力センサー1の構成
第1実施形態のせん断力センサー1は、X方向とY方向のせん断力、言い換えると第1面内方向ID1のせん断力を測定するセンサーである。しかし、せん断力センサー1は、第1面内方向ID1以外に、第1法線方向ND1の押圧力を測定するように構成してもよい。
第2実施形態のせん断力センサー1の構成のうち検出回路3以外の構成は、第1実施形態のせん断力センサー1と同じに構成できる。第2実施形態のせん断力センサー1は、図4に示されているステップST13において、測定した静電容量Cx1c,Cy1c,Cx2c,Cy2c,Cx1,Cy1,Cx2,Cy2から押圧力PFzを算出する。
検出回路3は、次の式(3)によりZ方向の押圧力PFzを算出する。ただし、PKzは、定数である。
PFz=PKz・{(Cx1+Cx2+Cy1+Cy2)/(Cx1c+Cx2c+Cy1c+Cy2c)-1} ・・・(3)
第2実施形態のせん断力センサー1では、押圧力PFzを検出するために、絶縁弾性体層10が、第1実施形態のせん断力センサー1の絶縁弾性体層10と比べて、圧縮変形が大きい材料を用いることが好ましい。第2実施形態のせん断力センサー1の絶縁弾性体層10に用いられる圧縮変形が大きい材料としては、例えば、発泡体、ゲルがある。発泡体としては、例えば、樹脂中にガスを細かく分散させ、発泡状または多孔質形状に成形されたものがある。発泡体の材質としては、例えば、シリコーン、ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレンがある。第2実施形態の絶縁弾性体層10の厚みは、例えば、2μm~5mmの範囲から適宜選択される。
絶縁弾性体層10には、絶縁性を維持できる範囲の割合で導電粒子を添加してもよい。導電粒子の材質としては、例えば、カーボンブラック、金、銀、ニッケルがある。押圧された際、含有されていた導電粒子間の距離が接近して第1電極層20と第2電極層30との間の静電容量値が急上昇するため、それにより感度が向上する効果がある。導電粒子の平均粒径は絶縁弾性体層10の厚みの10分の1以下が好ましい。
<第3実施形態>
(7)第3実施形態のせん断力センサー1の構成
第3実施形態の検出部2には、図14に示されているように、第1シールド層43及び第2シールド層44が設けられている。第1シールド層43及び第2シールド層44は、例えばグランドGNDに接続されている。これら第1シールド層43及び第2シールド層44により、第3実施形態のせん断力センサー1は、ノイズの低減が図られている。また、第3実施形態の検出部2には、第1シールド層43を保護するための第3絶縁層45と、及び第2シールド層44を保護するための第4絶縁層46が設けられている。第3実施形態の検出部2の第1シールド層43、第3絶縁層45、第2シールド層44及び第4絶縁層46以外の検出部2の構成は、第1実施形態または第2実施形態の検出部2と同様に構成できる。以下では、主に、第3絶縁層45、第1シールド層43、第2シールド層44及び第4絶縁層46について説明する。
第3実施形態の検出部2では、第1法線方向ND1において、第3絶縁層45、第1シールド層43、第1絶縁層41、第1電極層20、絶縁弾性体層10、第2電極層30、第2絶縁層42、第2シールド層44、第4絶縁層46の順に配置されている。
第1シールド層43及び第2シールド層44は、第1法線方向ND1に見て第1電極層20及び第2電極層30の全面とそれぞれ重なるシート状導電体である。第1シールド層43及び第2シールド層44は、それぞれ、第1電極層20及び第2電極層30を覆うベタ電極である。第1絶縁層41及び第2絶縁層42は、それぞれ、第1電極層20と第1シールド層43との間を絶縁し、第2電極層30と第2シールド層44との間を絶縁している。
第1シールド層43及び第2シールド層44の形成方法としては、例えば後述する3つの方法がある。最初の方法では、基材の上に第1シールド層43を形成し、絶縁インクを印刷して或いは絶縁フィルムを貼合して第1絶縁層41を形成し、その上に第1電極層20を形成する。同様に、第2シールド層44を形成し、絶縁インクを印刷して或いは絶縁フィルムを貼合して第2絶縁層42を形成し、その上に第2電極層30を形成する。
2番目の方法では、絶縁基材(第1絶縁層41)の両面に第1電極層20と第1シールド層43を形成して貼合する。同様に、絶縁基材(第2絶縁層42)の両面に第2電極層30と第2シールド層44を形成して貼合する。
3番目の方法では、第3絶縁層45に第1シールド層43を印刷し、第1絶縁層41に第1電極層20を印刷し、第4絶縁層46に第2シールド層44を印刷し、第2絶縁層42に第2電極層30を印刷して貼合する。最初の方法では、第1シールド層43への接続のための配線を例えばスルーホールを介して第1電極層20に設けることができる。また、第2シールド層44への接続のための配線を例えばスルーホールを介して第2電極層30に設けることができる。さらに第1電極層20と第2電極層30への配線を、例えば導電性接着剤、ACP(異方性導電ペースト)、ACF(異方性導電膜)で接続することによって引き出しのための配線を1層に集約することができる。この場合、筐体中での設計の自由度の高いZIFコネクタ形式で引き出すことが可能になる。配線の引き出し方法としては、スルーホールなどによって4層の層間の短絡点を作らずに、各層毎に金属ピンでかしめて直接引き出す方法もある。
<第4実施形態>
(8)第4実施形態のせん断力センサー1の構成
第4実施形態のせん断力センサー1は、図15に示されている平面形状を有する。第4実施形態のせん断力センサー1は、タッチセンサーと組み合わさったものである。第4実施形態のせん断力センサー1の断面構造は、図14に示されている第3実施形態のせん断力センサー1と同じである。
第4実施形態のせん断力センサー1は、第1シールド層43を用いて静電容量式のタッチセンサーを構成している。センス回路3bは、タッチセンサーとして機能するときには、例えば人の手指90によって第1シールド層43に生じた電荷の変化を検出する。そのため、センス回路3bは、第1シールド層43と第5配線4eによって接続されている。センス回路3bは、せん断力を測定するときには、第1シールド層43をグランドGNDに接続する。第1シールド層43は、グランドGNDに接続されることで、せん断力を測定するときにはシールドとしてノイズ除去の機能を発揮する。
タッチセンサーの機能を付与された第4実施形態のせん断力センサー1は、せん断を伴わない接触の検出を可能にする。例えば、押圧力PFzの有無の検出をタッチセンサーの機能で代替すると、Z方向(第1法線方向ND1)の感度を考慮しないで良いため、絶縁弾性体層10を構成するための絶縁弾性体の材質の選択肢を広げることができる。そして、絶縁弾性体の材質の選択によっては、せん断力センサー1の薄型化が可能になる。
<第5実施形態>
(9)第5実施形態のせん断力センサー1の構成
第5実施形態のせん断力センサー1は、曲面に沿ったせん断力を測定するセンサーである。例えば、図16に示されている円柱800の曲面(側面801)に貼り付けられている検出部2は、第2電極層30と絶縁弾性体層10と第1電極層20とを有している。円柱800の曲面(側面801)の第2電極層30の長さがL1であるとする。円柱800の中心軸Oに垂直な断面を見ると、第2電極層30の表面は、円柱800の中心軸Oを中心とする半径r1の円弧を描く。せん断力センサー1の検出部2において、第2電極層30と第1電極層20の厚さに比べて、絶縁弾性体層10の厚さtが、十分に大きいとする。この場合、第2電極層30の長さL1に対応する第1電極層20の長さL2は、絶縁弾性体層10の厚さtのために、第2電極層30の長さL1よりも長くしないと、両電極層の対応する電極の位置がずれることになる。そこで、半径r1の曲面に沿った長さL1の第2電極層30のパターンに対応させるため、第1電極層20の長さL2のパターンを、(1+t/r1)だけ拡大する。或いは、第1電極層20の長さL2のパターンを基準として、第2電極層30の長さL1のパターンを、(1-t(r1+t))だけ縮小してもよい。
なお、円柱800の場合には、円柱800の中心軸Oの延びる方向では、第2電極層30のパターンに対する第1電極層20のパターンの拡大は生じないので、中心軸Oが延びる方向では、第1電極層20と第2電極層30の拡大・縮小は行わない。
<第6実施形態>
(10)第6実施形態のせん断力センサー1の構成
第6実施形態のせん断力センサー1は、X方向の面内分布を測定することができるように構成されている。例えば、図17に記載されているせん断力センサー1は、X方向の面内分布を2カ所測定することができるように構成されている。センス回路3bは、2つの第2検出電極302,308を用いて、それぞれ別に、静電容量を測定する。
第6実施形態のせん断力センサー1は、第1実施形態のせん断力センサー1と同様に、Y方向のせん断力の測定を、第1検出電極301と第1駆動電極201と第2駆動電極203と第1分離溝202により測定する。
第6実施形態のせん断力センサー1は、第3駆動電極を兼ねる第2駆動電極203と第4駆動電極217を絶縁して分離している第2分離溝216も蛇行している。同様に、第3駆動電極219と第4駆動電極を兼ねる第1駆動電極201を絶縁して分離している第2分離溝218も蛇行している。このように、第1分離溝202だけでなく、第2分離溝216,218を蛇行するように形成してもよい。このような第2分離溝216,218には、延びる方向を複数回変更することにより第2部分266,268がそれぞれ複数箇所に設けられている。第2検出電極302,308は、第1法線方向ND1に見て、複数の第2部分266,268と重なる形状を有している。言い換えると、複数の第2部分266,268と重なっている第2検出電極302,308の部分が数珠つなぎに接続されている。
<第7実施形態>
(11)第7実施形態のせん断力センサー1の構成
第7実施形態のせん断力センサー1は、X方向と、Y方向と、Z方向のせん断力を測定することができる。Z方向のせん断力も測定することができるように構成するため、第7実施形態のせん断力センサー1は、図6を用いて説明したX単位セルUX及びY単位セルUY以外に、Z単位セルUZを備えている(図18参照)。また図19に示されている二点鎖線の箇所で、第1電極層20、第2電極層30及び絶縁弾性体層10が折れ曲がっている。
絶縁弾性体層10を折り曲げることにより、絶縁弾性体層10は、第1面内方向ID1だけでなく、第1面内方向ID1とは異なる第2面内方向ID2にも弾性変形可能になる。
第7実施形態のせん断力センサー1には、Y方向のせん断力Fyを検出するために、第1分離溝202で互いに絶縁されている第1駆動電極201と第2駆動電極203と第1検出電極301が形成されている。また、X方向のせん断力Fxを検出するために、第2分離溝216で互いに絶縁されている第3駆動電極を兼ねる第2駆動電極203と第4駆動電極217と第2検出電極302が形成されている。
さらに、Z方向のせん断力Fzを検出するために、第1電極層20には、第2面内方向ID2(図19においてはXZ平面に平行な方向)に延びる第3分離溝402で互いに絶縁され且つ前記第2面内方向ID2に広がる第5駆動電極401及び第6駆動電極403が形成されている。第3分離溝402は、第2面内方向ID2の中で第3方向(X方向)に延びる第3部分452を有している。第2電極層30には、第2面内方向ID2と直交する第2法線方向ND2(図19においてはY方向)に見て、第5駆動電極401、第3分離溝402の第3部分452及び第6駆動電極403と重なる第3検出電極501が形成されている。なお、図19において、第1法線方向ND1は、Z方向である。
検出回路3は、第2面内方向ID2において第3方向と直交する第3せん断方向(図19ではZ方向)に掛かる第3せん断力Fzを、第5駆動電極401と第3検出電極501の間に生じる第5容量の変化(Cz1cからCz1への変化)と第6駆動電極403と第3検出電極501の間に生じる第6容量の変化(Cz2cからCz2への変化)に基づいて検出する。静電容量Cz1c,Cz2cは、キャリブレーションによって得られる静電容量であり、静電容量Cz1,Cz2は、せん断力Fzが掛かっているときに得られる静電容量である。なお、図19においては、検出回路3によるX方向及びY方向の検出のための配線の記載を省略している。
検出回路3は、測定した静電容量Cz1c,Cz2c,Cz1,Cz2からせん断力Fzを算出する。
検出回路3は、次の式(4)によりZ方向のせん断力Fzを算出する。ただし、Kzは、定数である。
Fz=Kz・{Cz1/(Cz1+Cz2)-Cz1c/(Cz1c+Cz2c)} ・・・(4)
上述のように、3次元の構造体に対して、第1検出電極301、第2検出電極302及び第3検出電極501の3つの検出電極と、第1駆動電極201及び第2駆動電極203があれば、静電容量を検出して、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸の方向のせん断力を検出することができる。その場合には、上述の第4駆動電極217と第5駆動電極401を第1駆動電極201が兼ね、第6駆動電極403を第2駆動電極203が兼ねる。
以上の第7実施形態の説明では、せん断力Fx,Fy,Fzを測定する場合について説明している。しかし、第7実施形態に示されている第1電極層20と第2電極層30のパターンを用いて、第1面内方向ID1に直交する第1法線方向ND1の押圧力PFz及び、第2面内方向ID2に直交する第2法線方向ND2の押圧力PFyを測定することもできる。押圧力PFzについては第2実施形態で説明した式(3)により算出することができる。
また、検出回路3は、次の式(5)によりY方向の押圧力PFyを算出する。ただし、PKyは、定数である。
PFy=PKy・{(Cz1+Cz2)/(Cz1c+Cz2c)-1} ・・・(5)
さらには、第2面内方向ID2において、X方向も検出できるように構成することもできる。例えば、第1面内方向ID1に配置された一つのX単位セルUXとY単位セルUYでX方向とY方向のせん断力Fx1,Fyと第1法線方向ND1の押圧力PFzを検出し、第2面内方向ID2に配置されたZ単位セルUZと他のX単位セルUXでZ方向とX方向のせん断力Fx2,Fzを検出するように構成できる。また、これら4つの単位セルで、Z方向の押圧力PFzとY方向の押圧力PFyを検出するように構成できる。
<第8実施形態>
(12)第8実施形態のせん断力センサー1の構成
第7実施形態と同様に、面状の検出部2を持つせん断力センサー1を折り曲げて、図20に示されている円柱800に張り付けて固定する場合には、側面801及び底面802に単位セルが配置されるように設計することで、円柱800の中心軸方向、回転方向、底面のX方向及びY方向の4つの方向(または各面の押圧力を含めると6つの方向)が測定できる。例えば、底面802にX単位セルUXとY単位セルUYを配置し、側面801にZ単位セルUZとθ単位セルUθを配置する。
(13)特徴
(13-1)
上述のせん断力センサー1は、絶縁弾性体層10を挟む第1電極層20と第2電極層30の2つの電極層で第1せん断方向と第2せん断方向を検出する検出部2を構成できている。言い換えると、従来は複数組み必要であった絶縁弾性体層と駆動電極のための電極層と検出電極のための電極層を一組に集約することができている。その結果、せん断力センサーの検出部を薄くすることができる。また、第1電極層20と第2電極層30の2つの電極層の比較的広い領域で第1せん断方向と第2せん断方向の2つのせん断力を検出することができ、比較的伸縮性の小さい材料も絶縁弾性体層の材料として用いることができるので、絶縁弾性体の材料に比較的耐久性が高い材料を選択することが可能になり、丈夫なせん断力センサーを提供することができる。
また、第1検出電極Ryと第2検出電極Rxのいずれも同一層である絶縁弾性体層10の弾性変形によってせん断力を検出できるので、異なる層の絶縁弾性体の弾性変形をそれぞれが用いる場合に比べてせん断力の測定誤差を小さくすることができる。
(13-2)
図2に示されているせん断力センサー1では、第2駆動電極が、第3駆動電極を兼ねている。このように構成されたせん断力センサー1は、3つの第2駆動電極203,207,211が3つの第3駆動電極を兼ねることで駆動電極の数を減らしている。その結果、せん断力センサー1の検出部2の面積を減らしてせん断力センサー1を小型化することができる。また、第1駆動電極が、第4駆動電極を兼ねている。このように構成されたせん断力センサー1は、3つの第1駆動電極205,209,213が3つの第4駆動電極を兼ねることで駆動電極の数を減らしている。第2電極が第3駆動電極を兼ね、第1駆動電極が第4駆動電極を兼ねることで、駆動電極の制御を簡略化することができる。
(13-3)
図2に示されているせん断力センサー1では、第1分離溝202,206,210,214を蛇行させて、第1分離溝202,206,210,214の延びる方向を複数回変更することにより第1部分252,256,260,264がそれぞれ複数箇所に設けられている。そして、第1検出電極301,303,305,307は、それぞれ複数の第1部分252,256,260,264と重なる形状を有している。言い換えると、複数の複数の第1部分252,256,260,264と重なっている第1検出電極301,303,305,307の部分が数珠つなぎに接続されている。その結果、第1分離溝が直線である場合に比べて第1部分252,256,260,264の合計長さを増やし易くなり、せん断力センサー1の感度を容易に向上させることができる。例えば、図2においては、検出部2の一片の長さよりも、第1部分252,256,260,264の合計長さの方が長くなっている。
(13-4)
図2に示されているせん断力センサー1では、第1駆動電極201,205,209,213と第1分離溝202,206,210,214と第2駆動電極203,207,211,215と第1検出電極301,303,305,307の組みが4組み設けられている。このように第1駆動電極と第1分離溝と第2駆動電極と第1検出電極の組みが複数組み設けられている場合には、第1駆動電極と第1分離溝と第2駆動電極と第1検出電極が一組だけ形成される場合に比べて、第1検出電極301,303,305,307の合計の面積を増やし易くなり、せん断力センサー1の感度を容易に向上させることができる。
(13-5)
第2実施形態のせん断力センサー1は、絶縁弾性体層10が、第1法線方向ND1に弾性変形可能である。式(3)に示されているように、検出回路3が、第1容量、第2容量、第3容量及び第4容量の変化に基づき、第1法線方向ND1の押圧力PFzを検出するように構成され、せん断力Fx,Fyだけでなく、押圧力PFzも検出することができる。
(13-6)
第3実施形態のせん断力センサー1は、図14に示されている第1シールド層43及び第2シールド層44により、電界が第1電極層20または第2電極層30に与える影響を減少させて、ノイズによる影響を小さくしている。
(13-7)
第4実施形態のせん断力センサー1は、第1法線方向ND1において、第1電極層20と重なるタッチセンサーとして機能する第1シールド層43を備えている。検出回路3は、第1シールド層43(タッチセンサー)による接触を検出できるように構成されているので、せん断力を検出できない場合でもせん断力センサー1に対する接触の認識を行うことができる。
(13-8)
上述のせん断力センサー1は、図11、図12及び図13に示されているように、検出回路3と検出部2の第1電極層20及び第2電極層30とを接続する配線部4を備えている。配線部4は、第1電極層20及び第2電極層30と絶縁弾性体層10とを含む検出部2よりも変形容易である柔軟部5を有している。柔軟部5を有しているせん断力センサー1は、柔軟部5の変形によってせん断力の検出に生じる誤差を小さくすることができる。
(13-9)
第7実施形態及び第8実施形態のせん断力センサー1は、第1せん断力Fx及び第2せん断力Fyの生じている第1面内方向ID1とは異なる第2面内方向ID2の第3せん断力Fzを検出することができる。
(14)変形例
(14-1)変形例A
上述のせん断力センサー1において、タッチセンサー機能を付与しない場合、第1電極層20と第2電極層30どちらを操作面に配置してもよい。言い換えると、上述のせん断力センサー1において、タッチセンサー機能を付与しない場合、第1電極層20と第2電極層30のどちらをせん断力が印加される層とし、どちらを固定される層にするかは任意に選択することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
1 せん断力センサー
2 検出部
3 検出回路
4 配線部
5 柔軟部
10 絶縁弾性体層
20 第1電極層
30 第2電極層
43 第1シールド層
44 第2シールド層
201,205,209,213 第1駆動電極
202,206,210,214 第1分離溝
203,207,211,215 第2駆動電極
204,208,212,216 第2分離溝
252,256,260,264 第1部分
301,303,305,307 第1検出電極
302,304,306,308 第2検出電極

Claims (10)

  1. 互いに対向する第1電極層及び第2電極層と、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に在って両電極層を電気的に絶縁するとともに、前記第1電極層の第1面内方向に弾性変形可能な絶縁弾性体層と、
    前記第1電極層及び前記第2電極層に接続されている検出回路とを備え、
    前記第1電極層には、第1分離溝で互いに絶縁されている第1駆動電極及び第2駆動電極が形成されており、
    前記第1電極層には、第2分離溝で互いに絶縁されている第3駆動電極及び第4駆動電極が形成されており、
    前記第1分離溝が前記第1面内方向の中で第1方向に延びる第1部分を有し、前記第2分離溝が前記第1面内方向の中で第2方向に延びる第2部分を有し、前記第1方向と前記第2方向が互いに交差する方向であり、
    前記第2電極層には、前記第1面内方向と直交する第1法線方向に見て、前記第1駆動電極、前記第1分離溝の前記第1部分及び前記第2駆動電極と重なる第1検出電極が形成されており、
    前記第2電極層には、前記第1法線方向に見て、前記第3駆動電極、前記第2分離溝の前記第2部分及び前記第4駆動電極と重なる第2検出電極が形成されており、
    前記検出回路は、
    前記第1面内方向において前記第1方向と直交する第1せん断方向に掛かる第1せん断力を、前記第1駆動電極と前記第1検出電極の間に生じる第1容量の変化と前記第2駆動電極と前記第1検出電極の間に生じる第2容量の変化に基づいて検出し、
    前記第1面内方向において前記第2方向と直交する第2せん断方向に掛かる第2せん断力を、前記第3駆動電極と前記第2検出電極の間に生じる第3容量の変化と前記第4駆動電極と前記第2検出電極の間に生じる第4容量の変化に基づいて検出し、
    前記第2駆動電極は、前記第3駆動電極を兼ねている、せん断力センサー。
  2. 前記第1分離溝の延びる方向を複数回変更することにより前記第1部分が複数箇所に設けられ、
    前記第1検出電極は、前記第1法線方向に見て、複数の前記第1部分と重なる形状を有している、請求項1に記載のせん断力センサー。
  3. 前記第1駆動電極と前記第1分離溝と前記第2駆動電極と前記第1検出電極の組みが複数組み設けられている、請求項1または2に記載のせん断力センサー。
  4. 前記絶縁弾性体層は、前記第1法線方向に弾性変形可能であり、
    前記検出回路は、前記第1容量、前記第2容量、前記第3容量及び前記第4容量の変化に基づき、前記第1法線方向の押圧力を検出する、請求項1から3のいずれかに記載のせん断力センサー。
  5. 第1絶縁層、第1シールド層、第2絶縁層及び第2シールド層をさらに備え、
    前記第1法線方向において、前記第1シールド層、前記第1絶縁層、前記第1電極層、前記絶縁弾性体層、前記第2電極層、前記第2絶縁層、前記第2シールド層の順に配置され、
    前記第1シールド層及び前記第2シールド層は、前記第1法線方向に見て前記第1電極層及び前記第2電極層の全面とそれぞれ重なるシート状導電体からなり、
    前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、それぞれ、前記第1電極層と前記第1シールド層との間を絶縁し、前記第2電極層と前記第2シールド層との間を絶縁する、請求項1から4のいずれかに記載のせん断力センサー。
  6. 前記第1法線方向において、前記第1電極層と重なるタッチセンサーをさらに備え、
    前記検出回路は、前記タッチセンサーによる接触を検出できるように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のせん断力センサー。
  7. 前記検出回路と前記第1電極層及び前記第2電極層とを接続する配線部をさらに備え、
    前記配線部が、前記第1電極層及び前記第2電極層と前記絶縁弾性体層とを含む検出部よりも変形容易である柔軟部を有する、請求項1から6のいずれかに記載のせん断力センサー。
  8. 前記第1電極層、前記第2電極層及び前記絶縁弾性体層が曲がっており、
    前記絶縁弾性体層は、前記第1面内方向とは異なる第2面内方向にも弾性変形可能であり、
    前記第1電極層には、前記第2面内方向に延びる第3分離溝で互いに絶縁され且つ前記第2面内方向に広がっている第5駆動電極及び第6駆動電極が形成されており、
    前記第3分離溝が前記第2面内方向の中で第3方向に延びる第3部分を有し、
    前記第2電極層には、前記第2面内方向と直交する第2法線方向に見て、前記第5駆動電極、前記第3分離溝の前記第3部分及び前記第6駆動電極と重なる第3検出電極が形成されており、
    前記検出回路は、前記第2面内方向において前記第3方向と直交する第3せん断方向に掛かる第3せん断力を、前記第5駆動電極と前記第3検出電極の間に生じる第5容量の変化と前記第6駆動電極と前記第3検出電極の間に生じる第6容量の変化に基づいて検出する、請求項1から7のいずれかに記載のせん断力センサー。
  9. 互いに対向する第1電極層及び第2電極層と、
    前記第1電極層と前記第2電極層との間に在って両電極層を電気的に絶縁するとともに、前記第1電極層の第1面内方向に弾性変形可能な絶縁弾性体層とを備え、
    前記第1電極層には、第1分離溝で互いに絶縁されている第1駆動電極及び第2駆動電極が形成されており、
    前記第1電極層には、第2分離溝で互いに絶縁されている第3駆動電極及び第4駆動電極が形成されており、
    前記第1分離溝が前記第1面内方向の中で第1方向に延びる第1部分を有し、前記第2分離溝が前記第1面内方向の中で第2方向に延びる第2部分を有し、前記第1方向と前記第2方向が互いに交差する方向であり、
    前記第2電極層には、前記第1面内方向と直交する第1法線方向に見て、前記第1駆動電極、前記第1分離溝の前記第1部分及び前記第2駆動電極と重なる第1検出電極が形成されており、
    前記第2電極層には、前記第1法線方向に見て、前記第3駆動電極、前記第2分離溝の前記第2部分及び前記第4駆動電極と重なる第2検出電極が形成されており、
    前記第2駆動電極は、前記第3駆動電極を兼ねている、せん断力センサー用の検出部。
  10. 前記第1分離溝の延びる方向を複数回変更することにより前記第1部分が複数箇所に設けられ、
    前記第1検出電極は、前記第1法線方向に見て、複数の前記第1部分と重なる形状を有している、請求項9に記載のせん断力センサー用の検出部。
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