JP2020173212A - 荷重分布センサシート及び荷重分布センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、柔軟性及び低い電気抵抗値を兼ね備え、荷重分布を高感度に測定することが可能な荷重分布センサシート及び荷重分布センサを提供することを目的とする。【解決手段】 本発明の荷重分布センサシート1は、弾性を有する誘電層2と、その一面2a側に間隔をあけて配列した複数の第1の配線5と、他面2b側に間隔をあけて配列し、平面視したとき複数の第1の配線5と複数の交点Pを作る複数の第2の配線6と、第1の配線5と接続する、間隔をあけて交点Pに設けられた複数の第1の電極7と、第2の配線6と接続する、間隔をあけて交点Pに設けられた複数の第2の電極とを備え、第1の配線及び/又は第2の配線は導電性繊維で形成され、第1の配線の幅は第1の電極の幅よりも小さく、第2の配線の幅は第2の電極の幅よりも小さい。【選択図】 図1
Description
本発明は、荷重分布センサシート及び荷重分布センサに関する。
静電容量型の荷重分布センサは、一般に、一対の電極層で誘電層を挟持した構成の検出部を有する。検出部に荷重が加わると、誘電層が圧縮変形し、電極層間の距離が短くなる。
静電容量(キャパシタンス)は一般に以下の式(1)で表される。
C=ε0 εr S/d …式(1)
(C:キャパシタンス、ε0:真空中の誘電率、εr:誘電層の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)
式(1)から明らかなように、電極層間の距離が短くなると、キャパシタンスは大きくなる。したがって、静電容量の変化を測定することで、検出部に加えられた荷重を検出することができる。
静電容量(キャパシタンス)は一般に以下の式(1)で表される。
C=ε0 εr S/d …式(1)
(C:キャパシタンス、ε0:真空中の誘電率、εr:誘電層の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)
式(1)から明らかなように、電極層間の距離が短くなると、キャパシタンスは大きくなる。したがって、静電容量の変化を測定することで、検出部に加えられた荷重を検出することができる。
特許文献1には、互いに直行する帯状の配線が配置され、配線がエラストマーに導電性炭素粉末を混合した材料で形成される、伸縮可能な静電容量型の荷重分布センサ(面圧分布センサ)が開示されている。
特許文献1に開示されるような、導電性炭素粉末が混合されたエラストマーからなる配線は、電気抵抗値が高く、検出感度が低いという問題がある。電気抵抗値を低下させるためには導電性炭素粉末を多量に混合する必要が有るが、それにより配線は硬くなる。特許文献1では、荷重分布センサ本体の面積に対して多大な面積を占める帯状の配線により、センサシート全体の柔軟性が損なわれている。したがって、低い電気抵抗値の配線を得ることと、柔軟性を得ることとは相反する関係にあり、両立することが難しい。
本発明は、柔軟性及び低い電気抵抗値を兼ね備え、荷重分布を高感度に測定することが可能な荷重分布センサシート及び荷重分布センサを提供することを目的とする。
本発明の荷重分布センサシートは、弾性を有する誘電層と、誘電層の一面側に間隔をあけて互いに交わることなく配列した複数の第1の配線と、誘電層の一面に対向する他面側に間隔をあけて互いに交わることなく配列し、前記一面に垂直な方向から平面視したとき複数の第1の配線と複数の交点を作るように配置された複数の第2の配線と、交点に対応する一面上の領域に第1の配線と接続するように間隔をあけて設けられた複数の第1の電極と、交点に対応する他面上の領域に第2の配線と接続するように間隔をあけて設けられた複数の第2の電極とを備える。第1の配線及び/又は第2の配線は、導電性繊維で形成されている。第1の配線の幅は、第1の電極の、第1の配線の長手方向に直行する幅よりも小さく、及び/又は第2の配線の幅は、第2の電極の、第2の配線の長手方向に直行する幅よりも小さい。
実施形態の荷重分布センサシート及び荷重分布センサは、柔軟性及び低い電気抵抗値を兼ね備え、荷重分布を高感度に測定することが可能である。
[荷重分布センサの構成の概要]
以下、実施形態の荷重分布センサ12の構成の概要を図3を参照して説明する。
荷重分布センサ12は、荷重分布センサシート1と、演算処理部13と、第1のリード線14と、第2のリード線15とを備える。荷重分布センサシート1と演算処理部13とは、第1のリード線14と、第2のリード線15とを介して接続されている。
以下、実施形態の荷重分布センサ12の構成の概要を図3を参照して説明する。
荷重分布センサ12は、荷重分布センサシート1と、演算処理部13と、第1のリード線14と、第2のリード線15とを備える。荷重分布センサシート1と演算処理部13とは、第1のリード線14と、第2のリード線15とを介して接続されている。
次に、荷重分布センサシート1の構成の概要を図1及び2を参照して説明する。図1に示す通り、荷重分布センサシート1の奥行方向に延びる長さ方向をX軸方向、X軸方向に直行する幅方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に垂直な厚さ方向をZ軸方向と称する。
図1に示す通り、荷重分布センサシート1は、弾性を有する誘電層2が、その一面2a側に配置された第1の基材層3と、他面2b側に配置された第2の基材層4とに挟まれるように積層された構成を有する。誘電層2は、例えばエラストマーであり、第1の基材層3及び第2の基材層4は、例えば布帛で形成されている。
第1の基材層3は、その内部に複数の第1の配線5を備える。第1の配線5は、例えば導電性繊維であり、所定の間隔をあけて互いに略平行に配置されている。複数の第1の配線5は、それぞれX軸方向に沿って配置されている。第2の基材層4は、その内部に複数の第2の配線6を備える。第2の配線6は、例えば第1の配線5と同じ材料からなり、所定の間隔をあけて互いに略平行に配置されている。複数の第2の配線6は、それぞれY軸方向に沿って配置されている。
したがって、第1の配線5と第2の配線6とは、互いに直行する方向に沿って配置されている。言い換えれば、一面2aと垂直な方向から平面視したとき、第1の配線5と第2の配線6とは格子状に交差しており、複数の交点Pを作っている。この例では、第1の配線5及び第2の配線6がそれぞれ8本ずつ設けられているので、交点Pは64個存在する。
交点Pに対応する一面2a上の領域に、第1の電極7が設けられている。第1の電極7は導電体であり、第1の配線5と電気的に接続している。第1の電極7は、例えば円形であり、隣り合う第1の電極7同士は接触しないよう、前後左右に間隔をあけて独立に形成されている。同様に、交点Pに対応する他面2b上の領域に、第2の電極8が設けられている。第2の電極8は、例えば第1の電極と同じ材料からなり、第2の配線6と電気的に接続している。第2の電極8も、例えば円形であり、隣り合う第2の電極8同士が接触しないよう、前後左右に間隔をあけて独立に形成されている。
荷重分布センサシート1は、誘電層2、第1の基材層3及び第2の基材層4がZ軸方向に積層された構成を有する。1つの交点Pに対応する第1の電極7と第2の電極8とは対向しており、1つの検出部9を形成している。図1、2の例の荷重分布センサシート1は、64個の検出部9を備える。
図1では省略しているが、荷重分布センサシート1は、第1の保護層10及び第2の保護層11を最外層として備えてもよい。第1の保護層10は第1の基材層3の誘電層2と反対側の面に設けられ、第2の保護層11は第2の基材層4の誘電層2と反対側の面に設けられている。第1の保護層10及び第2の保護層11は、例えば絶縁性のエラストマーであり、外部からの静電気がノイズとして検出結果に影響を及ぼすことを防止する。
演算処理部13は、例えば、各検出部9に電圧を印加する電源と、各検出部9における静電容量の変化を検出する検出処理手段と、検出した静電容量変化に基づいて各検出部9に加えられた荷重に換算するとともに、荷重が加えられた位置を特定して、荷重分布を導出する換算処理手段等を備える(図示せず)。
図3に示すように、第1のリード線14は、第1の配線5の一端である接続部5aと演算処理部13とを電気的に接続する導電性繊維であり、第1の配線基材層16内に設けられている。第2のリード線15は、第2の配線6の一端である接続部6aと演算処理部13とを電気的に接続する導電性繊維であり、第2の配線基材層17内に設けられている。
以上の構成により、荷重分布センサ12は、例えば、演算処理部13の電源から第1のリード線14及び第1の配線5を介して第1の電極7に電圧を印加すると、検出部9における静電容量変化の電気信号は、第2の電極8から第2の配線6及び第2のリード線15を介して演算処理部13に伝わる。そして、検出処理手段及び換算処理手段により、荷重が加えられた位置及び荷重の程度などを測定することができる。
[荷重分布センサによる荷重分布の検出]
次に、荷重分布センサ12により荷重分布を検出することができる原理について図4を参照して説明する。
次に、荷重分布センサ12により荷重分布を検出することができる原理について図4を参照して説明する。
荷重分布センサシート1は、その上面へのZ軸方向からの荷重(圧力)を検出することができる。例えば、荷重分布センサシート1上に物体18が置かれた場合、誘電層2は弾性を有するため、物体18の重量により、その直下の領域(以下、「領域R」と称する)における誘電層2がZ軸方向に圧縮変形する。
また、第1の電極7は独立に設けられていることから、領域R内に存在する第1の電極7及びその周辺の第1の配線5も、誘電層2の変形に合わせてZ軸方向の下方に移動する。それによって、例えば領域R内に存在する検出部9aにおける第1の電極7a及び第2の電極8aの距離は短くなる。他方、領域R外に存在する検出部9bにおける第1の電極7b及び第2の電極8bの距離は変化しない。この電極間距離の違いを静電容量の違いとして検出することができる。
静電容量(キャパシタンス)は、以下の式(1)により表すことができる。
C=ε0 εr S/ d …式(1)
(C:キャパシタンス、ε0:真空中の誘電率、εr:誘電層の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)
例えば、第1の配線5を介して第1の電極7に矩形波の電圧パルスを印加し、第2の電極8から第2の配線6を介して静電容量変化による電圧の変化を検出する。例えばC/Vコンバーターを介在させることにより静電容量変化に起因する波形の変化を電圧の変化として検出することができる。
C=ε0 εr S/ d …式(1)
(C:キャパシタンス、ε0:真空中の誘電率、εr:誘電層の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離)
例えば、第1の配線5を介して第1の電極7に矩形波の電圧パルスを印加し、第2の電極8から第2の配線6を介して静電容量変化による電圧の変化を検出する。例えばC/Vコンバーターを介在させることにより静電容量変化に起因する波形の変化を電圧の変化として検出することができる。
例えば、図3に示すように、検出部9A〜9D上に荷重がかかった場合の荷重分布を検出する方法の例を以下に示す。例えば、荷重分布は、相互容量方式により検出される。即ち、演算処理部13の電源からまず第1の配線5−1に電圧パルスを印加して第2の配線6−1〜6−8から静電容量を検出する。次に第1の配線5−2に電圧パルスを印加して第2の配線6−1〜6−8から静電容量を検出する。更に第1の配線5−3〜5−8についても同様に検出を行う。その結果、検出部9A〜9Dに対応する第1の配線5−4及び5−5に電圧を印加したとき、第2の配線6−4及び6−5から得られる静電容量は変化するが、それ以外の検出では変化しない。したがって、検出部9A〜9Dの位置に荷重が掛かっていることがわかる。このような方法により、荷重が存在する位置情報(分布)を得ることができる。また、静電容量の変化量から各検出部9の荷重の程度に関する情報を得ることもできる。
例えば、そのような重量分布を画像としてモニター又は紙などに出力してもよい。更には、検出を経時的に行うことにより、検出部9毎に掛かる荷重のモニタリングをすることも可能である。
例えば、演算処理部13における検出処理手段における静電容量変化の検出は、自己容量方式及び相互容量方式のいずれを採用してもよいし、その他の一般的な方式を採用することもできる。即ち、用途に応じて適宜の方式を採用すればよい。換算処理手段についても、一般的ないずれかの手段を採用すればよい。
実施形態の荷重分布センサシート1及び荷重分布センサ12は柔軟性を有し、且つ非常に電気抵抗値が低い。そのため、荷重分布を感度よく測定することが可能である。また、電気抵抗値が非常に低いことから、荷重分布センサシート1自体のサイズを大きくした場合、即ち第1及び第2の配線が長くなった場合でも、低い電気抵抗値が維持されるため、電気抵抗値が検出に与える影響が少なく、正確な荷重分布の測定が可能である。
例えば、介護施設や医療施設などの床又はベッドなどに荷重分布センサ12を敷設すれば、施設利用者の歩行や寝返りなどの活動の有無を検出することができる。それにより、カメラによる監視と異なりプライバシーを侵害することなく、見守りを自動化することができる。又はスポーツ選手などの靴底に敷設して、フォームを改善する研究などに用いてもよい。或いは自動車のエアバッグに取り付けて衝撃の分布の研究に用いてもよい。しかしながら荷重分布センサ12の用途はこれらに限定されるものではない。
以下、荷重分布センサ12の各構成要素について詳細に説明する。
[誘電層]
誘電層2は、弾性を有する材料、例えばエラストマーからなる。弾性を有することによって、荷重分布センサシート1に荷重が加えられた時に、誘電層2は圧縮変形することが可能である。
[誘電層]
誘電層2は、弾性を有する材料、例えばエラストマーからなる。弾性を有することによって、荷重分布センサシート1に荷重が加えられた時に、誘電層2は圧縮変形することが可能である。
誘電層2の硬さは、特に限定されるものではなく、想定される検出荷重に応じて適宜選定することができる。例えば低荷重な物体を検出する用途では低硬度の誘電層2を用い、高荷重な物体を検出する用途では高硬度の誘電層2が用いることが好ましい。しかしながら、低硬度であるほど誘電層2の圧縮変形量が大きく、静電容量の変化量は大きいため、荷重分布の検出感度を高くするのに有効である。
殆どのエラストマーはポアソン比が0.5に限りなく近い。ここで説明するポアソン比とは、圧縮方向に対して直角な方向におけるひずみを圧縮方向におけるひずみで除して−1を掛けた数値を意味する。つまり、例えばエラストマーに圧縮変形を与えた時に、体積変化が見られない場合、そのエラストマーのポアソン比は、理論上0.5である。前述したように、検出部9に荷重が加えられた時に、誘電層2は圧縮変形する必要があり、圧縮変形しやすいほど静電容量変化の検出感度が高いため、ポアソン比は低い方が好ましい。発泡体であればポアソン比は低いため、誘電層2は変形しやすく、静電容量変化の検出感度をより高くすることができる。
誘電層2の材料は特に限定されるものではなく、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム等の弾性材料から選ばれる一種以上を用いて形成することが好ましい。
また、式(1)から明らかなように、誘電層2の比誘電率が大きい程、静電容量の変化量は大きく、検出感度をより高くすることができる。その場合、演算処理を行う回路の演算負担が軽減する利点もある。したがって、前記誘電層の材料の中でも比誘電率が高い、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム等の極性の高い材料が好適に用いられる。また、上記弾性材料に高誘電フィラーを混合して高誘電化したエラストマーを用いてもよい。
誘電層2の厚さは、式(1)から明らかなように、薄いほど得られる静電容量値は大きくなるが、圧縮させた時の変形量は小さい。一方で、誘電層2が厚い程、圧縮させた時の変形量は大きくなり、静電容量変化の検出感度は高くなるが、得られる静電容量値は小さくなる。そのため、誘電層2の厚さは、使用する用途において検出感度と静電容量値とのどちらを優先するかに応じて適宜設定されればよい。
また、誘電層2の厚みは、用いるエラストマーの硬度及び比誘電率に応じて設定されてもよい。例えば、厚みは、例えば0.3mmから2.0mmの範囲で設定されることが好ましい。厚みをこの範囲とすることによって、誘電層2が柔軟性及び適度な重量を有し、且つ基材層の表面の凹凸が十分に誘電層2に吸収され、厚みムラを防止することができる。
[基材層]
第1の基材層3及び第2の基材層4(以下、単に「基材層」とも称する)の材料は、布帛であることが好ましい。布帛を用いた場合、例えばプラスチックフィルムを用いる場合と比較してごわつきがなく、なめらかで柔軟性の優れた荷重分布センサシートを得ることができる。また例えば、ゴムシートを用いる場合と比較して、布帛は強度が高いため、荷重分布センサシート1自体の伸縮変形を抑制することができる。伸縮変形が抑制されることで、配線及び電極の伸縮変形による電気抵抗値の変化や第1及び第2の電極の重なりのずれも抑制され、測定の正確性が向上する。
第1の基材層3及び第2の基材層4(以下、単に「基材層」とも称する)の材料は、布帛であることが好ましい。布帛を用いた場合、例えばプラスチックフィルムを用いる場合と比較してごわつきがなく、なめらかで柔軟性の優れた荷重分布センサシートを得ることができる。また例えば、ゴムシートを用いる場合と比較して、布帛は強度が高いため、荷重分布センサシート1自体の伸縮変形を抑制することができる。伸縮変形が抑制されることで、配線及び電極の伸縮変形による電気抵抗値の変化や第1及び第2の電極の重なりのずれも抑制され、測定の正確性が向上する。
布帛は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン等からなる、平織布、綾織布、朱子織布等の布帛を用いることができる。
布帛の空隙率は30%以上70%以下であることが好ましい。ここで記載する空隙率は、以下の式(2)で算出される。
空隙率=(l×w×t−W/d)/(l×w×t)…式(2)
(l:布帛の長さ、w:布帛の幅、t:布帛の厚み、W:布帛の質量、d:繊維の比重)
ここで、長さ、幅、厚み、質量は、布帛を正方形に裁断した時のものを測定する。測定はJIS L1096A法に準ずる。布帛の質量は、構成する繊維のみによるものと仮定する。
布帛の空隙率は30%以上70%以下であることが好ましい。ここで記載する空隙率は、以下の式(2)で算出される。
空隙率=(l×w×t−W/d)/(l×w×t)…式(2)
(l:布帛の長さ、w:布帛の幅、t:布帛の厚み、W:布帛の質量、d:繊維の比重)
ここで、長さ、幅、厚み、質量は、布帛を正方形に裁断した時のものを測定する。測定はJIS L1096A法に準ずる。布帛の質量は、構成する繊維のみによるものと仮定する。
空隙率を30%以上70%以下とすることによって、基材層は柔軟性を有し、且つ張力を与えて使用し続けた場合でも、荷重分布センサシート1の伸縮変形又は破断を防止できる強度を有する。
基材層として布帛のような空隙を有する材料を用いた場合、体積変化が無いか若しくは限りなく小さい誘電層2を用いた場合であっても、空隙に誘電層2が入り込み、誘電層2の体積が吸収されることで、より誘電層2が変形しやすくなり、検出の感度が向上する。この観点からも布帛は30%以上の空隙率を有することが好ましく、40%以上であればより好ましい。
基材層として布帛のような空隙を有する材料を用いた場合、体積変化が無いか若しくは限りなく小さい誘電層2を用いた場合であっても、空隙に誘電層2が入り込み、誘電層2の体積が吸収されることで、より誘電層2が変形しやすくなり、検出の感度が向上する。この観点からも布帛は30%以上の空隙率を有することが好ましく、40%以上であればより好ましい。
しかしながら、第1の基材層及び/又は第2の基材層を設けない構成としてもよい。例えば、第1の配線5、第2の配線6、第1の電極7及び第2の電極8を誘電層2上に直接設けた構成としてもよい。
[配線]
第1の配線5又は第2の配線6(以下、単に「配線」とも称する)は例えば導電性繊維で形成されている。配線は、例えば電源から印加された電圧を各検出部9まで伝えたり、各検出部9でとらえた電気信号を演算処理部13と接続された第1及び第2のリード線に伝えたりする役割を担うため、電気抵抗値が低いほど好ましい。電気抵抗値が低いほど、電気信号を伝える過程で配線の電気抵抗がノイズとして重なりにくくなるため、本来の電気信号を正確に検出することができる。またノイズが少なければ、演算処理部の回路を、ノイズを考慮した構成とする必要が無いため、構成が簡単になる。配線の両端間の電気抵抗値は、例えば1kΩ以下であれば好ましい。
第1の配線5又は第2の配線6(以下、単に「配線」とも称する)は例えば導電性繊維で形成されている。配線は、例えば電源から印加された電圧を各検出部9まで伝えたり、各検出部9でとらえた電気信号を演算処理部13と接続された第1及び第2のリード線に伝えたりする役割を担うため、電気抵抗値が低いほど好ましい。電気抵抗値が低いほど、電気信号を伝える過程で配線の電気抵抗がノイズとして重なりにくくなるため、本来の電気信号を正確に検出することができる。またノイズが少なければ、演算処理部の回路を、ノイズを考慮した構成とする必要が無いため、構成が簡単になる。配線の両端間の電気抵抗値は、例えば1kΩ以下であれば好ましい。
配線の太さは、太いほど電気抵抗値は低いため好ましいが、荷重分布センサシート1全体の柔軟性を損なわないように設定することが好ましい。配線の太さは、例えば、0.05〜0.5mmであることが好ましい。しかしながら、この範囲に限定されるものではなく、荷重分布センサシート1の大きさに応じて、必要とする電気抵抗値を得るための太さを選定すればよい。求める電気抵抗値を得るために、複数本の導電性繊維を撚って使用してもよい。
配線として用いられる導電性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン等の化学繊維の表面に金属をめっき又は蒸着を行った導電性繊維、或いは金属繊維、炭素繊維等であることが好ましい。導電性繊維の材質は、必要とする配線の電気抵抗値に応じて選定すればよい。
金属繊維は、金属のみで構成されているため電気抵抗値は極めて低く、大きな面積を有する荷重分布センサシート1において配線の長さが長くなった時でも、配線として機能する電気抵抗値を維持することができるため好適である。金属繊維の材質は、電極として機能する電気抵抗値が得られれば限定されるものではないが、ステンレスであれば錆びにくく、酸化による電気抵抗値の変化も少ないため好適である。
配線は、細い金属長繊維の集合体に撚りをかけたマルチフィラメント又は金属短繊維の集合体に撚りをかけた紡績糸であれば、触感が柔らかく、布帛の柔軟性を損なわずに、柔軟な荷重分布センサシートを得るために好適である。また、荷重分布センサシートが曲げ変形したときに塑性変形することが防止される。しかしながら、金属繊維のマルチフィラメントであれば、金属短繊維の集合体と異なり連続した繊維であるため、荷重分布センサシートが曲げ変形した時に、金属短繊維の集合体のように短繊維同士の接点の変化により電気抵抗値が変化することがなく、もとの連続した繊維の長さが大きく変化しない。そのため、電気抵抗値の変化が少なく、より正確な検出を行うことができる。
第1の配線5及び第2の配線6は、第1の基材層3及び第2の基材層4にそれぞれ一体化していてもよい。一体化する手段は、接着剤を介して固定する手段、或いは布帛である基材層に導電性繊維を縫いつける方法又は経糸若しくは緯糸の一部として織り込む方法がある。中でも布帛の経糸又は緯糸の一部として織る方法であれば、布帛の製造工程において、経糸又は緯糸の一部を導電性繊維に変更するのみで一体化することが可能なため、工程の簡略化を図ることができ、配線が剥離することもなく好適である。
図1には、第1の配線5及び第2の配線6がそれぞれ8本形成され、合計64個の検出部9を備える例を示したが、必要とする検出部9の数に応じて、第1及び第2の配線の本数を適宜設定することができる。また、第1の配線5の本数と第2の配線6の本数とは必ずしも同じでなくともよい。
また、第1の配線5及び第2の配線6はそれぞれ、図1に示すように平行な配列をなしていなくともよく、間隔をあけて互いに交わることなく配列していればよい。また、第1の配線5及び第2の配線6は互いに直行している必要はなく、荷重分布センサシート1を平面視したときに、第1の配線5と第2の配線6とが複数の交点を作るように配置されていればよい。例えば、第1の配線5及び第2の配線6は斜方格子状等に配置されていてもよい。
[電極]
第1の電極7及び第2の電極8(以下、単に「電極」とも称する)の形状は、円形、矩形(正方形、長方形等)又は他の多角形であってもよい。第1の電極7及び第2の電極8は、例えば第1の配線5及び第2の配線6とは別体として設けられている。電極は、平面視したときの電極の中心が交点Pと重なるように設けられることが好ましい。
第1の電極7及び第2の電極8(以下、単に「電極」とも称する)の形状は、円形、矩形(正方形、長方形等)又は他の多角形であってもよい。第1の電極7及び第2の電極8は、例えば第1の配線5及び第2の配線6とは別体として設けられている。電極は、平面視したときの電極の中心が交点Pと重なるように設けられることが好ましい。
電極は、第1の配線5及び第2の配線6と電気的に接続しているが、平面視したときに電極と重なる配線の領域の少なくとも一部が電極と接続していればよい。
また、電極は、隣り合う電極と接しないように、前後左右に間隔をあけて独立して配置されている。
また、電極は、隣り合う電極と接しないように、前後左右に間隔をあけて独立して配置されている。
以上のような構成とすることで、電極は、それぞれ個別に上下移動することができ、且つ荷重分布センサシート1の面積における第1の電極7及び第2の電極8の占める割合を小さくすることができる。それにより、低抵抗で柔軟な荷重分布センサシート1を得ることができる。荷重分布センサシート1が柔軟であるほど、高感度に荷重分布を検出することができる。加えて配線のみを配置するよりも大きな静電容量値が得られ、感度の高い荷重分布センサシート1が得られる。
例えば、第1の配線5の幅を、第1の電極7の、第1の配線5の長手方向に直行する幅よりも小さくすることが好ましい。また、同様に、第2の配線6の幅を、第2の電極8の、第2の配線の長手方向に直行する幅よりも小さくすることが好ましい。このような電極を備えることで、より柔軟で感度の高い荷重分布センサシート1が得られる。
電極の面積は、特に限定されるものではなく、使用する目的に応じて適宜設定される。しかしながら、小さすぎると十分量の静電容量を検出できないため、電極の面積は19.6mm2以上(円形であれば、直径5mm以上)とすることが好ましい。
電極の材料として、エラストマーに導電性粒子を混合したエラストマー組成物、又は導電性繊維、金属箔を用いることが好ましい。これらの材料を用いることにより、より柔軟性のある荷重分布センサシート1が得られる。
電極の材料として、エラストマーに導電性粒子を混合したエラストマー組成物、又は導電性繊維、金属箔を用いることが好ましい。これらの材料を用いることにより、より柔軟性のある荷重分布センサシート1が得られる。
特に、エラストマー組成物を用いる場合、より柔軟性のある荷重分布センサシート1が得られ、且つ材料の価格も比較的安価であるためより好ましい。電極の電気抵抗値を下げるためにエラストマー組成物には導電性粒子を多量に混合することが好ましい。例えば、50〜500%(重量)で導電性粒子を含めることが好ましい。このように多量に導電性粒子を含めることによりエラストマー組成物は硬くなるが、電極は互いに独立に配置されているため、荷重分布センサシート1の全体としての柔軟性を損なわずに低抵抗な電極を得ることができる。それによって、柔軟性及び低い電気抵抗値を兼ね備えた高感度な荷重分布センサシートを得ることができる。
エラストマー組成物に用いられるエラストマーは、柔軟性を有していれば特に限定されるものではなく、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム等の弾性材料、及びオレフィン系、スチレン系、ウレタン系、エステル系、アミド系等の熱可塑性樹脂等から選択される一種以上を用いることができる。
導電性粒子は、エラストマーに導電性を付与するものであれば特に限定されるものではなく、例えばカーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイト、グラフェン等の炭素系導電材及び金属粒子等から選ばれる一種以上を用いることができる。中でも炭素系導電材は、汎用性の高いカーボンブラック等安価なものが多く、好適に用いられる。
エラストマー組成物を電極として成型する手段は、特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷等の印刷法を用いることができる。その場合、導電性粒子を混合したエラストマー組成物を溶媒に溶解させて塗料化したものを基材層に印刷することにより、電極が形成される。印刷法を採用することで、多数の電極を同時に成型することができ、高い生産性が得られるため好適である。
また、熱可塑性樹脂を用いる場合、あらかじめ導電性粒子を混合した熱可塑性樹脂の導電性シートを電極の形状に打ち抜き、基材層表面に熱圧着させて固定することもできる。
電極に導電性繊維を用いる場合、導電性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン等の化学繊維の表面に金属をめっき又は蒸着した導電性繊維、又は金属繊維、炭素繊維等、配線に用いる導電性繊維と同様のものを用いることができる。
電極に導電性繊維を用いる場合、導電性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン等の化学繊維の表面に金属をめっき又は蒸着した導電性繊維、又は金属繊維、炭素繊維等、配線に用いる導電性繊維と同様のものを用いることができる。
導電性繊維を用いて電極を形成する場合、刺繍が好適に用いられる。その場合、基材層の所望の位置及び形状に導電性繊維を刺繍すればよい。その際、電極を構成する導電性繊維は、配線を構成する導電性繊維と接触するように刺繍される。
電極に金属箔を用いる場合、その材料は特に限定されるものではなく、アルミ箔や銅箔等、一般的な材料を用いることができる。これら金属箔を電極の形状に打ち抜き、接着剤を介して基材層に固定すればよい。
電極に金属箔を用いる場合、その材料は特に限定されるものではなく、アルミ箔や銅箔等、一般的な材料を用いることができる。これら金属箔を電極の形状に打ち抜き、接着剤を介して基材層に固定すればよい。
例えば、配線を構成する導電性繊維を経糸又は緯糸として布帛に織り込み、電極は織り込まずに印刷又は接着により設ける構成とすれば製造の手順が簡単であり好ましい。
更に、電極の表面抵抗値は、配線の両端間の電気抵抗値よりも高いことが好ましい。一本の配線上において、電極から配線の接続部までの間は、電極の抵抗と配線の抵抗が直列に接続された回路を形成している。そのため、配線の抵抗の方が低い場合、直列回路の総抵抗は電極の抵抗に影響される。即ち、この場合、一本の配線上の接続部に近い電極と遠い電極とで、接続部との間の電気抵抗値が大きく変わることはない。つまり、複数の検出部9間の電気抵抗値のばらつきを小さく抑えることができる。その結果、より正確に荷重分布を検出することができる。また、荷重分布センサシート1自体のサイズを大きくした場合でも、検出部9毎に得られる電気信号のばらつきが少なく、正確な荷重分布の測定が可能である。
更に、電極の表面抵抗値は、配線の両端間の電気抵抗値よりも高いことが好ましい。一本の配線上において、電極から配線の接続部までの間は、電極の抵抗と配線の抵抗が直列に接続された回路を形成している。そのため、配線の抵抗の方が低い場合、直列回路の総抵抗は電極の抵抗に影響される。即ち、この場合、一本の配線上の接続部に近い電極と遠い電極とで、接続部との間の電気抵抗値が大きく変わることはない。つまり、複数の検出部9間の電気抵抗値のばらつきを小さく抑えることができる。その結果、より正確に荷重分布を検出することができる。また、荷重分布センサシート1自体のサイズを大きくした場合でも、検出部9毎に得られる電気信号のばらつきが少なく、正確な荷重分布の測定が可能である。
したがって、電極に求められる電気抵抗値は、検出部9の電気信号を配線に伝える機能を有する程度であればよく、配線より高いことが好ましい。そのような観点からも、導電性繊維よりも電気抵抗値の高い導電性粒子を含んだエラストマー組成物を電極として用いることが好ましい。
一方で、電極に金属箔や例えば銀ペーストのような金属粉を分散させた導電性インクを用いることもできる。これらの電気抵抗値は極めて低く、配線に用いられる導電性繊維よりも電気抵抗値が低いことがある。この場合、配線の接続部と各電極との間の電気抵抗値は、配線の電気抵抗値が支配的となるため、接続部と各電極との間の距離、即ち、配線の長さに比例して高くなる。よって、このような電極を用いても荷重分布を検出することは可能であるが、より正確な検出を行うためには、配線の長さによる電気抵抗値の影響を補正するような演算を行うことが好ましい。しかしながら、この補正を行うためには演算処理部の回路に複雑さが伴う。なお、配線の導電性繊維の電気抵抗値は、両端間で例えば1kΩ以下と十分に低いため、電気抵抗値が配線の長さに応じて異なるものの、十分に低い値を維持することができる。
第1の電極7と第2の電極8とは、互いに対向している必要がある。しかしながら、製造時の積層工程で、第1の電極7と第2の電極8との位置がずれる可能性もある。その場合、各検出部の面積にばらつきが生じ、荷重分布測定の正確性が低下する虞がある。
そこで、第1の電極7と第2の電極8との大きさが互いに異なることが好ましい。そのような荷重分布センサシート1について図5、6を参照して説明する。この例においては、第1の電極7と第2の電極8とはともに円形であり、第1の電極7の大きさが、第2の電極8よりも小さい。このような構成であれば、積層工程の位置ずれが生じた場合でも、図6の(c)に示すように、第1の電極7と第2の電極8とが重なる領域19の面積は大きく変わらないため、測定の正確性を維持することに有効である。
或いは、ずれによる正確性の低下を防止するために、電極を長方形に形成してもよい。このような荷重分布センサシート1について図7及び図8を参照して説明する。この例においては、第1の電極7と第2の電極8とはともに長方形であり、それぞれの長手方向が互いに直行するように形成されている。このような構成であれば、積層工程の位置ずれが生じた場合でも、図8の(c)に示すように、第1の電極7と第2の電極8とが重なる領域19の面積は変わらないため、測定の正確性を維持することに有効である。
[保護層]
第1の保護層10及び第2の保護層11(以下、単に「保護層」とも称する)は、例えば、荷重分布センサシート1の外部からの静電ノイズを遮蔽するために設けられる。保護層の材料は、荷重分布センサシートの柔軟性を損なわないようなエラストマーで形成されることが好ましく、また静電ノイズを遮蔽するために絶縁性であることが好ましい。
第1の保護層10及び第2の保護層11(以下、単に「保護層」とも称する)は、例えば、荷重分布センサシート1の外部からの静電ノイズを遮蔽するために設けられる。保護層の材料は、荷重分布センサシートの柔軟性を損なわないようなエラストマーで形成されることが好ましく、また静電ノイズを遮蔽するために絶縁性であることが好ましい。
保護層の材料は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等から選ばれる一種以上からなるエラストマーで形成することが好ましい。
保護層の厚みは、表面の絶縁性を確保できる程度であればよく、0.1mmから1.0mmであることが好ましい。この範囲であれば、配線への静電ノイズの影響を抑制することができ、且つ基材層の柔軟性が損われず、また荷重分布センサシート1の重量も適切なものとなる。
保護層は、絶縁性のエラストマー層の表面にシールド電極層を更に設けたものであってもよい。例えばシールド電極層は配線を介して接地されており、外部からの静電ノイズを遮蔽することができるため、より感度のよい検出が可能となる。
シールド電極層を形成する方法として、例えば金属繊維で織られた布帛を積層する方法や、導電性の塗料を、メッシュ状、帯状、べた状に印刷して成形する方法が用いられる。
シールド電極層を形成する方法として、例えば金属繊維で織られた布帛を積層する方法や、導電性の塗料を、メッシュ状、帯状、べた状に印刷して成形する方法が用いられる。
シールド電極層の表面に更に絶縁性のエラストマー層を積層してもよい。即ち、シールド電極層を外部からの物体と直に接しない構成としても、静電ノイズを遮蔽する効果を奏する。
[リード線]
第1のリード線14及び第2のリード線15(以下、単に「リード線」とも称する)の一端は、荷重分布センサシート1の接続部5a及び接続部6aにおいて第1の配線5及び第2の配線6とそれぞれ接続され、他端は、例えば、演算処理部13に含まれる演算処理回路のコネクタに接続される。
第1のリード線14及び第2のリード線15(以下、単に「リード線」とも称する)の一端は、荷重分布センサシート1の接続部5a及び接続部6aにおいて第1の配線5及び第2の配線6とそれぞれ接続され、他端は、例えば、演算処理部13に含まれる演算処理回路のコネクタに接続される。
リード線を構成する材料は特に限定されず、電気配線に使用される一般的な材料が用いられる。また、配線で用いるものと同様の導電性繊維をリード線に用いてもよい。導電性繊維を用いる場合は、配線基材層に布帛を用い、その布帛に導電性繊維を図3に記載するようなパターンに導電性繊維を刺繍することによりリード線を形成することができる。また、基材層の布帛と配線基材層の布帛とを1枚の布帛で構成してもよいし、配線とリード線とを1つの導電性繊維で構成してもよい。
[演算処理部]
演算処理部13は、必要に応じて、導出した荷重分布を記憶する手段を有してもよいし、導出した荷重分布をPC等の外部の機器に出力する手段を備えてもよい。
演算処理部13は、必要に応じて、導出した荷重分布を記憶する手段を有してもよいし、導出した荷重分布をPC等の外部の機器に出力する手段を備えてもよい。
[製造方法]
荷重分布センサシート1は、例えば、上表面側から順に、第1の保護層10、第1の配線5及び第1の電極7を備える第1の基材層3、誘電層2、第2の配線6及び第2の電極8を備える第2の基材層4、第2の保護層11が積層されて製造される。
荷重分布センサシート1は、例えば、上表面側から順に、第1の保護層10、第1の配線5及び第1の電極7を備える第1の基材層3、誘電層2、第2の配線6及び第2の電極8を備える第2の基材層4、第2の保護層11が積層されて製造される。
積層する工程は、特に限定されるものではなく、一般的な技術を用いることができる。例えば、各層を個別に準備して、層間に接着剤を塗布し、各層を積層し、熱プレスして接着してもよい。
誘電層2及び保護層を成型する手段は、材料が液状のエラストマー組成物であれば金型への注型、固形状のエラストマー組成物であればプレス成型等一般的な技術を採用すればよい。誘電層2及び保護層が液状のエラストマー組成物の場合、基材層に直接これらの層をコーティングしてもよい。コーティング法として、例えば、スプレーコート、ブレードコート又は含浸等を採用することができる。
以下、実施例によって本発明の荷重分布センサシート及び荷重分布センサを製造し、効果を評価した例を更に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
・荷重分布センサシートの作製
[実施例1]
(基材層、配線の準備)
第1の基材層及び第1の基材層を構成する布帛を製造するために、経糸、緯糸ともに600dのポリエステル長繊維を準備した。配線を構成する導電性繊維として、線径が0.1mmのステンレス鋼線(商品名:SUS−304 W1)を準備した。
[実施例1]
(基材層、配線の準備)
第1の基材層及び第1の基材層を構成する布帛を製造するために、経糸、緯糸ともに600dのポリエステル長繊維を準備した。配線を構成する導電性繊維として、線径が0.1mmのステンレス鋼線(商品名:SUS−304 W1)を準備した。
経糸47本/吋、緯糸43本/吋の打ち込み本数で、経糸として30mmごとに導電性繊維を用いて平織りし、導電性繊維が一体化された布帛を得た。この布帛の空隙率は、44%であった。
前記布帛を幅270mm、長さ270mmにカットして、8本の配線としての導電性繊維が並んだ布帛を2枚準備した。
(電極の準備)
電極を構成する材料として、ポリエステル樹脂にカーボンブラックを混合した、導電性インク(商品名:JELCON CH−N、十条ケミカル(株)製)を用いた。
(電極の準備)
電極を構成する材料として、ポリエステル樹脂にカーボンブラックを混合した、導電性インク(商品名:JELCON CH−N、十条ケミカル(株)製)を用いた。
スクリーン印刷機を用いて、布帛の表面に、導電性繊維に沿って30mm間隔で導電性インク(電極)を印刷した。電極は、直径10mmの円形に、乾燥後の厚みが10μmとなるように形成した。その後、120℃のオーブンで30分乾燥し、配線1本あたり8個の電極が形成された2枚の布帛を得た。
(誘電層の準備)
誘電層を構成するエラストマーとして、ウレタン(商品名:パンデックス1145A/B、DIC(株)製)を用いた。A剤とB剤を100/90の割合で混合して脱泡した後、金型に注型して80℃のオーブンで60分加熱し、硬化させた。硬化後に金型から取り出し、厚みが1.0mmのウレタンシートとして誘電層を得た。
誘電層を構成するエラストマーとして、ウレタン(商品名:パンデックス1145A/B、DIC(株)製)を用いた。A剤とB剤を100/90の割合で混合して脱泡した後、金型に注型して80℃のオーブンで60分加熱し、硬化させた。硬化後に金型から取り出し、厚みが1.0mmのウレタンシートとして誘電層を得た。
(保護層の準備)
保護層を構成するエラストマーとして、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPDM)を用いた。原料ゴムとしてのEPDMを100重量部、酸化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、充填剤としてのシリカを30重量部、ポリエステル系可塑剤を15重量部、加硫剤としての2、5ジメチル−2、5ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを3重量部準備し、オープンロールで混練して、エラストマー組成物を得た。このエラストマー組成物を厚み0.3mmにプレス加硫して、2枚の保護層を得た。
保護層を構成するエラストマーとして、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPDM)を用いた。原料ゴムとしてのEPDMを100重量部、酸化亜鉛を5重量部、ステアリン酸を1重量部、充填剤としてのシリカを30重量部、ポリエステル系可塑剤を15重量部、加硫剤としての2、5ジメチル−2、5ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを3重量部準備し、オープンロールで混練して、エラストマー組成物を得た。このエラストマー組成物を厚み0.3mmにプレス加硫して、2枚の保護層を得た。
(積層工程)
電極が形成された2枚の布帛で誘電層を挟むように積層した。誘電層と布帛とは、接着剤(商品名:クリスボン4070、DIC(株)製)を介して接着した。接着する際は、一方の布帛と他方の布帛にそれぞれ設けられた配線が互いに90°で交差し、且つ2枚の布帛にそれぞれ設けられた各電極が互いに対向するように積層した。
電極が形成された2枚の布帛で誘電層を挟むように積層した。誘電層と布帛とは、接着剤(商品名:クリスボン4070、DIC(株)製)を介して接着した。接着する際は、一方の布帛と他方の布帛にそれぞれ設けられた配線が互いに90°で交差し、且つ2枚の布帛にそれぞれ設けられた各電極が互いに対向するように積層した。
更に、保護層の片側の表面に接着剤(商品名:アローベースSB−1200、ユニチカ(株)製)を塗布して、各布帛(基材層)の外側にそれぞれ積層した。その際、布帛に設けられた配線の一端を約10mm外側に露出させ、接続部とした。これをプレス機で熱圧着させて、荷重分布センサシートを作製した。
[実施例2]
配線を構成する導電性繊維として、ステンレスのマルチフィラメント(商品名:ナスロン、日本精線(株)製)を用い、更に、一方の布帛に設けられた電極を直径15mmの円形とすること以外は、実施例1と同様の荷重分布センサシートを作製した。
配線を構成する導電性繊維として、ステンレスのマルチフィラメント(商品名:ナスロン、日本精線(株)製)を用い、更に、一方の布帛に設けられた電極を直径15mmの円形とすること以外は、実施例1と同様の荷重分布センサシートを作製した。
[実施例3]
配線の間隔を80mm毎とした布帛を用い、電極を幅10mm、長さ20mmの長方形に成型し、更に全体の大きさを長さ720mm、幅720mmとしたこと以外は、実施例2と同様の荷重分布センサシートを作製した。
配線の間隔を80mm毎とした布帛を用い、電極を幅10mm、長さ20mmの長方形に成型し、更に全体の大きさを長さ720mm、幅720mmとしたこと以外は、実施例2と同様の荷重分布センサシートを作製した。
[比較例1]
基材層を構成する布帛として、経糸、緯糸ともに600dのポリエステル長繊維を、経糸47本/吋、緯糸43本/吋の打ち込み本数で織った平織布を用いた。実施例1の導電性インクを用いて、幅10mmの帯状の配線を30mm間隔で8本成型した。上記以外は実施例1と同様である、長さ270mm、幅270mmの荷重分布センサシートを作製した。
基材層を構成する布帛として、経糸、緯糸ともに600dのポリエステル長繊維を、経糸47本/吋、緯糸43本/吋の打ち込み本数で織った平織布を用いた。実施例1の導電性インクを用いて、幅10mmの帯状の配線を30mm間隔で8本成型した。上記以外は実施例1と同様である、長さ270mm、幅270mmの荷重分布センサシートを作製した。
[比較例2]
比較例1で用いた布帛を基材層に幅10mmの帯状の配線を80mm間隔で8本成型し、全体の大きさを長さ720mm、幅720mmとしたこと以外は実施例3と同様である荷重分布センサシートを作製した。
比較例1で用いた布帛を基材層に幅10mmの帯状の配線を80mm間隔で8本成型し、全体の大きさを長さ720mm、幅720mmとしたこと以外は実施例3と同様である荷重分布センサシートを作製した。
・センサシートの評価
(配線及び電極の電気抵抗値の評価)
実施例1〜3及び比較例1、2に用いられる配線及び電極の電気抵抗値を評価した。配線の両端間の電気抵抗値をテスター(商品名:デジタルハイテスター3256、日置電機(株)製)で測定した。
(配線及び電極の電気抵抗値の評価)
実施例1〜3及び比較例1、2に用いられる配線及び電極の電気抵抗値を評価した。配線の両端間の電気抵抗値をテスター(商品名:デジタルハイテスター3256、日置電機(株)製)で測定した。
表面抵抗値の測定は次のように行った。基材層に電極を成型するのと同じ条件で、PETフィルム表面にも成型したサンプルを準備した。これを、ロレスタGP MCP−T610(商品名、三菱化学アナリテック製、JIS K−7194に準拠)を用いて測定した。
次に、実施例1〜3及び比較例1、2に用いられる基材層の配線の一方の端部(接続部)と最も近い位置の検出部との間の電気抵抗値をテスターで測定して「R1」とした。更に最も遠い位置の検出部との間の電気抵抗値を「R2」とした。比較例1及び2のR1及びR2の測定は、表側の配線と裏側の配線とが交差する部分を検出部とみなして行った。
R2/R1の比は、2つの検出部間での電気抵抗値の差の大きさを表している。R2/R1が小さいほうが電気抵抗値の差が少なく、正確な測定が可能である。R2/R1が2.0以下である場合、優れていると評価し、1.2以下であれば特に優れていると評価した。結果を表1に示す。
配線両端間の電気抵抗値は、比較例1及び2の2120Ω、5580Ωであるのに対して、実施例1、2及び3では、それぞれ25Ω、5.8Ω及び16Ωとはるかに低い値であった。この結果から、実施形態の荷重分布センサシートの構成によれば、電気抵抗値が低く、感度が高い検出が可能であることが示された。更に、比較例1及び比較例2では、配線の長さが増加したとき電気抵抗値が大幅に高くなるのに対し、実施例3では電気抵抗値が高くなっていなかった。このことから、実施形態の荷重分布センサシートの構成によれば、配線の長さが増加しても電気抵抗値を低く維持することが可能であることが明らかとなった。
R2/R1は、比較例1及び2の8.04、7.97であるのに対して、実施例1、2及び3では、それぞれ、1.13、1.05及び1.15とはるかに低い値であり、特に優れていると評価された。この結果から、実施形態の荷重分布センサシートの構成によれば、検出部間の電気抵抗値の差(ばらつき)は小さく、精度の高い検出が可能であることが示された。
(静電容量変化の評価)
実施例1、2、比較例1で作成した荷重分布センサシートを用いて、検出部に荷重を加えた時の静電容量変化を測定した。荷重分布センサシートの第1の配線及び第2の配線の各接続部を、リード線を介してLCRメータ(商品名:LCR−6200、(株)テクシオ・テクノロジー製)に接続して静電容量を測定した。検出部に荷重を加えていない時の静電容量を初期静電容量とし、1カ所の検出部に直径30mmの面積で、荷重を加えた時の静電容量変化を観察した。
実施例1、2、比較例1で作成した荷重分布センサシートを用いて、検出部に荷重を加えた時の静電容量変化を測定した。荷重分布センサシートの第1の配線及び第2の配線の各接続部を、リード線を介してLCRメータ(商品名:LCR−6200、(株)テクシオ・テクノロジー製)に接続して静電容量を測定した。検出部に荷重を加えていない時の静電容量を初期静電容量とし、1カ所の検出部に直径30mmの面積で、荷重を加えた時の静電容量変化を観察した。
静電容量の測定結果を図9及び図10に示す。図9のグラフの横軸は荷重(N)であり、横軸は静電容量C(pF)である。図10のグラフの横軸は荷重(N)であり、横軸は静電容量変化量ΔC(pF)である。図9のグラフの通り、実施例1及び2は、荷重が増えるにつれて静電容量値が約6pFから約9pF又は10pFまで変化するのに対し、比較例1では約5pFから約6pFまで変化しているだけである。したがって、実施例1及び2の方が得られる静電容量値も高いことがわかる。また、図10から、実施例1及び2の静電容量変化量は、比較例1の倍か、それ以上であることが分かる。このことから、実施形態の荷重分布センサシートの構成によれば、感度及び精度のよい荷重分布測定が可能であることが示された。
・荷重分布センサの作成
上記実施例3及び比較例2の荷重分布センサシートを用いて、荷重分布センサを作製した例を以下に示す。
第1及び第2の配線の接続部と演算処理部とを接続する第1及び第2のリード線として、実施例2の配線で用いたステンレスのマルチフィラメントを準備した。また、第1及び第2のリード線を形成するための配線基材層(以下、配線基材層)として、ポリエステルの厚手トロマットを準備した。上記実施例3及び比較例2の荷重分布センサシートの、接続部の配線が露出した辺に、配線基材層を縫い合わせて一体とした。接続部の第1及び第2の配線とそれぞれ接続するように、第1及び第2のリード線を配線基材層にジグザグ状に縫い、図5に示すような形状となるように縫いつけた。実施例1で準備した保護層と同様のEPDMのシートを、配線基材層の表面及び裏面にも積層した。第1及び第2のリード線の他方の端部を切りそろえて、裏面をプラスチックフィルムで補強し、演算処理部のコネクタに差し込んで接続した。
上記実施例3及び比較例2の荷重分布センサシートを用いて、荷重分布センサを作製した例を以下に示す。
第1及び第2の配線の接続部と演算処理部とを接続する第1及び第2のリード線として、実施例2の配線で用いたステンレスのマルチフィラメントを準備した。また、第1及び第2のリード線を形成するための配線基材層(以下、配線基材層)として、ポリエステルの厚手トロマットを準備した。上記実施例3及び比較例2の荷重分布センサシートの、接続部の配線が露出した辺に、配線基材層を縫い合わせて一体とした。接続部の第1及び第2の配線とそれぞれ接続するように、第1及び第2のリード線を配線基材層にジグザグ状に縫い、図5に示すような形状となるように縫いつけた。実施例1で準備した保護層と同様のEPDMのシートを、配線基材層の表面及び裏面にも積層した。第1及び第2のリード線の他方の端部を切りそろえて、裏面をプラスチックフィルムで補強し、演算処理部のコネクタに差し込んで接続した。
・荷重分布センサの評価
面積が144cm2で重量が50kgのおもり2つを荷重分布センサシートに載せた。一方のおもりは荷重分布センサシートのX軸方向の2本目の配線及び3本目の配線と、Y軸方向の2本目の配線及び3本目の配線が重畳する合計4カ所の検出部に重なるように載せた。他方のおもりは、X軸方向の6本目の配線及び7本目の配線と、Y軸方向の6本目の配線及び7本目の配線が重畳する合計4カ所の検出部に重なるように載せた。
面積が144cm2で重量が50kgのおもり2つを荷重分布センサシートに載せた。一方のおもりは荷重分布センサシートのX軸方向の2本目の配線及び3本目の配線と、Y軸方向の2本目の配線及び3本目の配線が重畳する合計4カ所の検出部に重なるように載せた。他方のおもりは、X軸方向の6本目の配線及び7本目の配線と、Y軸方向の6本目の配線及び7本目の配線が重畳する合計4カ所の検出部に重なるように載せた。
各第1の配線(表面側)に矩形波を与え、検出部の静電容量の変化を第2の配線(裏面側)から第2のリード線を介して演算処理部に入力した。静電容量の変化から生じる波形の変化を電圧の変化に換算する回路(C/Vコンバーター)を用いて、静電容量変化量を電圧の変化量に変換し、出力された電圧変化量のアナログ信号をA(アナログ)/D(デジタル)コンバーターによりデジタル信号に変換した。デジタル信号への変換は、12ビットの分解能で処理し、そのデジタルカウント数をグラフで表示した。
実施例3の結果を図11に、比較例2の結果を図12に示す。比較例2の重りを置いた場所のカウント数は400以下であるのに対し、実施例3では800〜1000のはるかに多いカウント数が検出された。この結果より、実施例3は感度の良い検出が可能であることがわかる。
更に、実施例3ではおもりを載せた2カ所ともほぼ800〜1000の同様のカウント数であった。一方、比較例2の荷重分布センサでは、2カ所に同じ重さの重りを置いているにも関わらず、カウント数に差がある。この結果から、実施例3は正確な検出が可能であることがわかる。
以上の結果から、実施形態の荷重分布センサによれば、正確且つ感度よく荷重分布を測定することが可能であることが分かった。
なお、あらかじめデジタルカウント数の変化量と、荷重との相関データを準備しておくことで、デジタルカウント数に荷重分布に換算することも可能である。
なお、あらかじめデジタルカウント数の変化量と、荷重との相関データを準備しておくことで、デジタルカウント数に荷重分布に換算することも可能である。
1…荷重分布センサシート
2…誘電層
2a…一面
2b…他面
3…第1の基材層
4…第2の基材層
5,5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6,5−7,5−8…第1の配線
6,6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8…第2の配線
7,7a,7b…第1の電極
8,8a,8b…第2の電極
13…演算処理部
14…第1のリード線
15…第2のリード線
2…誘電層
2a…一面
2b…他面
3…第1の基材層
4…第2の基材層
5,5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6,5−7,5−8…第1の配線
6,6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8…第2の配線
7,7a,7b…第1の電極
8,8a,8b…第2の電極
13…演算処理部
14…第1のリード線
15…第2のリード線
Claims (7)
- 弾性を有する誘電層と、
前記誘電層の一面側に間隔をあけて互いに交わることなく配列した複数の第1の配線と、
前記誘電層の前記一面に対向する他面側に間隔をあけて互いに交わることなく配列し、前記一面に垂直な方向から平面視したとき前記複数の第1の配線と複数の交点を作るように配置された複数の第2の配線と、
前記交点に対応する前記一面上の領域に前記第1の配線と接続するように、間隔をあけて設けられた複数の第1の電極と、
前記交点に対応する前記他面上の領域に前記第2の配線と接続するように、間隔をあけて設けられた複数の第2の電極と
を備え、
前記第1の配線及び/又は前記第2の配線が、導電性繊維で形成され、
前記第1の配線の幅が、前記第1の電極の、前記第1の配線の長手方向に直行する幅よりも小さく、及び/又は前記第2の配線の幅が、前記第2の電極の、前記第2の配線の長手方向に直行する幅よりも小さい、
荷重分布センサシート。 - 前記第1の配線及び/又は前記第2の配線が、金属繊維で形成されている、
請求項1に記載の荷重分布センサシート。 - 前記誘電層の前記一面側に設けられ、布帛で形成されている第1の基材層と、
前記誘電層の前記他面側に設けられ、布帛で形成されている第2の基材層と
を更に備え、
前記第1の配線は、前記第1の基材層内に設けられ、
前記第2の配線は、前記第2の基材層内に設けられている、
請求項1又は2に記載の荷重分布センサシート。 - 前記第1の電極の表面抵抗値が前記第1の配線の両端間の電気抵抗値よりも高く、及び/又は前記第2の電極の表面抵抗値が前記第2の配線の両端間の電気抵抗値よりも高い、
請求項1〜3の何れか1項に記載の荷重分布センサシート。 - 前記第1の電極及び/又は前記第2の電極が、導電性炭素粉末を混合したエラストマーで形成されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の荷重分布センサシート。
- 前記第1の電極及び前記第2の電極の大きさが互いに異なる、
請求項1〜5の何れか1項に記載の荷重分布センサシート。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の荷重分布センサシートと、
前記荷重分布センサシートの前記第1の電極及び前記第2の電極間の静電容量を荷重分布情報に換算する演算処理部と、
前記第1の配線と前記演算処理部とを電気的に接続する第1のリード線と、
前記第2の配線と前記演算処理部とを電気的に接続する第2のリード線と
を備える荷重分布センサ。
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WO2020208932A1 (ja) | 2020-10-15 |
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