以下、本発明に係る荷重検知センサユニットの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる荷重検知センサユニットの構成を示す分解図であり、図2は、図1の荷重検知センサユニットを別の角度から見た図である。また、図3は、図1、図2の荷重検知センサユニットがシートパンに取り付けられた様子を示す断面図である。図1〜図3に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aは、ハウジング3A、ハウジングカバー4A及び荷重検知センサ5Aを主な構成として備える。
図1、図2に示すように、ハウジング3Aは、底壁87と、枠壁88と、複数のアーム81とを有する。底壁87概ね平面状とされ、底壁87の外周に枠壁88が接続されている。枠壁88には、樹脂成型時における変形を抑えるために肉抜き加工が施されている。枠壁88の外周の形状は概ねトラック形状とされている。枠壁88の内側面89は、互いに概ね90度なすように隣接する3つの平面を有し、底壁87は、ハウジング3Aのトラック形状の底面の全体を含み、底壁87の内側面89で囲まれる領域は概ね矩形とされる。この内側面89及び底壁87によって荷重検知センサ5Aを収容する収容空間CAが形成されている。また、底壁87には、複数の貫通孔30Hが形成されている。これらの内側面89は、互いに隣り合う貫通孔30Hの中心を結ぶ線のいずれかと概ね平行とされている。
複数のアーム81は枠壁88の外周に接続されている。また、本実施形態では、アーム81は、少なくともハウジング3Aの長手方向の両端部に形成されている。それぞれのアーム81には開口82が穿設される。また、本実施形態では、アーム81は4カ所とされ、荷重検知センサユニット1Aが延在する方向には設けられていない。
ハウジングカバー4Aは、底壁87及び枠壁88を覆う蓋部材であり、頂壁45及び枠壁48aを有する。頂壁45は枠壁88の外周の形状と概ね同じトラック形状とされる。図3は、ハウジング3A、ハウジングカバー4Aの長手方向に沿った断面であり、図3に示すように、ハウジングカバー4Aは、シートクッションSCに押圧されることで荷重検知センサ5Aのスイッチを押圧する押圧部材である。頂壁45の上面45Sは平面状とされる。また、上面45Sの一方向に沿った上面45Sの幅は上面45Sの一方向に垂直な方向に沿った上面45Sの幅の2倍以上の大きさとされる。つまり、上面45Sの長手方向に沿った上面45Sの幅は、上面45Sの短手方向に沿った上面45Sの幅の2倍以上とされる。また、ハウジングカバー4Aの枠壁48aは複数に分割されて、頂壁45の外周状に接続されている。複数に分割されている枠壁48aの各間において、フック片47が頂壁45に接続されている。フック片47は、少なくともハウジングカバー4Aの長手方向の両端部に形成されている。それぞれのフック片47は、ハウジング3Aのアーム81に形成される開口82に嵌め込まれる構成とされる。それぞれのフック片47が開口82に嵌め込まれることで、底壁87や頂壁45の面方向に沿ったハウジング3Aとハウジングカバー4Aとの相対的な移動が規制される。また、アーム81がフック片47に引っ掛かることで、ハウジングカバー4Aが浮き上がることが防止される。従って、アーム81とフック片47とで、押圧部材であるハウジングカバー4AがシートクッションSC側に浮き上がることを防止する押さえ部材が構成されていると理解することができる。
ハウジングカバー4Aの頂壁45には、ハウジング3Aの底壁87に対向される内側面から突出する押圧部46が設けられている。押圧部46は、先端が平面状とされる。なお、押圧部46の先端の形状が凸状の曲面形状とされても良い。また、ハウジングカバー4Aの頂壁45には、押圧部46が設けられる側と同じ側の内側面から突出する複数のリブ49が設けられている。これらのリブ49は、ハウジング3Aの底壁87に形成される複数の貫通孔30Hと重なる位置に形成されている。これらのリブ49は、ハウジングカバー4Aがハウジング3Aを覆いそれぞれの開口82にそれぞれのフック片47が嵌め込まれた状態で、各貫通孔30Hに挿入される。また、押圧部46は、この状態で、先端が荷重検知センサ5Aと接触する。従って、押圧部46の先端は、後述のようにハウジングカバー4AがシートクッションSCに押圧されていない状態において、当該先端が荷重検知センサ5Aのスイッチと接触している。また、図3より明らかなように、上記の上面45Sの面積は押圧部46における荷重検知センサ5Aと接触する部分の面積よりも大きくされている。
なお、ハウジングカバー4Aは、シートクッションSCよりも硬質な材料から形成されており、ハウジングカバー4Aの一部である押圧部46もシートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。一般的にシートクッションSCは発泡されたウレタン樹脂からなるため、このようなハウジングカバー4Aの材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
このようにハウジングカバー4Aの押圧部46が荷重検知センサ5Aに接触した状態で、図3に示すようにハウジングカバー4Aの頂壁45とハウジング3Aの枠壁88とは、離間しており、隙間GAが形成されている。
このように組み上げられた荷重検知センサユニット1Aは座席装置のシートパン200上に配置される。なお、荷重検知センサユニット1Aが配置されるのはシートパン200でなくても良い。例えば、シートパン200に類する座席装置の帯状の金属板上に配置されても良い。この様に荷重検知センサユニット1Aがシートパン200上に配置され、シートクッションSCの下方に配置された状態で、ハウジングカバー4Aの頂壁45における上面45Sは、シートクッションSCの下面と所定の距離を空けて対向する。上面45SはシートクッションSCにより押圧される面であり、荷重検知センサユニット1Aの受圧面と理解することができる。
次に本実施形態の荷重検知センサ5Aについて説明する。
図4は、図1、図2の荷重検知センサ5Aを示す分解図である。ただし、理解の容易のため、図1及び図2と、図4とで見る方向を変えている。図4に示すように、本実施形態の荷重検知センサ5Aは、スイッチSWを有するスイッチシート50Aと、金属板60Aとを備える。
図1、図2に示すように、本実施形態のスイッチシート50Aは、シート状のメンブレンスイッチとされる。スイッチシート50Aは、概ね矩形のメインブロック50mと、メインブロック50mに接続されメインブロック50mよりも幅の狭いテールブロック50tとを有する。また、テールブロック50tには幅の広い羽根部50fが形成されている。メインブロック50mにはスイッチSWが設けられている。また、メインブロック50mの各頂点付近には、貫通孔50Hが形成されている。
図4に示すように、本実施形態のスイッチシート50Aは、第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とを備える。
第1電極シート56は、第1絶縁シート56sと、スイッチの一方の電極を構成する第1電極56eと、第1端子56cとを主な構成として有する。
第1絶縁シート56sは、可撓性を有する絶縁性のシートとされ、スイッチシート50Aのメインブロック50mと同形状のメインブロック56mと、メインブロック56mに接続されスイッチシート50Aのテールブロック50tと概ね同形状のテールブロック56tとから成る。テールブロック56tの形状は、メインブロック56mと反対側の先端部位がテールブロック56tの他の部位よりも狭い幅となっている点において、スイッチシート50Aのテールブロック50tの形状と異なる。また、メインブロック56mには、スイッチシート50Aの貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔56Hが形成されている。このような第1絶縁シート56sの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂を挙げることができる。
第1電極56eは、メインブロック56mの概ね中央における一方の面上に設けられている。第1電極56eは、導体の層からなり、例えば略円形の金属印刷層とされる。第1端子56cは、導体の層からなり、例えば略四角形の金属層とされる。第1端子56cは、テールブロック56tの上記先端部位における第1電極56eが設けられている側の面上に設けられている。また、第1電極56eと第1端子56cとは第1配線56wを介して互いに電気的に接続されている。
第2電極シート57は、第2絶縁シート57sと、スイッチの他方の電極を構成する第2電極57eと、第2端子57cとを主な構成として有する。
第2絶縁シート57sは、第1絶縁シート56sと同様の絶縁性のシートとされる。本実施形態の場合、第2絶縁シート57sは、第1絶縁シート56sのメインブロック56mと同じ形状のメインブロック57mと、メインブロック57mに接続され第1絶縁シート56sのテールブロック56tと先端部位以外の形状が同じ形状のテールブロック57tとから成る。テールブロック57tの先端部位はテールブロック57tの他の部位よりも狭い幅とされており、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねたときに、第1絶縁シート56sのテールブロック56tにおける先端部位と第2絶縁シート57sのテールブロック57tにおける先端部位とが互いに重ならないようにされている。また、メインブロック57mには、第1絶縁シート56sと同様にして、スイッチシート50Aの貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔57Hが形成されている。第2絶縁シート57sの材料としては、第1絶縁シート56sと同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂を挙げることができ、第2絶縁シート57sの材料は、第1絶縁シート56sの材料と同じであっても異なっていても良い。
第2電極57eは、第1電極56eと同様の構成とされ、第2絶縁シート57sのメインブロック57mの概ね中央における一方の面上に設けられている。また、第2電極57eが設けられる位置は、第1電極シート56と第2電極シート57とを重ねたときに第1電極56eと重なる位置とされる。第2端子57cは、第1端子56cと同様の構成とされ、テールブロック57tの上記先端部位における第2電極57eが設けられている側の面上に設けられている。また、上記のように、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねるとき、それぞれの絶縁シートの先端部位が互いに重ならないため、第1端子56c及び第2端子57cは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとの間に位置せずに露出する。また、第2電極57eと第2端子57cとは第2配線57wを介して互いに電気的に接続されている。
スペーサ58は、可撓性を有する絶縁性のシートとされ、メインブロック58mと、メインブロック58mに接続されるテールブロック58tとから成る。メインブロック58mは、外形が第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのメインブロック56m,57mの外形と同様とされる。また、メインブロック58mには、中央に開口58cが形成されており、また、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sと同様にして、スイッチシート50Aの貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔58Hが形成されている。テールブロック58tは、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのテールブロック56t,57tにおける幅が狭い先端部位を除く形状とされる。
開口58cは、略円形の形状であり、第1電極56e及び第2電極57eの直径よりも直径が僅かに小さく形成されている。そして、開口58cは、スペーサ58を第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせて、スペーサ58を平面視する場合に、開口58cが第1電極56e及び第2電極57eの外周の内側に位置するように形成されている。さらにスペーサ58には、開口58c内の空間とスイッチシート50Aの外部の空間とを接続するスリット58bが形成されている。このスリット58bは、第1電極シート56、スペーサ58、第2電極シート57をそれぞれ重ねたときに、エアベントとされる。
スペーサ58の材料としては、第1絶縁シート56s及び第2絶縁シート57sと同様に、PET、PI又はPEN等の樹脂を挙げることができる。なお、スペーサ58の材料は、第1絶縁シート56s又は第2絶縁シート57sの材料と同じであっても異なっていても良い。また、スペーサ58の両面には、第1電極シート56及び第2電極シート57と接着されるための図示しない接着剤が塗布されている。
これらの第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とがこの順に貼着された状態で、第1電極シート56の第1電極56e、第1配線56w、及び、第2電極シート57の第2電極57e、第2配線57wは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとの間に位置する。そして、第1電極56eと第2電極57eとが開口58cを介して対向してスイッチSWを構成する。また、第1電極シート56とスペーサ58と第2電極シート57とが重ねられた状態で、それぞれの貫通孔56H,57H,58Hが互いに重なり、スイッチシート50Aの貫通孔50Hとなる。
また、スイッチシート50Aの第1端子56c及び第2端子57cには、不図示の制御装置に接続される信号ケーブル19がそれぞれ接続されている。第1端子56c及び第2端子57cとそれぞれの信号ケーブル19とは導電性ペーストやはんだ付け等により接続される。信号ケーブル19が接続された第1端子56c及び第2端子57cを含むスイッチシート50Aのテールブロック50tの端部は、図1、図2にしめすように、端子封止樹脂18により覆われている。この端子封止樹脂18は、例えば、ホットメルトや光硬化樹脂等から成る。こうして、それぞれの信号ケーブル19がそれぞれの第1端子56c及び第2端子57cから外れることが抑制されると共に、第1端子56c及び第2端子57cが導電性の塵埃等により短絡することが抑制されている。
また、金属板60Aは、可撓性を有する金属の板材から成る。金属板60Aの材料としては、金属である限り特に限定されるものではないが、例えば、銅やステンレスなどが挙げられる。金属板60Aは、スイッチシート50Aのメインブロック50mと概ね同じ形状とされ、スイッチシート50Aの貫通孔50Hと同様の位置に貫通孔60Hが形成されている。従って、スイッチシート50Aと金属板60Aとを重ねたときに、スイッチシート50Aの貫通孔50Hと金属板60Aの貫通孔60Hとが互いに重なる。また、スイッチシート50Aと金属板60Aとを重ねたときに、金属板60Aは、スイッチシート50AのスイッチSWを覆う。具体的には、図4から明らかなように、金属板60Aは、第1絶縁シート56sのスペーサ58とは反対側に設けられ、第1電極56e、第2電極57eのうちシートクッションSC側に位置する第1電極56eをシートクッションSC側から覆っている。なお、本実施形態では、金属板60Aと第1絶縁シート56s(スイッチシート50A)とは互いに不図示の接着材により接着されているが、非接着であってもよい。
以上の構成の荷重検知センサ5Aは、図1から図3に示すように、ハウジング3Aの底壁87上に配置される。具体的には、スイッチSWを有するスイッチシート50Aのメインブロック50mがハウジング3Aの底壁87上に位置する。そして、上記のようにハウジング3Aの枠壁88およびアーム81が荷重検知センサ5Aのテールブロック50tが延在する方向には設けられていないため、スイッチシート50Aのテールブロック50t、端子封止樹脂18、一対の信号ケーブル19は、ハウジング3Aから導出される。
さらに、上記のように、ハウジングカバー4Aが荷重検知センサ5Aが配置されたハウジング3Aを覆い、それぞれの開口82にそれぞれのフック片47が嵌め込まれた状態で、ハウジングカバー4Aは、スイッチシート50Aのメインブロック50mを覆う。従って、ハウジングカバー4Aの受圧面である上面45Sは、スイッチSWの両方の電極を覆う。更にこの状態において、本実施形態では、上記のように押圧部46の先端が荷重検知センサ5Aの金属板60AにおけるスイッチSWと重なる位置に接触する。この押圧部46における金属板60Aと接触する面積は、金属板60Aに押圧される第1電極56eの面積よりも小さい。また、この状態において、それぞれのリブ49は、金属板60Aの各貫通孔60H及びスイッチシート50Aの各貫通孔50Hに挿入されて、ハウジング3Aの各貫通孔30Hに挿入される。したがって、上記のように金属板60Aと第1絶縁シート56sとが互いに非接着とされても、スイッチシート50Aと金属板60Aの面方向に沿った相対的な位置ずれが抑制される。従って、リブ49は、スイッチシート50Aと金属板60Aとの面方向おける相対的な移動を規制する、すなわち第1絶縁シート56s及び第2絶縁シート57sと金属板60Aとの面方向おける相対的な移動を規制する移動規制部材と理解することができる。また、リブ49は、金属板60Aの面方向におけるハウジングカバー4Aと金属板60Aとの相対的な移動を規制する移動規制部材と理解することもできる。
次に、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aによる荷重の検出について説明する。
図5は、荷重検知センサ5Aのオン状態を示す図である。なお、図5では、理解の容易のため、一部の部位のスケールを誇張して記載している。座席装置に人が着座すると、人の荷重によりシートクッションSCの下面が下方に移動し、シートクッションSCの下面は、ハウジングカバー4Aの上面45Sに接触して、上面45Sを押圧する。そして、さらにシートクッションSCの下面が下方に移動すると、押圧部46の先端が金属板60Aを押圧し、図5に示すように、金属板60Aの撓みにより、第1絶縁シート56sも撓み、その結果、第1電極56eは第2電極57eに接触して、荷重検知センサ5AのスイッチSWはオン状態となる。そして、信号ケーブル19に接続される図示せぬ車両用制御ユニットにより着座が検出される。ところで、上面45Sの面積が金属板60Aで押圧される第1電極56eの面積よりも大きいため、シートクッションSCが第1電極56eの直上以外からも上面45Sに力を伝えることができる。
以上説明したように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aは、所定の間隔を介して互いに対向する一対の電極である第1電極56e、第2電極57e及びこのうち一方の電極である第1電極56eの少なくとも一部をシートクッションSC側から覆う金属板60Aを有する荷重検知センサ5Aと、シートクッションSCからの押圧力を受けると共に第1電極56eの面積より大きな面積を有する受圧面である上面45S及びシートクッションSCよりも硬質な押圧部46を有し第1電極56eを金属板60Aを介して覆う押圧部材であるハウジングカバー4Aと、を備える。そして、上面45Sの長手方向に沿った上面45Sの幅は上面45Sの短手方向に沿った上面45Sの幅の2倍以上の大きさとされ、押圧部46は、上面45Sが受けるシートクッションSCからの押圧力により金属板60Aを介して第1電極56eを押圧する。
このような荷重検知センサユニット1Aでは、シートクッションSC側に位置する一方の電極である第1電極56eが押圧部46で押圧される金属板60Aの撓みで押されて、他方の電極である第2電極57eと接触してスイッチSWがオンとされる。ところで金属は、温度が変化する場合においても可撓性が然程変化しない。従って、荷重検知センサユニット1Aの周りの環境温度が変化する場合であっても、押圧部46で押圧される金属板60Aの撓み方は然程変化しない。従って、この荷重検知センサユニット1Aによれば、環境温度による荷重の検出の変化を抑制することができる。
また、この荷重検知センサユニット1Aでは、シートクッションSCに押圧される受圧面である上面45Sの面積が押圧部46に金属板60Aを介して押圧される第1電極56eの面積よりも大きいことで、広い面で受けた押圧力を押圧部46から金属板60Aを介して第1電極56eに集中させることができる。更にシートクッションSCよりも硬質な押圧部46が金属板60Aを押圧するため、シートクッションSCが直接金属板60Aを押圧する場合よりも金属板60Aを適切に撓ませることができ、荷重を適切に検出することができる。また、金属は樹脂と比べるとクリープが生じにくいため、押圧部46で一部が押圧されても金属板60Aには押し癖がつきづらい。従って、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aによれば、荷重を適切に検出することができつつ、押し癖等による荷重の誤検出を抑制することができる。
ところで、シートクッションSCは一般的に発泡ウレタン等から成り、その表面には気泡による凹部が出来ている。この気泡による凹部は平面視する場合に円形に近い形状とされる。本実施形態の荷重検知センサユニット1Aでは、押圧部材であるハウジングカバー4Aの上面45Sの長手方向に沿った上面45Sの幅が上面45Sの短手方向に沿った上面45Sの幅の2倍以上の大きさとされ、上面45Sが長細い形状をしている。このため、シートクッションSCの比較的大きな凹部が上面45S上に位置する場合であっても、上面45S全体が凹部に囲まれにくい傾向にある。このため、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aは、シートクッションSCの表面の凹凸による影響を受けづらく、荷重の誤検出を抑制することができる。
また、本実施形態では、ハウジングカバー4AがシートクッションSC側に浮き上がることを防止するアーム81及びフック片47から成る押さえ部材を有する。ところで、上面45SがシートクッションSCの上記凹部と重なり、上面45Sの一部がシートクッションSCから押圧されて凹部と重なる他の一部が押圧されない場合がある。この場合、上面45Sの凹部と重なる部位がシートクッションSC側に浮き、金属板60Aに接する押圧部46を支点としてハウジングカバー4Aが傾こうとする場合がある。しかし、上記押さえ部材により、ハウジングカバー4Aの浮きを防止してこの傾きを抑制することができる。特に本実施形態では、ハウジングカバー4Aの少なくとも長手方向に沿った両端部において押さえ部材で、ハウジングカバー4Aの浮き上がりを防止している。この様に浮き上がり易いハウジングカバー4Aの長手方向に沿った両端部の浮き上がりを防止することで、ハウジングカバー4Aの傾きをより抑制することができる。従って、本実施形態の荷重検知センサユニット1Aによれば、シートクッションSCからの押圧力が上面45Sに偏在してかかる場合であっても、適切に荷重を検出することができる。
また、本実施形態では、上記のように押圧部46は、上面45SがシートクッションSCに押圧されていない状態において金属板60Aに接触している。従って、シートクッションSCがハウジングカバー4Aを押圧することで、押圧力を直接金属板60Aに伝えることができる。従って、より適切に荷重を検出することができる。
また、本実施形態では、荷重検知センサ5Aは、開口58cが形成されたシート状のスペーサ58と、スペーサ58の両面に設けられる一対の絶縁シートである第1絶縁シート56s及び第2絶縁シート57sとを有し、一対の電極である第1電極56e、第2電極57eは、第1絶縁シート56s及び第2絶縁シート57sのスペーサ58側の面に設けられ、開口58cを介して互いに対向し、金属板60Aは一方の絶縁シートである第1絶縁シート56sのスペーサ58とは反対側に設けられている。このような荷重検知センサユニット1Aによれば、それぞれの電極が絶縁シート上に設けられるため、電極と他の導電性の部材との不要な短絡を抑制することができる。さらに、温度変化により絶縁シートの可撓性が変化する場合であっても、上記のように金属板60Aの撓み方が然程変化しないため、荷重の温度による誤検出を抑制することができる。
なお、本実施形態では、リブ49により、スイッチシート50Aと金属板60Aとの面方向おける相対的な移動や、金属板60Aとハウジングカバー4Aとの相対的な移動が規制された。しかし、リブ49は必須では無い。この場合、例えば、ハウジング3Aの枠壁88の内側面89によりスイッチシート50A及び金属板60Aの面方向における移動が規制され、それにより、金属板60Aとスイッチシート50Aとの面方向における相対的な移動を規制するものとしても良い。ただし、この場合、図1、図2に示す本実施形態の枠壁88に加えて、スイッチシート50Aのメインブロック50mからテールブロック50tに向かう方向での、スイッチシート50A及び金属板60Aの移動を規制する枠壁を形成した方が良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6から図12を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図6は、本実施形態の荷重検知センサユニットの構成を示す分解図であり、図7は、荷重検知センサユニットが座席装置のSばねに取り付けられた様子を示す断面図である。なお、図7は、座席装置の左右方向に沿った面における荷重検知センサユニットの断面図である。図6、図7に示すように、荷重検知センサユニット1Bは、台座2Bと、ハウジング3B、ハウジングカバー4B及び荷重検知センサ5Bを主な構成として備える。
台座2Bは、ハウジング3Bが載置される載置部21と、当該載置部21に連結される一対のフック部22とを有する。載置部21の上側の面はハウジング3Bが載置される載置面21Sとされる。また、載置部21には、載置面21Sから載置部21の下側の面(載置面21Sと反対側の面)まで貫通する複数の貫通孔23が形成されている。台座2Bは、例えば、金属板を成形して成るものであり、この場合、板厚は例えば0.8mmとされる。
一対のフック部22は、載置部21を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ設けられており、車両の座席装置におけるフレームの開口に並べて張り渡される複数のSばね100のうち隣接する一対のSばね100にそれぞれ嵌め込まれる。従って、それぞれのフック部22は、台座2BをSばね100に係止する係止部である。本実施形態では、一対のフック部22は座席装置の横方向に並び、当該横方向に隣接する一対のSばね100に嵌め込まれるように形成される。また、一対のフック部22がこのように隣接する一対のSばね100に嵌め込まれた状態で、載置部21は複数のSばね100上に載置されるシートクッションSCの下方に位置し、さらに、複数のSばねを上方から見る場合に載置部21は当該一対のSばね100の間に配置される。上記のように一対のフック部22が一対のSばね100に嵌め込まれた状態で、本実施形態では、載置面21Sは、それぞれのSばね100の下端部よりも下側に位置する。
図6に示すように、ハウジング3Bは、図示せぬ車両用制御ユニットに接続されるコネクタ部31と、当該コネクタ部31に連結されるスイッチ収容部32とを有する。スイッチ収容部32は底壁37及び枠壁38を有し、当該底壁37及び枠壁38によって荷重検知センサ5Bを収容する収容空間CAが形成されている。なお、本実施形態では、第1実施形態の枠壁88と同様にして、枠壁38には樹脂成型時における変形を抑えるために肉抜き加工が施されている。枠壁38の外周の形状は第1実施形態の枠壁88と同様に概ねトラック形状とされている。
スイッチ収容部32の底壁37には、一対の固定用ピン33及び一対の接続ピン34が設けられている。一対の固定用ピン33は、それぞれハウジング3B内に収容される荷重検知センサ5Bを固定するためのピンである。また、一対の接続ピン34は、それぞれコネクタ部31のコネクタ端子に電気的に接続されると共に、荷重検知センサ5Bと電気的に接続され、コネクタ端子と荷重検知センサ5Bとを電気的に接続するためのピンである。なお、図6では、コネクタ部31のコネクタ端子は省略されている。
スイッチ収容部32の枠壁38の外側面には一対の突出片35が設けられている。本実施形態では、これら一対の突出片35はハウジング3Bの長手方向の両端部に形成されている。また、枠壁38の下端には台座2Bのそれぞれの貫通孔23に嵌め込まれる複数のフック片36が設けられている。それぞれのフック片36が台座2Bのそれぞれの貫通孔23に嵌め込まれることでハウジング3Bが台座2Bに固定され、上記のようにハウジング3Bが台座2Bの載置面21Sに載置される。
ハウジングカバー4Bは、スイッチ収容部32の収容空間CAを覆う蓋部材であり、シートクッションSCに押圧されることで荷重検知センサ5Bのスイッチを押圧する押圧部材である。ハウジングカバー4Bは、頂壁44及び枠壁48bを有する。頂壁44は枠壁38の外周の形状と概ね同じトラック形状とされる。この頂壁44の上面44Sは平面状とされる。また、上面44Sの一方向に沿った上面44Sの幅は上面44Sの一方向に垂直な方向に沿った上面44Sの幅の2倍以上の大きさとされる。つまり、上面44Sの長手方向に沿った上面44Sの幅は、上面44Sの短手方向に沿った上面44Sの幅の2倍以上とされる。ハウジングカバー4Bの枠壁48bの下端には一対のアーム41が設けられている。本実施形態では、アーム41は、少なくともハウジングカバー4Bの長手方向の両端部に形成されている。それぞれのアーム41にはハウジング3Bにおけるスイッチ収容部32の枠壁38に設けられる突出片35が嵌め込まれる開口42が穿設される。一対のアーム41のそれぞれの開口42に対してハウジング3Bの一対の突出片35がそれぞれ嵌め込まれることでハウジングカバー4Bはハウジング3Bに係止される。従って、ハウジングカバー4Bがハウジング3Bに係止された状態で、一対のアーム41が座席の横方向からハウジング3Bを挟む状態とされる。また、アーム41が突出片35に引っ掛かることで、ハウジングカバー4Bが浮き上がることが防止される。従って、本実施形態では、突出片35が、アーム41を介してハウジングカバー4BがシートクッションSC側に浮き上がることを防止するため、突出片35とアーム41とで押さえ部材が構成されている理解することができる。
ハウジングカバー4Bの頂壁44には、ハウジング3Bにおけるスイッチ収容部32の底壁37に対向される内側面から突出する押圧部43が設けられている。押圧部43は、先端が凸状の曲面形状をしており、ハウジングカバー4Bがハウジング3Bを覆いそれぞれの開口42にそれぞれの突出片35が嵌め込まれた状態で、当該先端が荷重検知センサ5Bのスイッチと接触している。つまり、押圧部43の先端は、後述のようにハウジングカバー4BがシートクッションSCに押圧されていない状態において、当該先端が荷重検知センサ5Bのスイッチと接触している。なお、本実施形態において、押圧部43の先端の形状は、第1実施形態の押圧部46の先端の形状と同様にして平面状とされても良い。
ハウジングカバー4Bは、第1実施形態と同様にシートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。従って、ハウジングカバー4Bの一部である押圧部43もシートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。従って、本実施形態のハウジングカバー4Bは、例えば、第1実施形態のハウジングカバー4Bと同様の材料から成る。
このようにハウジングカバー4Bの押圧部43が荷重検知センサ5Bに接触した状態で、図7に示すようにハウジングカバー4Bの頂壁44とハウジング3Bの枠壁38とは、離間しており、隙間GAが形成されている。
このように組み上げられた荷重検知センサユニット1Bが一対のSばね100に取り付けられた状態で、ハウジングカバー4Bの頂壁44における上面44Sは、シートクッションSCの下面と所定の距離を空けて対向する。上面44SはシートクッションSCにより押圧される面であり、荷重検知センサユニット1Bの受圧面と理解することができる。この上面44Sの面積は押圧部43における荷重検知センサ5Bのスイッチと接触する部分の面積よりも大きくされている。
次にハウジング3Bのスイッチ収容部32に収容される荷重検知センサ5Bについて説明する。
図8は荷重検知センサ5Bの構成を示す分解図である。また、図9は図8に示す荷重検知センサ5BのX−X線における断面図であり、図10は図8に示す荷重検知センサ5BのY−Y線における断面図である。
図8〜図10に示すように、荷重検知センサ5Bは、第1電極シート50Bと、第2電極シート60Bと、スペーサ70Bとを主な構成として備える。なお、本実施形態においては、第2電極シート60Bが荷重検知センサ5Bのスイッチの一方の電極を有し、第1電極シート50Bが当該スイッチの他方の電極を有する。
第1電極シート50Bは、例えば可撓性を殆ど有さない絶縁性の基板51を有する。基板51の材料としては、フェノール樹脂あるいはエポキシ樹脂などが挙げられる。この基板51において第2電極シート60Bに対向される一方の面F1には、第1電極52及び第1接点部53が配置されている。
第1電極52は、上記の通りスイッチSWを構成する他方の電極であり、例えば円形の金属層とされる。また、第1接点部53は、第2電極シート60Bと接触する概ね矩形の接触領域AR1と当該第2電極シート60Bとは非接触とされる非接触領域AR2とが互いに接続されて成る。
基板51において一方の面F1とは逆側の他方の面F2は荷重検知センサ5Bの下面とされ、当該他方の面F2には抵抗54が配置される。抵抗54は、断線を検知するための抵抗であり、本実施形態では、抵抗54はチップ抵抗から構成される。
基板51には、当該基板51の一方の面F1から他方の面F2にまで貫通する複数の貫通孔が形成され、それぞれ第1シート貫通孔55a、第2シート貫通孔55b、固定用貫通孔55c,55d及びピン用貫通孔55e,55fとされる。
図8、図9に示すように第1シート貫通孔55aは、基板51の一方の面F1のうち第1電極52が配置される領域内に開口が位置されるシート貫通孔である。第1シート貫通孔55a内には、第1導電性部材CPAが設けられており、当該第1導電性部材CPAを介して、基板51の他方の面F2に配置される回路部位と第1電極52とが電気的に接続される。これにより第1導電性部材CPAと抵抗54とが電気的に接続されて、その結果、第1電極52と抵抗54とが電気的に接続される。また、第1導電性部材CPAは第1シート貫通孔55aの内周面上に設けられており、第1シート貫通孔55a内には、当該第1導電性部材CPAに囲まれる空気孔SPが形成される。
図8、図10に示すように、第2シート貫通孔55bは、基板51の一方の面F1のうち第1接点部53が配置される領域内に開口が位置されるシート貫通孔である。本実施形態では、第1接点部53の非接触領域AR2内に第2シート貫通孔55bの開口が位置される。
第2シート貫通孔55b内には第2導電性部材CPBが充填されている。この第2導電性部材CPBを介して、基板51の他方の面F2に配置される回路部位と第1接点部53の非接触領域AR2とが電気的に接続され、基板51の他方の面F2において、第2導電性部材CPBは抵抗54と接続される。従って、抵抗54と第1接点部53とが電気的に接続される。上記のように第1電極52と抵抗54とが電気的に接続されるため、第1電極52と抵抗54と第1接点部53がこの順に電気的に直列に接続される。
図8に示す固定用貫通孔55c,55dはハウジング3Bにおけるスイッチ収容部の底壁37に設けられる一対の固定用ピン33が挿通される貫通孔である。この固定用貫通孔55c,55dの直径は一対の固定用ピン33の外径と同程度とされる。
ピン用貫通孔55e,55fは、図9、図10に示すように、ハウジング3Bに設けられる一対の接続ピン34が挿通される貫通孔である。ピン用貫通孔55eの内部には荷重検知センサ5Bにおける電気回路の一方の末端部位である端子55tが設けられ、ピン用貫通孔55fの内部には荷重検知センサ5Bにおける電気回路の他方の末端部位である端子55sが設けられている。端子55tは、第1電極52と抵抗54との接点に電気的に接続され、端子55sは、抵抗54と第1接点部53との接点に電気的に接続される。また、端子55t,55sは、対応するピン用貫通孔55e,55fの内周面に沿って設けられており、当該端子55t,55sに囲まれる空間の幅は接続ピン34の外径と同程度とされる。これらピン用貫通孔55e,55f一対の接続ピン34が挿通されると、端子55tと一方の接続ピン34が電気的に接続され、端子55sと他方の接続ピン34が電気的に接続される。
第2電極シート60Bは、金属板61から成り、第2電極62と、第2接点部63を主な構成として有する。
金属板61は、可撓性を有する薄厚の金属から成り、本実施形態では基板51の縦幅よりも短い縦幅を有し、当該基板51の横幅と同等の横幅を有する薄厚の直方体状とされる。金属板61は、例えば、第1実施形態の金属板60Aと同様の材料から成る。
金属板61には、当該金属板61の一方の面から他方の面にまで貫通する固定用貫通孔65c,65dが形成される。固定用貫通孔65c,65dはハウジング3Bにおけるスイッチ収容部の底壁に設けられる一対の固定用ピン33が挿通される貫通孔であり、第1電極シート50Bの基板51に形成される固定用貫通孔55c,55dと同形同大とされる。また、固定用貫通孔65c,65dに対する第2電極62及び第2接点部63の配置部位と、第1電極シート50Bにおける固定用貫通孔55c,55dに対する第1電極52及び第1接点部53の配置部位とは相対的に同じ位置関係とされ、第1電極シート50Bと第2電極シート60Bとを重ねる場合に固定用貫通孔55cと固定用貫通孔65cとが互いにかなさり、固定用貫通孔55dと固定用貫通孔65dとが互いに重なる。
第2電極62は、上記の通りスイッチSWを構成する一方の電極であり、本実施形態では金属板61においてスペーサ70Bを介して第1電極52と対向する部位とされる。すなわち、金属板61の一部が第2電極62を兼ねている。従って、図6、図7に示すように、第1電極52、第2電極62のうちシートクッションSC側に位置する第2電極62は、シートクッション側から金属板61で覆われ、上記のように金属板61と一体とされていると理解できる。なお、例えば、金属板61と同じ材料又は異なる材料の金属層が、第2電極62として、金属板61においてスペーサ70Bを介して第1電極52と対向する部位に配置されても良い。
第2接点部63は、図10に示す接続維持部APを構成する一方の部材であり、本実施形態では板ばねとして形成される。すなわち、金属板61には、当該金属板61の一端から他端側に向かって延伸する一対の切り欠き61a,61b(図6)が所定間隔をあけて設けられ、これら切り欠き61a,61bに挟まれる部位が第2接点部63とされる。また、この第2接点部63が金属板61の板面に対して傾斜するように、当該第2接点部63の根元が第1電極シート50B側に折り曲げられることによって、第2接点部63が板ばねとして形成される。このように金属板61では第2電極62とされる部位とは異なる部位が第2接点部63とされる。第2接点部63が形成される位置は、第1電極シート50Bと第2電極シート60Bとが重ねられる場合に、第1接点部53の接触領域AR1と重なる位置とされる。なお、第2接点部63として形成される板ばねの形状は、例えば、根元の幅が開放端の幅よりも大きい台形状とされても良く、矩形や台形以外の種々の形状が適用可能である。また、第2接点部63として、金属板61と同じ材料又は異なる材料の金属層が、金属板61における第1電極シート50B側に配置されても良い。
スペーサ70Bは、第1電極シート50Bと第2電極シート60Bとの間に挟まれる薄厚の絶縁性部材であり、本実施形態では金属板61から第2接点部63を除いたものと概ね同形同大とされる。スペーサ70Bの材料としてはPET、PI又はPEN等の樹脂が挙げられる。
このスペーサ70Bには開口71が形成されている。この開口71は、基板51に配置される第1電極52と、当該第1電極52に対向される金属板61の第2電極62との間であって、鉛直方向において第1電極52及び第2電極62と重なる位置に形成されている。開口71の大きさは、第1電極52の大きさよりも僅かに小さい状態とされる。
またスペーサ70Bにはスリット状の開口72が形成される。この開口72は、基板51に配置される第1接点部53と、当該第1接点部53に対向される金属板61の第2接点部63との間であって、鉛直方向において第1接点部53及び第2接点部63と重なる位置に形成されている。開口72の大きさは、金属板61の第2接点部63として形成される板ばねの大きさよりも僅かに大きい状態とされる。
さらにスペーサ70Bには、当該スペーサ70Bの一方の面から他方の面にまで貫通する固定用貫通孔75c,75dが形成される。固定用貫通孔75c,75dはハウジング3Bにおけるスイッチ収容部の底壁に設けられる固定用ピン33が挿通される貫通孔であり、第1電極シート50Bの基板51に形成される固定用貫通孔55c,55dと同形同大とされる。また、スペーサ70Bにおける固定用貫通孔75c,75dに対する開口71及び開口72の配置部位と、第1電極シート50Bにおける固定用貫通孔55c,55dに対する第1電極52及び第1接点部53の配置部位とは相対的に同じ位置関係とされる。従って、第1電極シート50B、スペーサ70B、第2電極シート60Bを重ねる場合に、固定用貫通孔55cと固定用貫通孔65cと固定用貫通孔75cとが互いに重なり、固定用貫通孔55dと固定用貫通孔65dと固定用貫通孔75cとが互いに重なる。
このような第1電極シート50B、第2電極シート60B及びスペーサ70Bが重ね合わされて荷重検知センサ5Bが構成される。荷重検知センサ5Bにおいては、図9に示すように、開口71を介して第1電極52と第2電極62とが対向し、スイッチSWを形成する。第1電極52と第2電極62とが離間した状態において、第1電極52と第2電極62との距離は、例えば、0.1mmとされる。そして、電極貫通孔52a内に形成される空気孔SPが、開口71に連通される。従って、第2電極62が撓んで第1電極52に接触する場合に、不要な空気を空気孔SPから荷重検知センサ5Bの外部に排出することができる。このように第1シート貫通孔55aは、基板51の一方の面F1に配置される第1電極52と他方の面F2側に配置される回路部位とを電気的に接続させる為の孔のみならず、開口71内の空気を荷重検知センサ5Bの外部に排出する排気孔も兼ねている。
また、上記のように、荷重検知センサ5Bにおいては、第2電極シート60Bの第2接点部63が板ばねとして形成され、金属板61の板面に対して塑性変形をされ常時傾斜した状態にある。このため図10に示すように、第2接点部63が、スペーサ70Bの切り欠きで形成される開口72内を抜けて、第1電極シート50Bの第1接点部53の接触領域AR1と接続される。このように第1接点部53と第2接点部63とが接触することで接続維持部APが形成される。つまり、第1電極シート50Bの第1接点部53は、ハウジングカバー4Bに外圧が加わらない場合にも電気的な接続が維持される接続維持部APを構成する一方の部材であり、第2電極シート60Bの第2接点部63は当該接続維持部APを構成する他方の部材とされる。
このような荷重検知センサ5Bは、図6に示すように、ハウジング3Bにおける一対の固定用ピン33が第1電極シート50Bの固定用貫通孔55c,55d、スペーサ70Bの固定用貫通孔75c,75d及び第2電極シート60Bの固定用貫通孔65c,65dに順に挿通されることで、ハウジング3Bに固定される。
荷重検知センサ5Bがハウジング3Bに固定された状態で、一対の接続ピン34が第1電極シート50Bのピン用貫通孔55e,55fにそれぞれ挿入される。これによりピン用貫通孔55e,55fの内部に設けられる端子55t,55sは対応する接続ピン34と接触し、当該接続ピン34を介してハウジング3Bのコネクタ部31のコネクタ端子と電気的に接続される。
また、ハウジングカバー4Bが取り付けられることで、スイッチSWにおける第2電極62の第1電極52側と反対側に上記のように押圧部43の先端が接触する。この押圧部43における第2電極62と接触する面積は、第2電極62の面積よりも小さく、また、受圧面である上面44Sの面積は、第2電極62の面積よりも大きい。このように荷重検知センサ5Bがハウジング3Bに固定され、ハウジングカバー4Bが取り付けられた状態で、金属板61の面方向におけるハウジングカバー4Bと荷重検知センサ5Bとの相対的な移動が規制される。この相対的な移動の規制は、一対の固定用ピン33がハウジング3Bに対する荷重検知センサ5Bの移動を規制し、一対のアーム41がハウジングカバー4Bのハウジング3Bに対する水平方向の動きを規制することによる。従って、本実施形態では、一対の固定用ピン33及び一対のアーム41が、金属板61の面方向におけるハウジングカバー4Bと金属板61との相対的な移動を規制する移動規制部材を構成している。
図11は、ハウジング3Bに固定された荷重検知センサ5Bの等価回路を示す図である。図11に示すように、荷重検知センサ5Bの回路末端である一対の端子55t,55sの間には、スイッチSW(第1電極52及び第2電極62)と、接続維持部AP(第1接点部53及び第2接点部63)とが接続される。このスイッチSWは一対の端子55t,55s間に電気的に接続され、当該一対の端子55t,55sを介してハウジング3Bのコネクタ部31に設けられるコネクタ端子に接続される。また、上記のように抵抗54は第1電極52と第1接点部53とに電気的に接続されるため、スイッチSWに対して抵抗54は電気的に並列に接続される。従って、スイッチSWがオン状態となるとスイッチSWがオフ状態の場合よりも、端子55t,55s間の抵抗値が下がる。
次に、本実施形態の荷重検知センサユニット1Bによる荷重の検出について説明する。
座席装置に人が着座すると、人の荷重によりシートクッションSCの下面が下方に移動し、シートクッションSCの下面は、ハウジングカバー4Bの上面44Sに接触する。シートクッションSCの下面が更に下方に移動すると、シートクッションSCの下面はハウジングカバー4Bの上面44Sを押圧する。そして、さらにシートクッションSCの下面が下方に移動すると、上記のようにハウジングカバー4Bとハウジング3Bとの間には隙間GAが形成されているため、ハウジングカバー4Bはこの隙間GAの範囲内で下方に移動する。
図12は、荷重検知センサ5Bのオン状態を示す図である。ハウジングカバー4Bの下方への移動により、押圧部43の先端が第2電極62を押圧し、図12に示すように、第2電極62は第1電極52に接触して、荷重検知センサ5BのスイッチSWはオン状態となる。すなわち、押圧部43が金属板61を押圧することによる金属板61の撓みにより第2電極62が第1電極52に接触する。このため、一対の端子55t,55s間の抵抗値が低くなり、この抵抗の変化が接続ピン34及びコネクタ端子を介して図示せぬ車両用制御ユニットにより検出される。こうして着座による荷重が検知される。
このとき、上記のように、シートクッションSCに押圧される受圧面である上面44Sの面積は押圧部43の先端である第2電極62と接触する部分の面積よりも大きくされているため、広い面で受けた押圧力を押圧部43に集中させることができ、より適切に金属板61を撓ませることができる。特に本実施形態では、押圧部43の先端が凸状の曲面形状とされているため、押圧部43の先端が平面状とされる場合よりも、金属板61に押圧力をより高い密度で加えることができ、より適切に金属板61を撓ませることができる。さらに、上記のように上面44Sの面積は第2電極62の面積よりも大きいため、シートクッションSCが第2電極62の直上以外から上面44Sに力を伝えることができる。このため、より適切に押圧部43に押圧力を集中させることができ、より適切に金属板61を撓ませることができる。
以上説明したように本実施形態の荷重検知センサユニット1Bでは、一方の電極である第2電極62と金属板61とが一体とされ、第2電極は金属板61の一部とされる。従って、荷重検知センサユニット1Bは、第2電極と62と金属板61とを別体とするよりも部品点数を削減しつつも、第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと同様にして、荷重を適切に検出することができつつ、押し癖等による荷重の誤検出を抑制することができる。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Bも第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと同様にして、受圧面である上面44Sの長手方向に沿った上面44Sの幅が上面44Sの短手方向に沿った上面44Sの幅の2倍以上の大きさとされるため、シートクッションSCの表面の凹凸による影響を受けづらく、荷重の誤検出を抑制することができる。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Bによっても、第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと同様にして、突出片35とアーム41から成る押さえ部材により、ハウジングカバー4Bの浮きを防止してこの傾きを抑制することができる。
また、本実施形態の荷重検知センサ5Bでは、第2電極シート60Bにおいて第2接点部63を含む部位は、金属板61が曲げられてなり、当該第2接点部63を第1接点部53に押し付ける板ばねとされている。このため第1接点部53と第2接点部63を常に接続状態に維持するための他の部材を不要とすることができる。従って、部品点数が増えることを抑えると共に小型化が可能となる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図13は、本実施形態にかかる荷重検知センサユニットの構成を図3と同じ視点で示す断面図である。図13に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Cは、ハウジング3Aの代わりにハウジング3Cが用いられる点において、第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと異なる。
本実施形態のハウジング3Cは、第1実施形態のハウジング3Aの枠壁88と異なる枠壁88cを有しており、底壁87は全体的に一定の厚みとされ第1実施形態のハウジング3Aの底壁87よりも薄くされている。枠壁88cは、ハウジングカバー4Aのフック片47の外側に位置しており、フック片47が引っ掛かりフック片47の上方への移動を規制する爪部83を有している。従って、爪部83により、フック片47を介してハウジングカバー4Aが浮き上がることが防止される。従って、爪部83とフック片47とで押圧部材であるハウジングカバー4AがシートクッションSC側に浮き上がることを防止する押さえ部材が構成されていると理解することができる。また、本実施形態においても、当該押さえ部材は、少なくともハウジングカバー4Aの長手方向の両端部において、ハウジングカバー4Aの浮き上がりを抑えるように、枠壁88cにおけるハウジング3Cの長手方向の両端部に形成されている。
本実施形態のハウジングカバー4Aは、押圧部46が第1実施形態のハウジングカバー4Aの押圧部46よりも長く形成されている。また、フック片47とハウジング3Cの底壁87との間に隙間GAが形成されており、この隙間により、ハウジングカバー4Aが上下に移動することができる。
本実施形態の荷重検知センサユニット1Cによれば、第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと同様に、ハウジングカバー4AがシートクッションSC側に浮き上がることを防止する爪部83とフック片47とから成る押さえ部材を有する。従って、ハウジングカバー4Aの浮きが防止されてハウジングカバー4Aの傾きを抑制することができる。本実施形態においても、第1実施形態と同様に押圧部材は、ハウジングカバー4Aの少なくとも長手方向に沿った両端部においてハウジングカバー4Aの浮き上がりを防止している。従って、本実施形態の荷重検知センサユニット1Cによれば、第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと同様にして、シートクッションSCからの押圧力が上面45Sに偏在してかかる場合であっても、適切に荷重を検出することができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図14は、本実施形態にかかる荷重検知センサユニットの構成を図3と同じ視点で示す断面図である。図14に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Dでは、荷重検知センサ5Aの代わりに荷重検知センサ5Dが用いられ、荷重検知センサ5Dはスイッチシート50Aの代わりにスイッチシート50Dを備える。本実施形態のスイッチシート50Dは、第1実施形態のスイッチシート50Aのメインブロック50mの幅が大きくされた形状とされ、当該メインブロックに複数のスイッチSWa,SWbを有する。スイッチSWa,SWbは共に第1実施形態のスイッチSWと同様の構成とされる。つまり、本実施形態においても第1実施形態と同様に、スイッチシート50Dは、第1電極シートとスペーサと第2電極シートとを備える。そして、第1電極シートは第1絶縁シートを有し、当該第1絶縁シート上にスイッチSWa,SWb用の一方の電極である第1電極56eがそれぞれ設けられ、第2電極シートは第2絶縁シートを有し、当該第2絶縁シート上にスイッチSWa,SWb用の他方の電極である第2電極57eがそれぞれ設けられる。これらのスイッチSWa,SWbは、ハウジングカバー4Dの受圧面である上面45Sの長手方向に沿って並んで配置され、それぞれのスイッチSWa,SWbの第1電極56eが金属板60A覆われる。なお、本実施形態の金属板60Aは、それぞれのスイッチSWa,SWbを覆う程度の大きさとされる。図15は、荷重検知センサ5DのスイッチSWa,SWbの接続関係を示す等価回路図である。図15に示すように、本実施形態の荷重検知センサ5Dでは、それぞれのスイッチSWa,SWbが互いに並列に電気的に接続されている。具体的には、それぞれのスイッチSWa,SWbの第1電極56e同士が電気的に接続され、それぞれのスイッチSWa,SWbの第2電極57e同士が電気的に接続されている。従って、スイッチシート50Dにおいて、上記第1絶縁シートには、スイッチSWa,SWb用の第1電極56e同士を電気的に接続する配線が設けられ、上記第2絶縁シートには、スイッチSWa,SWb用の第2電極57e同士を電気的に接続する配線が設けられている。このような、スイッチシート50Dは、第1電極、第2電極をそれぞれ複数とし、上記配線が形成されるだけのため、第1実施形態のスイッチシート50Aと概ね同様の製造工程で製造することができる。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Dでは、ハウジングカバー4Aの代わりにハウジングカバー4D用いられ、ハウジングカバー4Dは複数の押圧部46a,46bを有している。それぞれの押圧部46a,46bは、それぞれのスイッチSWa,SWbの第1電極56eを金属板60Aを介して押圧する位置に設けられている。
なお、本実施形態のハウジング3Aは、スイッチシート50Dの少なくともスイッチSWa,SWbを収容可能な程度の大きさの収容空間が形成されている。
本実施形態の荷重検知センサユニット1Dによれば、複数のスイッチSWa,SWbが並列接続されることで、それぞれの押圧部46a,46bのいずれかが、金属板60Aを介していずれかの第1電極56eを押圧し、いずれかのスイッチがオンとなる場合に荷重を検出することができる。従って、例えば、受圧面である上面45Sの長手方向に沿って、受圧面の受ける押圧力が偏在しハウジングカバー4Dが傾く場合であっても、いずれかのスイッチがオンとなることで荷重を適切に検知することができる。
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1、第4実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図16は、本実施形態にかかる荷重検知センサユニットの構成を図3と同じ視点で示す断面図であり、図17は、図16の荷重検知センサユニットを上側から見る図である。ハウジングカバー4Eは、枠部材141と、複数の可動部材145a,145bとを有する。枠部材141は、枠壁148と頂壁147とを有している。枠部材141は、図17に示すように概ね長方形の形状をしている。また、頂壁147には、それぞれの可動部材145a,145bが入り込む複数の開口が形成されている。この開口の形状は概ね長方形とされる。
図16に示すように、可動部材145aは、頂壁144aと押圧部46aとを有し、可動部材145bは、頂壁144bと押圧部46bとを有する。第4実施形態と同様にして、押圧部46aはスイッチSWaの第1電極56eを金属板60Aを介して押圧可能な位置に配置され、押圧部46bはスイッチSWbの第1電極56eを金属板60Aを介して押圧可能な位置に配置される。また、頂壁144aのシートクッションSC側の面は上面143aとされ、頂壁144bのシートクッションSC側の面は上面143bとされる。それぞれの上面143a,143bは、シートクッションSCからの押圧力受け、当該押圧力でそれぞれの押圧部46a,46bが、第4実施形態と同様にして、それぞれのスイッチSWa,SWbの第1電極56eを金属板60Aを介して押圧する。従って、本実施形態では、それぞれの可動部材145a,145bを合わせて1つの押圧部材とすると、押圧部材が押圧部46a,46b毎に分割されていると理解することができる。また、それぞれの可動部材145a,145bの上面143a,143bを合わせて1つの受圧面とすると、図17に示すように、当該受圧面は、受圧面の一方向に沿った受圧面の幅は受圧面の一方向に垂直な方向に沿った受圧面の幅の2倍以上の大きさとされる。
また、それぞれの可動部材145a,145bは、突出片149を有している。この突出片149は、枠部材141の頂壁147の下方に位置し、突出片149が頂壁147に引っ掛かり、可動部材145a,145bが上方に浮き上がることが防止されている。従って、突出片149と頂壁147とで、押圧部材がシートクッションSC側に浮き上がることを防止する押さえ部材が構成されていると理解することができる。
また、図16に示すように、本実施形態のハウジング3Eは、第3実施形態のハウジング3Cと同様の厚さの底壁87を有する。従って、第3実施形態の押圧部46と同様に、上記押圧部46a,46bは、第1実施形態のハウジングカバー4Aの押圧部46よりも長く形成されている。また、本実施形態では、枠壁88の内側にハウジングカバー4Eの枠部材141の枠壁148が内側に入り込む構成とされる。ハウジングカバー4Eの枠壁148の先端には嵌合凸部148nが形成されており、ハウジング3Eの枠壁88の内側にも嵌合凸部88nが形成されている。そして、ハウジング3Eの枠壁88の内側に配置込んだ状態で、ハウジングカバー4Eの枠壁148の嵌合凸部148nとハウジング3Eの枠壁88の嵌合凸部88nとが嵌合して、ハウジングカバー4Eは、ハウジング3Eに固定されている。
本実施形態の荷重検知センサユニット1Eによれば、押圧部材が押圧部46a,46b毎に分割されることで、受圧面の一部が押圧される場合であっても、押圧部46a,46bが個別にスイッチSWa,SWbを押圧することができる。従って、シートクッションSCから受圧面の一部に押圧力がかかる場合であっても、適切に荷重を検出することができる。
(第6実施形態)
次に本発明の第6実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図18は、本実施形態にかかる荷重検知センサユニットの構成を図3と同じ視点で示す断面図である。図18に示すように本実施形態の荷重検知センサユニット1Fは、荷重検知センサ5Aに代え荷重検知センサ5Fが用いられる点において第1実施形態の荷重検知センサユニット1Aと異なる。
荷重検知センサ5Fは、金属板60Aに代えて、金属板60Fが用いられ、金属板60Fは、第1実施形態の金属板60Aにアーム状の弾性支持部材160が接続された形状をしている。この弾性支持部材160は、ハウジング3A側からハウジングカバー4A側に湾曲しており、その先端部がハウジングカバー4Aの裏面に接している。このため、ハウジングカバー4Aは、荷重検知センサ5F側から弾性支持部材160に支えられている。弾性支持部材160の弾性力は、ハウジングカバー4AがシートクッションSCから押圧される場合に弾性変形して、弾性支持部材160の先端部が下方に移動できる程度の弾性力とされる。
なお、本実施形態のハウジング3Aは、弾性支持部材160の先端が上記の様に下方に移動した際に当該移動を阻害しない程度の大きさの収容空間が形成されている。
本実施形態の荷重検知センサユニット1Fによれば、押圧部材であるハウジングカバー4Aが弾性支持部材160によって荷重検知センサ5F側から支持されているため、ハウジングカバー4Aが押圧されていない時にハウジングカバー4Aが動いて他の部材と接触し、その接触に起因して異音が発生することを抑制することができる。また、シートクッションからの押圧に応じてハウジングカバー4Aが荷重検知センサ5Fを押圧するときの動きも緩和される。したがって、ハウジングカバー4Aの動きに応じて他の部材と接触する場合があっても、当該他の部材に対するハウジングカバー4Aの衝撃が低減され、この結果、異音を抑えることができる。
さらに、本実施形態では、上記のとおり、金属板60Fの一部が弾性支持部材160とされている。従って、荷重検知センサユニット1Fの周りの環境温度が変化する場合でも、弾性支持部材160の弾性力は変化しづらい。従って、この荷重検知センサユニット1Fによれば、環境温度が変化する場合であっても、荷重の誤検出を抑制することができる。
なお、本実施形態では、金属板60Fの一部が弾性支持部材160とされた。しかし、弾性支持部材160が金属板60Fの一部とされずに、金属板と弾性支持部材とが別体とされても良い。この場合、弾性支持部材が金属以外の部材から成っても良い。
以上、本発明の荷重検知センサユニットについて上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記荷重検知センサユニット1A〜1Fにおける各構成要素は、上述した実施形態に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。
例えば、各実施形態における押圧部43、46は、着座等による荷重の検出時以外の状態で、金属板と離間していても良い。
また、第2実施形態以外の実施形態において、第2実施形態の台座2Bと同様の台座が用いられることで、荷重検知センサユニットが座席装置のSばねに固定される構成とされても良い。また、第2実施形態で台座2Bを無くしてハウジング3Bの形状を変えることで、荷重検知センサユニットが座席装置のシートパン上に配置される構成とされても良い。上記実施形態や本第2実施形態の変形例のように、荷重検知センサユニットが座席装置のシートパン上に配置される場合、シートパンに孔が形成されると共に、荷重検知センサユニットの少なくとも一部が当該孔に嵌め込まれた状態でシートパンに固定されるようにしても良い。
また、上記実施形態では、ハウジング上に荷重検知センサが配置される構成とされた。しかし本発明はこれに限らない。例えば、それぞれの実施形態において第2実施形態のように台座が用いられ、荷重検知センサが当該台座上に直接配置される構成とされても良い。この場合、ハウジングカバーは、台座の面方向の移動が規制されつつスイッチSWを押圧可能な状態で台座に配置されれば良い。或いは、それぞれの実施形態においてシートパン上に荷重検知センサが直接配置される構成とされても良い。この場合、ハウジングカバーは、シートパンの面方向の移動が規制されつつスイッチSWを押圧可能な状態でシートパンに配置されれば良い。
また上記実施形態におけるハウジングの底壁87の厚さは例示にすぎなく、適宜変更することが可能である。
また、第2実施形態においても、荷重検知センサ5Bが複数のスイッチSWを有し、ハウジングカバー4Bが第3実施形態のように複数の押圧部43を有しても良い。この場合、ハウジングカバー4Bは、第5実施形態のように押圧部43毎に分割されても良い。
また、第1〜第5実施形態においても第6実施形態のように、ハウジングカバーを荷重検知センサユニット側から支持する弾性支持部材を備えても良い。
また、上記実施形態では、非着座時においてシートクッションSCの下面が、荷重検知センサユニットと離間している状態で説明した。しかし、非着座時においてシートクッションSCの下面は、荷重検知センサユニットと接触していても良い。
また、本発明は、シートクッション下において荷重を検知すべき場所に設けられる限り利用可能性がある。上記実施形態では車両の座席のシートクッション下に配置され、人の着座を検出したが、例えば、介護用ベッド等のシートクッション下に配置して、人の存在の有無を検出してもよい。