JP6530687B2 - 感圧素子および圧力センサ - Google Patents

感圧素子および圧力センサ Download PDF

Info

Publication number
JP6530687B2
JP6530687B2 JP2015187147A JP2015187147A JP6530687B2 JP 6530687 B2 JP6530687 B2 JP 6530687B2 JP 2015187147 A JP2015187147 A JP 2015187147A JP 2015187147 A JP2015187147 A JP 2015187147A JP 6530687 B2 JP6530687 B2 JP 6530687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
electrode
sensor electrode
conductor pattern
sensitive element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015187147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017062161A (ja
Inventor
豊島 良一
良一 豊島
敬三 外山
敬三 外山
広和 大舘
広和 大舘
岩瀬 雅之
雅之 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Mektron KK
Original Assignee
Nippon Mektron KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Mektron KK filed Critical Nippon Mektron KK
Priority to JP2015187147A priority Critical patent/JP6530687B2/ja
Priority to US15/222,166 priority patent/US10359326B2/en
Publication of JP2017062161A publication Critical patent/JP2017062161A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6530687B2 publication Critical patent/JP6530687B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes
    • G01L5/0028Force sensors associated with force applying means
    • G01L5/0038Force sensors associated with force applying means applying a pushing force
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L1/00Measuring force or stress, in general
    • G01L1/20Measuring force or stress, in general by measuring variations in ohmic resistance of solid materials or of electrically-conductive fluids; by making use of electrokinetic cells, i.e. liquid-containing cells wherein an electrical potential is produced or varied upon the application of stress
    • G01L1/205Measuring force or stress, in general by measuring variations in ohmic resistance of solid materials or of electrically-conductive fluids; by making use of electrokinetic cells, i.e. liquid-containing cells wherein an electrical potential is produced or varied upon the application of stress using distributed sensing elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Description

本発明は、感圧素子、および感圧素子を備える圧力センサに関する。
近年、軽量かつ薄型でフレキシブルな圧力センサが広く用いられるようになっている。たとえば自動車分野では、座席に圧力センサが組み込まれ、搭乗者が車両に乗り込み座席に着座した際に一定以上の荷重(体重)が圧力センサに加わることで人の存在を検知し、シートベルトの着用を促すような制御をとることが可能となる。
また別の用途例として、フレキシブルな圧力センサは、医療または介護の分野でも採用が期待されている。たとえば、ベッドのマットレスに圧力センサを内在させることが試みられている。そして、マットレスに対する、ベッドに横たわる患者や高齢者(以下、患者等ともいう)の体重の掛かり具合を検知する。これにより、患者等が長時間同じ姿勢で横たわっていることを把握して、床ずれの発生を防止するように促すことが可能となる。また、高齢者が使用する靴に圧力センサを搭載すれば、歩行中などにバランスを崩しそうになった場合、圧力センサがその体重の不均衡を圧力分布の変化として検知することができ、正しい姿勢に復帰できるようなサポート動作につなげたりすることも可能となる。
さらに別の用途例として、モバイル機器等に搭載されるタッチパネルと圧力センサとを組み合わせることで、表示画面の縦横の座標をタッチパネルで検出し、かつタッチ荷重を圧力センサで検出することができるようになる。これにより、従来よりも利便性を向上させ得るインターフェースの実現が期待される。
圧力センサは、大別すると、押圧力によって抵抗等の電気特性が変化する感圧素子と、この感圧素子における電気特性の変化を検知する検知部とで構成される。従来のフレキシブルな感圧素子としては、センサ電極がパターン形成されたシート状の支持基板と、このセンサ電極に対向配置されて感圧抵抗体を有する対向基板と、が絶縁スペーサを介して積層されたものが提案されている。たとえば下記の特許文献1から3には、感圧素子を押圧することによりセンサ電極と感圧抵抗体とが短絡(ショート)して電気特性が変化することにより押圧の発生を検知する、いわゆるショートバータイプの圧力センサが記載されている。
より具体的には、特許文献1には、センサ電極が設けられた一方の回路基板と、感圧抵抗体が印刷形成された他方の回路基板と、がスペーサシートを介して対向配置された感圧センサ(圧力センサ)が記載されている。回路基板はフィルム状であり、スペーサシートは両面に粘着層が形成されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。そしてスペーサシートの両面に、上記一方および他方の回路基板がそれぞれ貼り合わされている。
特許文献2の感圧センサ(圧力センサ)は、電極を備える一方のベースフィルムと、感圧抵抗体を備える他方のベースフィルムと、の間にスペーサを介在させたものである。このスペーサの厚みにより、互いに対向する電極と感圧抵抗体とが加圧されていない状態で離間している。スペーサは樹脂フィルムで作成されており、その両面に熱硬化性樹脂接着剤が設けられている。そして、熱硬化性樹脂接着剤の粘着性により一方および他方のベースフィルムとスペーサとが一体化されている。
特許文献3の感圧センサ(圧力センサ)は、抵抗体基板と電極支持基板とをアクリル系粘着フィルムやPET系粘着剤よりなる接着層を介して接合することで構成されている。抵抗体基板と電極支持基板にはPETフィルムが用いられている。そして特許文献3には、粘着フィルムや粘着剤を加熱硬化させてスペーサとすることが記載されている。接着層は、感圧抵抗体およびセンサ電極の合計厚みよりも厚く形成されており、感圧抵抗体とセンサ電極とは対向状態で離間している。
ここで、ショートバータイプの一般的な圧力センサの場合、感圧素子に荷重がかからない時点ではセンサ電極と感圧抵抗体とが離間している。センサ電極と感圧抵抗体とは、絶縁性のスペーサを介して離間配置されている。特許文献1から3のスペーサは、フィルムを打ち抜いて開口を形成し、この開口部をセンサ電極に位置合わせしながらベースフィルムに貼合または接合して得られる。また特許文献3には、他の態様として、センサ電極の周囲にPET系粘着剤を塗工してスペーサを作成してもよいことが記載されている。ここで、圧力センサは、感圧素子に加えられた荷重が特定の閾値を越えた時点でセンサ電極と感圧膜とが接触して電流(センサ電流)が流れるように構成されている。この閾値を感圧初期荷重と呼ぶ場合がある。圧力センサは、センサ電極にセンサ電流が流れた際の抵抗値を計測して荷重値や圧力値に変換して出力する。
特開2002−158103号公報 特開2004−028883号公報 特開2001−159569号公報
上述したように圧力センサの多岐にわたる用途を想定した場合、センサ電極を数ミリメートル四方以下にパターン形成した高精細な感圧素子や、感圧初期荷重が100グラム重(約1N)以下の高分解能な感圧素子が求められる場合がある。逆に、複数の感圧素子をアレイ化して1メートル四方以上の大型かつ高荷重感知に適用する圧力センサが求められる場合もある。用途に応じた様々な感圧特性の圧力センサを量産するためには感圧初期荷重の製品個体差を抑制する必要があり、そのためには、センサ電極とスペーサとの位置合わせ精度やスペーサの厚み精度などの品質を安定化する必要がある。
しかしながら、特許文献1から3に記載された圧力センサにおいては、スペーサ用のフィルムは予め開口処理をし、両面に粘着層や接着層を設けたうえでPETフィルムなどのベースフィルムを貼合または接合することから、センサ電極と開口部との相対的な位置合わせが非常に困難となる。
一例を挙げれば、現実的な製造プロセス上、センサ電極が形成された支持基板とスペーサ用フィルムとを、ピンガイド等を用いて位置合わせして貼り合わせる場合の位置精度は少なくとも±100μm程度である。このため、スペーサの開口部とセンサ電極との間に製品個体ごとに±100μm程度の相対的な位置ずれが発生し、圧力センサの出力特性に大きなバラつきを生じる可能性がある。また、センサ電極が微小で高精細な感圧素子であるほど、この貼り合わせの位置ずれに起因する圧力センサの出力特性の製品個体差の影響は顕著となる。
一方、特許文献3のように、センサ電極を取り囲むようにしてPET系粘着剤を塗布および加熱硬化させてスペーサを作成する場合、支持基板の上に感圧抵抗体およびセンサ電極の合計厚みよりも厚く粘着剤を塗布する必要があり、塗布厚を精度よく制御することが困難である。そして、開口ごとおよび製品個体ごとに粘着剤の塗布厚にバラつきが生じると、センサ電極ごとおよび圧力センサごとの感圧初期荷重に差異が生じて問題となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、センサ電極ごとおよび圧力センサごとの感圧初期荷重のバラつきを抑制することが可能な感圧素子、およびかかる感圧素子を備える圧力センサを提供するものである。
本発明の感圧素子は、支持基板と、前記支持基板に支持された導電性の導体パターンと、前記導体パターンに対向して配置された感圧膜と、開口部を有し前記支持基板と前記感圧膜との間に設けられた絶縁層と、を有し、前記開口部の開口縁の少なくとも一部が前記導体パターンの上に位置しており、前記導体パターンの一部が前記開口部の内側に露出して他部が前記絶縁層に覆われており、前記絶縁層は前記支持基板の上と前記導体パターンの上とに亘って連続的に形成されており、前記支持基板を基準とする前記絶縁層の上面高さは前記支持基板の上よりも前記導体パターンの上においてより高くなっていることを特徴とする。
また、本発明の圧力センサは、上記の感圧素子と、前記感圧素子と電気的に接続された検知部と、を備え、前記導体パターンは引出配線が接続されたセンサ電極を含み、前記検知部が、前記感圧膜と前記センサ電極との接触抵抗に応じて変化する前記感圧素子の電気特性を検知する。
本発明の感圧素子は、絶縁層の開口部の開口縁の少なくとも一部が導体パターンの上に位置しているため、絶縁層を薄く形成しても導体パターンと感圧膜とを離間させることができる。そして、感圧初期荷重に寄与する開口縁の近傍における絶縁層を薄く形成できることで絶縁層の厚さ寸法を高精度に制御することができる。また、導体パターンの平滑性を利用して導体パターンの上で絶縁層を平坦に形成することができるため、導体パターンの上に位置する開口縁の近傍における絶縁層の厚さ寸法を更に高精度に制御することができる。これにより、センサ電極ごとおよび圧力センサごとの感圧初期荷重のバラつきを抑制することが可能であり、本発明の感圧素子および圧力センサは電気信頼性に優れる。
本発明の第一実施形態の圧力センサの平面図である。 (a)は、図1のI-I線断面図であり、(b)は、図1のII-II線断面図である。 感圧素子の製造工程を説明する説明図であり、(a)はセンサ電極が設けられた支持基板上に感光性塗材がスクリーン印刷により塗工される工程を示し、(b)は支持基板上に感光性塗材が塗工されて露光される状態を示し、(c)は露光および現像により開口部を有する絶縁層が形成された状態を示す。 本発明の第二実施形態の感圧素子の平面図である。 (a)は、図4のA部の部分拡大図であり、(b)は、図4のB部の部分拡大図である。 本発明の第三実施形態の感圧素子の平面図である。 本発明の実施例および比較例に用いる印刷ワークの説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
本実施形態において膜、シート、およびフィルムは、同義であって互いに区別せず、いわゆる板状やプレート状も含む。
本明細書において、初期状態とは、感圧膜が外部から押圧力を受けていない状態をいう。初期検知感度とは、感圧初期荷重を検知する感度をいう。感圧初期荷重とは、感圧膜が外部から押圧されて感圧膜とセンサ電極とが接触することによるセンサ電極の導通が検知される最小の押圧力をいう。ここで導通が検知されるとは、所定の閾値以上の電流もしくは電圧が検知されること、または電流または電圧が零を超えて実質的に検知されることのいずれかをいう。感圧初期荷重が小さいほど初期検知感度は高く、感圧初期荷重が大きいほど初期検知感度は低い。初期検知感度は所定の範囲であることが好ましい。初期検知感度が低すぎると充分な検知ができず、また初期検知感度が高すぎると検知を予定しない小さい荷重でも検知してしまい、誤検知の原因となり得る。
<第一実施形態>
以下に、第一実施形態にかかる感圧素子100および圧力センサ200について図1および図2を用いて説明する。はじめに、本実施形態の感圧素子100および圧力センサ200の概要について説明する。以下の説明において、図2各図における上方および下方を感圧素子100や圧力センサ200の上方および下方として説明する場合があるが、かかる方向は感圧素子100および圧力センサ200の製造時や使用時の天地方向の上下を必ずしも表すものではない。
本実施形態の感圧素子100は、支持基板11、導体パターン(センサ電極12)、感圧膜14および絶縁層13を有している。導体パターンは導電性を有し、支持基板11に支持されている。本実施形態では導体パターンとしてセンサ電極12のみを有する態様を例示するが、後述する第三実施形態のように、導体パターンはセンサ電極12およびダミー電極40で構成されていてもよい。感圧膜14は、導体パターン(センサ電極12)に対向して配置されている。絶縁層13は開口部20を有し、支持基板11と感圧膜14との間に設けられている。
図1および図2に示すように、本実施形態の感圧素子100は、開口部20の開口縁22の少なくとも一部が導体パターン(センサ電極12)の上に位置している。そして、導体パターン(センサ電極12)の一部である露出部18は開口部20の内側に露出しており、導体パターン(センサ電極12)の他部である埋設部19は絶縁層13に覆われている。
図1に示すように、圧力センサ200は、感圧素子100と、この感圧素子100と電気的に接続された検知部210と、を備えている。上述したように本実施形態の導体パターンはセンサ電極12であり、センサ電極12には引出配線12cが接続されている。開口部20の開口縁22の少なくとも一部がセンサ電極12の上に位置している。検知部210は、感圧膜14とセンサ電極12との接触抵抗に応じて変化する感圧素子100の電気特性を検知する。
つぎに、本実施形態について更に詳細に説明する。感圧素子100は、外部からの押圧力の負荷によって、計測可能な電気特性が変動するデバイスである。具体的には、感圧膜14とセンサ電極12との接触抵抗が外部からの押圧力によって変動する。図1に示す第一電極12a、および第二電極12bは、不図示の電圧印加部に接続されている。初期状態では、図2(a)、(b)に示すとおり感圧膜14とセンサ電極12とは、互いに離間しており、導通していない。そして、外部(紙面上方)から感圧膜14に対し押圧力が負荷されると、感圧膜14は、センサ電極12側に撓み変形して第一電極12aおよび第二電極12bに接触する。感圧膜14は、全体に、または少なくとも導体パターン(センサ電極12)における一部(露出部18)に対向する位置に、導電機能を有している。したがって、感圧膜14がセンサ電極12(第一電極12aおよび第二電極12b)と物理的に接触することにより、所定の接触抵抗をもって第一電極12aと感圧膜14、および感圧膜14と第二電極12bとはそれぞれ導通する。これにより、第一電極12aと第二電極12bとが互いに導通する。
感圧素子100における接触抵抗およびその変動量は押圧力と相関する。本実施形態の圧力センサ200は、感圧素子100における接触抵抗を定量的に検知することで、外部から加えられた押圧力を定量化する。
本実施形態の圧力センサ200は、可撓性、高感度特性、および電気信頼性に優れ、種々の用途に用いることができる。たとえば、任意の物体表面に感圧素子100を貼りつけて、表面に働く圧力を検知する簡易な計測に用いることができる。特に、曲面形状や球面のような湾曲した表面に感圧素子100を装着してタッチ操作に供することができ、さらに押圧力の強弱によって種々の機能を切り替えて実行させることも可能である。また、従来のタッチパネルのように二次元平面でのタッチ入力ができることに加え、電子黒板や電子ペーパーに応用して三次元入力が可能なユーザインターフェイスとして使用することができる。
圧力センサ200に設けられた検知部210は、電源を含む電圧印加部(不図示)のほか、感圧膜14を介してセンサ電極12に負荷された押圧力を算出する処理部(不図示)を適宜含む。本実施形態のセンサ電極12は、一対の第一電極12aおよび第二電極12bの組み合わせからなり、感圧膜14を介してセンサ電極12に押圧力が負荷されることで第一電極12aと第二電極12bとが導通して引出配線12cに電流が流れる。
本実施形態の感圧素子100は、一組のセンサ電極12および感圧膜14で構成される圧力センサ部を1つ備える1チャンネルタイプである。ただし、第二実施形態で説明するように感圧素子100はセンサ電極12と感圧膜14との組み合わせで構成される圧力センサ部を複数組備える多チャンネルタイプとしてもよい。
支持基板11は、本実施形態におけるセンサ電極12を支持することのできる基板であれば特に限定されない。たとえば、本実施形態ではフィルム状の支持基板11を用いているが、フィルム状以外の形状の任意の面を支持基板11としてもよい。
本実施形態における支持基板11は、可撓性かつ絶縁性のフィルムである。上記絶縁性フィルムの材料の例としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、アラミド樹脂、ポリイミド、ポリイミドワニス、ポリアミドイミド、ポリアミドイミドワニス、またはフレキシブルシートガラス等を挙げることができるが、これに限定されない。
圧力センサ200の使用環境上の高温耐久性を考慮するならば、支持基板11の材料は、耐熱性の高いポリカーボネート、アラミドフィルム、ポリイミド、ポリイミドワニス、ポリアミドイミド、ポリアミドイミドワニス、またはフレキシブルシートガラス等がより好ましい。圧力センサ200の製造上、はんだ付け等のプロセスを提供する場合には、支持基板11の材料は、ポリイミドフィルム、ポリイミドワニスフィルム、ポリアミドイミドフィルムまたはポリアミドイミドワニスフィルムであることがさらに好ましい。
支持基板11はフィルム状に限らず、種々の厚みのものを用いることができる。支持基板11の厚みは特に限定されないが、たとえば12.5μm以上50μm以下の範囲とすることができる。支持基板11の厚みが12.5μmを上回る場合、圧力センサ200の製造工程または使用の際に良好な耐久性を発揮し、また50μmを下回る場合、良好な可撓性が発揮される。支持基板11は、上述したように、予めフィルム状に成形されたものでもよいし、またはセンサ電極12の素材であるCu箔等に対しポリイミド系等の絶縁用ワニスをキャスト・塗工することで形成されたものであってもよい。たとえば、感圧素子100の耐久性および高感度特性のいずれも良好にするという観点からは、支持基板11の厚みは、感圧膜14の厚みよりも大きく設計するとよい。
センサ電極12は、面方向に所定の隣接間隔を空けて隣接して並列された一対の電極対である。センサ電極12は、支持基板11の上に所望のパターン形状で形成されている。図1に示すとおり、本実施形態におけるセンサ電極12は、一対の第一電極12aおよび第二電極12bを有している。第一電極12aおよび第二電極12bはそれぞれ矩形状をなし、所定の隣接間隔をあけて並行に隣接配置されて構成されている。
第一電極12aおよび第二電極12bの隣接間隔は特に限定されない。たとえば、センサ電極12と感圧膜14との対向間隔が5μm以上25μm以下である場合には、第一電極12aと第二電極12bとの隣接間隔を50μm以上500μm以下とすることができる。これにより、所望の感圧特性と製造安定性を両立することができる。
センサ電極12は、導電性の部材から構成される。本実施形態においてセンサ電極12は、低抵抗の金属材料から構成されている。本実施形態では、感圧膜14の表面抵抗率よりも、よりセンサ電極12の表面抵抗率の方が小さい。具体的には、銅、銀、銅もしくは銀を含む金属材料、またはアルミニウムなどからセンサ電極12を形成することが好ましいが、これに限定されない。またセンサ電極12は金属箔または金属ペーストなどより作成することができる。
センサ電極12の形状は特に限定されない。本実施形態のセンサ電極12(第一電極12aおよび第二電極12b)は矩形状をなすが、これに代えて同心円形状やスパイラル形状、櫛歯形状などの任意形状にセンサ電極12を作成することができる。また、センサ電極12は、本実施形態のように支持基板11の上に隣接して配置された電極対に代えて、単一のセンサ電極12としてもよい。そして、感圧膜14に感圧抵抗体を形成し、このセンサ電極12と導通させてもよい。この場合、センサ電極12および感圧膜14に引出配線12cをそれぞれ設けるとよい。
センサ電極12の作製方法は特に限定されない。たとえば、センサ電極12は、銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)およびフォトリソグラフィ・エッチング手法によりパターン加工されて作製される。上記パターニングの際に、後述する引出配線12cまたは外部端子電極12dを同時に形成してもよい。上記CCLは、所望の厚みを有する銅箔を支持基板11に接着剤または粘着剤によって貼り合せてなる積層体や、銅箔に絶縁樹脂のワニスをキャスト・塗工することで得られる積層体、または支持基板11に湿式メッキで銅箔を形成してなる積層体のいずれかを用いることができる。上述で用いる銅箔の厚みは特に限定されないが、フレキシブル回路基板(FPC)の技術分野で標準的に使用されている9μm以上35μm以下の範囲から選択することで、センサ電極12の仕上がりが良好となる。センサ電極12の作成には、銅箔に代えてアルミニウム箔や銀ペーストを用いてもよい。
センサ電極12の上面、すなわち感圧膜14に対向する面には、メッキ処理がなされてもよい。また、センサ電極12の上面のみならず外周端面にもメッキ処理を施してもよい。これにより、センサ電極12の酸化や劣化を防止し、また感圧膜14が繰り返して押圧されることによる耐摩耗性や耐打鍵性が向上する。メッキ処理は、センサ電極12の成膜時または成膜後の後工程で行うことができる。具体的なメッキ処理としては、厚み2μm以上10μm以下の程度のニッケルメッキ、または厚み0.02μm以上2μm以下の程度の金メッキなどを挙げることができるが、これに限定されない。
センサ電極12の厚み(メッキ層の厚みを含む)は特に限定されないが、たとえば10μm以上45μm以下の範囲であることが実用的である。
第一電極12aおよび第二電極12bには、それぞれ引出配線12cが接続されている。本実施形態の引出配線12cは、第一電極12aおよび第二電極12bと一体的に形成されており、外部端子電極12dまで引き出されている。外部端子電極12dはフレキシブル配線202を介して検知部210に接続されている。
引出配線12cは、図2(b)に示すとおり、引出配線12cのいずれかまたは全部が、センサ電極12が形成された支持基板11の上面とは反対側の下面にスルーホール(TH)を介して引き出されている。支持基板11は両面基板であり、下面に引き出された引出配線12cは、外部端子電極12dの手前で、再度スルーホール(TH)を介して、センサ電極12が形成された上面に引き出されている。両面基板は、1枚の支持基板11に複数のセンサ電極12が設けられた所謂アレイ型の圧力センサを構成する場合にも、引出配線12cの複雑化に対応することができる。図2(b)に示すとおり、支持基板11の下面は、当該下面側に引き出された引出配線12cを覆って保護するカバー17が任意で設けられている。カバー17は、たとえば保護フィルムとして用いられる樹脂製のカバーフィルムなどを挙げることができるがこれに限定されない。
ただし上記の両面基板に代えて、センサ電極12が形成された支持基板11の面と同じ面に引出配線12cが形成された片面基板であってもよい。
絶縁層13は、センサ電極12および感圧膜14を互いに離間させるための所定の距離を確保するためのスペーサである。絶縁層13のスペーサ機能により、感圧素子100を坦面に配置した初期状態において、センサ電極12と感圧膜14との短絡は防止されている。絶縁層13が有する開口部20は、感圧膜14に対しセンサ電極12の露出部18を露出させて感圧膜14をセンサ電極12(露出部18)に対して接触可能とするための中空部であり絶縁層13を貫通している。図2(a)に示すように、開口部20を区画する開口壁面13aによって開口縁22は形成される。
絶縁層13は、センサ電極12が設けられた支持基板11の上面に設けられている。支持基板11と後述する感圧膜14とは、絶縁層13を介して積層されている。絶縁層13は、センサ電極12の上部に形成された開口部20の領域を除き、支持基板11および引出配線12c(図2を参照)の略全面を覆っている。
絶縁層13は、支持基板11の上と導体パターン(センサ電極12)の上とに亘って連続的に形成されている。支持基板11を基準とする絶縁層13の上面高さは、支持基板11の上(=高さH2)よりも導体パターンの上(=高さH1)においてより高くなっている。絶縁層13は、支持基板11の面上からセンサ電極12の上面に乗り上げるようにして形成されている。本実施形態の開口部20は、第一電極12aと第二電極12bとに跨って配置されている。開口縁22の一部は第一電極12aの上に位置し、開口縁22の他の一部は第二電極12bの上に位置している。これにより、第一電極12aおよび第二電極12bの上で絶縁層13(重なり部133)の厚みをそれぞれ高精度に制御し、感圧膜14をセンサ電極12に対して高い精度で平行に配置することができる。
絶縁層13は、導体パターン(センサ電極12)の外側に、導体パターン(センサ電極12)に向かって厚さが増加する傾斜部131と、この傾斜部131と導体パターン(センサ電極12)との間に位置して厚さが略均一な均厚部132と、を有している。また絶縁層13は、傾斜部131よりも更に外側(図2(a)における左方)に、均厚部132よりも厚さが小さく、かつ略均一な厚さを有する外周部130を有している。そして、導体パターン(センサ電極12)の上において、絶縁層13(重なり部133)は、均厚部132よりも厚さが小さくかつ略均一な厚さで形成されている。
絶縁層13の上面、すなわち支持基板11とは反対側の表面は、外周部130、傾斜部131、均厚部132および重なり部133に亘って連続的に形成されている。絶縁層13の厚さは、外周部130から傾斜部131、均厚部132に向かって、言い換えると開口部20に向かって連続的に増大している。そして、外周部130と重なり部133の厚さは略等しい。すなわち、絶縁層13のうちセンサ電極12の上に形成された重なり部133は、外周部130と並んで絶縁層13においてもっとも薄く形成された領域である。
開口縁22における絶縁層13(重なり部133)の厚さは特に限定されないが、5μm以上かつ30μm以下が好ましい。センサ電極12の上面を基準として絶縁層13(重なり部133)の厚みが5μm以上であれば、感圧素子100を屈曲させたときにも短絡が生じることが好適に抑制される。また、重なり部133の厚みを30μm以下とすることで、感圧素子100を全体に薄型化することが可能であり、また外部からの押圧力により撓み変形した感圧膜14がセンサ電極12に容易に接触し、感圧初期荷重を低減することができる。
導体パターン(センサ電極12)の上における絶縁層13(重なり部133)の厚さは、導体パターン(センサ電極12)の厚さ以下としてもよい。上記特許文献1から3に示される従来の圧力センサにおいては、支持基板の上面にスペーサを設けていたことから、必然的にセンサ電極よりも厚いスペーサを形成し、その上に感圧膜を支持する必要があった。このためスペーサの厚さを高精度に制御することが困難であった。これに対し本実施形態の圧力センサ200のようにセンサ電極12の上にスペーサ(絶縁層13)を形成することで、感圧初期荷重に寄与する開口縁22の近傍(すなわち重なり部133)における絶縁層13の厚さを5μm程度以上と極めて薄くすることが可能である。このため、絶縁層13の厚さを高精度で容易に制御することが可能である。
均厚部132は、支持基板11の表面からの高さが重なり部133における高さH1と略同一であり、かつセンサ電極12の外部に形成されて支持基板11の上に直接に絶縁層13が形成されている部分領域である。すなわち均厚部132の厚さはH1であり、均厚部132は絶縁層13のうち厚みが最大の領域である。
絶縁層13の作製方法は特に限定されないがフォトリソグラフィー法を用いることができる。具体的には、センサ電極12が設けられた支持基板11に対し、感光性材料を印刷塗布し、露光および現像を行うことで開口部20を高精細に作成することができる。したがって、絶縁層13は光硬化性樹脂で構成されていることが好ましい。感光性材料の印刷塗布にはスクリーン印刷法を用いるとよい。
絶縁層13を作成する感光性材料としては、たとえば、ウレタン変性などの公知の手段によって適度に可撓性が付加されたエポキシ系樹脂を挙げることができる。当該エポキシ樹脂を用いることにより、適度な柔軟と、リフロープロセスに投入可能な耐熱性を有する絶縁層13を形成することができる。
開口部20の開口寸法は特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜決定してよい。例えば、図1に示す開口部20の縦寸法W1および横寸法W2は1mm以上10mm以下とすることができる。
図1に示すように、本実施形態の開口部20の開口縁22は、複数の辺を有する多角形状をなし、具体的には矩形状をなしている。そして、開口縁22の多角形状を構成する複数の辺のうち少なくとも一つの辺の全長が、導体パターンであるセンサ電極12の上に位置している。本実施形態では、矩形状の開口縁22を構成する対向する一対の辺221、222の各全長が第一電極12aおよび第二電極12bの上にそれぞれ位置している。
開口部20の開口縁22は、導体パターン(第一電極12a、第二電極12b)の中央と外周縁121との間に位置している。これにより、絶縁層13の重なり部133の下地にあたる導体パターンがセンサ電極12(第一電極12a、第二電極12b)である場合、感圧膜14と接触する露出部18に十分な面積を確保することができる。
より具体的には、開口部20の開口縁22と導体パターン(第一電極12a、第二電極12b)の外周縁121との距離W3(図2(a)参照)は50μm以上とすることができる。これにより、絶縁層13をフォトリソグラフィー法で作成する場合の露光マスクの位置合わせ誤差を考慮しても、開口部20の開口縁22を導体パターンの上に確実に配置することができる。
図1に示すとおり、開口部20を備える絶縁層13に感圧膜14が積層されることで、開口部20は感圧膜14がその内部で変位するための中空部を構成する。絶縁層13には、開口部20と感圧素子100の外部とを連通する通気孔112が設けられてもよい。通気孔112を有することにより、感圧素子100の外圧と開口部20の内圧との気圧差を解消することができる。通気孔112の幅寸法は特に限定されないが、たとえば50μm以上500μm以下とすることで、充分な圧力調整機能を発揮することができる。通気孔112の高さを絶縁層13の厚みと同等とし、開口部20と通気孔112とを同時形成してもよい。また、絶縁層13を空気透過性の高い絶縁素材で構成してもよい。これにより、通気孔112を形成しなくとも開口部20の内部における圧力調整機能を発揮することができる。
絶縁層13の上面には、感圧膜14が積層されている。本実施形態の絶縁層13と感圧膜14とは、接着層30を介して互いに接合している。接着層30は、粘着剤、接着剤、または粘着シート、接着シートなど、絶縁層13と感圧膜14とを接合できるものであればいずれのものを用いてもよい。接着層30は、センサ電極12と感圧膜14との接触抵抗を妨げないよう、開口部20の内部に実質的に侵入しないよう、絶縁層13と略同形に開口形成されるとよい。接着層30を、絶縁層13または感圧膜14のいずれか一方の側に設け、その後に、他方を当該一方の側に位置合わせしながら貼合せてもよい。
絶縁層13における感圧膜14側の表面(上面137)と感圧膜14とは接着層30を介して互いに固定されている。一方、絶縁層13の支持基板11側の表面(下面138)は、接着層を介さずに支持基板11に対して固定されている。絶縁層13が支持基板11に直接に印刷形成されることで、かかる態様を実現することができる。絶縁層13を、支持基板11に印刷形成することで、フィルムの貼り合せ工程において発生する位置ずれの問題が顕著に低減し、歩留まり良く感圧素子100を製造することができる。さらに、感圧膜14の全体または少なくとも下面には全体的に導電機能が付与されているため、感圧膜14を絶縁層13に対して高精度に位置合わせする必要がない。このため、接着層30を用いて感圧膜14と絶縁層13とを接合しても、歩留まりが低下することなく感圧素子100を製造することができる。
感圧膜14は、センサ電極12と接触することにより、センサ電極12を構成する一対の第一電極12aおよび第二電極12bを互いに導通させる部材である。感圧膜14が導電機能を有するとは、感圧膜14を外部から押圧することにより感圧膜14を介してセンサ電極12が通電可能な程度に感圧膜14が電気伝導性を有することを意味する。具体的には、外部より押圧力が負荷された感圧膜14が、第一電極12aと第二電極12bとに跨って当接することで第一電極12aと第二電極12bとが導通する。
本実施形態の感圧膜14としては、たとえば、カーボン粒子を含有する樹脂フィルムを用いることができる。このように、樹脂フィルム自体が導電機能を有することにより、感圧膜14の薄膜化を図り、また可撓性を良好なものとすることができる。感圧膜14の変形例として、絶縁性の樹脂フィルムの表面(下面)の所定領域に導電材料で感圧抵抗体を形成したものでもよい。感圧抵抗体は、樹脂フィルムに対しカーボンペーストを用いて印刷形成し、または硫化銅もしくは酸化銅などの半導体材料を用いて蒸着形成して得ることができる。
感圧膜14を構成する樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;環状ポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリイミド;ポリアミドイミド;液晶ポリマーなどを挙げることができる。上記の樹脂のうち1種または複数の樹脂材料を混合して感圧膜14を構成することができる。
感圧素子100に好適な耐熱性を付与することが可能であるという観点から、感圧膜14はポリイミドまたはポリアミドイミドを主材とすることが好ましい。ポリイミドまたはポリアミドイミドを主材とする樹脂フィルムは、260℃以上の耐熱性を示すことが可能である。ここで主材とは、樹脂フィルムを構成する樹脂の50質量%以上、さらには70質量%以上、特には90質量%以上を占める材料を意味する。感圧膜14のヤング率は、5GPa以下であることが好ましい。これによって、感圧膜14に充分な可撓性をもたらすことができる。
感圧膜14に含有されるカーボン粒子は導電付与剤であり、たとえば、アセチレンブラック、ファーネスブラック(ケッチェンブラック)、チャンネルブラック、もしくはサーマルブラックなどのカーボンブラック、またはグラファイトなどの粒子状の炭素材料を用いることができる。これらの炭素材料は、1種または2種以上の組み合わせとして用いることができる。
感圧膜14におけるカーボン粒子の含有量、カーボン粒子の形状および粒径は、本発明の趣旨に逸脱しない範囲において特に限定されない。これらは、感圧膜14とセンサ電極12との接触抵抗によりセンサ電極12が導通する範囲において適宜決定することができる。
感圧膜14の厚みは6.5μm以上40μm以下であることが好ましい。上記厚みが6.5μm以上であることにより感圧膜14の耐久性が確保される。また上記厚みが40μm以下であることにより、感圧膜14が押圧されたときの初期検知感度が良好である。感圧膜14の厚みは、一般的なハイドゲージ、アップライトゲージ、またはその他厚み測定手段を用いて測定することができる。
感圧膜14の表面抵抗率は、7kΩ/sq以上30kΩ/sq以下であることが好ましい。表面抵抗率が上記範囲であることにより、感圧膜14は、大きな荷重が負荷された場合にも抵抗値のバラつきが小さく、高い電気信頼性を示す。具体的には、感圧素子100は、初期検知感度を0.25MPa以下、さらには0.17MPa以下といった高感度域に設計することが可能であるとともに、押圧の初期検知荷重から最大荷重までのセンサ出力の変化を緩やかに示し得る。
感圧膜14などの膜状体では、電気は主として膜状体の表面を流れる。そのため、本明細書では、厚み寸法を考慮しない単位面積あたりのシート抵抗を単位として膜状体の抵抗が定義され、具体的にはΩ/□やΩ/sqなどと表記する。感圧膜14の表面抵抗は、一般的な表面抵抗計を用いて測定することができる。この種の一般的な表面抵抗計としては、たとえば、四探針測定装置を挙げることができ、具体的な装置としては、三菱化学アナリテック社製抵抗率計を挙げることができるが、これに限定されない。
感圧素子100は、感圧膜14の厚みのセンサ電極12に対向する面の表面粗さRzが、0.10μm以上0.50μm以下となるよう調整してもよい。これにより、感圧膜14の膜形成性が良好であり、また接触抵抗の検知感度が安定する。
感圧膜14の表面粗さRzは、一般的な表面粗さ計による計測、またはレーザ顕微鏡を用いた表面粗さ分析により測定することができる。
図3各図を参照して、本実施形態の感圧素子100(図2(a)参照)の製造工程(以下、本方法という場合がある)を説明する。図3各図は、支持基板11および他の層を法線方向に切断した部分断面図である。図3(a)は、センサ電極12が設けられた支持基板11上に感光性塗材174がスクリーン印刷により塗工される工程を示す。図3(b)は、支持基板11上に感光性塗材174が塗工されて露光される状態を示す。図3(c)は、露光および現像により開口部20を有する絶縁層13が形成された状態を示す。
本方法は、汎用の手法であるスクリーン印刷およびフォトリソグラフィー手法にて感圧素子100を作成するものである。本方法で作成された感圧素子100は、センサ電極12の上に絶縁層13の一部である重なり部133が形成され、絶縁層13の外周近傍に傾斜部131が形成される。すなわち、上述した特許文献1から3のように平面視でセンサ電極の外部に離間した位置にスペーサを形成する場合、これをスクリーン印刷で行うとスペーサには傾斜が生じて高さの制御が困難となる。さらに露光マスクの位置合わせ誤差が不特定の方向に生じるため、センサ電極12の周囲のスペーサの高さが方向ごとに不特定にバラつくこととなる。これに対して本方法のようにセンサ電極12の上に乗り上げるように絶縁層13を形成することで、開口部20の開口縁22の近傍において傾斜が生じることが防止され、当該部位における絶縁層13の高さH1を高精度で制御することができる。
本方法について詳細に説明する。ただし、以下に説明するステップは適宜その順番を変更し、一部の工程を省略し、または一部の工程を変更してもよい。
はじめに、支持基板11上に銅箔を有する銅張積層板(CCL)を準備する。以降のステップにおいて位置合わせが必要となる場合に備え、CCLに対し適宜ガイド穴を形成しておく。つぎに、CCLを酸洗いした後、CCLに対しドライフィルムをロールラミネートしたうえで、露光機を用いてパターン露光し、更に現像装置を用いてパターン現像することにより、ドライフィルムをセンサ電極12、引出配線12cおよび外部端子電極12d(図2(b)参照)の形状にパターニングする。ドライフィルムがパターニングされたCCLをエッチングして銅箔を同形状にパターニングして、センサ電極12、引出配線12cおよび外部端子電極12dを支持基板11の上に作成する。尚、センサ電極12は、第一電極12aおよび第二電極12bを含む。エッチング工程後、各パターン表面に残存するドライフィルムを剥離除去し、任意で水洗および防錆処理を施す。
つぎに、図3(a)に示すように、支持基板11およびセンサ電極12を覆うようにスクリーン版172を配置する。スクリーン版172は、スキージ170が支持基板11およびセンサ電極12の上を連続的に摺動していく際に、センサ電極12の上部において盛り上がるとともに、センサ電極12より1mm程度離れた位置で支持基板11に接地する。そしてスクリーン版172はセンサ電極12の外周において、センサ電極12から離れるに方向に下り傾斜した状態で配置される。この傾斜により、絶縁層13に傾斜部131(図3(c)参照)が形成される。
そして、スキージ170で感光性塗材174を所定の厚みで塗工し、乾燥させて、図3(b)に示すように感光性塗膜176を形成する。感光性塗膜176は、センサ電極12が形成された箇所で膜厚が大きくなるとともに、センサ電極12から離れる方向に向けて連続的に厚みが減少する。また、感光性塗膜176はセンサ電極12の全体を覆うように形成される。
スクリーン版172は、たとえば、メッシュカウントが#120メッシュのポリエステルメッシュ(汎用品)、またはメッシュカウントが#165メッシュで3D編みされたステンレスメッシュ(アサダメッシュ株式会社製3D−165−126)を好適に使用することができるが、これに限定されない。また、センサ電極12の上に感光性塗材174を塗布した後、十分にレベリングして感光性塗材174が平坦になるように、感光性塗材174が塗工された支持基板11を常温で所定時間放置してもよい。これにより、センサ電極12の均一な厚みを利用して、センサ電極12の上に感光性塗材174が平坦かつ均一な厚みで塗工される。
感光性塗材174が乾燥した感光性塗膜176に露光マスク180を対向配置して露光工程を行う。露光マスク180は、開口部20(図3(c)参照)の形成予定領域に遮蔽部182を有し、その他の領域に透過部184を有する。遮蔽部182は、平面視において、第一電極12aおよび第二電極12bに跨りかつセンサ電極12の内部に位置するように位置合わせされる。また遮蔽部182には、通気孔112(図1参照)に対応する位置にも形成されている。露光工程で感光性塗膜176のうち透過部184に対向する領域が硬化する。つぎに、弱アルカリ溶液などで現像を行い、図3(c)に示すように絶縁層13に開口部20が形成される。これにより、開口部20の内側にセンサ電極12の露出部18が露出するとともに、埋設部19が絶縁層13の重なり部133に被覆された状態となる。また、支持基板11の上には、センサ電極12に向かって厚さが増加する傾斜部131が形成され、傾斜部131と重なり部133との間には略均一な厚さの均厚部132が形成される。感光性塗膜176の現像後には、任意で加熱処理を施してもよい。
支持基板11上に設けられたセンサ電極12、引出配線12cおよび外部端子電極12dのうち、絶縁層13によって覆われず露出した領域に対して、Ni/Auメッキによる表面処理を施してもよい。これらのメッキ処理は、電解メッキまたは無電解メッキを適宜使い分けてもよい。また、これらのメッキ処理は、センサ電極12、引出配線12cおよび外部端子電極12dのパターニング後、かつ感光性塗材174の塗布前に行ってもよい。
さらに、絶縁層13の形状に合わせて接着層30(図2(a)参照)を形成する。接着層30は、開口部20に対応する箇所を抜き加工した接着剤シートを準備し、開口部20に対し位置合わせしながら絶縁層13の表面に貼り合せて形成することができる。または、開口部20を備える絶縁層13に対して位置合わせを行い、スクリーン印刷等の印刷手段で接着剤を絶縁層13上に塗工して接着層30を形成してもよい。または、開口部20に相当する箇所を抜き加工した接着剤シートを感圧膜14(図2(a)参照)に貼り合せて接着層30を形成し、この接着層30を絶縁層13に貼り付けてもよい。絶縁層13の表面に対して感圧膜14を貼り合せる場合は、真空プレスを用いて、真空状態において絶縁層13と感圧膜14とを接着層30を介して加熱圧着するとよい。これにより、層間にエアを混入させることなく良好に貼り合わせることができる。
以上により、図2(a)に示す感圧素子100が作成される。その後、感圧素子100と検知部210とを電気的に接続して圧力センサ200(図1参照)を製造してもよい。
本実施形態の感圧素子100は、センサ電極12の上に均一な厚みで重なり部133が形成され、かつ絶縁層13は重なり部133において、支持基板11からの高さが均厚部132とともに最も大きくなる。このため、感圧初期荷重に寄与する開口縁22の近傍における絶縁層13の高さH1を高精度に制御することができる。特に本実施形態の感圧素子100では多角形状の開口部20の開口縁22を構成する対向する辺221、222の各全長がセンサ電極12の上に位置しているため、開口部20の全周に関して絶縁層13(重なり部133)の高さH1が高精度に制御される。
上述の実施形態では支持基板11の片面にセンサ電極12が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されない。支持基板11の両面にセンサ電極12および感圧膜14が設けられてもよい。
<第二実施形態>
図4は、本発明の第二実施形態の感圧素子110の平面図である。図5(a)は図4のA部の部分拡大図であり、図5(b)は図4のB部の部分拡大図である。ただし、図5各図においては感圧膜14を図示省略している。また便宜上、図5(a)においては一部の開口部20およびセンサ電極12にハッチングを付している。
本実施形態の感圧素子110は、一枚の支持基板11に複数のセンサ電極12が設けられた多チャンネルタイプである点で第一実施形態の感圧素子100(図1参照)と相違している。個々のセンサ電極12は、一対の第一電極12aおよび第二電極12bで構成された電極対であり、かかる電極対が縦横に二次元的に配列されている。センサ電極12の配列は格子配列でも千鳥配列でもよく、またはランダム配列などその他の配列パターンでもよい。隣接するセンサ電極12同士の間隔は、感圧素子110の用途により適宜設定することができる。一例として、1mm以上10mm以下とすることができる。
図5(a)に示す平面視において、各センサ電極12の内側に絶縁層13の開口部20が個別に配置されており、この開口部20に臨むようにしてセンサ電極12の露出部18が露出している。
複数のセンサ電極12に亘って一枚の感圧膜14が対向配置されている。このように、一枚の感圧膜14を複数のセンサ電極12に対向させて複数の圧力センサ部15を構成することにより、感圧膜14のパターニングまたは位置合わせの工程を軽減させることができ、また感圧素子110の構成を単純化することができる。各センサ電極12を構成する第一電極12aおよび第二電極12bにはそれぞれ引出配線12cが接続されており、図示省略する電圧印加部を通じて電圧が印加される。多数本の引出配線12cは、図5(b)に示すように束ねられてそれぞれ外部端子電極12dに接続されている。外部から感圧膜14に対して押圧力が負荷されると、感圧膜14が第一電極12aおよび第二電極12bに亘ってセンサ電極12に接触し、これによって第一電極12aおよび第二電極12bが導通し、引出配線12cに電流が流れる。
<第三実施形態>
図6は本発明の第三実施形態の感圧素子120の平面図である。本実施形態の感圧素子120は、導体パターンとしてセンサ電極12およびダミー電極40を含んでいる点で第一実施形態の感圧素子100(図1参照)と相違する。便宜上、図6ではセンサ電極12およびダミー電極40にハッチングを付している。センサ電極12には引出配線12cが接続されており、ダミー電極40は引出配線12cが接続されていない。ダミー電極40は、センサ電極12に対して絶縁されているとともに、センサ電極12と同層に形成されている。
ダミー電極40は、上述したセンサ電極12や引出配線12cのパターニング工程においてセンサ電極12と同時に同一材料で作成される。ダミー電極40の形状は特に限定されないが、本実施形態のダミー電極40はセンサ電極12を取り囲むように開環状に形成されている。引出配線12cはダミー電極40の開環部分41に配置されている。
開口部20の開口縁22の少なくとも一部がダミー電極40の上に位置している。本実施形態では、通気孔112を除く開口縁22の全長がダミー電極40の上に位置している。本実施形態の感圧素子120では、センサ電極12の上ではなくダミー電極40の上に絶縁層13の開口縁22が配置されている。これにより、ダミー電極40の均一な厚みを利用して絶縁層13の重なり部133の厚みを高精度に制御することができる。このとき、センサ電極12を取り囲むようにしてセンサ電極12の外部に環状(開環状を含む)に形成されたダミー電極40を絶縁層13の下地層とすることで、センサ電極12(第一電極12aおよび第二電極12b)の全体を開口部20の内部に露出させることができる。これにより、感圧膜14(図2(a)参照)とセンサ電極12とを広い面積で接触させることが可能であり感圧初期荷重を低減することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
本発明の圧力センサは、平坦面、または様々な球状曲面を含む曲面、特に曲率が小さく動的な曲率変化も起こりえる柔軟な曲面などの圧力分布計測において、低計測誤差や高分解能性が求められる用途に好適である。また本発明の圧力センサは、比較的大きな面積を有する機器の圧力分布測定用途に対しても好適である。
以下に本発明の実施例、および比較例を示す。各実施例および比較例は、図1に示す1チャンネルの感圧素子100を備える圧力センサ200の構成に倣って作製した。尚、本実施例において高さとは、特段の断りがない場合には、支持基板11のうちセンサ電極12が設けられた側の表面11aを基準とした高さを意味する。尚、本実施例は、図1から図3各図および図7を適宜参照する。図7は、本発明の実施例および比較例に用いる感光性塗膜176が形成された印刷ワーク500の説明図である。
まず、各実施例および比較例に共通の部材として、以下のとおりセンサ電極12が形成された支持基板11(以下、印刷ワークという)を作製した。支持基板11としてポリイミドフィルム(厚み25μm)を用い、この上に、一対の第一電極12aおよび第二電極12bを備えるセンサ電極12、引出配線12c、ならびに外部端子電極12dを形成した。第一電極12aおよび第二電極12bの高さは19μmとした。
支持基板11の表面11aに、スクリーン印刷手法を用いて以下の感光性塗膜176を作製した。具体的には、支持基板11の表面11aに120メッシュ(♯120)のポリエステルメッシュであるスクリーン版172を設置し、スキージ170が印刷ワーク上を摺動するにあたり、スクリーン版172がセンサ電極12の上に乗り上げるように、またセンサ電極12の周囲において支持基板11の表面11aにスクリーン版172が直接に接触するように設置した(図3(a)参照)。スキージ170をスクリーン版172に沿って移動させて感光性塗材174を印刷ワークに塗工し、スクリーン版172を取り外し、感光性塗材174が塗工されてなる感光性塗膜176が形成された印刷ワーク500を得た(図7参照)。
上述で得た感光性塗膜176を備える印刷ワークをアクリル樹脂に埋め込み試験体を作製した。上記試験体を、図7に示す位置Aから位置Mのそれぞれにおいて支持基板11の法線方向に切断し、断面研磨したものを測定サンプルとした。位置Aは第二電極12bの略中央であり、位置Bは第二電極12bの上であって外周縁121の近傍の位置である。センサ電極12(第二電極12bの側面)から各位置Cから位置Mまでの距離を表1に示す。
上記測定サンプルの断面に対して、測長機能を備えた光学顕微鏡で観察し、感光性塗膜176の膜厚を小数点以下第1位までの精度で測定し、測定値を四捨五入した値を感光性塗膜176の高さとした。上記膜厚の測定は、所定の位置毎に測定サンプルを30個準備し、測定サンプル1個毎に感光性塗膜176の膜厚を2か所測定し、合計60か所に対して行った。位置Aから位置Mにおける感光性塗膜176の高さを、60か所の膜厚の実測値を四捨五入した値の平均値として求め、これを厚み(a)とした。かかる厚み(a)からセンサ電極の厚み(19μm)を減算して求めた厚み(b)を表1に示す。
Figure 0006530687
表1に示すとおり、感光性塗膜176の厚み(a)は、位置Mから位置Bに向けてセンサ電極12に近づくに従って連続的に増大していた。そして、センサ電極12の上にあたる位置Aおよび位置Bでは、感光性塗膜176の厚み(a)は互いに略等しく、かつ最大となっていた。これによりセンサ電極12の近傍において、センサ電極12に向かって上り傾斜する傾斜部131が感光性塗膜176に形成されたこと、およびセンサ電極12の上において感光性塗膜176の膜厚が均一に制御されていることが確認された。
次いで、図7に示す位置Aから位置Mの各位置に開口縁22が位置するように、各実施例および比較例ごとに露光・現像により開口部20を形成して絶縁層13を形成し、続いて接着層30、感圧膜14を形成して、感圧素子100を得た。以上により得られた感圧素子100に検知部210を接続し、基本構成を備える圧力センサ200を得た。第一電極12aおよび第二電極12bは、高さ19μm、ライン幅はそれぞれ1000μm、および互いの離間距離を100μmとした。引出配線12cは、高さ13μm、ライン幅は100μmとした。
上述のとおり得られた各実施例および比較例を以下に示す感圧特性評価に供した。評価は、各実施例、および比較例ごとに、サンプルを5個準備してそれぞれ評価した。以下の初期検知感度評価および大荷重検知感度評価について、5つのサンプルのうち最小値および最大値を表1に示す。また、短絡試験については、5つのサンプルの全てにおいて短絡が確認されなかった場合に「短絡無」と評価し、いずれか1つでも短絡が確認された場合に「短絡有」と評価した。評価結果を表1に示す。
[感圧初期荷重評価]
各実施例、および比較例を平坦面に設置し、感圧膜14のうちセンサ電極12の対向位置に外側から徐々に荷重を与えていき、導通が最初に検知された荷重を感圧初期荷重(N)として測定した。
[大荷重検知感度評価]
各実施例および比較例を平坦面に設置し、4mmの面積の感圧素子100に対して1.1MPa(112.5gf/mm)の荷重を与えたときの抵抗値(Ω)を測定した。1.1MPaとは、4mmの感圧素子に対して450gfの押圧力をかける程度の圧力である。
[短絡試験]
各実施例および比較例をφ10mmのガラス棒に巻き付け、感圧素子100に対し外側から荷重を与えない状態(即ち、初期状態)において、センサ電極12の短絡の発生を確認した。
表1に示す結果より、位置Aから位置Mの個々の厚み(a)のバラつきは3μm以下であり、工業的には優れた品質の感圧素子100が得られていると考えられる。センサ電極12の高さは均一に作成されていることから、厚み(b)のバラツキも上記と同じく3μm以下となる。本発明の実施例によれば、センサ電極12上に絶縁層13(スペーサ)の開口縁22を形成するかぎり、表1のように、厚み(a)および厚み(b)のバラつき範囲を1μm以下に抑えられる可能性が高い。この結果、得られる大荷重時のセンサ抵抗についても、位置Aにおいては1911[Ω]以上1920[Ω]以下でバラつき9[Ω]、そして位置Bにおいても1859[Ω]以上1868[Ω]以下でバラツキ9[Ω]と、計測結果の中でもっとも安定した特性を示した。
しかしながら、各比較例に示す通り、絶縁層13の開口縁22をセンサ電極12よりも外側に形成しようとする場合、すなわち、上述した特許文献1から3に示される構造において絶縁層13の開口縁22がセンサ電極12から500μm離れたと仮定した場合に、製膜された感光性塗材174への露光時の位置合せ精度が一般的に±50μm程度となることを考慮すると、絶縁層13の開口縁22の一方はセンサ電極から450μmの位置となり、他方は550μmの位置となる。この場合、表1における位置Gおよび位置Hの総合結果が厚み(a)や厚み(b)のバラつき範囲とみなされる。かかるバラつきは、表1の厚み(b)の結果を参照すると11μmから16μmの最大5μmとなり、センサ抵抗のバラつき範囲もまた、1287[Ω]以上1402[Ω]以下の最大115[Ω]とバラつきが増大する傾向となる。
以上のことから、絶縁層13の開口縁22における厚み、およびセンサ抵抗のバラつきを少なくする手段として、センサ電極12上に絶縁層13の開口部20の開口縁22を形成することでセンサ品質の向上に大きな効果があることがわかった。
なお、上述の通り、製膜された感光性塗材174への露光時の位置合せバラつきが±50μmであることを踏まえ、絶縁層13の開口縁22もまた、センサ電極12の端部から50μm以上内側にあることが好ましい。換言すれば、センサ電極12の最外端部(外周縁121)が、絶縁層13の開口縁22から50μmよりも外側に形成されていることが望ましい。
また、短絡試験においては、各実施例はいずれも短絡が発生しなかった。一方、比較例10および11は屈曲させた初期状態で短絡が発生した。この結果から、絶縁層13の高さは、センサ電極12の上面を基準として5μm以上であれば、φ10mmと大きな曲率で感圧素子100を屈曲させた時にも短絡が生じないことがわかった。このことから、絶縁層13の開口縁22における厚み、すなわちセンサ電極12の上面を基準とする絶縁層13の高さが、5μm以上かつ30μm以下の範囲で形成することにより、問題のないセンサ機能を得ることができるといえる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)支持基板と、前記支持基板に支持された導電性の導体パターンと、前記導体パターンに対向して配置された感圧膜と、開口部を有し前記支持基板と前記感圧膜との間に設けられた絶縁層と、を有し、前記開口部の開口縁の少なくとも一部が前記導体パターンの上に位置しており、前記導体パターンの一部が前記開口部の内側に露出して他部が前記絶縁層に覆われていることを特徴とする感圧素子。
(2)前記絶縁層は前記支持基板の上と前記導体パターンの上とに亘って連続的に形成されおり、前記支持基板を基準とする前記絶縁層の上面高さは前記支持基板の上よりも前記導体パターンの上においてより高くなっている上記(1)に記載の感圧素子。
(3)前記絶縁層は、前記導体パターンの外側に、前記導体パターンに向かって厚さが増加する傾斜部と、前記傾斜部と前記導体パターンとの間に位置して厚さが略均一な均厚部と、を有し、前記導体パターンの上に、前記均厚部よりも厚さが小さくかつ略均一な厚さで形成されている上記(2)に記載の感圧素子。
(4)前記開口縁における前記絶縁層の厚さが5μm以上かつ30μm以下である上記(2)または(3)に記載の感圧素子。
(5)前記導体パターンの上における前記絶縁層の厚さが前記導体パターンの厚さ以下である上記(2)から(4)のいずれか一項に記載の感圧素子。
(6)前記導体パターンは、引出配線が接続されたセンサ電極を含み、前記開口部の前記開口縁の少なくとも一部が前記センサ電極の上に位置している上記(1)から(5)のいずれか一項に記載の感圧素子。
(7)前記センサ電極は一対の第一電極および第二電極を有し、前記開口部は前記第一電極と前記第二電極とに跨って配置され、前記開口縁の一部が前記第一電極の上に位置し他の一部が前記第二電極の上に位置している上記(6)に記載の感圧素子。
(8)前記開口部の前記開口縁が、前記導体パターンの中央と外周縁との間に位置している上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の感圧素子。
(9)前記開口部の前記開口縁と前記導体パターンの外周縁との距離が50μm以上である上記(1)から(8)のいずれか一項に記載の感圧素子。
(10)上記(1)から(9)のいずれか一項に記載の感圧素子と、前記感圧素子と電気的に接続された検知部と、を備え、前記導体パターンは引出配線が接続されたセンサ電極を含み、前記検知部が、前記感圧膜と前記センサ電極との接触抵抗に応じて変化する前記感圧素子の電気特性を検知する圧力センサ。
(11)前記感圧膜は、少なくとも前記導体パターンにおける前記一部に対向する位置に導電機能を有し、前記感圧膜を押圧することにより当該感圧膜と前記導体パターンにおける前記一部とが接触して互いに導通する上記の感圧素子。
(12)前記絶縁層が、光硬化性樹脂で構成されている上記の感圧素子。
(13)前記開口部の前記開口縁は、複数の辺を有する多角形状をなし、少なくとも一つの前記辺の全長が前記導体パターンの上に位置している上記の感圧素子。
(14)前記導体パターンは、引出配線が接続されたセンサ電極と、前記センサ電極に対して絶縁されているとともに前記センサ電極と同層に形成されたダミー電極と、を含み、前記開口部の前記開口縁の少なくとも一部が前記ダミー電極の上に位置している上記の感圧素子。
(15)前記ダミー電極は前記センサ電極を取り囲むように開環状に形成されており、前記引出配線は前記ダミー電極の開環部分に配置されている上記の感圧素子。
(16)前記絶縁層の前記感圧膜側の表面と前記感圧膜とは接着層を介して互いに固定されており、前記絶縁層の前記支持基板側の表面は接着層を介さずに前記支持基板に対して固定されている上記の感圧素子。
(17)前記感圧膜はカーボン粒子が含有された樹脂フィルムであり、前記カーボン粒子により前記導電機能が前記感圧膜に付与されている上記の感圧素子。
(18)複数の前記センサ電極に亘って一枚の前記感圧膜が対向配置されている上記の感圧素子。
11 支持基板
11a 表面
12 センサ電極
12a 第一電極
12b 第二電極
12c 引出配線
12d 外部端子電極
13 絶縁層
13a 開口壁面
14 感圧膜
15 圧力センサ部
17 カバー
18 露出部
19 埋設部
20 開口部
22 開口縁
30 接着層
40 ダミー電極
41 開環部分
100、110、120 感圧素子
112 通気孔
121 外周縁
130 外周部
131 傾斜部
132 均厚部
133 重なり部
137 上面
138 下面
170 スキージ
172 スクリーン版
174 感光性塗材
176 感光性塗膜
180 露光マスク
182 遮蔽部
184 透過部
200 圧力センサ
202 フレキシブル配線
210 検知部
221、222 辺
500 印刷ワーク

Claims (10)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板に支持された導電性の導体パターンと、
    前記導体パターンに対向して配置された感圧膜と、
    開口部を有し前記支持基板と前記感圧膜との間に設けられた絶縁層と、を有し、
    前記開口部の開口縁の少なくとも一部が前記導体パターンの上に位置しており、前記導体パターンの一部が前記開口部の内側に露出して他部が前記絶縁層に覆われており、
    前記絶縁層は前記支持基板の上と前記導体パターンの上とに亘って連続的に形成されており、前記支持基板を基準とする前記絶縁層の上面高さは前記支持基板の上よりも前記導体パターンの上においてより高くなっていることを特徴とする感圧素子。
  2. 前記絶縁層は、
    前記導体パターンの外側に、前記導体パターンに向かって厚さが増加する傾斜部と、前記傾斜部と前記導体パターンとの間に位置して厚さが略均一な均厚部と、を有し、
    前記導体パターンの上に、前記均厚部よりも厚さが小さくかつ略均一な厚さで形成されている請求項に記載の感圧素子。
  3. 前記開口縁における前記絶縁層の厚さが5μm以上かつ30μm以下である請求項1または2に記載の感圧素子。
  4. 前記導体パターンの上における前記絶縁層の厚さが前記導体パターンの厚さ以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の感圧素子。
  5. 前記導体パターンは、引出配線が接続されたセンサ電極を含み、
    前記開口部の前記開口縁の少なくとも一部が前記センサ電極の上に位置している請求項1からのいずれか一項に記載の感圧素子。
  6. 前記センサ電極は一対の第一電極および第二電極を有し、前記開口部は前記第一電極と前記第二電極とに跨って配置され、前記開口縁の一部が前記第一電極の上に位置し他の一部が前記第二電極の上に位置している請求項に記載の感圧素子。
  7. 前記導体パターンは、引出配線が接続されたセンサ電極と、前記センサ電極に対して絶縁されているとともに前記センサ電極と同層に形成されたダミー電極と、を含み、前記開口部の前記開口縁の少なくとも一部が前記ダミー電極の上に位置している請求項1から4のいずれか一項に記載の感圧素子。
  8. 前記開口部の前記開口縁が、前記導体パターンの中央と外周縁との間に位置している請求項1から7のいずれか一項に記載の感圧素子。
  9. 前記開口部の前記開口縁と前記導体パターンの外周縁との距離が50μm以上である請求項1から8のいずれか一項に記載の感圧素子。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の感圧素子と、前記感圧素子と電気的に接続された検知部と、を備え、前記導体パターンは引出配線が接続されたセンサ電極を含み、
    前記検知部が、前記感圧膜と前記センサ電極との接触抵抗に応じて変化する前記感圧素子の電気特性を検知する圧力センサ。
JP2015187147A 2015-09-24 2015-09-24 感圧素子および圧力センサ Active JP6530687B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015187147A JP6530687B2 (ja) 2015-09-24 2015-09-24 感圧素子および圧力センサ
US15/222,166 US10359326B2 (en) 2015-09-24 2016-07-28 Pressure sensor capable of suppressing dispersion in the initial load of pressure

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015187147A JP6530687B2 (ja) 2015-09-24 2015-09-24 感圧素子および圧力センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017062161A JP2017062161A (ja) 2017-03-30
JP6530687B2 true JP6530687B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=58408808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015187147A Active JP6530687B2 (ja) 2015-09-24 2015-09-24 感圧素子および圧力センサ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10359326B2 (ja)
JP (1) JP6530687B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3379222B1 (en) 2017-03-22 2020-12-30 Methode Electronics Malta Ltd. Magnetoelastic based sensor assembly
FR3076442B1 (fr) * 2018-01-08 2019-12-06 Izome Chaussure comprenant un accelerometre et un gyroscope, ensemble et procede de detection de chute correspondant
US11491832B2 (en) 2018-02-27 2022-11-08 Methode Electronics, Inc. Towing systems and methods using magnetic field sensing
US11084342B2 (en) 2018-02-27 2021-08-10 Methode Electronics, Inc. Towing systems and methods using magnetic field sensing
US11221262B2 (en) 2018-02-27 2022-01-11 Methode Electronics, Inc. Towing systems and methods using magnetic field sensing
DE18907724T1 (de) 2018-02-27 2021-03-25 Methode Electronics, Inc. Schleppsysteme und Verfahren mit Verwendung von Magnetfeldmessung
US11135882B2 (en) 2018-02-27 2021-10-05 Methode Electronics, Inc. Towing systems and methods using magnetic field sensing
US11014417B2 (en) 2018-02-27 2021-05-25 Methode Electronics, Inc. Towing systems and methods using magnetic field sensing
CN109916554B (zh) * 2019-02-22 2021-08-20 武汉飞帛丝科技有限公司 一种手持式压力传感性能检测设备
CN110297567B (zh) * 2019-07-02 2024-01-26 京东方科技集团股份有限公司 触控显示模组、显示装置和电子设备
DE102020000604A1 (de) 2020-01-30 2021-08-05 EMSU GmbH Drucksensor
CN211507472U (zh) * 2020-04-24 2020-09-15 湃瑞电子科技(苏州)有限公司 一种压力传感器及其按键结构和按键模组
KR20210143603A (ko) * 2020-05-20 2021-11-29 주식회사 엘지에너지솔루션 내부 압력을 측정하는 압력 감지장치를 포함하는 파우치형 이차전지

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5878620A (en) 1997-01-23 1999-03-09 Schlege Systems, Inc. Conductive fabric sensor for vehicle seats
LU90286B1 (fr) 1998-09-11 2000-03-13 Iee Sarl Capteur de force
JP4075248B2 (ja) * 1999-09-30 2008-04-16 株式会社デンソー 感圧センサ
JP2001159569A (ja) 1999-12-02 2001-06-12 Denso Corp 感圧センサ
JP3980300B2 (ja) * 2000-09-07 2007-09-26 株式会社フジクラ 膜状感圧抵抗体および感圧センサ
JP2002131155A (ja) 2000-10-30 2002-05-09 Denso Corp 感圧抵抗センサ
JP4090939B2 (ja) * 2002-05-29 2008-05-28 ニッタ株式会社 静電容量式センサおよびその製造方法
JP2004028883A (ja) 2002-06-27 2004-01-29 Denso Corp 感圧センサ
JP2006030068A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Denso Corp 圧力センサ
US7373843B2 (en) * 2005-06-02 2008-05-20 Fidelica Microsystems Flexible imaging pressure sensor
DE102008000128B4 (de) * 2007-01-30 2013-01-03 Denso Corporation Halbleitersensorvorrichtung und deren Herstellungsverfahren
JP2010175312A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Aisin Seiki Co Ltd 着座検知装置
US7775119B1 (en) * 2009-03-03 2010-08-17 S3C, Inc. Media-compatible electrically isolated pressure sensor for high temperature applications
JP2011047893A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Nissha Printing Co Ltd 圧力検出ユニット
JP5324548B2 (ja) * 2010-12-06 2013-10-23 株式会社フジクラ 着座センサ、及び、それを用いた座席装置
JP2012247372A (ja) 2011-05-30 2012-12-13 Nippon Mektron Ltd 圧力センサ及びその製造方法並びに圧力検出モジュール
JP2016102737A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 セイコーエプソン株式会社 電子デバイス、物理量センサー、圧力センサー、振動子、高度計、電子機器および移動体
US9574955B2 (en) * 2015-01-14 2017-02-21 Nippon Mektron, Ltd. Pressure sensing element having an insulating layer with an increased height from the substrate towards the opening

Also Published As

Publication number Publication date
US20170089778A1 (en) 2017-03-30
JP2017062161A (ja) 2017-03-30
US10359326B2 (en) 2019-07-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6530687B2 (ja) 感圧素子および圧力センサ
JP5782582B1 (ja) 感圧素子、圧力センサ、および感圧素子製造方法
US10048141B2 (en) Pressure sensing element and pressure sensor
CN107432083B (zh) 可伸缩电缆和可伸缩电路板
JP6562357B2 (ja) 感圧センサ
JP3664622B2 (ja) 感圧装置
JP5995362B2 (ja) 分布量センサおよび分布量計測システム
US20180092206A1 (en) Stretchable circuit board and method for manufacturing stretchable circuit board
WO2020208932A1 (ja) 荷重分布センサシート及び荷重分布センサ
TW201209664A (en) Pressure detecting unit and information input device having pressure detecting unit
JP2012247372A (ja) 圧力センサ及びその製造方法並びに圧力検出モジュール
CN110709680B (zh) 压力传感器和压力传感器的制造方法
JP6046103B2 (ja) 圧力アレイセンサモジュールおよびその製造方法
US10690559B1 (en) Pressure sensor array and the method of making
WO2014080467A1 (ja) 荷重センサ
CN110840448A (zh) 心电电极贴片及其制备方法
JP2016091862A (ja) 配線部材、その製造方法及び設計方法、並びに電子機器
TW201237723A (en) Touch sensing unit and method for fabricating the same
JP2024065854A (ja) 触覚センサ
CN118031789A (zh) 一种传感装置
JP2016218560A (ja) 静電容量式3次元センサ及びその製造方法
JP2023098376A (ja) 感圧センサ
JP2015145881A (ja) 圧力センサ
CN115183916A (zh) 一种压力感应电阻及其制作方法
JP2024065855A (ja) 触覚センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6530687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250