以下、本発明に係る着座センサ、及び、それを用いた座席装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の着座センサを示す平面図である。図1に示すように、着座センサ1は、第1電極シート10と、第1電極シート10に重ねられる第2電極シート20と、第1電極シート10と第2電極シート20とで挟まれるスペーサと、第1電極シート10及び第2電極シート20のスペーサとは反対側に配置されるクッション部材とを主な構成要素として備える。
図3は、図1に示す第1電極シート10を示す平面図である。図3に示すように、第1電極シート10は、可撓性を有するフィルム状の絶縁体から成る第1絶縁シート11と、第1絶縁シート11の表面に形成される第1電極14A〜14Dと、第1絶縁シート11の表面に形成される端子42A、42Bとを主な構成要素として備える。
第1絶縁シート11は、帯状の底部部位11Aと、底部部位11Aの長手方向と垂直な方向に延在し、互いに合同な一組の帯状の側部部位11B、11Cと、底部部位11Aの長手方向と平行な方向に延在する帯状の上部部位11Dと、底部部位11Aの長手方向と平行な方向に延在する一組の帯状のアーム部位11E、11Fと、底部部位11Aの長手方向と垂直な方向に延在し、側部部位11B、11Cよりも短いテール部位11Gとから成る。底部部位11Aの一端には、一方の側部部位11Bの一端が接続されており、底部部位11Aの他端には、他方の側部部位11Cの一端が接続されている。更に、側部部位11Bの他端は、上部部位11Dの一端と連結されており、側部部位11Cの他端は、上部部位11Dの他端と連結されている。こうして、底部部位11A、及び、それぞれの側部部位11B、11C、及び、上部部位11Dにより略四角形の形状とされて、底部部位11A、側部部位11B、11C、上部部位11Dにより、略四角形の開口が形成されている。また、一方の側部部位11Bの途中には、一方のアーム部位11Eの一端が開口の外側で連結されており、アーム部位11Eの他端は、開口の外側において自由端とされている。さらに、他方の側部部位11Cの途中には、他方のアーム部位11Fの一端が開口の外側で連結されており、アーム部位11Fの他端は、開口の外側において自由端とされている。また、テール部位11Gの一端は、底部部位11Aの長手方向の中間部分における開口の内側に連結しており、テール部位11Gの他端には、何も接続されておらず、この他端は開口内において自由端とされている。このような構成により、第1絶縁シート11は、テール部位11Gの中心を通り、テール部位11Gの長手方向に沿った線を基準として、対称な形状とされている。
第1絶縁シート11上の第1電極14A〜14Dは、それぞれ略円形の形状をしている。そして、第1電極14Aは、一方のアーム部位11Eの自由端側の端縁から所定の間隔をあけて、アーム部位11E上に設けられており、第1電極14Dは、他方のアーム部位11Fの自由端側の端縁から所定の間隔をあけて、アーム部位11F上に設けられている。また、第1電極14Bは、一方の側部部位11Bと、上部部位11Dの一端とが連結している場所において、側部部位11B上に設けられている。さらに、第1電極14Cは、他方の側部部位11Cと、上部部位11Dの他端とが連結している場所において、側部部位11B上に設けられている。
こうして、第1絶縁シート11の表面上に設けられている第1電極14A、14Bと、第1電極14D、14Cとは、テール部位11Gの中心を通り、テール部位11Gの長手方向に沿った線を基準として、互いに線対称となるように設けられている。
また、端子42A、42Bは、略四角形の形状をなし、端子42A、42Bは、テール部位11Gの表面における自由端側の端縁から所定の間隔をあけた位置に、テール部位11Gの長手方向に垂直な方向に沿って並設されている。
さらに、第1電極14A及び端子42Aは、第1配線16Aにより互いに電気的に接続されている。この第1配線16Aは、アーム部位11Eの長手方向に延在して、一端が第1電極14Aに接続されると共に、アーム部位11Eと側部部位11Bとの連結点において垂直に折れ曲がり、側部部位11Bの長手方向に更に延在する。そして、第1配線16Aは、側部部位11Bと底部部位11Aとの連結点において、再び垂直に折れ曲がり、底部部位11Aの長手方向に更に延在し、底部部位11Aとテール部位11Gとの連結点において再び垂直に折れ曲がり、テール部位11Gの長手方向に更に延在して、他端が端子42Aに接続されている。また、第1電極14D及び端子42Bは、第1配線16Bにより互いに電気的に接続されている。この第1配線16Bは、アーム部位11Fの長手方向に延在して、一端が第1電極14Dに接続されると共に、アーム部位11Fと側部部位11Cとの連結点において垂直に折れ曲がり、側部部位11Cの長手方向に更に延在する。そして、第1配線16Bは、側部部位11Cと底部部位11Aとの連結点において、再び垂直に折れ曲がり、底部部位11Aの長手方向に更に延在し、底部部位11Aとテール部位11Gとの連結点において再び垂直に折れ曲がり、テール部位11Gの長手方向に更に延在して、他端が端子42Bに接続されている。さらに、第1電極14B及び第1電極14Cは、第1配線16Cにより互いに電気的に接続されている。この第1配線16Cは、上部部位11Dの長手方向に延在して、一端が第1電極14Bに接続され、他端が第1電極14Cに接続されている。
こうして、図3に示すように第1電極シート10においては、上述のように第1電極14Bと第1電極14Cとが、互いに電気的に接続され、そして、第1電極14B、14Cと、第1電極14Aと、第1電極14Dとが、互いに絶縁されている。
また、第1電極シート10の第1電極14A〜14D側と反対側には、可撓性・弾性を有する第1金属板71A〜71Dが設けられている。第1金属板71A〜71Dは、それぞれ略四角形の形状をしており、第1絶縁シート11に垂直な方向からみる場合に、第1金属板71A〜71Dの外周内に第1電極14A〜14Dが収まる位置に設けられ、第1金属板71A〜71Dが第1電極14A〜14Dを覆っている。この第1金属板71A〜71Dは、めっき等から成る金属箔とは異なり、一定の板厚を有しており、第1金属板71A〜71Dの一端を水平に持つ場合に、自重を支えられる程度の可撓性・弾性を有する板厚とされる。このような板厚としては、20μm〜100μmであることが好ましい。このような板厚であれば、着座センサ1が配置される環境の温度が上昇することにより、仮に第1絶縁シート11の強度が低下する場合においても、弱い力で第1絶縁シート11が、撓むことを抑制することができる。
図4は、図1に示す第2電極シートを示す平面図である。図4に示すように、第2電極シート20は、可撓性を有するフィルム状の第2絶縁シート21と、第2絶縁シート21の表面に形成される第2電極24A〜24Dを主な構成要素として有する。
第2絶縁シート21は、第1絶縁シート11における底部部位11Aと形状及び大きさが同じである底部部位21Aと、第1絶縁シート11における一組の側部部位11B、11Cと形状及び大きさが同じである一組の側部部位21B、21Cと、第1絶縁シート11における上部部位11Dと形状及び大きさが同じである上部部位21Dと、第1絶縁シート11における一組のアーム部位11E、11Fと形状及び大きさが同じである一組のアーム部位21E、21Fと、第1絶縁シート11のテール部位11Gと幅が同じで、長さが短い形状とされるテール部位21Gとから構成される。そして、底部部位21A、及び、側部部位21B、21C、及び、上部部位21D、及び、アーム部位21E、21Fは、第1電極シート10と第2電極シート20を重ね合わせたときに、第1絶縁シート11における底部部位11A、及び、側部部位11B、11C、及び、上部部位11D、及び、アーム部位11E、11Fと完全に重なるようにそれぞれ連結されている。また、第2絶縁シート21のテール部位21Gは、第1電極シート10と第2電極シート20を重ね合わせたときに、第1電極シートのテール部位11Gと重なって、第1電極シート10の端子42A、42Bが露出するように、底部部位21Aと連結されている。なお、本実施形態においては、第2絶縁シート21と第1絶縁シート11とは、同じ可撓性を有し、同じ力が加えられる場合に、同じように撓むように構成されている。
また、第2電極24A〜24Dは、第1電極14A〜14Dと同じ形状、大きさとされている。さらに、第2電極24A〜24Dは、第2電極シート20が第1電極シート10と重ね合わせられたときに、第2絶縁シート21の第1電極シート10側の表面において、第1電極14A〜14Dと完全に重なる位置にそれぞれ設けられている。
さらに、第2電極24A及び第2電極24Bは、第2配線26Aにより互いに電気的に接続されている。この第2配線26Aは、アーム部位21Eの長手方向に延在して、一端が第2電極24Aに接続されると共に、アーム部位21Eと一方の側部部位21Bとの連結点において垂直に折れ曲がり、更に側部部位21Bの長手方向に延在して、他端が第2電極24Bに接続されている。また、第2電極24D及び第2電極24Cは、第2配線26Bにより互いに電気的に接続されている。この第2配線26Bは、アーム部位21Fの長手方向に延在して、一端が第2電極24Dに接続されると共に、アーム部位21Fと他方の側部部位21Cとの連結点において垂直に折れ曲がり、更に側部部位21Cの長手方向に延在して、他端が第2電極24Cに接続されている。
こうして、図4に示すように第2電極シート20においては、上述のように第2電極24Aと第2電極24Bとが、互いに電気的に接続されると共に、第2電極24Dと第2電極24Cとが、互いに電気的に接続され、そして、第2電極24A、24Bと、第2電極24D、24Cとが、互いに絶縁されている。
また、第2電極シート20の第2電極24A〜24D側と反対側には、可撓性・弾性を有する第2金属板72A〜72Dが設けられている。第2金属板72A〜72Dは、それぞれ第1金属板71A〜71Dと合同であり、第2絶縁シート21に垂直な方向からみる場合に、第2金属板72A〜72Dの外周内に第2電極24A〜24Dが収まる位置に設けられ、第2金属板72A〜72Dが第2電極24A〜24Dを覆っている。このように第2金属板72A〜72Dは、それぞれ第2絶縁シート21を介して第2電極24A〜24Dに固定されている。なお、本実施形態においては、第1金属板71A〜71D、第2金属板72A〜72Dは、同じ可撓性・弾性を有しており、同じ力が加えられると同じように湾曲する。
図5は、第1電極シート10と第2電極シート20との間に挟まれるスペーサを示す平面図である。スペーサ30は、可撓性を有する絶縁シート31からなる。そして、図5に示すように、スペーサ30は、外形が第2電極シート20と一致している。
また、スペーサ30には、それぞれ同じ大きさである開口34A〜34Dが形成されている。開口34A〜34Dは、周縁が略円形の形状であり、第1電極14A〜14Dよりも直径が僅かに小さく形成されている。そして、開口34A〜34Dは、スペーサ30を第1電極シート10と重ね合わせて、スペーサ30に垂直な方向から見る場合に、第1電極14A〜14Dのそれぞれの外形の内側にそれぞれの開口34A〜34Dが収まるような位置に形成されている。
さらにスペーサ30には、空気抜け用のスリットであり開口34A〜34Dをスペーサ30の外部と空間的に接続するスリット36A〜36Dが形成されている。具体的には、それぞれのスリット36A〜36Dは、一端がスペーサ30の外部と接続されている。そして、スリット36Aの他端は、開口34Aと接続され、スリット36Bの他端は、開口34Bと接続され、スリット36Cの他端は、開口34Cと接続され、スリット36Dの他端は、開口34Dと接続されている。
なお、スペーサ30の両面には、第1電極シート10及び第2電極シート20と接着されるための図示しない接着剤が塗布されている。
図6は、図1に示すV−V線に沿った断面の様子を示す図である。図1、図6に示すように、着座センサ1は、第1電極シート10と第2電極シート20とがスペーサ30を挟んで重ね合わせられており、スペーサ30の両面に塗布された接着剤により互いに固定されて一体化されている。
このように第1電極シート10とスペーサ30と第2電極シート20とが、一体化された状態で、着座センサ1に対して垂直な方向から見る場合に、図1に示すように第1電極シート10の第1電極14A、及び、第2電極シート20の第2電極24Aは、互いに重なっており、スペーサ30に形成されている開口34Aは、第1電極14A及び第2電極24Aの外周内に収まっている。そして、第1電極14Aと第2電極24Aとは、図6に示すようにスペーサ30により所定の間隔を空けて互いに対向している。そして、着座センサ1に対して垂直な方向から見る場合に、第1電極シート10に設けられている第1金属板71Aは、開口34Aを覆っており、同様に、第2電極シート20に設けられている第2金属板72Aは、開口34Aを覆っている。このようにして、第1絶縁シート11、21と、開口34Aが形成されたシート状のスペーサ30と、開口34Aを介して互いに対向する一対の電極14A、24Aと、第1、第2絶縁シート11、21に設けられる第1、第2金属板71A、72Aとを有する感圧スイッチ40Aが構成されている。同様に第1絶縁シート11、21と、開口34B〜34Dが形成されたシート状のスペーサ30と、開口34B〜34Dを介して互いに対向する一対の電極14B〜14D、24B〜24Dと、第1、第2絶縁シート11、21に設けられる第1、第2金属板71B〜71D、72B〜72Dとを有する感圧スイッチ40B〜40Dが構成されている。
なお、図1に示すように、着座センサ1においては、感圧スイッチ40A〜40Dは、感圧スイッチ40A〜40Dを結ぶ線により、略台形が描かれ、感圧スイッチ40B及び感圧スイッチ40Cは、感圧スイッチ40A及び感圧スイッチ40Dを通る直線と重ならないように配置されている。別言すれば、感圧スイッチ40A〜40Dは、直線状に並ばないように配置されており、第3感圧スイッチ40B及び第4感圧スイッチ40Cは、第1感圧スイッチ40A及び第2感圧スイッチ40Dを通る直線と重ならないように配置されている。
また、図1、図6に示すように、第2絶縁シート21のスペーサ30側とは反対側には、弾性力を有し、圧力が加えられると潰れるように変形するクッション部材52が設けられている。このクッション部材52は、多数の空孔が設けられたスポンジ状の樹脂や、弾性力を有する樹脂製の繊維が絡み合った不織布や、ゴム等から構成される。そして、クッション部材52は、第2絶縁シート21上において、一方の端部側が感圧スイッチ40Aを覆うように配置されている。そして、クッション部材52は、第2絶縁シート21のアーム部位21Eの長手方向に沿って延在して、第2絶縁シート21のアーム部位21Eと一方の側部部位21Bとが連結している場所において、垂直に折れ曲がり、側部部位21Bの長手方向に沿って延在する。さらに、クッション部材52は、第2絶縁シート21の側部部位21Bと上部部位21Dとが連結される場所において、感圧スイッチ40Bを覆うと共に、垂直に折れ曲がり、上部部位21Dの長手方向に沿って延在する。そして、クッション部材52は、第2絶縁シート21の上部部位21Dと他方の側部部位21Cとが連結される場所において、感圧スイッチ40Cを覆うと共に、垂直に折れ曲がり、側部部位21Cの長手方向に沿って延在する。そして、クッション部材52は、第2絶縁シート21の側部部位21Cとアーム部位21Fとが連結している場所において、垂直に折れ曲がり、アーム部位21Fの長手方向に沿って延在して、クッション部材52の他方の端部側において、感圧スイッチ40Dを覆っている。こうしてクッション部材52は、感圧スイッチ40A〜40Dを覆っている。
また、図6に示すように、第1絶縁シート11のスペーサ30側とは反対側には、クッション部材51が設けられている。クッション部材51は、クッション部材52と同じ形状であり、第1絶縁シート11に垂直な方向から見る場合に、クッション部材52と外形が重なっている。従って、クッション部材51は、第1絶縁シート11のスペーサ30側と反対側において、感圧スイッチ40A〜40Dを覆っている。
なお、本実施形態においては、一対のクッション部材51、52が潰れる厚さの合計は、それぞれの感圧スイッチ40A〜40Dにおける、対向する電極間の距離以上とされている。また、クッション部材51、52は、互いに同じ厚さとされ、それぞれのクッション部材51、52は、同じ材質で、同じ弾性力を有しており、同じ圧力が印加される場合に、同じように潰れるように構成されている。従って、着座センサ1は、第1電極シート10と第2電極シート20のどちらを上にして、使用しても着座の検出感度を同じようにすることができる。
図7は、図1に示す着座センサ1の回路構成を等価回路で示す回路図である。上述のように構成されるそれぞれの感圧スイッチ40A〜40D、及び、それぞれの端子42A、42Bは、図7に示すように、第1絶縁シート11の表面に形成される第1配線16A〜16C、及び、第2絶縁シート21の表面に形成される第2配線26A、26Bにより互いに接続されている。このように各感圧スイッチ40A〜40Dが接続されることで、着座センサ1の回路が構成されている。そして、端子42A、感圧スイッチ40A、感圧スイッチ40B、感圧スイッチ40C、感圧スイッチ40D、端子42Bは、この順に直列に接続されている。
図8は、本発明の実施形態に係る座席装置の様子を示す図である。具体的には、図8の(A)は、着座センサ1が配置された座席装置9の様子を上方から示す図であり、図8の(B)は、着座センサ1が配置された座席装置9の様子を側方から示す図である。図8の(A)及び(B)に示すように、座席装置9は、シートパン92と、シートパン92の上に配置されるクッションパッド93と、背もたれ96と、シートパン92上に配置され、シートパン92とクッションパッド93とにより挟まれている着座センサ1とを備えており、座席装置9は、例えば、車両用の座席装置とされる。
シートパン92は、合成の高い金属板が折曲げ加工されて構成されており、図8の(A)に示すように、クッションパッド93の前後方向に平行で幅方向の中心を通る中心線Lを基準として、線対称の形状をしている。また、シートパン92には、略中央に略四角形の孔94Aが形成されており、さらに、孔94Aよりも後方に略四角形の孔94Bが形成されている。この孔94Aは、図8の(A)、(B)に示すように、座席装置9に人が正規着座した状態におけるヒップポイントHPよりも前方に形成されており、孔94Bは、ヒップポイントHPよりも僅かに後方に形成されている。
なお、「正規着座」とは、臀部が座面の奥深くに位置して、背中が背もたれ96に接触する状態で着座することを意味し、「ヒップポイント」とは、図9の(B)に示すように、人が着座した状態で、臀部が最も下側に出ている点をいう。
そして、このシートパン92により、クッションパッド93が支えられている。このクッションパッド93は、発泡ウレタンから構成されており、クッション性を有する。すなわち、クッションパッド93は、弾性力を有し、押圧力が加わると潰れるように変形する。また、クッションパッド93は、図示しない布製の表皮に覆われている。また、背もたれ96は、クッションパッド93の後方において、クッションパッド93に接触するように、図示しない手段によりシートパン92と接続されている。
また、図8の(B)に示すように、着座センサ1は、車両等の座席装置9におけるシートパン92上に配置され、シートパン92とクッションパッド93とにより挟まれている。また、着座センサ1がこのように配置された状態において、第2絶縁シート21がクッションパッド93側に配置されて、クッション部材52がクッションパッド93と第2絶縁シート21とにより挟まれ、さらに、第1絶縁シート11がシートパン側に配置されて、クッション部材51がシートパン92と第1絶縁シート11とにより挟まれている。
そして、図8の(A)に示すように、シートパン92の孔94Aが、着座センサ1の第1、第2絶縁シート11、21に形成された四角形の開口内に位置するようにして、着座センサ1は配置される。この状態において、孔94Aに対して左側の横に感圧スイッチ40Aが配置され、孔94Aに対して左側の横の前方に感圧スイッチ40Bが配置され、さらに、孔94Aに対して右側の横に感圧スイッチ40Dが配置され、孔94Aに対して右側の横の前方に感圧スイッチ40Cが配置されている。従って、着座センサ1は、クッションパッド93の中心を通る中心線Lを基準とした左側に感圧スイッチ40A、40Bが位置し、右側に感圧スイッチ40D、40Cが位置するように配置されている。なお、感圧スイッチ40Aと感圧スイッチ40Dは、クッションパッドの幅方向に沿って並んでおり、さらに、感圧スイッチ40Aと感圧スイッチ40Dとは、中心線Lと基準として、互いに線対称となる位置に配置されている。同様に、感圧スイッチ40Bと感圧スイッチ40Cは、クッションパッドの幅方向に沿って並んでおり、さらに、感圧スイッチ40Bと感圧スイッチ40Cとは、中心線Lと基準として、互いに線対称となる位置に配置されている。また、上述のように孔94Aが、座席装置9に人が正規着座した状態におけるヒップポイントHPよりも前方に形成されているため、感圧スイッチ40A〜40Dは、ヒップポイントHPよりも前方に配置されている。
そして、端子42A、42Bが、孔94Aから導出されて、外部の図示しない電源と測定部に電気的に接続され、端子42A、42Bに電圧が印加される。
なお、本実施形態においては、クッションパッド93は、クッション部材51、52と同じ弾性力を有している。従って、クッションパッド93及びクッション部材51、52に対して、同じ押圧力が印加される場合、クッションパッド93とクッション部材51、52は、それぞれ同じように第1絶縁シート11、第2絶縁シート21を押圧する。
次に、座席装置9における着座センサ1の動作について説明する。
図9は、図8の(B)において破線で示すように、座席装置9に人が正規着座した状態で、座席装置9のシートパン92が、表皮及びクッションパッド93を介して、人から受ける荷重の分布を示す概念図である。
図1を用いて説明したように、人が座席装置に着座する場合、クッションパッドの表面においては、人の臀部が位置する場所に押圧力が集中しているが、図9に示すように、シートパン92が人の荷重によりクッションパッド93から受ける押圧力は、シートパン92上に広く分散している。そして、人が正規着座する場合、シートパン92に形成された孔94Aと隣接する領域92Aが、クッションパッド93から最も高い押圧力を受け、更に領域92Aの外側の領域92Bが、次に高い押圧力を受け、そして、領域92Bの外側の領域92Cが次に高い押圧力を受ける。このように、人の着座時において、シートパン92は、シートパン92のそれぞれの孔と隣接する領域において、他の部分と比べてクッションパッド93から比較的強い押圧力を受けている。特に、ヒップポイントHPよりも前方で、中心線L上に形成されている孔94Aと隣接する領域は、孔94Bと隣接する領域や他の孔と隣接する領域よりも強い力で押圧されており、孔94Aの横方向に形成された他の孔と隣接する領域が、孔94Aと隣接する領域の次に強く押圧されている。
これは、次のように考えられる。つまり、人が背もたれ96を備える座席装置9に正規着座するとき、人の背中が背もたれ96に接触して、背もたれ96により背中が押され、背中にかかる力が人の臀部を前方に押す。従って、着座する人の臀部は、重力により鉛直方向にクッションパッド93を押圧すると共に、背中からの力により前方に向かってクッションパッド93を押す。こうして、シートパン92がクッションパッド93から受ける押圧力は、正規着座する人のヒップポイントHPよりも前方において、他の部分よりも強くなる。そして、人が着座する際、通常、人はクッションパッドの幅方向の略中心に着座する。従って、クッションパッド93の幅方向の中心付近、すなわち、中心線Lの付近が、大きな力で押圧される傾向がある。こうして、ヒップポイントHPよりも前方で、クッションパッド93の幅方向の中心に形成されている孔94Aと隣接する領域が、孔94Bと隣接する領域や、他の孔と隣接する領域よりも大きな力で押圧されている。なお、本実施形態においては、シートパン92がクッションパッド93から大きな押圧力を受ける場所(最大荷重領域)MGは、孔94Aに横方向に隣接する領域となっている。また、上述のように人が着座する際、通常、人はクッションパッドの幅方向の略中心において、左右対称に着座するため、シートパン92がクッションパッド93から受ける押圧力は、中心線Lに対して略対称になっている。
なお、「最大荷重領域MG」とは、シートパンがクッションパッドから最も押圧力を受けていない場所における押圧力を0として、シートパンがクッションパッドから最も大きな押圧力を受けている場所における押圧力を100とする場合に、シートパン92が90以上の押圧力をうける領域をいう。
上述のように、シートパン92の孔94Aに対して一方側及び他方側の横に感圧スイッチ40A、40Dが配置され、孔94Aに対して一方側及び他方側の横の前方に感圧スイッチ40B、40Cが配置されている。そして、本実施形態においては、少なくとも感圧スイッチ40C、40Dが配置されている場所が、最大荷重領域MGと重なっており、感圧スイッチ40A、40Dも、人が正規着座する場合に、比較的大きな押圧力を受ける場所に配置されている。従って、それぞれの感圧スイッチ40A〜40Dは、人が正規着座する場合に、適切に人の着座による押圧力を検知することができる。
図10は、座席装置9内に着座センサ1が配置された状態で、感圧スイッチ40Aがオンする様子を図6と同じ視点で示す図である。なお、図10においては、理解の容易のため、シートパン92及びクッションパッド93は、一部分のみを示している。
人が着座すると、ヒップポイントHPよりも前方で、比較的大きな押圧力を受ける場所に配置されている感圧スイッチ40Aは、図10に示すように、着座センサ1の両面に対して垂直な方向から、シートパン92及びクッションパッド93によって、矢印で示すように適切に押圧される。つまり、クッション部材52は、座席のクッションパッド93から押圧力を受け、クッション部材51は、シートパン92から押圧力を受ける。このときクッション部材51、52は、押圧力により、潰れるように変形する。そして、第1金属板71A及び第2金属板72Aは、クッション部材51、52の弾性力により押圧される。そして、第1金属板71A及び、第2金属板72Aにかかる押圧力が、それぞれ第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21に伝達して、第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21は、スペーサ30の開口34Aに入り込むようにして撓む。このため、スペーサ30の開口34Aを介して対向する第1絶縁シート11、21に設けられた電極14A、24Aが接触する。こうして、感圧スイッチ40Aがオンとなる。
同様に、他の感圧スイッチ40B〜40Dも、感圧スイッチ40Aと同様にして、クッション部材51、52の弾性力により、第1、第2金属板71B〜71D、72B〜72Dが押圧され、これにより1絶縁シート11及び第2絶縁シート21が撓むことでオンになる。
このとき、本実施形態の着座センサ1においては、上述のように、クッション部材51、52が潰れる厚さの合計が、電極14A〜14Dと電極24A〜24Dとの間の距離以上とされている。従って、クッション部材51、52が撓まずに潰れる変形をすることのみによって、感圧スイッチ40A〜40Dをオンにすることができるため、適切に着座の検出を行うことができる。
また、シートパン92及びクッションパッド93からは略同じ押圧力が着座センサ1に加えられる。従って、シートパン92からクッション部材51に加えられる押圧力と、クッションパッド93からクッション部材52に加えられる押圧力とは略同じである。そして、本実施形態においては、上述のようにクッション部材51、52は、同じ弾性力を有するため、同じ押圧力が加えられると、クッション部材51、52が、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dを同じ弾性力で押圧する。そして、上述のように、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dは、同じ力が加えられると互いに同じように撓み、さらに、第1、第2絶縁シート11、21は、同じ力が加えられると、互いに同じように撓むように構成されているため、第1、第2絶縁シート11、21は、同じように撓み、一対の電極14A〜14D、24A〜24Dは、開口34A〜334D内において、スペーサ30の厚さ方向における、略中心付近において接触する。このため、一方の絶縁シートの撓み量が大きくなるということを抑制でき、着座の検出感度を向上させることができる。
また、第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21が撓む際、開口34A〜34D内の空気は、図6に示すスリット36A〜36Dを介して外部に排出される。従って、着座センサ1に押圧力がかかるとき、第1絶縁シート11及び第2絶縁シート21は適切に撓むことができる。
そして、上述のように、感圧スイッチ40A〜40Dは直列接続されているため、感圧スイッチ40A〜40Dの全てがオンになる場合に、端子42Aと端子42Bとが導通する。こうして、着座センサ1により感知する感知信号を座席装置9の下方において、端子42A、42Bと電気的に接続された図示しない制御部が感知することにより人の着座を検出する。
以上説明したように、金属は、着座センサが使用される環境の温度範囲において、温度が変化する場合においても可撓性が然程変化しないそして、第1金属板71A〜71Dが、第1電極14A〜14Dを覆うように設けられているため、温度が変化する場合においても、第1電極14A〜14Dは、第1金属板71A〜71Dと重なる位置において、撓み方が然程変化しない。同様に、第2金属板72A〜72Dが、第2電極24A〜24Dを覆うように設けられているため、温度が変化する場合においても、第2電極24A〜24Dは、第2金属板72A〜72Dと重なる位置において、撓み方が然程変化しない。従って、温度が変化する場合においても、それぞれの感圧スイッチ40A〜40Dそれぞれの電極は、同じ荷重が感圧スイッチにかかると、同じように撓む。こうして、このような着座センサ1によれば、着座を検出する荷重が温度により変化することを抑制することができる。
さらに、本実施形態の着座センサ1は、第1金属板71A〜71D、及び、第2金属板72A〜72Dは、開口34A〜34Dの全体を覆うように設けられているため、それぞれの金属板の撓みづらく、着座を検出する荷重が温度により変化することがより抑制されている。
また、本実施形態の着座センサ1によれば、第1電極14A〜14Dが第1絶縁シート11上に設けられ、第1金属板71A〜71Dと絶縁されており、第2電極24A〜24Dが第2絶縁シート21上に設けられ、第2金属板72A〜72Dと絶縁されておるため、第1電極14A〜14D及び第2電極24A〜24Dが、第1金属板71A〜71Dや第2金属板72A〜72Dを介して、着座センサ1以外の他の導電性の部材と不要な短絡を起こすことを有効に防止することができる。
また、上述のように背もたれ96を備える座席装置9に人が正規着座して、クッションパッド93に荷重がかかるとき、シートパン92がクッションパッド93から受ける押圧力は、正規着座する人のヒップポイントHPよりも前方において、他の部分よりも比較的強い。従って、本実施形態の座席装置9によれば、感圧スイッチ40A〜40Dが、正規着座する人のヒップポイントHPよりも前方に配置されているため、人の着座を適切に検出することができる。
また、人は、通常、クッションパッド93の幅方向の中心に着座するため、クッションパッド93がシートパン92を押圧する大きさは、中心線Lを基準として略対称となる。そして、本実施形態においては、感圧スイッチ40A、40D、或いは、感圧スイッチ40B、40Cが、中心線Lを基準とした左側及び右側に少なくとも1つずつ配置されている。従って、本実施形態の着座センサ1によれば、人の着座をより適切に検出して、クッションパッド93の幅方向に中心に配置されない荷物を人の着座として荷物を誤検出することを抑制することができる。そして、上記実施形態においては、中心線Lの左側及び右側に配置される感圧スイッチ40A、40D、或いは、感圧スイッチ40B、40Cが、クッションパッド93の幅方向に沿って配置されており、更に上記実施形態においては、中心線Lの左側及び右側に配置される感圧スイッチ40A、40D、或いは、感圧スイッチ40B、40Cが、中心線Lを基準として互いに対称な位置に配置されている。従って本実施形態の着座センサ1によれば、人の着座を更に適切に検出し、荷物を人の着座として誤検出することを更に抑制できる。
また、本発明者の知見によれば、感圧スイッチ40A〜40Dがオンするような人の体重ほどの重量を有する荷物は、箱体に収納されていることが多い。そして、このような重量のある箱状の荷物を座席上に置く場合においては、通常、荷物が座席装置9の形状に応じて傾くため、クッションパッド93は、箱の稜線部分から最も荷重を受ける。このため、箱状の荷物の荷重によりシートパン92がクッションパッド93から受ける押圧力は、直線状に広がる傾向がある。しかし、本実施形態の着座センサによれば、上述のように感圧スイッチ40B及び感圧スイッチ40Cは、感圧スイッチ40A及び感圧スイッチ40Dを通る直線と重ならないように配置され、感圧スイッチ40A〜40Dは、1つの直線状に並ぶように配置されておらず、シートパン92上に分散して配置されている。このため、着座センサ1がシートパン92上に配置された座席装置9によれば、このような重量のある荷物が座席装置9に置かれる場合においても、全ての感圧スイッチ40A〜40Dがオンになることを抑制することができる。そして、全ての感圧スイッチ40A〜40Dが、電気的に直列に接続されているため、一部の感圧スイッチがオンになる場合においても、荷物の配置を人の着座として、誤検出することを抑制することができる。また、着座センサ1が配置された座席装置9に人が着座する場合においては、シートパン92がクッションパッド93から受ける押圧力は、図9を用いて説明したようにシートパン92上に広く分散し、それぞれの感圧スイッチ40A〜40Dが、人の荷重による押圧力でオンとなり、人の着座を適切に検出することができる。
次に、着座センサ1を構成する材料について説明する。
第1電極シート10の第1絶縁シート11、及び、第2電極シート20の絶縁シート21、及び、スペーサ30は、可撓性を有する絶縁性の樹脂から構成される。このような樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。中でもPENが耐熱性に優れる観点から好ましい。
また、スペーサ30の両面に塗布される接着剤としては、アクリル系の接着剤が好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの一種または二種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体をベースとするものが挙げられる。
また、第1電極14A〜14D、及び、第2電極24A〜24D、及び、第1配線16A〜16C、及び、第2配線26A、26B、及び、端子42A、42Bは、導電性ペーストや、めっきにより形成される金属箔等から構成される。このうち一部を導電性ペーストにより構成し、他の部分をめっきによる金属箔により構成しても良い。導電性ペーストとしては、銀ペーストなどの各種金属ペーストやカーボンペースト等が挙げられる。また、めっきにより形成される金属箔としては、銅やニッケル、或いは、これらの積層体等が挙げられる。
また、第1金属板71A〜71D、及び、第2金属板72A〜72Dは、可撓性・弾性を有する金属であれば、特に制限されるものではないが、例えば、鉄系合金、ステンレス、アルミニウム合金、銅合金、ニッケル、等を挙げることができる。特に、ステンレスは、耐食性および耐疲労特性の観点から好ましい。
また、クッション部材51、52は、上述のように弾性力を有し、潰れるように変形する部材である。このような部材を構成する材料であれば、特に制限されるものではないが、クッション部材51、52の材料としては、シリコン、ポリエステルの少なくとも一方を含有する樹脂やゴムを挙げることができる。中でも、シリコン、ポリエステルの少なくとも一方を含有する樹脂が、温度の変化による弾性力の変化が少ないため、着座センサ1が自動車等の環境温度の変化が大きい場所に配置される場合においても、着座の検出荷重の変化を抑制することができるため好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図11を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図11は、本発明の第2実施形態の着座センサにおける感圧スイッチを図6と同じ視点で示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態の着座センサは、感圧スイッチ40Aにおいて、第1金属板71Aが、開口34Aを覆う第1絶縁シート11とスペーサ30との間に設けられると共に、第1電極14Aが、第1金属板71Aのスペーサ30側の表面に設けられ、第2金属板72Aが、開口34Aを覆う第2絶縁シート21とスペーサ30との間に設けられると共に、第2電極24Aが、第2金属板72Aのスペーサ30側の表面に設けられている。
同様に、感圧スイッチ40B〜40Dにおいても、第1金属板71B〜71Dが、開口34B〜34Dを覆う第1絶縁シート11とスペーサ30との間に設けられると共に、第1電極14B〜14Dが、第1金属板71Aのスペーサ30側の表面に設けられ、第2金属板72B〜72Dが、開口34B〜34Dを覆う第2絶縁シート21とスペーサ30との間に設けられると共に、第2電極24B〜24Dが、第2金属板72Aのスペーサ30側の表面に設けられている。
そして、それぞれの第1配線16A〜16C、及び、第2配線26A、26Bが、第1実施形態と同様に、それぞれの第1電極14A〜14D、第2電極24A〜24Dに接続されている。なお、本実施形態においては、第1電極14A〜14Dは、第1金属板71A〜71Dの表面に設けられているため、第1電極14A〜14Dと第1金属板71A〜71Dとが導通している。従って、第1電極14A〜14Dに接続される第1配線16A〜16Cは、第1金属板71A〜71Dに接続されても良い。同様に、第2電極24A〜24Dは、第2金属板72A〜72Dの表面に設けられているため、第2電極24A〜24Dと第2金属板72A〜72Dとが導通している。従って、第2電極24A〜24Dに接続される第2配線26A、26Bは、第2金属板72A〜72Dに接続されても良い。
本実施形態による着座センサによれば、第1電極14A〜14Dが、それぞれ第1金属板71A〜71Dの表面上に設けられ、第2電極24A〜24Dが、それぞれ第2金属板72A〜72Dの表面上に設けられるため、。電極の厚さにより、電極間の距離の調整を行うことができる。
また、第1金属板71A〜71Dが第1絶縁シート11とスペーサ30との間に設けられ、第2金属板72A〜72Dが第2絶縁シート21とスペーサ30との間に設けられるため、第1、第2絶縁シート11、21により、第1電極14A〜14D、第2電極24A〜24D、及び、第1金属板71A〜71D、第2金属板72A〜72Dが、着座センサの外部における他の導電性の部材と短絡することを防止することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図12を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図12は、本発明の第3実施形態の着座センサにおける感圧スイッチを図6と同じ視点で示す断面図である。
図12に示すように、本実施形態の着座センサは、感圧スイッチ40Aにおいて、第1金属板71Aのスペーサ30側と反対側における、開口34Aと重なる領域が、第1絶縁シート11により覆われておらず、さらに、第2金属板72Aのスペーサ30側と反対側における、開口34Aと重なる領域が、第2絶縁シート21により覆われていない。つまり、第1、第2絶縁シート11、21は、開口34Aと重なる領域に開口が形成されている。同様に、第1、第2絶縁シート11、21は、開口34B〜34Dと重なる領域にも開口が形成されており、感圧スイッチ40B〜40Dにおいて、第1金属板71B〜71Dのスペーサ30側と反対側における、開口34B〜34Dと重なる領域が、第1絶縁シート11により覆われておらず、さらに、第2金属板72B〜72Dのスペーサ30側と反対側における、開口34B〜34Dと重なる領域が、第2絶縁シート21により覆われていない。
このような着座センサによれば、開口34A〜34Dと重なる領域が第1、第2絶縁シートにより被覆されていないため、第1電極14A〜14D、第2電極24A〜24Dが撓むとき、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dの弾性力が支配的となり、第1、第2絶縁シート11、21の弾性力に影響を受けない。従って、このような着座センサは、温度により感圧スイッチがオンとなる荷重が変化することをより防止できる。このため、このような着座センサが配置された座席装置は、着座を検出する荷重が温度により変化することをより抑制することができる。
なお、この場合において、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dのスペーサ30側と反対側の面は、薄い絶縁体から成る膜で覆われていても良い。このように構成することで、たとえクッション部材51、52が導電性を有している場合や、クッション部材51、52が設けられない場合においても、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、着座センサ以外の他の導電性の部材と短絡することを防止することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図13、図14を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図13は、本実施形態における着座センサの第1電極シートを示す平面図であり、図14は、本実施形態における着座センサの第2電極シートを示す平面図である。
本実施形態において、第1電極シート10、第2電極シート20、スペーサ30は、それぞれ第2実施形態の着座センサと同様に積層されている。また、図13に示すように、第1金属板71A〜71Dは、第2実施形態の着座センサと同様にして、第1絶縁シート11のスペーサ30側の表面に設けられている。そして、本実施形態においては、第1金属板71Aの一部が延在しており、第1金属板71Aが、配線16Aを兼ねており、第1金属板71B、71Cの一部がそれぞれ延在しており、第1金属板71B、71Cが、配線16Cを兼ねており、第1金属板71Dの一部が延在しており、第1金属板71Dが配線16Bを兼ねている。従って、本実施形態においては、第1金属板71A〜71Dが、第1実施形態におけるそれぞれの配線16A〜16Cを兼ねている。
また、図14に示すように、第2金属板72A〜72Dは、第2実施形態の着座センサと同様にして、第2絶縁シート21のスペーサ30側の表面に設けられている。そして、第2金属板72A、72Bの一部がそれぞれ延在しており、第2金属板72A、72Bが、配線26Aを兼ねており、第2金属板72C、72Dの一部がそれぞれ延在しており、第2金属板72C、72Dが、配線26Bを兼ねている。
このような着座センサによれば、別途配線を設ける作業を省略できるため、簡易に着座センサを製造することができる。
なお、本実施形態においては、第1金属板71A〜71Dが、第1配線16A〜16Cの全てを兼ねており、第2金属板72A〜72Dが、第2配線26A、26Bの全てを兼ねているが、必ずしも第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、第1、第2配線16A〜16C、26A、26Bの全てを兼ねていなくともよく、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、第1、第2配線16A〜16C、26A、26Bの一部を兼ねていても良い。この場合においても、配線を設ける作業を軽減することができ、簡易に着座センサを製造することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図15、図16を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図15は、本発明の第5実施形態の着座センサを示す平面図であり、図16は、図15の着座センサのX−X線における断面の構造の様子を示す図である。
図15に示すように、第1電極シート10は、第1実施形態における第1電極シート10と同様の構成とされ、スペーサ30も第1実施形態におけるスペーサ30と同様の構成とされて、第1電極シート10とスペーサ30とが第1実施形態と同様に重ねられて一体とされている。
そして、本実施形態の着座センサは、図15、図16に示すように第2電極シートを有さず、一組の金属板から成る第2金属板72A、72Bがスペーサ30の第1電極側と反対側の面に設けられている。この第2金属板72Aの一端側は、スペーサ30の開口34Aを覆っており、開口34Aにおいて、第1電極14Aと対向している。こうして、第2金属板72Aの一端側は、感圧スイッチ40Aの第2電極とされている。さらに、第2金属板72Aの他端側は、スペーサ30の開口34Bを覆っており、図16に示すように開口34Bにおいて、第1電極14Bと対向している。こうして、第2金属板72Aの他端側は、感圧スイッチ40Bの第2電極ともされている。そして、第2電極板72Aは、第1絶縁シート11のアーム部位11Eの長手方向に沿って延在して、アーム部位11Eと第1側部部位11Bとの連結点において垂直に折れ曲がり、側部部位11Bの長手方向に沿って延在する。こうして、第2金属板72Aは、感圧スイッチ40Aの第2電極と、感圧スイッチ40Bの第2電極とを接続する第2配線ともされている。同様に、第2金属板72Bの一端側は、スペーサ30の開口34Dを覆っており、開口34Dにおいて、第1電極14Dと対向している。こうして、第2金属板72Bの一端側は、感圧スイッチ40Dの第2電極とされている。さらに、第2金属板72Bの他端側は、スペーサ30の開口34Cを覆っており、図16に示すように開口34Cにおいて、第1電極14Cと対向している。こうして、第2金属板72Cの他端側は、感圧スイッチ40Cの第2電極ともされている。そして、第2電極板72Bは、第1絶縁シート11のアーム部位11Fの長手方向に沿って延在して、アーム部位11Fと第1側部部位11Cとの連結点において垂直に折れ曲がり、側部部位11Cの長手方向に沿って延在する。こうして、第2金属板72Bは、感圧スイッチ40Dの第2電極と、感圧スイッチ40Cの第2電極とを接続する第2配線ともされている。
また、図16に示すように、第2金属板72Aのスペーサ30側と反対側の表面は、絶縁体から成る膜74Aにより覆われており、同様に第2金属板72Bのスペーサ30側と反対側の表面は、膜74Aと同様の膜74Bにより覆われている。なお、図15においては、膜74A、74Bは省略している。
本実施形態による着座センサによれば、第2絶縁シートが設けられていないため、簡易な構成にすることができる。また、第2金属板72A、72Bの表面を覆う絶縁体から成る膜74A、74Bにより、第2金属板72A、72Bが着座センサ以外の他の導電性の部材と短絡することが防止できる。
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、クッション部材51、52を設けても良い。そして、クッション部材52が絶縁性の部材から成り、第2金属板72A、72Bを覆う場合は、膜74A、74Bを省略することもできる。
また、第2金属板72A、72Bが、着座センサ以外の他の導電性部材と短絡しない環境において、着座センサが使用される場合は、膜74A、74Bを省略しても良い。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図17を参照して詳細に説明する。なお、第5実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図17は、本発明の第6実施形態に係る着座センサを示す平面図である。
図17に示すように本実施形態においては、スペーサ30が、第1実施形態における端子42A、42Bが形成されている位置まで延在している点において、第1実施形態のスペーサ30と異なる。さらに、本実施形態の着座センサにおいては、第5実施形態の第1電極シート10を有さず、第1電極板71A〜71Cがスペーサ30の第2電極板72A、72B側と反対側の面に設けられている。この第1金属板71Aの一端側は、スペーサ30の開口34Aを覆っており、開口34Aにおいて、第2金属板72Aと対向している。こうして、第1金属板71Aの一端側は、感圧スイッチ40Aの第1電極とされている。そして、第1金属板71Aは、第1実施形態の端子42Aが設けられている位置までスペーサ30に沿って延在し、第1電極板71Aの他端側が、本実施形態の端子42Aとされている。また、第1金属板71Cの一端側は、スペーサ30の開口34Bを覆っており、開口34Bにおいて、第2金属板72Aと対向している。こうして、第1金属板71Cの一端側は、感圧スイッチ40Bの第1電極とされている。そして、第1金属板71Cは、スペーサ30に沿って延在し、第1金属板71Cの他端側は、スペーサ30の開口34Cを覆っており、開口34Cにおいて、第2金属板72Bと対向している。こうして、第1金属板71Cの他端側は、感圧スイッチ40Cの第1電極ともされている。また、第1金属板71Bの一端側は、スペーサ30の開口34Dを覆っており、開口34Dにおいて、第2金属板72Bと対向している。こうして、第1金属板71Bの一端側は、感圧スイッチ40Dの第1電極とされている。そして、第1金属板71Bは、第1実施形態の端子42Bが設けられている位置までスペーサ30に沿って延在し、第1電極板71Bの他端側が、本実施形態の端子42Bとされている。
また、図示しないが、第1金属板71A〜71Cのスペーサ30側と反対側の表面は、端子42A、42Bとなる部分を除いて、絶縁体から成る膜で覆われている。
本実施形態による着座センサによれば、第1絶縁シート、第2絶縁シートが設けられていないため、更に簡易な構成にすることができる。また、第1金属板71A〜71Cの表面を覆う絶縁体から成る膜により、第1金属板71A〜71Cが着座センサ以外の他の導電性の部材と短絡することが防止できる。
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様にして、クッション部材51、52を設けても良い。そして、クッション部材51が絶縁性の部材から成り、第1金属板71A〜71Cを覆う場合は、第1金属板71A〜71Cの表面を覆う絶縁体から成る膜を省略することもできる。
また、第1金属板71A〜71Cが、着座センサ以外の他の導電性部材と短絡しない環境において、着座センサが使用される場合は、第1金属板71A〜71Cの表面を覆う絶縁体から成る膜を省略しても良い。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図18〜図20を参照して詳細に説明する。なお、特に説明する場合を除き、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して、重複する説明は省略する。図18は、本発明の第7実施形態に係る座席装置に用いられる着座センサを示す平面図である。
図18に示すように、本実施形態における着座センサは、感圧スイッチ40A〜40Dの第1電極14A〜14Dが櫛歯電極から構成されている点において、第1実施形態の着座センサ1と異なる。
図19は、図18に示す第1電極シートを示す平面図である。図19に示すように、第1電極14A〜14Dを構成する櫛歯電極は、互いに平行な複数本の導体が一方側において互いに接続されており、更に、互いに平行な他の複数本の導体が他方側において互いに接続されている。そして、一方側で接続された複数本の平行導体の間に、他方側で接続された他の複数本の平行導体が入り込むように配置されており、それぞれの導体が交互に並べられている。そして、一方側で接続された複数本の平行導体と、他方側で接続された他の複数本の平行導体とは、互いに一定の間隔をあけて、互いに絶縁されている。このように櫛歯電極においては、1つの電極内に互いに絶縁されている一組の平行導体を有する。
そして、第1電極14Aにおける一方側で接続された複数本の平行導体は、第1実施形態と同様の第1配線16Aに接続される。そして、第1電極14Aにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体は、第1配線16Dに接続される。この第1配線16Dは、第1絶縁シート11上において、一端が、上記の様に第1電極14Aにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体に接続され、アーム部位11Eの長手方向に延在すると共に、アーム部位11Eと一方の側部部位11Bとの連結点において垂直に折れ曲がり、更に側部部位11Bの長手方向に延在して、他端が第1電極14Bにおける一方側で接続された複数本の平行導体に接続されている。また、第1電極14Bにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体は、第1実施形態と同様の第1配線16Cの一端に接続され、第1配線16Cの他端は、第1電極14Cにおける一方側で接続された複数本の平行導体に接続されている。第1電極14Cにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体は、第1配線16Eの一端に接続されている。この第1配線16Eは、第1絶縁シート11上において、上記の様に一端が第1電極14Cにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体に接続されて、他方の側部部位11Cの長手方向に延在すると共に、側部部位11Cとアーム部位11Fとの連結点において垂直に折れ曲がり、更にアーム部位11Fの長手方向に延在して、他端が第1電極14Dにおける一方側で接続された複数本の平行導体に接続されている。そして、第1電極14Dにおける他方側で接続された他の複数本の平行導体は、第1実施形態と同様の第1配線16Bの一端に接続される。
図20は、図18に示す第2電極シートを示す平面図である。図20に示すように、本実施形態の第2電極シート20は、第2配線26A、26Bが設けられていない点において、第1実施形態の第2電極シート20と異なる。
そして、図18に示すように、図19に示す第1電極シート10と、図20に示す第2電極シート20とが、第1実施形態と同様のスペーサ30を介して重ねられて一体化されている。
本実施形態の着座センサにおいては、座席装置に人が着座することにより、クッションパッドとシートパンにより感圧スイッチ40A〜40Dが押圧されると、第2電極24A〜24Dが、第1電極14A〜14Dにおけるそれぞれの平行導体に接触する。このため、第1電極14A〜14Dにおける互いに絶縁されている一組の平行導体同士が、第2電極24A〜24Dを介して、電気的に接続される。こうして、感圧スイッチ40A〜40Dがオンとなる。このように感圧スイッチ40A〜40Dがオンとなることにより、着座センサにより人の着座が検出される。この場合においても、第1金属板71A〜71D及び第2金属板72A〜72Dにより、着座を検出する荷重が温度により変化することを抑制することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図21を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図21は、本実施形態における着座センサの感圧スイッチを示す平面図である。ただし、図21においては、理解の容易のためクッション部材51、52は省略している。
図21に示すように、感圧スイッチ40Aにおいて、第2金属板72Aは、第2絶縁シート21のスペーサ30側と反対側において、開口34Aを横断するように設けられている。また、図示しないが、感圧スイッチ40Aにおいて、第1金属板71Aも、第1絶縁シート11のスペーサ30側と反対側において、開口34Aを横断するように設けられている。同様にして、感圧スイッチ40B〜40Dにおいて、第2金属板72B〜72Dは、第2絶縁シート21のスペーサ30側と反対側において、開口34B〜34Dを横断するように設けられており、第1金属板71B〜71Dは、第1絶縁シート11のスペーサ30側と反対側において、開口34B〜34Dを横断するように設けられている。
このようにそれぞれの感圧スイッチ40A〜40Dにおいて、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、スペーサ30の両面において開口34A〜34Dを全て覆わなくとも、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、それぞれ開口34A〜34Dを横断するように設けられているため、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dは、撓みづらくなる。
従って、本実施形態の着座センサにおいても、第1実施形態の着座センサ1と同様に、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが温度により可撓性に変化が生じにくいため、着座を検出する荷重が温度により変化することを十分に抑制することができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図22を参照して詳細に説明する。なお、第7実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図22は、本実施形態における着座センサの感圧スイッチを示す平面図である。ただし、図22においては、理解の容易のためクッション部材51、52は省略している。
図21に示すように、感圧スイッチ40Aにおいて、第2金属板72Aは、第2絶縁シート21のスペーサ30側と反対側において、開口34A横断せずに、開口34Aの外側から内側にかけて設けられている。また、図示しないが、感圧スイッチ40Aにおいて、第1金属板71Aも、第1絶縁シート11のスペーサ30側と反対側において、開口34A横断せずに、開口34Aの外側から内側にかけて設けられている。同様に、感圧スイッチ40B〜40Dにおいて、第2金属板72B〜72Dは、それぞれ第2絶縁シート21のスペーサ30側と反対側において、開口34A横断せずに、開口34B〜34Dの外側から内側にかけて設けられており、第1金属板71B〜71Dも、それぞれ第1絶縁シート11のスペーサ30側と反対側において、開口34B〜34D横断せずに、開口34B〜34Dの外側から内側にかけて設けられている。
本実施形態の着座センサにおいても、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dは温度により可撓性に変化が生じにくいため、着座を検出する荷重が温度により変化することを抑制することができる。
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。そして、本発明の目的を達成できる範囲において、それぞれの実施形態のこうせいを組み合わせることができる。
例えば、第2〜第7実施形態において、第1金属板71A〜71D、及び、第2金属板72A〜72Dは、それぞれ、スペーサ30の開口34A〜34Dを覆うとしたが、必ずしもスペーサ30の開口34A〜34Dのそれぞれを全て覆う必要はなく、第2〜第7実施形態においても、第8実施形態と同様にして、感圧スイッチ40A〜40Dにおいて、金属板72A〜72Dが、開口34A〜34Dを横断するように設けられても良く、金属板71A〜71Dが、開口34A〜34Dを横断するように設けられても良い。同様に、第2実施形態〜第7実施形態において、第9実施形態と同様にして、感圧スイッチ40A〜40Dにおいて、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、開口34A〜34Dの外側から内側にかけて設けられても良い。
また、第1〜第4実施形態、第7〜第9実施形態においては、スペーサ30の両面側に第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが設けられたが、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dの一方のみが、スペーサ30の片面側に設けられていても良い。この場合、第4実施形態において、第1金属板71A〜71Dが設けられない場合においては、第1実施形態と同様に配線16A〜16Cを別途設ければ良く、第2金属板72A〜72Dが設けられない場合においては、第1実施形態と同様に配線26A、26Bを別途設ければ良い。さらに、第5実施形態において、第1金属板71A〜71Dを省略することもできる。
また、第2〜第4実施形態において、第1、第2電極14A〜14D、24A〜24Dの少なくとも一方を省略して、第1、第2金属板71A〜71D、72A〜72Dが、第1、第2電極14A〜14D、24A〜24Dを兼ねていても良く、第5実施形態において、第1電極14A〜14Dを省略して、第1金属板71A〜71Dが、第1電極14A〜14Dを兼ねていても良い。
さらに、上記実施形態において、着座センサ1の感圧スイッチの数を4つとしたが、本発明はこれに限らず、感圧スイッチの数を3つ以下でもよく、5つ以上でも良い。
また、各感圧スイッチ40A〜40Dにおける、第1電極14A〜14Dと第2電極24A〜24Dとは形状、大きさが一致しており、互いに完全に重なるものとしたが、本発明はこれに限らず、押圧力を検知できる範囲で、大きさや形状等が第1電極14A〜14Dと第2電極24A〜24Dとで異なっていても良い。
更に、上記実施形態において、クッション部材52を設けず、クッション部材51のみが設けられる構成であっても良い。この場合においても、着座センサ1は、従って、クッション部材51が、シートパン側の絶縁シート11がスペーサの開口に入り込むように、絶縁シート11を押圧し、クッションパッド93側の絶縁シート21は、クッションパッド93の弾性力により、スペーサ30の開口34A〜34Dに入り込むように撓む。こうして、一対の絶縁シートが撓むことにより、スペーサの開口を介して対向する一対の電極同士が接触することができるため、適切に感圧スイッチをオンすることができ、着座を適切に検出することができる。さらに、クッション部材51、52は、必ずしも必要ではない。この場合においても、クッションパッド93が、絶縁シート21を押圧することで、人の着座を検知することができる。
また、上記実施形態のように、一対のクッション部材51、52が設けられている場合、クッション部材51、52は、同じ弾性力を有し、同じ厚さとされたが、本発明は、これに限らず、クッション部材51、52が互いに異なる弾性力を有しても良く、互いに異なる厚さであっても良い。
また、上記実施形態のように、一対のクッション部材51、52が設けられている場合、クッション部材51、52は、着座センサ1に垂直な方向から見る場合に、互いに異なる形状であっても良い。この場合、クッション部材51は、第1絶縁シート11を介して少なくともスペーサ30の開口34A〜34Dを覆い、クッション部材52は、第2絶縁シート21を介して、少なくともスペーサ30の開口34A〜34Dを覆うように配置されていれば良く、クッション部材51、52の少なくとも一方が、スペーサ30の開口と重なる位置のみに設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、感圧スイッチ40A〜40Dが直列に接続された構成としたが、本発明は、これに限らず、例えば、配線を変更することにより、感圧スイッチ40A、40BでOR回路が形成され、感圧スイッチ40C、40DでOR回路が形成され、さらに、感圧スイッチ40A、40Bから成る感圧スイッチ群と、感圧スイッチ40C、40Dから成る感圧スイッチ群とによりAND回路が形成されて、全体として、AND−OR回路が形成されても良い。或いは、感圧スイッチ40A〜40Dの全てにより、OR回路が形成されていても良い。
また、上記実施形態において、感圧スイッチ40A、40Bと、感圧スイッチ40C、40Dとが、中心線Lを基準として、線対称となるように配置されているとしたが、感圧スイッチ40A、40Bの少なくとも1つと、感圧スイッチ40C、40Dの少なくとも1つとが中心線Lを基準として、線対称となる位置に配置されても良い。さらには、感圧スイッチが、中心線Lを基準として、一方側のみに配置されても良い。
また、上記実施形態においては、第1絶縁シート11と第2絶縁シート21とが、互いに同じ可撓性を有し、同じ力が加わると同じように撓むとしたが、第1絶縁シート11と第2絶縁シート21とは、互いに異なる可撓性を有していても良い。
また、上記実施形態においては、着座センサが、シートパン92とクッションパッド93の間に配置されるものとしたが、着座センサはクッションパッド93とクッションパッド93を覆う表皮との間に配置されても良い。