JP3979392B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の走行モードを有し、三要素により決定された三次元モードマップから、最適なモードを選択するハイブリッド車両の制御装置の技術分野に属する。
4個以上の要素を有する2自由度の例えば遊星歯車機構により構成する差動装置に、駆動系統への出力を割り当てた要素以外の要素にブレーキを設けたパワートレーンシステムを適用したハイブリッド車両が特許文献1に開示されている。このハイブリッド車両では、例えば、2つのモータのみで無段変速比を得るEVモードと、ローブレーキを締結した固定変速比にて2つのモータで駆動するEV-LBモードと、エンジンクラッチの締結によりエンジン及び2つのモータを駆動しつつ無段変速比を得るEIVTモードと、エンジンクラッチの締結によりエンジン及び2つのモータを駆動しつつブレーキの締結により固定変速比を得るLBモードとを備えている。これら各種モードは、走行状態に応じてモードマップから適宜選択される。
特開2003-34153号公報。
上述の従来技術において、エンジンクラッチの締結によりLBモードもしくはEIVTモードにより走行している状態で、エンジンクラッチの締結力不足が発生する場合がある。このとき、変速比が変化してしまい所望の駆動力が得られないという問題があった。また、変速比の変化によってエンジンやモータの回転数最大値に到達すると、走行可能な状態であってもフェールセーフモードに入ってしまうという問題があった。また、エンジンクラッチのスリップ状態が継続することで摩擦による耐久性の悪化を招く虞があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、エンジンクラッチが十分な締結力を得られなくとも、要求駆動力を達成しつつ走行可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明では、ハイブリッド車両の制御装置において、エンジンクラッチのスリップ状態を検出するスリップ検出手段と、エンジンクラッチのスリップ状態を検出した時は、モータの出力トルクを調整することで要求駆動力を達成しつつトルクバランスを維持するトルクバランス維持制御手段とを設けた。
よって、エンジンクラッチが十分な締結力を得られない場合でも、エンジンクラッチが締結している状態と同じ変速比と要求駆動力を達成することが可能となり、運転性の向上を図りつつ、機械的構成要素の耐久性の向上を図ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1におけるハイブリッド変速機を示す。本実施例1においては、前輪駆動車(FF車)用のトランスアクスルとして用いるのに有用な以下の構成とする。
図1において、ハイブリッド変速機は、左側からエンジンENG、ラビニョ型遊星歯車装置2および複合電流2層モータ3を同軸に配置する。ラビニョ型遊星歯車装置2は、ピニオンP2を共有するシングルピニオン遊星歯車装置4およびダブルピニオン遊星歯車装置5とから成る。シングルピニオン遊星歯車装置4はサンギヤS2およびリングギヤR2にそれぞれピニオンP2を噛合させた構造とする。ダブルピニオン遊星歯車装置5はサンギヤS1および共有ピニオンP2の他に、リングギヤR1および大径ピニオンP1を具え、大径ピニオンP1をサンギヤS1、リングギヤR1および共有ピニオンP2の3者に噛合させた構造とする。そして、遊星歯車装置4,5のピニオンP1,P2を全て、共通なキャリアCにより回転自在に支持する。
以上の構成になるラビニョ型遊星歯車装置2は、サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR1、リングギヤR2、ピニオンP1、ピニオンP2およびキャリアCの7個の回転メンバを主たる要素とし、これら7個のメンバのうち、2個のメンバの回転速度を決定すると、他のメンバの回転速度が決まる2自由度の差動装置を構成する。
ラビニョ型遊星歯車装置2に対し本実施の形態においては、図の左側に同軸に配置したエンジンENGからの回転がシングルピニオン遊星歯車装置5のリングギヤR2に入力されるよう、リングギヤR2にエンジンENGのクランクシャフトを結合する。一方で、ラビニョ型遊星歯車装置2からの出力回転を共通なキャリアCより取り出すよう、このキャリアCに車輪駆動系Out(例えば図1におけるディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機6および左右駆動車輪7)を結合する。
複合電流2層モータ3は、インナーロータ3riと、これを包囲する環状のアウターロータ3roとを、変速機ケース1内の後軸端に同軸に回転自在に支持して具え、これらインナーロータ3riおよびアウターロータ3ro間における環状空間に同軸に配置した環状コイルよりなるステータ3sを変速機ケース1に固設して構成する。
このように、環状コイル3sとアウターロータ3roとで外側のモータ・ジェネレータである第2モータ・ジェネレータMG2が構成される。また、環状コイル3sとインナーロータ3riとで内側のモータ・ジェネレータである第1モータ・ジェネレータMG1が構成される。
ここでモータ・ジェネレータMG1,MG2はそれぞれ、複合電流を供給される時は供給電流に応じた個々の方向の、また供給電流に応じた個々の速度(停止を含む)の回転を出力するモータとして機能し、複合電流を供給されない時は外力による回転に応じた電力を発生する発電機として機能する。かかる複合電流2層モータ3と、ラビニョ型遊星歯車装置2との間の結合に当たっては、ダブルピニオン遊星歯車装置5のサンギヤS1に第1のモータ・ジェネレータMG1(詳しくはインナーロータ3ri)を結合し、シングルピニオン遊星歯車装置4のサンギヤS2に第2のモータ・ジェネレータMG2(詳しくはアウターロータ3ro)を結合する。
図2は制御装置を含んだハイブリッドシステムの構成を示す図である。
本実施例1におけるハイブリッドシステム(以下、E-IVTシステムと記載する)は、全体のエネルギーを統合制御する統合コントローラ10と、エンジンを制御するエンジンコントローラ12(engine clutch controllerを含む)と、ハイブリッド変速機内のMGを制御するモータコントローラ11と、MGに電気を供給するインバータ13と電気エネルギーを蓄えるバッテリ14と、MGを含むハイブリッド変速機から成る。
統合コントローラ10は、アクセル開度APとエンジン回転速度ωEと車速VSP(出力軸回転速度に比例)とに応じて、運転者が意図する運転状態を実現するように、モータコントローラ11に目標MGトルクを、エンジンコントローラ12に目標エンジントルクを指令する。ここで、統合コントローラ10に入力する回転速度は、エンジン回転速度と出力軸回転速度に限定されるものではなく、ラビニョ型遊星歯車装置の回転要素のうち、いずれか2つの回転速度であれば良い。なぜなら、ラビニョ型遊星歯車装置の回転自由度は2であるので、いずれか2つの回転要素の回転速度が分かれば、他の回転要素の回転速度も分かるためである。
また、モータコントローラ11への指令値は、目標MGトルクではなく目標MG回転速度とし、モータコントローラ11内部に、PI制御器などで目標MG回転速度を実現する制御系を有しても良い。
(E-IVTシステムにおける制御モード)
E-IVTシステムは、主に下記に示す4つのモード
1)モード4(EVモード)
2)モード6(EV-LBモード)
3)モード28(EIVTモード)
4)モード30(LBモード)
を有する。
上記4つのモードは全て第1モータ・ジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2を使用する。ただし、エンジン(もしくはエンジンクラッチ)を駆動するかどうか、もしくは、ローブレーキLBを使用するかどうかが主に異なる。
表1は、上記4つのモードにおけるエンジンクラッチ8のオン・オフ状態と、ローブレーキLBの締結状態との関係を表す。4つのモードはいかなる走行状況であっても選択可能な訳ではなく、それぞれ限られた制御領域において達成可能である。
(表1)
Figure 0003979392
制御領域は、3軸からなる三次元空間から構成されている。3軸とは、車速VSP、駆動力F、及びバッテリのSOC(State of charge)を表す。一般に、SOCが低下すると、全てのモードの制御領域が小さくなる。ここで、駆動力Fとは車両が駆動するのに必要な要求駆動力である。特に、車速VSP,駆動力Fによって決定されるポイントを運転点と記載する。また、この運転点に対応するエンジン,各モータジェネレータのトルク及び回転数を動作点と記載する。
上記各モードは、第1モータ・ジェネレータMG1,第2モータ・ジェネレータMG2及びエンジンそれぞれのトルクと回転速度(T1,N1,T2,N2,Te,Ne)と電力消費量に応じて決定される。要求駆動力Fは、運転者の操作するアクセルペダル開度及び車速から決定され、各4つのモードから最適なモードが選択される。
〔モード4(EVモード)〕
モード4では、第1モータ・ジェネレータMG1及び第2モータ・ジェネレータMG2のみ使用する。ラビニョ型遊星歯車装置2において、第1及び第2モータ・ジェネレータMG1,MG2のトルクをT1,T2、回転速度をN1,N2、出力軸トルクをT0、出力軸回転数をN0とすると、下記の式により表される。
(式1)
N2={−βN1+(1+α+β)N0}/(1+α)
T1=βT0/(1+α+β)
T2=(1+α)T0/(1+α+β)
尚、α,βはラビニョ型遊星歯車のギヤ比に相当する。リングギヤR2(エンジン)とキャリヤC(出力軸)のギヤ比を1とした場合、リングギヤR2とサンギヤS1(MG1)とのギヤ比をαとする。また、キャリヤCとサンギヤS2(MG2)とのギヤ比をβとする。
上記関係式(1)に基づいてモード4における駆動力制御が実行される。図3は、車速VSPと要求駆動力Fによって決定されたモード4(EVモード)制御領域を表す図である。E-IVTシステムの制御領域では、二つの入力(車速VSP及び要求駆動力F)によって決定される運転点が属している制御領域が最適モードとして決定される。
〔モード6(EV-LBモード)〕
モード6では、第1及び第2モータ・ジェネレータMG1,MG2とローブレーキLBを使用する。図4は、車速VSPと要求駆動力Fによって決定されるモード6(EV-LBモード)制御領域を表す図である。モード6が選択されると、下記式(2)に基づいて駆動力制御が実行される。
(式2)
N1=(1+α+γ)N0
N2=(γ−β)N0
T2={(1+α+γ)T1−γT0}/(β−γ)
TL=T0−T1−T2
尚、TLはローブレーキLBのトルク,γはキャリヤCとローブレーキLBとのギヤ比である。
〔モード28(EIVTモード)〕
モード28では、第1モータ・ジェネレータMG1,第2モータ・ジェネレータMG2及びエンジンを使用する。図5は、車速VSPと要求駆動力Fによって決定されるモード28(EIVTモード)制御領域を表す図である。よって、モード28の制御領域では、三つの入力に依存することとなる。モード28が選択されると、下記式3に基づいて駆動力制御が実行される。
(式3)
N1=−αN0+(1+α)Ne
N2=(1+β)N0−βNe
T1={1/(1+α+β){βT0−(1+β)Te}}
T2=T0−T1−Te
尚、Neはエンジン回転数、Teはエンジントルクである。
〔モード30(LBモード)〕
モード30では、第1モータ・ジェネレータMG1,第2モータ・ジェネレータMG2,エンジン及びローブレーキLBを使用する。図6は、車速VSPと要求駆動力Fによって決定されるモード30(LBモード)制御領域を表す図である。よって、モード30の制御領域では、三つの入力に依存することとなる。モード30が選択されると、下記式4に基づいて駆動力制御が実行される。
(式4)
N1={(1+α+γ)/γ}N0
N2=−{(β−γ)/γ}N0
Ne={(1+γ)/γ}N0
TL=T0−T1−T2−Te
T2={1/(β−γ)}(−γT0+(1+α+γ)T1+(1+γ)Te)
尚、以上4つのモードについて説明したが、例えば、第1モータ・ジェネレータMG1を変速機ケースに固定するハイブレーキを追加し、ハイブレーキモードを追加してもよいが特に限定しない。
(SOCに応じた最適モード選択過程について)
上述の4つのモードのうち、ある車速VSP及び要求駆動力Fによって決定される運転点では、複数のモードが重なる。このとき、選択された複数のモードのうち燃費効率の最も良好なモードが選択される。具体的には、モータ・ジェネレータMG1,MG2の電力収支を計算する。次に、電力収支と燃料消費量の関係から、最も燃料消費量の少ないモードが選択される。
ここでは、SOCよりもむしろ、燃料1cc当たりどの程度駆動力に寄与するかを表す駆動効率EFFを用いる。駆動効率EFFとSOCは密接な関係を有している。SOCが高いときはバッテリは充電を必要としておらず、このとき燃料消費量は低いため供給される燃料は、充電には使用されず駆動に使用されるため駆動効率EFFは高い。一方、SOCが低いときは、バッテリが充電を必要としており、バッテリを充電するためにエンジンを駆動する必要があり、このとき燃料消費量が増加するため駆動効率EFFは低い。この関係を用いてモードと駆動効率の関係から、最終的にモードとSOCの関係に読み替えて最適モードマップを構築する。
(最適モードマップの構築論理)
次に、最適モードマップの構築論理について説明する。
(ステップ1)
エンジンの燃料消費軸に沿って、全ての可能なモードにおける電力Eを演算する。この電力Eは、第1モータジェネレータMG1,第2モータジェネレータMG2の電力収支(電力、及び電力損失(モータ損失やインバータ損失を含む))に対応する。
(ステップ2)
電力関数E=f(fuel)は、燃料消費量に応じた電力の関数である。ステップ1で演算された各モードにおける電力の内、各燃料消費量に対して最大の電力を発生可能なモードを選択する。すなわち燃料消費量fuelに対する最適なモード関数が得られる。ここで、E>0はバッテリが充電されている状態を表し、E<0はバッテリが電力を消費している状態を表す。
(ステップ3)
ステップ2で得られた電力関数Eから、駆動効率関数EFF=g(fuel)を演算する。駆動効率関数EFFは、燃料消費量に対する電力比である。すなわち、バッテリを最大限利用したときの燃料消費量fuel0に比べ、更に燃料を消費{fuel(i)−fuel0}したときに増加する電力収支{E(i)−E(fuel0)}の分を演算すれば、燃料がどの程度電力収支の改善に寄与したかが分かる。すなわち電力収支の改善寄与度とは、燃料がどの程度駆動力に使用されたかを表す駆動効率EFFを表すことになる。
(ステップ4)
ステップ3で得られた駆動効率関数を逆変換し、燃料消費関数fuel=h1(EFF)を演算する。
(ステップ5)
ステップ4及びステップ2の演算結果から、モード関数Mode=h2(EFF)が得られる。すなわち、推定される駆動効率EFFに応じた制御モードが得られる。
上記ステップにより、車速VSP,要求駆動力F,駆動効率EFFに基づく三次元最適モードマップを構築できる。駆動効率EFFは、変数として電力E及び燃料消費量fuelから得られる。また、上述したようにSOCとEFFには密接な関係があるため、この関係を用いて車速VSP,要求駆動力F,SOCに基づく三次元最適モードマップが作成される。
例えば、車速VSP=A(km/h),駆動力F=B(N),SOC=可変の状態において、LBモードとEIVTモードの2つのモードが選択可能な場合について説明する。
図7は各モードにおける燃料消費量fuelに対する電力の演算結果を表す図である。この演算結果から、燃料消費量fuelに対する最大の電力を選択したのが図8に示す燃料消費量に対する電力の関係である。図8において、ある燃料消費量において、E<0であれば電力消費量が最小を意味し、E>0であれば充電される電力量が最大を意味する。
次に、燃料消費量に対する駆動効率EFFを演算する。まず、図8に示す電力関数を下記式に基づき微分する。
dE/dfuel={E(i)−E(fuel0(n))}/{fuel(i)−fuel0(n)}
尚、fuel0(n)は、バッテリの充放電容量最大値を考慮した燃料消費量最小値(例えば、最初の演算時においては図8中fuel0(1)で示される点)である。図9は図8に示す電力関数の微分値と燃料消費量の関係を表す。図9に示すdE/dfuelの演算結果において、dE/dfuelの最大値(=b)を取るfuel(=a)をプロットする。
次に、fuel=a以降ではfuel0(2)=aとして、再度dE/dfuelを演算し、dE/dfuelの最大値を取るfuelをプロットする。この演算を繰り返すことによって、図10に示す燃料消費量fuelに対する駆動効率EFFの関数EFF=g(fuel)を作成する。
次に、図11に示すようにEFF=g(fuel)をfuel=h1(EFF)の関数に変換する。このfuel=h1(EFF)の関数と、上述した図7に示すE=f(fuel)からモード関数Mode=h2(EFF)の関数を推定する。具体的には、E=f(fuel)からモードが切り替わるポイントの燃料消費量fuelが分かる。このfuelに対応するEFF=g(fuel)がモードの切り替わるポイントとなる。このような対比から、図12に示すように、駆動効率EFFに対応する制御モードが特定される。
図13はSOCが中程度のときの最適モードマップを表す図である。上述したように、駆動効率EFFはSOCと密接な関係にあるため、駆動効率EFFをSOCに読み替え、SOCに対応した最適モードマップを作成することが可能となる。
(統合コントローラにおける回転数及びトルク制御)
次に、統合コントローラ10の構成について説明する。図14は統合コントローラ10内の制御構成を表すブロック図である。
動作点演算部101では、車速センサ信号やアクセル開度センサ信号から要求駆動力F及び車速VSPを出力する。
電力収支演算部102では、SOC及びナビゲーション情報やVICS情報に基づいて電力充電量ΔC及び電力放電量ΔDを演算する。
最適動作点演算部103では、要求駆動力F,車速VSP及びΔC,ΔDに基づいてエンジン,各モータジェネレータMG1,MG2の最適な目標トルクを演算する。
修正トルク演算部104では、エンジンクラッチ8のスリップが検出されたときのエンジン,各モータジェネレータMG1,MG2の目標トルクを演算する。
モード演算部105では、運転点に応じた最適モードを選択し、セレクタ109に選択されたモード指令を出力する。
フェール検出部106では、エンジンクラッチ8のフェール(スリップ状態等)を検出し、運転点演算部101及び修正トルク演算部104へフェール信号を出力する。
ON制御部107では、ローブレーキLB締結時の目標トルクを演算する。
OFF制御部108では、ローブレーキLB解放時の目標トルクを演算する。
セレクタ109では、最適な制御を選択し、モータコントローラ11及びエンジンコントローラ12に指令信号を出力する。
(最適動作点演算部の構成)
図15は最適動作点演算部103における制御処理を表すフローチャートである。この制御処理により、車速VSP,要求駆動力F,SOC(ΔC,ΔD)により決定される運転点において、選択された制御モードに応じた最適な目標値(Te *,Ne *),(T1 *,N1 *),(T2 *,N2 *)を決定する。
ステップS1では、車速VSP,要求駆動力F及びSOCに基づいて最適なモードを選択する。
ステップS2では、ステップS1において選択されたモードがEVモードかどうかを判断し、EVモードのときはステップS3に進み、それ以外はステップS4に進む。
ステップS3では、モードマップから、EVモードにおける目標第1モータジェネレータ回転数N1 *を読み込む。また、第2モータジェネレータ回転数N2は、車速VSP及び目標第1モータジェネレータ回転数N1 *を用いて式(1)から演算する。また、第1及び第2モータジェネレータトルクT1 *,T2 *は、要求駆動力Fに対応する出力軸トルクToを用いて式(1)から演算する。
ステップS4では、ステップS1において選択されたモードがEV-LBモードかどうかを判断し、EV-LBモードのときはステップS5に進み、それ以外はステップS6に進む。
ステップS5では、モードマップから、EV-LBモードにおける目標第1モータジェネレータトルクT1 *を読み込む。また、目標第2モータジェネレータトルクT2 *は、要求駆動力Fに対応する出力軸トルクTo及び目標第1モータジェネレータトルクT1 *を用いて式(2)から演算する。また、第1及び第2モータジェネレータ回転数N1 *,N2 *は、車速VSPを用いて式(2)より演算する。
ステップS6では、ステップS1において選択されたモードがEIVTモードかどうかを判断し、EIVTモードのときはステップS7に進み、それ以外はステップS8に進む。
ステップS7では、モードマップから、EIVTモードにおける目標エンジントルクTe *及び目標エンジン回転数Ne *を読み込む。また、第1及び第2モータジェネレータ回転数N1 *,N2 *は、車速VSP及び目標エンジン回転数Ne *を用いて式(3)から演算する。また、目標第1モータジェネレータトルクT1 *は、目標エンジントルクTe *及び要求駆動力Fに対応する出力軸トルクToから演算する。また、目標第2モータジェネレータトルクT2 *は、各目標トルク値T1 *,Te *,F(=To)に基づいて式(3)より演算する。
ステップS8では、モードマップから、LBモードにおける目標エンジントルクTe *と目標第1モータジェネレータトルクT1 *を読み込む。また、各目標回転数Ne *,N1 *,N2 *は、車速VSPを用いて式(4)から演算する。目標第2モータジェネレータトルクT2 *は、各目標トルク値T1 *,Te *,F(=To)に基づいて式(4)より演算する。
(レバー制御部の構成について)
〔ON制御部〕
ON制御部107はローブレーキ締結時、言い換えればローブレーキの回転数NLBが0のときに使用される。エンジン回転数Ne,第1モータジェネレータ回転数N1,第2モータジェネレータ回転数N2は、出力軸回転数Noと比例関係にある。よって、エンジントルクTe,第1モータジェネレータトルクT1,第2モータジェネレータトルクT2は、1つの自由度のみを有する。このとき、次の関係式(5)が成立する。
(式5)
0/dt=b1・TR+b2・Te+b3・T1+b4・T2
ここで、TRは走行負荷、b1,b2,b3,b4はE-IVTシステムの系によって定まる定数である。また、ω0は出力軸回転数を表す。
走行負荷TRは下記の手順により推定される。まず、上記1つの関係式が得られている時に、エンジントルクTe,第1モータジェネレータトルクT1,第2モータジェネレータトルクT2の三つが未知であるとする。このとき、最適モードを演算するときに、最適なエンジントルクTe *及び第2モータジェネレータトルクT2 *をそれぞれ読み込む。
次に、要求された出力軸トルク(要求駆動力)To *を用いて、第1モータジェネレータトルクT1を下記式(6),(7)により演算する。
(式6)
T1={To *−(Io・b1+1)TR−Io・b2・Te *−Io・b4・T2 *}
よって、
(式7)
Io・dω0/dt=To−TR
となり、この関係式に基づいてトルク制御が実行される。
〔OFF制御部〕
OFF制御部108はローブレーキ非締結時、言い換えればローブレーキの締結トルクTLBが0のときに使用される。このとき、E-IVTシステムは2自由度を有するため、下記式(8),(9)によって表される。
(式8)
i/dt=b11・TR+b12・Te+b13・T1+b14・T2
(式9)
0/dt=b21・TR+b22・Te+b23・T1+b24・T2
ここで、ωiは入力軸回転数を表す。また、b11〜b14及びb21〜b24はE-IVTシステムの系によって定まる定数である。
ローブレーキの非締結時は、2自由度を有するため、式(8)を用いて回転数制御を行い、式(9)を用いてトルク制御を行うものとする。
(回転数制御について)
ここで、回転数制御の具体例について説明する。変数として、目標入力回転数ωi *と実入力回転数ωiとの偏差σを導入する。
(式10)
σ=ωi *−ωi
リアプノフ関数は、下記式(11)のように選択される。
(式11)
f(σ)=σ2/2
よって、リアプノフ関数の時間微分は、下記式(12)により表される。
(式12)
df(σ)/dt=−(dωi/dt)・σ
ここで、この系が安定であることを示すための目的は、ωiの符合とσの符合が一致することである。ここで、(b11・TR+b12・Te)は、外乱と考えられるため、制御式は、下記式(13)により表される。
(式13)
b13・T1+b14・T2=Ksign(σ)
ここで、Kは外乱に打ち勝つために非常に大きな定数が選択される。
(トルク制御について)
トルク制御は、要求駆動力に相当する目標出力軸トルクT0 *を得るために第1モータジェネレータトルクT1及び第2モータジェネレータトルクT2が下記式(14)により演算される。
(式14)
T0 *=(IO・b21+1)TR+IO・b22・Te+IO・b23・T1+IO・b24・T2
よって、第1モータジェネレータトルクT1及び第2モータジェネレータトルクT2は、下記式(15)により演算される。
(式15)
Figure 0003979392
〔修正トルク演算部におけるアルゴリズム〕
図24〜図30は修正トルク演算部104におけるトルクバランス維持制御のアルゴリズムを表すフローチャートである。
尚、本制御フローは制御周期Dt毎に繰り返し実行されるものとする。
(メインアルゴリズム)
ステップa1では、LBモードかどうかを判断し、LBモードのときはステップa2へ進み、それ以外はステップa3へ進む。
ステップa2では、エンジンクラッチ8がスリップしているかどうかを判断し、スリップしている時はステップa4へ進み、それ以外はステップa5へ進む。
ステップa3では、EIVTモードかどうかを判断し、EIVTモードの時はステップa6へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップa4では、ローブレーキレバープロットフラグFLAG_LP_LBをONとする。
ステップa5では、サブアルゴリズムalgo_LB_2を実行する。
ステップa6では、エンジンクラッチ8がスリップしているかどうかを判断し、スリップしている時はステップa8へ進み、それ以外はステップa9へ進む。
ステップa7では、サブアルゴリズムalgo_LB_1を実行する。
ステップa8では、EIVTレバープロットフラグFLAG_LP_EIVTをONとする。
ステップa9では、サブアルゴリズムalgo_EIVT_2を実行する。
ステップa10では、サブアルゴリズムalgo_EIVT_1を実行する。
ステップa11では、サブアルゴリズムalgo_LB_3を実行する。
ステップa12では、サブアルゴリズムalgo_EIVT_3を実行する。
(サブアルゴリズムalgo_LB_1)
図25はサブアルゴリズムalgo_LB_1を表すフローチャートである。このアルゴリズムはLBモードに関し、ローブレーキLBを使用時、かつ、エンジンクラッチスリップ時は、algo_LB_1を実行する。このアルゴリズムではまず最初にエンジンクラッチトルクTcを補助する目的に第1モータジェネレータMG1を使用する。これで不十分なときは、第2モータジェネレータMG2を更に使用する。
逆に、第2モータジェネレータMG2を最初に使用する場合には、基本的なアルゴリズムは同一であり、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を入れ替えるだけでよい。尚、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を同時に使用する場合には、アルゴリズムは更に簡略化されるが、ここでは記載しない。
(algo_LB_1)
ステップb1では、エンジンクラッチ回転数微分値が0かどうかを判断し、0のときはステップb2へ進み、それ以外はステップb3へ進む。
ステップb2では、現在の第1モータジェネレータトルクT1をT1,sとして保存し、第2モータジェネレータトルクT2をT2,sとして保存する。
ステップb3では、エンジンクラッチ回転数微分値が負かどうかを判断し、負のときはステップb5へ進み、それ以外はステップb6へ進む。
ステップb4では、エンジン回転数とエンジンクラッチ回転数が一致したかどうかを判断し、一致した時はステップb13へ進み、それ以外はステップb12へ進む。
ステップb5では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップb20へ進み、それ以外はステップb8へ進む。
ステップb6では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップb22へ進み、それ以外はステップb9へ進む。
ステップb7では、エンジンクラッチトルクの不足分を第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2の両方を使用しても補償できないと判断し、要求出力軸トルクToをΔTo減少させた新たな動作点を設定する。
ステップb8では、現在の第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1だけ加算し、ステップb16に進む。
ステップb9では、エンジン回転数Neとエンジンクラッチ回転数Ncとが一致したかどうかを判断し、一致した時はステップb10へ進み、それ以外はステップb8へ進む。
ステップb10では、保存された修正トルクT1,s,T2,sを用いて制御する。
ステップb11では、新たに設定された動作点における最適な制御指令値をマップから読み込み、ステップb15へ進む。
ステップb12では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップb13へ進み、到達していない時はステップb18へ進む。
ステップb13では、エンジンクラッチトルクの最大値Tc(max)、すなわち、現在のエンジンクラッチ8が伝達可能なトルクを演算する。
ステップb14では、現在の第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1を加算し、ステップb16へ進む。
ステップb15では、ローブレーキレバープロットフラグFLAG_LP_LBをOFFにセットする。
ステップb16では、ローブレーキレバープロットフラグFLAG_LP_LBがOFFかどうかを判断し、OFFの時はステップb17へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップb17では、エンジンの動作点を(Tc(max),Nc)にセットする。
ステップb18では、現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップb13へ進み、それ以外はステップb19へ進む。
ステップb19では、現在の第2モータジェネレータトルクT2を所定トルク減算量δT2だけ減算し、ステップb16へ進む。
ステップb20では、現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、最大値に到達した時はステップb7へ進み、それ以外はステップb21へ進む。
ステップb21では、現在の第2モータジェネレータトルクT2を所定トルク減算量δT2だけ減算し、ステップb16へ進む。
ステップb22では、現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップb10へ進み、それ以外はステップb13へ進む。
(サブアルゴリズムalgo_LB_2)
図26はサブアルゴリズムalgo_LB_2を表すフローチャートである。このアルゴリズムはLBモードに関し、エンジンクラッチスリップ後、定期的に通常の締結力を回復したかどうかをチェックする。
タイマのカウント値が予め設定された所定時間τを経過すると、エンジンクラッチ8の締結力が復帰したかどうかをチェックするために、エンジントルクを所定量増大させる。この増大させるエンジントルクTe +は下記式(28)により表される。
(式28)
Te +=(Te *−Te)/Δ
ここで、Δは予め設定された値である。Teは現在のエンジントルク、Te *は最適エンジントルクである。
同時に第1モータジェネレータトルクT1も所定量増大させる。第1モータジェネレータトルクT1 *は下記式(29)により表される。
(式29)
T1 +=(T1 *−T1)/Δ
このようにエンジントルクTe及び第1モータジェネレータトルクT1を徐々に増大させたときに、エンジンクラッチ8が再度スリップした場合にはエンジンクラッチトルクTcが復帰していないため、スリップ防止処理を実行する。一方、エンジンクラッチトルクTcが復帰している場合には、最適動作点による制御を達成することができる。
(algo_LB_2)
ステップc1では、現在の第1モータジェネレータトルクT1とエンジントルクTeが最適値と一致しているかどうかを判断し、一致しているときは本制御フローを終了し、一致していないときはステップc2へ進む。
ステップc2では、タイマを制御周期Dtだけカウントアップする。
ステップc3では、タイマ値が予め設定された時間τよりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップc4へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップc4では、現在のエンジントルクをmemory_Teとして保存する。また、エンジントルク指令値として現在のエンジントルクTeに所定トルクTe +を加算した(Te+Te +)をセットする。
ステップc5では、エンジンクラッチ回転数Ncとエンジン回転数Neが一致しているかどうかを判断し、一致しているときはステップc7へ進み、それ以外はステップc6へ進む。
ステップc6では、エンジントルクTeをmemory_Teにセットする。
ステップc7では、第1モータジェネレータトルクT1を現在のモータジェネレータトルクT1に所定トルクT1 +を加算した(T1+T1 +)をセットする。
ステップc8では、タイマを0にリセットする。
(サブアルゴリズムalgo_LB_3)
図27はサブアルゴリズムalgo_LB_3を表すフローチャートである。このアルゴリズムは、第1及び第2モータジェネレータトルクT1,T2を修正してもトルクバランスを達成できない場合に実行される。具体的には、運転点においてエンジンを使用しないモード(EVモード,EV-LBモード)を選択可能な場合、LBモードからEVモードもしくはEV-LBモードに遷移させる。SOCがEVモードもしくはEV-LBモードを選択可能な状況であれば、LBモードからEVモードもしくはEV-LBモードに遷移させる。これによりエンジンクラッチ8の状態に頼ることなく要求駆動力に応じた走行を実現できる。
ステップf1では、現在の動作点がEVモードもしくはEV-LBモードを選択できるかどうかを判断し、選択可能であればステップf2へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップf2では、EVモードもしくはEV-LBモードを選択した場合にSOCが十分かどうかを判断し、十分であればステップf3へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップf3では、LBモードからEVモードもしくはEV-LBモードへモード遷移を実行する。
(サブアルゴリズムalgo_EIVT_1)
図28はサブアルゴリズムalgo_EIVT_1を表すフローチャートである。このアルゴリズムは、EIVTモードのときであって、かつ、エンジンクラッチ8がスリップしたときに実行される。
ステップd1では、エンジンクラッチ回転数微分値が0かどうかを判断し、0のときはステップd2へ進み、それ以外はステップd3へ進む。
ステップd2では、エンジンクラッチフラグFLAG_ECがONかどうかを判断し、ONのときはステップd17へ進み、それ以外はステップd4へ進む。
ステップd3では、現在の第1モータジェネレータトルクT1をT1,sとして保存し、第2モータジェネレータトルクT2をT2,sとして保存する。
ステップd4では、エンジンクラッチ回転数微分値が負かどうかを判断し、負のときはステップd6へ進み、それ以外はステップd7へ進む。
ステップd5では、エンジン回転数とエンジンクラッチ回転数が一致したかどうかを判断し、一致した時はステップd15へ進み、それ以外はステップd13へ進む。
ステップd6では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうか、もしくは現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップd8へ進み、それ以外はステップd9へ進む。
ステップd7では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうか、もしくは現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップd11へ進み、それ以外はステップd10へ進む。
ステップd8では、エンジンクラッチトルクの不足分を第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2の両方を使用しても補償できないと判断し、要求出力軸トルクToをΔTo減少させた新たな動作点を設定する。
ステップd9では、現在の第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1だけ加算し、ステップd17に進む。
ステップd10では、エンジン回転数Neとエンジンクラッチ回転数Ncとが一致したかどうかを判断し、一致した時はステップd10へ進み、それ以外はステップd9へ進む。
ステップd11では、保存された修正トルクT1,s,T2,sを用いて制御する。
ステップd12では、新たに設定された動作点における最適な制御指令値をマップから読み込み、ステップd16へ進む。
ステップd13では、現在の第1モータジェネレータトルクT1が最大値に到達したかどうか、もしくは現在の第2モータジェネレータトルクT2が最大値に到達したかどうかを判断し、到達した時はステップd15へ進み、到達していない時はステップd14へ進む。
ステップd14では、現在の第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1を加算し、現在の第2モータジェネレータトルクT2に所定トルク加算量δT2を加算してステップd17へ進む。
ステップd15では、エンジンクラッチトルクの最大値Tc(max)、すなわち、現在のエンジンクラッチ8が伝達可能なトルクを演算する。
ステップd16では、EIVTレバープロットフラグFLAG_LP_EIVTをOFFにセットする。
ステップd17では、EIVTレバープロットフラグFLAG_LP_EIVTがOFFかどうかを判断し、OFFの時はステップd18へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップd18では、エンジントルクがエンジンクラッチトルク最大値Tc(max)に到達したかどうかを判断し、到達したときはステップd20へ進み、それ以外はステップd19へ進む。
ステップd19では、エンジンクラッチフラグFLAG_ECをONにセットする。
ステップd20では、エンジントルクTeをエンジンクラッチトルク最大値Tc(max)にセットする。
ステップd21では、エンジン回転数Neがエンジンクラッチ回転数Ncに到達したかどうかを判断し、到達したときは本制御フローを終了し、それ以外はステップd24へ進む。
ステップd22では、現在の第1モータジェネレータトルクT1を所定トルクΔT1減算し、現在の第2モータジェネレータトルクT2を所定トルクΔT2だけ減算する。
ステップd23では、エンジン回転数最小値Ne(min)を演算する。
ステップd24では、エンジン回転数Neをエンジンクラッチ回転数Ncにセットする。
ステップd25では、エンジン回転数Neがエンジン回転数最小値Ne(min)に到達したかどうかを判断し、到達したときはステップd26へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップd26では、トルクバランスを維持する保存された修正トルクT1,s,T2,sを用いて制御する。
ステップd27では、エンジンクラッチフラグFLAG_ECをOFFにセットする。
(サブアルゴリズムalgo_EIVT_2)
図29はサブアルゴリズムalgo_EIVT_2を表すフローチャートである。このアルゴリズムは、EIVTモードのときであって、エンジンクラッチスリップ後、通常の締結力を回復したかどうかをチェックする(クラッチチェック処理)。基本的にはサブアルゴリズムalgo_LB_2と同様である。ただし、サブアルゴリズムalgo_LB_2では第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との両方のトルクを増大させる点が異なる。
エンジンクラッチ8の締結力が復帰したかどうかをチェックするときに増大させるエンジントルクTe +は下記式(30)により表される。
(式30)
Te +=(Te *−Te)/Δ
ここで、Δは予め設定された値である。Teは現在のエンジントルク、Te *は最適エンジントルクである。
同様にエンジンクラッチ8の締結力が復帰したかどうかをチェックするときに増大させる第1モータジェネレータトルクT1 *及び第2モータジェネレータトルクT2 *は下記式(31)により表される。
(式31)
T1 +=(T1 *−T1)/Δ
T2 +=(T2 *−T2)/Δ
以下フローチャートの内容について説明する。
ステップe1では、現在の第1及び第2モータジェネレータトルクT1,T2が最適トルク値T1 *,T2 *に一致しているかどうかを判断し、一致しているときは本制御フローを終了し、それ以外はステップe2へ進む。
ステップe2では、タイマを制御周期Dtだけカウントアップする。
ステップe3では、タイマ値が予め設定された時間τよりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップe4へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップe4では、現在のエンジントルクをmemory_Teとして保存する。また、エンジントルク指令値として現在のエンジントルクTeに所定トルクTe +を加算した(Te+Te +)をセットする。
ステップe5では、エンジンクラッチ回転数Ncとエンジン回転数Neが一致しているかどうかを判断し、一致しているときはステップe7へ進み、それ以外はステップe6へ進む。
ステップe6では、エンジントルクTeをmemory_Teにセットする。
ステップe7では、第1モータジェネレータトルクT1を現在のモータジェネレータトルクT1に所定トルクT1 +を加算した(T1+T1 +)をセットする。
ステップe8では、タイマを0にリセットする。
(サブアルゴリズムalgo_EIVT_3)
このアルゴリズムは、運転点においてエンジンを使用しないモード(EVモード,EV-LBモード)を選択可能な場合を表す。SOCがEVモードもしくはEV-LBモードを選択可能な状況であれば、EIVTモードからEVモードもしくはEV-LBモードに遷移させる。尚、フローチャートについては図27と同様であり、遷移前の状態がLBモードではなくEIVTモードである点のみ異なるため、説明を省略する
(エンジンクラッチフェール時のトルクバランス維持制御)
以下、上記アルゴリズムによって達成される作用について、具体的に説明する。E-IVTシステムにおいて、LBモードもしくはEIVTモードは、エンジンクラッチ8が完全に制御された状態である。燃料消費量を最小にするためにエンジン,第1モータジェネレータMG1,第2モータジェネレータMG2の動作点が決定され、この動作点を達成するようにエンジン特性が使用される。最適なエンジントルクを達成する場合、エンジンクラッチ8はスリップしていないことが前提となる。すなわち、エンジンのトルクと回転数はエンジンクラッチ8を介して全て伝達されていることが前提となる。
最適なエンジントルク及びエンジン回転数の演算は、非常に演算負荷が大きいため、車両に搭載される演算装置で逐次演算することはできない。よって、演算結果がメモリに保存されており、モードマップ内に各エンジンのデータが保存されている。
具体的には、LBモードでは、エンジントルクTeと第1モータジェネレータトルクT1が保存されている。そして、第2モータジェネレータトルクT2をエンジントルクTe及び第1モータジェネレータトルクT1に基づいて演算する。また、回転数に関しては演算負荷が小さいため、車速VSPから逐次演算される。
また、EIVTモードでは、エンジントルクTeとエンジン回転数Neの関係が保存されている。第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2はエンジントルクTeと出力軸トルクTo(要求駆動力)に基づいて逐次演算される。また、第1モータジェネレータ回転数N1と第2モータジェネレータ回転数N2は車速VSPとエンジン回転数Neから逐次演算される。
以上のことから、エンジンクラッチ8を介して伝達される実際のエンジントルクとエンジン回転数は、メモリ内に保存された値(理想的な期待値)とは異なる値となった場合、トルクバランスを維持できない。また、エンジンクラッチ8に締結圧を供給する油圧回路内で、バルブスティックや、コンタミの影響により十分な締結圧を供給できない場合が起こりうる。
このとき、エンジンクラッチ8の締結力が不十分となり、実際のエンジントルク値Teが最適なエンジントルク値Te *よりも小さくなる。よって、最適なトルクバランスが達成できないため、剛体レバーは回転し、回転数も最適値を維持することができなくなる。このため、各回転要素の回転数が最大回転数(機械的な限界値)に到達するまで変化し、システムはフェールセーフモードに入り、全てのシステムを遮断し、車両を停止することになる。
そこで、LBモードもしくはEIVTモードにおいてエンジンクラッチ8がスリップした場合には、下記方法により解決することとした。
1)エンジンクラッチ8のスリップを検出する。これは実際のエンジンの回転数とエンジンクラッチ8の回転数を検出し、一致しているかどうかを比較すればよい。
2)スリップが検出された時は、最適なモータジェネレータトルク値T1 *,T2 *を、剛体レバーの回転を防止すると共に、要求駆動力を達成するように修正する(トルクバランス維持制御手段に相当)。
〔LBモードにおけるトルクバランス維持制御〕
E-IVTシステムは、剛体レバーによって表される。LBモードにおいて、ローブレーキLBを使用する時は、E-IVTシステムは式(4)によって表される。
車速VSPが与えられると、エンジン回転数Ne,第1モータジェネレータ回転数N1,第2モータジェネレータ回転数N2は演算により一義的に決定される。また、要求駆動力Fが与えられると出力軸トルクToが決定され、エンジントルクTe,第1モータジェネレータトルクT1,第2モータジェネレータトルクT2は、燃料消費量が最低となるトルクバランスを達成するように演算によって決定される。このトルクバランスは、式(4)によって決定されるため、下記式(16)と等価である。
(式16)
To=T1+T2+Te+TLB
更に、モーメントの釣り合いから、下記式(17)が成立する。
(式17)
βT2+γTLB=Te+(α+1)T1
尚、最適値演算を行う際には、各トルク値TiはTi *と記載される。図16はLBモードにおけるトルクバランスが取れた状態における剛体レバーを表す図である。最適値演算は、演算負荷が大きいため、予め演算された結果を車載用コンピュータにマップとして保存しておく。これにより、実際には簡単な補完演算を行うのみで最適値演算が達成される。
エンジントルクTe及びエンジン回転数Neは、EIVTシステムではそのまま使用することはできず、エンジンクラッチトルクTc及びエンジンクラッチ回転数Ncを使用する。エンジンクラッチ8がスリップしていない状態では、エンジントルクTeとエンジンクラッチトルクTc、及びエンジン回転数Neとエンジンクラッチ回転数Ncは同じである。しかしながら、エンジンクラッチ8がスリップしている状態では、エンジントルクTeよりもエンジンクラッチトルクTcが小さくなり、剛体レバーが回転することとなる。LBモードにおいては、図17に示すようにローブレーキLBの周りに剛体レバーが回転することになる。
そこで、下記の2つを実行するものとする。
第1に、目標第1モータジェネレータトルクT1 *及び/または目標第2モータジェネレータトルクT2 *の修正によって剛体レバーの回転を防止する。
第2に、目標エンジントルクTe *及び目標エンジン回転数Ne *の修正によってエンジンクラッチ8のスリップを防止する。
(新たなトルクバランスを得るための具体例)
エンジンクラッチ8がスリップした当初は、すぐにエンジンクラッチトルクTcの最大値Tc(max)は分からない。同様に必要な第1モータジェネレータトルクT1も分からないため、所定トルク加算量δT1を制御周期毎に加算していくことで、探る必要がある。
所定トルク加算量δT1は一定値でもよいし、エンジンクラッチ回転数の微分値dNc/dtに応じて設定しても良い。尚、dNc/dtは下記式より算出される。
dNc/dt=〔Nc(k)−Nc(k-1)〕/〔t(k)−t(k-1)〕
kは制御周期番号を表す。
ここで、三つの修正方法の可能性がある。ローブレーキLBが完全に機能しているとすると、トルクバランスは前述したように、
To=T1+T2+Te+TLB
の関係を常に満足する。言い換えれば、例えエンジントルクTeが期待値よりも小さい場合であっても、ローブレーキトルクTLBの存在によってT1を増加させる、もしくはT2を減少させることで、出力軸トルクToを維持することは可能である。よって、トルクモーメントのみ考慮すればよい。ローブレーキLB締結時は、下記式が成立する。
(β−γ)T2=−γTo+(1+γ)Te+(1+γ+α)T1
仮に、エンジントルクTe(実際にはエンジンクラッチトルクTc)が減少したときは、トルク減少分を補償し、剛体レバーの回転を防止するために3つの方法が挙げられる。
方法1.第1モータジェネレータトルクT1のみ増大させる。
方法2.第2モータジェネレータトルクT2のみ減少させる。
方法3.第1モータジェネレータトルクT1を増大させ、第2モータジェネレータトルクT2を減少させる。
方法1,2については、T1を最大値まで増大させ(T2の場合は最小値まで減少させる)、それでも剛体レバーの回転が停止しないときは、T2を減少させる(T2を減少させた場合はT1を増大させる)。
エンジントルクTeの減少を補償するためにT1のみ増大させるときは、第1モータジェネレータトルクT1に加算する値dT1は下記式により表される。
dT1={(1+γ)/(1+γ+α)}dTe
ここで、dTeはエンジントルクの減少分を表す。
同様に、T2のみ修正する場合は、第2モータジェネレータトルクT2に加算する値dT2は下記式により表される。
dT2={(1+γ)/(β−γ)}dTe
図18は剛体レバーの回転を防止するシーケンス処理の具体例を表すタイムチャートである。この例では、第1モータジェネレータトルクT1のみ修正するものとする。
時刻0〜t1において、エンジンクラッチ8はスリップしていない。このとき、第1モータジェネレータトルクT1及び第2モータジェネレータトルクT2は最適トルク値T1 *,T2 *と一致している。また、エンジンクラッチトルクTcは最適エンジントルク値Te *と一致している。
時刻t1において、エンジンクラッチ8がスリップし始めると、エンジンクラッチトルクTcは最適エンジントルク値Te *よりも小さくなる。そして、時刻t1〜t2において、徐々にエンジンクラッチトルク最大値Tc(max)に近付くことになる。ただし、この段階では、Tc(max)の値は分からない。エンジンクラッチ回転数Ncと出力軸回転数Noは剛体レバーの回転に伴い減少し始める。
時刻t2において、エンジンクラッチ8のスリップが検出される。そして、時刻t2〜t3において、第1モータジェネレータMG1によってエンジントルク減少分を補償する。具体的には、第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1を加算し、エンジンクラッチ回転数微分値dNc/dtが0になるまで加算される。
時刻t3において、所定トルク加算量δT1の加算が終了すると、剛体レバーの回転が停止し、T1,T2 *,TLB,Tc(max)によって新たなトルクバランスが達成される。このとき、トルクバランスが達成された時の第1モータジェネレータトルクをT1,sと記載する。このとき、エンジンクラッチトルク最大値Tc(max)は下記式により演算される。出力軸トルクToは車速や路面傾斜角等から推定可能であり、また、T1,s及びT2 *は既知である。
(式18)
Figure 0003979392
(式19)
Figure 0003979392
時刻t4において、可能であれば現在の車速に対応する出力軸回転数Noを維持する処理を実行する。具体的には第1モータジェネレータトルクT1に所定トルク加算量δT1を加算し、出力軸回転数Noがスリップ開始当初の値に復帰するまで加算する。ここで、ローブレーキLBが使用されているため、エンジンクラッチ回転数Ncも同時に当初の値に復帰することになる。No,Ncの当初の値への復帰が確認された段階で、第1モータジェネレータトルクをT1,sに戻し、再度トルクバランスを維持する制御を行う。
(エンジンクラッチスリップ防止処理)
エンジン回転数Neがエンジンクラッチ回転数Ncと一致する前に第1モータジェネレータトルクT1が最大トルク値に到達していなければ、エンジンクラッチ8のスリップは防止可能である。一方、例えエンジン回転数Neとエンジンクラッチ回転数Ncが一致していたとしても、エンジントルクTeとエンジンクラッチトルクTcとは一致していない。また、エンジン回転数Neとエンジンクラッチ回転数Ncとが一致していなければ、エンジンクラッチ8のスリップは継続することとなる。
そこで、新たな目標値に基づいてエンジンを制御することでエンジンクラッチ8のスリップを回避する。新たな目標値とは、エンジントルクTeとエンジン回転数Neを表す。新たなエンジン回転数は上述の式4から容易に演算できる。エンジントルクTeについては、下記式(20)により演算する。
(式20)
Te={1/(1+γ)}{(β−γ)T2−γTo−(1+α+γ)T1}
ここで、T1,T2,Toは既知であり、現在のトルク値を用いればよい。このエンジントルクTeは上記式(19)に示すTc(max)と対応する。
〔EIVTモードにおけるトルクバランス維持制御〕
図20はEIVTモードにおける剛体レバーのトルクバランスを表す図である。剛体レバーが静的な状態である時、それぞれの回転数及びトルクは上述の式3によりエンジンの燃料消費量が最小となる値が演算される。これらの最適なトルク及び回転数をTi *,Ni *と記述する。
エンジンクラッチ8がスリップした場合、LBモードにおいて出力軸回転数を維持するためには、ローブレーキLBが締結しているため、ラビニョギヤセットによって剛体レバーの傾きが一義的に規定される。すなわち1自由度しか有していないため、第1モータジェネレータMG1のみ、もしくは第2モータジェネレータMG2のみ変更する処理が可能であった。
これに対しEIVTモードでは、2自由度を有する。そこで、エンジンクラッチ8がスリップし、最適エンジントルク値Te *よりも小さなエンジンクラッチトルク最大値Tc(max)となったときは、SOCの許す範囲内で燃料消費量が最小となるトルクバランスを達成するよう、第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2の状態を同時に変更することとした。尚、エンジンクラッチ8のスリップ検出についてはLBモードと同様であるため説明を省略する。
エンジンクラッチ8がスリップしたときは、最適エンジントルク値Te *が得られない(Tc(max)しか得られない)ため、図20に示すように、剛体レバーは出力軸の周りに回転することとなる。このように出力軸回転数Noが変化しない点を除けば他の点はLBモードのときと同じである。ただし、剛体レバーの関係は同一ではないため、以下その点について記述する。
エンジンクラッチ8のスリップによるエンジントルクの低下を補償するために、第1モータジェネレータMG1のトルクを所定トルク加算量δT1だけ増大させる。同時に、トルクバランスを維持するために第2モータジェネレータトルクT2もδT2だけ増大させなければならない。エンジンクラッチ8を基準としたモーメントの関係式は
(1+β)T2−To=αT1
すなわち、
T2={1/(1+β)}(To+αT1)
と表される。
このとき、仮に第1モータジェネレータトルクT1が(T1+δT1)となると、必要な第2モータジェネレータトルクT2'は下記式(21)により表される。
(式21)
Figure 0003979392
すなわち、第1モータジェネレータトルクT1をδT1増大させた時は、下記式(22)により規定されるδT2を第2モータジェネレータトルクT2に加算する必要がある。
(式22)
δT2={α/(1+β)}・δT1
更に、トルクバランスが達成された時の第1モータジェネレータトルクをT1,s、第2モータジェネレータトルクをT2,sとすると、エンジンクラッチトルクTc(max)は下記式(23)により表される。
(式23)
Tc(max)=βT2,s−(1+α)T1,s
以上の関係に基づいて剛体レバーが静的な状態となる。
(EIVTモードにおけるエンジンクラッチスリップ防止処理)
EIVTモードでは、エンジンクラッチ8のスリップを防止する処理として、下記に示す処理を実行する。
1)エンジンの動作点を、最適エンジン回転数及び最適エンジントルク(Ne *,Te *)から、エンジンクラッチ回転数及びエンジンクラッチトルク(Nc *,Tc(max))に対応する動作点(Ne,Te)に変更する。
2)可能であれば、もしくは望ましくは、エンジンの動作点をエンジンの最適燃費線であるα線に近づけるべく、エンジンと第1及び第2モータジェネレータの動作点を修正する。
尚、上記処理2については、モータジェネレータ及びバッテリの状態に依存するもので、バッテリの蓄電量が十分であれば燃料消費量を抑制することが望ましいからである。ただし、バッテリの蓄電量が不十分な場合は処理2は行わない。
図21はEIVTモードにおける剛体レバーの回転を防止するシーケンス処理の具体例を表すタイムチャートである。図18に示すLBモードのシーケンス処理では第1モータジェネレータトルクT1のみ修正したが、EIVTモードでは、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を同時に修正するものとする。尚、他の処理内容については上述の図18に示す内容と同様であるため、説明を省略する。
図22は上記処理2におけるエンジン動作点変更シーケンス処理を表すタイムチャートである。尚、このタイムチャートを説明するにあたり、図23のエンジン平面上のエンジン動作点の遷移を用いて説明する。エンジンクラッチ8がスリップする前は、エンジンの最適動作点はA点にあったとする。このとき、エンジンクラッチ8がスリップし、エンジンクラッチトルク最大値Tc(max)となると、図21に示すシーケンス処理によってエンジンの動作点はBに変更される。以下、この動作点Bから新たな動作点Cに変更する処理について説明する。
時刻t1〜t2において、エンジンの動作点を図23のBに変更するために、エンジン回転数をNe(B)に変更すると共に、エンジントルクをTc(max)に変更する。これにより、エンジンクラッチ8のスリップは完全に排除される。
時刻t2〜t3において、エンジンクラッチ8はスリップせず、また何らのシーケンス処理も行わない。
時刻t3〜t4において、エンジンの燃焼効率を上げるためにエンジンの動作点を変更する。図23に示すように、エンジントルクの最大値をTc(max)とした場合、エンジン回転数のみを動作点Bより下げる方がα線に近付くこととなり、エンジンの燃焼効率は増大することとなる。そこで、新たなエンジン動作点Cとなるようにエンジン回転数及び各モータジェネレータ回転数を修正する。具体的には、第1モータジェネレータトルクT1を所定量ΔT1だけ低下させ、必要があれば第2モータジェネレータトルクT2を所定量ΔT2だけ増大させる。これにより、剛体レバーは出力軸を中心に回転し、エンジンクラッチ回転数Ncを下げることとなる。
時刻t4において、エンジン回転数が新たな動作点Cに対応する回転数Ne(C)に到達すると、再度各モータジェネレータトルクをトルクバランスを達成するトルクT1,s,T2,sに復帰させる。尚、第1モータジェネレータ回転数N1は当然低下し、第2モータジェネレータ回転数N2は上昇した状態でトルクバランスを維持することとなる。
(動作点C)
ここで、動作点Cについて詳細に説明する。エンジントルクをTc(max)とすると、エンジン回転数のみ低下させた方がα線に近付くことになり、燃焼効率が向上する。よって、動作点Cにおけるエンジン回転数Ne(C)は、各モータジェネレータMG1,MG2、及びバッテリの制限内で決定される。
出力軸回転数No及び出力軸トルクToが与えられると、エンジンの動作点(Ne,Te)は、第1モータジェネレータMG1の動作点(N1,T1),第2モータジェネレータMG2の動作点(N2,T2),バッテリに蓄電された電力と関係している。
一般に、各モータジェネレータの制限は、下記式(24)により与えられる。
(式24)
N1T1+N2T2+Loss<Emax
ここで、Lossはモータジェネレータやインバータの損失を表すもので、回転数やトルクに依存する値である。
このとき、各モータジェネレータの回転数とトルク、及びバッテリに蓄電された電力の最大値Emaxは既知である。上記式(24)の関係に、上記式(3)のEIVTモードの関係式を用いて変形すると、下記式(25)に示す出力軸回転数Noとエンジン回転数Neの関係に変形することができる。
(式25)
{−αNo+(1+α)Ne(min)}T1,s+{(1+β)No−βNe(min)}T2,s
+Loss(No,Ne(min),T1,s,T2,s)<Emax
ここで、Ne(min)は動作点Cに対応する値である。尚、各回転数やトルクに依存するLossはマップ等によって予め分かっている値であるとする。
よって、式(25)は下記式(26)のように表される。
(式26)
{(1+α)T1,s−βT2,s}Ne(min)<Emax−Loss(Ne(min))+{αT1,s−(1+β)T2,s}No
ただし、(1+α)T1,s−βT2,s=−Tc(max)すなわち負の値であり、Ne(min)は次の関係式(27)を満足するように設定される。
(式27)
Figure 0003979392
上記式(27)を満足するエンジン回転数Ne(min)を取ることで、エンジンクラッチ8がスリップしたとしても、極力燃焼効率を高めることが可能となる。
以下、上記実施例から得られる技術思想について下記に列挙する。
(1) EIVTシステムにおいて、
LBモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしたときは、第1モータジェネレータ及び/又は第2モータジェネレータのトルクを修正することでトルクバランスを維持することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(2) 上記(1)に記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータトルクのみ修正することでエンジントルク不足分を補償することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(3) 上記(2)に記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータトルクのみでエンジントルク不足分を十分に補償できないときは、第2モータジェネレータトルクを修正することで更に補償することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(4) 上記(1)に記載のEIVTシステムにおいて、
第2モータジェネレータトルクのみ修正することでエンジントルク不足分を補償することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(5) 上記(4)に記載のEIVTシステムにおいて、
第2モータジェネレータトルクのみでエンジントルク不足分を十分に補償できないときは、第1モータジェネレータトルクを修正することで更に補償することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(6) 上記(1)ないし(5)いずれか1つに記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータ及び/又は第2モータジェネレータトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できないときは、要求駆動力が小さくなるように運転点を変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(7) 上記(1)ないし(5)いずれか1つに記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータ及び/又は第2モータジェネレータトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できず、かつ、エンジンを使用しないモードを選択可能なときは、エンジンを使用しないモードに遷移することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(8) 上記(1)ないし(7)いずれか1つに記載のEIVTシステムにおいて、
LBモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしているときは、エンジンの目標トルクをエンジンクラッチが伝達可能な最大トルク値まで低下させることでスリップを防止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(9) EIVTシステムにおいて、
EIVTモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしたときは、第1モータジェネレータのトルクを修正すると共に、第2モータジェネレータのトルクを第1モータジェネレータの修正量に比例して修正することでトルクバランスを維持することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(10) 上記(9)に記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータ及び/又は第2モータジェネレータトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できないときは、要求駆動力が小さくなるように運転点を変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(11) 上記(9)または(10)に記載のEIVTシステムにおいて、
第1モータジェネレータ及び/又は第2モータジェネレータトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できず、かつ、エンジンを使用しないモードを選択可能なときは、エンジンを使用しないモードに遷移することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(12) 上記(9)ないし(11)いずれか1つに記載のEIVTシステムにおいて、
EIVTモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしたときは、第1モータジェネレータ及び第2モータジェネレータのトルクを修正し、エンジン回転数とエンジンクラッチ回転数とを一致させることでスリップを防止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(13) 上記(12)に記載のEIVTシステムにおいて、
EIVTモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしたときは、エンジンの目標トルクをエンジンクラッチが伝達可能な最大トルク値まで低下させることでスリップを防止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(14) 上記(12)に記載のEIVTシステムにおいて、
EIVTモードを選択しているときにエンジンクラッチがスリップしたときは、エンジンの目標トルクをエンジンクラッチが伝達可能な最大トルク値まで低下させエンジンクラッチのスリップを防止し、
第1モータジェネレータ及び第2モータジェネレータパワーの最大値に到達しない範囲内で、エンジンの目標回転数をエンジンの最適燃費線に近づく側に変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
(15) 上記(1)ないし(14)いずれかに記載のEIVTシステムにおいて、
エンジンクラッチのスリップ後にトルクバランスが維持された場合、予め設定された所定時間τ毎にエンジントルクを所定エンジントルク増大し、この状態でエンジンクラッチがスリップしていなければ、増大された新たなエンジントルクに基づくトルクバランスを達成するよう第1及び第2モータジェネレータトルクを増大するクラッチチェック処理を行い、
前記クラッチチェック処理は、エンジンクラッチがスリップするまで、もしくはエンジントルク,第1モータジェネレータトルク,第2モータジェネレータトルクが最適トルク値に到達するまで繰り返し継続することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
実施例1におけるハイブリッドシステムの機械的構成を示す全体図である。 実施例1におけるハイブリッドシステムの制御構成を表すブロック図である。 実施例1におけるハイブリッドシステムのEVモードの制御領域を表すマップである。 実施例1におけるハイブリッドシステムのEV-LBモードの制御領域を表すマップである。 実施例1におけるハイブリッドシステムのEIVTモードの制御領域を表すマップである。 実施例1におけるハイブリッドシステムのLBモードの制御領域を表すマップである。 実施例1におけるLBモードとEIVTモードの燃料消費量に対する電力収支の関係を表す図である。 実施例1における燃料消費量に対する電力収支の関係を表す図である。 実施例1における燃料消費量に対する電力微分値の関係を表す図である。 実施例1における燃料消費量に対する駆動効率の関係を表す図である。 実施例1における駆動効率に対する燃料消費量の関係を表す図である。 実施例1における駆動効率に対する最適モードの関係を表す図である。 実施例1におけるSOCが中程度のときの車速−要求駆動力モードマップを表す図である。 実施例1における統合コントローラの制御構成を表すブロック図である。 実施例1における最適モードにおける最適値演算処理を表すフローチャートである。 実施例1におけるLBモードを表す共線図である。 実施例1におけるLBモードにおいてエンジンクラッチがスリップした状態を表す共線図である。 実施例1におけるLBモードにおける剛体レバー回転防止処理を表すタイムチャートである。 実施例1におけるEIVTモードを表す共線図である。 実施例1におけるEIVTモードにおいてエンジンクラッチがスリップした状態を表す共線図である。 実施例1におけるEIVTモードにおける剛体レバー回転防止処理を表すタイムチャートである。 実施例1におけるEIVTモードにおけるエンジンクラッチスリップ防止処理を表すタイムチャートである。 実施例1におけるエンジン動作点の変更を表すエンジン平面図である。 実施例1におけるメインアルゴリズムを表すフローチャートである。 実施例1のサブアルゴリズムalgo_LB_1を表すフローチャートである。 実施例1のサブアルゴリズムalgo_LB_2を表すフローチャートである。 実施例1のサブアルゴリズムalgo_LB_3を表すフローチャートである。 実施例1のサブアルゴリズムalgo_EIVT_1を表すフローチャートである。 実施例1のサブアルゴリズムalgo_EIVT_2を表すフローチャートである。
符号の説明
1 変速機ケース
2 ラビニョ型遊星歯車装置
3 複合電流2層モータ
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
4 シングルピニオン型遊星歯車装置
5 ダブルピニオン型遊星歯車装置
6 終減速機
7 左右駆動輪
8 エンジンクラッチ
LB ローブレーキ
HB ハイブレーキ
11 モータコントローラ
12 エンジンコントローラ
13 インバータ
14 バッテリ
15 エンジン

Claims (12)

  1. エンジンと、モータと、駆動系統への出力部材と、回転を固定するブレーキとがそれぞれ異なる回転要素に連結され遊星歯車列と、前記エンジンと前記遊星歯車列との連結状態を切り換えるエンジンクラッチを有する差動歯車変速機と、
    車速及び要求駆動力によって決定される運転点に応じて前記エンジン及び前記モータの出力トルク状態及び前記エンジンクラッチの締結状態を制御し、前記要求駆動力を達成する制御手段と、
    を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンクラッチのスリップ状態を検出するスリップ検出手段と、
    前記ブレーキが締結した状態で、前記エンジンクラッチのスリップ状態を検出した時は、少なくとも前記モータの出力トルクを調整することで要求駆動力を達成しつつトルクバランスを維持するトルクバランス維持制御手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. エンジンと、2つのモータと、駆動系統への出力部材とがそれぞれ異なる回転要素に連結された遊星歯車列と、前記エンジンと前記遊星歯車列との連結状態を切り換えるエンジンクラッチを有する差動歯車変速機と、
    車速及び要求駆動力によって決定される運転点に応じて前記エンジン及び前記モータの出力トルク状態及び前記エンジンクラッチの締結状態を制御し、前記要求駆動力を達成する制御手段と、
    を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジンクラッチのスリップ状態を検出するスリップ検出手段と、
    前記エンジンクラッチのスリップ状態を検出した時は、少なくとも前記2つのモータの出力トルクを調整することで要求駆動力を達成しつつトルクバランスを維持するトルクバランス維持制御手段と、
    を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータのトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できないときは、要求駆動力が小さくなるように運転点を変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータトルクを修正したにも係わらずトルクバランスを維持できず、かつ、エンジンを使用しないモータ走行が可能なときは、エンジンを使用しないモータ走行に遷移することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    エンジンクラッチのスリップ状態を検出したときは、エンジンの目標トルクをエンジンクラッチが伝達可能な最大トルク値まで低下させることでスリップを防止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記差動歯車変速機を、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結し、締結により固定変速比、解放により無段変速比を達成する係合要素を備えた変速機としたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記係合要素の締結時にエンジンクラッチのスリップ状態を検出したときは、前記第1モータジェネレータトルクのみ修正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項7に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1モータジェネレータのみでエンジントルク不足分を補償できないときは、第2モータジェネレータトルクを修正することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  9. 請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記係合要素の解放時にエンジンクラッチのスリップ状態を検出したときは、前記第1モータジェネレータのトルクを修正すると共に、前記第2モータジェネレータのトルクを第1モータジェネレータの修正量に比例して修正することでトルクバランスを維持することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  10. 請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記係合要素の解放時にエンジンクラッチのスリップ状態を検出したときは、前記第1及び前記第2モータジェネレータのトルクを修正し、エンジン回転数とエンジンクラッチ回転数とを一致させることでスリップを防止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  11. 請求項9または10に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    前記係合要素の解放時にエンジンクラッチのスリップ状態を検出したときは、エンジンの目標トルクをエンジンクラッチが伝達可能な最大トルク値まで低下させエンジンクラッチのスリップを防止し、
    前記第1及び第2モータジェネレータパワーの最大値に到達しない範囲内で、エンジンの目標回転数をエンジンの最適燃費線に近づく側に変更することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  12. 請求項1ないし11いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
    エンジンクラッチのスリップ後にトルクバランスが維持された場合、予め設定された所定時間τ毎にエンジントルクを所定トルク増大し、この状態でエンジンクラッチのスリップ状態が検出されなければ、増大された新たなエンジントルクに基づくトルクバランスを達成するよう前記モータトルクを増大するクラッチチェック処理を行い、
    前記クラッチチェック処理は、エンジンクラッチがスリップするまで、もしくはエンジントルク,前記モータトルクが最適トルク値に到達するまで繰り返し継続することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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