JP5995362B2 - 分布量センサおよび分布量計測システム - Google Patents

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Description

本発明は、分布量センサおよびこれを備えた分布量計測システムに適用して有効な技術に関する。
現在、生体計測、ロボット、自動車、アパレル、スポーツ工学などにおいて、圧力、触覚、伸びなどの外部からの信号に応じて様々な分布量を計測することができる分布量センサについて検討されている。例えば、計測対象物に装着された分布量センサによれば、計測対象物に作用する圧力などの物理量を分布で把握することができる。
分布量センサの一つとして、例えば、特開平11−118635号公報(特許文献1)には、感圧分布センサシートが記載されている。この感圧分布センサシートは、多数の行電極が印刷形成されたバッキングと、多数の列電極が印刷形成されたバッキングとを備え、行電極および列電極との間で感圧インクをサンドウィッチさせる3層構造で、両方のバッキングを一体化して構成されるものである。この感圧分布センサシートでは、平面視において格子状に配置された一方向の行電極(横縞)およびこれと交差する方向の列電極(縦縞)の交差部での感圧インクの抵抗値の変化を利用して圧力分布が検出される。
特開平11−118635号公報
しかしながら、特許文献1に記載の感圧分布センサシートでは、圧力が行電極および列電極(電気配線)にも作用するので、その損傷(例えば、断線など)によって信頼性を損なう場合がある。また、特許文献1に記載の感圧分布センサシートは、ほぼ全面にAgインク(その明細書段落[0014]参照)から構成される行電極および列電極が配置されているため剛性を有して柔軟性がなく、曲面に装着しにくいものと考えられる。このため、感圧分布センサシートを無理に計測対象物の曲面に装着しても断線などによって信頼性を損なう場合がある。
本発明の目的は、信頼性の高い高性能の分布量センサを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明に係る分布量センサにおける一解決手段は、一方の面に形成された第1抵抗膜を有する第1絶縁シートと、一方の面にドット状に形成された複数の第2抵抗膜を有する第2絶縁シートと、前記第1抵抗膜の周縁部に設けられ、前記第1抵抗膜と電気的に接続された複数の電極端子とを備え、前記第2抵抗膜の表面抵抗値が、前記第1抵抗膜の表面抵抗値よりも低く、前記第1抵抗膜と前記第2抵抗膜とを直接接触させて、前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートとが重ねられていることを特徴とする。
この分布量センサでは、その面内中央部に外力(外圧)を作用させると、第1抵抗膜と第2抵抗膜との接触抵抗値が低減し、第1抵抗膜より表面抵抗値が低い第2抵抗膜に電流が流れる電気経路が形成される。このときの第1抵抗膜の電圧分布(電位分布)に基づいて分布量センサに作用する物理量分布を計測することができるようになる。また、分布量センサでは、電圧分布を計測する電極端子が、外力が作用する面内中央部ではなく、面内周縁部に設けられているので、外力によって電極端子が損傷するのを防止することができる。
また、本発明に係る分布量センサにおける他の解決手段は、前記第1抵抗膜が格子状に形成されていることを特徴とする。これによれば、所定の電極端子間の電気経路が断たれたとしても、他の電気経路からの電圧分布に基づいて分布量センサに作用する物理量分布を計測することができる。
また、本発明に係る分布量センサにおける他の解決手段は、格子状の前記第1抵抗膜の隣接する交差部間で、前記第1抵抗膜と前記第2抵抗膜とが接触していることを特徴とする。格子状の第1抵抗膜の交差部を通過して複数の電気経路が形成されるため、交差部で第1抵抗膜が第2抵抗膜と接触するのを避け、交差部間(すなわち辺部)で第1抵抗膜と第2抵抗膜とが接触するようにしている。これによれば、複数の電気経路が多く形成される交差部の損傷を防止することができる。
また、本発明に係る分布量センサにおける他の解決手段は、前記第1および第2絶縁シートは、布で構成されていることを特徴とする。これによれば、分布量センサに布の性質の柔軟性、伸縮性あるいは弾性を持たせることができ、計測対象物の曲面であっても装着することができる。
また、本発明に係る分布量センサにおける他の解決手段は、前記第1および第2抵抗膜が、樹脂をベース材として構成されていることを特徴とする。これによれば、第1抵抗膜および第2抵抗膜が樹脂成分により外力からの損傷するのを防止することができる。
また、本発明に係る分布量センサにおける他の解決手段は、前記第1および第2絶縁シートが、布で構成され、前記第1および第2抵抗膜が、樹脂をベース材とした抵抗材料から構成され、前記布に前記抵抗材料が含浸され、または前記布の表面上に前記抵抗材料が設けられていることを特徴とする。これによれば、第1絶縁シートから第1抵抗膜や、第2絶縁シートから第2抵抗膜が剥離するのを防止することができる。
本発明に係る分布量計測システムにおける一解決手段は、本発明に係る分布量センサと、前記分布量センサからの計測値に基づき、前記分布量センサに作用する物理量分布を推定計算する処理装置とを備えた分布量計測システムにおいて、前記処理装置では、推定計算の際に格子状の数学的モデルを構築し、前記数学的モデルに合わせて前記第1抵抗膜が格子状に形成されていることを特徴とする。これによれば、物理量分布の推定計算の精度を向上することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、信頼性の高い高性能の分布量センサを提供することができる。
本発明の一実施形態における分布量センサを備えた分布量計測システムの概略構成図である。 本発明の一実施形態における分布量センサを模式的に示す断面図である。 図2に示す分布量センサを透視して模式的に示す平面図である。 図2に示す分布量センサの第1絶縁シートを模式的に示す平面図である。
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
本発明の分布量センサおよびこれを備えた分布量計測システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、分布量センサを感圧センサとして用いて、この分布量センサの面内の所定領域に外圧が加えられた変化を物理量として計測するのを分布量計測システムとして説明する。
図1は、分布量センサ10を備えた分布量計測システム50の概略構成図である。図2は、分布量センサ10を模式的に示す断面図である。図3は、図2の分布量センサ10を上面側から視た模式的に示す平面図であり、一部を透視した状態で示している。図4は、分布量センサ10を構成する第1絶縁シート12を模式的に示す平面図である。図2は、図4に示すA−A線における分量センサ10の模式的断面図となっている。
図1に示すように、分布量計測システム50は、分布量センサ10と、分布量センサ10と電気的に接続された処理装置60(例えば、パーソナルコンピュータ)とを備えて構成されたものである。分布量センサ10と処理装置60との電気的接続は、コネクタ21およびこれに設けられた配線ケーブル22を介して行われる。配線ケーブル22の各配線の一端がコネクタ21によって分布量センサ10の対応する電極端子15と電気的に接続され、他端が処理装置60の回路と電気的に接続される。なお、コネクタ21を用いずに電極端子15に直接配線を接続する構成であってもよい。
分布量センサ10は、図2に示すように、高抵抗膜11(第1抵抗膜)を有する第1絶縁シート12と、複数の低抵抗膜13(第2抵抗膜)を有する第2絶縁シート14とを備え、これらが重ねられて構成されたものである。第1絶縁シート12および第2絶縁シート14については、例えば、布を適用することができる。これによれば、分布量センサ10に布の性質の柔軟性、伸縮性あるいは弾性を持たせることができ、計測対象物の曲面であっても装着することができる。
なお、図2では、説明を明解にするために、第1絶縁シート12に高抵抗膜11が浸漬された状態(埋め込まれた状態)で示しているが、第1絶縁シート12上に高抵抗膜11が形成されている場合であってもよい。第2絶縁シート14に対する低抵抗膜13も同様である。また、図2では、説明を明解にするために、電極端子15を省略している。
第1絶縁シート12は、図4に示すように、一方の面(膜形成面)に平面視格子状に形成された高抵抗膜11(図4中、ハッチングで示す。)を有している。この高抵抗膜11については、例えば、ポリエチレンなどの樹脂(ベース材)に導電性カーボンを含有する抵抗材料を、スクリーン印刷によって第1絶縁シート12の一方の面に含浸するように、または一方の面(表面)上にコーティングするように形成する(設ける)ことができる。高抵抗膜11は樹脂成分により外力によって損傷するのが防止される。
なお、本実施形態では、x方向に延在する7行の抵抗膜およびy方向に延在する7列の抵抗膜から格子状の高抵抗膜11が形成されている。この高抵抗膜11の各行列数は、分布量センサ10の大きさなどによって適宜変更される。
この高抵抗膜11の周縁部には、高抵抗膜11と電気的に接続された複数の電極端子15が設けられている。分布量センサ10では、複数の電極端子15が格子状の高抵抗膜11の周縁部の交差部11aのそれぞれに設けられている。複数の電極端子15を設けることで、高抵抗膜11に電圧を印加し、その電圧分布を計測することができる。第1絶縁シート12への電極端子15の取り付けには、電気ハトメ、導電性接着剤、ネジ止めなどを用いて行うことができる。
第2絶縁シート14は、図3に示すように、一方の面(膜形成面)に平面視ドット状に形成された複数の低抵抗膜13(図3中、ハッチングで示す。)を有している。ドット状の複数の低抵抗膜13は、第1絶縁シート12と第2絶縁シート14とが重なった際に、格子状の高抵抗膜11の隣接する交差部11a間の辺部11bで、高抵抗膜11と低抵抗膜13とが接触する配置に形成される。
この低抵抗膜13については、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマーなどの樹脂(ベース材)に導電性カーボンと導電性カーボンよりも電気抵抗率の低いカーボンナノチューブや銀−パラジウムなどの導電材とを含有する抵抗材料を、スクリーン印刷によって第2絶縁シート14の一方の面(表面)上に形成する(設ける)ことができる。低抵抗膜13は樹脂成分により外力によって損傷するのが防止される。
このような第1絶縁シート12と第2絶縁シート14との重ね合わせは、互いの一方の面(膜形成面)を向かい合わせるように第1絶縁シート12に第2絶縁シート14を被せて、例えば、それら面内周縁部(外周部)などを絶縁テープで固定したり、エポキシ接着剤やアイロンプリント用の接着剤で接着(固定)したりすることでできる。このため、面内中央部およびその周辺部では、高抵抗膜11と低抵抗膜13とが互いに対向する面が直接接触した構成となる。
分布量センサ10では、低抵抗膜13の表面抵抗値が、高抵抗膜11の表面抵抗値よりも低くなるように構成されている。例えば、高抵抗膜11と低抵抗膜13の表面抵抗値の比は、例えば、50:1〜100:1と設定することができる。なお、高抵抗膜11と低抵抗膜13の表面抵抗値の比が大きくなるほど、分布量センサ10で外圧を検出する感度やSN比が高くなることを本発明者は見出している。
第1絶縁シート12と第2絶縁シート14とが固定された状態を無負荷状態(通常状態)とすると、この状態では高抵抗膜11と低抵抗膜13との接触抵抗値が高い。分布量センサ10に負荷として外圧を加える前に、分布量センサ10を計測対象物に装着し、無負荷状態でキャリブレーションを行うことで、正確に計測できる状態となる。
無負荷状態は、電極端子15を用いた高抵抗膜11の電圧分布(抵抗値の変化分布)において、第2絶縁シート14を固定する前の、単独の高抵抗膜11のものとほとんど変化がない。そして、分布量センサ10の面内の所定領域に外圧(押圧)を加えていくと、高抵抗膜11と低抵抗膜13との接触抵抗値が低減していく。
この分布量センサ10では、低抵抗膜13の表面抵抗値を、高抵抗膜11の表面抵抗値よりも十分に低くした構成となっている。このため、分布量センサ10では、電極端子15を用いた高抵抗膜11の電圧分布において、外圧が加えられた領域がショートした状態(電流が流れる電気経路が形成された状態)となり、電圧分布が変化する。
なお、無負荷状態では、高抵抗膜11と低抵抗膜13との接触抵抗値が高いことが望ましい。このため、高抵抗膜11と低抵抗膜13との接触のために、互いの接触面に例えば電極端子などを構成する金属膜(例えば、銅膜、金膜など)を設ける必要がない。
このように、外圧によって抵抗値が変化するので、高抵抗膜11と低抵抗膜13とが接触している部分は、感圧抵抗体20とみなすことができる(図2参照)。格子状の高抵抗膜11の隣接する交差部11a間の辺部11bで、高抵抗膜11と低抵抗膜13とが接触しているので(図3参照)、分布量センサ10は、図1に示すように、格子状に感圧抵抗体20が接続された電気的モデル(等価回路)として表現することができる。
このような分布量センサ10を備えた分布量計測システム50は、計測対象物に分布量センサ10を装着した状態で分布量センサ10の面内において外圧が加えられると、感圧抵抗体20の変化による電圧分布が変化するので、これに基づいて計測対象物に作用している物理量として計測することができる。ここで、分布量センサ10では、電圧分布を計測する電極端子15が、外力が作用する面内中央部ではなく、面内周縁部に設けられているので、外力によって電極端子15が損傷するのを防止されている。このため、分布量センサ10は、信頼性の高い高性能のものとなっている。
また、本実施形態では、高抵抗膜11を格子状に形成している。これによれば、所定の電極端子15間の電気経路が断たれたとしても、他の電気経路からの電圧分布に基づいて分布量センサ10に作用する物理量分布を計測することができる。すなわち、分布量センサ10は、信頼性の高い高性能のものとなっている。
また、本実施形態では、格子状の高抵抗膜11の隣接する交差部11a間の辺部11bで、高抵抗膜11と低抵抗膜13とを接触させている。この分布量センサ10では、高抵抗膜11の交差部11aを通過して複数の電気経路が形成されるため、交差部11aで高抵抗膜11が第2抵抗膜12と接触するのを避け、辺部11bで高抵抗膜11と低抵抗膜13とが接触するようにしている。このため、複数の電気経路が多く形成される交差部11aの損傷を防止して、分布量センサ10の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、第1絶縁シート12および第2絶縁シート14には、布を用いている。これによれば、分布量センサ10に布の性質の柔軟性、伸縮性あるいは弾性を持たせることができ、計測対象物の曲面であっても装着することができる。また、分布量センサ10では、例えば、高抵抗膜11に対して低抵抗膜13が押し付けられて、その外圧(押圧)を感知する構成であるが、布の弾性によっても感圧効果が高まると考えられる。
また、本実施形態では、高抵抗膜11および低抵抗膜13は、樹脂を含有して構成されている。これによれば、高抵抗膜11および低抵抗膜13が樹脂成分により外力からの損傷するのを防止することができる。したがって、分布量センサ10の信頼性を高めることができる。
また、第1絶縁シート12および第2絶縁シート14では布を用いた場合、樹脂を含有する高抵抗膜11および低抵抗膜13(抵抗材料)を布に含浸させて構成することができる。これによれば、第1絶縁シート12から高抵抗膜11や、第2絶縁シート14から低抵抗膜13が剥離するのを防止することができる。したがって、分布量センサ10の信頼性を高めることができる。
従来から感圧材として、導電性カーボンを練り込んだ樹脂やゴムなどをフィルム状にしたものがあるが、薄く、大面積のものを製造するのはコストが掛かってしまう。また、ゴムからなる感圧材(感圧ゴム)の場合は、面方向(XY方向)の抵抗値の均一性に劣ってしまう。また、フィルム状の感圧材を電極でサンドウィッチした構造とした場合、電極から感圧材が剥離してしまうことも考えられる。
これに対して、本実施形態では、第1絶縁シート12および第2絶縁シート14を構成する布に、高抵抗膜11および低抵抗膜13を構成する抵抗材料を、スクリーン印刷などを用いて均一な厚さで形成することができるので、コストや品質面で有利となる。また、布の素材によって、分布量センサ10の柔軟性、伸縮性を調整することもできる。
次に、分布量センサ10を備えた分布量計測システム50において、物理量分布が計測される方法について説明する。分布量計測システム50は、信頼性の高い高性能の分布量センサ10を備えているため、分布量計測システム50も信頼性の高い高性能のものとなっている。
処理装置60は、複数の電極端子15を介して分布量センサ10からの計測値に基づき、分布量センサ10に作用する物理量分布を推定計算するために種々の回路(例えば、CPUなどの電子部品)を備えて構成されている。処理装置60は、推定計算にEIT(Electrical Impedance Tomography)を用いることができる。以下に、推定計算について説明する。
分布量センサ10では、第1絶縁シート12の一方の面に形成された格子状の高抵抗膜11が抵抗分布を有し、その面内周縁部で高抵抗膜11と電気的に接続された複数の電極端子15が設けられている。複数の電極端子15のうち、選択された2つの電極端子15(以下、選択電極という。)間に電圧を印加すると、選択電極間に電流が最短の電気経路を直進して流れるもののほかに、他の電気経路を通って高抵抗膜11全体に広がるように流れる。なお、抵抗膜がベタ状に形成されている場合であっても、選択電極間に電圧を印加すると、電流がベタ状抵抗膜全体に広がるように流れる。
高抵抗膜11は、抵抗分布を有しているため、最短および他の電気経路に電流が流れることによって電位勾配が生じる。すなわち、高抵抗膜11の電圧分布(電位分布)が生じる。この電圧分布を選択電極以外の非選択の電極端子15により計測する。同様に、先の選択電極とは異なる2つの電極端子15の組み合わせを選択してこれを次の選択電極とし、このときの電圧分布を計測する。以上を順次繰り返して得られた複数の電位分布から高抵抗膜11の抵抗分布を推定することができる。
ここで、推定計算は一般に格子状の数学的モデルに基づいて行われる。分布量計測システム50においても、処理装置60では、推定計算の際に格子状の数学的モデルを構築している。なお、ベタ状抵抗膜の場合にも格子状の数学的モデルが構築されて推定計算が行われる。
ベタ状抵抗膜の場合、数学的モデル格子状に構築したとしても、その格子状に電流が流れるわけではないため、推定計算の精度を低下させる要因となっている。そこで、分布量センサ10では、数学的モデルに合わせて、高抵抗膜11を格子状に形成している。これによれば、物理量分布の推定計算の精度を向上することができ、高性能の分布量計測システム50を提供することができる。
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、代表的なものの新規な特徴およびこれによって得られる作用、効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。
分布量センサ10は、一方の面に形成された高抵抗膜11を有する第1絶縁シート12と、一方の面にドット状に形成された複数の低抵抗膜13を有する第2絶縁シート14と、高抵抗膜11の周縁部に設けられ、高抵抗膜11と電気的に接続された複数の電極端子15とを備えている。ここで、低抵抗膜13の表面抵抗値が、高抵抗膜11の表面抵抗値よりも低い。また、高抵抗膜11と低抵抗膜13とを直接接触させて、第1絶縁シート12と第2絶縁シート14とが重ねられている。
このように、分布量センサ10では、電圧分布を計測する電極端子15が、外圧が作用する面内中央部ではなく、面内周縁部に設けられているので、外圧によって電極端子15が損傷するのを防止することができる。したがって、信頼性の高い高性能の分布量センサ10を提供することができる。
さらに、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前述の実施形態では、高抵抗膜11が、第1絶縁シート12の一方の面に格子状に形成されている場合について説明した。これに限らず、第1抵抗膜が、第1絶縁シートの一方の面全体にベタ状に形成されている場合であってもよい。ベタ状の第1抵抗膜であっても、分布量センサに作用する物理量分布を推定計算することができる。
前述の実施形態では、格子状の高抵抗膜11(第1抵抗膜)の隣接する交差部11a間で、高抵抗膜11(第1抵抗膜)と低抵抗膜13(第2抵抗膜)とが接触している場合について説明した。これに限らず、格子状の第1抵抗膜の交差部でも、第1抵抗膜と第2抵抗膜とが接触している場合であってもよい。
前述の実施形態では、第1絶縁シート12および第2絶縁シート14が布である場合について説明した。これに限らず、第1絶縁シートおよび第2絶縁シートを樹脂で構成する場合であってもよい。この場合において、第1抵抗膜および第2抵抗膜のベース材として樹脂を用いることで、互いの樹脂が密着して第1絶縁シートおよび第2絶縁シートからそれぞれ第1抵抗膜および第2抵抗膜が剥離するのを防止することができる。
また、第1絶縁シートの代わりに、硬くて耐久性のある絶縁基板の一方の面に第1抵抗膜を形成して、分布量センサを構成することもできる。このような絶縁基板を備えた分布量センサであれば、現金自動預け払い機(ATM)や、玄関などにセキュリティ用として設置することもできる。
前述の実施形態では、高抵抗膜11(第1抵抗膜)および低抵抗膜13(第2抵抗膜)が、ベース材として樹脂を含有して構成されている場合について説明した。樹脂などの含有量やガラス転移点、分子量などを調整し、布の伸縮による応力を緩和できる特性を持たせることができ、第1および第2抵抗膜に伸縮性や柔軟性をもたせることもできる。
前述の実施形態では、分布量センサ10と、複数の電極端子15から取り込んだ計測値を処理する処理装置60とを備えた分布量計測システム50において、EITを用いて分布量を計測する場合について説明した。これに限らず、例えば、格子状の第1抵抗膜のX方向でペアをなす電極端子間に電圧を印加し、これと交差するY方向の電極端子のペアのそれぞれで電位を計測し、これを面内全体に行うことで分布量を計測することもできる。
前述の実施形態では、電圧分布を格子状に近似した数学的モデルが構築され、格子状の数学的モデルに合わせて高抵抗膜11が格子状に形成されている場合について説明した。これに限らず、第1抵抗膜が第1絶縁シートの一方の面全体にベタ状に形成されている場合においても、格子状の数学的モデルを十分に細かく構築することで、物理量分布を計測することができる。
前述の実施形態では、分布量センサの電極端子は、その面内周縁部に設けた場合について説明した。これに限らず、面内中央部にも電極端子を設ける場合であってもよい。この場合、電極端子の信頼性を考慮する必要があるが、電圧分布が電極端子から遠ざかるにつれ誤差成分を含みやすくなるため、面内周縁部の他に面内中央部にも電極端子を設けることで、精度の高い分布量を計測することができる。
前述の実施形態では、分布量センサ10の平面形状が矩形状の場合について説明した。これに限らず、平面形状が円形状、三角形状あるいはハート形状などの種々の形状であってもよい。この場合においても、第1抵抗膜を格子状に形成して、物理量分布を計測することができる。
前述の実施形態では、分布量センサとして、外圧を作用させたときに高抵抗膜11と低抵抗膜13との接触抵抗値が変化することによる感圧抵抗体20の抵抗値の変化を計測して、推定計算により物理量分布を計測する場合について説明した。これに限らず、分布量センサとして、伸びによっても抵抗値が変化することを利用して伸び量分布センサ、温度によって抵抗値が変化することを利用して温度分布センサとして用いることもできる。
前述の実施形態では、スクリーン印刷を用いて、布である第1絶縁シート12および第2絶縁シート14のそれぞれに高抵抗膜11および低抵抗膜13を形成する場合について説明した。これに限らず、抵抗材料を噴霧塗布したり、刷毛で塗布したりすることもできる。しかしながら、スクリーン印刷によれば膜厚や分布が管理し易くなる。特に、第1絶縁シートの一方の面の全体で格子状に形成される第1抵抗膜は、その抵抗分布が均一であることが推定計算の精度の点でも望ましく、スクリーン印刷を用いることが有効である。
10 分布量センサ
11 高抵抗膜(第1抵抗膜)
11a 交差部
11b 辺部
12 第1絶縁シート
13 低抵抗膜(第2抵抗膜)
14 第2絶縁シート
15 電極端子
20 感圧抵抗体
21 コネクタ
22 配線ケーブル
50 分布量計測システム
60 処理装置

Claims (7)

  1. 一方の面に形成された第1抵抗膜を有する第1絶縁シートと、
    一方の面にドット状に形成された複数の第2抵抗膜を有する第2絶縁シートと、
    前記第1抵抗膜の周縁部に設けられ、前記第1抵抗膜と電気的に接続された複数の電極端子と
    を備え、
    前記第2抵抗膜の表面抵抗値が、前記第1抵抗膜の表面抵抗値よりも低く、
    前記第1抵抗膜と前記第2抵抗膜とを直接接触させて、前記第1絶縁シートと前記第2絶縁シートとが重ねられていることを特徴とする分布量センサ。
  2. 請求項1記載の分布量センサにおいて、
    前記第1抵抗膜が、格子状に形成されていることを特徴とする分布量センサ。
  3. 請求項2記載の分布量センサにおいて、
    格子状の前記第1抵抗膜の隣接する交差部間で、前記第1抵抗膜と前記第2抵抗膜とが接触していることを特徴とする分布量センサ。
  4. 請求項1、2または3記載の分布量センサにおいて、
    前記第1および第2絶縁シートが、布で構成されていることを特徴とする分布量センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の分布量センサにおいて、
    前記第1および第2抵抗膜が、樹脂をベース材として構成されていることを特徴とする分布量センサ。
  6. 請求項1、2または3記載の分布量センサにおいて、
    前記第1および第2絶縁シートが、布で構成され、
    前記第1および第2抵抗膜が、樹脂をベース材とした抵抗材料から構成され、
    前記布に前記抵抗材料が含浸され、または前記布の表面上に前記抵抗材料が設けられていることを特徴とする分布量センサ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の分布量センサと、
    前記分布量センサからの計測値に基づき、前記分布量センサに作用する物理量分布を推定計算する処理装置と
    を備えた分布量計測システムにおいて、
    前記処理装置では、推定計算の際に格子状の数学的モデルを構築し、
    前記数学的モデルに合わせて前記第1抵抗膜が格子状に形成されていることを特徴とする分布量計測システム。
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